JP4310912B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、詳しくは、表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体に対してインクを吐出して記録を行った後に、加熱加圧手段により記録媒体を加熱加圧するようにしたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体の記録面上に微小液滴状のインクを噴射させて画像記録を行うインクジェット記録方式は、近年の技術進歩により銀塩写真に迫る高画質化並びに装置の低価格化が可能となるに及び急速に普及するに至っている。
【0003】
かかるインクジェット記録において、画像を記録形成した記録媒体表面に光沢を付与し、更に画像の水との接触による滲みを防止すると共に耐擦過性を向上させる目的で、表層(画像記録面側)に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有する記録媒体を用いて画像を記録形成し、その後、記録媒体を加熱加圧することにより上記インク受容層中の熱可塑性樹脂粒子を溶融及び平滑化させ、該インク受容層を透明化する画像形成方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる技術において、記録ヘッドにより画像が記録形成された記録媒体は、インク受容層を透明化するために搬送手段によって加熱加圧手段に搬送される。この加熱加圧手段には例えば発熱体を内蔵した加熱ローラが用いられ、記録媒体は搬送されつつその過程で加熱ローラにより加熱加圧されてインク受容層が透明化される。
【0005】
このとき、インク受容層は記録媒体を一定速度で搬送しながら均一に透明化されることが望まれるが、記録媒体が巻取芯に巻回されてなるロール状の記録媒体である場合、画像記録後に記録媒体の搬送を一旦停止させて所定の長さに切断する必要があるため、記録媒体の搬送停止時に加熱加圧ムラが生じ、透明化にムラを発生させる虞れがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を加熱加圧してそのインク受容層を透明化するに際し、該記録媒体を一定速度で均一に透明化し得るインクジェット記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、以下の手段によって達成される。
【0014】
請求項1記載の発明は、表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体に対してインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体を加熱加圧して該記録媒体のインク受容層を透明化する加熱加圧手段と、該加熱加圧手段の温度を所定の温度範囲に保持する温度制御手段と、上記記録媒体を切断する記録媒体切断手段とを有するインクジェット記録装置において、上記記録媒体搬送手段は記録媒体を順逆双方向に搬送可能に構成され、上記記録媒体切断手段は上記記録ヘッドと上記加熱加圧手段との間に配置されると共に、上記記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間に、記録後の記録媒体をその先頭側から加熱加圧手段へ搬送する第1の搬送位置と記録後の記録媒体を加熱加圧手段への搬送方向とは異なる方向へ搬送する第2の搬送位置とに切り替え可能な搬送路切替手段を有し、上記記録媒体切断手段により切断される記録媒体の切断長が少なくとも記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離以上のときは、上記搬送路切替手段を第2の搬送位置にして記録媒体への画像記録及び切断の後に該記録及び切断済み記録媒体を逆方向搬送し、上記搬送路切替手段を第1の搬送位置に切り替えて記録及び切断済み記録媒体を上記加熱加圧手段へ順方向搬送し、前記記録媒体切断手段により切断される記録媒体の切断長が記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離未満のときは、前記搬送路切替手段を第1の搬送位置にして記録媒体への画像記録及び切断の後に該記録及び切断済み記録媒体を加熱加圧手段へ搬送するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0015】
これにより、切断後の記録媒体を加熱加圧手段へ一定速度で搬送でき、インク受容層をムラなく透明化させることができると共に、切断手段と加熱加圧手段との間の距離を記録媒体の切断長よりも小さくすることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0017】
また、記録媒体の切断長が記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離未満のときは記録媒体を逆方向搬送しないので、処理が高速化できる。
【0018】
請求項2記載の発明は、前記搬送路切替手段が第2の搬送位置にあるときに、前記記録ヘッドと前記記録媒体切断手段との間の搬送路に逆方向搬送された記録媒体のたるみを形成可能なたるみ形成手段を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0019】
これによれば、記録媒体の切断長さに拘わらず記録ヘッドと加熱加圧手段との間の距離をより小さくでき、一層の装置の小型化を図ることが可能である。
【0020】
また、未記録のロール状記録媒体を逆方向に搬送する量を減らし、未記録のロール状記録媒体先端を記録ヘッド近傍に留めることができ、次の記録を早く開始することができる。
【0021】
請求項3記載の発明は、前記たるみ形成手段は、画像記録後で且つ切断前の順方向搬送された記録媒体を一時的に滞留させるためのたるみ形成手段を兼用することを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置である。
【0022】
これにより、たるみ形成手段によって記録ヘッドにより画像記録動作を停止させることなく記録媒体を切断することも可能となり、処理時間の短縮化を図ることができると共に、一つのたるみ形成手段によって上記機能を兼用できるため装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0023】
請求項4記載の発明は、前記記録ヘッドと前記記録媒体切断手段との間に、切断後の記録媒体を逆方向搬送する際に、該記録媒体の後尾側を記録ヘッドとは異なる方向へ搬送可能な第2の搬送路切替手段を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0024】
これによれば、記録媒体の切断長さに拘わらず記録ヘッドと加熱加圧手段との間の距離をより小さくでき、一層の装置の小型化を図ることが可能である。
【0025】
また、未記録のロール状記録媒体を逆方向に搬送する量を減らし、未記録のロール状記録媒体先端を記録ヘッド近傍に留めることができ、次の記録を早く開始することができる。
【0026】
請求項5記載の発明は、表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体に対してインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体を加熱加圧して該記録媒体のインク受容層を透明化する加熱加圧手段と、該加熱加圧手段の温度を所定の温度範囲に保持する温度制御手段と、上記記録媒体を切断する記録媒体切断手段とを有するインクジェット記録装置において、上記記録媒体切断手段は上記記録ヘッドと上記加熱加圧手段との間に配置され、該記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間に、記録媒体を搬送方向とは交叉する方向にその先頭側から搬入して一時的に滞留させると共に記録媒体を記録媒体切断手段により切断した後にその後尾側から搬出して加熱加圧手段へ搬送する記録媒体滞留手段と、画像記録後の記録媒体を加熱加圧手段へ直接搬送する第1の搬送位置と記録媒体を上記記録媒体滞留手段へ搬送する第2の搬送位置とに切り替え可能な搬送路切替手段とを有し、上記記録媒体切断手段により切断される記録媒体の切断長が記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離以上のときは、上記搬送路切替手段を第2の搬送位置にして記録媒体を上記記録媒体滞留手段に搬入させ、上記記録媒体切断手段により切断される記録媒体の切断長が記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離未満のときは、上記搬送路切替手段を第1の搬送位置にして記録媒体を直接加熱加圧手段へ搬送することを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0027】
これによれば、切断後の記録媒体を一時的に滞留させるため、記録媒体を加熱加圧手段へ一定速度で搬送でき、インク受容層をムラなく透明化させることができると共に、切断手段と加熱加圧手段との間の距離を記録媒体の切断長に拘わらず小さくすることができ、それだけ装置の小型化を図ることが可能となる。
【0028】
しかも、記録媒体の切断長が切断手段と加熱加圧手段との間の距離よりも小さい場合には、記録媒体を滞留手段へ搬入させることなく直接加熱加圧手段へ搬送させるため、処理の高速化を図ることができる。
【0029】
請求項6記載の発明は、前記温度制御手段は、記録媒体を記録媒体滞留手段を介して加熱加圧手段へ搬送した場合と記録媒体滞留手段を介さずに搬送した場合とで、該加熱加圧手段における記録媒体接触面の温度を変更することを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0030】
これにより、常に最適な温度範囲で加熱加圧処理を行うことができ、高品質の画像プリントを作成することができる。
【0031】
請求項7記載の発明は、前記加熱加圧手段は、記録媒体を挟んで両側に熱源を配置したことを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0032】
これにより、インク受容層が加熱加圧手段のいずれのローラに接触していても、必ず熱源を有するローラと接触させて加熱加圧処理することができる。
【0033】
請求項8記載の発明は、前記温度制御手段は、加熱加圧手段が熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層と接触する側が所定の温度範囲となるように両熱源をそれぞれ制御することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置である。
【0034】
これにより、常に最適な温度範囲で加熱加圧処理することができ、高品質のプリントを作成することができる。
【0035】
請求項9記載の発明は、前記温度制御手段は、加熱加圧手段が熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層と接触する側の熱源のみに通電することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置である。
【0036】
これにより、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0037】
請求項10記載の発明は、前記加熱加圧手段は、記録媒体接触位置を中心にして180°回転可能であることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0038】
これにより、加熱加圧手段が一方のローラのみに熱源を有する場合であっても、そのローラを常にインク受容層と接触させて加熱加圧処理することができる。
【0039】
請求項11記載の発明は、表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体に対してインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体を加熱加圧して該記録媒体のインク受容層を透明化する加熱加圧手段と、該加熱加圧手段の温度を所定の温度範囲に保持する温度制御手段と、上記記録媒体を切断する記録媒体切断手段とを有するインクジェット記録装置において、上記記録媒体切断手段は上記記録ヘッドと上記加熱加圧手段との間に配置されると共に、上記加熱加圧手段は記録媒体搬送路に沿って移動可能に構成され、上記記録媒体切断手段による記録媒体切断時に該記録媒体の搬送を停止すると共に、加熱加圧手段を記録媒体切断手段側に移動しながら加熱加圧処理を継続し、記録媒体切断後に加熱加圧手段を記録媒体切断手段と反対側へ移動して元の位置に戻すようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0040】
これにより、記録媒体を切断するために一時的に搬送停止しても、加熱加圧手段を切断手段側に向けて所定速度で移動させることで、加熱加圧処理を停止させることなく継続させることができ、インク受容層をムラなく透明化させることができる。
【0041】
更に、記録媒体切断中も加熱加圧処理できるので、高速な処理が可能となり、また、記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離を記録媒体の切断長未満とすることができるので、装置の小型化が可能となる。
【0046】
請求項12記載の発明は、表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体に対してインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体を加熱加圧して該記録媒体のインク受容層を透明化する加熱加圧手段と、該加熱加圧手段の温度を所定の温度範囲に保持する温度制御手段と、上記記録媒体を切断する記録媒体切断手段とを有するインクジェット記録装置において、上記記録媒体切断手段は上記記録ヘッドと上記加熱加圧手段との間に配置されると共に、上記加熱加圧手段は記録媒体切断手段による記録媒体の切断長に応じて、該記録媒体の搬送方向に沿う方向に沿って移動可能としたことを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0047】
これにより、切断後の記録媒体を加熱加圧手段まで搬送させる多数のローラ対を配設する必要がなくなり、装置コストの低減化を図ることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0049】
本発明に係るインクジェット記録装置に主として用いられる記録媒体1は、図19に示すように、支持体1Aの表層に熱可塑性樹脂粒子を含有するインク受容層1Bを有している。このインク受容層1Bの内側に隣接して色材とインク溶媒成分がインク受容層1B表面で分離した後にインク溶媒成分が吸収される空隙層を有するインク溶媒吸収層1Cを有していても良い。
【0050】
支持体1Aとしては、従来からインクジェット用記録媒体として用いられている支持体を用いることができ、例えば、普通紙、アート紙、コート紙及びキャストコート紙等の紙製支持体の他、プラスチック支持体、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体、これらを貼り合せた複合支持体を用いることができる。
【0051】
インク受容層1Bに含有される熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、これらの共重合体及びこれらの塩が挙げられる。熱可塑性樹脂粒子は、インク受容性、加熱及び加圧による定着後の画像の光沢性、画像堅牢性及び離型性を考慮して適宜選択される。
【0052】
インク溶媒吸収層はインク溶媒吸収能を有しており、これは無機固体微粒子をインク溶媒吸収層中に含有させることによって発揮する。この目的で使用される無機固体微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等が挙げられる。
【0053】
後述する記録ヘッドから記録媒体1の上記インク受容層1Bに向けて噴射されたインクは、該インク受容層1B及びインク溶媒吸収層1Cに吸収され、画像が記録される。このようにして画像が記録された記録媒体1は、表面のインク受容層1Bが加熱加圧されることで、該インク受容層1B中に含有される熱可塑性樹脂粒子が溶融及び平滑化され、透明化されて、記録媒体1の表面に透明な保護層が形成される。
【0054】
図1は、第1の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
【0055】
記録媒体1は、ロール状に巻回された長尺状のロールペーパーであり、記録媒体搬送手段(以下、単に搬送手段という。)2によって図示右方向へ搬送され、搬送手段2の下流側に配置された記録ヘッド3によって記録媒体1の記録面上に所定の画像が記録形成されるようになっている。
【0056】
搬送手段2は、図示しない駆動手段により回転駆動される駆動ローラと記録媒体1を駆動ローラとの間に挟みつけるための従動ローラとを有する搬送ローラ対21によって構成され、記録媒体1を搬送ローラ対21の間に挟持した状態で、駆動ローラの回転駆動により、後述する記録ヘッド3による画像記録に応じて図示右方向(副走査方向)へ所定量搬送するようになっている。
【0057】
記録ヘッド3は、搬送手段2の記録媒体搬送方向の下流側に配置され(以下、本明細書で「上流側」又は「下流側」というときは、記録媒体1の搬送方向に沿う上流側又は下流側をいう。)、例えばY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)等の各色のインクが貯留された複数のインクタンクを有しており、画像データに応じて所定のインクを所定のタイミングで噴射させることにより、上記搬送手段2による記録媒体1の搬送と協働して、記録媒体1の記録面上に所定の画像を記録形成する。
【0058】
かかる記録ヘッド3としては、図17(a)に示すように、記録媒体1の幅方向に亘り該記録媒体1の搬送方向と略直交するように架設された走査ガイド32に移動可能に取り付けられ、図示しない駆動手段によって該走査ガイド32に沿って主走査移動可能に構成された走査型の記録ヘッド31の他、図17(b)に示すように、記録媒体1の幅に相当する長さを有し、該記録媒体1の幅方向に亘って架け渡されたライン状の記録ヘッド33のいずれを用いることもできる。
【0059】
記録媒体1を挟んで記録ヘッド3の反対側には、記録媒体保持部34が配置されており、図示しない吸引手段によりその表面に記録媒体1を吸着保持し、記録媒体1の記録面上に記録ヘッド3により画像を記録形成する際の記録媒体1の浮き上がりを防止する。
【0060】
加熱加圧手段4は、記録ヘッド3によって画像が記録形成された後の記録媒体1に対して加熱加圧するべく記録ヘッド3の下流側に配置されており、加熱ローラ41と、記録媒体1を該加熱ローラ41との間に挟み付けるための圧着ローラ42とを有して構成されている。
【0061】
加熱ローラ41は中空状のローラからなり、図示しない駆動手段により回転駆動可能に構成されると共に、熱源であるハロゲンランプヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線等からなる発熱体43を内蔵しており、該発熱体43の熱により加熱ローラ41を加熱させ、記録媒体1のインク受容層中に含まれる熱可塑性樹脂粒子を溶融させる。この加熱ローラ41は、発熱体43から発せられる熱により効率良く記録媒体1を加熱することができるように熱伝導率の高い材質により形成されることが好ましく、金属ローラが好ましく用いられる。表面には記録媒体1を加熱加圧した際のインクによる汚染を防止するためフッ素樹脂コートされていることが好ましい。その他、耐熱シリコンを被覆したシリコンゴムローラを用いることもできる。
【0062】
また、圧着ローラ42は、図示しない付勢手段により記録媒体1を挟んで加熱ローラ41に対して所定の加圧力をもって圧着するように付勢され、加熱ローラ41との間で記録媒体1を加圧する。
【0063】
この圧着ローラ42と加熱ローラ41との間で形成されるニップ領域は、記録媒体1を加熱ローラ41の表面に対して大きな接触面積で圧接させて加熱加圧時間を多く稼ぐことができるように、ある程度の幅を有していることが望ましい。従って、圧着ローラ42は、少なくともその表面が弾性を有することが好ましく、例えば金属軸の表面に弾性ゴムを被覆した弾性ローラが好ましく用いられる。
【0064】
加熱ローラ41の表面に近接して温度センサ5が配置されており、加熱加圧手段4はこの温度センサ5によりその表面温度が検出される。温度センサ5により検出された加熱ロール41の表面温度の検出信号は温度制御手段(図示せず)に送られ、該温度制御手段において発熱体43の発熱量を制御することにより、加熱加圧手段4を記録媒体1のインク受容層中の熱可塑性樹脂粒子を適切に溶融及び平滑化させて好ましく透明化し得る所定の温度範囲に制御するようになっている。
【0065】
6は記録媒体切断手段(以下、単に切断手段という。)であり、上記記録ヘッド3と加熱加圧手段4との間の搬送路途上に配設されている。図示する切断手段6は、記録媒体1の幅方向に亘る長さを有すると共に該記録媒体1を挟んで対向状に設けられた一対のカッタ61、62を有し、記録ヘッド3により画像が記録された後の長尺状の記録媒体1をその幅方向に亘って一度に切断するようにしたものを示しているが、単一のカッタを記録媒体1の幅方向に沿って移動可能に設け、該カッタの走査移動により記録媒体1をその幅方向に亘って切断するようにしてもよい。
【0066】
7はたるみ形成手段であり、切断手段6と加熱加圧手段4との間の搬送路途上に配設されている。たるみ形成手段7は、上流側から、記録媒体1を挟んで対向する第1のローラ対71と第2のローラ対72とをそれぞれ有し、それら第1及び第2のローラ対71、72がそれぞれ図示しない駆動手段により独立して回転駆動可能に構成されている。そして、記録媒体1の先頭(記録ヘッド3により最初に画像記録が行われた側)が第2のローラ対72に挟持された時に、第2のローラ対72の回転を停止し、第1のローラ対71のみにより記録媒体1を搬送することで、第1のローラ対71と第2のローラ対72との間の搬送路に記録媒体1のたるみ1aを形成可能としている。
【0067】
次に、かかるインクジェット記録装置の動作について説明する。
【0068】
長尺状の記録媒体1は、搬送手段2により図示右方向に搬送され、該搬送手段2による記録媒体1の搬送と協働して記録ヘッド3において記録面(インク受容層側の面)に所定の画像が記録される。
【0069】
画像記録後の記録媒体1は、搬送手段2により搬送されて切断手段6を通過した後、たるみ形成手段7の第1のローラ対71及び第2のローラ対72を順に通過するが、記録媒体1の先頭が第2のローラ対72に挟持された時に第2のローラ対72の回転を停止して第1のローラ対71のみにより記録媒体1を搬送することで、第1のローラ対71と第2のローラ対72との間の搬送路に記録媒体1のたるみ1aが形成される。
【0070】
記録媒体1の切断位置が切断手段6に到達したら、第1のローラ対71の回転を停止し、記録媒体1を切断する。切断が終了したら第1のローラ対71及び第2のローラ対72を回転させ、切断した記録媒体を加熱加圧手段4へ搬送する。
【0071】
これにより、切断手段6により切断される記録媒体1の切断長が該切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)以上の場合、記録媒体1が切断手段6により切断されるまで記録媒体1にたるみ1aを形成して加熱加圧手段4への搬送を行わないようにすることができる。従って、加熱加圧手段4へは必ず切断後の記録媒体1を搬送させるため、記録媒体1を一定速度で加熱加圧処理し、インク受容層をムラなく透明化させることができる上に、記録媒体1の切断長に拘わらず、切断手段6と加熱加圧手段4との間を可及的近接させ、即ちL2を小さくさせ、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0072】
なお、図2に示すように、切断手段6により切断される記録媒体1の切断長(L1)が該切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)未満の場合、たるみ形成手段7の第1のローラ対71と第2のローラ対72の双方を回転駆動させ、両ローラ対71、72間の搬送路にたるみを形成せずにそのまま搬送し、記録媒体1の切断位置が切断手段6に到達したら第1のローラ対71及び第2のローラ対72の双方の回転を停止して記録媒体1を切断し、切断後、第1のローラ対71及び第2のローラ対72を回転させ、切断後の記録媒体を加熱加圧手段4へ搬送するようにすることが好ましい。これにより処理の高速化を図ることが可能である。
【0073】
図3は、第2の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。図1と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0074】
この発明において、切断手段6は、記録ヘッド3と加熱加圧手段4との間に配置されており、記録ヘッド3及び切断手段6を間に挟むように搬送手段2である第1の搬送ローラ対22及び第2の搬送ローラ対23がそれぞれ記録媒体1を挟持搬送可能に設けられている。これら第1及び第2の搬送ローラ対22、23は、それぞれ図示しない駆動手段により独立して順逆双方向に回転駆動可能に構成されている。なお、本明細書では特に断りがない限り、「順方向」とは、記録ヘッド3により画像記録された記録媒体1を加熱加圧手段4側(図示右方向)へ搬送する方向であり、「逆方向」とは、記録媒体1をその反対方向(図示左方向)に搬送する方向である。
【0075】
上記第2の搬送ローラ対23と加熱加圧手段4との間に、記録媒体1をその先頭側から加熱加圧手段4へ搬送する第1の搬送位置と加熱加圧手段4とは異なる方向に搬送する第2の搬送位置とに、図示しない駆動手段によって切り替え可能な搬送路切替手段8を有している。
【0076】
搬送路切替手段8は、記録媒体1の搬送をガイド可能なガイド部材81を有してなり、ガイド部材81が図3(a)の二点鎖線に示す第1の搬送位置にあるときに、記録媒体1を加熱加圧手段4へ搬送するようにガイドし、実線に示す第2の搬送位置にあるときに、記録媒体1を加熱加圧手段4への搬送方向とは異なる方向(図示例では右下方向)へ搬送するようにガイドするようになっている。
【0077】
かかる装置の動作について説明すると、まず、長尺状の記録媒体1は、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の順方向の回転駆動により図示右方向へ搬送され、その過程で記録媒体1の搬送と協働して記録ヘッド3において記録面(インク受容層側の面)に所定の画像が記録される。このとき、搬送路切替手段8においてガイド部材81を第2の搬送位置に切り替えておき、画像記録の済んだ記録媒体1の先頭を加熱加圧手段4への搬送方向とは異なる方向に搬送し、所定の画像記録が終了したら、記録媒体1をその記録画像の後端が切断手段6による切断位置に来るまで更に搬送し、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の回転を停止して所定位置で記録媒体1を切断する(図3(a))。
【0078】
記録媒体1が切断されると、第1及び第2の搬送ローラ対22、23を逆方向に回転駆動させ、切断後の記録媒体11を図示左方向に搬送し、切断後の記録媒体11の先頭をガイド部材81のほぼ先端まで戻す。切断後の記録媒体11の先頭がガイド部材81のほぼ先端まで戻されたら、搬送路切替手段8を第1の搬送位置に切り替え(図3(b))、第2の搬送ローラ対23を順方向に回転駆動させて切断後の記録媒体11を加熱加圧手段4に搬送して加熱加圧処理を行う(図3(c))。
【0079】
このように切断手段6と加熱加圧手段4との間に、切断手段6による切断後の記録媒体11をその先頭側から加熱加圧手段4へ搬送する第1の搬送位置と切断前の記録媒体11を加熱加圧手段4への搬送方向とは異なる方向へ搬送する第2の搬送位置とに切り替え可能な搬送路切替手段8を有し、記録媒体1が上記第2の搬送位置に搬送されたときは、画像記録後に記録媒体1を上記切断手段6により切断した後に逆方向搬送し、上記搬送路切替手段8を第1の搬送位置に切り替えて順方向搬送するようにしたので、切断が終了してから記録媒体11を加熱加圧手段4へ一定速度で搬送でき、インク受容層をムラなく透明化することができると共に、切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)を記録媒体1の切断長(L1)よりも小さくすることができ、それだけ装置の小型化を図ることが可能となる。
【0080】
なお、この発明において、L1≧L2のときは、上記の通り搬送路切替手段8を第2の搬送位置にして記録媒体1への画像記録及び切断を行った後、第1の搬送位置に切り替えて加熱加圧手段4へ搬送するが、L1<L2のときは、搬送路切替手段8を最初から第1の搬送位置にして記録媒体1への画像記録及び切断の後に加熱加圧手段4へ搬送するようにすることが好ましい。
【0081】
これによれば、L1<L2のときは、記録媒体1を逆方向に搬送して戻す必要がなくなるため、搬送路切替手段8を第1の搬送位置のままとして画像記録、切断及び加熱加圧手段4への搬送の一連の処理を行うことができ、処理の高速化を図ることが可能である。
【0082】
図4は、第2の発明の別の態様を示している。図3と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0083】
この態様において、記録ヘッド3と切断手段6との間の搬送路に、記録媒体1のたるみを形成可能とするたるみ形成手段9が配設されている。
【0084】
たるみ形成手段9は、上流側から、記録媒体1を挟んで対向する第1のローラ対91と第2のローラ対92とをそれぞれ有し、それら第1及び第2のローラ対91、92がそれぞれ図示しない駆動手段により独立して順逆双方向に回転駆動可能に構成されている。そして、第1及び第2のローラ対91、92に記録媒体1を挟んだ状態で、第1のローラ対91のみを順方向に回転駆動させる、或いは第2のローラ対92のみを逆方向に回転駆動させることによって、図4(b)に示すように、それら第1及び第2のローラ対91、92間の搬送路に記録媒体11のたるみ11aを形成可能としている。
【0085】
かかる装置の動作について説明すると、まず、長尺状の記録媒体1は、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の順方向の回転駆動により図示右方向へ搬送され、その過程で記録媒体1の搬送と協働して記録ヘッド3において記録面(インク受容層側の面)に所定の画像が記録される。このとき、搬送路切替手段8においてガイド部材81を第2の搬送位置に切り替えておき、画像記録の済んだ記録媒体1の先頭を加熱加圧手段4への搬送方向とは異なる方向に搬送し、所定の画像記録が終了したら、記録媒体1をその記録画像の後端が切断手段6による切断位置に来るまで更に搬送し、所定位置で記録媒体1を切断する(図4(a))。
【0086】
記録媒体1が切断されると、第1及び第2の搬送ローラ対22、23、第1及び第2のローラ対91、92を逆方向に回転駆動させ、切断後の記録媒体11を図示左方向に搬送する。切断後の記録媒体11の後尾側(記録ヘッド3により最後に画像記録が行われた側)が第1のローラ対91に挟持される位置まで戻されたら、該第1のローラ対91の逆方向の回転駆動を停止し、第2のローラ対92及び第2の搬送ローラ対23の逆方向の回転駆動を継続して第1及び第2のローラ対91、92間の搬送路に切断後の記録媒体11のたるみ11aを形成していき、それに伴って切断後の記録媒体11の先頭をガイド部材81のほぼ先端まで戻す。この記録媒体11の先頭がガイド部材81のほぼ先端に来たか否かは、図示しない適宜の検出手段により検出することができる。切断後の記録媒体11の先頭がガイド部材81のほぼ先端まで戻されたら、搬送路切替手段8を第1の搬送位置に切り替え(図4(b))、次いで、第2のローラ対92及び第2の搬送ローラ対23を順方向に回転駆動させて切断後の記録媒体11をその先頭側から加熱加圧手段4に搬送して加熱加圧処理を行う(図4(c))。
【0087】
これによれば、図3に示す態様が有する効果に加え、たるみ形成手段9を有するため、記録媒体1の切断長に拘わらず記録ヘッド3と加熱加圧手段4との間の距離をより小さくするすることができ、一層の装置の小型化を図ることが可能である。
【0088】
また、切断後の記録媒体11の後尾側を第1のローラ対91よりも上流に戻す必要がないので、記録媒体1の未記録部先端1bを次の画像記録開始位置に留めておくことができ、次の画像記録を早く開始することができる。
【0089】
また、上記たるみ形成手段9は、記録ヘッド3による画像記録後で且つ切断手段6による切断前の記録媒体1を一時的に滞留させるためのたるみ形成手段を兼用することができる。即ち、図5に示すように、記録ヘッド3により画像が記録された記録媒体1を切断手段6により所定位置で切断する際に、第2の搬送ローラ対23及び第2のローラ対92の回転駆動を停止し、第1の搬送ローラ対22及び第1のローラ対91を順方向に回転駆動させることで、第1及び第2のローラ対91、92間の搬送路に記録媒体1のたるみ1aを形成することができる。
【0090】
これにより、記録ヘッド3による画像記録動作を停止させることがなく記録媒体1の切断を行うことができるため、処理時間の短縮化を図ることが可能であると共に、叙上の機能を同一のたるみ形成手段9で兼用できるため、装置の小型化及び低コスト化を図ることが可能である。
【0091】
図6は、第2の発明の更に別の態様を示している。図3と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0092】
この態様において、記録ヘッド3と切断手段6との間の搬送路に、切断後の記録媒体11を逆方向搬送する際に、図示しない駆動手段により搬送方向を切り替えて、該記録媒体11の後尾側を記録ヘッド3とは異なる方向(図示例では左下方向)へ搬送可能な第2の搬送路切替手段100を有している。
【0093】
第2の搬送路切替手段100は、記録媒体1の搬送をガイド可能なガイド部材101を有してなり、ガイド部材101が図6(a)に実線で示す通常位置にあるときに、記録ヘッド3から切断手段6へ至る記録媒体搬送路が形成されるが、図6(b)に実線で示す切替位置にあるときに、切断後の記録媒体11が第2の搬送ローラ対23の逆方向の回転駆動により戻されたときに、その後尾側を記録ヘッド3とは異なる方向へ搬送するようにガイドするようになっている。
【0094】
かかる装置の動作について説明すると、まず、長尺状の記録媒体1は、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の順方向の回転駆動により図示右方向へ搬送され、その過程で記録媒体1の搬送と協働して記録ヘッド3において記録面(インク受容層側の面)に所定の画像が記録される。このとき、搬送路切替手段8においてガイド部材81を第2の搬送位置に切り替えておき、画像記録の済んだ記録媒体1の先頭を加熱加圧手段4への搬送方向とは異なる方向に搬送し、所定の画像記録が終了したら、記録媒体1をその記録画像の後端が切断手段6による切断位置に来るまで更に搬送し、所定位置で記録媒体1を切断する(図6(a))。
【0095】
記録媒体1が切断されると、第1及び第2の搬送ローラ対22、23を逆方向に回転駆動させ、切断後の記録媒体11を図示左方向に搬送する。このとき、第2の搬送路切替手段100においてガイド部材101を切替位置に切り替え、切断後の記録媒体11の後尾側を記録ヘッド3とは異なる方向へ搬送する一方、切断後の記録媒体11の先頭をガイド部材81のほぼ先端まで戻す。この記録媒体11の後尾側がガイド部材81のほぼ先端に来たか否かは、図示しない適宜の検出手段により検出することができる。切断後の記録媒体11の先頭がガイド部材81のほぼ先端まで戻されたら、搬送路切替手段8を第1の搬送位置に切り替え(図6(b))、第2の搬送ローラ対23を順方向に回転駆動させて切断後の記録媒体11を加熱加圧手段4に搬送して加熱加圧処理を行う(図6(c))。
【0096】
これによれば、図3に示す態様が有する効果に加え、第2の搬送路切替手段100を有するため、記録媒体1の切断長に拘わらず記録ヘッド3と加熱加圧手段4との間の距離をより小さくするすることができ、一層の装置の小型化を図ることが可能である。
【0097】
また、切断後の記録媒体11の後尾側を第1のローラ対91よりも上流に戻す必要がないので、記録媒体1の未記録部先端1bを次の画像記録開始位置に留めておくことができ、次の画像記録を早く開始することができる。
【0098】
図7及び図8は、第3の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。図3と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0099】
この発明において、第2の搬送ローラ対23と加熱加圧手段4との間に、記録媒体1を加熱加圧手段4への搬送方向とは交叉する方向にその先頭側から搬入して一時的に滞留させる記録媒体滞留手段(以下、単に滞留手段という)200を有している。
【0100】
この滞留手段200は、記録媒体1を搬入及び搬出するための順逆双方向に回転駆動可能な搬送ローラ対201と搬入位置及び搬出位置に切替可能なガイド部材202とを有しており、ガイド部材202が搬入位置(図7(a)の実線位置)にあるときに、搬送ローラ対201が順方向に回転駆動することにより、記録媒体1をその先頭側から搬入搬送すると共に、ガイド部材202が搬出位置(図7(b)の実線位置)にあるときに、搬送ローラ対201が逆方向に回転駆動することにより、切断後の記録媒体11をその後尾側から搬出し、加熱加圧手段4へ搬送するようになっている。
【0101】
なお、この滞留手段200において「順方向」とは、第2の搬送ローラ対23から搬出された記録媒体1を搬入させる方向(図示例では下方向)であり、「逆方向」とは、その反対方向(図示例では上方向)のことをいう。
【0102】
また、第2の搬送ローラ対23の下流側には、該第2の搬送ローラ対23から搬出された画像記録後の記録媒体1の搬送方向を切替可能な搬送路切替手段300を有している。この搬送路切替手段300は、第2の搬送ローラ対23から搬出された記録媒体1の搬送をガイドするガイド部材301を有し、図示しない駆動手段により駆動されることで、記録媒体1を加熱加圧手段4へ直接搬送する第1の搬送位置(図7(a)の二点鎖線位置)と、上記滞留手段200へ搬送する第2の搬送位置(図7(a)の実線位置)とに切り替えることができるようになっている。
【0103】
かかる装置により、記録媒体1の切断長が切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)よりも大きい場合の動作について説明すると、まず、長尺状の記録媒体1は、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の順方向の回転駆動により図示右方向へ搬送され、その過程で記録媒体1の搬送と協働して記録ヘッド3において記録面(インク受容層側の面)に所定の画像が記録される。このとき、搬送路切替手段300においてガイド部材301を第2の搬送位置に切り替えておくと共に、滞留手段200におけるガイド部材202を搬入位置に切り替え、搬送ローラ対201を順方向に回転駆動させて、第2の搬送ローラ対23から搬出された記録媒体1をその先頭側から滞留手段200へ搬入させる。そして、所定の画像記録が終了したら、記録媒体1をその記録画像の後端が切断手段6による切断位置に来るまで更に搬送し、所定位置で記録媒体1を切断する(図7(a))。
【0104】
記録媒体1が切断されると、第2の搬送ローラ対23及び滞留手段200における搬送ローラ対201を更に順方向に回転駆動させ、切断後の記録媒体11の後尾側が滞留手段200のガイド部材202のほぼ先端(ガイド部材301側の端)に来るまで更に搬入させる。この記録媒体11の後尾側がガイド部材202のほぼ先端に来たか否かは、図示しない適宜の検出手段により検出することができる。切断後の記録媒体11の後尾側がガイド部材202のほぼ先端まで搬送されたら、該ガイド部材202を搬出位置に切り替え(図7(b))、次いで、搬送ローラ対201を逆方向に回転駆動させ、滞留手段200に滞留させておいた切断後の記録媒体11を加熱加圧手段4に搬送して加熱加圧処理を行う(図7(c))。
【0105】
次に、上記装置において、記録媒体1の切断長(L1)が切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)よりも小さい場合、図8に示すように、搬送路切替手段300においてガイド部材301を第1の搬送位置にしたまま、記録ヘッド3により所定の画像を記録していく。所定の画像記録が終了したら、記録媒体1をその記録画像の後端が切断手段6による切断位置に来るまで更に搬送し、所定位置で記録媒体1を切断する。このとき、記録媒体1の先頭は加熱加圧手段4には至らない(図8(a))。
【0106】
そして、記録媒体1が切断されると、第2の搬送ローラ対23を順方向に回転駆動させ、切断後の記録媒体11を加熱加圧手段4に直接搬送して加熱加圧処理を行う(図8(b))。
【0107】
この発明によれば、切断後の記録媒体11を滞留手段200により一時的に滞留させるようにしたので、記録媒体11を加熱加圧手段4へ一定速度で搬送でき、インク受容層をムラなく透明化することができると共に、切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)を記録媒体1の切断長に拘わらず小さくすることができ、それだけ装置の小型化を図ることが可能となる。
【0108】
しかも、記録媒体1の切断長(L1)が切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)よりも小さい場合には、記録媒体1を滞留手段200へ搬入させることなく直接加熱加圧手段4へ搬送させるため、処理の高速化を図ることができる。
【0109】
この発明においては、温度制御手段は、上記のように記録媒体1を滞留手段200を介して加熱加圧手段4へ搬送した場合と滞留手段200を介さずに直接加熱加圧手段4へ搬送した場合とで、加熱加圧手段4における記録媒体接触面の温度を変更することが好ましい。記録媒体1の記録面、即ちインク受容層の面が片面にのみ存在する場合では、加熱加圧手段4において滞留手段200を介して搬送された場合と介さずに搬送された場合とでインク受容層の面が表裏逆になる。インク受容層をその表面側から加熱する場合とその裏面側から支持体を介して加熱する場合とでは、インク受容層中の熱可塑性樹脂粒子を溶融、平滑化させて透明化させるための最適な温度範囲が異なるため、温度制御手段において、滞留手段200を介した場合と介さない場合とで加熱加圧手段4における記録媒体接触面の温度を変更することで、常に最適な温度範囲で加熱加圧処理を行うことができ、高品質の画像プリントを作成することができる。
【0110】
また、この発明において、加熱加圧手段4には、図9に示すように、加熱ローラ41に加えて、圧着ローラ42内にも発熱体44を設けることにより、記録媒体を挟んで両側に熱源を配置するようにすることも好ましい。これにより、インク受容層が加熱加圧手段4のいずれのローラに接触していても、必ず熱源を有するローラと接触させて加熱加圧処理することが可能である。なお、51は、圧着ローラ42の記録媒体接触面の温度を検出する温度センサである。
【0111】
このように記録媒体を挟んで両側に熱源を配置する場合、温度制御手段において、加熱加圧手段4が熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層と接触する側が所定の温度範囲となるように両熱源をそれぞれ制御することが更に好ましい。これにより常に最適な温度範囲で加熱加圧処理を行うことができ、高品質の画像プリントを作成することができる。
【0112】
また、記録媒体を挟んで両側に熱源を配置する場合、温度制御手段において、加熱加圧手段4が熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層と接触する側の熱源のみに通電するようにしてもよい。インク受容層と接触しない側の熱源の通電を停止させることで、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0113】
この発明においては、加熱加圧手段4を、図10(a)(b)に示すように、記録媒体接触位置を中心にして、即ち加熱ローラ41と圧着ローラ42との間のニップ45を中心にして180°回転可能に構成することも好ましい。これにより、図11(a)に示すように、切断後の記録媒体11が滞留手段200から加熱加圧手段4へ搬送されることにより、インク受容層を有する画像記録面側が記録ヘッド3による画像記録時と反対側となったときに、加熱加圧手段4を図7に示す状態から180°回転させ、加熱ローラ41と圧着ローラ42の位置を逆転させることで、発熱体43を有する加熱ローラ41をインク受容層に接触させることができる。また、図11(b)に示すように、滞留手段200を介さずに切断後の記録媒体11を直接加熱加圧手段4へ搬送する場合には、加熱加圧手段4を図11(a)から更に180°回転させる。従って、加熱加圧手段4が加熱ローラ41側にのみ発熱体43を有する場合でも、その加熱ローラ41を常にインク受容層と接触させて加熱加圧処理することが可能である。
【0114】
図12に、第4の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す。図3と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0115】
この発明において、加熱加圧手段4は、図示しないガイドレール等に沿って記録媒体搬送方向(図示左右方向)に移動可能に構成されている。
【0116】
かかる装置の動作について説明すると、まず、長尺状の記録媒体1は、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の順方向の回転駆動により図示右方向へ搬送され、その過程で記録媒体1の搬送と協働して記録ヘッド3によって記録面に所定の画像が記録される。所定の画像記録が終了したら、記録媒体1をその記録画像の後端が切断手段6による切断位置に来るまで更に搬送する(図12(a))。
【0117】
記録画像の後端が切断位置に来たら、第1及び第2の搬送ローラ対22、23を停止して記録媒体1を切断する。このとき、記録媒体1の切断長(L1)よりも切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)が小さいと、記録媒体1の先頭は、図12(a)に示すように加熱加圧手段4によって加熱加圧処理が開始されるため、記録媒体1の搬送が停止すると加熱ローラ41及び圧着ローラ42の回転に伴って加熱加圧手段4は切断手段6の側(図中左側)に移動しつつ加熱加圧処理が継続される(図12(b))。
【0118】
記録媒体1が切断され、切断された記録媒体11の後端が第2の搬送ローラ対23を通過すると、第2の搬送ローラ対23による記録媒体の拘束が外れ、加熱加圧手段4は切断後の記録媒体11の加熱加圧処理を継続しつつ初期位置まで搬送路を戻る(図12(c))。なお、46は加熱加圧手段4と装置本体の適宜の固定部との間に架け渡されたコイルバネ等からなる付勢手段であり、加熱加圧手段4を図示右方向に付勢することで、加熱加圧手段4を初期位置まで速やかに復帰させるように機能する。
【0119】
この発明によれば、記録媒体1を切断するために一時的に搬送停止しても、加熱加圧手段4が切断手段6側に向けて移動することで、加熱加圧処理を停止させることなく継続させることができ、インク受容層をムラなく透明化させることができる。
【0120】
図13に、第5の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す。図3と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0121】
この発明において、切断手段6は記録ヘッド3よりも上流側に配置され、第1の搬送ローラ対22と記録ヘッド3の間に位置している。
【0122】
かかる装置の動作について説明すると、長尺状の記録媒体1は、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の順方向の回転駆動により図示右方向に搬送され、その過程で記録媒体1の搬送と協働して記録ヘッド3において記録面(インク受容層側の面)に所定の画像が記録される(図13(a))。
【0123】
次いで、所定の画像記録が終了した後の記録媒体1は、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の逆方向の回転駆動により図示左方向に搬送され、所定の記録画像の後端が切断手段6による切断位置に来るまで戻され、所定位置で記録媒体1を切断する(図13(b))。
【0124】
記録媒体1が切断されると、第1の搬送ローラ22及び第2の搬送ローラ23を再び順方向に回転駆動させ、記録媒体1を図示右方向に搬送し、切断後の記録媒体11を加熱加圧手段4へ搬送して加熱加圧処理を行う(図13(c))。
【0125】
一般に、図14に示すように、切断手段6を記録ヘッド3と加熱加圧手段4との間に配設した場合、加熱加圧手段4は、切断後の記録媒体11を一定速度で加熱加圧処理し得るように、切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)が記録媒体1の切断長(L1)以上離れた位置に配設する必要があり、その結果、装置の大型化を避けるためにL1≒L2となるように加熱加圧手段4を配設しても、記録ヘッド3と切断手段6との間の距離(L3)を縮小するには限度があり、結局加熱加圧手段4はL2+L3だけ離れた位置に配置しなくてはならず、その分装置の小型化の障害となる問題があるが、この発明によれば、切断手段6を記録ヘッド3よりも上流側に配置しているため、図13(c)に示すように、記録ヘッド3の最上流側ノズル部位置と加熱加圧手段4との間の距離(L4)をL1に可及的近接させることができるようになり、それだけ装置の小型化を図ることが可能となる。
【0126】
図15に第5の発明の別の態様を示す。図13と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0127】
この態様において、第2の搬送ローラ対23と加熱加圧手段4との間の搬送路に、加熱加圧手段4への搬送路を形成する第1の搬送位置(図15(a)の二点鎖線位置)と加熱加圧手段4とは異なる方向に搬送する第2の搬送位置(図15(a)の実線位置)とに、図示しない駆動手段によって切り替え可能な搬送路切替手段400を有している。
【0128】
搬送路切替手段400は、記録媒体1の搬送をガイド可能なガイド部材401からなり、第1の搬送位置にあるときに、記録媒体1を加熱加圧手段4へ搬送するようにガイドし、第2の搬送位置にあるときに、記録媒体1を加熱加圧手段4への搬送方向とは異なる方向(図示例では右下方向)へ搬送するようにガイドするようになっている。
【0129】
かかる装置の動作について説明すると、まず、長尺状の記録媒体1は、第1及び第2の搬送ローラ対22、23の順方向の回転駆動により図示右方向へ搬送され、その過程で記録媒体1の搬送と協働して記録ヘッド3によって記録面に所定の画像が記録される。このとき、搬送路切替手段400のガイド部材401を第2の搬送位置に切り替えておき、画像記録の済んだ記録媒体1の先頭を加熱加圧手段4への搬送方向とは異なる方向に搬送する(図15(a))。
【0130】
次いで、第1及び第2の搬送ローラ対22、23が逆方向に回転駆動して、所定の画像記録が終了した後の記録媒体1を図示左方向に搬送し、所定の記録画像の後端が切断手段6による切断位置に来るまで戻し、所定位置で記録媒体1を切断する(図15(b))。
【0131】
記録媒体1が切断されると、ガイド部材401を第1の搬送位置に切り替える。但し、このとき切断後の記録媒体11の先頭がガイド部材401よりも長く突出して第1の搬送位置に切り替えた際に加熱加圧手段4に衝突するような場合には、記録媒体11を更に戻し、記録媒体11の先頭が加熱加圧手段4に衝突しないようにする。そして、ガイド部材401を第1の搬送位置に切り替えたら、第1及び第2の搬送ローラ対22、23を再び順方向に回転駆動させ、記録媒体1を図示右方向に搬送し、切断後の記録媒体11を加熱加圧手段4へ搬送して加熱加圧処理を行う(図15(c))。
【0132】
このように記録ヘッド3と加熱加圧手段4との間に搬送路切替手段400を配設し、画像記録した後で且つ切断手段6による切断前の記録媒体1を加熱加圧手段4への搬送方向とは異なる方向に搬送可能としたため、上記のものに比べて記録ヘッド3の最上流側ノズル部位置と加熱加圧手段4との間の距離(L4)を記録媒体1の切断長(L1)よりも小さくすることができるようになり、装置の一層の小型化を図ることが可能となる。
【0133】
なお、搬送路切替手段400は、記録媒体1への画像記録時において最初から第2の搬送位置に切り替えず、第1の搬送位置のままとしておき、記録媒体1の先頭がガイド部材401よりも所定長さ突出したことを適宜の検出手段により検出した後に第2の搬送位置に切り替えるようにしてもよい。このようにすれば、切断手段6により切断される記録媒体1の切断長(L1)が記録ヘッド3の最上流側ノズル部位置と加熱加圧手段4との間の距離(L4)未満の場合には、ガイド部材401が第1の搬送位置のままで画像記録、切断及び加熱加圧手段4への一連の処理を行うことができ、処理の高速化を図ることが可能である。
【0134】
図16は、第6の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。図3と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0135】
この発明において、切断手段6は、記録ヘッド3と加熱加圧手段4の間に配置されると共に、温度センサ5を含む加熱加圧手段4全体が図示しないガイドレール等に沿って、記録媒体1の搬送方向に沿う方向に沿って、即ち図示左右方向に移動可能に構成されており、図16(a)(b)に示すように切断手段6による記録媒体1の切断長(L1)に応じて、切断手段6と加熱加圧手段4との間の距離(L2)を変更可能としている。これにより、加熱加圧手段4の位置を、L1に合わせて適宜移動させて加熱加圧処理することができるようになる。
【0136】
一般に、切断手段6と加熱加圧手段4との間には、切断後の記録媒体を加熱加圧手段4へ搬送するために、L1未満の間隔で記録媒体1を挟むようにローラ対を配置しなくてはならず、L1が小サイズ〜大サイズまで様々に変化するとき、その最大サイズに対応して多数のローラ対を設けておく必要があるが、加熱加圧手段4を上記の通り移動可能としたことにより、多数のローラ対を設ける必要がなくなり、それだけ装置コストの低減化を図ることが可能となる。なお、切断後の記録媒体を加熱加圧手段4に搬送させて一定速度で加熱加圧処理し得るようにするため、L2>L1である。
【0137】
加熱加圧手段4を移動させるには、オペレータが任意に手動操作することにより行ってもよいし、適宜の駆動手段を設け、駆動手段を記録媒体1の切断長に応じて駆動制御することで、自動で移動させるようにしてもよい。
【0138】
なお、図1〜3、図7、8、図11〜13及び図16に示す各態様において、記録ヘッド3として図17(a)に示す走査型の記録ヘッド31を用いた場合、切断手段6は、図18に示すように、記録ヘッド31を走査ガイド32に沿って移動させるキャリッジ34に搭載し、ソレノイド等の図示しない駆動手段により必要に応じてキャリッジ34下面から記録媒体1に向けて突出させ、キャリッジ34の記録媒体1の幅方向に沿う移動走査に伴って該記録媒体1を切断するようにしてもよい。これにより、記録ヘッド31と切断手段6との間の距離を更に小さくすることができ、装置の小型化を図り得ると共に、キャリッジ走査用の駆動手段を利用して記録媒体1を幅方向に沿って移動させて切断することができるため、切断手段6に専用の駆動手段を設ける必要がなく、装置構成を簡素化することができる。
【0139】
【発明の効果】
本発明によれば、表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を加熱加圧してそのインク受容層を透明化するに際し、該記録媒体を一定速度で均一に透明化し得るインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図
【図2】図1の他の使用状態を示す概略構成図
【図3】第2の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図
【図4】第2の発明の別の態様を示す概略構成図
【図5】図4の他の使用状態を示す概略構成図
【図6】第3の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図
【図7】第3の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図
【図8】図7の他の使用状態を示す概略構成図
【図9】第3の発明における加熱加圧手段の他の態様を示す概略構成図
【図10】加熱加圧手段の更に他の態様を示す概略構成図
【図11】図10に示す加熱加圧手段の使用例を示す概略構成図
【図12】第4の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図
【図13】第5の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図
【図14】従来のインクジェット記録装置を示す概略構成図
【図15】第5の発明に係るインクジェット記録装置の他の態様を示す概略構成図
【図16】第6の発明に係るインクジェット記録装置の概略構成図
【図17】(a)は走査型の記録ヘッドを示す斜視図、(b)はライン状の記録ヘッドを示す斜視図
【図18】記録媒体切断手段を記録ヘッドに設けた態様を示す概略構成図
【図19】記録媒体の積層構成を示す断面図
【符号の説明】
1:記録媒体
2:搬送手段
3:記録ヘッド
4:加熱加圧手段
5:温度センサ
6:記録媒体切断手段
7:たるみ形成手段
8:搬送路切替手段
9:たるみ形成手段
100:第2の搬送路切替手段
200:記録媒体滞留手段
300:搬送路切替手段
400:搬送路切替手段

Claims (12)

  1. 表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体に対してインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体を加熱加圧して該記録媒体のインク受容層を透明化する加熱加圧手段と、該加熱加圧手段の温度を所定の温度範囲に保持する温度制御手段と、上記記録媒体を切断する記録媒体切断手段とを有するインクジェット記録装置において、
    上記記録媒体搬送手段は記録媒体を順逆双方向に搬送可能に構成され、上記記録媒体切断手段は上記記録ヘッドと上記加熱加圧手段との間に配置されると共に、上記記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間に、記録後の記録媒体をその先頭側から加熱加圧手段へ搬送する第1の搬送位置と記録後の記録媒体を加熱加圧手段への搬送方向とは異なる方向へ搬送する第2の搬送位置とに切り替え可能な搬送路切替手段を有し、
    上記記録媒体切断手段により切断される記録媒体の切断長が少なくとも記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離以上のときは、上記搬送路切替手段を第2の搬送位置にして記録媒体への画像記録及び切断の後に該記録及び切断済み記録媒体を逆方向搬送し、上記搬送路切替手段を第1の搬送位置に切り替えて記録及び切断済み記録媒体を上記加熱加圧手段へ順方向搬送し、
    前記記録媒体切断手段により切断される記録媒体の切断長が記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離未満のときは、前記搬送路切替手段を第1の搬送位置にして記録媒体への画像記録及び切断の後に該記録及び切断済み記録媒体を加熱加圧手段へ搬送するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記搬送路切替手段が第2の搬送位置にあるときに、前記記録ヘッドと前記記録媒体切断手段との間の搬送路に逆方向搬送された記録媒体のたるみを形成可能なたるみ形成手段を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記たるみ形成手段は、画像記録後で且つ切断前の順方向搬送された記録媒体を一時的に滞留させるためのたるみ形成手段を兼用することを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録ヘッドと前記記録媒体切断手段との間に、切断後の記録媒体を逆方向搬送する際に、該記録媒体の後尾側を記録ヘッドとは異なる方向へ搬送可能な第2の搬送路切替手段を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  5. 表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体に対してインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体を加熱加圧して該記録媒体のインク受容層を透明化する加熱加圧手段と、該加熱加圧手段の温度を所定の温度範囲に保持する温度制御手段と、上記記録媒体を切断する記録媒体切断手段とを有するインクジェット記録装置において、
    上記記録媒体切断手段は上記記録ヘッドと上記加熱加圧手段との間に配置され、該記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間に、記録媒体を搬送方向とは交叉する方向にその先頭側から搬入して一時的に滞留させると共に記録媒体を記録媒体切断手段により切断した後にその後尾側から搬出して加熱加圧手段へ搬送する記録媒体滞留手段と、画像記録後の記録媒体を加熱加圧手段へ直接搬送する第1の搬送位置と記録媒体を上記記録媒体滞留手段へ搬送する第2の搬送位置とに切り替え可能な搬送路切替手段とを有し、
    上記記録媒体切断手段により切断される記録媒体の切断長が記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離以上のときは、上記搬送路切替手段を第2の搬送位置にして記録媒体を上記記録媒体滞留手段に搬入させ、上記記録媒体切断手段により切断される記録媒体の切断長が記録媒体切断手段と加熱加圧手段との間の距離未満のときは、上記搬送路切替手段を第1の搬送位置にして記録媒体を直接加熱加圧手段へ搬送することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記温度制御手段は、記録媒体を記録媒体滞留手段を介して加熱加圧手段へ搬送した場合と記録媒体滞留手段を介さずに搬送した場合とで、該加熱加圧手段における記録媒体接触面の温度を変更することを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記加熱加圧手段は、記録媒体を挟んで両側に熱源を配置したことを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記温度制御手段は、加熱加圧手段が熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層と接触する側が所定の温度範囲となるように両熱源をそれぞれ制御することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記温度制御手段は、加熱加圧手段が熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層と接触する側の熱源のみに通電することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記加熱加圧手段は、記録媒体接触位置を中心にして180°回転可能であることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
  11. 表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体に対してインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体を加熱加圧して該記録媒体のインク受容層を透明化する加熱加圧手段と、該加熱加圧手段の温度を所定の温度範囲に保持する温度制御手段と、上記記録媒体を切断する記録媒体切断手段とを有するインクジェット記録装置において、
    上記記録媒体切断手段は上記記録ヘッドと上記加熱加圧手段との間に配置されると共に、上記加熱加圧手段は記録媒体搬送路に沿って移動可能に構成され、上記記録媒体切断手段による記録媒体切断時に該記録媒体の搬送を停止すると共に、加熱加圧手段を記録媒体切断手段側に移動しながら加熱加圧処理を継続し、記録媒体切断後に加熱加圧手段を記録媒体切断手段と反対側へ移動して元の位置に戻すようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 表層に熱可塑性樹脂粒子を含むインク受容層を有するロール状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体に対してインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体を加熱加圧して該記録媒体のインク受容層を透明化する加熱加圧手段と、該加熱加圧手段の温度を所定の温度範囲に保持する温度制御手段と、上記記録媒体を切断する記録媒体切断手段とを有するインクジェット記録装置において、
    上記記録媒体切断手段は上記記録ヘッドと上記加熱加圧手段との間に配置されると共に、上記加熱加圧手段は記録媒体切断手段による記録媒体の切断長に応じて、該記録媒体の搬送方向に沿う方向に沿って移動可能としたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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