JP2008104714A - 洗濯機 - Google Patents

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正巳 服部
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Abstract

【課題】循環水路を通る循環水に対する加熱効率の向上を図ることができ、しかも、ヒータに異物が付着することを極力防止する。
【解決手段】水槽2内と連通する循環水路10に、リントフィルタ12と、循環ポンプ11と、加熱装置13とを設ける。加熱装置13は、ヒータケース14内に、セラミックヒータからなる筒状をなすヒータ15を備えていて、ヒータ15が、循環水路10を流れる循環水に直接接する状態で配置されている。ヒータ15は、その軸方向がほぼ水平方向で、かつ水平方向に対して少し傾斜している。筒状をなすヒータ15の内部に泡や異物が入ったとしても、それらは傾斜に沿ってヒータ15の外部へ速やかに出やすくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水槽内の水を循環水路を通して循環させるとともに、循環水を加熱する機能を備えた洗濯機に関する。
従来、洗濯機においては、洗濯槽を収容する水槽の外側に、水槽内と連通する循環水路を設け、この循環水路の途中に循環ポンプおよび加熱装置を設け、循環ポンプにより水槽内の水を循環水路を通して循環させるとともに、その循環水路を通る循環水を加熱装置により加熱するようにすることで、洗濯物の洗浄効果の向上を図るようにしたものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−308484号公報(図1)
上記した特許文献1のものでは、加熱装置のヒータが、循環水路の外側に巻き付けられていて、そのヒータにより、循環水路の外側からその循環水路を通る水(循環水)を間接的に加熱することになるので、加熱効率が悪いと欠点がある。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、循環水路を通る循環水に対する加熱効率の向上を図ることができ、しかも、ヒータに異物が付着することを極力防止できる洗濯機を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明の洗濯機は、外箱内に配設された水槽と、この水槽内に配設され、洗濯物を収容するとともに通水可能な孔を有する洗濯槽と、前記水槽内と連通するように設けられた循環水路と、前記水槽内の水を前記循環水路を通して循環させる循環ポンプと、前記循環水路に設けられ、前記循環水路を通る循環水に直接接する状態で配置される筒状をなすヒータを有し、このヒータの発熱により前記循環水を加熱する加熱装置とを備え、前記ヒータを、これの軸方向がほぼ水平方向で、かつ水平方向に対して傾斜させた状態で配置したことを特徴とする。
本発明においては、水槽内の水を循環水路を通して循環させるとともに、その循環水を加熱装置のヒータにより加熱することにより、洗濯物に対する洗浄効果を向上させることができるとともに、節水効果を期待できる。そして、加熱装置のヒータは、筒状をなし、循環水路を通る循環水に直接接する状態で配置されているので、ヒータにより循環水を直接加熱することができて、循環水に対する加熱効率の向上を図ることができる。
この場合、ヒータが循環水に直接接触することから、ヒータに異物が付着しやすいことが懸念される。この点本発明においては、筒状をなすヒータを水平方向に対して傾斜させているので、筒状をなすヒータの内部に泡や異物が入ったとしても、それらは傾斜に沿ってヒータの外部へ速やかに出やすくなる。よって、ヒータに異物が付着することを極力防止できるようになる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を、洗濯槽が縦軸形の全自動洗濯機に適用した第1の実施形態について図1ないし図7を参照して説明する。まず、図1において、洗濯機の外箱1の内部に上面が開口した水槽2が配設されている。この水槽2は、弾性吊持機構3を介して外箱1に弾性的に支持されている。水槽2内には、上面が開口した洗濯槽4が回転可能に配設されている。この洗濯槽4は、脱水槽を兼ねるもので、周壁部に通水及び通風が可能な脱水孔(図示せず)が形成されている。洗濯槽4の上端部周縁部にはバランスリング5が装着され、洗濯槽4内の底部には撹拌体6が回転可能に配設されている。
水槽2の外底部には、モータ7及び機構部8が設けられている。機構部8は、図示はしないがクラッチを有していて、モータ7の回転を撹拌体6のみに伝達して当該撹拌体6のみを回転させる場合と、撹拌体6と洗濯槽4とを同時に回転させる場合とを切り替える機能を備えている。
水槽2の外底部から上部にかけて循環水路10が設けられている。この循環水路10の一端部10aは、水槽2の底部において当該水槽2内に連通しており、また、他端部の吐出口10bは、水槽2の上部に設けられた水槽カバー2aを通して洗濯槽4内に上方から臨んでいる。従って、この循環水路10は、水槽2内と連通するように設けられている。循環水路10において、水槽2の下方に位置させて循環ポンプ11が設けられているとともに、この循環ポンプ11の上流側(水槽2側)に位置させてリントフィルタ12が設けられている。また、循環水路10において、循環ポンプ11の下流側には、加熱装置13が設けられている。
この加熱装置13は、図2にも示すように、ヒータケース14と、ヒータ15とから構成されている。このうちヒータケース14は、円筒容器状をなすケース本体14aと、これの開口部を閉鎖するように取着されたキャップ14bとから構成されていて、水槽2の下方においてその軸方向がほぼ水平方向となるように配置されている。ヒータ15は、軸方向に長い円筒状をなすセラミックヒータにより構成されている。このヒータ15は、セラミック製の筒部の内部に図示しない発熱素子を埋め込んだ形態をなしていて、キャップ14bに取着された状態でその大部分がケース本体14a内に挿入されている。ここで、ヒータ15は、これの軸方向がほぼ水平方向で、かつ水平方向に対して先端部がやや下降傾斜した傾斜状態で配置されている(図2の角度α1参照)。
加熱装置13における循環水の入口16は、この場合ヒータ15の基端部となっていて、これが上記循環水路10に接続されている。ケース本体14aの上部におけるキャップ14b側に位置させて出口17が設けられていて、この出口17が循環水路10に接続されている。
ケース本体14aの上部には、サーマルスイッチ18と、温度ヒューズ19と、サーミスタからなる第2の温度センサ21が設けられている。第2の温度センサ21は、出口17の近くに配置されている。循環水路10において、上記入口16の近くに位置させて、サーミスタからなる第1の温度センサ20(図1参照)が設けられている。第1及び第2の温度センサ20,21は、循環水路10内を通る循環水の温度を検知するためのものである。ケース本体14aの側部の下部には、ケース本体14a内と連通する残水口22が設けられている。
循環ポンプ11の下部には排水路23が接続されていて、この排水路23に排水弁24が設けられている。上記残水口22は、バイパス路25を介して排水路23に接続されている。外箱1の上部にはトップカバー26が設けられている。このトップカバー26には、洗濯槽4の上方に位置させて洗濯物出入口(図示せず)が形成されているとともに、この洗濯物出入口を開閉する、2つ折りタイプの洗濯蓋27が設けられている。トップカバー26の前部には、図示はしないが操作パネルが設けられている。
図3は、洗濯機の電気的構成のうち本発明の要旨に関係する部分の電気的構成のブロック図が示されている。この図3において、制御手段を構成する制御装置30は、マイクロコンピュータを主体に構成されたもので、上記操作パネルの裏側に設けられている。この制御装置30は、洗濯機の動作全般を制御する機能を有している。制御装置30には、前記第1及び第2の温度センサ20,21、操作パネルに設けられた各種スイッチ31、水槽2内の水位を検出する水位センサ32などからの信号が入力される。
制御装置30は、これらの信号と、予め備えた制御プログラムに基づいて、水槽2内へ給水するための給水弁33、排水弁24、循環ポンプ11、ヒータ15、モータ7、報知手段を構成するブザー34、表示器35などを駆動回路36を介して制御する機能を有している。ブザー34及び表示器35は、上記操作パネルに設けられている。
次に上記構成の作用を説明する。
まず、洗濯の標準コースを行う場合について図4及び図5も参照して説明する。予め洗濯槽4内に洗濯物を収容するとともに、洗剤を投入しておく。
制御装置30は、まず、排水弁24を閉鎖した状態で、給水弁33を開放することで給水を開始する(ステップS1)。給水弁33を開放することで、図示しない水道の水が洗濯槽4内、ひいては水槽2内に供給される。この給水に伴い、洗濯槽4内及び水槽2内に水が貯留されるとともに、循環水路10におけるリントフィルタ12のケース内、循環ポンプ11内、加熱装置13のヒータケース14内にも水が貯留されるようになる。水槽2内の水位を水位センサ32にて検出する。水槽2内の水位が予め設定された水位L1(水位L1は、循環ポンプ11を駆動させることが可能な水位とする)に達したら、循環ポンプ11を駆動(ON)させる(ステップS2,S3)。
循環ポンプ11が駆動されると、水槽2内の水が循環水路10のリントフィルタ12を通して循環ポンプ11側に吸入されるとともに、循環ポンプ11内の水が加熱装置13、循環水路10を通り、上部の吐出口10bから洗濯槽4内へ吐出されるようになる。このようにして、水槽2内の水が循環水路10を通して循環され、吐出口10bから洗濯槽4内へ吐出された水が洗濯槽4内の洗濯物に掛けられる。このとき、加熱装置13においては、循環ポンプ11から出た水が、図2(b)に矢印Aで示すように、入口16からヒータ15内に入り、ヒータ15から出た水は、ヒータケース14の内面とヒータ15の外面との間を通り、出口17から循環水路10側へ流れる。
そして、水槽2内の水位が予め設定された水位L2(水位L2は、洗濯を行うのに適した水位とする)になるまで給水を続け、水位L2に達したら給水弁33を閉鎖して給水を停止する(ステップS4,S5)。
次に、モータ7により撹拌体6を回転させることにより、洗濯槽4内の洗濯物の撹拌を開始する(ステップS6)。このとき、撹拌体6は低速で、かつ正逆回転される。この撹拌体6の撹拌により洗濯物が洗われる。次に、循環する循環水の温度を、第1及び第2の温度センサ20,21により検知し(ステップS7)、初期水温を記憶する(ステップS8)。第1の温度センサ20は、加熱装置13の入口16付近の温度を検出し、第2の温度センサ21は、加熱装置13の出口17付近の温度を検出する。
次に、ヒータ15に通電(ON)し、これを発熱させる(ステップS9)。ヒータ15の発熱により、当該ヒータ15の周りの循環水が加熱される。このとき、ヒータ15が循環水に直接接触するので、循環水を直接加熱することができ、循環水を効率良く加熱できる。しかも、循環水は、円筒状をなすヒータ15の内面と外面の両方に接触し、両方で加熱されるので、循環水を一層効率良く加熱することができる。
次に、再度、水位センサ32により水位を検出し、水位がL2以上あるか否かを判定し(ステップS10)、水位がL2未満の場合(ステップ10で「NO」の場合)には補注水を行う(ステップS11)。補注水では、給水弁33を開放し、洗濯槽4内に給水を行う。ステップS10において、水位がL2以上あると判定された場合には、「YES」に従って次へ移行し、ヒータ15、循環ポンプ11に異常があるか否かを判定する(ステップS12,S13)。
ここで、ヒータ15、循環ポンプ11に異常があるか否かは、第1及び第2の温度センサ20,21の検出温度により判定する。ヒータ15及び循環ポンプ11に異常がない通常の場合は、図6に実線で示すように、加熱装置13の入口16付近の温度を検出する第1の温度センサ20による検出温度(入口温度)と、出口17付近の温度を検出する第2の温度センサ21による検出温度(出口温度)は、ある温度差を持って上昇し、最終的にはほぼ同等の温度となる。
これに対し、ヒータ15に異常があり、ほとんど或いは全く発熱しない場合には、第1の温度センサ20による検出温度(入口温度)も、第2の温度センサ21による検出温度(出口温度)も、ほとんど或いは全く上昇しないので、このような場合には、ヒータ15に異常があると判定する。
また、循環ポンプ11に異常があり、水がほとんど或いは全く循環しない場合には、入口温度の温度上昇は小さいが、出口温度の温度上昇が大きくなる。このような場合には、循環ポンプ11に異常があると判定する。循環水路10が詰まっているような場合も同様にして判定できる。
ステップS12,S13において、ヒータ15、循環ポンプ11に異常がないと判定された正常の場合には、ステップS14へ移行し、設定された洗い時間(例えば12分)が経過したか否かを判定し、経過していない場合には、ステップS10へ戻る。
ステップS12において、ヒータ15に異常があると判定された場合には、「YES」に従ってステップS15へ移行し、ヒータ15を断電(OFF)するとともに、ヒータ15に異常があることを記憶する。そして、これが初回か否かを判定し(ステップS16)、初回であればステップS13へ戻る。
ステップS13において、循環ポンプ11に異常があると判定された場合には、「YES」に従ってステップS17へ移行し、循環ポンプ11とヒータ15を共に断電(OFF)するとともに、循環ポンプ11に異常があることを記憶する。そして、これが初回か否かを判定し(ステップS18)、初回であればステップS14へ戻る。
そして、ステップS14において、予め設定された洗い時間が経過したと判定された場合には、ステップS19へ移行し、延長があるか否かを判定する。ヒータ15及び循環ポンプ11に異常がない正常の場合には、延長はなく、ステップS20へ移行し、循環ポンプ11、ヒータ15を共に断電(OFF)するとともに、モータ7を断電して撹拌も停止させ、さらに、ステップS21で、排水弁24を開放することで排水を行う。排水弁24を開放することで、洗濯槽4及び水槽2内の水、循環水路10内の水が、排水路23を通って機外へ排出される。このとき、ヒータケース14内の残水は、残水口22からバイパス路25を通り、排水路23側へ排出される。
ステップS12またはステップS13において、ヒータ15、循環ポンプ11の少なくとも一方が異常であると判定された場合には、洗い時間を延長する。延長時間は例えば3分とする。延長がある場合には、ステップS22において延長の洗いを行い、延長時間が終了したら、ステップS20へ移行する。ステップS21の排水動作で、洗い行程が終了する。
ステップS21の排水動作後、次のすすぎ行程(ステップS23)、脱水行程(ステップS24)へ移行する。なお、すすぎ行程は、洗剤を使用しないこと以外は上記した洗い行程と同様な動作となる。脱水行程は、洗濯槽4と撹拌体6を一体に高速回転させることにより、洗濯槽4内の洗濯物を遠心脱水する。脱水行程まで終了したら、ヒータ15または循環ポンプ11に異常があったか否かを判定し(ステップS25、S26)、どちらも異常がなかった場合には、洗濯運転を終了する。
ステップS25において、ヒータ15に異常があったと判定した場合には、ヒータ15に異常があったことをブザー34と表示器35で報知する。また、ステップS26において、循環ポンプ11に異常があったと判定した場合には、循環ポンプ11に異常があったことをブザー34と表示器35で報知する。この場合、ブザー34は、例えば間欠的に鳴動させる。
一方、ステップS16において、ヒータ15の異常が2回目以上であると判定された場合、または、ステップS18において、循環ポンプ11の異常が2回目以上であると判定された場合には、図5のステップS29へ移行する。ステップS29では、異常の種類と、回数を記憶させた後、ブザー34と表示器35で異常を報知する(ステップS30)。この場合の異常報知では、上記ステップS27,S28の異常報知とは区別して、例えばブザー34を連続的に鳴動させる。
そして、操作パネルのスタートボタンが押されるか、電源がOFFされるまで待機する(ステップS31,S32)。スタートボタンが押された場合には、使用者がヒータ15または循環ポンプ11が異常であることを承知して運転を続けるものと判断し、異常報知を解除した後(ステップS33)、洗い時間が経過するまで洗い運転を続け(ステップS34)、この後、ステップS19へ移行する。スタートボタンが押されず、電源がOFFされた場合には、終了する。
次に、洗濯槽4を洗浄する槽洗浄コースを行なう場合について、図7を参照して説明する。この槽洗浄コースを行う場合、予め槽洗浄用の洗剤を洗濯槽4内に投入しておく。
制御装置30は、まず、上記した洗濯の標準コースの場合と同様に、排水弁24を閉鎖した状態で、給水弁33を開放することで洗濯槽4内への給水を開始する(ステップT1)。水槽2内の水位を水位センサ32にて検出し、水槽2内の水位が予め設定された水位L1(水位L1は、循環ポンプ11を駆動させることが可能な水位とする)に達したら、循環ポンプ11を駆動(ON)させる(ステップT2,T3)。循環ポンプ11が駆動されると、水槽2内の水が循環水路10を通して循環される。そして、水槽2内の水位が予め設定された水位L3(水位L3は、洗濯槽4を洗うのに適した水位とする)になるまで給水を続け、水位L3に達したら給水弁33を閉鎖して給水を停止する(ステップT4,T5)。
次に、モータ7及び機構部8により洗濯槽4と撹拌体6の回転を適宜制御し(ステップT6)、また、第1及び第2の温度センサ20,21により循環水の温度検知をしながら、ヒータ15を制御する(ステップT7、T8)。予め設定された設定時間が経過するまで、洗浄を行う(ステップT9)。ここで、洗濯槽4、撹拌体6を回転させることにより、主に洗濯槽4の内面及び外面、水槽2の内面、撹拌体6の内面及び外面を洗浄することができる。このときのヒータ15の通電電流は、上記した標準コースにおける洗い行程及びすすぎ行程における通電電流に対して80%以下とし、発熱量を抑える。
そして、設定時間が経過したら、循環ポンプ11、ヒータ15を共にOFFし、また、モータ7も停止させ(ステップT10)、この後、排水弁24を開放して排水を行う(ステップT11)。この後、すすぎ行程へ移行する。
上記した第1の実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。まず、洗濯物の洗濯時に、水槽2内の水を循環水路10を通して循環させるとともに、その循環水を加熱装置13のヒータ15により加熱することにより、洗濯物に対する洗浄効果を向上させることができるとともに、節水効果を期待できる。そして、加熱装置13のヒータ15は、筒状をなし、循環水路10を通る循環水に直接接する状態で配置されているので、ヒータ15により循環水を直接加熱することができて、循環水に対する加熱効率の向上を図ることができる。
この場合、ヒータ15が循環水に直接接触することから、ヒータ15に異物が付着しやすいことが懸念される。この点本実施形態においては、筒状をなすヒータ15を、その軸方向がほぼ水平方向で、かつ水平方向に対して傾斜させているので、筒状をなすヒータ15の内部に泡や異物が入ったとしても、それらは傾斜に沿ってヒータ15の外部へ速やかに出やすくなる。よって、ヒータ15に異物が付着することを極力防止できるようになる。
この場合、ヒータ15を垂直方向に配置することも考えられるが、そのようにしようとすると、加熱装置13の配置場所が限定されるとともに、脱水時の振動で他の物と当たらないように配慮する必要があり、配置場所に苦慮する。この点、本実施形態の配置とすれば、配置場所の自由度が広がる利点がある。
循環水路10において、循環ポンプ11の上流側にリントフィルタ12を配置しているので、洗濯物から出たリントなどが循環ポンプ11やヒータ15側に流れることを防止できる。
洗濯する際に、水槽2の水位を水位センサ32により検知し、設定された水位に達するまではヒータ15に通電しないようにしているので、ヒータケース14内に水が無い状態でヒータ15を通電するようなことを防止でき、いわゆる空焚きを防止できる。また、洗濯中において、設定水位L2未満の場合に補注水するようにしているので、循環水路10及びヒータケース14内にエアー噛み(部分的に水がない状態)が発生することを防止できる。
洗濯中において、加熱装置13の入口16と出口17付近の温度を第1及び第2の温度センサ20,21により検出し、これら第1及び第2の温度センサ20,21の検出温度に基づきヒータ15及び循環ポンプ11の異常を検出することができる。そして、ヒータ15または循環ポンプ11の異常を検出した場合、ヒータ15或いは循環ポンプ11を停止した状態で洗濯行程を継続し、洗濯終了時に異常報知をする。このようにすることで、修理に対応するまでは、温水または循環による洗浄効果は得られないが、通常の洗濯(温水、循環のない洗濯)は実施することができるので、ヒータ15または循環ポンプ11に異常がある場合でも、修理までの間、安全に使用することが可能となる。
洗濯のすすぎ行程においても、循環ポンプ11を駆動するとともに、ヒータ15を通電することにより、すすぎ性能を向上させることができる。また、このような温水すすぎを行うことで、ヒータ15やヒータケース14などに付着した洗剤等の異物が循環水に溶け出しやすくなるため、それらの清掃を行うことができ、異物が堆積することを一層防止できる。
さらに、槽洗浄コースを行なう場合においても、循環ポンプ11を駆動するとともに、ヒータ15を通電することにより、洗浄性能を向上させることができるとともに、ヒータ15やヒータケース14などを清掃することができる。
この場合、ヒータ15の通電電流は、洗濯コースにおける洗い行程及びすすぎ行程における通電電流に対して80%以下とし、発熱量を抑える。ちなみに、槽洗浄コースで使用する洗剤は塩素系の洗剤が一般的であり、水温が上がりすぎると、揮発しすぎるおそれがある。また、槽洗浄コースで使用する塩素系の洗剤は、それほど水温を高くしなくてもよいという事情がある。このため、ヒータ15の通電電流を抑えて発熱量を抑えることで、消費電力を抑えることができる。
(第2の実施形態)
図8は本発明の第2の実施形態を示しており、この第2の実施形態は、上記した第1の実施形態とは次の点が異なっている。すなわち、水槽2内の水を排出するための排水路40を、循環水路41とは別に設けている。排水路40の上端部は、水槽2の底部において水槽2内と連通するように接続されていて、水槽2内に直接連通している。その排水路40の途中部に排水弁24が設けられている。
循環水路41の一端部41aは、水槽2の側部の下部において、水槽2内と連通するように接続されていて、その近くに循環ポンプ11が設けられている。循環水路41は、循環ポンプ11の下流側に水槽2の底部より低い低部位41cが設けられている。その低部位41cの下流側が上方に立ち上がっており、立ち上がった他端部の吐出口は、図示はしないが、洗濯槽4の上面開口部に上方から臨む位置に配置されている。循環水路41において、前記低部位41cに位置させて加熱装置42が設けられている。この加熱装置42は、筒状をなすセラミックヒータからなるヒータ43を備えている。このヒータ43は、循環水路41内に挿入された状態で、外周部の鍔部44を循環水路41にボルト45により固定することにより配置されている。
循環水路41内を流れる循環水が、ヒータ43の内部空間を流れるようになっており、従って、ヒータ43は、循環水路41内を流れる循環水に直接接する状態で配置されている。そして、この場合も、ヒータ43は、これの軸方向がほぼ水平方向で、かつ下流側(図8において右側)が下降するように、水平方向に対して傾斜している(図8の角度α2参照)。なお、この場合、循環水路41において、循環ポンプ11の上流側には、リントフィルタは設けられていない。
上記した構成においては、排水弁24が開放されることで、水槽2内の水が排出されると、循環水路41内の水も大半が排出されるが、水槽2の底部よりも下方に位置する低部位41c部分には、残水46が残ることになる。この場合、ヒータ43は、残水46に没する状態となる。
このような構成の第2の実施形態においては、水槽2内の水を排出した排水後も、ヒータ43は残水45中に没する状態となる。このため、ヒータ43は常に水に接触しているから、誤ってヒータ43に通電されてしまっても、空焚きが発生することを防止できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
洗濯物を洗濯する際のすすぎ行程において、循環ポンプ11は駆動して水槽2内の水を循環はさせるが、ヒータ15,43は通電しないことを基本とする。そして、定期的、例えば洗濯20回に1回のすすぎ行程において、ヒータ15,43を通電するようにすることで、消費電力を抑えることができる。
操作パネルに、洗濯運転をする場合において加熱装置13のヒータ15を使用する場合と使用しない場合とを使用者が選択するスイッチを設けることができる。このようにした場合には、例えば温水を使用する必要のないような軽い汚れのようなものを洗濯する場合には、温水を使用しない運転を行うことができ、温水を使用するか否かを使用者が使い分けることができる。
洗濯蓋27の開閉を検出する蓋検出スイッチを設け、ヒータ15,43の使用中に洗濯蓋27が開放されたことを検出した場合に、ヒータ15,43を断電するようにすることができる。このようにした場合には、洗濯運転中に、例えば子供が誤って洗濯蓋27を開放させてしまった場合でも、温水でやけどをしてしまうことを極力防止することができる。
上記した実施形態では、洗濯槽4の軸方向が縦軸形の洗濯機を例示したが、本発明は、洗濯物を収容する洗濯槽(ドラム)の軸方向がほぼ水平方向のドラム式洗濯機にも適用することができる。
本発明の第1の実施形態を示す縦断側面図 加熱装置を示すもので、(a)は入口側から見た正面図、(b)は(a)におけるX−X線に沿う縦断側面図 電気的構成を示すブロック図 洗濯運転のフローチャートその1 フローチャートその2 ヒータの入口と出口の温度変化を示す図 槽洗浄コースのフローチャート 本発明の第2の実施形態を示す要部の縦断面図
符号の説明
図面中、1は外箱、2は水槽、4は洗濯槽、10は循環水路、11は循環ポンプ、12はリントフィルタ、13は加熱装置、14はヒータケース、15はヒータ、30は制御装置、41は循環水路、42は加熱装置、43はヒータを示す。

Claims (5)

  1. 外箱内に配設された水槽と、
    この水槽内に配設され、洗濯物を収容するとともに通水可能な孔を有する洗濯槽と、
    前記水槽内と連通するように設けられた循環水路と、
    前記水槽内の水を前記循環水路を通して循環させる循環ポンプと、
    前記循環水路に設けられ、前記循環水路を通る循環水に直接接する状態で配置される筒状をなすヒータを有し、このヒータの発熱により前記循環水を加熱する加熱装置とを備え、
    前記ヒータを、これの軸方向がほぼ水平方向で、かつ水平方向に対して傾斜させた状態で配置したことを特徴とする洗濯機。
  2. 循環ポンプを駆動するとともにヒータを発熱させることにより当該ヒータの清掃を行うことを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
  3. 洗濯槽を洗浄する槽洗浄コースを備え、この槽洗浄コースにおいて、循環ポンプを駆動するとともにヒータを発熱させることを特徴とする請求項2記載の洗濯機。
  4. ヒータを清掃する際の当該ヒータへの通電電流を、洗濯物の洗い行程またはすすぎ行程における前記ヒータへの通電電流の少なくとも80%以下とすることを特徴とする請求項2または3記載の洗濯機。
  5. 洗濯物をすすぐすすぎ行程ではヒータへの通電を行わないことを基本とし、前記すすぎ行程を複数回行うごとに、前記ヒータへ通電してこれを発熱させることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
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