JP4310726B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は無端状に形成された像担持体ベルトまたは転写材搬送ベルトを有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、継ぎ目で繋ぎ合わせた無端状の中間転写体ベルトにおいて、継ぎ目をベルトの回転方向に直角なベルト幅方向に対して斜めにすることにより、継ぎ目部の段差が駆動ローラ等のベルトを張架しているローラを乗り越える際に発生する速度むらや振動を低減させ、画像むらを抑制できることが知られている(特許文献1)。
【0003】
また、ベルト幅方向に対して継ぎ目を斜めにすることで、継ぎ目部がクリーニングブレードを通過する際に発生するバウンドを防止してクリーニング性能を向上させることも可能であり、また、継ぎ目部の補強部材を斜めに接着することで継ぎ目部による速度むらを抑制できることも知られている(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−305112号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平9−146386号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ベルト幅方向に対して継ぎ目を斜めにすることで画像むらを改善することは可能であるが、斜めにする方向については上記特許文献1、特許文献2には示されていない。
【0007】
ベルトを繋ぐ継ぎ目部では、端部に1次転写電極層を有する場合にはその継ぎ目部が他の継ぎ目部と厚さ物性が異なる。ベルトを繋ぐ際に超音波溶着を用いる場合、1次転写電極層部分で厚み物性が異なるため、加圧力が変化し、その変化により超音波溶着が不安定になり、電極層の継ぎ目部は他の継ぎ目部分に比べ強度が弱くなる。
【0008】
さらにベルト幅方向に対して継ぎ目を斜めにした場合、ローラに突入する際に、ベルト回転方向上流側の継ぎ目端部には、反対側に比べて継ぎ目にかかるストレスが大きく、上流側の継ぎ目部が先に破断しやすい。
【0009】
そのため、ベルト幅方向に対して継ぎ目を斜めにし、電極層継ぎ目部をベルト回転方向に対し上流側とした場合、ベルトを張架する各ローラへの突入が先に行われることで破断を起こしやすい上に、継ぎ目を繋ぐ際に1次転写電極層の厚さ物性の違いにより、もともと継ぎ目強度が弱いことが重なり、ベルト寿命を非常に短くしてしまう。さらに、1次転写電極層にローラ、板バネ等により電圧を印加する場合、破断した部分がそれらローラ、板バネ等に引っかかり、破断を一気に進行させてしまうことになる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決しようとするもので、片側端部に電極層を有し、継ぎ目で繋ぎ合わせた無端状の像担持体ベルトまたは転写材搬送ベルトの電極層側でのローラ突入時のストレスを軽減してベルト寿命を延ばすことを目的とする。
そのために本発明は、ベルトが継ぎ目で繋ぎ合わされて無端状に形成され、前記ベルトはベルト表面に電極層が形成されているベルト片側端部を有し、前記電極層が形成されている前記ベルト片側端部の一部は前記ベルトの他の部分よりも厚く形成されており、前記電極層が前記継ぎ目の部分で分離した像担持体ベルトまたは転写材搬送ベルトを備えた画像形成装置であって、前記ベルトは基板上に導電層、半導電層を順次形成した多層構造であり、前記電極層は前記ベルト片側端部の前記半導電層が形成されていない部分の導電層表面から半導電層表面へ跨がって形成され、前記電極層に当接し、前記継ぎ目の部分では分離した電極層間に跨がって当接して転写バイアス電圧を印加する弾性電極ローラが配置されており、前記継ぎ目のうち前記電極層がある側がベルト回転方向に対して下流側にあるようにベルト回転方向に直角なベルト幅方向に対して傾斜して継ぎ目が形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記継ぎ目が裏側から超音波溶着により繋ぎ合わされていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施形態の中間転写体ベルトを示す平面図、図2は中間転写体ベルトを示す断面図、図3はベルト継ぎ目部分を説明する断面図である。
【0012】
中間転写体ベルト1は、ベルト進行方向(回転方向)に直角なベルト幅方向に対して所定の角度を有する斜めの継ぎ目2の部分で繋ぎ合わされて無端状に形成され、本実施形態ではこの継ぎ目の傾斜方向に特徴がある。すなわち、ベルト幅方向に対する継ぎ目2の傾斜は、電極層部分の継ぎ目が、ベルト回転方向(図示の例では紙面下方から上方)に対し、下流側となるように傾斜している。
【0013】
図2に示すように、本実施形態の中間転写体ベルト1はPETからなる基板4の上にアルミ等の導電層5が設けられ、その表面に半導電層(塗料)6が形成された3層構造であり、その端部に一部半導電層が塗布されない部分が帯状に形成され、そこの露出した導電層5の表面に1次転写電極層3が形成され、その一部が半導電層6の表面まで延びるように形成されている。この1次転写電極層3に対し、1次転写電極ローラ10が接触し、導電層5に対して転写バイアス電圧が印加される。
【0014】
図3に示すように、中間転写体ベルト継ぎ目2は、基板4の裏側から超音波溶着により形成された溶着部分7で繋ぎ合わされている。微視的に見ると、継ぎ目2の部分では電極層、導電層は分離していて、電極ローラ10が分離した電極層間に跨がって接触する形となる。
【0015】
ところで、中間転写体ベルトは複数本のローラに張架されており、継ぎ目が斜めの場合、各ローラへの突入側に非常に大きなストレスがかかり、継ぎ目の破断を起こしやすい。さらに1次転写電極層の部分は他の部分に比べ、継ぎ目の強度が弱く、耐久的に破断してしまう危険性が高い。しかし、図1に示すように、1次転写電極層の継ぎ目部をベルト回転方向下流側に配置しておくことで、電極層へのストレスが緩和され、ベルト寿命を延ばすことが可能となる。
【0016】
【実施例】
図4は中間転写体ユニットを示す全体斜視図、図5は中間転写体ベルトを説明する要部断面図、図6は1次転写電極ローラの部分を説明する斜視図である。
【0017】
中間転写体ユニットの端部には、駆動ローラ11が設けられて中間転写体ベルト1を駆動し、ベルト端部には1次転写電極層3が形成され、1次転写電極層3に接触して回転する1次転写電極ローラ10が設けられる。中間転写体ベルト1は駆動ローラ11と従動ローラ12により所定方向に回転し、テンションローラ13で一定の張力を与えられ、1次転写バックアップローラ14とバックアップローラ14のニップを確定するための金属製のサポートローラ15が設けられている。また、従動ローラ12と対向する部分にベルト表面をクリーニングするクリーニングブレード16が当接する。
【0018】
図6の拡大図に示すように、中間転写体ベルト1の端部には、1次転写電極層3が形成され、従動ローラ12と対向する位置に、弾性ゴムからなる1次転写電極ローラ10が形成されて220Vの電圧が印加されている。
【0019】
以下に、本実施例をより詳細に説明する。
帯電、露光、現像の工程を経て、トナー像が形成された感光体(図示せず)の回転に伴い、トナー像は1次転写部へ到達する。1次転写部において、感光体に対向する位置に設けた1次転写バックアップローラ14をバネ等の力で感光体側に当接させ、この力により中間転写体ベルトと感光体とを定圧で接触させる。
【0020】
本実施例では中間転写体は基材にPETフィルム0.15mm、その表面にアルミ蒸着層等の導電層を設け、さらにその表面に半導電塗料を0.02mmの厚さで塗布している。また、ベルト端部には塗料が塗布されていない領域を設け、導電層の表面にカーボン製の電極層を幅5mm設けている。
【0021】
中間転写体はシート状のものをベルト形状に繋ぎ合わせたもので、その繋ぎ目は裏側からPETフィルムを当て、超音波溶着により繋ぎ合わせたものである。継ぎ目はベルト回転方向に直角なベルト幅方向に対して角度を有しており、カーボン電極層のある側の継ぎ目がベルト回転方向下流側となる。カーボン電極層の表面には、従動ローラと対向する位置に1次転写電極ローラ10を配置し、中間転写体の回転に従動回転する構成となっている。
【0022】
1次転写電極ローラ10には、1次転写高圧電源(図示せず)からバイアス電圧が印加され、このバイアス電圧は1次転写電極ローラ、中間転写体端部のカーボン電極層を介し、中間転写体の導電層に印加され、中間転写体は均一に帯電される。1次転写部に到達したトナー像は感光体と中間転写体がニップし、かつ導電層に印加された1次転写バイアスにより中間転写体上へと1次転写される。この転写が感光体上に順次形成されるトナー像に対し行われ、中間転写体上で色合わせされる。この時、2次転写ローラおよびクリーナー(図示せず)は中間転写体上のトナー像を乱さないため、離間状態に保たれる。
【0023】
中間転写体上に最終の色のトナー像の1次転写が開始され、重ね合わされた画像部は中間転写体の回転に伴い2次転写部へと到達する。これにタイミングを合わせ2次転写部に転写紙(図示せず)が案内されると共に、2次転写ローラが当接され、トナー画像は転写紙に一括転写される。2次転写されずに残留したトナーは中間転写体のクリーニング部へと到達し、これにタイミングを合わせてクリーニングブレード16が当接し、中間転写体上の残留トナーが掻き取られる。
【0024】
【発明の効果】
超音波溶着によりベルトの溶着を行った場合、1次転写電極層を有するベルトでは、他の部分に比べ継ぎ目の強度が弱く、使用していくにつれて破断してしまう危険性が高い。また、ベルトは複数のローラに張架されており、継ぎ目部には各ローラへの突入時、非常に大きなストレスがかかり、継ぎ目部の破断が起きやすい。その結果、電極層部は、寿命が非常に短くなってしまうが、本発明の構成にすることで、電極層側のローラ突入時のストレスを軽減でき、ベルト寿命を延ばすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の中間転写体ベルトを示す平面図である。
【図2】 中間転写体ベルトを示す断面図である。
【図3】 ベルト継ぎ目部分を説明する断面図である。
【図4】 中間転写体ユニットを示す全体斜視図である。
【図5】 中間転写体ベルトを説明する要部断面図である。
【図6】 1次転写電極ローラの部分を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1…中間転写体ベルト、2…継ぎ目、3…1次転写電極層、4…基板、5…導電層、6…半導電層、10…1次転写電極ローラ、11…駆動ローラ、12…従動ローラ、13…テンションローラ、14…バックアップローラ、15…サポートローラ、16…クリーニングブレード。
Claims (2)
- ベルトが継ぎ目で繋ぎ合わされて無端状に形成され、前記ベルトはベルト表面に電極層が形成されているベルト片側端部を有し、前記電極層が形成されている前記ベルト片側端部の一部は前記ベルトの他の部分よりも厚く形成されており、前記電極層が前記継ぎ目の部分で分離した像担持体ベルトまたは転写材搬送ベルトを備えた画像形成装置であって、
前記ベルトは基板上に導電層、半導電層を順次形成した多層構造であり、前記電極層は前記ベルト片側端部の前記半導電層が形成されていない部分の導電層表面から半導電層表面へ跨がって形成され、前記電極層に当接し、前記継ぎ目の部分では分離した電極層間に跨がって当接して転写バイアス電圧を印加する弾性電極ローラが配置されており、前記継ぎ目のうち前記電極層がある側がベルト回転方向に対して下流側にあるようにベルト回転方向に直角なベルト幅方向に対して傾斜して継ぎ目が形成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記継ぎ目は裏側から超音波溶着により繋ぎ合わされていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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- 2002-11-11 JP JP2002326526A patent/JP4310726B2/ja not_active Expired - Fee Related
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