JP4312622B2 - 給油システム - Google Patents
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Description
一方、情報通信社会の次世代のターゲットとして、「ユピキタスサービス」(たとえば、非特許文献1参照)が注目されている。ユピキタスサービスでは、「どこでも」「誰でも」「いつでも」そして「何でも」ネットワークと接続することで、常にあらゆる情報を送受できるようになると考えられている。携帯電話がひとり1台の水準に近い現在、ユピキタス時代の第1段階は達成されていると言える。これに対し、本格的なユピキタス時代ではセンサは無裸タグといった微小デバイスが様々なものに取り付けられそれらがネットワークにセンサ情報を送出するようになる点が、基本的に人間の通信手段である携帯電話主体の第1段階と異なる。ユピキクスサービスの1例として、タンクにセンサを設置し、同センサで得た残量情報をセンタに通知し、タンクが空になる時点を予測するシステムが提案されている(特許文献1参照)。このシステムによれば、タンク内容の補充のスケジュールの最適化が可能となる。
しかし、上記のシステムの場合、通常、タンクは固定的に設置されているため、タンクが空になるなどの状況が予測できれば、タンク内容の補充が可能であるが、車両では、移動するため容易でない。
本発明の目的は、車両がどこで燃料不足になっても給油サービスを提供し得る給油システム、特に新燃料自動車に対して効率的な給油サービスを提供し得る給油システムを提供することにある。
本発明の第1の給油システムの実施例を図1に示す。本例システムは、車載センサを有する車103と、それらの車に給油する給油車104と、車103や給油車104のセンサ情報を携帯電話網などの通信網102を介して受信し、給油車への給油指示などを行うセンタ101とを含む。尚、図には車103と給油車104を1台ずつしか示してないが、システム内には多数の車と複数の給油車が存在すること勿論である。
尚、給油車の給油用燃料タンク残量用センサ113の残量値が閾値以下になると、当該給油車は上記のアルゴリズムの処理対象から除外されること勿論である。
実施例1では、センタでセンサ情報を集中的に処理する実施例を述べたが、本実施例では、給油車に車載コンピュータを搭載し、処理する本発明の第2の給油システムの実施例を述べる。
本例システムは、車載センサを有する車103と、それらの車に給油する給油車104を含み、車103と給油車104は通信網102を介して情報の送受が可能となっている。尚、図には車103と給油車104は1台ずつしか示してないが、システム内には多数の車と複数の給油車が存在すること勿論である。
通信網102はタクシー無線などのような放送機能のあるものが望ましく、さらにはIP網のTTL機能のように転送リンク数制限ができるなど、ある範囲での放送ができるものが望ましい。例えば、公衆無線LANを利用したIP網などがこれにあたる。以下では、通信網は放送機能があるものとする。
通信機107、111は、車103、給油車104を特定できる通信機ID等の情報を有し、情報送信時には、当該IDを用いる。車103は、通信機107を用い、放送型通信網102を介して、各給油車104に、残量センサ108から走行用燃料タンク残量用残量を、GPSなどの位置センサ109から緯度経度などの位置情報を、速度センサ110から車両の方向別速度情報を送信する。
各給油車104においてこのアルゴリズムにより決定されたターゲット車両の位置情報はID情報とともに、通信機111により通信網102を介して他の全ての給油車に通知される。同情報を得た各給油車104は、ID情報を基に、当該ターゲット車両が、自ターゲット車両と同一か否かコンピュータ105にてチェックする。同一であって、自分がターゲットに近ければ、優先権主張メッセージを通信網102を介して、他の給油車104に伝える。自分がターゲットから遠ければ、当該車両を自ターゲット車両からはずし、残りの車両に対して、給油車走行方向決定アルゴリズムを動作させて、自ターゲット車両を更新する。優先権主張メッセージを受信した給油車は、この車両をターゲット車両からはずし、残りの車両に対して給油車走行方向決定アルゴリズムを動作させて、ターゲット車両情報を更新する。センサ情報は、時々刻々更新され、給油車に継続的に通知される。給油車走行方向決定アルゴリズムもそれに応じて随時動作し、ターゲット車両が変更になる毎に、他給油車に通知される。
本システムの評価を計算機シミュレーションで行うため、以下のようなモデル化を行う。
(1)各車は、一定のガソリンタンク容量Cpを持ち、ガソリンがある限りは、一定速度Spで常に走行している。ガソリンは一定速度Csで消費される。交差点において、各車は、確率Pl(Pr)で左折(右折)し、確率1-Pl-Prで直進する。T字路などで、直進・右左折ができない場合は、可能な方向に進むという条件付で同様の確率で、直進・右左折する。Uターンはしない。走行中の車の台数は全体でMc台とする。
ランダム型:(1)で記載した各車と同じように動作する。たまたま、ガソリン残量が閾値 を下回った車に遭遇した場合、給油する.
探索型:各給油車に対して、ガソリン残量が閾値を下回った車のなかで、給油車が進行方向(進行方向±45度)にあるもののうち最短距離にある車を当該給油車のターゲット車両と定める。給油車はターゲット車両に向けて進む。(まず、ターゲット車両の直進上になるよう給油車の進行方向を定める。直進上に出た後は、ターゲット車両に向けて直進する。)ターゲットを持たない給油車は、ランダム型で動作する。
Cp=40000cc,Rc=0.3,Pl=Pr=0・2,Sp=36km/h,Cs=100cc/s,
とした。
(A)基本パラメータ値の場合および道路数、右左折率を変更下場合に対する評価結果
上記の基本パラメータ値の場合、Ne=9、Ns=18とした場合(総道路長/面積は固定)、及びPl=0.3、Pr=0.1とした場合に対してランダム型と探索型の性能をシミュレーションで評価したところ、図6に示す評価結果が得られた。主たる評価項目は、車1台あたり単位時間当たりのガス欠停止回数である。
また、パラメータ値のち、右左折率の結果に対する影響はほとんど無い。道路数については、軽微な影響がある。但し、アルゴリズムの差のような顕著なものではない。
現在のガソリン自動車に変わる新たな燃料による自動車が考案されているが、それらの普及の阻害要因として、新たな燃料に対するガソリンスタンドが整備されていないことが挙げられる。仮にこの問題が、従来型の固定的ガソリンスタンドでなく、少数の新燃料供給車によって効率的に提供できるならば、こうした新燃料自動車の普及が加速されると期待される。
102 通信網
103 車
104 給油車
105 コンピュータ
106 通信機
107 通信機
108 残量センサ
109 位置センサ
110 速度センサ
111 通信機
112 残量センサ
113 位置センサ
114 表示部
115 給油車接近表示装置
116 給油灯
Claims (8)
- 通信網を介して接続されたセンタと、不特定多数の車と、複数の給油車とを備える給油システムであって、
各車は、走行用燃料タンク残量用残量センサと、位置センサと、速度センサと、通信機とを有し、
各給油車は、位置センサと、通信機とを有し、
センタは、通信機と、該通信機で受信した前記センサからのセンサ情報に基づき、給油車目標位置決定アルゴリズムを実行するコンピュータとを有し、
前記給油車目標位置決定アルゴリズムは、
タンク残量が閾値を下回った車のなかで、前記各給油車が当該車の進行方向から一定の範囲内にあるものを当該各給油車のターゲット候補車両とし、これらのターゲット候補車両のうち、各ターゲット候補車両のタンク残量データから推定されたタンク残量が0となる時刻が早いものを、順にターゲット車両として決定し、決定されたターゲット車両に最も近い位置にある給油車を、当該ターゲット車両を担当する給油車とし、前記各給油車が担当するターゲット車両の位置を、前記各給油車が向かうべき目標位置と決定するものである、
ことを特徴とする給油システム。 - 通信網を介して接続された不特定多数の車と、複数の給油車とを備える給油システムであって、
各車は、走行用燃料タンク残量用残量センサと、位置センサと、速度センサと、通信機とを有し、
各給油車は、位置センサと、通信機と、該通信機で受信した前記センサからのセンサ情報に基づき、給油車目標位置決定アルゴリズムを実行するコンピュータとを有し、
前記給油車目標位置決定アルゴリズムは、
タンク残量が閾値を下回った車のなかで、給油車が当該車の進行方向から一定の範囲内にあるものを当該給油車のターゲット候補車両とし、これらのターゲット候補車両のうち、各ターゲット候補車両のタンク残量データから推定されたタンク残量が0となる時刻が早く、当該給油車に最も近い位置にあるターゲット候補車両を、当該給油車のターゲット車両とし、前記ターゲット車両の位置を、当該給油車が向かうべき目標位置として決定するものであり、
前記各給油車は、前記給油車目標位置決定アルゴリズムにより決定された自ターゲット車両の位置情報を、前記通信網を介して前記各給油車間で通知しあい、前記各給油車のターゲット車両が同一とならないように前記各給油車において自ターゲット車両が更新される、ことを特徴とする給油システム。 - 前記車及び給油車の通信機は前記車及び給油車を特定できる通信機IDを有し、情報送信時には当該IDを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の給油システム。
- 各給油車は、通信機で受信した当該給油車が向うべき目標位置を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の給油システム。
- 各車は給油車接近表示装置を備え、前記センタ又は前記給油車は、給油車が前記目標位置に近づいたとき、前記目標位置に位置する車の給油車接近表示装置を駆動して、ドライバに給油のための停車を促すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の給油システム。
- 各車は給油灯を備え、前記センタ又は前記給油車は、給油車が前記目標位置に近づいたとき、前記目標位置に位置する車の給油灯を駆動して、当該車が給油対象であることを給油車に知らせることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の給油システム。
- 請求項1又は2記載の給油システムを実現するためのコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムは、前記センタ又は給油車のコンピュータに、
各給油車に対して、タンク残量が閾値を下回った車のなかで、給油車が当該車の進行方向から一定の範囲内にあるものを当該給油車のターゲット候補車両とし、これらのターゲット候補車両のうち、各ターゲット候補車両のタンク残量データから推定されたタンク残量が0となる時刻が早いものを、順にターゲット車両として決定し、決定されたターゲット車両に最も近い位置にある給油車を、当該ターゲット車両を担当する給油車とし、前記各給油車が担当するターゲット車両の位置を、前記各給油車が向かうべき目標位置とするステップ、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 請求項7に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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