JP4313848B2 - Gブロック多糖類の使用 - Google Patents
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Description
本発明は、ゲル化性で、水溶性多糖類が一成分である混合物において、グルロン酸リッチアルギン酸塩、またはガラクツロン酸リッチペクチン類、すなわちGブロック多糖類の、レオロジー特性の調整剤としての使用方法であって、それによって、最終製品において粘性、安定性、弾性、剛性などを変えることを意図する使用に関する。
発明の背景
アルギン酸塩は、海中の褐色藻類から単離される。アルギン酸塩は、また、Azotobacter vinelandiiやAzotobacter crococcum、および、各種様々なPseudomonaz細菌類のような土中細菌においても生成されるが、市販のアルギン酸塩は、主に褐色藻類由来のものである。
ペクチン類は、果物や野菜の細胞壁に見出されるので、各種様々なソースから単離されるが、市販のペクチン類は通常リンゴ、または柑橘類から単離される。
これらの多糖類、アルギン酸塩、および、ペクチンは、食品に、また、医薬品、歯科用品、化粧品その他の工業製品に使用される。もっとも普通に見られる工業的使用は、そのコロイド水溶性、および、多種電解質性に基づく。すなわち、これらの性質が、ゲル化、粘ちょう化、安定性、膨潤、および、粘度付与性の基礎となっている。
ジャム、アイス・クリーム、袋入りスープ、および、ソースのような食品においては、多糖類は、粘ちょう化、安定化作用を持つ。マヨネーズやドレッシングにおいては、多糖類は、乳化安定剤としても働く。
ベーキング・クリームや缶入りペット・フードのような製品では、アルギン酸塩の、熱的に安定なゲルを形成する能力−これが起こると、室温で固化する−が利用される。
さらに、アルギン酸塩の使用は、生物工学的、および、医学的用途にも大きな潜在的可能性を持つ。この実例としては、植物組織培養用のアルギン酸系固相栄養培地の大量生産、薬剤徐放のための投与媒体としてのアルギン酸塩、および患者に埋め込むための、アルギン酸ゲル中に生きたインシュリン産生細胞の封入、がある。
アルギン酸塩は、アルギン酸の塩類であって、Mと表記される(1→4)結合したβ-D-マンヌロン酸、および、Gと表記されるα-L-グルロン酸から成る直鎖ヘテロ多糖類である。この二つのウロン酸は下記の式を持つ。
このポリマーは、Mブロックと呼ばれるマンヌロン酸の単独重合体配列、Gブロックと呼ばれるグルロン酸単独重合体配列、および、マンヌロン酸単位とグルロン酸単位の混合配列、いわゆるMGブロック、または、交互ブロック、として存在する。
アルギン酸塩の構造を例示するために、可能なブロック構造の模式図を示す。
通常、アルギン酸は、三種類すべてのブロックを含み、かつ、1ブロックは通常3から30個のモノマー単位から成る。ブロックの分布は、そのアルギン酸塩の単離された藻類の種類と、さらに、その植物の年令や、採取部分に依存する。例えば、茎からのアルギン酸塩は、葉から単離されたアルギン酸塩とは異なる配列、および、ブロック組成を持つ可能性がある。藻類の収穫される時季も、ブロック組成や配列に影響を及ぼす。現在の知識に基づいて言えば、茎における最大G含量は、古いL.hyperboreaに認められる。同じ種の葉は、やや低いG含量と、短いGブロックを持つが、それでも、その含量は、他の多くの種よりは高い。市販のアルギン酸塩は、通常、25%〜75%のG含量を持つ。
ペクチンは、「平滑」領域と「毛状」領域が交互に繰り返す多糖類鎖を含む複雑な構造を持つ。平滑領域は、下記の式を持つ、非樹枝状の(1→4)結合したα-D-ガラクツロン酸から成り、
その内にいくつかの(1→2)結合したL-ラムノースを含む。一方、毛状領域は、きわめて樹枝状の、主に(1→3)および(1→6)結合したβ-D-ガラクトース、(1→3)結合したアラビノース、および、いくつかの(1→3)結合したキシロースから成る。このガラクツロン酸グループは部分的にメトキシル化している。
下記において、α-D-ガラクツロン酸はG単位と表わし、主にこのようなG単位から成る領域をGブロックと表わす。従って、アルギン酸塩のグルロン酸ブロックと、ペクチンのガラクツロン酸ブロックは、下記において、この共通の命名の下に置かれることになる。
下に、可能なペクチンの構造の模式図を示す。
アルギン酸およびペクチンのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、および、アンモニウム塩は、水溶性である。多価の陽イオン、例えば、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Fe3+、または、Al3+イオンのような多価イオンを多糖類液に加えることによって、いくつかの多糖類鎖においてイオン性架橋が形成される結果ゲルが形成される。G単位には、これらの多糖類が、多価イオンに結合する能力の原因となっており、このために、Gブロックは、各種多糖類分子鎖間の結合部位として機能し、これがゲル化をもたらす。
多糖類ゲルのゲル強度は、各種パラメータ、例えば、そのアルギン酸塩またはペクチンのG含量、Gブロックの長さ、カルシウム活性、および、その多糖類の分子量と濃度に依存する。
従来技術
「食品多糖類をその応用」(”Food Polysaccahrides and theirapplications”)、アリステア・M・ステフェン(Alistair M.Stephen)編[1995]第9章、「アルギン酸塩」(”Alginates”)、S.T.Moe,K.I.Draget,G.Skjak-BraekおよびO.Smidsred著、245-286ページ、および、第10章、「ペクチン類」(”Pectins”)、A.G.J.Voragen,W.Pilnik,J.F.Thibault,M.A.V.AxelosおよびC.M.G.C.Renard著、287-339ページを参照されたい。この総括論文の全体が本明細書に含まれると考えられるべきである。
もしも水溶性多糖類分子を、溶液において、易溶性Ca塩と反応させると、その工程に応じて、不都合な、塊状のゲル、または、ゲル球が得られる。従って、連続的なゲルの調製には、従来から、透析または溶液内ゲル化法を用いるのが普通であった。
透析においては、通常カルシウムから成る架橋性イオンは、多糖類溶液中に拡散し、次いで、連続的な不均一なゲルを生ずるが、そのゲルは、拡散表面近くでもっとも強くなる。
溶液化ゲル内においては、カルシウム・イオンは、多糖類溶液内に放出される。従来、カルシウムの不活性形を、同イオンの徐放を可能にする薬剤と一緒に用いており、これによって均一なゲルを生成し、また、ゲル化速度を調節することができた。この架橋性イオンの調節された放出を実行するには、従来、クエン酸塩、りん酸塩、または、EDTAのような金属イオン封鎖剤を用いるのが普通であった。
また、別法として、硫酸カルシウムや炭酸カルシウムのような不溶性塩、ないし、難溶性塩が用いられた。陽子の徐放、従って、カルシウム・イオンの徐放を可能にする薬剤の添加に関連して、ゲル化速度の調節が可能である。そのような薬剤の一例としてD-グルコノ-δ-ラクトン(GDL)がある。
もう一つの可能性は、これは、歯科用充填物として使用されるものであるが、ラクトンを、酸、塩基、および、バッファーから成る系で置換するやり方がある。このバッファー(Na2P2O7)は、最初に硫酸カルシウムから放出されるカルシウム・イオンと結合することによってゲル化速度を低下させる。これは、水をユーザーの判断で加えた時にゲル化を開始する、自己ゲル化系を生成することになる。
米国特許第2441720号と第2918735号(Kelco Company)から、アルギン酸塩ゲルの製法が知られている。その方法においては、水溶性アルギン酸塩(通常、アルギン酸カリウム、または、アルギン酸ナトリウム)を、りん酸三カルシウムや、酒石酸カルシウムのような難溶性カルシウム塩に変換する。このような系においては、カルシウム・イオンは、酸性、または、酸性化剤によって放出される。カルシム・イオンと水溶性アルギン酸塩との間の反応の反応速度は、6メタりん酸ナトリウムのようなゲル化遅延剤ないしゲル化抑制剤によって調節される。
米国特許第3060032号(ゼネラル・フーヅ社)においては、アルギン酸カルシウム・ゲルが、デザート用冷凍ゼリーの凍結・解凍安定性を改善するのに使用されている。このアルギン酸カルシウム・ゲルは、アルギン酸ナトリウム、酒石酸カルシウム、および、6メタりん酸ナトリウムから生成される。酒石酸から放出されるカルシウムと、アルギン酸ナトリウムの間の反応の反応速度は、6メタりん酸ナトリウムによって調節される。
熱的に安定なベーキング・クリームにアルギン酸カルシウム・ゲルを使用する方法が、米国特許第3352688(Kelco)から知られている。この系は、ほぼ、アルギン酸ナトリウム、りん酸二カルシウム、および、6メタりん酸ナトリウムから成る。
米国特許第3770462号(Kelco)では、りんアルギン酸ナトリウムと硫酸カルシウム2水塩の使用が、ヴァニラプディング型のミルク・プディングの製法として記載されている。この場合、アルギン酸からりんアルギン酸ナトリウムを生成する際に、アルギン酸塩とカルシウム封鎖剤を注意深く混合する。これによって、ミルクのカルシウムがアルギン酸塩中のりん酸塩によって封鎖されるので、冷たいミルクにおけるアルギン酸塩の水和が可能となる。硫酸カルシウム二水塩から放出されるカルシウムは、可溶性アルギン酸塩と反応し、均一なアルギン酸カルシウム・ゲルが形成される。
米国特許第2809893号は、デザートに使用される、ゲル形成用乾燥粉末混合物について記載する。このゲルは、砂糖、アルギン酸塩、6メタりん酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、熱処理無水りん酸一カルシウム、および、各種味覚強化剤と着色剤とを含む。
欧州特許第345886B1号は、肉製品用アルギン酸ゲル化系について記憶している。この系においては、カルシウムの放出、従って、ゲル化速度が、カプセル封入カルシウム塩によって調節されている。食品に使用が認められている通常のカルシウム塩は全て使用可能であるが、上記の例では、塩化カルシウム・二水塩、乳酸カルシウム・五水塩、酢酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、および、グルコン酸カルシウムを用いている。これらカルシウム塩は、脂肪誘導体に封入されるが、この誘導体は、脂肪酸やグリセリドであってよいが、できればさらに硬化植物油であることが好ましい。
米国特許第5,503,771号は、ゲル化懸濁液について記載している。この液は、コロイド状金属粒子またはセラミック粒子、水、および、有効量の、少なくとも1000から5000g/molの分子量を持つバイオポリマー分散剤と、なお、それに加えて、少なくとも50,000g/molの分子量を持ち、非ゲル化状態からゲル状態に転換され得るバイオポリマー・ゲル化剤とを含む。このバイオポリマー分散剤は、特に、下記から成るグループから選ぶことができる。すなわち、アルギン酸塩のポリ・マンヌロン酸リッチ加水分解産物、アルギン酸塩の、ポリ・グルロン酸リッチ加水分解産物、ポリ-D-グルタミン酸、ポリ-L-グルタミン酸、ポリ-DL-アスパラギン酸、ペクチン、および、上記の混合物である。バイオポリマー・ゲル化剤は、ゲル化性多糖類、ポリペプチド類、蛋白類、または、核酸類から成るグループから選ぶことができる。分子量が75,000から100,000g/mol以上の桁にあるアルギン酸塩が、特に、可能な多糖類として挙げられる。バイオポリマー分散剤は、コロイド状粒子を水中に分散し、それによって、低い、流動可能な粘度を持つ、非凝集性の懸濁液の形成を促すためのものであって、その結果、最終的な懸濁液をゲル化の開始前に型枠に移し、ゲル化後に、その製品を加熱分解したり、焼結することができる。これの主に意図するところは、ゲル化が、分散粒子をその位置に保ったままの分散状態の製品を実現することにある。アルギン酸塩と、アルギン酸塩のポリ・グルロン酸リッチ加水分解産物の、この併用について、それを、レオロジーの調整剤として用いる使用法に関しては何の記載も見られない。逆に、アルギン酸塩のポリ・マンヌロン酸リッチ加水分解物も、アルギン酸塩のポリ・グルロン酸リッチ化水分解物のいずれも、区別無くゲル化剤としてのアルギン酸塩と併用して、分散剤として使用することができるのだから、この米国特許は、本発明のものとは異なる工程に関わるものである。
課題
多糖類の貴重な性質を、各種製品におけるゲル化剤、薄膜形成剤、粘性発生剤、および、乳濁液および懸濁液の安定剤として利用できるようにするためには、ゲルの動的特性(例えば、架橋イオンの吸収度)、ゲル強度、および、シネレシス(離液、syneresis)、すなわち、レオロジー特性のようなパラメータを調節することが決定的に重要である。このことは、食品ばかりでなく、織布印刷に使用される塗料ペーストの粘ちょう剤としてのアルギン酸塩使用法のように、その他の製品にたいしても当てはまる。
従来技術においては、ゲル化法は、難溶性のカルシウム塩、例えば、りん酸塩、硫酸塩、クエン酸塩や酒石酸塩と、金属イオン封鎖剤−これは、りん酸塩であることが非常に多い−の両方と、恐らくその他にも他の酸やバッファーを用いて、調節されていた。
特に、りん酸塩の添加は、世界の工場化地域の食品においては高レベルに達しているが、これは問題があると思われる。なぜなら、りん酸塩の高摂取は、生体のイオン平衡を乱し、これが、健康に関連した好ましくない結果を招くことがあり得るからである。さらに、りん酸やその他の添加物は、不味や、所望のものとかけ離れた質感といった望ましくない作用を及ぼすことがある。これは、例えば、再構成された精肉製品や、ベーキング・クリームの製造に対して当てはまる。
従って、このような背景下においては、多くの種類の添加物を使用せずに、または、多量の添加物を使用せずに、調節された状態で多糖類の貴重な性質を利用することを可能とする系、特に、りん酸塩の使用を回避ないし低減させる系に対する必要性がある。
乳製品、すなわち、ミルクに基づく製品の場合、多糖類から得られる各種作用を誘起することが好ましい。例えば、ある製品では、ヨーグルトの場合のように粘ちょう作用のみが要求されるし、また別の場合では、プディング生産の場合のように強いゲルが要求される。ミルクの中には多量のカルシウムがあり、また、カルシウム含量は、ゲル強度やシネレシスのようなパラメータに影響するので、好ましい質感と安定性を持つ製品を実現することに関連していくつかの問題がある。もしも最終製品があまりにもシネレシス過程に暴露されるならば、すなわち、液成分の排除の間にあまりにゲル収縮を起こさせるならば、品質の重大な低下が起こり、かつ、耐久性が低下する。
織布印刷に用いられる塗料ペーストにおけるアルギン酸塩の使用に関しては、粘ちょう性と、ずり減粘性が利用される。硬水のある地域においては、すなわち、水のカルシウム含量の高い地域においては、局所的ゲル粒子(いわゆる、「魚の目」)が生成される。これを避けるために、金属イオン封鎖剤、通常は、りん酸塩が加えられる。これらの薬剤は、洗い流され、最後は排水中に排出されるので、環境問題を生じるため、それらを排水から除去しなければならない。
従って、天然の、すなわち、添加したものではないカルシウムの存在が問題を生じているような応用分野においても、多糖類の貴重な性質を利用することを可能にする系に対しては需要がある。このことから、アルギン酸塩やペクチンのレオロジー特性が、それらの物質が、粘ちょう剤、ゲル化剤、結合剤、または、安定剤として使用される際に、調節可能である系が必要とされている。
本発明の定義
本発明によれば、驚くべきことに、「Gブロック多糖類」が、各種応用分野において、ゲル化性多糖類の系のレオロジー調整剤として使用可能であることが現在見出された。これは、「Gブロック多糖類」、すなわち、アルギン酸塩のグルロン酸ブロック、または、ペクチンのガラクツロン酸ブロックが、アルギン酸塩および/またはペクチン系において、ゲルの動的特性、ゲル強度、粘性、弾性、平衡特性、および、シネレシスを調節することを可能とすることを意味する。
本発明において、多糖類という用語は、主に、アルギン酸塩多糖類とペクチンを含めることとするが、ここに記載の多糖類と同じように振る舞う他のゲル化性多糖類も、本特許請求の範囲に含まれるものとする。本発明においては、アルギン酸塩を使用するのがもっとも好ましい。ペクチン類については、特に、低メトキシル化ペクチン、いわゆるLMペクチンを使用することが好ましい。
本発明に基づいて、アルギン酸塩ベース、および、ペクチンベースの系のゲル化において、レオロジー特性、すなわち、粘性、弾性、ゲル動的特性、および、ゲル強度を調節するための方法が見出された。この方法は、レオロジーの調整剤として、「Gブロック多糖類」を使用することを特徴とする。
本発明によれば、ゲル化性水溶性多糖類が、最終製品の粘性、弾性、安定性、剛性などを変化させる一成分である混合物において、そのレオロジー特性、即ち粘性、弾性、ゲル動的特性およびゲル強度を調節するための方法であって、「Gブロック多糖類」が、前記混合物に、(a)架橋イオン供給源の存在下に水溶性「Gブロック多糖類」として、または、(b)架橋イオンを有する「Gブロック多糖類」として、のいずれかの方法で添加され、かつ、もし必要なら、水性溶媒が添加されることを特徴とする方法である。
第2の観点では、本発明は、ゲル化性水溶性多糖類が、最終製品の粘性、弾性、安定性、剛性などを変化させる一成分である混合物において、そのレオロジー特性、即ち粘性、弾性、ゲル動的特性およびゲル強度の調整剤としての、「Gブロック多糖類」の使用に関し、「Gブロック多糖類」が、前記混合物に、(a)架橋イオン供給源の存在下に水溶性「Gブロック多糖類」として、または、(b)架橋イオンを伴う「Gブロック多糖類」として、そのいずれかで添加され、かつ、もし必要なら、水性溶媒が添加されることを特徴とするものである。
第3の観点では、本発明は、ゲル化性水溶性多糖類が、最終製品の粘性、弾性、安定性、剛性などを変化させる一成分である混合物において、そのレオロジー特性、即ち粘性、弾性、ゲル動的特性およびゲル強度の調整剤としての、「Gブロック多糖類」の使用に関し、「Gブロック多糖類」が、(a)水溶性「Gブロック多糖類」が架橋イオンの供給源の存在下に用いられることとなる前記混合物において、多価イオンに対するもう一つの金属イオン封鎖剤の代替物として、または、
(b)架橋イオンを有する「Gブロック多糖類」が添加される前記混合物において、架橋イオンのもう一つの供給源の代替物としてのいずれかの方法で使用され、
かつ、もし必要なら水性溶媒が添加されることを特徴とするものである。
本発明の第4の観点では、「Gブロック多糖類」は、自己ゲル化性多糖類混合物において使用することができ、かつ、この使用方法は、前記混合物が、固相の架橋イオンを有する「Gブロック多糖類」と、固相のゲル化性水溶性多糖類とから成り、ゲル化過程が水、水性溶液、または、非水性成分を含む混合物の水性溶液の添加によって開始されることを特徴とするものである。
この関連において、「Gブロック多糖類」という用語は、それぞれグルロン酸、ガラクツロン酸を高濃度に含む、低分子量のアルギン酸塩、アルギン酸またはペクチンを含むことを意味する。1ブロック中に少なくとも2個のG単位を含む多糖類、または、多糖類の断片のいずれであっても、本発明に従って「Gブロック多糖類」として使用することができるが、平均モル分子量が1,000-100,000g/molの多糖類断片を使用するのが好ましい。「Gブロック多糖類」は、1,000-50,000g/molのモル分子量範囲から選ぶのが好ましいが、2,000-20,000g/molのモル分子量範囲内で使用することがもっとも好ましい。
断片という用語は、アルギン酸塩全体やペクチン鎖、または市販の多糖類(多糖類分子全体)の、小部分を含むことを意味する。
ある場合においては、100,000g/molを越える平均モル分子量を持つ「Gブロック多糖類」を使用することも可能であるが、それらはここに記載した「Gブロック多糖類」と同じ機能を持たなければならないという制約を受ける。
「Gブロック多糖類」は、例えば、L.hyperboreaから単離されたアルギン酸塩のような、高いGブロック含有量を持つ天然のアルギン酸塩やペクチンの断片であってもよい。さらに、Gブロックを多くしたアルギン酸塩断片、または、バクテリアで生物工学的に生産される主にG単位から成るアルギン酸塩断片であってもよい。Gブロックを多くしたGブロックリッチアルギン酸塩断片を生産するもう一つの可能性として、マンヌロナン-C-5-エピメラーゼ(mannnuronan-C-5-epimerase)型の酵素を用いてM単位のG単位への化学的な変換である。
ある濃度範囲においてゲルを形成することのできる多糖類であれば、特に、アルギン酸塩またはペクチンにおいては、いずれのものであっても、多糖類として、または、多糖類全体として使用可能である。適当な場合は、これら2種の多糖類の混合物を使用することも可能である。
所期の用途に応じて、最終製品において所望の性質を得るために、高い、または、低いG含量のアルギン酸塩/ペクチンを使用することが可能である。もしも、例えば、粘ちょう作用が要求されるならば、弱いゲル形成またはゲル無形成を達成するために、低G含量の品質の多糖類を選択することが必要である。従って、例えば、プディングの製造の場合のように、強いゲル化を得るためには、高いG含量の品質の多糖類を選ぶことが必要である。さらに、本発明の多糖類として、モル分子量やブロック含量についてのアルギン酸の品質の混合物を使用することも可能である。
水溶性多糖類は、それがアルギン酸塩全体/ペクチンであれ、または、「Gブロック多糖類」であれ、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、および、アンモニウム多糖類であってもよい。また、この種の対イオンのいくつかと少量のCa2+を含む水溶性多糖類を用いることも可能ではあるが、もっとも好ましいのは、ナトリウム多糖類、または、ナトリウム「Gブロック多糖類」である。溶解度は、濃度と温度に依存することは当業者には明白であり、本発明においては、この用語を使用する場合は、関連する濃度と適用範囲内での溶解性に対して選ばれた多糖類を含むものを意図する。
同様に、「ゲル化性多糖類」という用語は、これも当業者には明白であろうが、ゲル化が、特に、多糖類と多価対イオンの両方の濃度に依存するという条件付きで使用される。多糖類のゲル化をもたらす多価イオンならばいずれものであっても使用可能であり、そのようなイオンの例としてCa2+、Sr2+、Ba2+、Fe3+、および、Al3+があるが、ただし、Ca2+がもっとも好ましい架橋イオンである(以下においては、多価、架橋イオンの代表としてCa2+が用いられる)。「ゲル化性多糖類」という用語が用いられる場合、本発明がゲル化をもたらす濃度の限界内での使用を含むとみなされる。本発明はさらに、例えばゼリーやプディングの質感を生ずる強いゲル化と、単に粘ちょう化、および/または、安定化効果のみを生ずる弱いゲル化の両方を含むものとする。前述したように所望の効果は、所期の用途に応じて、多糖類全体のG含量とモル分子量とを適当に選ぶことによって達成される。
本発明に従って、架橋イオンを有する「Gブロック多糖類」が、工程および用途に関連して添加される場合には、その分子は、多価のカルシウム、ストロンチウム、バリウム、鉄、または、アルミニウムを対イオンとして有する「Gブロック多糖類」から成るグループから選ばれる。カルシウムが特に好ましい。
架橋イオンの供給源は、例えば、乳製品、カルシウム含有蛋白類、骨食、または、干し草のような、天然に存在するカルシウム供給源から選ぶことが出来る。
専門家の良く承知しているように、架橋イオンの供給源は、もし適当なら、難溶性カルシウム塩、例えば、CaSO4、CaCO3、または、CaEDTAのようなキレート結合カルシウムであり、場合によっては陽子供給源との組み合せである。架橋イオン供給源はさらに、易溶性カルシウム塩であってもよく、この易溶性カルシウム塩は、
(a)混合物の中に拡散によって、または、
(b)pH、温度、その他のパラメータの調整と関連して、カルシウムの調節された放出を行うマイクロカプセル化した塩として、
添加される。
本発明に従って使用される各種のアルギン酸塩は、特に、Pronova bBiopolymer a.s. Drammen、ノルウェー国から商業的に入手できる。ペクチンは、特に、Copenhagen Pektin/Hercules、デンマーク国から商業的に入手できる。
低分子「Gブロックアルギン酸塩」は、当業界ではよく知られている酸の加水分解によって製造可能である。その工程は、特に、下記の出版物に記載されている。
ハウグ、ラーセン、および、スミヅラート著(A.Haug,B.Larsen and O.Smidsrad)(1966)、「部分的加水分解によって生成されるアルギン酸の組成の研究」(”A study of the constitution of alginic acid by partialhydrolysis”),Acta Chem,Scand.20,183-190。ハウグ、ラーセン、および、スミヅラート著(A.Haug,B.Larsen and O.Smidsrad)(1967)、「アルギン酸中におけるウロン酸残基の配列の研究」(”Studies of the sequence of uronic acid residues in alginic acid”),Acta Chem.Scand.21,691-704、および、米国特許第5,503,771号、実施例2。
これらの引用文献も、その全体を、ここに含められるものと考慮されたい。
「Gブロック多糖類」に対する多糖類の量的比率は、所望の効果と適用分野に完全に依存する広い限界内において変更が可能であるが、中でも、選択されたアルギン酸塩ないしペクチンの種類、モル分子量、および、カルシウム活性に依存する。従って、多糖類:「Gブロック多糖類」の比が100:1〜100、好ましくは10:1〜1:10の範囲内で使用するのが好ましい。しかしながら、多糖類:「Gブロック多糖類」の比が4:1〜1:4の範囲内で使用するのがもっとも好ましい。
さらに、混合物における、多糖類と「Gブロック多糖類」の絶対濃度は、完全に所期の用途と必要なレオロジーの調節とに依存するが、その上、選択されたアルギン酸塩ないしペクチンの種類、モル分子量、および、カルシウム活性に依存する。
このようにして、本発明によれば、驚くべきことに、「Gブロック多糖類」が、アルギン酸塩ベース、および、ペクチンベースの系において、レオロジーの調整剤として使用可能であることが見出された。実際には、このことは、「Gブロック多糖類」を、多価イオン、特に、カルシウムの供給源として、または、そのような多価イオンのイオン封鎖剤として、そのいずれとしても使用可能であることを意味する。後者においては、イオン封鎖剤は先ずそのイオンを吸収し、次に、この多糖類が、ゲル化剤、粘ちょう剤、安定剤、結合剤などとして加えられている混合物中に多糖類全体のゲル化と関連してこのイオンを制御しつつ放出することを含む。
上記から、本発明の一つの観点では、架橋イオンを伴う「Gブロック多糖類」、特に、Ca「Gブロック多糖類」は、ゲル化性多糖類の系において他のCa供給源に取って代わることができ、しかも、このゲル化性多糖類の系においては、特に食品においては、りん酸塩のようなその他の添加物の使用を回避しまたはその使用を大幅に低減させるために、さらに、ゲル化動的特性、ゲル強度、および、シネレシスの同時調節のために各種多糖類の組み合せのみを添加するだけで製品を得るために、アルギン酸塩ないしペクチンを使うことが好ましい。
多糖類の前記組み合せは、アルギン酸塩とペクチンに関しては、下記の4種類を含む。
これに加えて、前述のようにアルギン酸塩とペクチンの混合物は、多糖類全体として、または、「Gブロック多糖類」として、そのいずれかとして用いることができる。
本発明の一観点では、水溶性「Gブロック多糖類」、特にNa「Gブロック多糖類」を、系におけるCaイオンのイオン封鎖剤として多糖類と一緒に使用することも可能である。これは、他の金属イオン封鎖剤、特にりん酸塩の使用を回避することとなる。この系は、天然のカルシウム供給源のある利用分野においては特に好適に使用することができる。
本発明による方法及び応用を用いることによって、下記の利点が得られる。
−アルギン酸塩しか含まない、ゲル化性アルギン酸塩系。
−Ca「Gブロック多糖類」が、他のCa供給源に代替し、他の金属イオン封鎖剤の必要がなくなる。
−Na「Gブロック多糖類」が、例えば、りん酸塩の代わりに、金属イオン封鎖剤として使用される。
−天然のCa供給源のある製品においては、多糖類をその他の金属イオン封鎖剤を必要とすることなく使用することができる。
−調節されたゲル化の開始およびゲルの動的特性。
−調節されたゲル強度。
−ゲル強度の増大。
−シネレシスの低減。
−調節されたゲル化速度、すなわち、ゲル化速度の増大および低減の両方が可能なこと。
−せん断にたいしてより可逆性の高いゲル。
本発明は、さらに、付属の請求項でより詳しく記載し、また、さらに実施例を用いて具体的に説明する。
材料および方法
「Gブロック多糖類」という概念は、ポリグルロン酸塩とポリガラクツロン酸塩の両方を含む。ゲル化性アルギン酸塩に対するGブロックの添加の効果は、原理的には、水溶性Gブロックの5%母液の任意の容量を、ゲル化性アルギン酸Na溶液に添加することによってもたらされた。Gブロックの最終的な量は、0から10mg/mlの範囲で変化させた。ゲル化性アルギン酸塩の濃度は、別の濃度を特に言及しない限り、10mg/mlに一定に保った。使用したGブロックアルギン酸塩(ポリグルロン酸塩)は、85%のグルロン酸含量を持ち、20の平均重合度(Dpn)を持っていた。Gブロックペクチン(ポリガラクツロン酸塩)は完全に脱エステル化を行ない、35のDpnを持っていた。使用したゲル化性アルギン酸塩は全て、約65%のグルロン酸含量を持つLaminaria hyperboreaの茎から単離した。分子量は、50から300kDaの間を変動した。別様に断らない限り、平均分子量200kDaのアルギン酸塩を用いた。
7.5から50mMのCa2+によるゲル化は、いわゆる内部ゲル化によって行われた。これは、低溶解度のCaCO3を、D-グルコノ-ラクトンと一緒に前記溶液に添加することを意味する。時間の経過につれて、ラクトンは、グルコン酸に変換され、このグルコン酸が、炭酸塩を遊離Ca2+に変える。このゲル化性溶液を、いわゆるウェル・プレートに移した。このプレートにおいては、個々のモールドは、高さ18mmで、半径16mmである。24時間後、ゲル強度平衡値を測定した。100mMのCa2+による拡散ゲル化を用いた。前記アルギン酸塩溶液を、プレクシグラスのシリンダーに入れ、その両端を酢酸セルロース膜で密封した。次に、このシリンダーを、100mMのCaCl2を含む浴槽に入れた。最終ゲルにおけるアルギン酸塩の均一な分布を確実に実現するため、ゲル化溶液とゲル化浴槽の両方とも200mMのNaClを含んでいた。ゲル強度を24時間後に測定した。
ゲル強度は二つの方法で測定した。平衡物性は、24時間後、SMS TA-XT2質感分析器によって、圧縮速度0.1mm/sによる圧縮分析によって測定した。ゲル強度は、ヤング率(E)として、力・変形曲線の、初期の直線部分の勾配に基づいて計算した。動的特性(ゾル/ゲル)測定は、RheologicaStress-Techレオメーターによって20℃において実施した。測定形は、40mmの鋸歯状プレート・プレートで、動的測定は、1Hzで実施した。ゲル化過程の全体を通じて、10Paの力を用いた。
シネレシスは、モールドの容量にたいする最終ゲルの容量の変化を測定することによって求めた。CaGブロックへの変換に関して、水溶性Gブロックを溶解し、最終濃度0.5MとなるようにCaCl2に加えた。余剰のカルシウムは洗い流した。ゲル化は、ゲル化性アルギン酸塩とCa Gブロックとを溶解する前に、両成分の最終濃度が10mg/mlとなるように両成分を乾燥混合することによって行なった。実施例6のゲル化性アルギン酸塩は、430kDaの平均分子量を持っていた。Ca Gブロックによるゲルのそれと等価的ゲル強度を生じるCaCO3ゲルが、9.5mM CaCO3によってゲル化された。このゲルを、ホモジェナイザーUltra turraxによって3000RPMで4分間に分解した。動的測定は、Bohlin VORレオメーターによっては25℃、1Hzで実施した。測定形は、SP30鋸歯状プレートであった。振幅は20%であった。
ミルク系
実施例1-4のゲルは、9%完全クリームのミルク粉末で作られた。ゲル化性アルギン酸塩の濃度は、別様に断らない限り、10mg/mlで一定に保ち、Gブロック濃度は0から10mg/mlの範囲で変えた。このGブロックは、前記ゲル化性アルギン酸塩とミルク粉末とともに乾燥混合することによって加えた。使用したGブロックは、87%から92%のグルロン酸含量と12から20の平均重合度を持っていた。使用したゲル化性アルギン酸塩は全て、約65%のグルロン酸塩含量を持つLaminaria hyperboreaから単離したものである。別様に断らない限り、ゲル化性アルギン酸塩は、330kDaの平均分子量を持っていた。全てのゲルにおいて、前述したような内部ゲル化を用い、添加したCa2+の量は15から100mMの間で変化した。
ゲル強度は、この場合も二つの方法を用いて測定した。平衡物性は、前述のように測定したが、ただし、23時間後であった。動的特性(ゾル/ゲル)測定は、Bohlin VORレオメーターにより25℃で1Hzで実施した。測定形は、SP30鋸歯状プレートで、振幅は3%であった。
シネレシスは、シネレシスのないゲルの容量にたいする、問題のゲルの容量の変化を測定することによって求めた。
結果
実施例1-4、および、6-10は、ポリ・グルロン酸塩の効果を記載し、実施例5は、ポリ・ガラクツロン酸塩の効果に関する。実施例8-10は、ミルク系の効果に関する。
実施例1:一定濃度のアルギン酸塩におけるゲル強度およびシネレシスへの効果。
第1a図は、一定濃度(10mg/ml)アルギン酸塩において、ゲル強度が、添加したGブロックとカルシウム含量の関数としてどのように変化するかを示す。Ca含量が低度から中程度の場合、ゲル強度は、Gブロックの含量が増加するにつれて減少する。これは、Gブロックが、ネットワーク構造に入ることなしに、Caイオンに結合できる能力があるためと考えられる。しかしながら、Ca含量が中程度から高度の場合、ゲル強度は、Gブロックの量が増加するにつれて、部分的には相当程度増大する。G領域における長い単独重合体配列を有するGブロックは、もしそれがなければ最適条件の次の結節区域となる結節区域の間の一種の架橋形成体として機能していることが考えられる。
第1b図は、高いCa含量においてはシネレシスの程度は、Gブロック含量の増加につれて減少することを示す。これもまた、GブロックのCaコンプレックスの形成能のためと考えられる。
実施例2:一定量のCaにおいてアルギン酸塩とGブロックの量を変化させた時の効果。
第2a図は、Caを一定濃度(40mM)とした場合に、純粋なアルギン酸塩ゲルとアルギン酸塩/Gブロック混合物との、ゲル強度の相対的な差がどのように変化するかを示す。最大相対差、すなわち、ゲル強度が増大した形で得られる最大増加量は、アルギン酸塩とGブロックが当量の場合に実現される。他のCa濃度においては、別の曲線が得られる可能性がある。
第2b図は、同じ実験で、シネレシスがどのように変化するかを示す。アルギン酸塩/Gブロック混合物においては、シネレシスはほとんど一定で、10%前後変化するだけである。純粋なアルギン酸塩ゲルにおいては、シネレシスは、アルギン酸塩濃度が減少するにつれて、劇的に増加する。
実施例3:ゲル化性アルギン酸塩の分子量の効果。
第3a図は、純粋なアルギン酸塩ゲルと、1:1アルギン酸塩/Gブロック混合物の両方の中に40mM Caを加えた場合、ゲル強度が、ゲル化性アルギン酸塩の分子量と共にどのように変化するかを示す。同図は、ゲル強度に関して高度の相乗効果を実現するには、中程度から高度の分子量が推奨されることを示す。
第3b図は、同じシリーズの実験においてシネレシスの程度の変化を示す。同図は、純粋アルギン酸塩ゲルにおいても、混合物ゲルにおいても、分子量の増加につれて、シネレシスが増大すること、しかし、シネレシスの程度と分子量依存度を示す勾配は、Gブロックを添加すると相当程度低下することを示す。
実施例4:動的特性の効果
第4a図と第4b図は、それぞれ、15mMと40mMCaで、異なった量のGブロックの添加に対する、動的記憶係数(dynamic storage modulus)(G’)の変化として測定される、ゲル形成過程の動的特性にたいする効果を示す。添加したGブロックの量の関数として表わしたゲル化速度において、両方の場合においてその低下が見られる。動的特性の調節において、例えば、りん酸塩の代わりに、Gブロックを使用することにおいて得られるこの基本的結果は、ゲル形成の初期において、Gブロックがネットワーク構造の中に入ることなく、Caを結合する能力を持つためであると思われる。この効果は、平衡状態の条件(最終性質)が、Gブロックを添加して低いゲル強度を示す場合でも(15mM Ca)、高いゲル強度を示す場合でも(40mM)、いずれの場合を問わず実現される。
実施例5:ポリガラクツロン酸塩の添加による、ゲル強度およびシネレーシスに対する効果。
第5a図と第5b図は、ポリグルロン酸塩が、ポリガラクツロン酸塩によって置き換えられたことを別にすれば、第1a図と第1b図と同じである。この実施例の本質的な面は、二つのGブロックの効果がほぼ同じであることである。両方の種類のGブロック多糖類を添加すると、低度から中程度のCa含量においては、ゲル強度に低下が観察され、高度のCa含量においてはその増加が観察された。シネレシスにたいする効果は、この二つのGブロックにおいて同じであった。すなわち、添加するGブロックの量が増加するにつれて低下が観察された。この実施例から、低いメトキシル化のポリガラクツロン酸塩は、この種の混合ゲルにおいて、同様のやり方でCa2+イオンを結合するという点で、ポリグルロン酸塩と同様の作用調節機構を持つことが明らかになった。
実施例6:Ca Gブロックの添加効果。
第6a図と第6b図の動的特性の測定は、(a)ca Gブロックを添加しない場合のアルギン酸塩溶液における、および、(b)アルギン酸塩/Gブロック混合物における、周波数の関数で表わした弾性係数(G’)と粘性係数(G’’)を示す。第6a図において、全周波数範囲においてG’<G’’であることがわかる。これは、この液が、粘弾性溶液であることを意味する。第6b図において、周波数掃引を、固化したゲルにたいして実行した。ここではG’>G’’であった。これは、Ca Gブロックの添加が、ゾル/ゲル転移状態を介して粘弾性ゲルを生ずることを意味する。
実施例7:動的特性の効果と可逆性。
第7a図の動的特性の測定は、ゲル化過程と、Ca GブロックがCa供給源である分解の各段階後のゲル構造の再構成を示す。第7b図は、Ca供給源がCaCO3であるゲルについて同様の結果を示す。この構成においては、Ca GブロックがCa供給源となる方がより早く平衡が得られ、かつ、分解後もより優れた構造が得られる。
実施例8:ミルク系におけるアルギン酸塩濃度が一定の場合の、強度をシネレシスに対する効果。
第8a図は、アルギン酸塩の濃度を一定(10mg/ml)とした場合、ゲル強度が、添加したGブロック、および、(添加した)カルシウムの関数としてどのように変化するかを示す。実施例1の純水系の場合と同じ効果が得られた。Ca含量が低度から中程度の場合には、Gブロックの添加は、ゲル強度にたいして否定的な作用しかもたらさない。一方、Ca含量が中程度から高度の場合には、ゲル強度は、Gブロックの含量が増加するにつれて増大する。
第8b図は、ミルク系においても、シネレシスの程度は、Ca含量が高い場合には、Gブロック含量が増加するにつれて減少することを示す。
実施例9:ミルク系においてCa量を一定とした場合の、アルギン酸塩とGブロックの量の変化の効果。
第9a図と第9b図は、第2a図と第2b図と同じものであるが、ただし、ミルク系において見たものである。第9a図は、純粋のアルギン酸塩ゲルと、アルギン酸塩/Gブロック混合物との間のゲル強度の相対的差が、一定のCa濃度(40mM)の場合にどのように変化するかを示す。ここでは、実施例2の場合(すなわち、平均分子量が200kDa)と同じゲル化性アルギン酸塩が用いられた。この系においても、ゲル強度の形として最大増加量は、アルギン酸塩とGブロックが当量の場合に得られた。他のCa濃度の場合には別の曲線が得られる可能性がある。
第9b図は、同じ実験においてシネレシスがどのように変化するかを示す。シネレシスの程度はミルク系の方が低かったが、水系(実施例2)の場合と同じ効果がミルク系でも見られた。アルギン酸塩/Gブロック混合物においては、シネレシスはほぼ一定であり、5%前後変化した。純粋なアルギン酸塩系では、シネレシスは、アルギン酸塩濃度が減少するにつれて、大きく増加した。
実施例10:ミルク系における動的特性の効果。
第10図は、Caはもともとミルクの中に存在するもののみとして、様々な量のGブロックをミルク系に加えた場合のゲル過程の動的特性にたいする効果を、動的記憶係数(G’)の変化として測定したものを示す。水系の場合と同様な効果がミルク系でも見られた。すなわち、添加するGブロックの量が増加するにつれて、ゲル速度の低下が生ずる。
実施例11:ポリグルロン酸塩の製造。
アルギン酸への転換:
Laminaria hyperboreaのアルギン酸塩10gを、1000mlの0.3MHClに溶解し、24時間振とうした。
分解:
この溶液を、傾斜除去し、不溶画分を500mlの0.3M HClに加えて、100℃で5時間水浴中に入れた。冷却後、不溶画分を濾過採取し、脱イオン水で洗浄した。この不溶画分を中和化によって溶解し、凍結乾燥した。
洗浄:
凍結乾燥したアルギン酸塩を、脱イオン水に溶解し、1%溶液を(w/v)を形成し、0.1M NaClに加えた。このアルギン酸塩溶液を、0.05M HClをpH2.5まで加えて沈殿させた。
単離:
この溶液を遠心分離した(5000RPMで15分)。沈殿を、pH調整した、脱イオン水(pH2.5)で2度洗浄し、各洗浄の合間に遠心分離し、それによって、懸濁させ、中和化によって溶解した。このGブロック多糖類を凍結乾燥した。
実施例12:アルギン酸Gブロックによる、CaCO3の遊離Ca2+への変換。
第11図は、アルギン酸Gブロックが、材料および方法の欄で記載した内部的ゲル化系におけるD-グルコノ-δ-ラクトンの機能を代行する系を示す。溶解度の低いCaCO3とアルギン酸Gブロックを、アルギン酸塩溶液に加える。このアルギン酸Gブロックは、CaCO3を遊離Ca2+に変換し、それによって、ゲル・ネットワークが形成される。
同図において、二通りのCa濃度を持つアルギン酸Gブロックを、CaCO3とD-グルコノ-δ-ラクトン系と比較した。Na Gブロック系においては、低いCa濃度の方が、ゲル強度が低下しており、一方、高いCa濃度では、ゲル強度の増加をもたらす。もしもD-グルコノ-δ-ラクトンを、アルギン酸Gブロックで置換すると、初期のゲル化速度は増し、かつ、平衡濃度にはより速く到達する。
Claims (14)
- アルギン酸塩から導かれるグルロン酸のブロックまたはペクチンから導かれるガラクツロニック酸のブロックからなる多糖類(「Gブロック多糖類」)が、
(a)架橋イオンの供給源の存在下に水溶性「Gブロック多糖類」として、または、
(b)架橋イオンを有する「Gブロック多糖類」として、
のいずれかの方法で添加され、そして
(c)必要な場合には、水性溶媒が添加される
ことを特徴とするゲル化性水溶性多糖類を含む混合物におけるレオロジー特性の調節方法。 - ナトリウム、カリウム、マグネシウム、または、アンモニウムを対イオンとして有する水溶性「Gブロック多糖類」を添加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 対イオンがナトリウムであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- ゲル化性水溶性多糖類が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、または、アンモニウムを対イオンとして有する多糖類からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 対イオンがナトリウムであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- カルシウム、ストロンチウム、バリウム、鉄、または、アルミニウムから選ばれる多価架橋イオンを有する「Gブロック多糖類」を添加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 架橋イオンがカルシウムであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 架橋イオンの供給源が、天然に存在するカルシウム供給源であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 架橋イオンの供給源が、ミルクベースの製品、蛋白類、骨食、または、干し草であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 架橋イオンの供給源が、CaSO4、CaCO3、または、Ca EDTAであり、場合によっては陽子供給源との組合わせであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 架橋イオンの供給源が、
(a)混合物に拡散によって、または、
(b)カルシウムの制御された放出を行うマイクロカプセル化した塩として、
添加されたカルシウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 「Gブロック多糖類」が、混合物に
(a)架橋イオンの供給源の存在下に水溶性「Gブロック多糖類」として、または、
(b)架橋イオンを有する「Gブロック多糖類」として、
のいずれかの方法で添加され、そして
(c)必要な場合には、水性溶媒が添加される
ことを特徴とする、ゲル化性水溶性多糖類を含む混合物におけるレオロジー特性の調節剤としての、アルギン酸塩から導かれるグルロン酸のブロックまたはペクチンから導かれるガラクツロニック酸のブロックからなる多糖類(「Gブロック多糖類」)の使用。 - 「Gブロック多糖類」が、
(a)水溶性「Gブロック多糖類」が架橋イオンの供給源の存在下に添加される場合の混合物における、架橋イオンに対する金属イオン封鎖剤として、または、
(b)架橋イオンを有する「Gブロック多糖類」が添加される場合の混合物における、架橋イオンの供給源として、
のいずれかの方法で添加され、
(c)必要な場合には、水性溶媒が添加される
ことを特徴とする請求項12記載の「Gブロック多糖類」の使用。 - ゲル化性水溶性多糖類と、架橋イオンを有する、アルギン酸塩から導かれるグルロン酸のブロックまたはペクチンから導かれるガラクツロニック酸のブロックからなる多糖類(「Gブロック多糖類」)の混合物であり、ゲル化過程が水、水溶液、または、非水性成分を含む混合物の水溶液の添加によって開始される多糖類混合物の、自己ゲル化性多糖類混合物としての使用。
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