JP4420362B2 - 流体継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機の回転トルクを伝達するための流体継手(フルードカップリング)の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体継手(フルードカップリング)は船舶用、産業機械用、自動車用の動力伝達継手として従来から用いられている。流体継手は、環状のポンプシェルと該ポンプシェル内に放射状に配設された複数個のインペラとを有するポンプと、環状のポンプシェルと該ポンプシェル内に放射状に配設された複数個のインペラとを有し上記ポンプと対向して配設されたタービンとからなっており、ポンプおよびタービン内に作動流体が充填されている。このように構成された流体継手は、ポンプが原動機である例えばディーゼルエンジンのクランクシャフト(流体継手としての入力軸)に連結され、タービンが入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられる。
また、上記ポンプシェルおよびタービンシェルに、作動流体を整流するための環状のコアリングを設けた流体継手も使用されている。
【0003】
図6は、流体継手における入出力軸の回転数差と出力トルク(伝達トルク)との関係を示すものである。図6において破線は従来の流体継手のトルク伝達特性である。このような特性を有する流体継手を車両の駆動装置に装備したした場合、車両停止状態でエンジンが駆動され変速機の変速ギヤが投入されている状態、即ち入力軸が回転し出力軸が停止している状態では、その特性上ドラッグトルクを有する。ドラッグトルクは、一般的にエンジンがアイドリング回転数(例えば、500rpm)で運転されている状態での伝達トルクをいう。このドラッグトルクは、流体継手の設計点を最大効率となる回転速度比、即ちポンプとタービンとの回転速度比を0.95〜0.98位にとると、かなり大きくなる。ドラッグトルクが大きいと、エンジンのアイドリング運転が著しく不安定となるとともに、この不安定な回転が駆動系に異常振動を発生させる原因となる。また、ドラッグトルクが大きいことにより、アイドリング運転時の燃費が悪化する原因にもなっている。
【0004】
上述したドラッグトルクを低減するための対策として、ポンプとタービンとの間にバッフルプレートを配設する技術が知られている。
バッフルプレートを配設したドラッグトルク低減対策について、図7および図8を参照して説明する。図7の(a)および図7の(b)に示す流体継手は、ポンプPとタービンTとの間に出力軸OSに取り付けられた環状のバッフルプレートBPを配設したものである。図8に示す流体継手は、ポンプPの外周部に環状のバッフルプレートBPを配設したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7の(a)および図7の(b)に示す流体継手においては、低速回転時には図7の(a)に示すようにポンプPの回転によって回転力が与えられた作動流体は遠心力によって外周側からタービンTに流入するが、タービンTを駆動した作動流体は遠心力が減衰されてコアリング 側に寄ってポンプPに流入する。従って、低速回転時においてはポンプとタービンとの間に配設されたバッフルプレートBPの効果が少なく、上述したドラッグトルクを低減することができない。また、高速回転時には図7の(b)に示すポンプPの回転によって回転力が与えられた作動流体は遠心力によって外周側からタービンTに流入するが、タービンTに流入した作動流体は遠心力が強いためにタービンシェルの内面に沿って流れるので、ポンプPに流入するときバッフルプレートBPに当接する。従って、高速回転時においてはバッフルプレートBPが大きく作用して伝達トルク(カップリング効率)の低下を招く。図7の(a)および図7の(b)に示す流体継手のトルク伝達特性は図6において1点鎖線で示すようになる。このように、図7の(a)および図7の(b)に示す流体継手は、エンジンのアイドリング運転時等の低速回転時に低減したいドラッグトルクを下げることができないとともに、高速回転時に伝達トルク(カップリング効率)が低下してしまうという効率の悪い継手となる。このような問題は、ポンプシェルおよびタービンシェルにコアリングを設けたものにおいて顕著に表れる。
【0006】
また、図8に示す流体継手は、ポンプPの外周部に環状のバッフルプレートBPが配設されているので、低速回転時におけるドラッグトルクを低減することはできるが、高速回転時において伝達トルクが大幅に低下してしまう。図8に示す流体継手のトルク伝達特性は図6において2点鎖線で示すようになる。即ち、ポンプPの回転によって回転力が与えられた作動流体は遠心力によって外周側に流れるが、流速が最大となってポンプPから流出する際にバッフルプレートBPに衝突し流速が減衰せしめられてタービンTに流入するため、高速回転時に伝達トルク(カップリング効率)が大幅に低下してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、伝達トルクを低下させることなく、ドラッグトルクを効果的に低減することができる流体継手を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するために、
「環状のコアリングを有するポンプシェルと、該ポンプシェル内に配設された複数個のインペラとを有するポンプと、
該ポンプと対向して配設され環状のコアリングを有するタービンシェルと、該タービンシェル内に配設された複数個のランナとを有するタービンと、を具備し、
該ポンプおよび該タービンに作動流体を循環してトルク伝達を行う流体継手において、
該ポンプシェルのコアリングには、該ポンプシェルのコアリングの径方向内端部に環状のバッフルプレートが一体的に固着されており、該バッフルプレートが、径方向内方に向けて該ポンプの作動流体流入口と該タービンの作動流体流出口の間に突出している」
ことを特徴とする流体継手が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、上記ポンプシェルのコアリングには、該ポンプシェルのコアリングの径方向外端部に環状のバッフルプレートが一体的に固着されており、該バッフルプレートが、径方向外方に向けて該ポンプの作動流体流出口と該タービンの作動流体流入口の間に突出している、流体継手が提供される。
【0010】
更に、本発明によれば、上記タービンシェルのコアリングには、該タービンシェルのコアリングの径方向内端部に環状のバッフルプレートが一体的に固着されており、該バッフルプレートが、径方向内方に向けて該タービンの作動流体流出口と該ポンプの作動流体流入口の間に突出している、流体継手が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、上記タービンのコアリングには、該タービンシェルのコアリングの径方向外端部に環状のバッフルプレートが一体的に固着されており、該バッフルプレートが、径方向外方に向けて該タービンの作動流体流入口と該ポンプの作動流体流出口の間に突出している、流体継手が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された流体継手の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0013】
図1には、本発明に従って構成された流体継手を自動車用エンジンと摩擦クラッチとの間に配設した駆動装置の一実施形態が示されている。図示の実施形態における駆動装置は、原動機としての内燃機関2と本発明に従って構成された流体継手4および摩擦クラッチ6とによって構成されている。内燃機関2は図示の実施形態においてはディーゼルエンジンからなっており、クランク軸21の端部には流体継手4の後述するポンプ側が取り付けられる。
【0014】
流体継手4は、ディーゼルエンジン2に装着されたハウジング22にボルト23等の締結手段によって取り付けられた流体継手ハウジング40内に配設されている。図示の実施形態における流体継手4は、ポンプ41と該ポンプ41と対向して配設されたタービン42および上記ポンプ41と連結されたケーシング43を具備している。
【0015】
流体継手4を構成するポンプ41は環状のコアリング411aを備えた椀状のポンプシェル411と、該ポンプシェル411内に放射状に配設された複数個のインペラ412とを備えており、ポンプシェル411が上記ケーシング43に溶接等の固着手段によって取り付けられている。なお、ケーシング43は、上記クランク軸21にボルト24によって内周部が装着されたドライブプレート44の外周部にボルト441、ナット442等の締結手段によって装着されている。このようにして、ポンプ41のポンプシェル411は、ケーシング43およびドライブプレート44を介してクランク軸21に連結される。従って、クランク軸21は流体継手4の入力軸として機能する。なお、上記ドライブプレート44の外周には、図示しないスタータモータの駆動歯車と噛合する始動用のリングギヤ45が装着されている。
【0016】
上記タービン42は、上記ポンプ41のポンプシェル411と対向して配設され環状のコアリング421aを備えた椀状のタービンシェル421と、該タービンシェル421内に放射状に配設された複数個のランナ422とを備えている。タービンシェル421は、上記入力軸としての上記クランク軸21と同一軸線上に配設された出力軸46にスプライン嵌合されたタービンハブ47に溶接等の固着手段によって取り付けられている。
【0017】
図1に示す第1の実施形態における流体継手4は、ポンプ41のコアリング411aのタービン42と対向する端部における内周に、環状のバッフルプレート413が溶接等の固着手段によって装着され、流体継手4に形成される流体通路内に突出して配設されている。つまり、このバッフルプレート413は、コアリング411aの径方向内端部にコアリング411aと一体的に固着されており、径方向内方に向けてポンプ41の作動流体流入口とタービン42の作動流体流出口の間に突出している。
【0018】
図1を参照して説明を続けると、図示の実施形態における流体継手4は油圧ポンプ50を具備している。この油圧ポンプ50は上記流体継手ハウジング40に装着された摩擦クラッチ6の後述するクラッチハウジング60にボルト51等の固着手段によって取り付けられポンプハウジング52に配設されている。この油圧ポンプ50は、上記ポンプ41のポンプシェル411に取り付けられたポンプハブ48によって回転駆動されるように構成されており、図示しない流体経路を介して作動流体を上記ポンプ41およびタービン42内に供給する。なお、ポンプハブ48は上記出力軸46の周囲に貫挿して配設された筒状軸49に軸受490をによって回転可能に支持されている。
【0019】
次に、上記摩擦クラッチ6について説明する。
摩擦クラッチ6は、上記流体継手ハウジング40にボルト61によって装着されたクラッチハウジング60内に配設されている。図示の実施形態における摩擦クラッチ6は、上記流体継手4の出力軸46に装着されたクラッチドライブプレート62と、出力軸46と同一軸線上に配設された伝動軸63(図示の実施形態においては、図示しない変速機の入力軸)と、該伝動軸63にスプライン嵌合されたクラッチハブ64に取り付けられ外周部にクラッチフェーシング65が装着されているドリブンプレート66と、該ドリブンプレート66をクラッチドライブプレート62に押圧するプレッシャープレート67と、該プレッシャープレート67をクラッチドライブプレート62に向けて付勢するダイアフラムスプリング68と、該ダイアフラムスプリング68の内端部に係合してダイアフラムスプリング68の中間部を支点681として作動するレリーズベアリング69と、該レリーズベアリング69を軸方向に作動せしめるクラッチレリーズフォーク70とを具備している。このように構成された摩擦クラッチ6は、図示の状態においてはダイアフラムスプリング68のばね力によってプレッシャープレート67がクラッチドライブプレート62に向けて押圧されており、従って、ドリブンプレート66に装着されたクラッチフェーシング65がクラッチドライブプレート62に押圧されて流体継手4の出力軸46に伝達された動力がクラッチドライブプレート62およびドリブンプレート66を介して伝動軸63に伝達される。この動力伝達を遮断する場合は、図示しないスレーブシリンダに油圧を供給してクラッチレリーズフォーク70を作動し、レリーズベアリング69を図1において左方に移動すると、ダイアフラムスプリング68が図において2点鎖線で示すように作動せしめられ、プレッシャープレート67への押圧力を解除することにより、クラッチドライブプレート62からドリブンプレート66への動力伝達が遮断される。
【0020】
本発明に従って構成された流体継手を装備した駆動装置は以上のように構成されており、以下その作動について説明する。
ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、ドライブプレート44を介して流体継手4のケーシング43に伝達される。ケーシング43とポンプ41のポンプシェル411は一体的に構成されているので、上記駆動力によってポンプ41が回転せしめられる。ポンプ41が回転するとポンプ41内の作動流体は遠心力によりインペラ412に沿って外周に向かって流れ、矢印で示すようにタービン42側に流入する。タービン42側に流入した作動流体は、中心側に向かって流れ矢印で示すようにポンプ41に戻される。このように、ポンプ41およびタービン42内の作動流体がポンプ41とタービン42内を循環することにより、ポンプ41側の駆動トルクが作動流体を介してタービン42側に伝達される。タービン42側に伝達された駆動力は、タービンシェル421およびタービンハブ47を介して出力軸46に伝達され、更に上記摩擦クラッチ6を介して図示しない変速機に伝達される。
【0021】
ここで、流体継手4内部の作動流体の流れについて図2の(a)および図2の(b)を参照して説明する。
図2の(a)は、流体継手4が低速で回転しているときの作動流体の流れを示すものである。低速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体は矢印で示すように遠心力によって流体通路の外周側からタービン42に流入するが、タービン42を駆動した作動流体は矢印で示すように遠心力が減衰されてコアリング411a側に寄ってポンプ41に流入する。このとき、コアリング411aのタービン42と対向する端部における内周に環状のバッフルプレート413が装着されているので、このバッフルプレート413に作動流体が衝突して流速が減衰するため、伝達トルクが減少する。従って、低速回転時においてはバッフルプレート413が効果的に作用してドラッグトルクを低減することができる。
【0022】
図2の(b)は、流体継手4が高速で回転しているときの作動流体の流れを示すものである。高速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体は矢印で示すように遠心力によって流体通路の外周側からタービン42に流入するが、タービン42に流入した作動流体は遠心力が強いためにタービンシェル421の内面に沿って矢印で示すように流れる。即ち、タービンシェル421の内面に沿って流れる流速が大きい作動流体はバッフルプレート413の作用を受けずにポンプ41に流入するため、伝達効率の低下を招くことがない。
【0023】
図1および図2に示す第1の実施形態における流体継手4のトルク伝達特性は、図6において実線で示すようになる。即ち、図1に示す実施形態における流体継手4は、低速回転時においてはバッフルプレート413が効果的に作用してドラッグトルクを低減することができるとともに、高速回転時にはバッフルプレート413の影響が少なく伝達効率の低下を招くことがない。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態について、図3を参照して説明する。
図3の(a)および図3の(b)に示す第2の実施形態における流体継手4は、ポンプ41のコアリング411aのタービン42と対向する端部における外周に、環状のバッフルプレート414が溶接等の固着手段によって装着され、流体継手4に形成される流体通路内に突出して配設されている。つまり、このバッフルプレート414は、コアリング411aの径方向外端部にコアリング411aと一体的に固着されており、径方向外方に向けてポンプ41の作動流体流出口とタービン42の作動流体流入口の間に突出している。
【0025】
図3の(a)は、流体継手4が低速で回転しているときの作動流体の流れを示すものである。低速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体は矢印で示すようにタービン42に流入する。低速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体の遠心力が弱く流体通路の内周側を流れる作動流体量も多い。このとき、コアリング411aの外周に環状のバッフルプレート414が装着されているので、流体通路の内周側を流れる作動流体はバッフルプレート414に衝突して流速が減衰されてタービン42に流入するため、伝達トルクが減少する。従って、低速回転時においてはバッフルプレート413が効果的に作用してドラッグトルクを低減することができる。
【0026】
図3の(b)は、流体継手4が高速で回転しているときの作動流体の流れを示すものである。高速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体の遠心力が強いため、矢印で示すように流体通路の外周側からタービン42に流入する。このように、流体通路の外周側からタービン42に流入する流速が大きい作動流体は、バッフルプレート414の作用を受けずにタービン42に流入するので、伝達効率の低下を招くことがない。
【0027】
次に、本発明の第3の実施形態について、図4を参照して説明する。
図4の(a)および図4の(b)に示す第3の実施形態における流体継手4は、タービン42のコアリング421aのポンプ41と対向する端部における内周に、環状のバッフルプレート423が溶接等の固着手段によって装着され、流体継手4に形成される流体通路内に突出して配設されている。つまり、このバッフルプレート423は、タービンシェルのコアリング421aの径方向内端部にコアリング421aと一体的に固着されており、径方向内方に向けてタービン42の作動流体流出口とポンプ41の作動流体流入口の間に突出している。
【0028】
図4の(a)は、流体継手4が低速で回転しているときの作動流体の流れを示すものである。低速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体は矢印で示すようにタービン42に流入する。低速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体は矢印で示すように遠心力によって流体通路の外周側からタービン42に流入するが、タービン42を駆動した作動流体は矢印で示すように遠心力が減衰されてコアリング411a側に寄ってポンプ41に流入する。このとき、コアリング421aのポンプ41と対向する端部における内周に環状のバッフルプレート423が装着されているので、このバッフルプレート423に作動流体が衝突して流速が減衰するため、伝達トルクが減少する。従って、低速回転時においてはバッフルプレート423が効果的に作用してドラッグトルクを低減することができる。
【0029】
図4の(b)は、流体継手4が高速で回転しているときの作動流体の流れを示すものである。高速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体の遠心力が強いため、矢印で示すように流体通路の外周側からタービン42に流入する。このように、流体通路の外周側からタービン42に流入する流速が大きい作動流体は、バッフルプレート423の作用を受けずにタービン42に流入するので、伝達効率の低下を招くことがない。
【0030】
次に、本発明の第4の実施形態について、図5を参照して説明する。
図5の(a)および図5の(b)に示す第4の実施形態における流体継手4は、タービン42のコアリング421aのポンプ41と対向する端部における外周に環状のバッフルプレート424が溶接等の固着手段によって装着され、流体継手4に形成される流体通路内に突出して配設されている。つまり、このバッフルプレート424は、タービンシェルのコアリング421aの径方向外端部にコアリング421aと一体的に固着されており、径方向外方に向けてタービン42の作動流体流出口とポンプ41の作動流体流入口の間に突出している。
【0031】
図5の(a)は、流体継手4が低速で回転しているときの作動流体の流れを示すものである。低速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体は矢印で示すようにタービン42に流入する。低速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体の遠心力が弱く流体通路の内周側を流れる作動流体量も多い。このとき、コアリング411aの外周に環状のバッフルプレート424が装着されているので、流体通路の内周側を流れる作動流体はバッフルプレート424に衝突して流速が減衰されてタービン42に流入するため、伝達トルクが減少する。従って、低速回転時においてはバッフルプレート423が効果的に作用してドラッグトルクを低減することができる。
【0032】
図5の(b)は、流体継手4が高速で回転しているときの作動流体の流れを示すものである。高速回転時にはポンプ41の回転によって回転力が与えられた作動流体の遠心力が強いため、矢印で示すように流体通路の外周側からタービン42に流入する。このように、流体通路の外周側からタービン42に流入する流速が大きい作動流体は、バッフルプレート424の作用を受けずにタービン42に流入するので、伝達効率の低下を招くことがない。
【0033】
【発明の効果】
本発明による流体継手は以上のように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏する。
【0034】
即ち、第1の発明によれば、流体継手のポンプを構成するポンプシェルのコアリングにおけるタービンと対向する端部の内周には、環状のバッフルプレートが一体的に固着されているので、低速回転時においてはバッフルプレートが効果的に作用してドラッグトルクを低減することができるとともに、高速回転時にはバッフルプレートの影響が少なく伝達効率の低下を招くことがない。
また、第2の発明によれば流体継手のポンプを構成するポンプシェルのコアリングにおけるタービンと対向する端部の外周には、環状のバッフルプレートが一体的に固着されているので、上記第1の発明と同様の作用効果が得られる。
更に、第3の発明によれば流体継手のタービンを構成するタービンシェルのコアリングにおけるポンプと対向する端部の内周には、環状のバッフルプレートが一体的に固着されているので、上記第1の発明および第2の発明と同様の作用効果が得られる。
また、第4の発明によれば、流体継手のタービンを構成するタービンシェルのコアリングにおけるポンプと対向する端部の外周には、環状のバッフルプレートが一体的に固着されているので、上記第1の発明乃至第3の発明と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された第1の実施形態における流体継手を装備した駆動装置の一実施形態を示す断面図。
【図2】図1に示す第1の実施形態における流体継手内部の作動流体の流れを示す説明図。
【図3】本発明に従って構成された第2の実施形態における流体継手を示すもので、流体継手内部の作動流体の流れを示す説明図。
【図4】本発明に従って構成された第3の実施形態における流体継手を示すもので、流体継手内部の作動流体の流れを示す説明図。
【図5】本発明に従って構成された第4の実施形態における流体継手を示すもので、流体継手内部の作動流体の流れを示す説明図。
【図6】流体継手における入出力軸の回転数差と伝達トルクとの関係を示す図。
【図7】従来用いられている流体継手の一例における流体継手内部の作動流体の流れを示す説明図。
【図8】従来用いられている流体継手の他の例における流体継手内部の作動流体の流れを示す説明図。
【符号の説明】
2:内燃機関
21:クランク軸
4:流体継手
40:流体継手ハウジング
41:ポンプ
411:ポンプシェル
411a:ポンプのコアリング
412:インペラ
413:バッフルプレート
414:バッフルプレート
421a:タービンのコアリング
42:タービン
421:タービンシェル
422:ランナ
423:バッフルプレート
424:バッフルプレート
43:ケーシング
44:ドライブプレート
45:リングギヤ
46:出力軸
47:タービンハブ
48:ポンプハブ
50:油圧ポンプ
52:ポンプハウジング
6:摩擦クラッチ
60:クラッチハウジング
62:クラッチドライブプレート
63:伝動軸
64:クラッチハブ
65:クラッチフェーシング
66:ドリブンプレート
67:プレッシャープレート
68:ダイアフラムスプリング
69:レリーズベアリング
70:クラッチレリーズフォーク
Claims (4)
- 環状のコアリングを有するポンプシェルと、該ポンプシェル内に配設された複数個のインペラとを有するポンプと、
該ポンプと対向して配設され環状のコアリングを有するタービンシェルと、該タービンシェル内に配設された複数個のランナとを有するタービンと、を具備し、
該ポンプおよび該タービンに作動流体を循環してトルク伝達を行う流体継手において、
該ポンプシェルのコアリングには、該ポンプシェルのコアリングの径方向内端部に環状のバッフルプレートが一体的に固着されており、該バッフルプレートが、径方向内方に向けて該ポンプの作動流体流入口と該タービンの作動流体流出口の間に突出していることを特徴とする流体継手。 - 環状のコアリングを有するポンプシェルと、該ポンプシェル内に配設された複数個のインペラとを有するポンプと、
該ポンプと対向して配設され環状のコアリングを有するタービンシェルと、該タービンシェル内に配設された複数個のランナとを有するタービンと、を具備し、
該ポンプおよび該タービンに作動流体を循環してトルク伝達を行う流体継手において、
該ポンプシェルのコアリングには、該ポンプシェルのコアリングの径方向外端部に環状のバッフルプレートが一体的に固着されており、該バッフルプレートが、径方向外方に向けて該ポンプの作動流体流出口と該タービンの作動流体流入口の間に突出していることを特徴とする流体継手。 - 環状のコアリングを有するポンプシェルと、該ポンプシェル内に配設された複数個のインペラとを有するポンプと、
該ポンプと対向して配設され環状のコアリングを有するタービンシェルと、該タービンシェル内に配設された複数個のランナとを有するタービンと、を具備し、
該ポンプおよび該タービンに作動流体を循環してトルク伝達を行う流体継手において、
該タービンシェルのコアリングには、該タービンシェルのコアリングの径方向内端部に環状のバッフルプレートが一体的に固着されており、該バッフルプレートが、径方向内方に向けて該タービンの作動流体流出口と該ポンプの作動流体流入口の間に突出していることを特徴とする流体継手。 - 環状のコアリングを有するポンプシェルと、該ポンプシェル内に配設された複数個のインペラとを有するポンプと、
該ポンプと対向して配設され環状のコアリングを有するタービンシェルと、該タービンシェル内に配設された複数個のランナとを有するタービンと、を具備し、
該ポンプおよび該タービンに作動流体を循環してトルク伝達を行う流体継手において、
該タービンシェルのコアリングには、該タービンシェルのコアリングの径方向外端部に環状のバッフルプレートが一体的に固着されており、該バッフルプレートが、径方向外方に向けて該タービンの作動流体流入口と該ポンプの作動流体流出口の間に突出していることを特徴とする流体継手。
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