JP4311233B2 - 静電潜像現像用トナーとトナーの製造方法及び画像形成方法 - Google Patents
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円形度の平均値が0.94〜0.99であり、かつ円相当径の平均値が2.6〜7.4μmにある静電潜像現像用トナーにおいて、
該トナーを形成する樹脂が、重縮合により得られた樹脂を30%以上含有するものであり、樹脂粒子を水系媒体中で凝集させてトナー粒子を形成し、
該トナーを形成する樹脂の酸価が20〜70mgKOH/g、個数基準の粒度分布の変動係数が6〜23%、体積基準の粒度分布の変動係数が4〜21%であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
前記トナーを形成する樹脂の酸価が、25〜65mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
前記トナーが、一次粒径50〜200nmのシリカまたはチタン微粒子を外添してなることを特徴とする請求項1又は2記載の静電潜像現像用トナー。
水系媒体中に、重縮合により得られた樹脂を30%以上含有する樹脂を含有する樹脂粒子を分散させてなる分散液と、着色剤粒子分散液とを用い、該樹脂粒子と該着色剤粒子とを水系媒体中で凝集させる工程を経て、トナーを形成する樹脂の酸価が20〜70mgKOH/gである静電潜像現像用トナーを製造することを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法。
前記トナーに使用されるカーボンブラックが、pH2.0〜6.5であることを特徴とする請求項4に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを用い、デジタル方式によるカラー画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
(式中、S2は個数基準の粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。)
同様に、「体積基準の粒度分布における変動係数」も上記式(C)のS2を体積基準の粒度分布における標準偏差とし、Dnを体積平均粒径(μm)とすることにより算出される。
(結着樹脂)
本発明に係るトナーを構成する樹脂は、重縮合反応により得られるもので、本発明においてこれら樹脂を30質量%以上含有する必要がある。
無定形ポリエステル樹脂を形成するための、2価のアルコール単量体としては、例えばポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのエーテル化ビスフェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAなどを例示することができる。
本発明で行われる樹脂粒子を水系媒体中に分散させてなる分散液を作製する方法は、特に限定されないが、以下の方法が挙げられる。
(a)前駆体(モノマー、オリゴマー等)または樹脂の溶剤溶液を乳化剤等の適当な分散剤存在下で水性媒体中に乳化あるいは分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂粒子の水性分散体を製造する方法、
(b)前駆体(モノマー、オリゴマー等)または樹脂の溶剤溶液(液体であることが好ましいが、加熱により液状化しても良い)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
(2)ビニル系樹脂を併用する場合には、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により樹脂粒子を生成し、得られた樹脂粒子の水性分散液を直接製造する方法、
(3)予め重合反応により作製した樹脂を以下の方法で水系媒体中に分散させる方法。
(a)作製した樹脂を、機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分球することにより樹脂粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法、
(b)上記作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法、
(c)上記作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、または予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却して樹脂粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法、
(d)上記作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法、
(e)上記作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
上記の方法で併用される乳化剤または分散剤としては、公知の界面活性剤、水溶性ポリマー等を用いることができる。また、乳化または分散の助剤として溶剤、可塑剤等を併用することができる。具体例としては、特開2002−284881号公報の段落0036〜0062に開示されたものが挙げられる。
凝集方法としては、水中で微粒子が荷電を有して分散している場合は、電解質などを投じて電気二重層を圧縮することにより、粒子同士を凝集させたり、高分子量の水溶性ポリマーを粒子同士に吸着させ凝集させたり、用いている界面活性剤や分散剤と逆荷電の物質を投入することにより、微粒子の表面の電荷を中和させ凝集させたり、吸着している界面活性剤や分散剤の対イオンを変化させたり、水系媒体に他の物質を投入することにより水系媒体への界面活性剤や分散剤の溶解性を変化させて分散安定性を弱めて凝集させる方法などが採用される。
本発明に係るトナーに使用される着色剤について説明する。
本発明では、現像剤に適度な離型性を付与させるために、トナーの中にワックスを含有させることが好ましい。ワックスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。
(式中、R1およびR2は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは1〜4の整数である。)
また、本発明では、ワックスを界面活性剤や分散剤を用いて水系媒体中で加熱撹拌してなる分散液を用いてトナー粒子の形成を行うものであってもよい。この場合、例えばワックスを乳化して作製されるワックスエマルジョンを作製し、樹脂粒子を凝集させる時に着色剤分散液とともに凝集させて添加することが可能である。
本発明のトナーは、必要に応じて荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、アゾ系金属錯塩化合物のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。この中でも、アゾ系金属錯塩化合物が好ましく、例えば特開2002−351150号公報の段落0009〜0012に開示されるものが好ましく用いられる。
本発明で得られたトナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5〜300nmであることが好ましく、特に、50〜200nmであることが好ましい。粒子径は、透過型電子顕微鏡、或いは電界効果走査型電子顕微鏡を用いて測長することが出来る。
本発明のトナーの形状は、粒径1μm以上のトナー粒子2000個以上を測定したとき、下記式で示される円形度(形状係数)の平均値が、0.94〜0.99、より好ましくは0.95〜0.97である。
=2π×(粒子の投影面積/π)1/2/(トナー粒子投影像の周囲長)
ここで、相当円とは、トナー粒子投影像と同じ面積を有する円のことであり、円相当径とは、該相当円の直径のことである。
又、本発明のトナーの形状は、円相当径の平均値が、2.6〜7.4μmにあり、円相当径に対する円形度の傾きが−0.050〜−0.010であることを特徴とする。より好ましくは、円相当径の平均値が3.4〜6.6μmにあり、円相当径に対する円形度の傾きが−0.040〜−0.020であるのがよい。
式中、A、Bは各々下記式を表す。
B=(nΣX2−(ΣX)2)×((nΣY2)−(ΣY)2)
Xは円相当径(μm)、Yは円形度を表す。
本発明のトナーは、一成分現像剤、或いは二成分現像剤として用いることができるが、自転し易い形状を有すること、十分な負帯電性を得られること、さらには高い粒子強度が得られることから、一成分現像剤に好ましく用いられる。すなわち、本発明に係るトナーでは、従来の会合型トナーを一成分系現像剤として画像形成を行った時に薄層形成部材に押圧されてトナー粒子が粉砕される様なことはなく、現像ロールへのトナー片による融着や汚染が発生せず、安定した画像形成が可能である。
次に、本発明に係わる定着画像の形成方法に用いる画像形成装置の一例を図1のカラー画像形成装置の断面構成図に示す。図1において、21は潜像担持体である感光体ドラムで、OPC感光体(有機感光体)をドラム基体上に塗布形成したものであり、接地されて時計方向に駆動回転される。22は帯電手段たるスコロトロン帯電器で、感光体ドラム21周面に対し高電位VHの一様な帯電をグリッド電位VGに電位保持されたグリッドとコロナ放電ワイヤによるコロナ放電によって与える。このスコロトロン帯電器による帯電に先だって、前プリントまでの感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いたPCL(帯電前除電器)による露光を行って感光体周面の除電をしておくとよい。
〈ポリエステル1A〜1C、比較用ポリエステル1a、1bの調製〉
下記表1に示す処方に従って、ジアルコール単量体、ジカルボン酸単量体およびトリカルボン酸単量体の各々を、温度計、ステンレススチール製撹拌器、ガラス製窒素導入管および流化式コンデンサーを備えた容量2リットルの4つ口フラスコに入れ、このフラスコをマントルヒータにセットし、ガラス製窒素ガス導入管より窒素ガスを導入して反応器内を不活性雰囲気に保った状態で180℃まで昇温させ、この状態において撹拌しながら重合反応を行わせた。なお、飛散・昇華等によって単量体が減少した場合には、減少量に相当する量の単量体をフラスコ内に補充した。
樹脂溶液1A(樹脂成分のTg64℃) 100部
Pigment Blue 15:3(ロジン酸処理品) 12部
(含水ケーキ中の固形分50%)
帯電制御剤(スピロンブラックTRH 保土ケ谷化学社製) 1部
カルナウバワックス 10部
上記材料をトルエン200部中でジルコニアビーズの充填されたボールミルを転動させることによって溶解分散し、分散相となる油相を調製した。
イオン交換水 700部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
を撹拌分散し連続相となる水相を調製した。水相中にホモミキサー(特殊機化工業社製)で撹拌しながら油相を投入し、撹拌回転数を調整することにより体積平均粒径約1μmの油滴を作製した。その後、50℃で減圧溜去してトルエンを除去し、青灰色の乳濁液を得た。
Pigment Blue 15:3(ロジン酸処理)をC.I.Pigment Red 122(ストロンチウム塩、ロジン酸処理)、C.I.Pigment Yellow 93、及びカーボンブラック(pH5.0)と置換した以外は上記と同様にして、シアントナー(C−1)、マゼンタトナー(M−1)、イエロートナー(Y−1)、ブラックトナー(B−1)を作製した。
マゼンタトナー:M−1、2、3、4及び5
イエロートナー:Y−1、2、3、4及び5
ブラックトナー:B−1、2、3、4及び5
各色トナーの樹脂溶液名、ポリエステルの混合比を下記表2に示す。
下記のキャリアと混合し、各トナーに対応するC−1〜B−5の各現像剤を作製した。各色現像剤中、同一番号のものを組み併せて、後記表4に記す現像剤1〜5の5個の現像剤の群を作製した。
シリコーン樹脂(20%) 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 1.0部
カーボンブラック 0.1部
トルエン 60部
これらの処方をホモミキサーで20分分散して被覆層形成液を調製した。これをフェライト1000部(体積平均粒径55μm、飽和磁化9.0×10-5Wb・m/kg)の表面に、流動床型塗布装置を用いて被覆層を形成した後、電気炉にて焼成してキャリアを作製した。
さらに、キャリア100部に対し各色トナー5部を容器が転動して撹拌される形式のターブラーミキサーを用い、50rpm、15分間均一混合し帯電させ、現像剤を作製した。
1.定着性
厚紙定着性
事務用の大判封筒に用いられている厚い紙に画像形成を行った時の定着性(ベタ画像)の定着率を評価するため、下記のテストを行った。
トナー付着量が0.3mg/cm2である2.54cm角のハーフトーン定着画像を作製した他は、上記ベタ画像の定着率評価と同様の方法で評価を行った。
1枚目の形成画像および20,000枚目の各色形成画像の透明性(色の鮮やかさ)を評価するため、反射式のオーバーヘッドプロジェクターを用いて画像を投影し、その透明性を目視評価した。
○:鮮やかさはないが、通常の画像で見ると実用上は許容できるもの
×:鮮やかさはなく、通常の画像でも実用上問題となるもの
3.10%網点の濃度
20mm×20mmの10%網点画像部について、マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて白地部に対する各々相対画像濃度を測定した。10%網点濃度の評価は、ドットの再現性およびハーフトーンの再現性を評価するために行ったもので、濃度変化が0.10以内であれば画質変化は少なく問題ないといえる。
2ドットラインの画像信号に対応するライン画像のライン幅を印字評価システム「RT2000」(ヤーマン社製)によって測定した。1枚目の形成画像のライン幅および20000枚目の形成画像のライン幅の何れもが200μm以下であり、かつ、ライン幅の変化が10μm未満であれば、細線再現性に問題がないと判断し「○」、それ以外を「×」とした。
二次色(レッド、ブルー、グリーン)画像全面に10%網点画像を形成し、ルーペにてドット周辺のチリを観察した。チリがほとんど検知できないモノを「◎」、微かにチリがあるが、注視しなければ気づかない程度を「○」、チリが容易に検知できるものを「×」とした。
各実施例及び比較例を同処方で10回製造し、トナー体積平均粒径と帯電性のバラツキを評価した。
下記、表4に示す。
22 帯電手段
23 露光手段
24、24Y、24M、24C、24K 現像手段
25 クリーニング手段
36 現像器
P 記録材(記録紙)
Claims (6)
- 円形度の平均値が0.94〜0.99であり、かつ円相当径の平均値が2.6〜7.4μmにある静電潜像現像用トナーにおいて、
該トナーを形成する樹脂が、重縮合により得られた樹脂を30%以上含有するものであり、樹脂粒子を水系媒体中で凝集させてトナー粒子を形成し、
該トナーを形成する樹脂の酸価が20〜70mgKOH/g、個数基準の粒度分布の変動係数が6〜23%、体積基準の粒度分布の変動係数が4〜21%であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。 - 前記トナーを形成する樹脂の酸価が、25〜65mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナーが、一次粒径50〜200nmのシリカまたはチタン微粒子を外添してなることを特徴とする請求項1又は2記載の静電潜像現像用トナー。
- 水系媒体中に、重縮合により得られた樹脂を30%以上含有する樹脂を含有する樹脂粒子を分散させてなる分散液と、着色剤粒子分散液とを用い、該樹脂粒子と該着色剤粒子とを水系媒体中で凝集させる工程を経て、トナーを形成する樹脂の酸価が20〜70mgKOH/gである静電潜像現像用トナーを製造することを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記トナーに使用されるカーボンブラックが、pH2.0〜6.5であることを特徴とする請求項4に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを用い、デジタル方式によるカラー画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
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