JP4304763B2 - 流体継手装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機の回転トルクを伝達するための流体継手装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体継手(フルードカップリング)は船舶用、産業機械用、自動車用の動力伝達継手として従来から用いられている。流体継手は、原動機である例えばディーゼルエンジンのクランクシャフト(流体継手としての入力軸)に連結されたケーシングと、該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、該ポンプと対向して配設され入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンとを具備している。
【0003】
また、上記ケーシングとタービンとの間には、ケーシングとタービンとを摩擦係合するロックアップクラッチを備えた流体継手も提案されている。このロックアップクラッチは、ケーシングとタービンとの間に配設されケーシングとの間に外側室を形成するとともにタービンとの間に内側室を形成するクラッチディスクを備え、流体継手を通して循環する作動流体の内側室側と外側室側との圧力差によってケーシングとタービンとを摩擦係合するように構成されている。
【0004】
上述した流体継手を例えば車両の駆動装置に装備する場合には、一般に摩擦クラッチを介して手動変速機に伝動連結され、また、流体継手が直接自動変速機に伝動連結される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車両の駆動装置に装備した上記流体継手においては、車両停止状態でエンジンが駆動され変速機の変速ギヤが投入されてる状態、即ち入力軸が回転し出力軸が停止している状態では、その特性上ドラッグトルクを有する。このドラッグトルクは、流体継手の設計点を最大効率となる回転速度比、即ちポンプとタービンとの回転速度比を0.95〜0.98位にとると、かなり大きくなる。ドラッグトルクが大きいと、エンジンのアイドリング運転が著しく不安定となるとともに、この不安定な回転が駆動系に異常振動を発生させる原因となる。また、ドラッグトルクが大きいことにより、アイドリング運転時の燃費が悪化する原因にもなっている。
【0006】
上記ドラッグトルクを下げるためには流体継手を循環せしめる作動流体の圧力を下げることが考えられるが、作動流体の圧力を下げると流体継手への充填効率が低下するために高回転時における伝達トルクも低下してしまう。また、ロックアップクラッチを備えた流体継手においては、ロックアップクラッチの作動圧が不足して、最悪の場合ロックアップ不能となる。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、トルク伝達機能を損なうことなく、ドラッグトルクを低減することができる流体継手装置を提供することにある。
また、他の技術的課題は、ロックアップクラッチを備えた流体継手において、ロックアップクラッチの作動圧を不足させることなく、ドラッグトルクを減少することができる流体継手装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するために、
「入力軸に連結されたケーシングと、
該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、該ポンプと該ケーシングによって形成された室に該ポンプと対向して配設され該入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンとを有する流体継手と、
該ケーシングと該タービンとによって形成される外部室および該ポンプと該タービンとによって形成される作動室を通してリザーブタンク内の作動流体を循環せしめる作動流体循環手段と、を具備する流体継手装置において、
該作動流体循環手段は、該外部室に連通する第1の作動流体経路と、該作動室と該リザーブタンクとを接続する第2の作動流体経路と、該リザーブタンク内の作動流体を該第1の作動流体経路に吐出する流体圧作動源と、該流体圧作動源の吸い込み側通路に配設した遮断弁と、該第1の作動流体経路中に配設された切替手段とを具備しており、
該切替手段は、該外部室を該流体圧作動源と連通する状態と、該外部室を該遮断弁よりも下流側の該流体圧作動源の吸込み側通路に連通せしめる状態とに選択的に作動し、かつ、該外部室を該遮断弁よりも下流側の該流体圧作動源の吸込み側通路に連通したときは、該遮断弁が該吸い込み側通路を遮断する」
ことを特徴とする流体継手装置が提供される。
【0009】
また、上記他の技術的課題を解決するために、
「入力軸に連結されたケーシングと、
該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、該ポンプと該ケーシングによって形成された室に該ポンプと対向して配設され該入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンとを有する流体継手と、
該ケーシングと該タービンとによって形成される外部室に配設され該ケーシングとの間に外側室を形成するとともに該タービンとの間に内側室を形成するクラッチディスクを備え、該外側室と該内側室との流体圧差によって該ケーシングと該タービンとを係合するロックアップクラッチと、
該外側室と該内側室および該ポンプと該タービンとによって形成される作動室にリザーブタンク内の作動流体を循環せしめる作動流体循環手段と、を具備する流体継手装置において、
該作動流体循環手段は、該外部室に連通する第1の作動流体経路と、該作動室と該リザーブタンクとを接続する第2の作動流体経路と、該リザーブタンク内の作動流体を該第1の作動流体経路および該第2の作動流体経路を通して循環せしめる流体圧作動源と、該流体圧作動源の吸い込み側通路に配設した遮断弁と、作動流体の循環経路を制御する方向制御弁と、該第1の作動流体経路中において該方向制御弁と該外側室との間に配設された切替手段とを具備しており、
該切替手段は、該外側室を該方向制御弁に連通する状態と、該外側室を該遮断弁よりも下流側の該流体圧作動源の吸い込み側に連通せしめる状態とに選択的に作動し、かつ、該外側室を該遮断弁よりも下流側の該流体圧作動源の吸込み側通路に連通したときは、該遮断弁が該吸い込み側通路を遮断する」
ことを特徴とする流体継手装置が提供される。
【0010】
上記作動流体循環手段は、上記遮断弁より下流側の吸い込み側通路とリザーブタンクとを連通する補給通路を設け、該補給通路に負圧リリーフ弁を配設することが望ましい。また、上記外部室を流体圧作動源の吸い込み側通路に連通せしめる通路と該リザーブタンクとを連通する排出通路を設け、該排出通路に正圧リリーフ弁を配設することが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された流体継手装置の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。ここで、図2および図3に示す実施形態と、図9乃至図11に示す実施形態とは、特許請求の範囲に記載の本発明の実施形態に対応するものではなく、本発明のいわば基礎的な作動を説明する実施形態を示すものとなっている。
【0012】
図1には、本発明に従って構成された流体継手装置を自動車用エンジンと摩擦クラッチとの間に配設した駆動装置の一実施形態が示されている。図示の実施形態における駆動装置は、原動機としての内燃機関2と本発明に従って構成された流体継手装置4および摩擦クラッチ8とによって構成されている。内燃機関2は図示の実施形態においてはディーゼルエンジンからなっており、クランク軸21の端部には流体継手装置4の後述するポンプ側が取り付けられる。
【0013】
流体継手装置4は、ディーゼルエンジン2に装着されたハウジング22にボルト23等の締結手段によって取り付けられた流体継手ハウジング40内に配設されている。図示の実施形態における流体継手装置4は、ケーシング41とポンプ42およびタービン43を有する流体継手400を具備している。
【0014】
ケーシング41は、上記クランク軸21にボルト24によって内周部が装着されたドライブプレート44の外周部にボルト441、ナット442等の締結手段によって装着されている。なお、上記ドライブプレート44の外周には、図示しないスタータモータの駆動歯車と噛合する始動用のリングギヤ45が装着されている。
【0015】
ポンプ42は上記ケーシング41と対向して配設されている。このポンプ42は、椀状のポンプシェル421と、該ポンプシェル421内に放射状に配設された複数個のインペラ422とを備えており、ポンプシェル421が上記ケーシング41に溶接等の固着手段によって取り付けられている。従って、ポンプ42のポンプシェル421は、ケーシング41およびドライブプレート44を介してクランク軸21に連結される。このため、クランク軸21は流体継手装置4の入力軸として機能する。
【0016】
タービン43は上記ポンプ42と対向して配設されている。このタービン43は、上記ポンプ42のポンプシェル421と対向して配設された椀状のタービンシェル431と、該タービンシェル431内に放射状に配設された複数個のランナ432とを備えている。タービンシェル431は、上記入力軸としての上記クランク軸21と同一軸線上に配設された出力軸46にスプライン嵌合されたタービンハブ47に溶接等の固着手段によって取り付けられている。
【0017】
図示の実施形態における流体継手装置4は、上記ケーシング41とタービン43とによって形成される外部室400aから上記ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aを通して作動流体を循環せしめる作動流体循環手段6を具備している。作動流体循環手段6は、流体圧作動源としての油圧ポンプ60を備えている。この油圧ポンプ60は上記流体継手ハウジング40にボルト61等の固着手段によって取り付けられポンプハウジング62に配設されている。この油圧ポンプ60は、上記ポンプ42のポンプシェル421に取り付けられたポンプハブ48によって回転駆動されるように構成されている。なお、ポンプハブ48は上記出力軸46を包囲するように突出形成されたポンプハウジング62の筒状支持部620に軸受490によって回転可能に支持されている。また、図2および図3に示すように作動流体循環手段6に関連して、出力軸46に作動流体の通路460が設けられているとともに、出力軸46と筒状支持部620との間に作動流体の通路461が設けられている。通路460は、その一端が出力軸46の図において左端面に開口し上記ケーシング41とタービン43とによって形成される外部室400aと連通しており、その他端が出力軸46の外周面に開口する径方向の通路462と連通している。また、通路461は、上記ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aと筒状支持部620に設けられた連通穴621とを連通するように構成されている。
【0018】
次に、作動流体循環手段6の一実施形態について、図2および図3に示す油圧回路を参照して説明する。
作動流体循環手段6は作動流体を収容するリザーブタンク65を具備しており、該リザーブタンク65内の作動流体は上記油圧ポンプ60によって吸い込み側通路660から吸い込まれ通路661に吐出される。通路661に吐出された作動流体は、電磁切替弁67(V1)を介して上記通路462と連通する通路662に供給される。電磁切替弁67(V1)は、除勢(OFF)している図2に示す状態のときには上記通路661と通路662とを連通しており、付勢(ON)されると図3に示すように通路661と通路662との連通を遮断し、通路662を通路663を介して吸い込み側通路660に連通する。従って、電磁切替弁67(V1)が除勢(OFF)しているときには、油圧ポンプ60によって吸い込み側通路660から吸い込まれ通路661に吐出された作動流体は、図2において矢印で示すように通路662、通路462、通路460、上記ケーシング41とタービン43とによって形成される外部室400a、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a、通路461、連通穴621、通路664を通してリザーブタンク65に循環される。一方、電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されると、図3に示すように通路661と通路662との連通が遮断されるので、油圧ポンプ60によって通路661に吐出された作動流体は、通路661とリザーブタンク65を結ぶリリーフ通路665に設けられたリリーフ弁68を介してリザーブタンク65に戻される。リリーフ弁68は、開弁圧が例えば6kg/cm2 に設定されており、通路661内の作動流体圧が6kg/cm2 を越えると作動流体をリリーフ通路665を介してリザーブタンク65に戻す。
【0019】
なお、電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)された図3に示す状態においては、油圧ポンプ60から吐出された作動流体が流体継手400に供給されないので、流体継手400が回転すると上記ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a内の作動流体が遠心力によって上記ケーシング41とタービン43とによって形成される外部室400a側に排出され、通路460、通路462、通路664を通して吸い込み側通路660に戻されるため、作動室4a内が負圧となる。即ち、流体継手400は、回転することによりポンプとして機能し、上記作動室4aに連通する通路664、連通穴621、通路461を介してリザーブタンク65内の作動流体を吸い込む。作動流体循環手段6は以上のように構成されており、図示の実施形態においては、通路661、通路662、通路462、通路460は上記外部室400aに連通する第1の作動流体経路を構成し、通路664、連通穴621、通路461は上記作動室4aとリザーブタンク65とを連通する第2の作動流体経路を構成している。
【0020】
図示の実施形態における流体継手装置4は、上記作動流体循環手段6の電磁切替弁67を制御する制御手段100を具備している。制御手段100は、マイクロコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)101と、制御プログラムを格納するリードオンリメモリ(ROM)102と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)103と、入力インターフェース104および出力インターフェース105とを備えている。このように構成された制御手段100の入力インターフェース104には、車両の走行速度を検出する車速検出センサ111、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ112等の検出信号が入力される。また、出力インターフェース106からは、上記電磁切替弁67(VI)に制御信号が出力される。
【0021】
次に、上記摩擦クラッチ8について、図1を参照して説明する。
摩擦クラッチ8は、上記流体継手ハウジング40にボルト81によって装着されたクラッチハウジング80内に配設されている。図示の実施形態における摩擦クラッチ8は、上記流体継手の出力軸46に装着されたクラッチドライブプレート82と、出力軸46と同一軸線上に配設された伝動軸83(図示の実施形態においては、図示しない変速機の入力軸)と、該伝動軸83にスプライン嵌合されたクラッチハブ84に取り付けられ外周部にクラッチフェーシング85が装着されているドリブンプレート86と、該ドリブンプレート86をクラッチドライブプレート82に押圧するプレッシャープレート87と、該プレッシャープレート87をクラッチドライブプレート82に向けて付勢するダイアフラムスプリング88と、該ダイアフラムスプリング88の内端部に係合してダイアフラムスプリング88を中間部を支点881として作動するレリーズベアリング89と、該レリーズベアリング89を軸方向に作動せしめるクラッチレリーズフォーク90とを具備している。このように構成された摩擦クラッチ8は、図示の状態においてはダイアフラムスプリング88のばね力によってプレッシャープレート87がクラッチドライブプレート82に向けて押圧されており、従って、ドリブンプレート86に装着されたクラッチフェーシング85がクラッチドライブプレート82に押圧されて流体継手の出力軸46に伝達された動力がクラッチドライブプレート82およびドリブンプレート86を介して伝動軸83に伝達される。この動力伝達を遮断する場合は、図示しないスレーブシリンダに油圧を供給してクラッチレリーズフォーク90を作動し、レリーズベアリング89を図1において左方に移動すると、ダイアフラムスプリング88が図において2点鎖線で示すように作動せしめられ、プレッシャープレート87への押圧力を解除することにより、クラッチドライブプレート82からドリブンプレート86への動力伝達が遮断される。
図示の実施形態における流体継手装置4を装備した駆動装置は以上のように構成されており、以下その作動について図4に示すドラッグトルク制御のフローチャートをも参照して説明する。
制御手段100は、先ずステップS1において車速検出センサ111からの検出信号に基づいて、車両の走行速度(V)が零(0)即ち車両が停止しているか否かをチェックする。ステップS1において車速(V)が零(0)でない場合、制御手段100は車両が走行しておりドラッグトルク制御をする必要はないと判断して、ステップS2に進み電磁切替弁67(V1)を除勢(OFF)する。電磁切替弁67(V1)が除勢(OFF)されると、上述したように油圧ポンプ60によって通路661に吐出された作動流体は、図2において矢印で示す方向に循環せしめられている。この状態では、ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、ドライブプレート44を介して流体継手400のケーシング41に伝達される。ケーシング41とポンプ42のポンプシェル421は一体的に構成されているので、上記駆動力によってポンプ42が回転せしめられる。ポンプ42が回転するとポンプ42内の作動流体は遠心力によりインペラ422に沿って外周に向かって流れ、矢印で示すようにタービン43側に流入する。タービン43側に流入した作動流体は、中心側に向かって流れ矢印で示すようにポンプ42に戻される。このように、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a内の作動流体がポンプ42とタービン43内を循環することにより、ポンプ42側の駆動トルクが作動流体を介してタービン43側に伝達される。タービン43側に伝達された駆動力は、タービンシェル431およびタービンハブ47を介して出力軸46に伝達され、更に上記摩擦クラッチ8を介して図示しない変速機に伝達される。
【0022】
上記ステップS1において車速(V)が零(0)の場合は、制御手段100はステップS3に進みアクセルセンサ112からの検出信号に基づいて、アクセルペダルの踏み込み量(AP)が零(0)即ちアクセルペダルが開放されているか否かをチェックする。ステップS3においてアクセルペダルの踏み込み量(AP)が零(0)でない場合は、制御手段100はエンジンがアイドリング状態ではなくドラッグトルク制御する必要はないと判断して、上記ステップS2に進み電磁切替弁67(V1)を除勢(OFF)する。ステップS3においてアクセルペダルの踏み込み量(AP)が零(0)即ちアクセルペダルが開放されている場合には、制御手段100はエンジンがアイドリング状態でありドラッグトルク制御をする必要があると判断して、ステップS4に進み電磁切替弁67(V1)を付勢(ON)する。電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されると、図3に示すように通路661と通路662との連通を遮断し、通路662が通路663を介してリザーブタンク65に連通される。従って、油圧ポンプ60によって通路661に吐出された作動流体は、リリーフ弁68を介してリザーブタンク65に戻される。一方、上述したように流体継手400は自身の回転によりポンプとして機能し、作動室4a内の作動流体を遠心力によって外部室400a側に排出するとともに、通路664、連通穴621、通路461を介してリザーブタンク65内の作動流体を吸い込む。そして、上記外部室400a側に排出された作動流体は、通路460、通路462、通路662を通して吸い込み側通路660に戻され、油圧ポンプ60に吸い込まれる。このように、図示の実施形態においては、電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されると、油圧ポンプ60から吐出される作動流体が流体継手400に循環されず、流体継手400自身の回転によるポンプ作用によって作動流体を循環する。しかも、流体継手400から排出された作動流体は油圧ポンプ60に吸い込まれるので、油圧ポンプ60の吸い込み負圧によって流体継手400内の作動流体が積極的に吸い出されるため、流体継手400内への作動流体の充填効率が低下し、ドラッグトルクが大幅に低減する。
【0023】
以上のように車速(V)が零(0)でアクセルペダルが開放されているエンジンがアイドリング状態における流体継手のドラッグトルクを低減するために、電磁切替弁67(V1)を付勢(ON)したならば、制御手段100はステップS1に戻り車速(V)が零(0)でなくなった(車両が走行状態)か、ステップS3においてアクセルペダルの踏み込み量(AP)が零(0)でなくなった(アクセルペダルが踏み込まれた)場合には、エンジンがアイドリング状態ではないと判断し、上記ステップS2に進んで電磁切替弁67(V1)を除勢(OFF)する。
【0024】
次に、作動流体循環手段6の他の実施形態について、図5および図6を参照して説明する。
図5および図6に示す実施形態は、上記図2および図3の実施形態における油圧ポンプ60の吸い込み側通路660における上記通路663の接続部より上流側に電磁遮断弁70(V2)を配設するとともに、上記通路660とリザーブタンク65とを連通する補給通路666を設け、この補給通路666中に負圧リリーフ弁71を配設したものである。従って、補給通路666は、通路663を介して電磁遮断弁70(V2)より下流側の吸い込み側通路660とリザーブタンク65とを連通している。図5および図6に示す実施形態は、上記電磁遮断弁70(V2)と補給通路666および負圧リリーフ弁71以外は上記図2および図3の実施形態と実質的に同一であるため、同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。なお、上記電磁切替弁67(V1)および電磁遮断弁70(V2)は、上記図1乃至図3の実施形態における制御手段100によって制御される。
【0025】
上記電磁遮断弁70(V2)は、除勢(OFF)されている図5に示す状態においては吸い込み側通路660を連通しており、付勢(ON)された図6に示す状態においては吸い込み側通路660を遮断する。従って、電磁遮断弁70(V2)が除勢(OFF)され、上記電磁切替弁67(V1)が除勢(OFF)されているときには、作動流体は上記図2に示す実施形態と同様に図5において矢印で示す方向に循環せしめられ、流体継手400による動力伝達が行われる。一方、電磁遮断弁70(V2)が付勢(ON)され、上記電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されたドラッグトルク制御時においては、上記図3に示す実施形態と同様に図6において矢印で示す方向に循環せしめられる。このとき、電磁遮断弁70(V2)が付勢(ON)され吸い込み側通路660が遮断されているので、油圧ポンプ60の吸い込み負圧によって流体継手400内の作動流体が上記図2および図3に示す実施形態より効率よく吸い出されるため、流体継手400内への作動流体の充填効率が更に低下し、ドラッグトルクをより大幅に低減することができる。なお、流体継手400の回転による作動流体の循環力より油圧ポンプ60の吸い込み力が大きいときには、吸い込み側通路660の負圧が大きくなり、油圧ポンプ60にサージ音が発生する。このとき、吸い込み側通路660の負圧が大きくなると、補給通路666から負圧リリーフ弁71を介して作動流体が吸い込まれて吸い込み側通路660の負圧が解消され、油圧ポンプ60のサージ音の発生が防止される。
【0026】
次に、作動流体循環手段6の更に他の実施形態について、図7を参照して説明する。
図7に示す実施形態は、上記図5および図6の実施形態における上記通路663と上記作動流体補給通路666とを連通する排出通路667を設け、この排出通路667中に正圧リリーフ弁72を配設したものである。従って、排出通路667は作動流体補給通路666を介してリザーブタンク65とを連通している。図7に示す実施形態は、上記排出通路667および正圧リリーフ弁72以外は上記図5および図6の実施形態と実質的に同一であるため、同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。
図7に示す実施形態は、流体継手400の外部室400aを油圧ポンプ60の吸い込み側通路660に連通せしめる通路663とリザーブタンク65とを連通する排出通路667と、該排出通路667に配設された正圧リリーフ弁72を備えているので、電磁遮断弁70(V2)が付勢(ON)され、上記電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されたドラッグトルク制御時において、流体継手400の回転による作動流体の循環力が大きく、通路663内の圧力が高くなったとき、作動流体は正圧リリーフ弁72を介して排出通路667からリザーブタンク65へ排出される。即ち、流体継手400の容量が大きい場合、作動流体の温度、各通路の構造、油圧ポンプ60の容量等のバランスによっては、流体継手400の回転による作動流体の循環力により、作動流体経路が正圧になる場合がある。作動流体経路の正圧があまり高くなると、流体継手400の回転による作動流体の循環力を落としにくくなるため、ドラッグトルクが下がらない。このとき、作動流体は正圧リリーフ弁72を介して排出通路667からリザーブタンク65へ排出されるので、ドラッグトルクを低減することができる。このように、図7に示す実施形態においては、作動流体経路に負圧、正圧が混在して発生する流体継手装置においても対応することができる。
【0027】
次に、流体継手装置4の他の実施形態について、図8乃至図11を参照して説明する。
図8乃至図11に示す実施形態は、上述した図1乃至図3に示す流体継手装置4に上記ケーシング41とタービン43とを直接伝動連結するためのロックアップクラッチ50を付設するとともに、このロックアップクラッチ50を付設するに伴って上記作動流体循環手段6の通路661および通路664中に電磁方向制御弁73(V3)を配設したものであり、他の構成は上記図1乃至図3の実施形態と実質的に同一であるため、同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。
図8乃至図11に示す実施形態におけるロックアップクラッチ50は、ケーシング41とタービン43との間に配設されケーシング41との間に外側室40aを形成するとともにタービン43との間に内側室40bを形成するクラッチディスク51を備えている。このクラッチディスク51は、内周縁が上記タービンハブ47の外周に相対回転可能でかつ軸方向に摺動可能に支持されており、その外周部には上記ケーシング41と対向する面にクラッチフェーシング52が装着されている。また、クラッチディスク51の外周部における内側室40b側には、環状の凹部53が形成されており、この凹部53にそれぞれ支持片54によって支持された複数個のダンパースプリング55が所定の間隔を置いて配設されている。この複数個のダンパースプリング55の両側には上記クラッチディスク51に取り付けられた入力側リテーナ56が突出して配設されているとともに、各ダンパースプリング55間には上記タービン43のタービンシェル431に取り付けられた出力側リテーナ57が突出して配設されている。
【0028】
図示の実施形態におけるロックアップクラッチ50は以上のように構成されており、その作動について説明する。
上記内側室40b側の作動流体の圧力が外側室40aの作動流体の圧力より高い場合、即ち後述する作動流体循環手段によって供給される作動流体がポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aから内側室40bを通して外側室40aに流れる場合には、上記クラッチディスク51が図8において左方に押圧されるので、クラッチディスク51に装着されたクラッチフェーシング52がケーシング41に押圧されて摩擦係合する。従って、ケーシング41とタービン43は、クラッチフェーシング52、クラッチディスク51、入力側リテーナ56、ダンパースプリング55、出力側リテーナ57を介して直接伝動連結される。一方、上記外側室40aの作動流体の圧力が内側室40b側の作動流体の圧力より高い場合、即ち後述する作動流体循環手段によって供給される作動流体が外側室40aから内側室40bを通してポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aに循環する場合には、上記クラッチディスク51が図8において右方に押圧されるので、クラッチディスク51に装着されたクラッチフェーシング52はケーシング41と摩擦係合せず、従って、ケーシング41とタービン43との伝動連結は解除されている。
【0029】
図8乃至図11に示す実施形態における作動流体循環手段6は、上記図1乃至図3に示す作動流体循環手段6の通路661および通路664中に配設された電磁方向制御弁73(V3)を具備している。この電磁方向制御弁73(V3)は、除勢(OFF)されているときには図9および図10に示すように、油圧ポンプ60に接続された通路661aと上記電磁切替弁67(V1)に接続された通路661bとを連通するとともに、連通路621に連通している通路664aと上記リザーブタンク65に接続された通路664bとを連通している。また、電磁方向制御弁73(V3)は、付勢(ON)すると図11に示すように、上記通路661aと上記通路664bとを連通するとともに、上記通路661bと上記通路664bとを連通せしめる。なお、上記電磁切替弁67(V1)および電磁方向制御弁73(V3)は、上記図1乃至図3の実施形態における制御手段100によって制御される。
【0030】
図8乃至図11に示す実施形態における流体継手装置は以上のように構成されており、以下その作動について説明する。
先ず、ディーゼルエンジン2がアイドリング回転以上の回転速度で運転され、流体継手によって駆動トルクを伝達する状態について説明する。この場合、作動流体循環手段6の上記電磁方向制御弁73(V3)が除勢(OFF)されているとともに、電磁切替弁67(V1)が除勢(OFF)されており、作動流体は図9において矢印で示す方向に循環せしめられている。この図9に示す状態は、上記図2に示す実施形態と同様である。即ち、ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)によってケーシング41とポンプ42が回転せしめられると、ポンプ42内の作動流体が遠心力によりインペラ422に沿って外周に向かって流れ、矢印で示すようにタービン43側に流入してポンプ42側の駆動トルクが作動流体を介してタービン43側に伝達される。タービン43側に伝達された駆動力は、タービンシェル431およびタービンハブ47を介して出力軸46に伝達され、更に上記摩擦クラッチ8を介して図示しない変速機に伝達される。なお、作動流体が図6において矢印で示す方向に循環せしめられているときは、上述したように上記クラッチディスク51が図8および図9において右方に押圧されるので、ロックアップクラッチ50はケーシング41とタービン43との伝動連結は解除している。
【0031】
次に、ディーゼルエンジン2がアイドリング運転している状態について説明する。なお、この場合は、図10に示すように作動流体循環手段6の上記電磁方向制御弁73(V3)が除勢(OFF)されているとともに、電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)される。電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されると、図7に示すように通路661bと通路662との連通が遮断され、通路662が通路663と連通せしめられる。従って、油圧ポンプ60によって通路661aに吐出され電磁方向制御弁73(V3)を通って通路661bに流れる作動流体は、リリーフ弁68を介してリザーブタンク65に戻される。一方、上述したように流体継手400は自身の回転によりポンプとして機能し、作動室4a内の作動流体を遠心力によって内側室40b側に排出するとともに、通路664、連通穴621、通路461を介してリザーブタンク65内の作動流体を吸い込む。そして、上記内側室40b側に排出された作動流体は、外側室40a、通路460、通路462、通路662、通路663を通して吸い込み側通路660に戻され、油圧ポンプ60に吸い込まれる。このように、図示の実施形態においては、電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されると、油圧ポンプ60から吐出される作動流体が流体継手400に循環されず、流体継手400自身の回転によるポンプ作用によって作動流体を循環する。しかも、流体継手400から排出された作動流体は油圧ポンプ60に吸い込まれるので、油圧ポンプ60の吸い込み負圧によって流体継手400内の作動流体が積極的に吸い出されるため、流体継手400内への作動流体の充填効率が低下し、ドラッグトルクが大幅に低減する。このとき、作動流体は作動室4aを通り内側室40bから外側室40aに流れるが、作動流体の圧力が低いためロックアップクラッチ50を作動することはない。
【0032】
次に、ロックアップクラッチ50を作動して、ケーシング41とタービン43を直結して駆動トルクを伝達する状態について説明する。この場合、作動流体循環手段の上記電磁方向制御弁73(V3)が付勢(ON)されるとともに、電磁切替弁67(V1)が除勢(OFF)されており、作動流体は図11において矢印で示す方向に循環せしめられている。従って、上述したように内側室40b側の作動流体の圧力が外側室40a側の作動流体の圧力より高く、クラッチディスク51が図8および図11において左方に押圧されるので、クラッチディスク51に装着されたクラッチフェーシング52がケーシング41に押圧されて摩擦係合する。従って、ケーシング41とタービン43は、クラッチフェーシング52、クラッチディスク51、入力側リテーナ56、ダンパースプリング55、出力側リテーナ57を介して直接伝動連結される。従って、ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、ドライブプレート44、ケーシング41、ロックアップクラッチ50、タービン43、タービンハブ47を介して出力軸46に伝達され、更に上記摩擦クラッチ8を介して図示しない変速機に伝達される。なお、図示の実施形態においては上述したようにドラッグトルクを減少することができるので、ドラッグトルクを低下させるために作動流体の供給圧力を下げる必要はないので、ロックアップクラッチの作動圧不足が生ずることはない。
【0033】
次に、作動流体循環手段6の他の実施形態について、図12および図13を参照して説明する。
図12および図13に示す実施形態は、上記図9乃至図11の実施形態における油圧ポンプ60の吸い込み側通路660における上記通路660の接続部より上流側に電磁遮断弁70(V2)を配設するとともに、上記通路660とリザーブタンク65とを連通する補給通路666を設け、この補給通路666中に負圧リリーフ弁71を配設したものである。図12および図13に示す実施形態は、上記電磁遮断弁70(V2)と作動流体補給通路666および負圧リリーフ弁71以外は上記図9および図11の実施形態と実質的に同一であるため、同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。なお、図12および図13に示す実施形態は、図8乃至図11に示すロックアップクラッチ50を備えた流体継手装置において、上記図5および図6の実施形態を適用したものである。
【0034】
図12および図13に示す実施形態においては、電磁遮断弁70(V2)が除勢(OFF)され、上記電磁方向制御弁73(V3)が除勢(OFF)されているとともに、電磁切替弁67(V1)が除勢(OFF)されているときには、作動流体は図12において矢印で示す方向に循環せしめられている。この図12に示す状態は、上記図9に示す実施形態と同様であり、流体継手400による動力伝達が行われる。一方、電磁遮断弁70(V2)が付勢(ON)され、電磁方向制御弁73(V3)が除勢(OFF)されているとともに、上記電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されたドラッグトルク制御時においては、上記図10に示す実施形態と同様に図13において矢印で示す方向に循環せしめられる。このとき、電磁遮断弁70(V2)が付勢(ON)され吸い込み側通路660が遮断されているので、油圧ポンプ60の吸い込み負圧によって流体継手400内の作動流体が上記図9乃至図11に示す実施形態より効率よく吸い出されるため、流体継手400内への作動流体の充填効率が更に低下し、ドラッグトルクをより大幅に低減することができる。なお、流体継手400の回転による作動流体の循環力より油圧ポンプ60の吸い込み力が大きいときには、吸い込み側通路660の負圧が大きくなり、油圧ポンプ60にサージ音が発生する。このとき、吸い込み側通路660の負圧が大きくなると、上記図5および図6の実施形態と同様に補給通路666から負圧リリーフ弁71を介して作動流体が吸い込まれる。従って、吸い込み側通路660の負圧が解消されて、油圧ポンプ60のサージ音の発生が防止される。
【0035】
次に、作動流体循環手段6の更に他の実施形態について、図14を参照して説明する。
図14に示す実施形態は、上記図12および図13の実施形態における上記通路663と上記作動流体補給通路666とを連通する排出通路667を設け、この排出通路667中に正圧リリーフ弁72を配設したものである。図14に示す実施形態は、上記排出通路667および正圧リリーフ弁72以外は上記図12および図13の実施形態と実質的に同一であるため、同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。なお、図14に示す実施形態は、図12および図13に示すロックアップクラッチ50を備えた流体継手装置において、上記図7の実施形態を適用したものである。
図14に示す実施形態は、流体継手400の外部室400aを油圧ポンプ60の吸い込み側通路660に連通せしめる通路663とリザーブタンク65とを連通する排出通路667と、該排出通路667に配設された正圧リリーフ弁72を備えているので、電磁遮断弁70(V2)が付勢(ON)され、上記電磁方向制御弁73(V3)が除勢(OFF)されているとともに、上記電磁切替弁67(V1)が付勢(ON)されたドラッグトルク制御時において、流体継手400の回転による作動流体の循環力が大きく、通路663内の圧力が高くなったとき、作動流体は正圧リリーフ弁72を介して排出通路667からリザーブタンク65へ排出される。従って、上記図7の実施形態と同様に作動流体経路に負圧、正圧が混在して発生する流体継手装置においても対応することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明による流体継手装置は以上のように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏する。
【0037】
即ち、本発明による流体継手装置においては、作動流体を循環せしめる作動流体循環手段は、流体継手の外部室に連通する第1の作動流体経路と、流体継手の作動室とリザーブタンクとを接続する第2の作動流体経路と、リザーブタンク内の作動流体を第1の作動流体経路に吐出する流体圧作動源と、第1の作動流体経路中に配設された切替手段とを具備し、外部室を流体圧作動源と連通する状態と、外部室を流体圧作動源の吸い込み側通路に連通せしめる状態とに選択的に作動するように構成され、さらに、流体圧作動源の吸い込み側通路には遮断弁が配設されている。流体継手を駆動するエンジンのアイドリング運転時には、切換手段によって外部室を流体圧作動源の吸い込み側通路に連通することにより、流体継手が自身の回転によりポンプとして機能するとともに、流体継手から排出された作動流体が流体圧作動源によって吸い込まれ、このとき、リザーブタンクからの吸込みは遮断弁により遮断される。このため、流体継手内への作動流体の充填効率が低下するため、ドラッグトルクを大幅に低減することができる。従って、エンジンのアイドリング運転が円滑となり、異常振動の発生を防ぐことができるとともに、アイドリング運転時の燃費を向上することができる。
【0038】
また、本発明によれば、上述したように流体継手に循環せしめる作動流体の流体圧を低減することなくドラッグトルクを低減することができるので、ロックアップクラッチを備えた流体継手において、ロックアップクラッチの作動圧が不足することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された流体継手装置を装備した駆動装置の一実施形態を示す断面図。
【図2】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、流体継手によって駆動トルクを伝達する状態の説明図。
【図3】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、流体継手を駆動するエンジンのアイドリング運転時における作動状態の説明図。
【図4】図1に示す流体継手装置に装備される制御手段のドラッグトルク制御の動作を示すフローチャート。
【図5】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の他の実施形態を示すもので、流体継手によって駆動トルクを伝達する状態の説明図。
【図6】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の他の実施形態を示すもので、流体継手を駆動するエンジンのアイドリング運転時における作動状態の説明図。
【図7】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の更に他の実施形態を示すもので、流体継手を駆動するエンジンのアイドリング運転時における作動状態の説明図。
【図8】本発明に従って構成された流体継手装置を装備した駆動装置の他の実施形態を示す断面図。
【図9】図8に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、流体継手によって駆動トルクを伝達する状態の説明図。
【図10】図8に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、流体継手を駆動するエンジンのアイドリング運転時における作動状態の説明図。
【図11】図8に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、ロックアップクラッチを作動した状態の説明図。
【図12】図8に示す流体継手装置の作動流体循環手段の他の実施形態を示すもので、流体継手によって駆動トルクを伝達する状態の説明図。
【図13】図8に示す流体継手装置の作動流体循環手段の他の実施形態を示すもので、流体継手を駆動するエンジンのアイドリング運転時における作動状態の説明図。
【図14】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の更に他の実施形態を示すもので、流体継手を駆動するエンジンのアイドリング運転時における作動状態の説明図。
【符号の説明】
2:内燃機関
21:クランク軸
4:流体継手装置
40:流体継手ハウジング
41:ケーシング
42:ポンプ
400:流体継手
421:ポンプシェル
422:インペラ
43:タービン
431:タービンシェル
432:ランナ
44:ドライブプレート
45:リングギヤ
46:出力軸
47:タービンハブ
48:ポンプハブ
50:ロックアップクラッチ
51:クラッチディスク
52:クラッチフェーシング
55:ダンパースプリング
56:入力側リテーナ
57:出力側リテーナ
6:作動流体循環手段
60:油圧ポンプ
62:ポンプハウジング
65:リザーブタンク
67:電磁切替弁(V1)
68:リリーフ弁
70:電磁遮断弁(V2)
71:正圧リリーフ弁
72:負圧リリーフ弁
73:電磁方向制御弁(V3)
8:摩擦クラッチ
80:クラッチハウジング
82:クラッチドライブプレート
83:伝動軸
84:クラッチハブ
85:クラッチフェーシング
86:ドリブンプレート
87:プレッシャープレート
88:ダイアフラムスプリング
89:レリーズベアリング
90:クラッチレリーズフォーク
100:制御手段
111:車速検出センサ
112:アクセルセンサ

Claims (6)

  1. 入力軸に連結されたケーシングと、
    該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、該ポンプと該ケーシングによって形成された室に該ポンプと対向して配設され該入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンとを有する流体継手と、
    該ケーシングと該タービンとによって形成される外部室および該ポンプと該タービンとによって形成される作動室を通してリザーブタンク内の作動流体を循環せしめる作動流体循環手段と、を具備する流体継手装置において、
    該作動流体循環手段は、該外部室に連通する第1の作動流体経路と、該作動室と該リザーブタンクとを接続する第2の作動流体経路と、該リザーブタンク内の作動流体を該第1の作動流体経路に吐出する流体圧作動源と、該流体圧作動源の吸い込み側通路に配設した遮断弁と、該第1の作動流体経路中に配設された切替手段とを具備しており、
    該切替手段は、該外部室を該流体圧作動源と連通する状態と、該外部室を該遮断弁よりも下流側の該流体圧作動源の吸込み側通路に連通せしめる状態とに選択的に作動し、かつ、該外部室を該遮断弁よりも下流側の該流体圧作動源の吸込み側通路に連通したときは、該遮断弁が該吸い込み側通路を遮断することを特徴とする流体継手装置。
  2. 該作動流体循環手段は、該遮断弁より下流側の吸い込み側通路と該リザーブタンクとを連通する補給通路と、該補給通路に配設された負圧リリーフ弁とを備えている請求項1記載の流体継手装置。
  3. 該作動流体循環手段は、該外部室を該流体圧作動源の吸い込み側通路に連通せしめる通路と該リザーブタンクとを連通する排出通路と、該排出通路に配設された正圧リリーフ弁を備えている請求項1記載の流体継手装置。
  4. 入力軸に連結されたケーシングと、
    該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、該ポンプと該ケーシングによって形成された室に該ポンプと対向して配設され該入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンとを有する流体継手と、
    該ケーシングと該タービンとによって形成される外部室に配設され該ケーシングとの間に外側室を形成するとともに該タービンとの間に内側室を形成するクラッチディスクを備え、該外側室と該内側室との流体圧差によって該ケーシングと該タービンとを係合するロックアップクラッチと、
    該外側室と該内側室および該ポンプと該タービンとによって形成される作動室にリザーブタンク内の作動流体を循環せしめる作動流体循環手段と、を具備する流体継手装置において、
    該作動流体循環手段は、該外部室に連通する第1の作動流体経路と、該作動室と該リザーブタンクとを接続する第2の作動流体経路と、該リザーブタンク内の作動流体を該第1の作動流体経路および該第2の作動流体経路を通して循環せしめる流体圧作動源と、該流体圧作動源の吸い込み側通路に配設した遮断弁と、作動流体の循環経路を制御する方向制御弁と、該第1の作動流体経路中において該方向制御弁と該外側室との間に配設された切替手段とを具備しており、
    該切替手段は、該外側室を該方向制御弁に連通する状態と、該外側室を該遮断弁よりも下流側の該流体圧作動源の吸い込み側に連通せしめる状態とに選択的に作動し、かつ、該外側室を該遮断弁よりも下流側の該流体圧作動源の吸込み側通路に連通したときは、該遮断弁が該吸い込み側通路を遮断することを特徴とする流体継手装置。
  5. 該作動流体循環手段は、該遮断弁より下流側の吸い込み側通路と該リザーブタンクとを連通する補給通路と、該補給通路に配設された負圧リリーフ弁とを備えている請求項4記載の流体継手装置。
  6. 該作動流体循環手段は、該外側室を該流体圧作動源の吸い込み側通路に連通せしめる通路と該リザーブタンクとを連通する排出通路と、該排出通路に配設された正圧リリーフ弁を備えている請求項4記載の流体継手装置。
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