JP4314664B2 - 流体継手装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機の回転トルクを伝達するための流体継手装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体継手(フルードカップリング)は船舶用、産業機械用、自動車用の動力伝達継手として従来から用いられている。流体継手は、原動機である例えばディーゼルエンジンのクランクシャフト(流体継手としての入力軸)に連結されたケーシングと、該ケーシングと対向して配設されケーシングに取り付けられたポンプと、該ポンプとケーシングによって形成された室にポンプに対向して配設され入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンとを具備している。また、流体継手には、一般に作動流体が上記ポンプとケーシングによって形成された室およびポンプとタービンとによって形成される作動室を循環するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図5は流体継手のスリップ率が零(0)のときのエンジン回転数即ちポンプの回転数に対する伝達トルクとの関係を示すグラフである。図5において破線は、従来の流体継手の特性を示すものである。このような特性を有する流体継手を車両の駆動装置に装備したした場合、車両停止状態でエンジンが駆動され変速機の変速ギヤが投入されている状態、即ち入力軸が回転し出力軸が停止している状態では、その特性上ドラッグトルクを有する。ドラッグトルクは、一般的にエンジンがアイドリング回転数で運転されている状態での伝達トルクをいう。このドラッグトルクは、流体継手の設計点を最大効率となる回転速度比、即ちポンプとタービンとの回転速度比を0.95〜0.98位にとると、かなり大きくなる。ドラッグトルクが大きいと、エンジンのアイドリング運転が著しく不安定となるとともに、この不安定な回転が駆動系に異常振動を発生させる原因となる。また、ドラッグトルクが大きいことにより、アイドリング運転時の燃費が悪化する原因にもなっている。
【0004】
上記ドラッグトルクを下げるためには供給する作動流体の圧力を下げることが考えられるが、供給する作動流体の圧力を下げると流体継手への充填効率が低下するために高回転時における伝達トルクも低下してしまう。また、ロックアップクラッチを備えた流体継手においては、ロックアップクラッチの作動圧が不足して、最悪の場合ロックアップ不能となる。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、トルク伝達機能を損なうことなく、ドラッグトルクを低減することができる流体継手装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するために、
「内燃機関によって駆動される入力軸に連結されたケーシングと、
該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、
該ポンプと該ケーシングによって形成された室に該ポンプと対向して配設され該入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンと、
該ポンプと該ケーシングによって形成された室および該ポンプと該タービンとによって形成される作動室に作動流体を循環せしめる作動流体循環手段と、を具備する流体継手装置において、
該作動流体循環手段は、少なくとも該内燃機関のアイドリング回転時においては、該作動室内を該ポンプから該タービンへ循環する循環流を妨げるように、該タービンの外周外側から該ポンプに向けて該作動室に作動流体を流入させ、かつ、
該作動流体循環手段は、流体圧源から送給される作動流体の流体圧を、該内燃機関のアイドリング回転時において該作動室内を該ポンプから該タービンへ循環する該作動室内の作動流体の循環力と略等しくなるように調整する作動流体圧調整手段を具備する」
ことを特徴とする流体継手装置が提供される。
【0007】
上記作動流体圧調整手段は、流体圧源から送給される作動流体を所定の流体圧に調整するリリーフ弁からなり、該リリーフ弁の開弁圧が内燃機関のアイドリング回転時における上記作動室内の作動流体の循環力と略等しくなるように設定されている。
【0008】
また、本発明によれば、上記ケーシングとタービンとの間に配設されケーシングとの間に外側室を形成するとともにタービンとの間に内側室を形成するクラッチディスクを備え、ケーシングとタービンとを係合または係合解除するロックアップクラッチを具備する流体継手装置が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された流体継手装置の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0010】
図1には、本発明を適用した流体継手(フルードカップリング)装置を自動車用エンジンと摩擦クラッチとの間に配設した駆動装置の一実施形態が示されている。図示の実施形態における駆動装置は、原動機としての内燃機関2と本発明に従って構成された流体継手装置4および摩擦クラッチ8とによって構成されている。内燃機関2は図示の実施形態においてはディーゼルエンジンからなっており、クランク軸21の端部には流体継手装置4の後述するポンプ側が取り付けられる。
【0011】
流体継手装置4は、ディーゼルエンジン2に装着されたハウジング22にボルト23等の締結手段によって取り付けられた流体継手ハウジング40内に配設されている。図示の実施形態における流体継手装置4は、ケーシング41とポンプ42およびタービン43を具備している。
【0012】
ケーシング41は、上記クランク軸21にボルト24によって内周部が装着されたドライブプレート44の外周部にボルト441、ナット442等の締結手段によって装着されている。なお、上記ドライブプレート44の外周には、図示しないスタータモータの駆動歯車と噛合する始動用のリングギヤ45が装着されている。
【0013】
ポンプ42は上記ケーシング41と対向して配設されている。このポンプ42は、椀状のポンプシェル421と、該ポンプシェル421内に放射状に配設された複数個のインペラ422とを備えており、ポンプシェル421が上記ケーシング41に溶接等の固着手段によって取り付けられている。従って、ポンプ42のポンプシェル421は、ケーシング41およびドライブプレート44を介してクランク軸21に連結される。このため、クランク軸21は流体継手装置4の入力軸として機能する。
【0014】
タービン43は上記ポンプ42とケーシング41によって形成された室にポンプ42と対向して配設されている。このタービン43は、上記ポンプ42のポンプシェル421と対向して配設された椀状のタービンシェル431と、該タービンシェル431内に放射状に配設された複数個のランナ432とを備えている。タービンシェル431は、上記入力軸としての上記クランク軸21と同一軸線上に配設された出力軸46にスプライン嵌合されたタービンハブ47に溶接等の固着手段によって取り付けられている。
【0015】
図示の実施形態における流体継手装置4は、上記ケーシング41とタービン43とを直接伝動連結するためのロックアップクラッチ50を具備している。ロックアップクラッチ50は、ケーシング41とタービン43との間に配設されケーシング41との間に外側室40aを形成するとともにタービン43との間に内側室40bを形成するクラッチディスク51を備えている。このクラッチディスク51は、内周縁が上記タービンハブ47の外周に相対回転可能でかつ軸方向に摺動可能に支持されており、その外周部には上記ケーシング41と対向する面にクラッチフェーシング52が装着されている。また、クラッチディスク51の外周部における内側室40b側には、環状の凹部53が形成されており、この凹部53にそれぞれ支持片54によって支持された複数個のダンパースプリング55が所定の間隔を置いて配設されている。この複数個のダンパースプリング55の両側には上記クラッチディスク51に取り付けられた入力側リテーナ56が突出して配設されているとともに、各ダンパースプリング55間には上記タービン43のタービンシェル431に取り付けられた出力側リテーナ57が突出して配設されている。
【0016】
図示の実施形態におけるロックアップクラッチ50は以上のように構成されており、その作動について説明する。
上記内側室40b側の作動流体の圧力が外側室40aの作動流体の圧力より高い場合、即ち後述する作動流体循環手段によって供給される作動流体がポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aから内側室40bを通して外側室40aに流れる場合には、上記クラッチディスク51が図1において左方に押圧されるので、クラッチディスク51に装着されたクラッチフェーシング52がケーシング41に押圧されて摩擦係合する(ロックアップクラッチON)。従って、ケーシング41とタービン43は、クラッチフェーシング52、クラッチディスク51、入力側リテーナ56、ダンパースプリング55、出力側リテーナ57を介して直接伝動連結される。一方、上記外側室40aの作動流体の圧力が内側室40b側の作動流体の圧力より高い場合、即ち後述する作動流体循環手段によって供給される作動流体が外側室40aから内側室40bを通してポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aに循環する場合には、上記クラッチディスク51が図1において右方に押圧されるので、クラッチディスク51に装着されたクラッチフェーシング52はケーシング41と摩擦係合せず、従って、ケーシング41とタービン43との伝動連結は解除されている。
【0017】
図示の実施形態における流体継手装置4は後述する作動流体循環手段の流体圧源としての油圧ポンプ60を具備している。この油圧ポンプ60は上記流体継手ハウジング40にボルト61等の固着手段によって取り付けられポンプハウジング62に配設されている。この油圧ポンプ60は、上記ポンプ42のポンプシェル421に取り付けられたポンプハブ48によって回転駆動されるように構成されている。なお、ポンプハブ48は上記出力軸46を包囲するように突出形成されたポンプハウジング62の筒状支持部620に軸受490によって回転可能に支持されている。また、図2乃至図4に示すように後述する作動流体循環手段に関連して、出力軸46に作動流体の通路460が設けられているとともに、出力軸46と筒状支持部620との間に作動流体の通路461が設けられている。通路460は、その一端が出力軸46の図において左端面に開口し上記外側室40aと連通しており、その他端が出力軸46の外周面に開口する径方向の通路462と連通している。また、通路461は、上記ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aと筒状支持部620に設けられた連通穴621とを連通するように構成されている。
【0018】
次に、流体継手に作動流体を循環せしめる作動流体循環手段について、図2乃至図4を参照して説明する。
作動流体循環手段は作動流体を収容するリザーブタンク65を具備しており、該リザーブタンク65内の作動流体は上記油圧ポンプ60によって通路66に吐出される。通路66に吐出された作動流体は、作動流体の循環経路を制御する電磁方向制御弁67を介して上記連通穴621と連通する通路68または上記通路462と連通する通路69に供給される。電磁方向制御弁67が除勢(OFF)している図2および図3に示す状態のときには、通路66に吐出された作動流体は矢印で示すように通路69、通路462、通路460、外側室40a、内側室40b、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a、通路461、連通穴621、通路68、戻り通路70、冷却器71および通路72を通してリザーブタンク65に循環される。作動流体が図2および図3において矢印で示すように循環するときは、外側室40aの流体圧が内側室40bの流体圧より高いので、ロックアップクラッチ50は上述したように摩擦係合しない。一方、電磁方向制御弁67が付勢(ON)されると図4で示す状態となり、通路66に吐出された作動流体は矢印で示すように通路68、連通穴621、通路461、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a、内側室40b、外側室40a、通路460、通路462、通路69、戻り通路70、冷却器71および通路72を通してリザーブタンク65に循環される。作動流体が図4において矢印で示すように循環するときは、内側室40bの流体圧が外側室40aの流体圧より高いので、ロックアップクラッチ50は上述したように摩擦係合する。
【0019】
図示の実施形態における流体回路には、上記通路66とリザーブタンク65を結ぶリリーフ通路73が設けられており、このリリーフ通路73にリリーフ弁74が配設されている。このリリーフ弁74は、開弁圧がディーゼルエンジン2のアイドリング回転時における上記作動室4a内の作動流体の循環力と略等しくなるように設定されている。即ち、リリーフ弁74の開弁圧は、ディーゼルエンジン2によって駆動されるポンプ42の回転によって発生する作動流体の遠心力によって生ずる循環力と略等しくなるように設定されている。従って、リリーフ弁74は流体圧源から送給される作動流体の流体圧を該内燃機関のアイドリング回転時における該作動室内の作動流体の循環力と略等しくなるように調整する作動流体圧調整手段として機能する。
【0020】
次に、上記摩擦クラッチ8について説明する(図1参照)。
摩擦クラッチ8は、上記流体継手ハウジング40にボルト81によって装着されたクラッチハウジング80内に配設されている。図示の実施形態における摩擦クラッチ8は、上記流体継手の出力軸46に装着されたクラッチドライブプレート82と、出力軸46と同一軸線上に配設された伝動軸83(図示の実施形態においては、図示しない変速機の入力軸)と、該伝動軸83にスプライン嵌合されたクラッチハブ84に取り付けられ外周部にクラッチフェーシング85が装着されているドリブンプレート86と、該ドリブンプレート86をクラッチドライブプレート82に押圧するプレッシャープレート87と、該プレッシャープレート87をクラッチドライブプレート82に向けて付勢するダイアフラムスプリング88と、該ダイアフラムスプリング88の内端部に係合してダイアフラムスプリング88を中間部を支点881として作動するレリーズベアリング89と、該レリーズベアリング89を軸方向に作動せしめるクラッチレリーズフォーク90とを具備している。このように構成された摩擦クラッチ8は、図示の状態においてはダイアフラムスプリング88のばね力によってプレッシャープレート87がクラッチドライブプレート82に向けて押圧されており、従って、ドリブンプレート86に装着されたクラッチフェーシング85がクラッチドライブプレート82に押圧されて流体継手の出力軸46に伝達された動力がクラッチドライブプレート82およびドリブンプレート86を介して伝動軸83に伝達される。この動力伝達を遮断する場合は、図示しないスレーブシリンダに油圧を供給してクラッチレリーズフォーク90を作動し、レリーズベアリング89を図1において左方に移動すると、ダイアフラムスプリング88が図において2点鎖線で示すように作動せしめられ、プレッシャープレート87への押圧力を解除することにより、クラッチドライブプレート82からドリブンプレート86への動力伝達が遮断される。
【0021】
図示の実施形態における流体継手装置は以上のように構成されており、以下その作動について説明する。
先ず、ディーゼルエンジン2がアイドリング運転している状態について説明する。この場合、作動流体循環手段の上記電磁方向制御弁67は除勢(OFF)されており、作動流体は上述したように図2において矢印で示す方向に循環せしめられている。
ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、ドライブプレート44を介して流体継手装置4のケーシング41に伝達され、該ケーシング41と一体的に構成されているポンプ42が回転せしめられる。ポンプ42が回転するとポンプ42内の作動流体は遠心力によりインペラ422に沿って外周に向かって流れる循環力が発生しようとするが、作動流体循環手段により外側室40aから内側室40bを通ってポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aに循環する作動流体の流体圧がディーゼルエンジン2のアイドリング回転時における上記循環力と略等しくなるように設定されているので、アイドリング回転までは内側室40bから作動室4aに流入する作動流体に打ち消されてポンプ42からタービン43に向かう循環流が発生しない。即ち、ディーゼルエンジン2がアイドリング回転で運転している状態では、流体継手はトルクを伝達することができない。従って、図示していない変速機の変速ギヤが投入され摩擦クラッチ8が接続された状態、即ち出力軸46が停止しタービン43が停止していてもドラッグトルクが発生しないか、発生したとしても極めて小さいものとなる。なお、エンジンのアイドリング回転時に内側室40bから作動室4aに流入する作動流体が、ポンプ42の回転によって作動流体がインペラ422に沿って外周に向かって流れる循環力を効果的に打ち消すように作用せしめるためには、作動室4aへの作動流体の入口4bは作動流体が図2において矢印で示すようにポンプ42側に向けて流入する構成にすることが望ましい。
【0022】
次に、ディーゼルエンジン2がアイドリング回転以上の回転速度で運転され、流体継手によって駆動トルクを伝達する状態について説明する。なお、この場合も作動流体循環手段の上記電磁方向制御弁67は除勢(OFF)されており、作動流体は図3において実線矢印で示す方向に循環せしめられている。
ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、上述したようにドライブプレート44を介して流体継手4のケーシング41に伝達される。ケーシング41とポンプ42のポンプシェル421は一体的に構成されているので、上記駆動力によってポンプ42が回転せしめられる。ポンプ42が回転するとポンプ42内の作動流体は遠心力によりインペラ422に沿って外周に向かって流れる。このポンプ42の回転による作動流体の循環力はディーゼルエンジン2がアイドリング回転を越えると、作動流体循環手段により外側室40aから内側室40bを通って作動室4aに流入する作動流体の流体圧より大きくなるので、ポンプ42のインペラ422に沿って外周に向かって流れる作動流体は破線矢印で示すようにタービン43側に流入する。タービン43側に流入した作動流体は、中心側に向かって流れ破線矢印で示すようにポンプ42に戻される。このように、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a内の作動流体がポンプ42とタービン43内を循環することにより、ポンプ42側の駆動トルクが作動流体を介してタービン43側に伝達される。このとき、作動流体循環手段により外側室40aから内側室40bを通って作動室4aに流入する作動流体は、図3において実線矢印で示すようにポンプ42側からタービン43側に流入する作動流体の流れに巻き込まれる形でタービン43側に流入せしめられる。従って、外側室40aから内側室40bを通って作動室4aに流入する作動流体が作動室4a内の充填効率を高めるため、ディーゼルエンジン2がアイドリング回転を越えると伝達トルクが急激に立ち上がる。このようにして、タービン43側に伝達された駆動力は、タービンシェル431およびタービンハブ47を介して出力軸46に伝達され、更に上記摩擦クラッチ8を介して図示しない変速機に伝達される。
【0023】
以上、図示の実施形態における流体継手装置について、ディーゼルエンジン2がアイドリング運転している状態およびアイドリング回転以上の回転速度で運転されている状態について説明したが、スリップ率が零(0)のときのエンジン回転数即ちポンプの回転数に対する伝達トルクとの関係は図5において実線で示すようになる。即ち、図示の実施形態における流体継手装置は、図5において実線で示すようにエンジンがアイドリング回転以下では上述したようにトルクの伝達は無く、アイドリング回転を越えると伝達トルクが急激に上昇する。このように、エンジンがアイドリング回転以下ではトルクの伝達が無いため、摩擦クラッチ8を切らなくとも変速機の変速操作が可能となる。従って、図示の実施形態における流体継手装置を装備した自動車においては、摩擦クラッチ8を接続した状態でクラッチ操作をすることなく、発進ギヤに投入しアクセルペダルを踏み込むことにより発進することができる。
【0024】
次に、ロックアップクラッチ50を作動して、ケーシング41とタービン43を直結して駆動トルクを伝達する状態について説明する。この場合、作動流体循環手段の上記電磁方向制御弁67は付勢(ON)され、作動流体は図4において矢印で示す方向に循環せしめられている。作動流体が図4において矢印で示す方向に循環せしめられている状態においては、上述したように内側室40b側の圧力が外側室40aの圧力より高く、クラッチディスク51が左方に押圧されるので、クラッチディスク51に装着されたクラッチフェーシング52がケーシング41に押圧されて摩擦係合する(ロックアップクラッチON)。この結果、ケーシング41とタービン43は、クラッチフェーシング52、クラッチディスク51、入力側リテーナ56、ダンパースプリング55、出力側リテーナ57を介して直接伝動連結される。従って、ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、ドライブプレート44、ケーシング41、ロックアップクラッチ50、タービン43、タービンハブ47を介して出力軸46に伝達され、更に上記摩擦クラッチ8を介して図示しない変速機に伝達される。なお、ロックアップクラッチON時にロックアップクラッチ50に作用する作動流体の流体圧は、リリーフ弁74によってディーゼルエンジン2のアイドリング回転時における上記作動室4a内の作動流体の循環力と略等しくなるような値に調整されているので、上記クラッチディスク51に装着されたクラッチフェーシング52とケーシング41とを確実に係合するに必要十分な圧力であるため、ロックアップ効率を向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明による流体継手装置は以上のように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏する。
【0026】
即ち、本発明による流体継手装置においては、ポンプとケーシングによって形成された室およびポンプとタービンとによって形成される作動室に作動流体を循環せしめる作動流体循環手段は、流体圧源から送給される作動流体の流体圧を該内燃機関のアイドリング回転時における作動室内の作動流体の循環力と略等しくなるように調整する作動流体圧調整手段を具備したので、アイドリング回転まではポンプとケーシングによって形成された室から作動室に流入する作動流体に打ち消されてポンプからタービンに向かう循環流が発生しない。即ち、内燃機関がアイドリング回転で運転している状態では、流体継手はトルクを伝達することができない。従って、本発明による流体継手装置を自動車に装備した場合には、変速機の変速ギヤが投入され摩擦クラッチが接続された状態、即ち出力軸が停止しタービンが停止していてもドラッグトルクが発生しないか、発生したとしても極めて小さいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された流体継手装置を装備した駆動装置の一実施形態を示す断面図。
【図2】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、内燃機関がアイドリング運転している状態の説明図。
【図3】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、ロックアップクラッチOFF状態の説明図。
【図4】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、ロックアップクラッチON状態の説明図。
【図5】流体継手のスリップ率が零(0)のときのエンジン回転数即ちポンプの回転数に対する伝達トルクとの関係を示す特性図。
【符号の説明】
2:内燃機関
21:クランク軸
4:流体継手
40:流体継手ハウジング
41:ケーシング
42:ポンプ
421:ポンプシェル
422:インペラ
43:タービン
431:タービンシェル
432:ランナ
44:ドライブプレート
45:リングギヤ
46:出力軸
47:タービンハブ
48:ポンプハブ
50:ロックアップクラッチ
51:クラッチディスク
54:支持片
55:ダンパースプリング
56:入力側リテーナ
57:出力側リテーナ
60:油圧ポンプ
62:ポンプハウジング
65:リザーブタンク
67:電磁方向制御弁
71:冷却器
74:リリーフ弁
8:摩擦クラッチ
80:クラッチハウジング
82:クラッチドライブプレート
83:伝動軸
84:クラッチハブ
85:クラッチフェーシング
86:ドリブンプレート
87:プレッシャープレート
88:ダイアフラムスプリング
89:レリーズベアリング
90:クラッチレリーズフォーク

Claims (3)

  1. 内燃機関によって駆動される入力軸に連結されたケーシングと、
    該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、
    該ポンプと該ケーシングによって形成された室に該ポンプと対向して配設され該入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンと、
    該ポンプと該ケーシングによって形成された室および該ポンプと該タービンとによって形成される作動室に作動流体を循環せしめる作動流体循環手段と、を具備する流体継手装置において、
    該作動流体循環手段は、少なくとも該内燃機関のアイドリング回転時においては、該作動室内を該ポンプから該タービンへ循環する循環流を妨げるように、該タービンの外周外側から該ポンプに向けて該作動室に作動流体を流入させ、かつ、
    該作動流体循環手段は、流体圧源から送給される作動流体の流体圧を、該内燃機関のアイドリング回転時において該作動室内を該ポンプから該タービンへ循環する該作動室内の作動流体の循環力と略等しくなるように調整する作動流体圧調整手段を具備することを特徴とする流体継手装置。
  2. 該作動流体圧調整手段は、流体圧源から送給される作動流体を所定の流体圧に調整するリリーフ弁からなり、該リリーフ弁の開弁圧が該内燃機関のアイドリング回転時における該作動室内の作動流体の循環力と略等しくなるように設定されている、請求項1記載の流体継手装置。
  3. 該ケーシングと該タービンとの間に配設され該ケーシングとの間に外側室を形成するとともに該タービンとの間に内側室を形成するクラッチディスクを備え、該ケーシングと該タービンとを係合または係合解除するロックアップクラッチを具備する、請求項1又は2記載の流体継手装置。
JP07176599A 1999-03-17 1999-03-17 流体継手装置 Expired - Fee Related JP4314664B2 (ja)

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