JP4312340B2 - シート折り装置及びこの装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

シート折り装置及びこの装置を備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートやシート束を折るシート折り装置と、このシート折り装置を本体に備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機器等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シート折り装置や、この装置を本体に備えた画像形成装置は、特表平5−505154号公報や、特開平9−183565号公報に開示されている。これらの装置は、シート束をほぼ垂直状態に立て掛けて積載し、このシート束の一方側に位置する一対の折りローラに対してシート束の他方の側から突き出しバーを突き出して、シート束を押し込んで、その後、一対の折りローラの加圧力によってシート束を折るようになっている。なお、シートには、普通紙、普通紙の樹脂製の代用品、厚紙等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のシート折り装置における、図15の折りローラ対57a,57bと綴じたシート束を折りローラ対57a,57bに押し込む突き板55との駆動源は別々になっていた。このため、それぞれの動作で負荷変動が発生したとき、ローラの回転速度と突き板の移動速度との制御を最適化するのが困難であり、シートの綴じ部に破れが生じたリ、折り曲げの内側に雛が生じたりすることがあった。また、それぞれの駆動源を持つため、シート折り装置を小型化、軽量化するのが困難であった。
【0004】
そこで、折りローラ対の回転と突き板の移動との駆動を、1つの駆動源から取るようにするため、シート折り装置に、折りローラの搬送速度と突き板の移動速度を合わせる前提で減速等を行う減速装置を設けることが考えられるが、シート束の長さが長いとき、突き板55が、シート束Pを折りローラ対57a,57bに一度押し込んで(図15(a))待機した後、シート束が折りローラ対57a,57bから抜けきらないうちに、押し込み当接位置に移動して、折りローラ対57a,57bから抜けきっていないシート束の開放端に接触し(図15(b))、その開放端のシートを折り曲げたリ、シートに損傷を与えたりすることがあった。
【0005】
本発明は、1対の折りローラと突き板を1つの駆動手段に機械的に連結しても、シート束に損傷を与えることなく、シート束の折りを行えるシート折り装置と、このシート折り装置を本体に備えた画像形成装置とを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のシート折り装置は、上記目的を達成するため、搬送されてきたシートを渡して受け取るシート折り回転体対と、前記シート折り回転体対に渡して支持された前記シートの中間部分をシート突き部材によって突いて、前記シートの中間部分を前記シート折り回転体対間に挿入するシート突き出し手段と、前記シート折り回転体対の回転体を回転させる回転駆動手段と、を備え、前記シート折り回転体対間に挿入された前記シートを前記シート折り回転体対が挟んで回転して前記シートを搬送しながら折るようになっており、前記回転駆動手段は、前記シート折り回転体対の回転体の回転と、シートの中間部分を前記シート折り回転体対間に移動させる前記シート突き出し手段の駆動を行う、単一の共通駆動源であって、前記回転駆動手段によって作動させられて、前記シート突き出し手段の移動速度が、前記シート折り回転体対によるシート搬送速度より速い状態で、前記シート折り回転体対のシート折り搬送動作にともない前記シート突き部材を往復移動させる運動変換機構を備え、前記運動変換機構が、カムとカムフォロアとを有し、前記カムが、前記シート突き部材が前記シートに接触してから前記シートを前記シート折り回転体対間に当接させるまでの所要時間と、折られていないシートに接する前記シート折り回転体対の回転体の接触部から、前記シート折り回転体対の回転方向の、当該回転体の外周に沿った当該回転体の半径に相当する長さ分だけ離れた位置が、前記シート折り回転体対の回転体同士の接触位置に到達するまでの所要時間とが同じになるように形成されている。
【0007】
本発明のシート折り装置は、上記目的を達成するため、搬送されてきたシートを渡して受け取るシート折り回転体対と、前記シート折り回転体対に渡して支持された前記シートの中間部分をシート突き部材によって突いて、前記シートの中間部分を前記シート折り回転体対間に挿入するシート突き出し手段と、前記シート折り回転体対の回転体を回転させる回転駆動手段と、を備え、前記シート折り回転体対間に挿入された前記シートを前記シート折り回転体対が挟んで回転して前記シートを搬送しながら折るようになっており、前記回転駆動手段によって作動させられて、前記シート折り回転体対のシート折り搬送動作にともない前記シート突き部材を往復移動させる運動変換機構備え、前記運動変換機構が、カムとカムフォロアとを有し、前記カムが、前記シート突き部材が前記シートに接触してから前記シートを前記シート折り回転体対間に当接させるまでの所要時間と、折られていないシートに接する前記シート折り回転体対の回転体の接触部から、前記シート折り回転体対の回転方向の、当該回転体の外周に沿った当該回転体の半径に相当する長さ分だけ離れた位置が前記シート折り回転体対の回転体同士の接触位置に到達するまでの所要時間とが同じになるように形成されている。
【0008】
前記シート折り回転体対は、ローラであり、前記ローラの外周の長さが、前記折られたシートの長さより短く設定されている。
【0009】
運動変換機構は、前記シート突き部材が前記シートから離れたとき、前記シート突き部材を一旦停止させるゼネバ機構を有している。
【0010】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するため、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを折る上記いずれか1つのシート折り装置と、を備えている。
【0011】
(作用)
シート折り回転体対に、シートがシート折り回転体対に跨って共通接線のような状態で接触した状態に送り込まれると、回転駆動手段は、シート折り回転体対を互いに逆回転始動させるのと、ほぼ同時に運動変換機構を作動させる。運動変換機構は、回転駆動手段の回転運動を直線運動に変換して、シート突き出し手段のシート突き部材をシートに接近させる(往動させる)。
【0012】
シート突き部材は、シートの中間部分を突いて、その中間部をシート折り回転体対の間に接触させる。シート折り回転体は、互いに逆回転しているため、シートの中間部を挟んで引き込みながら、シートを折り始める。この時点で、シート突き部材は、運動変換機構によってシート折り回転体から離れる方向に移動する(復動する)。
【0013】
その後、シート折り回転体対は、シートを引き込みながらシートを折り続け、下流側に搬送する。シート突き部材は、運動変換機構によって、シート折り回転体対の1回のシート折り搬送動作に対して1往復移動するようになっているので、シート折り回転体対が1回のシート折り搬送動作を終了するまで、次の往復移動をするようなことがない。
【0014】
このように、シート折り回転体対とシート折り手段は、共通の回転駆動手段によって作動する。また、シート折り回転体対とシート折り手段とが共通の回転駆動手段によって作動することによって、運動変換機構は、シート折り回転体対の1回のシート折り搬送動作に連動して、シート突き部材を1往復移動させることになる。
【0015】
運動変換機構のカムが、シート突き部材がシートに接触してからシートをシート折り回転体対間に当接させるまでの所要時間と、折られていないシートに接するシート折り回転体の接触部から当該シート折り回転体の外周に沿った当該シート折り回転体の半径に相当する長さの位置がシート折り回転体同士の接触位置に到達するまでの所要時間とが同じになるように形成されていると、例えば、図13において、折られていないシートに接するシート折り回転体対の接触部(E)とシート中央部Gとの長さ(EG)、すなわち、シート折り回転体の半径と同じ長さを、シート折り回転体の外周に取り(円弧EG1)、シートがシート突き部材によって、シート折り回転体に密着させられたときのシート突き部材の移動量GFの所要時間と、シート折り回転体の円弧(G1F)の長さをシート折り回転体で送る所要時間とが同じになるようにすると、シート突き部材は、シートに弛みを生じさせたり、シートを引き裂くことなく、シート折り回転体対間に送り込む。
【0016】
運動変換機構が、シート突き部材がシートから離れたとき、シート突き部材を一旦停止させるゼネバ機構を有していると、シート突き部材は、1往復移動動作の間に間を持って、シート折り回転体対の1回のシート折り搬送動作に対応する。
【0017】
以上の作用の説明では、シートを折ることについて説明したが、シート束を折る場合も同様にして、折り動作が行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0019】
(複写機の本体)
本発明に係るシートを折り曲げる折りユニット(シート折り装置)を内在したシート後処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の本体を、図14に基づいて説明する。
【0020】
複写機20の本体1には、原稿載置台としてのプラテンガラス906、光源907、レンズ系908、給紙部909、画像形成部902等が備えられている。本体1の上部には、原稿Dをプラテンガラス906に自動的に給送する原稿自動給送装置940が設けられている。
【0021】
給紙部909は、記録用のシートSを収納して本体1に着脱自在なカセット910,911、及びペデイスタイル912に配置されたデッキ913を有している。画像形成部(画像形成手段)902には、円筒状の感光ドラム914、その周囲に配設された現像器915、転写用帯電器916、分離帯電器917、クリーナ918、一次帯電器919等を備えている。画像形成部902の下流側には、搬送装置920、定着装置904、排紙ローラ対1a,1b等が配設されている。
【0022】
この複写機20の本体1内の各機構の動作を説明する。
【0023】
本体1に設けられている制御装置921から給紙信号が出力されると、カセット910,911またはデッキ913からシートSが給送される。一方、プラテンガラス906に載置されている原稿Dに、光源907から当てられて反射した光は、レンズ系908を介して感光ドラム914に照射される。感光ドラム914は、あらかじめ一次帯電器919により帯電されており、光が照射されることによって静電潜像が形成され、次いで現像器915により静電潜像を現像してトナー像が形成される。
【0024】
給紙部909から給送されたシートSは、レジストローラ901で斜行が補正され、さらにタイミングが合わされて画像形成部902へ送られる。画像形成部902では、感光ドラム914のトナー像が、送られてきたシートSに転写用帯電器916によって転写される。トナー像が転写されたシートSは、分離帯電器917によって転写用電器916と逆極性に帯電されて、感光ドラム914から分離される。
【0025】
分離されたシートSは、搬送装置920により定着装置904に搬送されて、定着装置904によりシートSに転写画像が永久定着される。画像が定着されたシートSは、排紙ローラ対1a,1bにより本体1から外部に排出される。
【0026】
このようにして、給紙部909から給送されたシートSには、画像が形成されて、シート後処理装置2に排出される。
【0027】
(シート後処理装置)
(シート後処理装置のシート受け入れ、整合部分)
図1において、シート後処理装置(別名「フィニッシャ」)2は、複写機の本体1の側部に設けられている。
【0028】
複写機20の本体1に設けられた、排紙ローラ1aと、排紙ローラ1aに押圧されている排紙ローラ1bは、排紙ローラ対を構成している。搬送ガイド対3は、複写機20の排紙ローラ対1a,1bから排出されたシートを受け取り、シート後処理装置2内に案内する。シート検知センサ4は、搬送ガイド3内を搬送されるシートを検知するようになっている。このシート検知センサ4のシート検知によって、整合タイミングなどを決定するとともに、搬送ガイド3内でシートが詰まっていないか(ジャムしていないか)否かを検知する働きもするようになっている。排出ローラ対6は、回転して搬送ガイド3内のシートを挟持して搬送するようになっている。
【0029】
処理トレイ8は、排出ローラ対6によって次々と排出されるシートを受け取って、積載するようになっている。この処理トレイ8には、排出ローラ対6によって排出されるシートの幅の両端をガイドして幅寄せ整合する一対の整合板9が設けられている。この整合板9,9は、図2に示すように、シート搬送方向と交差する幅方向両端側に夫々配置してある。各整合板9,9は、処理トレイ8の下方に配置されたステッピングモータからなる整合モータ14の軸に設けられたピンオン15に噛合する、整合板9と一体のラック16を有し、手前側の整合モータ14と奥側の整合モータ14の回転によって、シート幅方向に適宜に移動するように処理トレイ8に設けられている。
【0030】
図1において、搬入ガイド7は、排出ローラ対6から排出されるシートを処理トレイ8内に案内するガイドである。搬入ガイド7の下方には、パドル17が設けられている。このパドル17は、シートの搬入を確実にするため、一定の弾力を備えたゴム材などから半円状に形成されて、シートの上面に接し、軸17aを中心にして回転するようになっている。また、パドル17は、軸17aを中心にして、放射状に延びるフィン17bと、パドル表面17cとが一体に成形されている。パドル17は、シートが処理トレイ8に収積されるに従って容易に変形し、シートに適切な搬送力を与えるようになっている。
【0031】
この処理トレイ8には、さらに、図1において、左右に第1プーリ軸10aに設けられた第1プーリ10と、第2プーリ軸11aに設けられた第2プーリ11とが配設されている。この第1プーリ10と第2プーリ11には移送ベルト12が張設され、この移送ベルト12の外周の一部には押し出し爪13が突設されている。
【0032】
また、第1プーリ軸10aには、搬送下ローラ18が同軸状に設けられている。搬送下ローラ18の上方には、搬送上ロ一ラ19が、搬送下ローラ18に圧接する位置(図1において点線の位置)と、搬送下ローラ18から離れた離間位置(図1実線)との間で移動するように設けられている。
【0033】
ストッパ21は、処理トレイ8に排出ローラ対6によって排出され自重で落下し、さらにパドル17に回転によって移動するシートの端部を受け止めて規制するようになっている。このストッパ12は、第1プーリ軸10aにその一端が軸承され、常時、シート端部を規制する位置に図示しないばねなどで突き出すようになっている。
【0034】
(シート後処理装置のステープラユニット)
ステープラユニット30は、図1において2点鎖線で示すようにユニット化されており、シート後処理装置2から引き出すことができるようになっている。このステープラユニット30は、搬送通路を挟んで下方側に不図示の針カートリッジを有する針打ち込みヘッドユニット31と、上方にこの針打ち込みヘッドユニット31から打ち出される針を折り曲げるアンビルユニット33とを有している。針打ち込みヘッドユニット31及びアンビルユニット33はシート搬送方向(図1の右側から左側)と交差する方向(紙面の表裏方向)に移動可能となっている。案内ロッド33、34は、夫々アンビルユニット32、打ち込みヘッドユニット31のシート搬送方向と交差する方向への移動(シフト移動)を案内するように上下に設けられている。スクリュー軸35、36は、アンビルユニット32、打ち込みヘッドユニット31のシフト移動を行うねじ軸である。また、アンビル駆動軸37及びヘッド駆動軸38は、アンビルユニット32及び打ち込みヘッドユニット31に夫々に針打ち込み動作、針折曲げ動作を行わせるための駆動軸である。搬送ガイド39は、ステープラユニット30内を搬送されるシート束を案内するようになっている。
【0035】
(シート後処理装置の折りユニット(シート折り装置))
シート束の折りユニット50は、図1において、2点鎖線で示すように、ユニット化され、ステープラユニット30と同様に、シート後処理装置2から引き出し可能になっている。シートの束搬送ガイド53は、ステープラユニット30の入ロ側に位置する搬送上ローラ19と搬送下ローラ18に挟まれて搬送されてくるシート束を案内するようになっている。束搬送上ローラ51は、折りユニット50の入ロ側に設けられている。搬送下ローラ52は、この束搬送上ローラ51に対向して配置されている。束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52に対して押圧した位置(図1の実線の位置)と離間した位置(図1の1点鎖線の位置)との間を移動するようになっている。束搬送上ローラ51は、ステープラユニット30の入ロ側に位置する搬送上ローラ19と搬送下ロ一ラ18によってシート束の先端部分が束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52を通過するまで、搬送下ローラ52から離間した状態(図1の1点鎖線の位置)になっており、その後、束搬送下ローラ52に接する位置(図1の実線の位置)に移動するようになっている。
【0036】
シート束の端部を検知する束検知センサ54は、シート束の先端を検知すると、束搬送上ローラ51を束搬送上ローラ52に押圧させるとともに、シート束の搬送方向の折り位置を設定制御するのに使用されるようになっている。突き板55は、先端の板厚が0.25mm程度のステンレス製の板である。折りローラ対(シート折回転体対)57a,57bは、シート束搬送方向と交差する方向に伸びる円柱状のローラであり、互いに押圧する方向に付勢されて夫々回転するようになっている。
【0037】
この折りローラ対57a,57bは、ローラの直径が約40mmで、ローラの外周長さが、折られたシート束長さより短く、折りシート束を搬送するのに少なくとも1回転以上回転する必要がある。ローラの外周長さが、折られたシート束長さより短いことによって、折りユニット50を小型にすることができる。
【0038】
突き板55は、折りローラ対57a,57bのほぼ真上に位置し、駆動モータの連続回転を後述するゼネバ機構を介して折りローラ対57a,57bのニップの近傍までその先端エッジが往復間欠移動するようになっている。突き板55の移動速度が、折りローラ対57a,57bのシート搬送速度の約2.2倍になるように、突き板55と折りローラ対57a,57bとが後述するゼネバ機構によって連動されている。中央部が綴じられたシート束の綴じ部が折りローラ対57a,57bのニップまで移動する時間と、突き板55がシート束の綴じ部に接してから折りローラ対57a,57bのニップまで移動する時間は、ほぼ同じで、折りローラ対57a,57bは同期して動作するようになっている。そして、2度突き以降の突き板55の移動タイミングは、折り込まれている折りシート束の開放端近傍に接しないように、機械的に設定されている。
【0039】
なお、シート束の綴じ部が折りローラ対57a,57bのニップまで移動する時間と、突き板55がシート束の綴じ部に接してから折りローラ対57a,57bのニップまで移動する時間とが同じであるということは、図13において、折られていない真っ直ぐなシートに接する折りローラ57bの接触部(E)とシート中央部Gとの長さ(EG)、すなわち、折りローラ57bの半径と同じ長さを折りローラ57bの外周に取るとすると(円弧EG1)、シートが突き板55によって、折りローラ対57a,57bに密着させられたときの突き板55の移動量GFの所要時間(T1)と、折りローラ57bの円弧(G1F)の長さを折りローラ57bで送る所要時間(T2)とが同じ(T1=T2)であるということである。
【0040】
このように、上記時間が同じ(T1=T2)であることと、図13において、突き板55の移動速度が、折りローラ対57a,57bのシート搬送速度の約2.2倍であることとにより、距離GFが円弧G1Fの長さより短くても、突き板55の先端が折りローラ対57a,57bのニップ(F)に到達するのと、折りローラ57b上の位置(G1)が折りローラ対57a,57bのニップ(F)に到達するのと同時であるので、突き板55は、シートに弛みを生じさせたり、シートを引き裂いたりするようなことがなく、シートをニップFに送り込むことができる。
【0041】
折りローラ対57a,57bの上方の周囲には、搬送ガイド53とともにシート束の搬送を案内するほぼ円弧状のバックアップガイド59a,59bが設けられている。このバックアップガイド59a,59bは、突き板55の上下移動と連動して、突き板55の先端エッジが折りローラ対57a,57bのニップ近傍まで移動したとき、折りローラ対57a,57bのシート束に対する周面を開放するように移動するようになっている。シート束の案内ガイド56は、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52に挟まれて搬送されるシート束を下方側に案内し、シート束の先端部(下流端部)がシート束通路58に垂れ下がるようにしている。
【0042】
折りシート束の束排出スタッカ80は、折りローラ対57a,57bの折り動作によって折られて、排出されたシート束をスタックするようになっている。折りシート押さえ81は、束排出スタッカ80内に排出されるシート束をばね又は自重によって押さえるようになっている。シート束通路58は、シート後処理装置2のフレームと束排出スタッカ80との間に、シート束の移動可能な空間として形成されている。
【0043】
昇降トレイ90は、シート後処理装置2のフレームに沿って上下方向に昇降して、図1中の実線の位置と2点鎖線の位置との間を移動するようになっている。昇降トレイ90は、昇降トレイ支持部92を昇降トレイモータ155(図12参照)などの駆動手段によって回転移動するベルトの一部に係合して昇降することができるようになっている。紙面センサ93は、昇降トレイ90上のシート最上面を検知するようになっている。後端ガイド94は、垂直方向に昇降移動する昇降トレイ91上のシートの後端をガイドするようになっている。補助トレイ91は、昇降トレイ90に引き出し可能に設けられ、大サイズシートなどを収積するときに、引き出した状態で使用されるようになっている。
【0044】
シート後処理装置2の処理トレイ8、ステープラユニット30の折りユニット50の詳細な各構成について、図2以下を参照して説明する。
【0045】
図2は処理トレイ8部分の平面図である。第1プーリ10と第2プーリ11は移送ベルト12を張設して、シート幅方向の略中央の両側に位置している。第1プーリ軸10a上には、搬送下ローラ18がシート幅方向の略中央の両側に2箇所ずつ設けられている。この搬送下ローラ18はタイヤ形式の中空ローラである。
【0046】
第1プーリ軸10a上には上述のように移送ベルト12を回転する第1プーリ10が2つ配置されている。第1プーリ10は、第1プーリ10と第1プーリ軸10aとの間に介在するワンウェイクラッチ75によって、図1において、第1プーリ軸10aの反時計方向の回転で駆動回転し、時計回りの方向への回転では駆動が切断され停止するようになっている。第1プーリ軸10aは、第1プーリ軸10aに固着されたプーリ73、タイミングベルト74、ギアプーリ72,71を介して、搬送駆動源としてのステッピングモータ70のモータ軸70aに連結されている。
【0047】
従って、ステッピングモータ70が処理トレイ8上のシートを図1のステープル方向(図1、図2矢印B方向)に移動する方向に回転するとき、第1プーリ軸10aに固着されている搬送下ローラ18は回転駆動されているが、移送ベルト12には、ワンウェイクラッチ75よって駆動力が伝達されず移送ベルト12は、停止状態にある。ステッピングモータ70は、シートを昇降トレイ90の方に移動するように回転すると、搬送下ローラ18、及び移送ベルト12はともに昇降トレイ90の方向(図1、図2矢印A方向)に回転する。
【0048】
この移送ベルト12を、図3に基づいて説明する。第1プーリ軸10aにワンウェイクラッチ75を介在した第1プーリ10と第2プーリ11とに張設された移送ベルト12には、押し出し爪13が設けられている。この押し出し爪13のホームポジション(図3のHPの位置)位置出しを行うため、この押し出し爪13に係合する押し出し爪13の押し出し爪センサ76と押し出し爪検知アーム77が処理トレイ8の下面に設けられている。押し出し爪13が移送ベルト12によって移動されて、押し出し爪検知アーム77を押し、押し出し爪センサ76がOFFからONに切り変わったところをホームポジション(HP)とする。このときの位置関係を図3に示す。搬送下ローラ18と搬送上ローラ19のニップをPとすると、ニップPからストッパ21までの長さをLl、ニップPから押し出し爪13までの搬送ベルト12に沿った長さをL2とすると、(Ll<L2)に設定してある。
【0049】
図示していないカム等の作動により、搬送上ローラ19を搬送下ローラ18側に下降して押圧する。その後、搬送ステッピングモータ70を回転し、第1プーリ回転軸10aを反時計回り方向に(図1、図2の矢印A方向)に回転させると、搬送下ローラ18が回転して、シート束も昇降トレイ90の方(矢印A方向)へ移動する。
【0050】
なお、搬送上ローラ19もステッピングモータ70(図2参照)によって回転するようになっている。従って、シート束は、ステープラユニット30側に入り込んだストッパ21の位置から、搬送下ローラ18と搬送上ローラ19の回転により、矢印A方向へ移動するが、ニップ位置Pを過ぎると、今度は移送ベルト12の回転に伴って押し出し爪13が当たり、この押し出し爪13によって各図A矢印方向に押されながら昇降トレイ90に搬送される。この場合、前述の長さ関係が(Ll<L2)になっているので、押し出し爪13は、シート束の下方側(図3において右端側)から押し上げることになり、常に、垂直状態でシート束端部を押し出すことになる。これによって、シート束の移送の際に余分なストレスなどが発生しないようになっている。
【0051】
綴じ処理を行うときは、押し出し爪13は、図3のHPの位置から、反時計方向に移動して、同期してシート束を搬送するローラ対18,19により、ストッパ21より移動させたシート束を受け渡された後、押し出す。
【0052】
一方、処理トレイ8に搬入されてくるシートを、ステープラユニット30によって綴じ処理しない場合には、ストッパ21の位置までシート束を搬入移動する必要がないので、予め搬送ステッピングモータ70を駆動して押し出し爪13を、図3のHP位置から、搬送下ローラ18と搬送上ローラ19のニップ点よりも昇降トレイ90の方向に移動待機位置((L2+α)分の移動待機位置、図3のPreHP位置)に移動させておく。この(L2+α)分はステッピングモータ70のステップ数カウントで設定できる。従って、本シート後処理装置2は、綴じ処理が不要なシートの場合、シートをストッパ21まで移送させることなく、予め、押し出し爪をPreHPの位置に移動し、スタックしてから昇降トレイ90に束にしてから押し出すことができるので、処理速度の速い複写機本体に対応することができる。
【0053】
なお、図3に示すように、押し出し爪13のPreHPの位置が、搬入ガイド7と押し出し爪13の上端とがオーバラップする位置であると、1枚ずつ搬入されてくるシートを確実にPreHPの位置における押し出し爪13の位置に収積スタックすることができる。このようにすると、その後、押し出し爪13は、シート束を、昇降トレイ90に速やかに排出することができる。
【0054】
(ステープラユニットの詳細な説明)
図4、図5において、ステープラユニット30は、左右のユニットフレーム40,41と、そのフレーム40,41間に設けられたガイドロッド33,34、スクリュー軸35,36、駆動軸37,38と、上方にアンビルユニット32、下方に打ち込みヘッドユニット31を有している。スクリュー軸36に打ち込みヘッドユニット31が係合しており、スクリュー軸36の回転によってヘッドユニット31は図4において左右方向に移動するようになっている。アンビルユニット32も同様な取付構成になっている。スクリュー軸36はユニットフレーム41外のギアを介してステープラスライドモータ42に連続している。このステープラスライドモータ42の駆動は、タイミングベルト43によってアンビルユニット32にも伝達される。このため、ヘッドユニット31とアンビルユニット32は上下位置がズレることなくシート搬送方向と交差する方向(図4の左右方向)に移動する。
【0055】
従って、シートの幅に応じて、ステープラスライドモータ42を駆動して、ヘッドユニット31、アンビルユニット32を所定の位置に移動するようにコントロールすると、任意の位置にスラール針を自由に打ち込むことができる。
【0056】
また、ヘッドユニット31内にある図示しない針を打ち込むヘッドの移動、針の移動及びアンビルユニット32内にある針の折り曲げ移動などの駆動力は、シート後処理装置2側からカップリング装置44で受けるようになっており、ユニットフレーム40側でタイミングベルト45によってアンビルユニット32側にも伝達されている。移動アーム23(図5参照)とストッパ21は、連結ピン23c、連結レバー22、連結ピン21aによって、連結されている。ストッパ21はプーリ軸10aに軸承されている。
【0057】
図4、図5に基づいて、ヘッドユニット31のシート幅方向への移動によって、シート束の端部に針打ち込み位置を設定するストッパ21のステープルパス通路への出没移動構成を説明する。図4の打ち込みヘッドユニット31の下方には、ストッパ21を移動アーム23と係合可能なストッパ係合突起24が設けられている。ヘッドユニット31の移動によって、ストッパ係合突起24が移動アーム突起23bに係合することによって、図5に示すようにこの移動アーム23は、回動軸23aを中心として反時計方向に回転して2点鎖線の位置に移動する。従って、ストッパ21はヘッドユニット31、アンビルユニット32のシート幅方向移動に何ら妨げとなることがない。
【0058】
(折りユニットの詳細な説明)
折りユニット50を図6乃至図11に基づいて説明する。
【0059】
図6は、折りユニット(シート折り装置)50の折りユニットフレーム49の図である。折りユニット50はシート後処理装置2に引き出し可能に設けられているので、図6の奥側のフレームも同様な形状に形成されている。この折りユニット50の折りユニットフレーム49には、折りローラ57aの回転軸としての折りローラ駆動軸61が設けられている。一方の折りローラ57bの駆動軸62は、軸69bを支点として回動する折りローラホルダ63に取付られている。折りローラホルダ63と折りユニットフレーム49との間には、約5kgの引っ張り力を有する引張スプリング67が張設されている。折りユニットフレーム49には、折りローラ駆動軸62の折りローラホルダ63による移動を許容する孔すなわちフレームガイド64が形成してある。
【0060】
従って、折りローラ対57a,57bによって、シート束を折って搬送するとき、このシート束に対して一定の圧力を引張スプリング67で付与することができ、確実な折り動作を行うことができる。
【0061】
折りユニットフレーム49には、突き板55を支持する支持ホルダ110に立設したころ66,66の移動を案内する長孔としての突き板フレームガイド65が形成されている。この突き板フレームガイド65によって突き板55が折りローラ対57a,57bに向けて移動できるようになっている。
【0062】
折りユニットフレーム49には、さらに、突き板55を移動させるカム板114を回転可能に軸支する駆動軸111が設けられている。
【0063】
また、折りユニットフレーム49には、シート束を折りユニット50内に搬送する束搬送上ローラ51の上ローラ軸101及び束搬送下ローラ52の下ローラ軸103も備えられている。折りユニットフレーム49には、束搬送上ローラ51をシート束が折りユニット50内に搬入されて来るまで、束搬送下ローラ52から離間した位置に位置させる機構が設けられている。
【0064】
束搬送ローラ対51,52の上ローラ軸101は軸受ホルダ102に支持されている。この軸受ホルダ102の一端にはカムフォロア112が立設されている。このカムフォロア112は折りユニットフレーム49に回転可能に取付られた上ローラ移動カム68に係合している。また、軸受ホルダ102の他端と下ローラ軸103との間には、約300gの張力を有する引張りスプリング104が張設してある。この引っ張りスプリング104は、常時、束搬送上ローラ51を束搬送下ローラ52側に付勢している。上ローラ移動カム68の回転により、軸受ホルダ102は、引っ張りスプリング104に抗して、或いは引っ張られて昇降し、束搬送上ローラ51を束搬送下ローラ52から離間した位置と圧接する位置とに移動させるようになっている。
【0065】
図7は折り動作を行う機構を示した図であって、図6に示された折りユニットフレーム49の内側に設けられている。
【0066】
折りローラ57aの回転軸61は、図7中、記載されていないゼネバ機構によって、連続回転動作を間欠動作にして、カム駆動軸111を回転させる。
【0067】
カム駆動軸111にはカム板114が固設されていて、この軸111の回転に従ってカム板114が回転駆動される。このカム板114のカムタイミング(間欠動作)は、折りローラ対57a,57bの搬送速度の約2.2倍で突き板55が移動するように設定してある。このカム板114には、軸113を支点として回動可能な作動アーム115のほぼ中央に立設されたカムフォロア116がカム板114のカム溝114bに入り込んでいる。作動アーム115の先端側には突き板55が支持ホルダ110を介して取付られている。
【0068】
従って、カム板114が回転駆動することによって、作動アーム115も昇降動作を行い、作動アーム115に取り付けられている突き板55も昇降動作を行う。シート束を押圧する突き板55の板厚は約0.25mmのステンレス材で形成されている。次に、突き板55を支持する支持ホルダ110は、折りローラ対57a,57bの周囲をガイドするバックアップガイド59a,59bに連動している。
【0069】
バックアップガイド59a,59bは、シート搬送方向を交差方向に伸びる円柱状の折りローラ対57a,57bの外周面を覆うように配置され、折りローラ対57a,57bの軸61,62を中心にして折りローラ対57a,57bの外周面に対して回動可能になっている。
【0070】
このバックアップガイド59a,59bの外周端には、夫々レバー片119,120が設けられている。このバックアップガイド59a,59bは,互いにスプリング121で牽引されている。レバー片119,120は、支持ホルダ110の二股に分かれた作動片117,118に当接支持されている。従って、バックアップガイド59a,59bは、図7(a)の状態にあるとき、折りローラ対57a,57bの搬送通路側の外周面を覆う位置にあり、シート束を折りローラ対57a,57bのゴム表面に充分に接する状態にして案内することができ、さらに、シート束をバックアップする(支える)ガイドとしても機能している。なお、バックアップガイド59a,59bは、通常は束搬送ガイドとともにシート束の下側搬送ガイドとしても機能する。
【0071】
シート束の折り動作を行うときは図7(b)のように、支持ホルダ110の作動片117,118の下降に応じて、レバー片119,120を押し上げる。この結果はバックアップガイド59a,59bは、プリング121に抗して、軸61,62を中心に回動しシート束に折りローラ対57a,57bの外周面が確実に当接するようになっている。
【0072】
折りユニット50の駆動伝達系について説明する。駆動伝達系は、図8、図9に示す束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52の回転及び離接系と、図11に示す折りローラ対57a,57b及び突き板55移動の駆動伝達系とに分けられる。これらの伝達系はいずれも図6に示す折りユニットフレーム49の奥側のフレームに設けられている。
【0073】
図8、図9に示す束搬送上ローラ51、搬送下ローラ52への駆動系は、シート後処理装置2側に設けられた正逆転可能な搬送モータ162からギア127,128を介して,折りユニット50側のギアプーリ129に入力される。このギアプーリ129と上ローラ移動カム68を駆動する軸113との間にはワンウェイクラッチ123を介在してあるので、ギアプーリ129の一方向回転(図8の矢印と反対方向の回転)のみで上ローラ移動カム68は回転し、束搬送上ローラ51の上下移動を行う。ギアプーリ129からの駆動は、タイミングベルト135を介して、束搬送上ローラ軸101及び下ローラ軸103にプーリ130,131によって伝達される。なお、プーリ130,131と軸101,103との間にはワンウェイクラッチ124,125が介在しており、プーリ130,131(図8の矢印方向)の駆動によって軸101,103が回転駆動される。
【0074】
図8のギアプーリ129が矢印方向に回転すると、束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52はシート束を折りユニット50内に搬送する方向に回転する。ギアプーリ129が図示の矢印と反対方向に回転すると、前述したように上ローラ移動カム68が回転し、束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52からの離間又は圧接される。これらの動作は、図示していないが、軸113に設けられたフラグ突起をセンサなどで検知してコントロールされる。
【0075】
図10は折りローラ対57a,57bの駆動伝達系、突き板55の間欠駆動伝達系を示す図で、図8、図9に示す駆動系の奥側のフレームに取付けられている。
【0076】
シート後処理装置2側からのステープル/折りモータ(回転駆動手段)170(図12参照)の駆動はカップリング装置137で受けるようになっている。なお、図示していないが、ステープル/折りモータ170は正転で、図4のステープラユニットのカップリング装置44を駆動し、逆転で前記のカップリング装置137を回転するようになっている。
【0077】
カップリング装置137からの駆動は、軸61に設けられた2段ギア138a,138bの内、ギア138aにより、折りローラ57bを回転させる軸62上のギア139に伝達されるとともに、ギア138bによりギア142にも伝達される。このギア142の側面とギア141の側面にはゼネバ機構が組み込まれ、ギア142の回転は、軸111にギア141によって間欠回転動作として伝達される。図10は、折りローラ対57a,57bが2回転した時、突き板55の駆動軸111が1回転する構成である。なお、図示していないが、このカム板114の位置は、軸111に固設されたフラグ突起をセンサで検知することによって、分かるようになっている。
【0078】
(ゼネバ機構)
ゼネバ機構200は、ピッチ円が同一のギア142とギア141とを備えている。ギア142には、歯142aと円弧外周142bとが半円周分ずつ形成されている。ギア141には、ギア142の歯142aに噛合する歯141aとこの歯141aの配列内に約180度間隔で位置する錠止部141b,141bと180度間隔で位置する切欠141cとが形成されている。
【0079】
ギヤ142が回転すると、噛合している歯142aと歯141aによってギア141が従動回転する。ギア142が半回転すると、円弧外周142bが錠止部141bに対向して、ギア142の回転がギア141に伝達しなくなる。このため、ギア142は回転を継続するが、ギア141は回転を停止する。ギア142がさらに半回転すると、歯142aが歯141aに再度噛合し、ギア141が再度回転する。このようにして、ギア142が1回転する間に、ギア141は間欠半回転することになる。ギア141は、半回転ごとに、固定部材に設けられて弾性を備えたストッパ片201が切欠141cに係合することで位置決めされ、円弧外周142bと錠止部141bとの対向状態を保持する。
【0080】
ギア141はカム駆動軸111に設けられ、カム駆動軸111には、図7aに示すカム板114が設けられている。このため、前述したように、折りローラ対57a,57bが2回転する間に、カム板114は1回転することになる。同時に、折りローラ対57a,57bが2回転する間に、カム板114に連動する突き板55は1往復することになる。しかも、ギア141は、間欠回転するため、カム板114も間欠回転することになり、カム板114が停止している間に、カム114aの形状によって、突き板55を、図7に示すように、折りローラ対57a,57bから離れた待機位置に保持しておくことができる。これによって、突き板55は、折りローラ対57a,57bが折っている最中のシートの後端に接触させるようなことがなく、シートに損傷を与えるようなことがない。
【0081】
なお、歯車138a(図10参照)、ゼネバ機構200、カム板114(図7参照)、カム114a、カムフォロア116、軸113、及び作動アーム115等は、折りローラ対57a,57bの1回のシート折り搬送動作に対して突き板55を1往復移動させる運動変換機構202を構成している。また、突き板支持ホルダ110、突き板フレームガイド65、移動ころ66、及び突き板55等は、シート突き出し手段を構成している。
【0082】
次に、図11を参照して折りユニット50のシートの折り動作について説明する。
【0083】
処理トレイ8中のシート束の搬送方向の略中央にステープル処理(中綴じ)を行うため、束搬送上ローラ51と、束搬送下ローラ52とが離間した状態でシートが搬入される。この後、シート束先端が検知され、シート束の搬送方向中央を割り出たところで綴じ処理を行う。この後、上ローラ移動カム68(図6参照)を回転させて束搬送下ローラ52に束搬送上ローラ51を押圧させて、シート搬送方向の中央が突き板55の直下にくるまで束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52を駆動してシート束を搬送させる。このときバックアップガイド59a,59bが折りローラ周面を覆う位置にあり、また、シート下面側をバックアップしている(支えている)のでシート束は、スムーズに搬送される。シート束の搬送方向略中央が突き板55の真下に到達すると、束検知センサ54はそのことを検知して、一旦、束搬送上ローラ51、束搬送下ロ一ラ52の駆動を停止する。この状態でシート束は、図11(a)に示すように、束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52によって吊り下げられた状態になる。
【0084】
これによって、シート束は、自重でシート束の整列がなされる。シート束が吊り下げられていることによって、突き板55より下流側の部分には、シートストッパなどの機構を設けることなく、単にシートパスを設ければよいことになる。また、突き板55より下流側の部分が下方側に傾斜しているので、折りユニット50及びシート後処理装置2全体をコンパクトにすることができる。
【0085】
図11(a)の状態にシート束が到達した段階で、今度は折りローラ駆動軸61が回転駆動する。折りローラ駆動軸61が回転すると、折りローラ対57a,57bがともに回転し、またカム板114(図7参照)もゼネバ機構によって間欠回転しながら突き板55を折りローラ対57a,57bのニップまで往復移動させる。折りローラ対57a,57bは、シート束を折りたたみながら回転して、折りシート束排出スタッカ80に排出する。
【0086】
なお、突き板55がシート束の長さ(L)の半分の位置(中間部、L/2)を折りローラ対57a,57b側に押し込むとき、束搬送上ローラ51の上ローラ軸101と、束搬送下ローラ52の下ローラ軸103とが停止しているが、束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52と軸101,103との間にワンウェイクラッチ124,125(図8参照)が介在しているので、シート束が、突き板55によって折られている間、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52は、シート束に引っ張られて追従回転し、シート束の折り曲げに支障を与えるようなことがない。従って、シート束は、折りローラ対57a、57bによって、円滑に折り曲げられる。その後も、シート束は、折りローラ対57a,57bによって、折りユニット50内から折りシート束排出スタッカ80に排出される。
【0087】
(制御回路ブロック図)
図12に、シート後処理装置2の制御に関わる概略ブロック図を示す。制御ブロック149は、中央演算処理装置(CPU)と、このCPUが実行する制御手段を予め記憶したROM、CPUの演算データ及び複写機20の本体1から受信した制御データ等を記憶するRAMなどで構成されている。
【0088】
この制御ブロック149には、各種の1/0が設けられている。制御ブロック149側に向いた矢印を入力側、制御ブロック149から離れる方向に向いた矢印を出力側とする。
【0089】
シートの整合に関連する回路は、シートの両端を処理トレイ8で整合する整合板9のホームポジション(HP)を設定する手前整合HPセンサ151、及び奥整合HPセンサ152を備えている。整合板9,9(図2参照)は、最初のシートが処理トレイ8に搬入されるまで、手前整合HPセンサ151、奥整合HPセンサ152の位置に待機している。手前側の整合モータ14は、手前側の整合板9を移動させるパルスモータであり、奥側の整合モータ14は、奥側の整合板9を移動させるパルスモータである。夫々の整合モータ14によって、整合板9は移動させられ、シート束の幅に応じた幅整合を行うことができる。また、整合板9は、シート束ごとに、シート束ごとの搬送方向と交差する方向へのずらし(ジョブ)も自由に設定できるようになっている。
【0090】
次に、昇降トレイ90に関連する回路は、昇降トレイ90上のシート最上面を検知する紙面センサ93と、昇降トレイモータ155の回転量をエンコーダによって検知する昇降クロックセンサ150と、昇降トレイ90の昇降移動範囲を規制する上限スイッチ153及び下限スイッチ154とを備えている。この回路は、センサ93,150とスイッチ153,154との入力信号によって、昇降トレイモータ155を制御して、昇降トレイ90を駆動するようになっている。
【0091】
昇降トレイ90及び折りシート排出スタッカ80内に、シート又はシート束が積載されているか否かの積載シートを検知するのに関連する回路は、昇降トレイ90上の有無を検知する昇降トレイ紙センサ156と、折りシート排出スタッカ80内の検知センサ折りシトスタッカ紙センサ157とを備えている。これらのセンサ156,157は、シート後処理装置の起動前にシートが残留されている場合や、所定時間経過後にシート束が取り除かれない場合にもオペレータに警告するセンサとしても使用される。
【0092】
シート後処理装置2のドアの開放、画像形成装置20の本体1にシート後処理装置の本体2が的確に装備されているか否かを検知するドア開閉装置検知に関連する回路は、前ドアセンサ158と、複写機本体1にシート後処理2が正確に装着されているか否かを検知するジョイントスイッチ159とを備えている。
【0093】
シート搬送動作及びこのシートを収積した状態でのシート束搬送動作に関連する回路は、シートが複写機20の本体1からシート後処理装置2に搬入されたことを搬送ガイド3上で検知するシート検知センサ4と、処理トレイ8上のシートの有無を検知する処理トレイシート検知センサ160と、処理トレイ8から搬送されてくるシートの搬送方向中央へのステープル針を打ち込む位置とこのステープル針を打ち込んだ位置と同じ位置でシートを折り曲げる位置を割り出すために、シート束の搬送方向先端を検知する中央綴じ位置及び中央綴じ折り位置センサ95,95と、処理トレイ8上のシート束を昇降トレイ90側に移送する移送ベルト12に設けられている押し出し爪13のホームポジション位置を検知する押し出し爪センサ76と、折りユニット50の入りロにある束搬送上ローラ51が束搬送下ローラ52から離間した位置のホームポジション位置を検知する束搬送上ローラHPセンサ161とを備え、各センサからの信号に基づいて、搬送モータ162とステッピングモータ70とを制御するようになっている。搬送モータ162の回転力は、搬送ローラ対5、排出ローラ対6、束搬送上ローラ51、及び束搬送下ロ一ラ52に伝達されている。搬送モータ162の逆回転で束搬送ローラ対51を移動する上ローラ移動カム68を回動させる。ステッピングモータ70の回転力は、処理トレイ8に配設された搬送下ローラ18、搬送上ローラ19、移送ベルト12を循環させる第1プーリ10に伝達されている。
【0094】
パドル17の制御に関連する回路は、パドル17の回転位置を検知するパドルHPセンサ163と、搬送上ローラ19が搬送下ローラ18から離間した位置を検知する搬送上HPセンサ164とを備え、各センサ163,164からの信号に基づいて、パドルモータ165を制御するようになっている。
【0095】
ステープル/折り動作の制御に関連する回路は、ステープラユニット30中の打ち込みヘッドユニット31とアンビルユニット32とが夫々針打ち可能であることを検知するステープルHPセンサ166と、打ち込みヘッドユニット31内にステープル針がセットされているか否かを検知する針センサ167と、打ち込みヘッドユニット31とアンビルユニット32とのシート搬送方向移動シフトに際して初期位置(図4の位置)にあるか否かを検知するステープルスライドHPセンサ168と、ステープラユニット30の駆動と折りユニット50の駆動を正逆転で切り換えるステープル/折りモータ170の回転方向を検知するステープル/折りクロックセンサ171と、ステープラユニット30及び折りユニット50が作動可能状態であることを検知する安全スイッチ172とを備え、これらのセンサ、スイッチ等によって、ステープスライドモータ42、ステープル/折りモータ170とを制御するようになっている。
【0096】
ステープラスライドモータ42は、打ち込みヘッドユニット31、アンビルユニット32をシート搬送方向と交差する方向に移動するガイドスクリュー軸36に回転力を伝達している。ステープル/折りモータ170は、正逆転駆動の一方向回転でステープラユニット30のカップリング装置44(図4参照)と、他方回転で、折りユニット50のカップリング装置137(図10参照)を駆動するようになっている。
【0097】
次に、シート後処理装置2の各処理モードにおける動作について説明する。
基本的な処理モードとして、
(1) ノンステープルモード:シートを綴じ処理することなく昇降トレイ90に積載するモードと、
(2) サイドステープルモード:シートの搬送方向の端部(サイド)に1ケ所又は複数ケ所を綴じ昇降トレイ90に積載するモードと、
(3) サドルステップモード:シート搬送方向のシート長さの半分の位置を複数ケ所綴じ、その綴じた位置でシートを折り曲げて製本し、束排紙スタッカ80に集積するモードと、
の3つがある。
【0098】
[(1)ノンステープルモード]
このモードが選択されると、まず、制御ブロック149は、移送ベルト12を循環させるステッピングモータ70を駆動して、ホームポジション位置(図3、HP位置)にある押し出し爪13を処理トレイ8上でのシート集積基準位置であるプレホームポジション(図3、PreHP位置)に移動させて、停止させる。これと同時に、搬送モータ162を駆動し、搬送ローラ対5、排出ローラ対6を回転して、複写機20の本体1の排紙ローラ1a,lbからシートが排出されるのを待つ。シートが排出されて来ると、搬送ローラ対5、排出ローラ対6は、シートを処理トレイ8に搬送する。シート検知センサ4はシートを検知して、整合板9を移動する整合モータ14,14、パドル17を回転するパドルモータ165の起動タイミングを計る。
【0099】
制御ブロック149は、シートが処理トレイ8上に排出されて積載される間に整合モータ14,14及びパドルモータ165を駆動する。この駆動により、整合板9,9はシート搬送方向と交わる幅方向に移動し、シート両端を整合するとともに、パドル17はPreHP位置で押し出し爪13にシート端部が突き当たり整列するように回転する。この動作は、シートが夫々処理トレイ8に排出される度毎に繰り返される。所定枚数のシートが押し出し爪13に整列されると、制御ブロック149は、搬送モータ162とパドルモータ165との回転を停止させるとともに、移送ベルト12を駆動するステッピングモータ70を再始動させる。これによってシート束は昇降トレイ90側(図1、矢印A方向)に移動する。移動されたシート束は昇降トレイ90上に積載される。シート束の排出にともなって、制御ブロック149は、昇降トレイモータ155を昇降トレイ90が下降する方向に一定量、一旦、下降させ、その後、紙面センサ93が最上位のシートを検知するまで、上昇方向に駆動して停止させ、次のシート束が載置されるまで、待機させる。
【0100】
[(2)サイドステープルモード]
このモードが選択されると、制御ブロック149は、搬送モータ162を駆動し、搬送ローラ対5、排出ローラ対6を回転させて、複写機20の本体1からシートを処理トレイ8に排出し、積載する。また、制御ブロック149は、シートが排出積載される間に、整合モータ14,14及びパドルモータ165を駆動させる。これによりシートは、幅方向両端を整合板9,9で整合されるとともにシート端部はストッパ21まで移送されて停止される。これを特定枚数繰り返す。
【0101】
シート束がストッパ21に規制された状態で、搬送上ローラ19を搬送下ローラ18側に移動させて搬送上ローラ19と搬送下ローラ18とでシート束を挟む。その後、制御ブロック149は、綴じ処理を行うため、ステープル/折りモータ170をステープル動作方向に駆動回転させて、打ち込みヘッドユニット31、アンビルユニット32により綴じ処理を行う。なお、シート端部の複数位置に綴じ処理を行う場合には、ステープルスライドモータ42を駆動して移動後、綴じ処理を行う。
【0102】
この綴じ処理が完了すると、綴じ処理後のシート束を、搬送下ローラ18、搬送上ローラ19、移送ベルト12をステッピングモータ70によって昇降トレイ90側(図1において、矢印A方向)に移動さる。これによってシート束は、搬送下ローラ18、搬送上ローラ19から押し出し爪13の順に引き渡され昇降トレイ90に積載される。以後の昇降トレイ90の動作は前述のノンステープルモードと同じなので省略する。
【0103】
[(3)サドルステップモード]
このモードは、シート搬送方向のシート長さ略中央位置への綴じ処理と、折り処理とを行なうモードである。画像形成装置1から排出されるシートを処理トレイ8上に積載する動作は前述のサイドステープルモードと同様であるので、その動作の説明は省略する。
【0104】
処理トレイ8上にシートを整合積載した後、搬送上ローラ19を搬送下ローラ18側に下降し、搬送上ローラ19と搬送下ローラ18とで、シート束を挟む。次に、ストッパ21をシート束搬送通路から退避させ、図1の矢印B方向にシート束を移送するために、制御ブロック149は、ステープルスライドモータ42を駆動する。この駆動によって、図4、図5に示すように打ち込みヘッドユニット31のストッパ係合突起24も移動し、移動アーム23に係合して、ストッパ21が打ち込みヘッドユニット31、アンビルユニット32の移動領域から退避する。打ち込みヘッドユニット31、アンビルユニット32はシート移動方向と支差する方向の打ち込み設定位置で停止している。引き続いて、制御ブロック149は、ステッピングモータ70を、ノンステープルモードやサイドステープルモードとは逆方向に回転させる。この駆動によりシート束は昇降トレイ90とは逆方向(図1、矢印B方向)に移送される。この移送によって、折りユニット50内にある束検知センサ54がシート束の搬送方向先端を検知すると、予め送られてきている搬送方向シート長さ情報に基づいて、搬送上ローラ19と搬送下ローラ18は、シート搬送方向略中央部を綴じ位置に一致するところまでシート束を搬送して停止する。
【0105】
なお、ステッピングモータ70が逆方向に回転した場合、移送ベルト12を張設する第1プーリ10と第1プーリ軸10aとの間にワンウェイクラッチ75が介在しているので、ステッピングモータ70の回転力は伝達されずに移送ベルト12及び押し出し爪13は停止した状態を保っている。
【0106】
次に、制御ブロック149は、ヘッド駆動軸38、及びアンビル駆動軸37を駆動するステープル/折モータ170をこれらを作動する方向に回転させて、綴じ処理を行なう。複数箇所を綴じる場合は、ステープラスライドモータ42を駆動して、スクリュー軸35,36の回転によってシート搬送方向と交差する方向の所定位置に移動した後に綴じ処理を行う。
【0107】
なお、この綴じ処理位置にシート束が搬送されたとき、そのシート束の搬送方向先端側の位置は、すでに折りユニット50内の束搬送下ローラ52とこれから離間している束搬送上ローラ51を通過した位置にある。
【0108】
綴じ処理完了後、折り処理を行なうには、まず、図8に示す搬送モータ162を逆転して、図6及び図9に示す上ローラ移動カム68を回転させる。この回転により軸受ホルダ102が移動し、束搬送上ローラ51を束搬送下ローラ52側に下降させ、シート束を引張りスプリング104で挟む状態にする。
【0109】
次に、処理トレイ8中の搬送上ローラ19をシート束から上昇させ、シート束の挟持を解除する。今度は、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52を搬送モータ162によって駆動して、シート束をさらに下流に搬送する。この搬送時、束検知センサ54の信号とシート長さ情報から、シート束の搬送方向略中央部、即ち、綴じ処理位置が折り位置となるように、搬送モータ162を減速しながら停止する。シート束は、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52に挟まれて搬送パス内に吊り下がった状態になる。
【0110】
そして、ステープル/折りモータ170を綴じ処理とは逆の方向に駆動すると図7(b)に示すように、折りローラ対57a,57bがシート束を挟む方向に回転するとともに突き板55が下降する。これと同時に、バックアップガイド59a,59bもシート束側の折りローラ周面を開放するように移動する。突き板55がシート束を回転する折りローラ対57a,57bに挟むように移動した後、シート束は折りローラ対57a,57bに巻き込まれる。続いて、突き板55はシート束から離れる方向に移動するが、シート束はさらに折りローラ対57a,57bによって折り込まれていく。折りローラ対57a,57bでニップ搬送されたシートは折りシート束排出スタッカ80に排出され、積載される。折り動作開始後、突き板55が、1回以上突き板HPセンサ169によって検知されると折りローラ対57a,57bは停止する。折られたシート束は、折りシート押さえ81によって押さえられて開かないようにして、次の折りシート束の搬入を妨げないようになっている。
【0111】
なお、折り動作が開始されて、シート束が折りローラ対57a,57bにニップされるまでの時間の経過後、束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52から離間するように上昇して次のシート束の搬入に備える。
【0112】
また、本実施形態のサドルステッチモードは、綴じ処理と折り処理とを一連で行なうものを示したが、綴じ処理を行なわず、折り処理のみを行なう場合にも採用できることは言うまでもない。
【0113】
【発明の効果】
本発明のシート折り装置は、シート折り回転体対とシート折り手段とを共通の回転駆動手段によって作動するようにし、且つ運動変換機構が、シート折り回転体対の1回のシート折り搬送動作に連動して、シート突き部材を確実に1往復移動させることができるようになっているので、シート折り回転体対とシート折り手段との制御を最適化して、折りシート束(シート1枚の場合も含む)の破れや雛発生を防止することができる。また、シート折り回転体対が1回のシート折り搬送動作を終了するまで、次ぎの往復移動をするようなことがないため、折っているシートにシート突き部材が再度当接して折ったシートに損傷を与えるようなことがない。
【0114】
また、シート突き部材がシートに接触してからシートをシート折り回転体対間に当接させるまでの所要時間が、折られていないシートに接するシート折り回転体の接触部から当該シート折り回転体の外周に沿った当該シート折り回転体の半径に相当する長さの位置がシート折り回転体同士の接触位置に到達するまでの所要時間と同じになるようになっていると、シートに弛みを生じさせたり、シートを引き裂いたりするようなことがなく、シートをシート折り回転体対間に送り込むことができる。
【0115】
さらに、シート折り回転体対が、ローラであり、ローラの外周の長さが、折られたシートの長さより短く設定されていると、ローラを細くしてシート折り装置を小型化することができる。
【0116】
また、運動変換機構が、シート突き部材がシートから離れたとき、シート突き部材を一旦停止させるゼネバ機構を有していると、シート突き部材が、1往復移動動作の間に間を持って、シート折り回転体対の1回のシート折り搬送動作に対応することができ、折っているシートにシート突き部材が再度当接して折ったシートに損傷を与えるようなことがない。
【0117】
本発明の画像形成装置は、折ったシートに損傷を与えることのない、上記シート折り装置を本体に備えているので、シートに形成した画像が損傷を受けることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシート折り装置を装備したシート後処理装置の正面断面図である。
【図2】同、シート後処理装置の処理トレイ部分を上方から見た図である。
【図3】同、シート後処理装置の移送ベルト部分の拡大図である。
【図4】同、シート後処理装置のステープラユニットをシート搬送方向から見た図である。
【図5】同、シート後処理装置のストッパの動作説明図である。
【図6】同、シート後処理装置の折りユニットのフレームの正面図である。
【図7】同、シート後処理装置の折りユニットの動作説明図である。
(a)シート折り曲げ前の状態図である。
(b)シート折り曲げ中の状態図である。
【図8】同、シート後処理装置の折りユニット駆動機構の図である。
【図9】同、シート後処理装置の折りユニットの駆動機構の図である。
【図10】同、シート後処理装置の折りユニットのゼネバ機構の図である。
【図11】同、シート後処理装置の折りユニットの突き板によるシート束折り動作動説明図である。
(a)シート折り曲げ前の状態図である。
(b)シート折り曲げ中の状態図である。
【図12】同、シート後処理装置の概略制御ブロック図である。
【図13】同、シート後処理装置の折りユニットの折りローラ対と突き板との移動時間を説明用の図である。
【図14】同、シート折り装置を装備したシート後処理装置を本体に備えた複写機の概略正面断面図である。
【図15】従来のシート折り装置の動作説明図である。
(a)シート折り曲げ開始状態の図である。
(b)シート折り曲げ完了時の図である。
【符号の説明】
P シート、シート束
1 複写機(画像形成装置)の本体
2 シート後処理装置
20 複写機(画像形成装置)
50 折りユニット(シート折り装置)
57a 折りローラ、折りローラ対(シート折り回転体、シート折り回転体対)
57b 折りローラ、折りローラ対(シート折り回転体、シート折り回転体対)
55 突き板(シート突き部材、シート突き出し手段)
65 突き板フレームガイド(シート突き出し手段)
66 移動ころ(シート突き出し手段)
110 突き板支持ホルダ(シート突き出し手段)
114 カム板
114a カム
116 カムフォロア
170 ステープル/折りモータ(回転駆動手段)
200 ゼネバ機構
202 運動変換機構
902 画像形成部(画像形成手段)

Claims (5)

  1. 搬送されてきたシートを渡して受け取るシート折り回転体対と、前記シート折り回転体対に渡して支持された前記シートの中間部分をシート突き部材によって突いて、前記シートの中間部分を前記シート折り回転体対間に挿入するシート突き出し手段と、前記シート折り回転体対の回転体を回転させる回転駆動手段と、を備え、
    前記シート折り回転体対間に挿入された前記シートを前記シート折り回転体対が挟んで回転して前記シートを搬送しながら折るシート折り装置において、
    前記回転駆動手段は、前記シート折り回転体対の回転体の回転と、シートの中間部分を前記シート折り回転体対間に移動させる前記シート突き出し手段の駆動を行う、単一の共通駆動源であって、
    前記回転駆動手段によって作動させられて、前記シート突き出し手段の移動速度が、前記シート折り回転体対によるシート搬送速度より速い状態で、前記シート折り回転体対のシート折り搬送動作にともない前記シート突き部材を往復移動させる運動変換機構を備え
    前記運動変換機構が、カムとカムフォロアとを有し、
    前記カムが、前記シート突き部材が前記シートに接触してから前記シートを前記シート折り回転体対間に当接させるまでの所要時間と、折られていないシートに接する前記シート折り回転体対の回転体の接触部から、前記シート折り回転体対の回転方向の、当該回転体の外周に沿った当該回転体の半径に相当する長さ分だけ離れた位置が、前記シート折り回転体対の回転体同士の接触位置に到達するまでの所要時間とが同じになるように形成されている、
    ことを特徴とするシート折り装置。
  2. 搬送されてきたシートを渡して受け取るシート折り回転体対と、前記シート折り回転体対に渡して支持された前記シートの中間部分をシート突き部材によって突いて、前記シートの中間部分を前記シート折り回転体対間に挿入するシート突き出し手段と、前記シート折り回転体対の回転体を回転させる回転駆動手段と、を備え、
    前記シート折り回転体対間に挿入された前記シートを前記シート折り回転体対が挟んで回転して前記シートを搬送しながら折るシート折り装置において、
    前記回転駆動手段によって作動させられて、前記シート折り回転体対のシート折り搬送動作にともない前記シート突き部材を往復移動させる運動変換機構備え、
    前記運動変換機構が、カムとカムフォロアとを有し、
    前記カムが、前記シート突き部材が前記シートに接触してから前記シートを前記シート折り回転体対間に当接させるまでの所要時間と、折られていないシートに接する前記シート折り回転体対の回転体の接触部から、前記シート折り回転体対の回転方向の、当該回転体の外周に沿った当該回転体の半径に相当する長さ分だけ離れた位置が前記シート折り回転体対の回転体同士の接触位置に到達するまでの所要時間とが同じになるように形成されている、
    ことを特徴とするシート折り装置。
  3. 前記シート折り回転体対が、ローラであり、前記ローラの外周の長さが、前記折られたシートの長さより短く設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート折り装置。
  4. 前記運動変換機構が、前記シート突き部材が前記シートから離れたとき、前記シート突き部材を一旦停止させるゼネバ機構を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート折り装置。
  5. シートに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを折る請求項1乃至の内、いずれか1項に記載のシート折り装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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