JP3554225B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト上に転写した後、さらに中間転写ベルトから転写材上に転写するプロセスを有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、主にカラー印字を行う画像形成装置としては、カラー像を転写材に転写させる際に、像担持体の表面に各色毎にトナー像を形成し、該トナー像を転写材支持ドラムに吸着された転写材上に直接多重転写する転写システムと、像担持体の表面に形成された各色のトナー像を中間転写体に多重転写させた後に、転写材に一括して転写させる転写システムとがある。このうちの後者の転写システムは、中間転写体を用いることにより、条件の厳しい多重転写工程を、特性変動の大きい転写材を関与させずに行えるので、転写材上に直接多重転写する転写材支持ドラムを用いた前者の転写システムより環境変動や転写材の種類、状態に対する安定性が向上する。
【0003】
さらに、後者の転写システムは、転写材の吸着・分離機構が不要なため、構成が簡易となり、低コスト化が図れるばかりでなく、中間転写体として中間転写ベルトを用いると、占有面積を小さくできるため、画像形成装置本体の小型化が可能となるという利点がある。
【0004】
このように転写システムに中間転写体方式が採用されることは、多くの場合、構成の簡易化、低コスト化が理由に挙げられるからであり、2次転写バイアス手段には、転写ローラや2本の支持ローラのうち1本がバイアス手段を兼ねる2次転写ベルトといった簡易な構成を用いる場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような構成の転写装置によれば、特に乾燥した転写材や厚い転写材にトナー像を転写させる場合に、高い転写バイアス電圧を印加させる必要があるために、トナー像を転写材に転写させる転写部前後の空隙部への影響を抑える転写バイアスの制御が難しく、異常転写による画像不良や、転写材の中間転写体からの分離不良が発生する。
【0006】
すなわち、一度定着工程を経た転写材は加熱されて乾燥しているために、再度トナー像を転写する場合、2次転写での画像不良や、通紙障害が発生し易く、これが両面印字の実現に大きな障害となっている。特に、カラー印字を行う場合、中間転写体上に多重転写されたトナー像は、トナー量が多く、これを転写する場合、2次転写バイアス電圧を高く設定しなければならず、さらに異常転写を起こし易くなる。
【0007】
このための対策として、中間転写体、2次転写バイアス手段および2次転写バックアップローラの電気抵抗を下げることが行われている。しかし、この対策を用いても、転写材の厚さやサイズによって最適転写条件が大きく変動するため、転写バイアスを制御することが難しく、特に転写材のサイズが小さい場合、非常に大きな転写電流を流さなければならないために、異常転写を完全に防ぐことはできない。また、2次転写時の飛び散りが発生しやすく、1次転写、2次転写ともに転写効率が低下することもある。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みなされたもので、異常転写などの画像不良を防止するとともに、中間転写ベルトや2次転写ベルトまたは2次転写ローラからの転写材の分離を簡易な構成で、確実に行えるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、繰り返しトナー画像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー画像を1次転写して転写材に転写させる2次転写部まで搬送する中間転写ベルトと、2次転写後の転写材を吸着搬送する2次転写ベルトと、前記中間転写ベルトを支持する2次転写バックアップローラと、前記2次転写部で前記中間転写ベルトと前記2次転写ベルトを介して前記2次転写バックアップローラに当接可能で、かつ該2次転写ベルトを支持する2次転写ローラと、を有し、前記2次転写部で前記2次転写ベルトと前記中間転写ベルトとの間に転写材を挟持した状態で2次転写バイアスを印加し前記中間転写ベルト上のトナー画像を転写材上に転写させるものであって、
前記中間転写ベルトが108Ωcm以上の体積抵抗率を持つ材料で形成され、該中間転写ベルトの走行経路が前記2次転写部の上流側で前記2次転写ベルトを介して前記2次転写ローラに沿い、該2次転写ベルトの走行経路が該2次転写部の下流側で前記中間転写ベルトを介して前記2次転写バックアップローラに沿うように配設されており、前記2次転写ローラの硬度に対して前記2次転写バックアップローラの硬度を小さく設定したことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
〈第1の実施の形態〉
図1は本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略構成図、図2は同上の転写装置を示す要部構成図、図3は図2と比較するための不適切な転写装置を示す要部構成図である。
【0025】
図1において、110は像担持体としてのドラム型電子写真感光体(以下、感光体ドラムという)で、この感光体ドラム110は芯金の表面に光導電性の感光層を形成したものである。また、感光体ドラム110は図示を省略した駆動装置により図示矢印R方向の反時計回り方向に回転する。この感光体ドラム110の周囲には、感光体ドラム110を均一に帯電する1次帯電ローラ120、感光体ドラム110に静電潜像を形成するために画像信号にしたがって変調されたレーザ光(図1に点線で示す)を走査するレーザスキャナ130、感光体ドラム110に形成された静電潜像を可視像化する現像器140、感光体ドラム110上のトナー像が1次転写される中間転写体100、感光体ドラム110に残留しているトナーを清掃するクリーナ150およびトナーを清掃した後の感光体ドラム110を前露光する前露光手段160がそれぞれ備えられ、感光体ドラム110と中間転写体100との当接する箇所に1次転写部が形成されている。
【0026】
中間転写体100は、1次転写ローラ103と2次転写バックアップローラ(転写バックアップローラ)101とに108 Ωcm以上の体積抵抗率を持つ中間転写ベルト104が掛け渡された構成で、図示を省略した駆動装置により2次転写バックアップローラ101は図2に示す矢印R1方向(時計回り方向)に回転する。また、2次転写バックアップローラ101には中間転写ベルト104を介して転写バイアス手段としての2次転写ローラ102が当接して2次転写部が形成されている。
【0027】
1次転写部で感光ドラム110から中間転写ベルト104上に転写されたトナー像は中間転写ベルト104の回動に従い2次転写部へと運ばれる。転写材としての転写紙は図1に示す1点鎖線の通紙経路の右側から図示を省略した給紙搬送機構により搬送され、レジストローラ180a,180bによってトナー像とタイミングを合わせて2次転写部に搬送される。そして、図示を省略したバイアス発生手段により2次転写バックアップローラ101と2次転写ローラ102との間に印加された2次転写バイアスにより2次転写部において転写紙にトナー像が転写される。
【0028】
2次転写されたトナー像を乗せた転写紙は定着装置170で定着され、図示を省略した排紙装置により所定の排紙部位に排紙される。
【0029】
ところで、中間転写ベルト104の2次転写部前後の走行経路は、後述する基準面(図2aに1点鎖線で示す)に対して、走行経路の上流側では2次転写ローラ102寄りに、下流側では2次転写バックアップローラ101寄りに設定されている。すなわち、中間転写ベルト104はその走行方向に対して2次転写部の上流側では2次転写ローラ102に沿って、下流側では2次転写バックアップローラ101に沿って走行するように構成されている。この場合の基準面とは、2次転写バックアップローラ101の軸芯と2次転写ローラ102の軸芯とを結ぶ直線を含み、かつ軸芯に沿った平面(図2aに2点鎖線で示す)に2次転写部において直交する面を指す。
【0030】
これにより転写紙Pは2次転写部(図2bにnで示す)より上流側の中間転写ベルト104が2次転写ローラ102に沿って走行する領域(図2bにuで示す)で中間転写ベルト104と2次転写ローラ102とに挟持され、その状態で2次転写部nに進入する。中間転写ベルト104は体積抵抗率が108 Ωcm以上の材料によって形成されているので、転写紙Pが領域uに進入する位置では2次転写バイアスの影響はなく、中間転写ベルト104と2次転写ローラ102との間の領域nに転写紙Pが挟持された後に2次転写バイアスが有効になる。したがって、転写紙P上にトナー像が転写される際にトナーが乱されることはなく、異常転写が起こらないことになる。
【0031】
これに対して中間転写ベルト104の全体が、または中間転写ベルト104が多層構成の場合、一部の層が108 Ωcm以下の体積抵抗率であると、領域uの入口の転写紙Pが中間転写ベルト104と2次転写ローラ102とに挟持される直前の位置で2次転写バイアスの影響を受けるため、乾燥した転写紙Pにトナー像を転写させる場合や厚い転写紙Pにトナー像を転写させる場合などに、転写不良と異常転写とを共に防ぐことができなくなる。
【0032】
また、中間転写ベルトの2次転写部における走行経路が図3に示すように構成されている場合、つまり中間転写ベルト304の2次転写部前後の走行経路が2次転写バックアップローラ301の軸芯と2次転写ローラ302の軸芯とを結ぶ直線を含み、かつ軸芯に沿った平面に直交する基準面(図3aに2点鎖線で示す)に対して、上流側および下流側で共に2次転写バックアップローラ301寄りに設定してある場合、言い換えると中間転写ベルト304の走行経路の2次転写部より上流側は2次転写バックアップローラ301に沿って走行する場合もトナー像の乱れが起こり易くなる。
【0033】
すなわち、中間転写ベルト304は2次転写バックアップローラ301に沿って走行し、転写紙Pは2次転写部(図3bにn3 で示す)より上流側の中間転写ベルト304と2次転写ローラ302との間の空隙部(図3bにu3 で示す)に直接進入する。したがって、中間転写ベルト304上のトナー像は転写紙Pが中間転写ベルト304に密着する前に2次転写バイアスの影響によってトナー像が乱され易く、異常転写が起こることがある。
【0034】
また、第1の実施の形態の場合、転写紙Pは2次転写部を通過した直後に中間転写ベルト104、2次転写ローラ102から分離し、定着装置107へ向かう。このように転写紙Pを2次転写部の出口で2次転写ローラ102、中間転写ベルト104から分離させるためには、中間転写ベルト104が図2(a)に示すように2次転写部の下流側で2次転写バックアップローラ101に沿って走行している必要がある。
【0035】
なお、中間転写ベルト104が2次転写部の下流側で2次転写ローラ102に沿って走行している場合、転写紙Pは中間転写ベルト104に吸着して搬送される。
【0036】
2次転写部の出口において、2次転写ローラ102と中間転写ベルト104とからの転写紙Pを確実に分離させるには、2次転写バックアップローラ101と2次転写ローラ102との直径を30mm以下に制限したり、2次転写ローラ102と2次転写バックアップローラ101との差を5mm以下にしたりすることが必要である。つまり、2次転写バックアップローラ101と2次転写ローラ102との直径が30mmを超えると、2次転写部の出口において、転写紙Pがローラに巻き付き易くなる。また、2本のローラ101,102に5mmを超える直径差があると、転写紙Pが径の大きい側のローラに沿って動こうとする傾向が現れ、差が大きいと巻き付いてしまう。
【0037】
さらに、2本のローラを弾性材料によって形成し、当接圧で歪ませることも転写紙Pの中間転写ベルト104と2次転写ローラ102とからの分離を確実にさせる方法の1つである。この場合、2次転写部における出口での表面の実効曲率が等しくなるように2本のローラの硬度を調節する必要がある。2本のローラの硬度が異なる場合、転写紙Pは硬度の大きい側のローラに沿って動こうとする傾向が現れ、却って巻き付き易くなることもある。
【0038】
第1の実施の形態において、2次転写ローラ102を体積抵抗率108 Ωcm未満の低抵抗の材料で形成すると、特に、高湿環境で転写効率が低下したり、2次転写部の出口で転写紙Pが中間転写ベルト104から分離しなくなったりすることが起こる。これを防ぐには、2次転写ローラ102の表面を10μm以上の深さに亙って108 Ωcm以上の体積抵抗率の材料によって形成することが必要である。このような2次転写ローラ102を用いた場合、2次転写ローラ102がチャージアップして必要以上に高い2次転写バイアス電圧が必要となるが、2次転写ローラ102の表面を除電する除電手段を設けることにより回避することができる。
【0039】
〈第2の実施の形態〉
次に、本発明に係る第2の実施の形態を図4および図5に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図4において、中間転写体400は、中間転写駆動ローラ425、従動ローラ426および2次転写バックアップローラ(転写バックアップローラ)401に中間転写ベルト405を掛け渡した構成であり、中間転写ベルト405は中間転写駆動ローラ425により図4に示す矢印R5方向(時計回り方向)に走行駆動される。そして、中間転写駆動ローラ425と従動ローラ426との間の中間転写ベルト405には、これに沿ってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)のトナー像を感光体ドラム406〜409上に形成する画像形成ステーション411〜414が配設されている。
【0041】
そして、各画像形成ステーション411〜414には、感光体ドラム406〜409に中間転写ベルト405を挟んで1次転写ローラ421〜424を当接させて1次転写部が形成されている。各画像形成ステーション411〜414は感光体ドラム406〜409にあらかじめ各色のトナー像を形成し、中間転写ベルト405の同位置が1次転写部を通過するタイミングに合わせて各単色のトナー像を転写する、これにより中間転写ベルト405上に多色のトナーが多重転写されてフルカラー画像が形成される。
【0042】
搬送ベルトとしての2次転写ベルト403は2次転写ローラ402と2次転写駆動ローラ404とに掛け渡され、反時計回り方向に走行される。2次転写バックアップローラ401と2次転写ローラ402とは中間転写ベルト405と2次転写ベルト403とを介して当接して2次転写部が形成される。中間転写ベルト405に形成されたフルカラーのトナー像は中間転写ベルト405の走行により搬送され、2次転写部に至る。転写紙は図4に1点鎖線で示す転写材搬送経路の右側から図示を省略した搬送手段によってレジストローラ480a,480bの手前まで搬送され、次いでレジストローラ480a,480bにより2次転写部に搬送される。また、2次転写バックアップローラ401と2次転写ローラ402との間には2次転写バイアスが印加されているので、中間転写ベルト405上のフルカラーのトナー像が転写紙上に一括転写される。なお、2次転写ローラ402と2次転写ベルト403と2次転写駆動ローラ404とによって転写バイアス手段を構成している。
【0043】
フルカラーのトナー像が一括転写された転写紙は2次転写ベルト403上を吸着搬送され、2次転写駆動ローラ404の曲率により2次転写ベルト403から分離し、定着器470により定着され、図示を省略した排紙装置により所定の排紙部位に排紙される。
【0044】
ところで、中間転写ベルト405の2次転写部の上流側の走行経路は、後述する基準面(図5aの1点鎖線で示す)に対して、2次転写ローラ402寄りに設定されている。すなわち、中間転写ベルト405はその走行経路に対して2次転写部の上流側では2次転写ベルト403を介して2次転写ローラ402に沿って走行するように構成されている。この場合の基準面とは、2次転写バックアップローラ401の軸芯と2次転写ローラ402の軸芯とを結ぶ直線を含み、かつ軸芯に沿った平面(図5aに2点鎖線で示す)に2次転写部において直交する面を指す。
【0045】
また、2次転写ベルト403の2次転写部より下流側の走行経路は、基準面(図5aの1点鎖線で示す)に対して、2次転写バックアップローラ401寄りに設定されている。すなわち、2次転写ベルト403はその走行経路に対して2次転写部の下流側では中間転写ベルト405を介して2次転写バックアップローラ401に沿って走行するように構成されている。
【0046】
これにより転写紙Pは2次転写部(図5bにn5 で示す)より上流側の中間転写ベルト405が2次転写ローラ402に沿って走行する領域(図5bにu5 で示す)で中間転写ベルト405と2次転写ベルト403とに挟持され、その状態で2次転写部nに進入する。中間転写ベルト405は体積抵抗率が108 Ωcm以上の材料によって形成されているので、転写紙Pが領域u5 に進入する位置では2次転写バイアスの影響はなく、中間転写ベルト405と2次転写ローラ403との間の2次転写部n5 に転写紙Pが挟持された後に2次転写バイアスが有効になる。したがって、転写紙P上にトナー像が転写される際にトナーが乱されることはなく、異常転写が起こらないことになる。
【0047】
第2の実施の形態において、転写紙Pは中間転写ベルト405と2次転写ベルト403とに挟持拘束される前に2次転写バイアスの影響を受けていない。このような場合、転写紙Pは2次転写部n5 を通過した後に中間転写ベルト405と2次転写ベルト403とが分離する点で曲率の小さいベルトに沿って吸着搬送される。したがって、転写紙Pが2次転写部n5 の出口で2次転写ベルト403に吸着させるためには、2次転写ベルト403が2次転写部n5 の下流側で2次転写バックアップローラ401に沿うように走行していることが必要である(図5a)。
【0048】
2次転写ベルト403が体積抵抗率108 Ω未満の低抵抗の材料のみで形成されていると、特に高湿環境で2次転写効率が低下したり、2次転写部の出口で転写紙Pが中間転写ベルト405から分離されなくなったりすることがある。これを防ぐには2次転写ベルト403の全体が、または転写紙Pと接触する表面からの厚さが少なくとも10μm以上で、体積抵抗率が108 Ωcm以上の材料によって形成されていることが必要である。
【0049】
なお、第2の実施の形態と異なり、2次転写ベルトがその走行方向に対して2次転写部の上流側で中間転写ベルトを介して2次転写バックアップローラに沿っていても、108 Ωcm以上の体積抵抗率を有する材料によって形成されていれば、転写紙Pは2次転写部の上流側で中間転写ベルトと2次転写ベルトとに挟持、拘束されてから2次転写バイアスの影響を受けるので、異常転写を起こすことはない。また、2次転写部の下流側では2次転写ベルトが中間転写ベルトを介して2次転写バックアップローラに沿っていれば、転写紙Pは2次転写ベルトに沿って搬送されることになり、良好な特性を実現することができる。
【0050】
しかし、中間転写ベルトが体積抵抗率108 Ωcm未満の低抵抗の材料によって形成されていると、1次転写時に画像がぼけたり、転写効率を上げられなかったりする場合がある。これに対しては中間転写ベルトの全体、またはトナー像と接触する表面からの厚さが少なくとも10μm以上で、体積抵抗率が108 Ωcm以上の材料によって形成されていれば、上述の画像のぼけや転写効率が上げられなかったりする課題が解消する。
【0051】
また、2次転写部の出口での2次転写ベルト403への転写紙Pの吸着をより確実にするためには、2次転写バックアップローラ401の直径を50mm以下に制限することが必要である。つまり、2次転写バックアップローラ401の直径が50mmを超えるように大き過ぎると、2次転写部の出口での転写紙Pが中間転写ベルト405側に吸着し易くなってしまう。
【0052】
さらに、2次転写バックアップローラ401を弾性材料によって形成し、当接圧によって歪ませることも転写紙Pの2次転写ベルト403への吸着を確実にする方法の1つである。この場合、2次転写バックアップローラ401の硬度を2次転写ローラ403の硬度よりも小さくすることが、すなわち柔らかくすることが必要である。
【0053】
このように構成することにより2次転写バックアップローラ401の歪み量は2次転写ローラ402の歪み量よりも大きくなり、2次転写部の出口での曲率も大きくなって、中間転写ベルト405からの転写紙Pの分離、2次転写ベルト403への吸着が補助されることになる。
【0054】
これに対して、図6に示すように中間転写ベルト605の2次転写部前後の走行経路および2次転写ベルト603の2次転写部前後の走行経路が、2次転写バックアップローラ601の軸芯と2次転写ローラ602の軸芯とを結ぶ直線を含み、かつ軸芯に沿った平面(図6aに2点鎖線で示す)に2次転写部において直交する基準面(図6aに1点鎖線で示す)に対して、上流側および下流側共に中間転写ベルト605では2次転写バックアップローラ601寄りに、2次転写ベルト603では、2次転写ローラ602寄りに設定してある。
【0055】
したがって、転写紙Pが2次転写部(図6bにn6 で示す)の上流側の中間転写ベルト605と2次転写ベルト603との間の空隙部(図6bにu6 で示す)に直接進入する。そして、転写紙Pとトナー像とが密着するように拘束する前に2次転写バイアスの影響が及ぶことになるため、トナー像は乱され易く、異常転写が起こることがある。特に、転写紙Pの2次転写部への進入経路が2次転写ベルト603寄りの経路(図6bの1点鎖線で示す)を取った場合、異常転写は顕著である。
【0056】
しかも、転写紙Pは領域u6 で中間転写ベルト605と2次転写ベルト603との間に挟持、拘束される前に2次転写バイアスの影響を受けており、また2次転写部n6 の出口で中間転写ベルト605と2次転写ベルト603とはそれぞれが巻回する2次転写バックアップローラ601と2次転写ローラ602との曲率をもって分離しているので、2次転写部通過後の転写紙Pの搬送経路は非常に不安定になる。すなわち、ローラ径が共に小さく、2次転写部n6 の出口でベルトがローラに沿う角度が大きい場合、転写紙Pはいずれのベルトにも吸着せずに進行してしまうことになる。
【0057】
しかし、どちらかのローラ径が大きい場合、転写紙Pは径の大きいローラ寄りのベルトに沿って進行する傾向がある。また、2次転写部n6 の出口でベルトがローラに沿う角度が小さくなるようなローラ径が共に大きい場合、2次転写部の出口で転写紙Pの走行経路は領域u6 での転写紙Pの進入経路に依存する。つまり、転写紙Pが2次転写ベルト603寄りの経路(図6bに1点鎖線で示す)を取った場合、2次転写部通過後の進行経路も2次転写ベルト603寄り(図6bに1点鎖線で示す)となる。また、転写紙Pが中間転写ベルト605寄りの経路(図6bに2点鎖線で示す)を取った場合、2次転写部通過後の進行経路も中間転写ベルト605寄り(図6bに2点鎖線で示す)となる。
【0058】
さらに、中間転写ベルト705と2次転写ベルト703との2次転写部前後の走行経路が図7に示すような場合、すなわち2次転写バックアップローラ701の軸芯と2次転写ローラ702の軸芯とを結ぶ直線を含み、かつ軸芯に沿った平面(図7aに2点鎖線で示す)と2次転写部において直交する基準面(図7aに1点鎖線で示す)に対して、走行経路の上流側では、中間転写ベルト705が2次転写バックアップローラ701寄りに、2次転写ベルト703が2次転写ローラ702寄りに、下流側では中間転写ベルト705および2次転写ベルト703共に2次転写ローラ702寄りに設定されている。
【0059】
これにより、転写紙Pは2次転写部(図7bにn7 で示す)の上流側の中間転写ベルト705と2次転写ベルト703との間の空隙部(図7bにu7 で示す)に直接進入する。このため、転写紙Pとトナー像とが密着するように拘束される前に2次転写バイアスの影響が及ぶことになるので、トナー像は乱され易く、異常転写を起こすことがある。また、2次転写部n7 を通過した後に、中間転写ベルト705と2次転写ベルト703とが分離する点で2次転写ベルト703は屈曲し、中間転写ベルト705はほぼ真っ直ぐに進行するため、転写紙Pは中間転写ベルト705に沿って進行し、分離不良となる。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、中間転写ベルトが108Ωcm以上の体積抵抗率を有する材料で形成され、該中間転写ベルトの走行経路が2次転写部の上流側では2次転写ローラに沿うように配設されているので、2次転写ローラに転写バイアスを印加させる際に、転写部外での転写材に対する転写バイアスの影響を最小限に抑えることができ、これによって中間転写ベルトや2次転写ローラまたは2次転写ベルトから転写材への転写時の異常転写による画像不良や、該転写後の転写材の分離不良を防ぐことができる。
また、2次転写ローラの硬度に対して前記2次転写バックアップローラの硬度を小さく設定することにより、2次転写バックアップローラの歪み量は2次転写ローラの歪み量よりも大きくなり、2次転写部の出口での曲率も大きくなって、中間転写ベルトからの転写紙の分離、2次転写ベルトへの吸着が補助されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】(a)は同上の転写装置を示す要部構成図、(b)は中間転写ベルトの走行経路を説明するための図である。
【図3】(a)は図2(a)と比較するための不適切な転写装置を示す要部構成図、(b)はこの場合の中間転写ベルトの走行経路を説明するための図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態を示す概略構成図である。
【図5】(a)は図4の転写装置を示す要部構成図、(b)は同じく中間転写ベルトの走行経路を説明するための図である。
【図6】(a)は図5(a)と比較するための不適切な転写装置を示す要部構成図、(b)はこの場合の中間転写ベルトの走行経路を説明するための図である。
【図7】(a)は同様に図5(a)と比較するための不適切な転写装置を示す要部構成図、(b)はこの場合の中間転写ベルトの走行経路を説明するための図である。
【符号の説明】
101 転写バックアップローラ(2次転写バックアップローラ)
102 転写バイアス手段(2次転写ローラ)
104 中間転写ベルト
401 転写バックアップローラ(2次転写バックアップローラ)
402 転写バイアス手段(2次転写ローラ)
403 転写バイアス手段(2次転写ベルト)
405 中間転写ベルト
Claims (1)
- 繰り返しトナー画像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー画像を1次転写して転写材に転写させる2次転写部まで搬送する中間転写ベルトと、2次転写後の転写材を吸着搬送する2次転写ベルトと、前記中間転写ベルトを支持する2次転写バックアップローラと、前記2次転写部で前記中間転写ベルトと前記2次転写ベルトを介して前記2次転写バックアップローラに当接可能で、かつ該2次転写ベルトを支持する2次転写ローラと、を有し、前記2次転写部で前記2次転写ベルトと前記中間転写ベルトとの間に転写材を挟持した状態で2次転写バイアスを印加し前記中間転写ベルト上のトナー画像を転写材上に転写させる画像形成装置において、
前記中間転写ベルトが108Ωcm以上の体積抵抗率を持つ材料で形成され、該中間転写ベルトの走行経路が前記2次転写部の上流側で前記2次転写ベルトを介して前記2次転写ローラに沿い、該2次転写ベルトの走行経路が該2次転写部の下流側で前記中間転写ベルトを介して前記2次転写バックアップローラに沿うように配設されており、
前記2次転写ローラの硬度に対して前記2次転写バックアップローラの硬度を小さく設定した、
ことを特徴とする画像形成装置。
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