JP2001240303A - シート束綴じ装置とこの装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

シート束綴じ装置とこの装置を備えた画像形成装置

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JP2001240303A
JP2001240303A JP2000054838A JP2000054838A JP2001240303A JP 2001240303 A JP2001240303 A JP 2001240303A JP 2000054838 A JP2000054838 A JP 2000054838A JP 2000054838 A JP2000054838 A JP 2000054838A JP 2001240303 A JP2001240303 A JP 2001240303A
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久 長田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 綴じるシートに、浮き上がっているシート
や、カールしているシートがあっても、シートの端部が
揃った状態にしてシート束を綴じることができるように
する。 【解決手段】 シート束綴じ装置200は、搬送されて
くるシートが束状に積載されるシート束積載手段8と、
シート束積載手段に積載されたシート束を綴じるシート
束綴じ手段30と、シート束積載手段に積載されたシー
ト束の搬送方向の下流端部を前記シート束の厚み方向か
ら挟圧するシート束挟圧手段201と、を備え、シート
束挟圧手段がシート束を挟圧する位置を、シート束綴じ
手段のシート束綴じ位置を通ってシート束の搬送方向の
下流端と平行な直線の近傍の領域としてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートを綴じるシ
ート束綴じ装置と、このシート束綴じ装置を本体に備え
た複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合
機器等の画像形成装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シート束綴じ装置は、例えば、画
像形成装置の本体から搬送されてくるシートを、シート
束積載手段で順次受け止めて束状にし、シート束綴じ手
段によって綴じるようになっている。
【0003】なお、シートには、普通紙、普通紙の代用
品である樹脂製のもの、厚紙等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シート束積載
手段に積載されるシートには、浮き上がっているシート
や、カールしているシートがある。このようなシート
は、他のシートとともに、シート束積載手段によって綴
じられると、他のシートと揃わず、シート束端部の不揃
いの原因になっていた。
【0005】また、浮き上がっているシートや、カール
しているシートは、シート間に隙間が生じ、シート束積
載手段に積載されるシートの枚数を減少させ、シート束
のシート枚数を少なくする原因になっていた。
【0006】さらに、綴じたシート束を排出するとき、
シート束積載手段の搬送ガイド(側壁)にシート束が引
っかかり、シート束の端部が折れたり、曲がったりする
ことがあった。
【0007】本発明は、綴じるシートに、浮き上がって
いるシートや、カールしているシートがあっても、シー
トの端部が揃った状態にしてシート束を綴じることので
きるシート束綴じ装置と、このシート束綴じ装置を備え
た画像形成装置とを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のシート束綴じ装置は、搬送されてくるシートが束状
に積載されるシート束積載手段と、前記シート束積載手
段に積載されたシート束を綴じるシート束綴じ手段と、
前記シート束積載手段に積載された前記シート束の搬送
方向の下流端部を前記シート束の厚み方向から挟圧する
シート束挟圧手段と、を備え、前記シート束挟圧手段が
前記シート束を挟圧する位置を、前記シート束綴じ手段
のシート束綴じ位置を通って前記シート束の搬送方向の
下流端と平行な直線の近傍の領域としてある。
【0009】上記目的を達成する本発明のシート束綴じ
装置は、搬送されてくるシートが束状に積載されるシー
ト束積載手段と、前記シート束積載手段に積載されたシ
ート束を綴じるシート束綴じ手段と、前記シート束積載
手段に積載された前記シート束の搬送方向の下流端部を
前記シート束の厚み方向から挟圧するシート束挟圧手段
と、を備え、前記シート束挟圧手段が前記シート束を挟
圧する位置を、前記シート束綴じ手段のシート束綴じ位
置を通って前記シート束の搬送方向の下流端と平行な直
線と前記下流端との間の領域としてある。
【0010】前記シート束挟圧手段は、前記シート束積
載手段に前記シートが積載される間に、前記シートを挟
圧するようになっている。
【0011】前記シート束挟圧手段は、前記シート束綴
じ手段が前記シート束を綴じるとき、前記シート束を挟
圧するようになっている。
【0012】前記シート束挟圧手段は、前記シート束積
載手段に前記シートが積載されるとき前記シート束積載
手段から離れた位置に待機可能になっている。
【0013】前記シート束挟圧手段は、綴じられたシー
ト束を前記シート束積載手段から排出可能になってい
る。
【0014】前記シート束挟圧手段は、前記シート束積
載手段上のシート束を挟圧して、当該シート束を綴じ位
置に搬送可能な1対の回転体を有している。
【0015】前記1対の回転体は、綴じられたシート束
を前記シート束積載手段から排出する方向に回転可能に
なっている。
【0016】上記目的を達成する画像形成装置は、シー
トに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段
によって画像が形成されたシート束を綴じる上記いずれ
か1つのシート束綴じ装置と、を備えている。
【0017】(作用)本発明のシート束綴じ装置におい
て、シート束積載手段は、搬送されてくるシートを受け
取って束状にする。シート束綴じ手段は、シート束積載
手段に積載されたシート束を綴じる。シート束挟圧手段
は、シート束積載手段に積載されるシートを挟圧する。
シート束挟圧手段は、浮き上がったシートや、カールし
たシートがあっても、シート束綴じ手段のシート束綴じ
位置を通ってシート束の搬送方向の下流端と平行な直線
の近傍の領域を挟圧し、シートの下流端が不揃いになら
ないようにする。
【0018】本発明のシート束綴じ装置において、シー
ト束積載手段は、搬送されてくるシートを受け取って束
状にする。シート束綴じ手段は、シート束積載手段に積
載されたシート束を綴じる。シート束挟圧手段は、シー
ト束積載手段に積載されるシートを挟圧する。シート束
挟圧手段は、浮き上がったシートや、カールしたシート
があっても、シート束綴じ手段のシート束綴じ位置を通
ってシート束の搬送方向の下流端と平行な直線とシート
束の下流端との間の領域を挟圧し、シートの下流端が不
揃いにならないようにする。
【0019】シート束挟圧手段が、シート束積載手段に
シートが積載される間に、シートを挟圧するようになっ
ていると、浮き上がったシートや、カールしたシートが
あっても、シート間の隙間が無くなり、シート束積載手
段に多数枚のシートが積載される。
【0020】シート束挟圧手段が、シート束綴じ手段が
シート束を綴じるとき、シート束を挟圧するようになっ
ていると、シート綴じ手段が綴じる位置にずれが生じる
ことなく、シート束を綴じる。
【0021】シート束挟圧手段が、シート束積載手段に
シートが積載されるときシート束積載手段から離れた位
置に待機するようになっていると、シート束積載手段に
シートが積載されやすくなる。
【0022】シート束挟圧手段が、綴じられたシート束
をシート束積載手段から排出するようになっていると、
シート束積載手段上で、連続してシート束が綴じられ
る。又、他の装置、例えば、シート折り装置のシート束
受け入れ機構と兼用可能になる。
【0023】シート束挟圧手段が、シート束積載手段上
のシート束を挟圧して、当該シート束を綴じ位置に搬送
可能な1対の回転体を有していると、シート束積載手段
に積載されたシートは、1対の回転体に挟まれて、綴じ
られる位置に確実に移動させられる。
【0024】1対の回転体が、綴じられたシート束をシ
ート束積載手段から排出する方向に回転可能であると、
シート束積載手段に積載されて綴じられたシート束は、
1対の回転体に挟まれて排出される。このため、シート
束積載手段上で、連続してシート束が綴じられる。
【0025】なお、特許請求の範囲における直線とは、
仮想直線であり、実際に直線が存在するものではない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。
【0027】(複写機の本体)本発明に係るシート綴じ
装置200を内在したシート後処理装置を備えた画像形
成装置の一例である複写機20の本体1を、図15に基
づいて説明する。
【0028】複写機20の本体1には、原稿載置台とし
てのプラテンガラス906、光源907、レンズ系90
8、給紙部909、画像形成部902等が備えられてい
る。本体1の上部には、原稿Dをプラテンガラス906
に自動的に給送する原稿自動給送装置940が設けられ
ている。
【0029】給紙部909は、記録用のシートSを収納
して本体1に着脱自在なカセット910,911、及び
ペデイスタイル912に配置されたデッキ913を有し
ている。画像形成部(画像形成手段)902には、円筒
状の感光ドラム914、その周囲に配設された現像器9
15、転写用帯電器916、分離帯電器917、クリー
ナ918、一次帯電器919等を備えている。画像形成
部902の下流側には、搬送装置920、定着装置90
4、排紙ローラ対1a,1b等が配設されている。
【0030】この複写機20の本体1内の各機構の動作
を説明する。
【0031】本体1に設けられている制御装置921か
ら給紙信号が出力されると、カセット910,911ま
たはデッキ913からシートSが給送される。一方、プ
ラテンガラス906に載置されている原稿Dに、光源9
07から当てられて反射した光は、レンズ系908を介
して感光ドラム914に照射される。感光ドラム914
は、あらかじめ一次帯電器919により帯電されてお
り、光が照射されることによって静電潜像が形成され、
次いで現像器915により静電潜像を現像してトナー像
が形成される。
【0032】給紙部909から給送されたシートSは、
レジストローラ901で斜行が補正され、さらにタイミ
ングが合わされて画像形成部902へ送られる。画像形
成部902では、感光ドラム914のトナー像が、送ら
れてきたシートSに転写用帯電器916によって転写さ
れる。トナー像が転写されたシートSは、分離帯電器9
17によって転写用電器916と逆極性に帯電されて、
感光ドラム914から分離される。
【0033】分離されたシートSは、搬送装置920に
より定着装置904に搬送されて、定着装置904によ
りシートSに転写画像が永久定着される。画像が定着さ
れたシートSは、排紙ローラ対1a,1bにより本体1
から外部に排出される。
【0034】このようにして、給紙部909から給送さ
れたシートSには、画像が形成されて、シート後処理装
置2に排出される。
【0035】(シート後処理装置) (シート後処理装置のシート受け入れ、整合部分)図1
において、シート後処理装置(別名「フィニッシャ」)
2は、複写機の本体1の側部に設けられている。
【0036】複写機20の本体1に設けられた、排紙ロ
ーラ1aと、排紙ローラ1aに押圧されている排紙ロー
ラ1bは、排紙ローラ対を構成している。搬送ガイド対
3は、複写機20の排紙ローラ対1a,1bから排出さ
れたシートを受け取り、シート後処理装置2内に案内す
る。シート検知センサ4は、搬送ガイド3内を搬送され
るシートを検知するようになっている。このシート検知
センサ4のシート検知によって、整合タイミングなどを
決定するとともに、搬送ガイド3内でシートが詰まって
いないか(ジャムしていないか)否かを検知する働きも
するようになっている。排出ローラ対6は、回転して搬
送ガイド3内のシートを挟持して搬送するようになって
いる。
【0037】処理トレイ8は、排出ローラ対6によって
次々と排出されるシートを受け取って、積載するように
なっている。この処理トレイ8には、排出ローラ対6に
よって排出されるシートの幅の両端をガイドして幅寄せ
整合する一対の整合板9が設けられている。この整合板
9,9は、図2に示すように、シート搬送方向と交差す
る幅方向両端側に夫々配置してある。各整合板9,9
は、処理トレイ8の下方に配置されたステッピングモー
タからなる整合モータ14の軸に設けられたピンオン1
5に噛合する、整合板9と一体のラック16を有し、手
前側の整合モータ14と奥側の整合モータ14の回転に
よって、シート幅方向に適宜に移動するように処理トレ
イ8に設けられている。
【0038】(シート後処理装置に装備されたシート綴
じ装置)シート綴じ装置200は、処理トレイ(シート
束積載手段)8、ステープルユニット(シート束綴じ手
段)30、シート束挟圧機構(シート束挟圧手段)20
1等で構成されている。
【0039】図1において、搬入ガイド7は、排出ロー
ラ対6から排出されるシートを処理トレイ8内に案内す
るガイドである。搬入ガイド7の下方には、パドル17
が設けられている。このパドル17は、シートの搬入を
確実にするため、一定の弾力を備えたゴム材などから半
円状に形成されて、シートの上面に接し、軸17aを中
心にして回転するようになっている。また、パドル17
は、軸17aを中心にして、放射状に延びるフイン17
bと、パドル表面17cとが一体に成形されている。パ
ドル17は、シートが処理トレイ8に収積されるに従っ
て容易に変形し、シートに適切な搬送力を与えるように
なっている。
【0040】この処理トレイ8には、さらに、図1にお
いて、左右に第1プーリ軸10aに設けられた第1プー
リ10と、第2プーリ軸11aに設けられた第2プーリ
11とが配設されている。この第1プーリ10と第2プ
ーリ11には移送ベルト12が張設され、この移送ベル
ト12の外周の一部には押し出し爪13が突設されてい
る。
【0041】また、第1プーリ軸10aには、搬送下ロ
ーラ18が同軸状に設けられている。搬送下ローラ18
の上方には、搬送上ロ一ラ19が、搬送下ローラ18に
圧接する位置(図1において点線の位置)と、搬送下ロ
ーラ18から離れた離間位置(図1実線)との間で移動
するように設けられている。
【0042】図13に、シート束挟圧機構(シート束挟
圧手段)201を示す。搬送上ローラ19の上下動は、
カム中心軸183aと同軸上に設けられた不図示のステ
ッピングモータによりカム183がカム中心183aを
中心に回動し、駆動リンク184が回動する。また、駆
動リンク184はリンク中心軸184aを支点に回転
し、駆動リンク184に設けられたアーム184bによ
り、従動リンク185を押圧する。従動リンク185に
は、搬送上ローラ19の回転中心であるシャフト186
が取り付けられている。従動リンク185が回転中心軸
185aを中心に回動するようになっている。従動リン
ク185は、常時、ばね187に引っ張られており、反
時計方向に付勢されて、搬送上ローラ19を搬送下ロー
ラ18から離間させて、搬送上ローラ19がカールした
シート、浮き上がったシートPに干渉しないようになっ
ている。
【0043】これら、カム183、駆動リンク184、
従動リンク185、搬送上ローラ(回転体)19、搬送
下ローラ(回転体)18、ばね187等は、シート束挟
圧機構(シート束挟圧手段)201を構成している。
【0044】ストッパ21は、処理トレイ8に排出ロー
ラ対6によって排出され自重で落下し、さらにパドル1
7に回転によって移動するシートの端部を受け止めて規
制するようになっている。このストッパ12は、第1プ
ーリ軸10aにその一端が軸承され、常時、シート端部
を規制する位置に図示しないばねなどで突き出すように
なっている。
【0045】ステープラユニット(シート束綴じ手段)
30は、図1において2点鎖線で示すようにユニット化
されており、シート後処理装置2から引き出すことがで
きるようになっている。このステープラユニット30
は、搬送通路を挟んで下方側に不図示の針カートリッジ
を有する針打ち込みヘッドユニット31と、上方にこの
針打ち込みヘッドユニット31から打ち出される針を折
り曲げるアンビルユニット33とを有している。針打ち
込みヘッドユニット31及びアンビルユニット33はシ
ート搬送方向(図1の右側から左側)と交差する方向
(紙面の表裏方向)に移動可能となっている。案内ロッ
ド33、34は、夫々アンビルユニット32、打ち込み
ヘッドユニット31のシート搬送方向と交差する方向へ
の移動(シフト移動)を案内するように上下に設けられ
ている。スクリュー軸35、36は、アンビルユニット
32、打ち込みヘッドユニット31のシフト移動を行う
ねじ軸である。また、アンビル駆動軸37及びヘッド駆
動軸38は、アンビルユニット32及び打ち込みヘッド
ユニット31に夫々に針打ち込み動作、針折曲げ動作を
行わせるための駆動軸である。搬送ガイド39は、ステ
ープラユニット30内を搬送されるシート束を案内する
ようになっている。
【0046】なお、アンビルユニット32は、アンビル
駆動軸37を中心に、図5中、矢印方向に回転する不図
示の針受けで針を受け止めて折り曲げるようになってお
り、アンビルユニット32全体は回動するようになって
いない。
【0047】(シート後処理装置の折りユニット(シー
ト折り装置))シート束の折りユニット50は、図1に
おいて、2点鎖線で示すように、ユニット化され、ステ
ープラユニット30と同様に、シート後処理装置2から
引き出し可能になっている。シートの束搬送ガイド53
は、ステープラユニット30の入ロ側に位置する搬送上
ローラ19と搬送下ローラ18に挟まれて搬送されてく
るシート束を案内するようになっている。束搬送上ロー
ラ51は、折りユニット50の入ロ側に設けられてい
る。搬送下ローラ52は、この束搬送ローラ対51に対
向して配置されている。束搬送上ローラ51は、束搬送
下ローラ52に対して押圧した位置(図1の実線の位
置)と離間した位置(図1の1点鎖線の位置)との問を
移動するようになっている。束搬送上ローラ51は、ス
テープラユニット30の入ロ側に位置する搬送上ローラ
19と搬送下ロ一ラ18によってシート束の先端部分が
束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52を通過するま
で、搬送下ローラ52から離間した状態(図1の1点鎖
線の位置)になっており、その後、束搬送下ローラ52
に接する位置(図1の実線の位置)に移動するようにな
っている。
【0048】シート束の端部を検知する束検知センサ5
4は、シート束の先端を検知すると、束搬送上ローラ5
1を束搬送上ローラ52に押圧させるとともに、シート
束の搬送方向の折り位置を設定制御するのに使用される
ようになっている。突き板55は、先端の板厚が0.2
5mm程度のステンレス製の板である。折りローラ対5
7a,57bは、シート束搬送方向と交差する方向に伸
びる円柱状のローラであり、互いに押圧する方向に付勢
されて夫々回転するようになっている。
【0049】突き板55は、折りローラ対57a,57
bのほぼ真上に位置し、折りローラ対57a,57bの
ニップの近傍までその先端エッジが移動する。
【0050】折りローラ対57a,57bの上方の周囲
には、搬送ガイド53とともにシート束の搬送を案内す
るほぼ円弧状のバックアップガイド59a,59bが設
けられている。このバックアップガイド59a,59b
は、突き板55の上下移動と連動して、突き板55の先
端エッジが折りローラ対57a,57bのニップ近傍ま
で移動したとき、折りローラ対57a,57bのシート
束に対する周面を開放するように移動するようになって
いる。シート束の案内ガイド56は、束搬送上ローラ5
1と束搬送下ローラ52に挟まれて搬送されるシート束
を下方側に案内し、シート束の先端部(下流端部)がシ
ート束通路58に垂れ下がるようにしている。束排出ロ
ーラ対60a,60bの内、符号60aで示すローラは
駆動ローラであり、符号60bで示すローラは従動ころ
である。
【0051】折りシート束の束排出スタッカ80は、折
りローラ対57a,57bの折り動作によって折られ
て、排出されたシート束をスタックするようになってい
る。折りシート押さえ81は、束排出スタッカ80内に
排出されるシート束をばね又は自重によって押さえるよ
うになっている。シート束通路58は、シート後処理装
置2のフレームと束排出スタッカ80との間に、シート
束の移動可能な空間として形成されている。
【0052】昇降トレイ90は、シート後処理装置2の
フレームに沿って上下方向に昇降して、図1中の実線の
位置と2点鎖線の位置との間を移動するようになってい
る。昇降トレイ90は、昇降トレイ支持部92を昇降ト
レイモータ155(図12参照)などの駆動手段によっ
て回転移動するベルトの一部に係合して昇降することが
できるようになっている。紙面センサ93は、昇降トレ
イ90上のシート最上面を検知するようになっている。
後端ガイド94は、垂直方向に昇降移動する昇降トレイ
91上のシートの後端をガイドするようになっている。
補助トレイ91は、昇降トレイ90に引き出し可能に設
けられ、大サイズシートなどを収積するときに、引き出
した状態で使用されるようになっている。
【0053】シート後処理装置2の処理トレイ8、ステ
ープラユニット30の折りユニット50の詳細な各構成
について、図2以下を参照して説明する。
【0054】図2は処理トレイ8部分の平面図である。
第1プーリ10と第2プーリ11は移送ベルト12を張
設して、シート幅方向の略中央の両側に位置している。
第1プーリ軸10a上には、搬送下ローラ18がシート
幅方向の略中央の両側に2箇所ずつ設けられている。こ
の搬送下ローラ18はタイヤ形式の中空ローラである。
【0055】第1プーリ軸10a上には上述のように移
送ベルト12を回転する第1プーリ10が2つ配置され
ている。第1プーリ10は、第1プーリ10と第1プー
リ軸10aとの間に介在するワンウェイクラッチ75に
よって、図1において、第1プーリ軸10aの反時計方
向の回転で駆動回転し、時計回りの方向への回転では駆
動が切断され停止するようになっている。第1プーリ軸
10aは、第1プーリ軸10aに固着されたプーリ7
3、タイミングベルト74、ギアプーリ72,71を介
して、搬送駆動源としてのステッピングモータ70のモ
ータ軸70aに連結されている。
【0056】従って、ステッピングモータ70が処理ト
レイ8上のシートを図1のステープル方向(図1、図2
矢印B方向)に移動する方向に回転するとき、第1プー
リ軸10aに固着されている搬送下ローラ18は回転駆
動されているが、移送ベルト12には、ワンウェイクラ
ッチ75よって駆動力が伝達されず移送ベルト12は、
停止状態にある。ステッピングモータ70は、シートを
昇降トレイ90の方に移動するように回転すると、搬送
下ローラ18、及び移送ベルト12はともに昇降トレイ
90の方向(図1、図2矢印A方向)に回転する。
【0057】この移送ベルト12を、図3に基づいて説
明する。第1プーリ軸10aにワンウェイクラッチ75
を介在した第1プーリ10と第2プーリ11とに張設さ
れた移送ベルト12には、押し出し爪13が設けられて
いる。この押し出し爪13のホームポジション(図3の
HPの位置)位置出しを行うため、この押し出し爪13
に係合する押し出し爪13の押し出し爪センサ76と押
し出し爪検知アーム77が処理トレイ8の下面に設けら
れている。押し出し爪13が移送ベルト12によって移
動されて、押し出し爪検知アーム77を押し、押し出し
爪センサ76がOFFからONに切り変わったところを
ホームポジション(HP)とする。このときの位置関係
を図3示す。搬送下ローラ18と搬送上ローラ19のニ
ップをPとすると、ニップPからストッパ21までの長
さをLl、ニップPから押し出し爪13までの搬送ベル
ト12に沿った長さをL2とすると、(Ll<L2)に
設定してある。また、搬送上ローラ19は、カム18
3、駆動リンク184及び従動リンク185によって上
下方向に作動するようになっており、搬送下ローラ18
に接触してニップを形成するようになっている。
【0058】図示していないカム等の作動により、搬送
上ローラ19を搬送下ローラ18側に下降して押圧す
る。その後、搬送ステッピングモータ70を回転し、第
1プーリ回転軸10aを反時計回り方向に(図1、図2
の矢印A方向)に回転させると、搬送下ローラ18が回
転して、シート束も昇降トレイ90の方(矢印A方向)
へ移動する。
【0059】なお、搬送上ローラ19も不図示のベルト
及びギアを介してステッピングモータ70(図2参照)
に連動し、ステッピングモータ70よって回転するよう
になっている。従って、シート束は、ステープラユニッ
ト30側に入り込んだストッパ21の位置から、搬送下
ローラ18と搬送上ローラ19の回転により、矢印A方
向へ移動するが、ニップ位置Pを過ぎると、今度は移送
ベルト12の回転に伴ってシート束の端部の押し出し爪
13へ搬送を受け渡す。この受け渡しのとき(図13)
浮き上がったシート、カールしたシートPがあると、押
し出し爪13へ受け渡す前に搬送ガイド内での他の部品
に引っかかってしまうため、搬送上ローラ19は浮き上
がったシート、カールしたシートPを押さえながら搬
送、あるいは排出する役目を有している。
【0060】次に、この押し出し爪13によって各図A
矢印方向に押されながら昇降トレイ90に搬送される。
この場合、前述の長さ関係が(Ll<L2)になってい
るので、押し出し爪13は、シート束の下方側(図3に
おいて右端側)から押し上げることになり、常に、垂直
状態でシート束端部を押し出すことになる。これによっ
て、シート束の移送の際に余分なストレスなどが発生し
ないようになっている。
【0061】以上の押し出し爪13の動作は、図3にお
いて、HPの位置から反時計方向に移動してストッパ2
1の位置にあるシート束を押し出す場合であって、通常
は、ステープラユニット30によって、綴じ処理を行う
場合に設定されている。
【0062】一方、処理トレイ8に搬入されてくるシー
トを、ステープラユニット30によって綴じ処理しない
場合には、ストッパ21の位置までシート束を搬入移動
する必要がないので、予め搬送ステッピングモータ70
を駆動して押し出し爪13を、図3のHP位置から、搬
送下ローラ18と搬送上ローラ19のニップ点よりも昇
降トレイ90の方向に移動待機位置((L2+α)分の
移動待機位置、図3のPreHP位置)に移動させてお
く。この(L2+α)分はステッピングモータ70のス
テップ数カウントで設定できる。従って、本シート後処
理装置2は、綴じ処理が不要なシートの場合、シートを
ストッパ21まで移送させることなく、予め、押し出し
爪をPreHPの位置に移動し、スタックしてから昇降
トレイ90に束にしてから押し出すことができるので、
処理速度の速い複写機本体に対応することができる。
【0063】なお、図3に示すように、押し出し爪13
のPreHPの位置が、搬入ガイド7と押し出し爪13
の上端とがオーバラップする位置であると、1枚ずつ搬
入されてくるシートは押し出し爪13の上方を乗り越え
ることなく、確実にPreHPの位置における押し出し
爪13の位置に収積スタックされる。このようにする
と、その後、押し出し爪13は、シート束を、昇降トレ
イ90に速やかに排出することができる。
【0064】(ステープラユニットの詳細な説明)図
4、図5において、ステープラユニット30は、左右の
ユニットフレーム40,41と、そのフレーム40,4
1間に設けられたガイドロツド33,34、スクリュー
軸35,36、駆動軸37,38と、上方にアンビルユ
ニット32、下方に打ち込みヘッドユニット31を有し
ている。スクリュー軸36に打ち込みヘッドユニット3
1が係合しており、スクリュー軸36の回転によってヘ
ッドユニット31は図4において左右方向に移動するよ
うになっている。アンビルユニット32も同様な取付構
成になっている。スクリュー軸36はユニットフレーム
41外のギアを介してステープラスライドモータ42に
連続している。このステープラスライドモータ42の駆
動は、タイミングベルト43によってアンビルユニット
32にも伝達される。このため、ヘッドユニット31と
アンビルユニット32は上下位置がズレることなくシー
ト搬送方向と交差する方向(図4の左右方向)に移動す
る。
【0065】従って、シートの幅に応じて、ステープラ
スライドモータ42を駆動して、ヘッドユニット31、
アンビルユニット32を所定の位置に移動するようにコ
ントロールすると、任意の位置にスラール針を自由に打
ち込むことができる。
【0066】また、ヘッドユニット31内にある図示し
ない針を打ち込むヘッドの移動、針の移動及びアンビル
ユニット32内にある針の折げ移動などの駆動力は、シ
ート後処理装置2側からカップリング装置44で受ける
ようになっており、ユニットフレーム40側でタイミン
グベルト45によってアンビルユニット32側にも伝達
されている。移動アーム23(図5参照)とストッパ2
1は、連結ピン23c、連結レバー22、連結ピン21
aによって、連結されている。ストッパ21はプーリ軸
10aに軸承されている。
【0067】図4、図5に基づいて、ヘッドユニット3
1のシート幅方向への移動によって、シート束の端部に
針打ち込み位置を設定するストッパ21のステープルパ
ス通路への出没移動構成を説明する。図4の打ち込みヘ
ッドユニット31の下方には、ストッパ21を移動アー
ム23と係合可能なストッパ係合突起24が設けられて
いる。ヘッドユニット31の移動によって、ストッパ係
合突起24が移動アーム突起23bに係合することによ
って、図5に示すようにこの移動アーム23は、回動軸
23aを中心として反時計方向に回転して2点鎖線の位
置に移動する。従って、ストッパ21はヘッドユニット
31、アンビルユニット32のシート幅方向移動に何ら
妨げとなることがない。
【0068】(折りユニットの詳細な説明)折りユニッ
ト50を図6乃至図11に基づいて説明する。
【0069】図6は、折りユニット50の折りユニット
フレーム49の図である。折りユニット50はシート後
処理装置2に引き出し可能に設けられているので、図6
の奥側のフレームも同様な形状に形成されている。この
折りユニット50の折りユニットフレーム49には、折
りローラ57aの回転軸としての折りローラ駆動軸61
が設けられている。一方の折りローラ57bの駆動軸6
2は、軸69bを支点として回動する折りローラホルダ
63に取付られている。折りローラホルダ63と折りユ
ニットフレーム49との間には、約5kgの引っ張り力
を有する引張スプリング67が張設されている。折りユ
ニットフレーム49には、折りローラ駆動軸62の折り
ローラホルダ63による移動を許容する孔すなわちフレ
ームガイド64が形成してある。
【0070】従って、折りローラ対57a,57bによ
って、シート束を折って搬送するとき、このシート束に
対して一定の圧力を引張スプリング67で付与すること
ができ、確実な折り動作を行うことができる。
【0071】折りユニットフレーム49には、突き板5
5を支持する支持ホルダ110に立設したころ66,6
6の移動を案内する長孔としての突き板フレームガイド
65が形成されている。この突き板フレームガイド65
によって突き板55が折りローラ対57a,57bに向
けて移動できるようになっている。
【0072】折りユニットフレーム49には、さらに、
突き板55を移動させるカム板114を回転可能に軸支
する駆動軸111が設けられている。
【0073】また、折りユニットフレーム49には、シ
ート束を折りユニット50内に搬送する束搬送上ローラ
51の上ローラ軸101及び束搬送下ローラ52の下ロ
ーラ軸103も備えられている。折りユニットフレーム
49には、束搬送上ローラ51をシート束が折りユニッ
ト50内に搬入されて来るまで、束搬送下ローラ52か
ら離間した位置に位置させる機構が設けられている。
【0074】束搬送ローラ対51,52の上ローラ軸1
01は軸受ホルダ102に支持されている。この軸受ホ
ルダ102の一端にはカムフォロア112が立設されて
いる。このカムフォロア112は折りユニットフレーム
49に回転可能に取付られた上ローラ移動カム68に係
合している。また、軸受ホルダ102の他端と下ローラ
軸103との間には、約300gの張力を有する引張り
スプリング104が張設してある。この引っ張りスプリ
ング104は、常時、束搬送上ローラ51を束搬送下ロ
ーラ52側に付勢している。上ローラ移動カム68の回
転により、軸受ホルダ102は、引っ張りスプリング1
04に抗して、或いは引っ張られて昇降し、束搬送上ロ
ーラ51を束搬送下ローラ52から離間した位置と圧接
する位置とに移動させるようになっている。
【0075】図7は折り動作を行う機構を示した図であ
って、図6に示された折りユニットフレーム49の内側
に設けられている。
【0076】折りローラ57aの回転軸61は、図7
中、記載されていないゼネバ機構によって、連続回転動
作を間欠動作にして、カム駆動軸111を回転させる。
【0077】カム駆動軸111にはカム板114が固設
されていて、この軸111の回転に従ってカム板114
が回転駆動される。このカム板114には、軸113を
支点として回動可能な作動アーム115のほぼ中央に立
設されたカムフォロア116がカム板114のカム溝1
14bに入り込んでいる。作動アーム115の先端側に
は突き板55が支持ホルダ110を介して取付られてい
る。
【0078】従って、カム板114が回転駆動すること
によって、作動アーム115も昇降動作を行い、作動ア
ーム115に取り付けられている突き板55も昇降動作
を行う。シート束を押圧する突き板55の板厚は約0.
25mmのステンレス材で形成されている。次に、突き
板55を支持する支持ホルダ110は、折りローラ対5
7a,57bの周囲をガイドするバックアップガイド5
9a,59bに連動している。
【0079】バックアップガイド59a,59bは、シ
ート搬送方向を交差方向に伸びる円柱状の折りローラ対
57a,57bの外周面を覆うように配置され、折りロ
ーラ対57a,57bの軸61,62を中心にして折り
ローラ対57a,57bの外周面に対して回動可能にな
っている。
【0080】このバックアップガイド59a,59bの
外周端には、夫々レバー片119,120が設けられて
いる。このバックアップガイド59a,59bは,互い
にプリング121で牽引されている。レバー片119,
120は、支持ホルダ110の二股に分かれた作動片1
17,118に当接支持されている。従って、バックア
ップガイド59a,59bは、図7(a)の状態にある
とき、折りローラ対57a,57bの搬送通路側の外周
面を覆う位置にあり、シート束を折りローラ対57a,
57bのゴム表面に充分に接する状態にして案内するこ
とができ、さらに、シート束をバックアップする(支え
る)ガイドとしても機能している。なお、バックアップ
ガイド59a,59bは、通常は束搬送ガイドとともに
シート束の下側搬送ガイドとしても機能する。
【0081】シート束の折り動作を行うときは図7
(b)のように、支持ホルダ110の作動片117,1
18の下降に応じて、レバー片119,120を押し上
げる。この結果はバックアップガイド59a,59b
は、プリング121に抗して、軸61,62を中心に回
動しシート束に折りローラ対57a,57bの外周面が
確実に当接するようになっている。
【0082】折りユニット50の駆動伝達系について説
明する。駆動伝達系は、図8、図9に示す束搬送上ロー
ラ51、束搬送下ローラ52の回転及び離接系と、図1
1に示す折りローラ対57a,57及び突き板55移動
の駆動伝達系とに分けられる。これらの伝達系はいずれ
も図6に示す折りユニットフレーム49の奥側のフレー
ムに設けられている。
【0083】図8、図9に示す束搬送上ローラ51、搬
送下ローラ52への駆動系は、シート後処理装置2側に
設けられた正逆転可能な搬送モータ162からギア12
7,128を介して,折りユニット50側のギアプーリ
129に入力される。このギアプーリ129と上ローラ
移動カム68を駆動する軸113との間にはワンウェイ
クラッチ123を介在してあるので、ギアプーリ129
の一方向回転(図8の矢印と反対方向の回転)のみで上
ローラ移動カム68は回転し、束搬送上ローラ51の上
下移動を行う。ギアプーリ129からの駆動は、タイミ
ングベルト135を介して、束搬送上ローラ軸101及
び下ローラ軸103にプーリ130,131によって伝
達される。なお、プーリ130,131と軸101,1
03との間にはワンウェイクラッチ124,125が介
在しており、プーリ130,131(図8の矢印方向)
の駆動によって軸101,103が回転駆動される。さ
らに、アイドルプーリ132,133を介して束排出も
ローラ60を回転駆動するようにタイミングベルト13
5が張設されている。
【0084】図8のギアプーリ129が矢印方向に回転
すると、束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52はシ
ート束を折りユニット50内に搬送する方向に回転す
る。ギアプーリ129が図示の矢印と反対方向に回転す
ると、前述したように上ローラ移動カム68が回転し、
束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52からの離間
又は圧接される。これらの動作は、図示していないが、
軸113に設けられたフラグ突起をセンサなどで検知し
てコントロールされる。
【0085】図10に示すのは折りローラ対57a,5
7bの駆動伝達系であり、図8、図9に示す駆動系の奥
側のフレームに取付けられている。
【0086】シート後処理装置2側からのステープル/
折りモータ170(図12参照)の駆動はカップリング
装置137で受けるようになっている。なお、図示して
いないが、ステープル/折りモータ170は正転で、図
4のステープラユニットのカップリング装置44を駆動
し、逆転で前記のカップリング装置137を回転するよ
うになっている。
【0087】カップリング装置137からの駆動は、軸
61に設けられたギア138により、折りローラ57a
を回転させる軸62上のギア139に伝達されるととも
に、ギア142にも伝達される。回転力は、このギア1
42から突き板55を移動する作動アーム115を作動
するカム板144を駆動する軸111にギア141に伝
達される。なお、図示していないが、このカム板144
の位置は、軸111に固設されたフラグ突起をセンサで
検知することによって、分かるようになっている。
【0088】次に、図11を参照して折りユニット50
のシートの折り動作について説明する。
【0089】処理トレイ8中のシート束の搬送方向の略
中央にステープル処理(中綴じ)を行うため、束搬送上
ローラ51と、束搬送下ローラ52とが離間した状態で
シートが搬入される。この後、シート束先端が検知さ
れ、シート束の搬送方向中央を割り出たところで綴じ処
理を行う。この後、上ローラ移動カム68(図6参照)
を回転させて束搬送下ローラ52に束搬送上ローラ51
を押圧させて、シート搬送方向の中央が突き板55の直
下にくるまで束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52
を駆動してシート束を搬送させる。このときバックアッ
プガイド59a,59bが折りローラ周面を覆う位置に
あり、また、シート下面側をバックアップしている(支
えている)のでシート束は、スムーズに搬送される。シ
ート束の搬送方向略中央が突き板55の真下に到達する
と、束検知センサ54はそのことを検知して、一旦、束
搬送上ローラ51、束搬送下ロ一ラ52の駆動を停止す
る。この状態でシート束は、図11(a)に示すよう
に、束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52によって
吊り下げられた状態になる。
【0090】これによって、シート束は、自重でシート
束の整列がなされる。シート束が吊り下げられているこ
とによって、突き板55より下流側の部分には、シート
ストッパなどの機構を設けることなく、単にシートパス
を設ければよいことになる。また、突き板55より下流
側の部分が下方側に傾斜しているので、折りユニット5
0及びシート後処理装置2全体をコンパクトにすること
ができる。
【0091】図11(a)の状態にシート束が到達した
段階で、今度は折りローラ駆動軸61が回転駆動する。
折りローラ駆動軸61が回転すると、折りローラ対57
a,57bがともに回転し、またカム板114(図7参
照)も回転して突き板55を折りローラ対57a,57
bのニップまで往復移動させる。折りローラ対57a,
57bは、シート束を折りたたみながら回転して、折り
シート束排出スタッカ80に排出する。
【0092】なお、突き板55がシート束の長さ(L)
の半分の位置(中間部、L/2)を折りローラ対57
a,57b側に押し込むとき、束搬送上ローラ51の上
ローラ軸101と、束搬送下ローラ52の下ローラ軸1
03とが停止しているが、束搬送上ローラ51、束搬送
下ローラ52と軸101,103との間にワンウェイク
ラッチ124,125(図8参照)が介在しているの
で、シート束が、突き板55によって折られている間、
束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52は、シート束
に引っ張られて追従回転し、シート束の折り曲げに支障
を与えるようなことがない。従って、シート束は、折り
ローラ対57a,57bによって、円滑に折り曲げられ
る。その後、再び、束搬送上ローラ51、束搬送下ロー
ラ52が回転することによって、束排出ローラ60a,
60bも回転し、折りシート束を折りユニット50内か
ら折りシート束排出スタッカ80内に排出する。
【0093】(制御回路ブロック図)図12に、シート
後処理装置2の制御に関わる概略ブロック図を示す。制
御ブロック149は、中央演算処理装置(CPU)と、
このCPUが実行する制御手段を予め記憶したROM、
CPUの演算データ及び複写機20の本体1から受信し
た制御データ等を記憶するRAMなどで構成されてい
る。
【0094】この制御ブロック149には、各種の1/
0が設けられている。制御ブロック149側に向いた矢
印を入力側、制御ブロック149から離れる方向に向い
た矢印を出力側とする。
【0095】シートの整合に関連する回路は、シートの
両端を処理トレイ8で整合する整合板9のホームポジシ
ョン(HP)を設定する手前整合HPセンサ151、及
び奥整合HPセンサ152を備えている。整合板9,9
(図2参照)は、最初のシートが処理トレイ8に搬入さ
れるまで、手前整合HPセンサ151、奥整合HPセン
サ152の位置に待機している。手前側の整合モータ1
4は、手前側の整合板9を移動させるパルスモータであ
り、奥側の整合モータ14は、奥側の整合板9を移動さ
せるパルスモータである。夫々の整合モータ14によっ
て、整合板9は移動させられ、シート束の幅に応じた幅
整合を行うことができる。また、整合板9は、シート束
ごとにシート束ごとの搬送方向と交差する方向へのずら
し(ジョブ)も自由に設定できるようになっている。
【0096】次に、昇降トレイ90に関連する回路は、
昇降トレイ90上のシート最上面を検知する紙面センサ
93と、昇降トレイモータ155の回転量をエンコーダ
によって検知する昇降クロックセンサ150と、昇降ト
レイ90の昇降移動範囲を規制する上限スイッチ153
及び下限スイッチ154とを備えている。この回路は、
センサ93,150とスイッチ153,154との入力
信号によって、昇降トレイモータ155を制御して、昇
降トレイ90を駆動するようになっている。
【0097】昇降トレイ90及び折りシート排出スタッ
カ80内に、シート又はシート束が積載されているか否
かの積載シートを検知するのに関連する回路は、昇降ト
レイ90上の有無を検知する昇降トレイ紙センサ156
と、折りシート排出スタッカ80内の検知センサ折りシ
ートスタッカ紙センサ157とを備えている。これらの
センサ156,157は、シート後処理装置の起動前に
シートが残留されている場合や、所定時間経過後にシー
ト束が取り除かれない場合にもオペレータに警告するセ
ンサとしても使用される。
【0098】シート後処理装置2のドアの開放、画像形
成装置20の本体1にシート後処理装置の本体2が的確
に装備されているか否かを検知するドア開閉装置検知に
関連する回路は、前ドアセンサ158と、複写機本体1
にシート後処理2が正確に装着されているか否かを検知
するジョイントスイッチ159とを備えている。
【0099】シート搬送動作及びこのシートを収積した
状態でのシート束搬送動作に関連する回路は、シートが
複写機20の本体1からシート後処理装置2に搬入され
たことを搬送ガイド3上で検知するシート検知センサ4
と、処理トレイ8上のシートの有無を検知する処理トレ
イシート検知センサ160と、処理トレイ8から搬送さ
れてくるシートの搬送方向中央へのステープル針を打ち
込む位置とこのステープル針を打ち込んだ位置と同じ位
置でシートを折り曲げる位置を割り出すために、シート
束の搬送方向先端を検知する中央綴じ位置及び中央綴じ
折り位置センサ95,95と、処理トレイ8上のシート
束を昇降トレイ90側に移送する移送ベルト12に設け
られている押し出し爪13のホームポジション位置を検
知する押し出し爪センサ76と、折りユニット50の入
りロにある束搬送上ローラ51が束搬送下ローラ52か
ら離間した位置のホームポジション位置を検知する束搬
送上ローラHPセンサ161とを備え、各センサからの
信号に基づいて、搬送モータ162とステッピングモー
タ70とを制御するようになっている。搬送モータ16
2の回転力は、搬送ローラ対5、排出ローラ対6、束搬
送上ローラ51、及び束搬送下ロ一ラ52に伝達されて
いる。搬送モータ162の逆回転で束搬送ローラ対51
を移動する上ローラ移動カム68を回動させる。ステッ
ピングモータ70の回転力は、処理トレイ8に配設され
た搬送下ローラ18、搬送上ローラ19、移送ベルト1
2を循環させる第1プーリ10に伝達されている。
【0100】パドル17の制御に関連する回路は、パド
ル17の回転位置を検知するパドルHPセンサ163
と、搬送上ローラ19が搬送下ローラ18から離間した
位置を検知する搬送上HPセンサ164とを備え、各セ
ンサ163,164からの信号に基づいて、パドルモー
タ165を制御するようになっている。
【0101】ステープル/折り動作の制御に関連する回
路は、ステープラユニット30中の打ち込みヘッドユニ
ット31とアンビルユニット32とが夫々針打ち可能で
あることを検知するステープルHPセンサ166と、打
ち込みヘッドユニット31内にステープル針がセットさ
れているか否かを検知する針センサ167と、打ち込み
ヘッドユニット31とアンビルユニット32とのシート
搬送方向移動シフトに際して初期位置(図4の位置)に
あるか否かを検知するステープルスライドHPセンサ1
68と、ステープラユニット30の駆動と折りユニット
50の駆動を正逆転で切り換えるステープル/折りモー
タ170の回転方向を検知するステープル/折りクロッ
クセンサ171と、ステープラユニット30及び折りユ
ニット50が作動可能状態であることを検知する安全ス
イッチ172とを備え、これらのセンサ、スイッチ等に
よって、ステープスライドモータ42、ステープル/折
りモータ170とを制御するようになっている。
【0102】ステープラスライドモータ42は、打ち込
みヘッドユニット31、アンビルユニット32をシート
搬送方向と交差する方向に移動するガイドスクリュー軸
36に回転力を伝達している。ステープル/折りモータ
170は、正逆転駆動の一方向回転でステープラユニッ
ト30のカップリング装置44(図4参照)と、他方回
転で、折りユニット50のカップリング装置137(図
10参照)を駆動するようになっている。
【0103】次に、シート後処理装置2の各処理モード
における動作について説明する。
【0104】基本的な処理モードとして、(1) ノン
ステープルモード:シートを綴じ処理することなく昇降
トレイ90に積載するモードと、(2) サイドステー
プルモード:シートの搬送方向の端部(サイド)に1ケ
所又は複数ケ所を綴じ昇降トレイ90に積載するモード
と、(3) サドルステップモード:シート搬送方向の
シート長さの半分の位置を複数ケ所綴じ、その綴じた位
置でシートを折り曲げて製本し、束排紙スタッカ80に
集積するモードと、の3つがある。
【0105】[(1)ノンステープルモード]このモー
ドが選択されると、まず、制御ブロック149は、移送
ベルト12を循環させるステッピングモータ70を駆動
して、ホームポジション位置(図3、HP位置)にある
押し出し爪13を処理トレイ8上でのシート集積基準位
置であるプレホームポジション(図3、PreHP位
置)に移動させて、停止させる。これと同時に、搬送モ
ータ162を駆動し、搬送ローラ対5、排出ローラ対6
を回転して、複写機20の本体1の排紙ローラ1a,l
bからシートが排出されるのを待つ。シートが排出され
て来ると、搬送ローラ対5、排出ローラ対6は、シート
を処理トレイ8に搬送する。シート検知センサ4はシー
トを検知して、整合板9を移動する整合モータ14,1
4、パドル17を回転するパドルモータ165の起動タ
イミングを計る。
【0106】制御ブロック149は、シートが処理トレ
イ8上に排出されて積載される間に整合モータ14,1
4及びパドルモータ165を駆動する。この駆動によ
り、整合板9,9はシート搬送方向と交わる幅方向に移
動し、シート両端を整合するとともに、パドル17はP
reHP位置で押し出し爪13にシート端部が突き当た
り整列するように回転する。この動作は、シートが夫々
処理トレイ8に排出される度毎に繰り返される。所定枚
数のシートが押し出し爪13に整列されると、制御ブロ
ック149は、搬送モータ162とパドルモータ165
との回転を停止させるとともに、移送ベルト12を駆動
するステッピングモータ70を再始動させる。これによ
ってシート束は昇降トレイ90側(図1、矢印A方向)
に移動する。移動されたシート束は昇降トレイ90上に
積載される。シート束の排出にともなって、制御ブロッ
ク149は、昇降トレイモータ155を昇降トレイ90
が下降する方向に一定量、一旦、下降させ、その後、紙
面センサ93が最上位のシートを検知するまで、上昇方
向に駆動して停止させ、次のシート束が載置されるま
で、待機させる。
【0107】[(2)サイドステープルモード]このモ
ードが選択されると、制御ブロック149は、搬送モー
タ162を駆動し、搬送ローラ対5、排出ローラ対6を
回転させて、複写機20の本体1からシートを処理トレ
イ8に排出し、積載する。また、制御ブロック149
は、シートが排出積載される間に、整合モータ14,1
4及びパドルモータ165を駆動させる。これによりシ
ートは、幅方向両端を整合板9,9で整合されるととも
にシート端部はストッパ21まで移送されて停止され
る。
【0108】搬送上ローラ19は、シートがストッパ2
1に搬送されるとき、上方で待機し、ストッパ21でシ
ートが停止すると、搬送下ローラ18側に移動し、シー
ト或いはシート束を搬送下ローラ18とで挟圧する。こ
れにより、一部分が浮き上がったシート、カールしたシ
ートに対し、何枚か積載されるたび毎に、挟んで、綴じ
る前に、予め、シート束を整合しておく。又、搬送上ロ
ーラ19は、処理トレイ8にシートが積載される度に、
上下動を、綴じられ指定枚数まで繰り返す。この動作
は、シート或いはシート束を上から押さえることによっ
て、処理トレイ8上のシートの積載枚数を増やすことが
できる。
【0109】シート束が、ストッパ21に規制された状
態で、搬送上ローラ19を搬送下ローラ18側に再度移
動させて、シート束を挟み、シート束を固定する。搬送
上ローラ19と搬送下ローラ18は、打ち込みヘッドユ
ニット31、アンビルユニット32の近傍に配置されて
おり、整合に影響の大きいシートのステープラユニット
30近傍のシート間の浮き、シートのカールを押さえる
ことができる。搬送上ローラ19と搬送下ローラ18が
シート束を挟圧する位置は、具体的には、図14に示
す、ステープラユニット30のシート束綴じ位置W,W
を通ってシート束Pの搬送方向の下流端Peと平行な直
線Kの近傍の領域、或いは、直線Kと下流端Peとの間
の領域である。
【0110】なお、搬送上ローラ19と搬送下ローラ1
8を、打ち込みヘッドユニット31、アンビルユニット
32の近傍に配置するため、打ち込みヘッドユニット3
1、アンビルユニット32には、搬送上ローラ19と搬
送下ローラ18とを受け入れる、不図示の凹部が形成さ
れている。
【0111】その後、制御ブロック149は、綴じ処理
を行うため、ステープル/折りモータ170をステープ
ル動作方向に駆動回転させて、打ち込みヘッドユニット
31、アンビルユニット32により綴じ処理を行う。な
お、シート端部の複数位置に綴じ処理を行う場合には、
ステープルスライドモータ42を駆動して移動後、綴じ
処理を行う。
【0112】この綴じ処理が完了すると、綴じ処理後の
シート束を、搬送下ローラ18、搬送上ローラ19、移
送ベルト12をステッピングモータ70によって昇降ト
レイ90側(図1において、矢印A方向)に移動さる。
これによってシート束は、搬送下ローラ18、搬送上ロ
ーラ19から押し出し爪13の順に引き渡され昇降トレ
イ90に積載される。以後の昇降トレイ90の動作は前
述のノンステープルモードと同じなので省略する。
【0113】[(3)サドルステップモード]このモー
ドは、シート搬送方向のシート長さ略中央位置への綴じ
処理と、折り処理とを行なうモードである。画像形成装
置1から排出されるシートを処理トレイ8上に積載する
動作は前述のサイドステープルモードと同様であるの
で、その動作の説明は省略する。
【0114】処理トレイ8上にシートを整合積載した
後、搬送上ローラ19を搬送下ローラ18側に下降し、
搬送上ローラ19と搬送下ローラ18とで、シート束を
挟む。次に、ストッパ21をシート束搬送通路から退避
させ、図1の矢印B方向にシート束を移送するために、
制御ブロック149は、ステープルスライドモータ42
を駆動する。この駆動によって、図4、図5に示すよう
に打ち込みヘッドユニット31のストッパ係合突起24
も移動し、移動アーム23に係合して、ストッパ21が
打ち込みヘッドユニット31、アンビルユニット32の
移動領域から退避する。打ち込みヘッドユニット31、
アンビルユニット32はシート移動方向と支差する方向
の打ち込み設定位置で停止している。引き続いて、制御
ブロック149は、ステッピングモータ70を、ノンス
テープルモードやサイドステープルモードとは逆方向に
回転させる。この駆動によりシート束は昇降トレイ90
とは逆方向(図1、矢印B方向)に移送される。この移
送によって、折りユニット50内にある束検知センサ5
4がシート束の搬送方向先端を検知すると、予め送られ
てきている搬送方向シート長さ情報に基づいて、搬送上
ローラ19と搬送下ローラ18は、シート搬送方向略中
央部を綴じ位置に一致するところまでシート束を搬送し
て停止する。
【0115】なお、ステッピングモータ70が逆方向に
回転した場合、移送ベルト12を張設する第1プーリ1
0と第1プーリ軸10aとの間にワンウェイクラッチ7
5が介在しているので、ステッピングモータ70の回転
力は伝達されずに移送ベルト12及び押し出し爪13は
停止した状態を保っている。
【0116】次に、制御ブロック149は、ヘッド駆動
軸38、及びアンビル駆動軸37を駆動するステープル
/折モータ170をこれらを作動する方向に回転させ
て、綴じ処理を行なう。複数箇所を綴じる場合は、ステ
ープラスライドモータ42を駆動して、スクリュー軸3
5,36の回転によってシート搬送方向と交差する方向
の所定位置に移動した後に綴じ処理を行う。
【0117】なお、この綴じ処理位置にシート束が搬送
されたとき、そのシート束の搬送方向先端側の位置は、
すでに折りユニット50内の束搬送下ローラ52とこれ
から離間している束搬送上ローラ51を通過した位置に
ある。
【0118】綴じ処理完了後、折り処理を行なうには、
まず、図8に示す搬送モータ162を逆転して、図6及
び図9に示す上ローラ移動カム68を回転させる。この
回転により軸受ホルダ102が移動し、束搬送上ローラ
51を束搬送下ローラ52側に下降させ、シート束を引
張りスプリング104で挟む状態にする。
【0119】次に、処理トレイ8中の搬送上ローラ19
をシート束から上昇させ、シート束の挟持を解除する。
今度は、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52を搬
送モータ162によって駆動して、シート束をさらに下
流に搬送する。この搬送時、束検知センサ54の信号と
シート長さ情報から、シート束の搬送方向略中央部、即
ち、綴じ処理位置が折り位置となるように、搬送モータ
162を減速しながら停止する。シート束は、束搬送上
ローラ51と束搬送下ローラ52に挟まれて搬送パス内
に吊り下がった状態になる。
【0120】そして、ステープル/折りモータ170を
綴じ処理とは逆の方向に駆動すると図7(b)に示すよ
うに、折りローラ対57a,57bがシート束を挟む方
向に回転するとともに突き板55が下降する。これと同
時に、バックアップガイド59a,59bもシート束側
の折りローラ周面を開放するように移動する。突き板5
5がシート束を回転する折りローラ対57a,57bに
挟むように移動した後、シート束は折りローラ対57
a,57bに巻き込まれる。続いて、突き板55はシー
ト束から離れる方向に移動するが、シート束はさらに折
りローラ対57a,57bによって折り込まれていく。
この段階で、束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ5
2、及び束排出ローラ60a,60bは搬送モータ16
2によって折りシート束排出スタッカ80の方へシート
束を排出する方向に回転する。一方,折りローラ対57
a,57bは、突き板55が上昇し、突き板Hpセンサ
169で検知されると停止する。束排出ローラ60a,
60bに挟まれて搬送されるシート束は、シート束排出
スタッカ80に排出されて積載される。折られたシート
束は、折りシート押さえ81によって押さえられて開か
ないようにして、次の折りシート束の搬入を妨げないよ
うになっている。
【0121】なお、折り動作が開始されて、シート束が
折りローラ対57a,57bにニップされるまでの時間
の経過後、束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52
から離間するように上昇して次のシート束の搬入に備え
る。
【0122】また、本実施形態のサドルステッチモード
は、綴じ処理と折り処理とを一連で行なうものを示した
が、綴じ処理を行なわず、折り処理のみを行なう場合に
も採用できることは言うまでもない。
【0123】以上説明したように、本発明のシート束綴
じ装置200は、搬送されてくるシートを積載するシー
ト処理トレイ(シート束積載装置)8と、処理トレイ8
上のシート束をとじるステープルユニット(シート束綴
じ手段)30と、シート束挟圧機構(シート束挟圧手
段)201と、シート処理トレイ8に隣接した昇降トレ
イ90とを備え、シート処理トレイ8上のシート束に綴
じ処理を施して昇降トレイ90に移送する第1処理モー
ドと、シート処理トレイ8上のシート束に綴じ処理を施
すことなく昇降トレイ90にシート束を移送する第2処
理モードとを選択的に行えるようになっている。
【0124】さらに、シート束綴じ装置200は、第1
処理モード時において、シート処理トレイ8へのシート
の積載中にシートの整合を確保するシート束挟圧機構
(シート束挟圧手段)201の上下方向(シート束の厚
み方向)からシート束を挟圧する搬送上ローラ19と搬
送下ローラ18との内、搬送上ローラ19が、処理トレ
イ8にシートが積載されるとき上方向へ退避し、次に、
シートが積載されるまでの間に下降し、搬送下ローラ1
8とでシート束を挟持して整合し、その後、所定枚数積
載される度に搬送上ローラ19と搬送下ローラ18とで
シート束を挟持することによって、シート間の浮き防
止、あるいはカールしたシートを押さえて整合性を高め
るようになっている。
【0125】ステープルユニット30の近傍でのシート
間の浮き、あるいはシートの反りに対する対策として、
搬送上ローラ19と搬送下ローラ18とをステープルユ
ニット30の近傍に配置してやることにより、整合性の
向上を確保している。
【0126】シート処理トレイ8に積載されたシート束
をスムーズに排出あるいは搬送するため、搬送上ローラ
19と搬送下ローラ18は、排出、搬送の際に上下方向
から押えて、搬送ガイド内でのシートの折れ、曲がり等
を防止している。
【0127】搬送上ローラ19と搬送下ローラ18は、
シート処理トレイ8にシートが積載されるとき、シート
を上下方向から押えることにより積載可能枚数を増やす
ことができるようにしている。
【0128】さらに、搬送上ローラ19と搬送下ローラ
18は、シート束綴じ処理の際のシート束のずれ防止の
ためのシート固定手段と、ステープルユニット30へシ
ートを搬送するシート搬送手段と、シートを昇降トレイ
90へ搬送するシート搬送手段との3つの手段(カール
シートの押圧、積載トレイ上のシート束の固定、シート
束の搬送)を兼用しているため、部品の簡略化、低コス
ト化を達成することができる。
【0129】
【発明の効果】本発明のシート束綴じ装置は、浮き上が
ったシートや、カールしたシートがあっても、シート束
挟圧手段が、シート束綴じ手段のシート束綴じ位置を通
ってシート束の搬送方向の下流端と平行な直線の近傍の
領域を挟圧するようになっているので、シートの整合性
が向上して、シートの下流端を確実に揃えたシート束を
供給することができる。
【0130】本発明のシート束綴じ装置は、浮き上がっ
たシートや、カールしたシートがあっても、シート束挟
圧手段が、シート束綴じ手段のシート束綴じ位置を通っ
てシート束の搬送方向の下流端と平行な直線と、シート
束の下流端との間の領域を挟圧するようになっているの
で、シートの整合性が向上して、シートの下流端を確実
に揃えた、シート束を供給することができる。
【0131】シート束挟圧手段が、シート束積載手段に
シートが積載される間に、シートを挟圧するようになっ
ていると、浮き上がったシートや、カールしたシートが
あっても、シート間の隙間を無くして、シート束積載手
段に積載されるシートの枚数を多くし、厚みの厚いシー
ト束を作ることができるようになる。
【0132】シート束挟圧手段が、シート束綴じ手段が
シート束を綴じるとき、シート束を挟圧するようになっ
ていると、シート綴じ手段が綴じる位置にずれが生じる
ことがなく、シート束の綴じ位置を正確にすることがで
きる。
【0133】シート束挟圧手段が、シート束積載手段に
シートが積載されるとき、シート束積載手段から離れた
位置に待機するようになっていると、シート束積載手段
にシートが確実に積載されて、シート詰まりが起こるよ
うなことがないとともに、シートの積載枚数を多くし
て、厚みの厚いシート束を作ることができる。
【0134】シート束挟圧手段が、綴じられたシート束
をシート束積載手段から排出するようになっていると、
シート束積載手段上で、連続してシート束を綴じること
ができる。さらに、シート束排出機構と兼用され、他の
装置、例えば、シート束折り装置のシート束受け入れ機
構とも兼用することができ、コストを低くすることがで
きるとともに、装置を小型にすることができる。
【0135】シート束挟圧手段が、シート束積載手段上
のシート束を挟圧して、シート束を綴じ位置に搬送可能
な1対の回転体を有していると、シート束積載手段に積
載されたシートを、1対の回転体で挟んで、綴じられる
位置に確実に移動することができ、シートの浮き上がり
によるシート移動途中の折れ曲がり、或いは、シート束
の端部の折れ曲がりを防止することができるとともに、
シートのシート束の綴じ位置を正確にすることができ
る。
【0136】1対の回転体が、綴じられたシート束をシ
ート束積載手段から排出する方向に回転可能であると、
シート束積載手段に積載されて綴じられたシート束が、
1対の回転体に挟まれて排出されるので、例えば、搬送
ガイド内でのシートの折れ、曲がり等を防止して、排出
機構をも兼用して低コスト化を図ることができる。
【0137】本発明の画像形成装置は、画像形成手段に
よって画像が係止されて浮き上がったシートや、カール
したシートがあっても、シートの端部を確実に揃えたシ
ート束を作ることのできるシート綴じ装置を備えている
ので、シートの所定の位置に形成した画像が損傷を受け
るようなことがなく、品質のよいシート束を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシート綴じ装置を装備し
たシート後処理装置の正面断面図である。
【図2】同、シート後処理装置の処理トレイ部分を上方
から見た図である。
【図3】同、シート後処理装置の移送ベルト部分の拡大
図である。
【図4】同、シート後処理装置のステープラユニットを
シート搬送方向から見た図である。
【図5】同、ステープラユニットの正面図である。
【図6】同、シート後処理装置の折りユニットのフレー
ムの正面図である。
【図7】同、シート後処理装置の折りユニットの動作説
明図である。 (a)シート折り曲げ前の状態図である。 (b)シート折り曲げ中の状態図である。
【図8】同、シート後処理装置の折りユニット駆動機構
の図である。
【図9】同、シート後処理装置の折りユニットの駆動機
構の図である。
【図10】同、シート後処理装置の折りユニットの駆動
機構の図である。
【図11】同、シート後処理装置の折りユニットの突き
板によるシート束折り動作動説明図である。 (a)シート折り曲げ前の状態図である。 (b)シート折り曲げ中の状態図である。
【図12】同、シート後処理装置の概略制御ブロック図
である。
【図13】同、シート挟圧機構の動作説明図である。 (a)シート束を挟圧する前の図である。 (b)シート束を挟圧したときの図である。
【図14】シート束を綴じる位置と、シート束挟圧手段
によってシート束を挟持する位置との関係を説明するた
めの図である。
【図15】同、シート綴じ装置を装備したシート後処理
装置を本体に備えた複写機の概略正面断面図である。
【符号の説明】
P シート 1 複写機(画像形成装置)の本体 2 シート後処理装置 8 処理トレイ(シート束積載手段) 9 整合板 12 移送ベルト 13 押し出し爪 18 搬送下ローラ(回転体) 19 搬送上ローラ(回転体) 20 複写機(画像形成装置) 21 ストッパ 30 ステープラユニット(シート束綴じ手段) 31 打ち込みヘッドユニット 32 アンビルユニット 50 折りユニット(シート折り装置) 90 昇降トレイ 149 制御ブロック 183 カム 183a カムの中心軸 184 駆動リンク 184a 駆動リンクの回転中心軸 184b アーム 185 従動リンク 185a 従動リンクの回転中心軸 186 シャフト 187 ばね 200 シート綴じ装置 201 シート束挟圧機構(シート束挟圧手段) 902 画像形成部(画像形成手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 久 山梨県南巨摩郡増穂町小林430番地1 ニ スカ株式会社内 Fターム(参考) 3F054 AA01 AB01 AC02 AC03 AC05 BA03 BB03 BB08 BH04 BH05 BH07 BJ04 CA02 DA01 3F108 GA02 GA03 GA04 GB01 GB04 HA02 HA36

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送されてくるシートが束状に積載され
    るシート束積載手段と、 前記シート束積載手段に積載されたシート束を綴じるシ
    ート束綴じ手段と、 前記シート束積載手段に積載された前記シート束の搬送
    方向の下流端部を前記シート束の厚み方向から挟圧する
    シート束挟圧手段と、を備え、 前記シート束挟圧手段が前記シート束を挟圧する位置
    を、前記シート束綴じ手段のシート束綴じ位置を通って
    前記シート束の搬送方向の下流端と平行な直線の近傍の
    領域としたことを特徴とするシート束綴じ装置。
  2. 【請求項2】 搬送されてくるシートが束状に積載され
    るシート束積載手段と、 前記シート束積載手段に積載されたシート束を綴じるシ
    ート束綴じ手段と、 前記シート束積載手段に積載された前記シート束の搬送
    方向の下流端部を前記シート束の厚み方向から挟圧する
    シート束挟圧手段と、を備え、 前記シート束挟圧手段が前記シート束を挟圧する位置
    を、前記シート束綴じ手段のシート束綴じ位置を通って
    前記シート束の搬送方向の下流端と平行な直線と前記下
    流端との間の領域としたことを特徴とするシート束綴じ
    装置。
  3. 【請求項3】 前記シート束挟圧手段が、前記シート束
    積載手段に前記シートが積載される間に、前記シートを
    挟圧することを特徴とする請求項1又は2に記載のシー
    ト束綴じ装置。
  4. 【請求項4】 前記シート束挟圧手段は、前記シート束
    綴じ手段が前記シート束を綴じるとき、前記シート束を
    挟圧することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載
    のシート束綴じ位置。
  5. 【請求項5】 前記シート束挟圧手段が、前記シート束
    積載手段に前記シートが積載されるとき前記シート束積
    載手段から離れた位置に待機可能であることを特徴とす
    る請求項1乃至4の内、いずれか1項に記載のシート束
    綴じ装置。
  6. 【請求項6】 前記シート束挟圧手段が、綴じられたシ
    ート束を前記シート束積載手段から排出可能であること
    を特徴とする請求項1乃至5の内、いずれか1項に記載
    のシート束綴じ装置。
  7. 【請求項7】 前記シート束挟圧手段が、前記シート束
    積載手段上のシート束を挟圧して、当該シート束を綴じ
    位置に搬送可能な1対の回転体を有していることを特徴
    とする請求項1乃至6の内、いずれか1項に記載のシー
    ト束綴じ装置。
  8. 【請求項8】 前記1対の回転体が、綴じられたシート
    束を前記シート束積載手段から排出する方向に回転可能
    であることを特徴とする請求項7に記載のシート束綴じ
    装置。
  9. 【請求項9】 シートに画像を形成する画像形成手段
    と、 前記画像形成手段によって画像が形成されたシート束を
    綴じる請求項1乃至8に記載の、いずれか1項に記載の
    シート束綴じ装置と、 を備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP2000054838A 2000-02-29 2000-02-29 シート束綴じ装置とこの装置を備えた画像形成装置 Pending JP2001240303A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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