JP4313345B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は洗濯機、さらに詳細には、脱呂水吸水ポンプを備える洗濯機に関する。
風呂の残り湯を洗濯水に利用して水道水の節水を図ることが従来から行われている。
そして、その使用形態の一例として、投げ込み式の風呂水吸水ポンプを浴槽内に入れ、このポンプを介して浴槽内の水を洗濯槽内に吸水するタイプのものがある。
また、他の使用形態として、洗濯機に風呂水吸水ポンプを内蔵し、このポンプを介して浴槽の水を洗濯槽内に吸水するタイプのものもある。
なお、洗濯機に風呂水吸水ポンプを内蔵し、このポンプを介して浴槽内の水を洗濯槽内に吸水する先行技術としては、例えば特開昭57−117894号,同第57−117895号、および特開平6−23190号公報等を挙げることができる。
特開昭57−117894号公報 特開昭57−117895号公報 特開平6−23190号公報
しかし、投げ込み式の風呂水吸水ポンプを利用する場合は、ホースとリード線とが絡み合い、作業性,収納性共に悪いと云う点で難点がある。
一方、洗濯機に風呂水吸水ポンプを内蔵するタイプのものは、従来一般に、洗濯機の下方にポンプを設置するようにしており、呼び水タンクを必要とするばかりでなく、洗濯機下方のポンプから洗濯槽開口部に至る配管長も長くなり、その分コストアップの原因となる。
なお、前掲特開昭57−117894号および同第57−117895号公報には、呼び水タンクを不要とした風呂水吸水ポンプ付の洗濯機が提案されているが、その場合であってもポンプは洗濯機の下方に設けられている。
また、前掲特開平6−23190号公報にも呼び水タンクを不要とした風呂水吸水ポンプ付の洗濯機が提案されている。
しかし、同公報には、非常に簡略化された図が掲載されているのみであって、またその文中にもポンプが洗濯機のどの部分に組み込まれているかの具体的説明がなく、先の2公知例と同様、ポンプは洗濯機の下方に設置されるのか、あるいはそれ以外の個所に設置されるのか一切不明であり、ポンプを洗濯機の下方に設置した場合に特有の効果を示唆する記載も一切開示されていない。
本発明は、風呂水吸水ポンプの設置個所を特定したものであって、その目的とするところは、従来に比べてポンプの配管ロスが少なく、コストの低減化を図ることができ、しかもポンプの耐湿性を向上させてポンプモータの経年劣化を極力少なくし、ポンプモータの長寿命化を図ると共に、従来に比べてコントローラとポンプ間の配線引廻しを短くしてその合理化も図れ、しかも使い勝手の点でも従来に比べて優れた風呂水吸水ポンプ付の洗濯機を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、外枠の内側に置かれる洗濯槽と、水道水を前記洗濯槽に供給する水道給水用電磁弁と、風呂水を風呂水吸水ホースを通して吸い上げて前記洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、前記水道給水用電磁弁及び前記モータ式吸水ポンプを洗濯機の上部後方位置で載置するトップカバーと、前記水道給水用電磁弁及び前記モータ式吸水ポンプを覆うバックパネルとを備え、前記モータ式吸水ポンプの風呂水吸水口は、該モータ式吸水ポンプの上面に設けられ且つ風呂水吸水ホース接続のために前記バックパネルに覆われず上向きに開口する洗濯機であって、
前記バックパネルの内側に前記モータ式吸水ポンプを押さえるハブが設けられ、
前記モータ式吸水ポンプ、前記ハブと防振ゴムを介して前記トップカバーと前記バックパネルとで挟み込んで取り付けられ前記防振ゴムはトップカバー側の部分とバックパネル側の部分とが一体に形成されており、かつ防振ゴムの一部を中空構造にしてあり、
前記風呂水吸水ホースの一端がOリングを介して前記モータ式吸水ポンプの風呂水吸水口に接続され、前記モータ式吸水ポンプの風呂水吐出管が、水道水を洗濯槽内に供給する注水口と風呂水供給の吸水口とを共用化した水道水注水口兼風呂水吸水口に接続されていることを特徴とする。
大量の呼び水を蓄えておかなければならない自動呼び水式ポンプを備えるものでは、その呼び水タンクの大きさからトップカバーに収納することができず、したがってトップカバー内に自動吸水ポンプを組み込んだ洗濯機が実際の製品として中々実現できなかったが、気水分離室を有する本構成によりはじめてそれが可能になり、その結果トップカバーの後ろ側の狭い空間に防振、騒音低減を図った自動呼び水式ポンプを備えて水道水と風呂水とを任意に切替使用可能な装置を合理的に収納した洗濯機が実現可能になった。
以下、本発明を、図面の一実施例に基づいて説明すると、図1において、1は洗濯機のトップカバー、2は洗濯機の運転を制御するコントローラで、コントローラ2は、トップカバー1の前方に内蔵され、タイマーを含むマイクロコンピュータ等で構成されている。
3は洗濯機の運転内容を作業者が外部から指示するメンブレンスイッチである。
4は蓋で、支点5を軸にして上方に開く。
6は洗濯物投入口、7は洗濯兼脱水槽(以下、洗濯槽と略称する)8と外槽9との間に洗濯物が落下するのを防止するカバーで、外槽9の上部に設けられている。
10は洗濯槽8の壁面に穿設された脱水孔である。
11はバランスリングで、脱水運転時洗濯槽8の回転を円滑に行う。
12は吊り棒で、バネ13を介して外槽9を懸垂する。
14は撹拌翼で、洗濯槽8の底部に設置される。
15はモータで、モータ15の動力をモータプーリ16,ベルト17,従動プーリ18,クラッチ・減速部19を介して、洗濯,すすぎ時には撹拌翼14を、また脱水時には洗濯槽8と撹拌翼14とを共に駆動する。
20は外枠21を支承する脚部、22は外槽9の底部に設けた排水孔で、排水孔22の下流側には、コントロール2からの指令で開閉する排水電磁弁23と排水ホース4とを有する。
25はバックパネルである。
26はケーシングを抗菌剤入りの合成樹脂でケーシングを成形した風呂水吸水ポンプで、トップカバー1に内蔵されている。
27は抗菌剤入りの風呂水吸水ホースで、その後端はOリング28を介してポンプ26の上面に設けた風呂水吸水口26aに装着される。
図1に符号25で示すバックパネルを取り除いてその内部構造を示す図2において、1aはトップカバー1に設けた、水道水を洗濯槽内に供給する注水口と風呂水供給の吸水口とを共用化した水道水注水口兼風呂水吸水口で、この水道水注水口兼風呂水吸水口1aからはソフナーも投入される。
4が蓋、26がポンプ、26aが風呂水吸水口、26bは風呂水吐出管、29は蓋スイッチ、30は水道水蛇口、31は水道水を洗濯槽8内に供給する給水電磁弁である。
図2のトップカバー1にバックパネル25を取り付けてX−X方向から見た図3において、1がトップカバー、25がバックパネル、26がポンプ、26aがポンプ26の風呂水吸水口、25aはバックパネル25のハブを示し、ポンプ26は防振ゴム32を介し、トップカバー1とバックパネル25間に挟み込まれており、トップカバー1とバックパネル25とは、バックパネル25に設けた爪をトップカバー1の係合部に引っ掛け、図示を省略したネジによって固定される。
風呂水吸水ポンプ26の内部構造を示す図4において、26aはポンプ26の風呂水吸水口、26bが風呂水吐出管、26cはケーシング、26dはポンプモータ、26eはランナ、26fはメカニカルシール、26gは吸水室、26hは気水分離室、26iは仕切板を示し、ポンプ26の上面に設けた風呂水吸水口26aを呼び水吸水口として兼用している。
26jは風呂水吸水口26aの出口に設けた逆止弁を示しており、なお風呂水吸水口26aの上端面は、風呂水吐出口26kの下面よりも上位としてある。
そして、ポンプ26の吸水室26gに吸水された風呂水は、従来はこの種ポンプと同様の送水方法によりランナ26eを介して気水分離室26hに送られ、気水分離室26hに送られた風呂水は、その後、風呂水吐出管26bを介して洗濯槽8内に供給される。
トップカバー1に設けられた操作パネルを示す図5において、33は電源スイッチ、34は水道水スタート・一時停止ボタン、35は風呂水スタート・一時停止ボタン、36は節水量目安表示部で、本実施例においては、風呂水使用,節水すすぎ等、通常の運転と比較して節水できる工程を実施した場合にその節水量を、電源スイッチ33の投入時に例えばキロリットル単位で節水量目安表示部36に表示する。
なお、この表示は、表示部36のカウンタがオーバーフローするとゼロクリアされ、再びカウントを開始する。
図6は図1に示す洗濯機の電気回路図、図7は同じく図1に示す洗濯機の動作フローチャートで、図5の電源スイッチ33を入れ(図7のステップ101)、風呂水スタート・一時停止ボタン35を押して風呂水コースをスタートさせる(ステップ102)。
そして、最初にポンプモータ電流Ipが1アンペア以上であるか否かを検出し(ステップ103)、1アンペア以上であればロック電流が流れたと云うことでポンプモータをオフし、水道水の給水電磁弁31をオンし(ステップ104)、15秒間合成音あるいは合成音と文字との併用等適宜の手段によって異常報知を行い(ステップ105)、その後異常内容をメモリーに記憶して(ステップ106)、水道水による給水処理工程に移行し(ステップ107)、通常のプログラムに基づき一連の洗濯工程を実施する。
そして、一連の洗濯工程が終了したならば電源スイッチ33が自動的に切られる(ステップ108)。
また、次回洗濯機の使用に際しては(ステップ109)、電源スイッチ33を入れると同時に再度ポンプモータ26dの異常報知を行う(ステップ110)。
ステップ101において、ポンプモータ26dの電流が1アンペア以下の場合は、次にポンプモータ電流Ipが0.3 アンペア以上であるか否かを検出する(ステップ111)。
なお、ポンプモータ26dのスタート開始直後はまだ空気を巻き込んでいるため0.3 アンペア以下となっているから、その場合はステップ112において、ポンプモータ26dの運転開始後2分を経過したか否かを検出し、まだ2分を経過していない場合はステップ103に戻る。
そして、ステップ112において、ポンプモータ26dの運転開始後2分を経過してもポンプモータ電流Ipが0.3 アンペア以下の場合は、浴槽内に水がないとか、ホース27の先端を故槽内に入れ忘れたとか、ホース27の先端が浴槽の水面から浮き上がっているとか、吸水途中で風呂水がなくなったものとみなして風呂水吸水ホンプモータ26dへの通電をオフし、水道水供給のための吸水電磁弁31をオンして(ステップ113)、水道水による給水処理工程に移行する(ステップ114)。
ステップ111において、ポンプモータ26dの運転開始後2分以内にポンプモータ電流Ipが0.3 アンペア以上となった場合は、ステップ115で洗濯槽8内の水位が規定水位に達したか否かを検出し、規定水位に達している場合は洗い撹拌の工程に移行し、規定水位に達していない場合はステップ103に戻る。
なお、洗濯のコースには洗い,排水,脱水,シャワーすすぎ,排水,脱水,溜めすすぎ,排水,脱水と云った標準コースと、それ以外の手造りコースとがあるが、風呂水コースを選択した場合は、標準コース,手造りコースのいずれも、「洗い」に風呂水を使用し、また「すすぎ」工程が2回以上ある場合は、最終回の「すすぎ」以外に風呂水を利用して水道水の節水効果をさらに高めることもできる。
トップカバー1内に風呂水吸水ホンプ26を内蔵することにより、ポンプを洗濯機の下方に設置する場合に比べてポンプ26と洗濯槽8の開口部間の配管長を短くすることができ、その分コストの低減化を図ることができる。
また、トップカバー1内にポンプ26を密閉状態で内蔵することにより、ポンプ26の耐湿性を向上させてポンプモータ26dの経年劣化を極力少なくし、その長寿命化を図ると同時に、騒音低減の点でも効果的である。
さらに、トップカバー1内にポンプ26を内蔵することにより、ポンプ26を洗濯機の下方に設置する場合に比べてコントローラ2とポンプ26間の配線引廻しを短くしてその合理化も図ることができる。
また、ポンプ26をトップカバー1とバックパネル25間で挟み込んで取り付けることにより、その取付作業の簡略化を図ることができる。
水道水を洗濯槽8内に供給する注水口と風呂水供給の吸水口とを共用化すれば、その分部品を少なくすることができる。
ポンプ26の吸水口26aをトップカバー1の上面に設ければ、吸水口26aの上部から風呂水吸水ホース27を360°前方向に取り出すことができ、使い勝手の点で優れている。
ポンプ26の上面に設けた風呂水吸水口26aを呼び水吸水口として兼用すれば、前記効果に加えて、別呼び水口や呼び水口塞ぎ用のキャップ等が不要となり、その分部品を少なくすることができる。
ポンプ26の風呂水吸水口26aの上端面を、風呂水吐出口26kの下面よりも上位とすれば、前記逆果に加えて、たとえポンプ室内の逆止弁26jに微少水漏れが生じても呼び水が減少するようなことはない。
ポンプ26の運転を開始して一定時間経過後定格電流に達しない場合、ポンプモータ26dへの通電をオフする制御手段を備えれば、風呂水の有無や吸水ホース27の先端部の水面からの浮き上がり等をモータ26dの電流検知で知ることができ、従来のように一定水位までの給水時間で風呂水の有無や吸水ホース先端部の水面からの浮き上がり等を検知する方式に比べてその検知を短時間でできると共に、水位検知スイッチや排水バルブ23の故障も検知できるため、ポンプモータ26dの無駄な運転時間を極力短くし、ポンプ26の寿命を延ばすことができる。
ポンプ26の運転を開始して一定時間経過後定格電流に達しない場合、ポンプモータ26dへの通電をオフすると共に、水道水供給のための吸水電磁弁31をオンする制御手段を備えれば、前記効果に加えて、一連の洗濯工程を途中で中断することなく、最後まで遂行することができる。
ポンプ26の運転を開始して一定時間経過後定格電流に達しない場合、ポンプモータ26dに通電したまま、水道水供給のための吸水電磁弁31をオンする手段を備えれば、一連の洗濯工程を途中で中断することなく、最後まで遂行することができると共に、吸水ホース27の先端が一旦風呂水の水面より出た後再び水面下に沈んで風呂水吸水が可能となったような場合に、再度風呂水を洗濯水として利用することができ、水道水の節水を役立つ。
ポンプモータ26dのロック電流を検知した場合、そのポンプモータ26dへの通電をオフする手段を備えれば、ポンプモータロック時のモータ焼損を防止できると共に、従来PTCにより行われていたポンプモータロック検知に比べてその検知を瞬時に行うことができ、ポンプモータ26dの寿命を長くすることができる。
ポンプモータ26dのロック電流を検知した場合、そのポンプモータ26dへの通電をオフすると共に、水道水供給のための吸水電磁弁31をオンする手段を備えれば、前記効果に加えて、一連の洗濯工程を途中で中断することなく、最後まで遂行することができる。
ポンプモータ26dのロック電流検知と同時に異常検知すると共に、次回洗濯機の使用時、電源スイッチ33の「入」に際してもポンプモータ26dの異常報知を行う手段を備えれば、前記効果に加えて、ポンプモータ26dのロック状態を即使用者に知らせると共に、使用者が何等かの対策をとらない場合には、再度使用者にその旨を知らせ、ポンプ26がロック状態のまま何度も使用されてポンプモータ26dの寿命が縮まるのを防止することができる。
ポンプ26のケーシング26cの抗菌剤入りの合成樹脂で成形すれば、自吸のための呼び水がポンプケーシング26c内に長時間残水した状態で報知された場合であっても、その残水内に細菌が繁殖して腐敗するのを防止することができる。
風呂水吸水ホース27を抗菌剤入りのゴムホースまたは合成樹脂ホースとすれば、長期間繰り返し使用されるホースに細菌が付着するのを防止することができる。
風呂水使用,節水すすぎ等通常の運転と比較して節水できる工程で実施した場合はその節水量を記憶し、その積算量を表示する手段を備えれば、一定時期内のどの程度水道水が節水されたかを使用者に直覚的に知らせることができる。
本発明洗濯機の一実施例を示す全体的内部構造説明図である。 図1に符号25で示すバックパネルを取り除いてその内部構造を示した平面図である。 図2のトップカバー1にバックパネル25を取り付けてX−X方向から見た場合の断面図である。 風呂水吸水ホンプ26の内部構造を示す一部破断斜視図である。 図1に符号1で示すトップカバーに設けられた操作表示パネルの平面図である。 図1に示す洗濯機の電気回路図である。 同じく図1に示す洗濯機の動作フローチャートである。
符号の説明
1…トップカバー、8…洗濯槽(洗濯兼脱水槽)、25…バックパネル、26…風呂水吸水ホンプ。

Claims (1)

  1. 外枠の内側に置かれる洗濯槽と、水道水を前記洗濯槽に供給する水道給水用電磁弁と、風呂水を風呂水吸水ホースを通して吸い上げて前記洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、前記水道給水用電磁弁及び前記モータ式吸水ポンプを洗濯機の上部後方位置で載置するトップカバーと、前記水道給水用電磁弁及び前記モータ式吸水ポンプを覆うバックパネルとを備え、前記モータ式吸水ポンプの風呂水吸水口は、該モータ式吸水ポンプの上面に設けられ且つ風呂水吸水ホース接続のために前記バックパネルに覆われず上向きに開口する洗濯機であって、
    前記バックパネルの内側に前記モータ式吸水ポンプを押さえるハブが設けられ、
    前記モータ式吸水ポンプは、前記ハブと防振ゴムを介して前記トップカバーと前記バックパネルとで挟み込んで取り付けられ、前記防振ゴムはトップカバー側の部分とバックパネル側の部分とが一体に形成されており、かつ防振ゴムの一部を断面積の異なる複数の中空構造にしてあり、
    前記風呂水吸水ホースの一端がOリングを介して前記モータ式吸水ポンプの風呂水吸水口に接続され、前記モータ式吸水ポンプの風呂水吐出管が、水道水を洗濯槽内に供給する注水口と風呂水供給の吸水口とを共用化した水道水注水口兼風呂水吸水口に接続されていることを特徴とする洗濯機。
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