JP4317475B2 - 管状器官治療具の挿入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば血管、尿管等の管状器官に挿入され、管状器官の内腔を開いた状態に維持させる管状器官治療具を拡径する際に用いられる挿入装置に関する。
近年、血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官における治療のため、カテーテルを通してステント等の管状器官治療具を挿入し配置することが行われている。例えば血管の狭窄部にステントを配置して拡張したり、動脈瘤が形成された箇所にステントを配置して動脈瘤の破裂を防止する治療方法が知られている。
従来、ステントを留置する際には、ステントを構成する線材同士が絡まったり、又はステントの端部がすぼまったりする現象(以下、コーニング現象という)を防止し、所定の形状まで拡張させるために、弾性樹脂からなるバルーンカテーテル220等の拡張補助具が用いられている(図9、10参照)。
この場合、まず、ガイドワイヤを経皮的に血管A内に挿入し、その先端を治療箇所である動脈瘤Cに到達させ、その状態で親カテーテルをガイドワイヤの外周に沿って挿入し、親カテーテルの先端を治療箇所に到達させた後、ガイドワイヤを抜き出す。その後、子カテーテル等にステント210を収容し、ステント210を収容した子カテーテルを親カテーテル内に挿入し、動脈瘤Cに到達させたら、子カテーテル内にプッシャを挿入して、ステント210を押し出すことにより、ステント210が血管内にて自己拡張して血管内壁に密接して留置される。
そして、ステント210を血管内に留置した後、バルーンカテーテル220を親カテーテルに挿入し、ステント210の内部で膨張させることにより、バルーンカテーテル220がステント210の内周を押圧するので、ステント210の拡張動作を補助し所定の形状まで拡張させることができる。
また、下記特許文献1には、長手方向に沿った所定領域に連続したスリットが複数本形成された可撓性のチューブと、該チューブの内部に沿って配設され、前記所定領域の一方側に一端が固定され他方側から引っ張ることができる線材とを備えてなる内腔拡張具が開示されている。この内腔拡張具は、管状器官内に挿入され、線材の他端を引っ張ることにより、内腔を拡張させるものである。この内腔拡張具を構成する可撓性のチューブは、軟質の塩化ビニル等の、非常に柔軟な材料で形成されている。
特開2003−260141号公報
しかしながら、バルーンカテーテル220を用いてステント210の拡張動作の補助をする場合には、バルーンカテーテル220が血管の内腔を塞ぐように膨張するため、図9に示す矢印方向の血流を遮断してしまう。このため、図10に示すように、バルーンカテーテル220が血流により流され、これと共にバルーンカテーテル220に圧接されているステント210も流されてしまうことがあった。このため、せっかくステント210を目的の位置に留置しても、その留置位置がずれてしまい、本来の治療目的を達成できないという問題が生じていた。
また、特許文献1の内腔拡張具は、管状器官内に挿入して、その拡張具で管状器官を直接拡張させることを目的にしている。このため、内腔拡張具を構成する可撓性のチューブとして、軟質の塩化ビニル等の柔軟な材料が使用されている。しかし、このような拡張具では、拡張させたときの剛性が不足して、ステント等の拡張補助具としては利用できない可能性があった。
したがって本発明の目的は、ステント等の管状器官治療具を、管状器官内に留置する場合において、管状器官治療具の拡張動作を補助することができ、しかも、管状器官治療具の留置位置がずれることがない管状器官治療具の挿入装置を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、筒状の部材からなるアウターシースと、このアウターシースの内部に挿入され、軸方向に沿って貫通する貫通路を有するインナーシースと、前記アウターシースの先端部の内側であって、前記インナーシースの先端部より前方に配置される管状器官治療具と、前記インナーシースの貫通路を通して前記管状器官治療具の内側に挿入され、前記管状器官の内周を押圧して拡張を補助するための拡張補助具とを備え、前記拡張補助具は、先端部近傍に拡張部を有するチューブと、このチューブの内部に挿通された芯材とを有し、前記拡張部は、スリット又は孔を有していて軸方向に圧縮したときに外径方向に拡径可能な金属の円筒部材で構成されており、前記芯材は、その先端部を前記チューブの前記拡張部よりも先端側に固着されていることを特徴とする管状器官治療具の挿入装置を提供するものである。
上記発明によれば、この管状器官の拡張を必要とする治療箇所に、前述したような方法でステント等の管状器官治療具を挿入した後、この管状器官治療具の内側にこの拡張補助具の拡張部を配置させ、前記チューブに対して前記芯材を基部側に引っ張ることにより、前記拡張部が軸方向に縮められて、スリット又は孔が開いて外径側に湾曲し拡径される。それによって、管状器官治療具を内側から押圧して、その拡張動作を補助することができ、管状器官治療具のコーニング現象等を効果的に防止することができる。
この際に芯材を引っ張ったり、押し込んだりすることにより、拡張加減を容易にコントロールすることができるので、管状器官治療具に対する位置を徐々に変えながら、拡張加減を調整しつつ拡張補助を行うことにより、管状器官治療具を適切な形状に拡張させることができる。
また、前記拡張部は、金属の円筒部材で構成されており、上記引例1の内腔拡張具を構成する可撓性チューブ本体と比べ剛性が高く、それに伴ない拡張力も大きいので、管状器官治療具の拡張動作の補助を容易に行うことができる。
更に、本発明の拡張補助具を管状器官内で拡張させた際には、前記拡張部のスリット又は孔が開くように拡張するので、この隙間に血液が流れ込むことにより、血流を妨げることがなく、従来のバルーンカテーテルのように、管状器官治療具と共に血流によって流されることがなく、管状器官治療具の留置位置がずれてしまうことがない。
更にまた、管状器官治療具を適正な形状に拡張させて留置した後は、芯材をチューブに対して押し込むことによって、管状器官治療具の拡張補助具の拡張部を瞬時に縮径させることができるので、管状器官内から迅速に引き抜くことができる。
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記拡張補助具のチューブは、前記拡張部と、この拡張部の少なくとも基端側に連接された樹脂チューブからなる基端部とを有している管状器官治療具の挿入装置を提供するものである。
上記発明によれば、金属の円筒部材からなる拡張部の少なくとも基端側に樹脂チューブからなる基端部が連接されているので、柔軟性が高く、管状器官に挿入する際には、管状器官の屈曲形状に合わせて自然に曲がって対応することができる。
本発明の第3は、前記第1の発明において、前記拡張補助具のチューブは、全体が金属チューブで形成され、前記拡張部には、前記軸方向に沿ったスリットが形成されており、前記拡張部以外の部分には、該チューブを柔軟にするためのスリット又は孔が形成されている管状器官治療具の挿入装置を提供するものである。
上記発明によれば、前記チューブは全体が金属で形成され、拡張部以外の部分には、スリット又は孔が形成されているため柔軟性に優れ、前記第2の発明と同様に、管状器官に挿入時には管状器官の屈曲形状に合わせて自然に曲がって対応することができる。また、全体が金属で形成されているので上記第2の発明に比べ、樹脂チューブの接続工程が必要なく、製造工程が簡略化される。
本発明の第4は、前記第1〜3の発明のいずれかにおいて、前記拡張補助具の拡張部は、形状記憶合金で形成されていて、開いた状態又は閉じた状態に形状記憶処理されている管状器官治療具の挿入装置を提供するものである。
上記発明によれば、前記拡張部は、所定温度で元の形状に戻る形状記憶合金で形成されている。このため、例えば開いた状態に形状記憶した場合には、温水等を流し込むことにより、瞬時に元の形状に開いた状態に戻るので、迅速に管状器官治療具の拡張動作を補助することができる。また、管状器官治療具を拡張させたら、芯材をチューブに対して押し込むことによって、管状器官治療具の内周との圧接状態を解除することができる。
また、閉じた状態に形状記憶した場合には、温水等を流し込むことにより、前記拡張部を瞬時に元の閉じた状態に戻すことが可能なので、管状器官治療具を拡張させて留置した後、管状器官内から迅速に引き抜くことができる。
このように、拡張部の形状記憶処理は、開いた状態又は閉じた状態のいずれでもよいので、手術方法、手術形態、或いは使用者の作業性等に応じて、適宜選択することが可能である。
本発明の第5は、上記第1〜4の発明のいずれか1つにおいて、前記管状器官治療具の基端部には、周方向に沿って複数の環状のループが形成されており、これらのループにワイヤが挿通されている管状器官治療具の挿入装置を提供するものである。
上記発明によれば、管状器官治療具の基端部に設けたループに挿通されたワイヤを引っ張ることにより、管状器官治療具の基端部を縮径させることができ、この状態で更にワイヤを引っ張ることにより、管状器官治療具の留置位置を調整することができる。
本発明の第6は、前記第5の発明において、前記インナーシースは、軸方向に沿って貫通する2つの貫通路を有し、1つの貫通路には前記拡張補助具が挿入され、もう1つの貫通路には前記ワイヤが挿入され、該ワイヤは該貫通路を通して外部に延出されている管状器官治療具の挿入装置を提供するものである。
本発明の第7は、前記第1〜6の発明において、前記拡張補助具の先端には、拡径されて先細のテーパ状をなす頭部が設けられている管状器官治療具の挿入装置を提供するものである。
以上説明したように、本発明によれば、拡張部が、スリット又は孔を有していて軸方向に圧縮したときに外径方向に拡径可能な金属の円筒部材で構成されているので、拡径させたときの剛性が高く、管状器官治療具の拡張動作の補助を容易に行うことができ、また管状器官内で拡張させた際に、血流を妨げることがないので、管状器官治療具の留置位置がずれてしまうことがない。
図1及び図2には、本発明の管状器官治療具の挿入装置を構成する、管状器官治療具の拡張補助具の一実施形態が示されている。図1は同拡張補助具を示し、(a)は拡張部を閉じた状態の斜視図、(b)は拡張部を拡径させた状態の斜視図、図2は同拡張補助具を用いて、管状器官治療具の拡径動作を補助している状態を示す説明図である。
図1に示すように、この管状器官治療具の拡張補助具10は、チューブ20と、このチューブ20の内部に挿通される芯材30とを備えている。
チューブ20は、先端部21、拡張部22、基端部23で形成されており、拡張部22の一方の端部と先端部21とが接合し、更に、拡張部22の他方の端部と基端部23とが接合されて構成されている。また、チューブ20の基端は、筒状保持部24に固着されている。
先端部21及び基端部23と、拡張部22とは材質が異なっており、先端部21及び基端部23の材質としては、例えばポリアミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリイミド等から選ばれた生体適合性のある合成樹脂が好ましく使用される。また、その外径は、適用箇所によって適宜選択すればよいが、通常1〜10mmが好ましい。なお、先端部21は先細のテーパ形状をなしており、血管等の管状器官内を進行するときに、管状器官内壁を損傷しないようにされている。
一方、拡張部22は、金属の円筒部材で形成されており、その軸方向に沿ったスリット22aが、周方向に所定の間隔で複数形成され、短冊状の分割部22bを構成している。前記スリット22aの数(言い換えると分割部22bの数)としては、特に限定されないが、管状器官治療具の内周を均一に拡張できるようにすると共に、それぞれの分割部22bが十分な剛性を保持できるようにするため、好ましくは2〜20本、より好ましくは6〜12本形成されることが好ましい。
拡張部22の材質としては、熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金が好ましく採用されるが、用途によってはステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、Wなどを用いてもよい。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好ましく使用される。また、形状記憶合金の表面にAu、Ptなどをメッキ等の手段で被覆したものであってもよい。拡張部22の金属円筒部材の太さは、特に限定されないが、例えば血管用のステント等に用いる場合には、2〜40mmが好ましい。
チューブ20の基端部23は、筒状保持部24に固着されており、この筒状保持部24及びチューブ20を通して芯材30が挿入可能になっている。また、筒状保持部24の内径は、後述する芯材30の操作部31の外径よりも小さな径とされ、芯材30を必要以上に押し込むことができないようにしている。更に、筒状保持部24の外壁には、例えば体内に空気が入らないようにするために、薬液等の液体を流し込むための薬液注入ポート24aが設けられている。手術中には、この筒状保持部24を一方の手で把持し、後述する芯材30の操作部31を他方の手で動作させることにより、拡張部22の拡張操作を行うようになっている。
先端部21及び基端部23と、拡張部22との連結方法は、特に限定されないが、例えば溶着、接着、かしめ、機械的嵌合などの手段が採用される。
以上のように形成されたチューブ20に、芯材30が挿通され、この芯材の先端部とチューブ20の先端部21とが固着されている。なお、この芯材30は筒状の部材となっていてもよく、その場合の内腔を後述するガイドワイヤ80を挿通可能な挿通路として用いることもできる。この芯材30の材質としては、例えばポリアミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリイミド等の合成樹脂や、形状記憶合金、ステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、W等の金属材料を用いてもよく、先端部21の材質や、使用目的等により適宜選択することができる。
芯材30の基端には、操作部31が接続されている。また、この操作部31の外壁には、チューブ20の筒状保持部24と同様に、薬液注入ポート31aが形成され、薬液や温水を流し込むことが可能となっている。そして、筒状保持部24を一方の手で把持し、操作部31を他方の手で把持して、芯材30を、図1(b)の矢印Aに示すように、チューブ20に対して基部側に引っ張ることにより、拡張部22の複数のスリット22aが開いて、短冊状の分割部22bが外径側に湾曲して、矢印B方向に拡径する。一方、矢印Aの反対方向、すなわちチューブ20の先端側に芯材30を押し込むと、拡張部22を再び縮径させることができる。
次に、図2を参照して、上記拡張補助具10の使用方法について説明する。
始めに、図示しないガイドワイヤを経皮的に血管V内に挿入し、その先端を治療部位である動脈瘤Cの所定箇所を越えた位置にまで到達させた後、このガイドワイヤの外周に沿って、図示しない親カテーテルを挿入していく。親カテーテルの先端が動脈瘤Cに到達した後、ガイドワイヤを引き抜いて、自己拡張型のステント40を収容した図示しないシースを、親カテーテル内に挿入する。
この状態で、X線モニタで位置を確認しながら、シースが動脈瘤Cより少し越した箇所に位置するように配置し、そして、図示しないプッシャをシース内に挿入し、プッシャによりステント40を押し出す。この場合、プッシャを保持しながら、シースを引き戻すことによって、ステント40を押出してもよい。ステント40をシースから血管V内に押出すと、ステント40は、その自己拡張力で動脈瘤Cの内周に押圧されて、動脈瘤Cの内周を覆うように留置される。その後、シース及びプッシャを血管V内から引き抜く。
次に、管状器官治療具の拡張補助具10を親カテーテル内に挿入し、その先端部21及び拡張部22を上記ステント40の内周に突出させる。そして、図2に示されるように、留置したステント40の内部にて芯材30を基部側に引っ張ると、拡張部22が拡径されてステント40の内周に圧接される。なお、この操作は、ステント40の軸方向に沿って徐々に移動しながら複数箇所で行うことができる。こうしてステント40を内周から押圧することにより、ステント40の拡張動作を補助して確実に拡径させることができる。このとき、拡張部22は、スリット22aを開いて短冊状の分割部22bが外径側に屈曲して拡張する。なお、スリット22aが開いた隙間を通して、血流が矢印方向に沿って流れるので、従来のバルーンカテーテルのように、管状器官治療具が共に流されることがなく、管状器官治療具の留置位置がずれてしまうことがない。
なお、チューブ20は、全体が金属チューブで形成されていてもよい。この場合には、拡張部22に上記スリット22aを形成して分割部22bを設けると共に、基端部23にもスリットや孔を形成して、チューブ20に柔軟性を付与することが好ましい。
また、チューブ20又は芯材30の少なくとも一部を、例えば図8に示すような複合金属部材で形成することもできる。この金属部材は、超弾性合金bからなる外周部と、X線不透過性材料aからなる内周部とで構成されている。この例では、全体として線材となっているが、内周部も筒状をなしていて、全体としてチューブをなしていてもよい。超弾性合金bからなる外周部とX線不透過性材料aからなる内周部は、一体化されていても、別体で相対的に移動可能であってもよい。この金属部材は、X線不透過性材料a及び超弾性合金bからなる複合材料で形成されているので、管状器官の屈曲部に沿って曲がることが可能な柔軟性と、その位置をX線透視カメラによって視認できる視認性とを兼ね備えている。したがって、チューブ20又は芯材30の少なくとも一部を、上記金属部材で構成することにより、管状器官内への挿入操作を更に容易にかつ確実に行うことができる。
なお、X線不透過性材料aとしては、Au、Pt、Pd等の金属が用いられ、超弾性合金bとしては、Ni−Ti系の形状記憶合金等が好ましく用いられる。また、図8におけるX線不透過性材料aの直径Xと、金属部材全体の直径Yとの関係は、X線不透過性材料aの横断面積が金属部材全体の横断面積に対して10〜40%の範囲となるように設定することが好ましい。
以上のように、ステント40を予め血管V内に挿入し、その後に拡張補助具10を挿入して、ステント40を内側から押圧するようにしている。そして、上記拡張補助具10は、ステント40の挿入装置に組み込まれるようになっている。このステント40の挿入装置が、本発明における管状器官治療具の挿入装置をなしている。図3〜6には、そのような拡張補助具付きのステント挿入装置100が示されている。図3はステント挿入装置の全体を示す斜視図、図4はステント挿入装置の先端部内周にステントを収容する際の手順を示す説明図、図5はステント挿入装置の先端部内周にステントを完全に収容した状態を示す説明図、図6はステントを留置する際の手順を示す説明図である。
本発明の管状器官治療具の挿入装置(以下、ステント挿入装置100)は、ステント40と、ステント40をその先端部の内周に収容するアウターシース50と、前記アウターシース50の内側に配置され、その軸方向に沿って貫通する2つの貫通路61a、61bを有するインナーシース60と、前記貫通路61aに挿通される、拡張補助具10とから、主に構成されている。
前記ステント挿入装置100に収容されるステント40は、1又は複数の線材を編み又は組んで筒状に形成したものからなり、その基端部には、周方向に沿って環状のループ41が形成されている。
アウターシース50は筒状の部材で、内部にインナーシース60を収容できるようになっており、その先端部の内側に前記ステント40が収容される。このアウターシース50の材質としては、例えばポリアミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリイミド等から選ばれた生体適合性のある合成樹脂が好ましく使用される。アウターシース50の外径は、適用箇所によって適宜選択すればよいが、通常1〜10mmが好ましい。
インナーシース60は円柱状の部材で、前記アウターシース50の内側に配置されており、更に、軸方向に沿って貫通する2つの貫通路61a、61bを有している。貫通路61aには本発明の拡張補助具10が挿入され、貫通路61bにはワイヤ70が挿入されるようになっている。インナーシース60は、挿入時のプッシュアビリティを付与できる適度な剛性を有するものであればよく、例えば前記アウターシースと同様な生体適合性のある合成樹脂や、Ti−Ni合金等からなる超弾性合金や、ステンレスや、Au、Pt、WなどのX線不透過性金属などが好ましく使用される。
また、上記ワイヤ70は、ステント40の基端部に形成されたループ41に挿通され、インナーシース60の貫通路61b、操作部62に設けられたワイヤ操作部62aを介して、外部に延出されている。このワイヤ70は、紐、糸、ワイヤ等の線状のもので、材質としては、熱可塑性樹脂、金属線材の材料、綿や絹などの天然繊維などを好ましく用いることができる。上記ワイヤ70の両端を引っ張ることにより、ステント40の基端部を縮径させることができるようになっている。
また、インナーシース60の基端部には、図3に示す操作部62が設けられている。この操作部62には、側方にワイヤ操作部62aが形成されており、上記ワイヤ70を挿入できるようになっている。
前記インナーシース60の貫通路61aに挿入された拡張補助具10の先端には、更に頭部21aが接続されている。この頭部21aは、先細のテーパ形状をなしており、血管等の管状器官内を進行するときに、管状器官の内壁を損傷しないようにされている。なお、頭部21aには、X線不透過性材料が混合又は取付けられていることが好ましい。X線不透過性材料としては、例えば、Au、Pt、Ir、Ta、W、Ag等や、それらを含有する合金などが好ましく使用される。
ステント挿入装置100を管状器官内に挿入するためのガイドワイヤ80は、拡張補助具10の芯材30内に設けられた挿通路を通して挿入され、チューブ20の頭部21aから挿出される。このガイドワイヤ80としては、公知の各種のものが使用できる。すなわち、超弾性合金や、ステンレスなどからなる芯線に合成樹脂膜を被覆したものや、芯線の外周にコイルを装着し、このコイルの外周を更に合成樹脂膜で被覆したものなどが用いられる。
上記構成からなるステント挿入装置100の使用方法について、以下に説明する。
始めに、ステント40を縮径させた状態で、アウターシース50内に収容する。この場合、ステント40の基端部のループ41に挿通されたワイヤ70を、予め、ワイヤ操作部62aより引き出して配置しておき、このワイヤ70の両端を図4(b)に示す矢印方向に引っ張ることにより、ステント40の端部を巾着袋の様に縮径させる。この状態で、アウターシース50をスライドさせて、ステント40をアウターシース50内に収容する。ステント40は、アウターシース50の先端部内周において、前記頭部21aとインナーシース60の先端面との間に配置される。
ステント40を収容したステント挿入装置100は、以下の手順で管状器官内に挿入される。まず、ガイドワイヤ80を経皮的に血管内に挿入し、その先端を治療部位、例えば血管の閉塞部にまで到達させた後、このガイドワイヤ80の外周に沿って、ステント挿入装置100を、芯材30に形成された挿通路を通して挿入していく。
この状態で、X線モニタで位置を確認しながら、頭部21aが動脈瘤より少し越した箇所に位置するようにステント挿入装置100を配置する。そして、インナーシース60を保持しながら、図6に示す矢印E方向にアウターシース50をスライドさせる。すると、アウターシース50内に収容されていたステント40が先端部より徐々に露出し、図6(a)に示されるように自己拡張力によって拡張する。
この際に、ステント40の留置位置がずれている場合には、ステント40の基端部に設けられたループ41に挿通されたワイヤ70の両端部を、矢印E方向に引っ張って、ステント40の基端部を縮径させて、この状態で更にワイヤ70を引っ張れば、ステント40の留置位置を調整することができる。
留置位置に問題がなければ、図6(b)に示すように、ループ41に挿通されたワイヤ70の一方の端部だけを矢印E方向に引っ張ることにより、ワイヤ70が引き抜かれて、血管内から回収される。
次いで、図6(c)に示すように、拡張補助具10の拡張部22をステント40内に配置し、チューブ20に対して芯材30を矢印E方向に引っ張ると、拡張部22が軸方向に圧縮されるため、前述したように拡張して、ステント40の内周に圧接される。このため、ステント40の拡張を助けて、コーニング現象等を生じることなく、確実に拡張させることができる。
そして、ステント40の留置、拡張後、芯材30を矢印F方向に押し戻して拡張部22を再び縮径させ、チューブ20及び芯材30をステント40の内部から退避させ、併せてステント挿入装置100も引き戻して、管状器官内から引き抜くことにより、治療は終了する。こうして、ステント40は、血管内に留置され、血管を拡張した状態に維持してその閉塞を防止することができる。
図7は、管状器官治療具の拡張補助具10における、拡張部22の形状を変えた他の実施形態を示し、(a)は拡張部22を縮径させた状態の斜視図、(b)は拡張部22を拡径させた状態の斜視図である。これによれば、拡張部22は、網目形状の円筒形状をなしている。この態様によれば、図1に示すスリット22aを有する拡張部22に比べ緊密な網目形状をなすため、その拡張力がステント40の筒状形状の全周に加わり、ステント40をより均一に拡張させることができる。なお、拡張部22としては、スパイラル形状等を用いてもよく、目的に応じて適宜選択できる。
本発明は、例えば血管、尿管等の管状器官に挿入され、管状器官の内腔を開いた状態に維持させる管状器官治療具を拡径する際に用いられる拡張補助具として利用でき、管状器官を確実に拡張させることができ、かつ、管状器官治療具の留置位置のずれを防止する効果をもたらす。
本発明を構成する管状器官治療具の拡張補助具の一実施形態を示し、(a)は拡張部が縮径した状態の斜視図、(b)は拡張部が拡径した状態の斜視図である。 同拡張補助具を管状器官内に挿入して、管状器官治療具の拡径動作を補助している状態を示す説明図である。 同拡張補助具を組み込んだ本発明における管状器官治療具の挿入装置の一例を示す斜視図である。 同挿入装置の先端部内周にステントを収容する際の手順を示し、(a)はステントを装着する前の状態を示す説明図、(b)はステントを装着してアウターシース内に挿入するときの状態を示す説明図である。 同挿入装置の先端部内周にステントを完全に収容した状態を示す説明図である。 同挿入装置を用いて、ステントを留置する際の手順を示し、(a)はステントを徐々に押出す途中の状態を示す説明図、(b)はステントを完全に押出した状態を示す説明図、(c)は拡張補助具によってステントの拡張を補助する状態を示す説明図である。 本発明を構成する管状器官治療具の拡張補助具の他の実施形態を示し、(a)は拡張部を縮径させた状態の斜視図、(b)は拡張部を拡径させた状態の斜視図である。 本発明を構成する管状器官治療具の拡張補助具に用いられる金属部材の他の例を示す説明図である。 従来のバルーンカテーテルを用いて管状器官治療具の拡張補助をしている状態を示す説明図である。 従来のバルーンカテーテルを用いて管状器官治療具の拡張補助をし、血流により留置位置がずれた場合を示す説明図である。
符号の説明
10 管状器官治療具の拡張補助具
20 チューブ
20a、20b 金属部材
22 拡張部
22a スリット
23 基端部
30 芯材

Claims (7)

  1. 筒状の部材からなるアウターシースと、このアウターシースの内部に挿入され、軸方向に沿って貫通する貫通路を有するインナーシースと、前記アウターシースの先端部の内側であって、前記インナーシースの先端部より前方に配置される管状器官治療具と、前記インナーシースの貫通路を通して前記管状器官治療具の内側に挿入され、前記管状器官の内周を押圧して拡張を補助するための拡張補助具とを備え、前記拡張補助具は、先端部近傍に拡張部を有するチューブと、このチューブの内部に挿通された芯材とを有し、前記拡張部は、スリット又は孔を有していて軸方向に圧縮したときに外径方向に拡径可能な金属の円筒部材で構成されており、前記芯材は、その先端部を前記チューブの前記拡張部よりも先端側に固着されていることを特徴とする管状器官治療具の挿入装置。
  2. 前記拡張補助具のチューブは、前記拡張部と、この拡張部の少なくとも基端側に連接された樹脂チューブからなる基端部とを有している請求項1記載の管状器官治療具の挿入装置。
  3. 前記拡張補助具のチューブは、全体が金属チューブで形成され、前記拡張部には、前記軸方向に沿ったスリットが形成されており、前記拡張部以外の部分には、該チューブを柔軟にするためのスリット又は孔が形成されている請求項1記載の管状器官治療具の挿入装置。
  4. 前記拡張補助具の拡張部は、形状記憶合金で形成されていて、開いた状態又は閉じた状態に形状記憶処理されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の管状器官治療具の挿入装置。
  5. 前記管状器官治療具の基端部には、周方向に沿って複数の環状のループが形成されており、これらのループにワイヤが挿通されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の管状器官治療具の挿入装置。
  6. 前記インナーシースは、軸方向に沿って貫通する2つの貫通路を有し、1つの貫通路には前記拡張補助具が挿入され、もう1つの貫通路には前記ワイヤが挿入され、該ワイヤは該貫通路を通して外部に延出されている請求項5記載の管状器官治療具の挿入装置。
  7. 前記拡張補助具の先端には、拡径されて先細のテーパ状をなす頭部が設けられている請求項1〜6のいずれか1つに記載の管状器官治療具の挿入装置。
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