JP2004170878A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】未定着トナーが載った転写材が吸着ローラに接触した場合であっても、吸着ローラにトナーが付着するのを抑え、転写材の表面汚れや帯電ムラを防止する。
【解決手段】回転ローラ21又は吸着ローラ3に電圧印加手段4からバイアス電圧を印加することにより、回転ローラ21と吸着ローラ3との間を通過する転写材7に電荷を付与し、搬送ベルト1に転写材7を静電吸着させる。ここで吸着ローラ3と搬送ベルト1とを接触させる、又は吸着ローラ3と搬送ベルト1とを非接触としその間隙を転写材7の厚さ以下にすると共に、吸着ローラ3の表面が、搬送ベルト1又は転写材7との摩擦によりトナーの帯電極性と同極性に帯電するようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】回転ローラ21又は吸着ローラ3に電圧印加手段4からバイアス電圧を印加することにより、回転ローラ21と吸着ローラ3との間を通過する転写材7に電荷を付与し、搬送ベルト1に転写材7を静電吸着させる。ここで吸着ローラ3と搬送ベルト1とを接触させる、又は吸着ローラ3と搬送ベルト1とを非接触としその間隙を転写材7の厚さ以下にすると共に、吸着ローラ3の表面が、搬送ベルト1又は転写材7との摩擦によりトナーの帯電極性と同極性に帯電するようにする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いる複写機やプリンタなどの、カラー画像を形成する画像形成装置に関し、より詳細には搬送ベルトを用いた、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タンデム方式のカラー画像形成装置では、転写材の搬送方向に沿って複数の画像形成ユニットを配設し、搬送されてくる転写材に各画像形成ユニットの像担持体からトナー像を順次転写させて転写材上にカラー画像を形成する。
【0003】
この方式の画像形成装置では、転写材が搬送路を一度通過するだけでカラー画像が形成できるためプロセス速度が速いという利点がある。一方、各画像形成ユニットの転写位置に転写材を搬送して各色のトナー像を転写するため、転写材が搬送途中でズレると、得られるカラー画像の品質が著しく低下するという問題がある。したがって、この方式の画像形成装置では、位置ズレさせることなく転写材を安定搬送することが非常に重要である。
【0004】
そこで例えば特許文献1では、複数の回転ローラに無端状の搬送ベルトを掛け渡し回転移動させると共に、転写材搬送方向最上流の位置にある回転ローラに対向して吸着ローラを配設し、吸着ローラにバイアス電圧を印加して転写材を搬送ベルトに静電吸着する技術が提案されている。また、転写材の表面汚れや吸着時の転写材の帯電ムラを防止するには、吸着ローラを搬送ベルトと非接触とし、且つ吸着ローラと搬送ベルトとの間隙を転写材の厚み以下とすればよいことが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−270686号公報(特許請求の範囲、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
画像形成ユニットの転写位置を転写材が通過し、転写材上にトナーが載った状態で、転写材が搬送路内で詰まること(以下、「ジャム」と記すことがある)が少なからず起こる。このような場合、搬送路から転写材を取り除く仕方によっては、吸着ローラが搬送ベルトと非接触の場合であっても転写材が吸着ローラに接触し、転写材上の未定着トナーが吸着ローラに付着することがある。もちろん吸着ローラが搬送ベルトに接触している場合はその可能性は高い。吸着ローラにトナーが付着すると転写材の表面を汚し、また転写材の帯電ムラを起こすことがある。
【0007】
本発明のこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、未定着トナーが載った転写材が吸着ローラに接触した場合であっても、吸着ローラにトナーが付着するのを抑え、転写材の表面汚れや帯電ムラを発生させないようにすることにある。
【0008】
また本発明の他の目的は、吸着ローラにトナーがたとえ付着した場合であっても、吸着ローラから付着したトナーを除去できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の画像形成装置では、2本以上の回転ローラにより回転する無端状の搬送ベルトと、この搬送ベルトにより搬送される転写材上に像担持体上のトナーを転写させる複数の画像形成ユニットと、転写材搬送方向最上流側の回転ローラの対向位置に配設される吸着ローラと、前記最上流側の回転ローラ又は前記吸着ローラに吸着バイアス電圧を印加する電圧印加手段と設け、前記最上流側の回転ローラ又は前記吸着ローラにバイアス電圧を印加することにより、前記最上流側の回転ローラと前記吸着ローラとの間を通過する転写材に電荷を付与し、前記搬送ベルトに転写材を静電吸着させ、そして前記吸着ローラと前記搬送ベルトとを接触させる、又は前記吸着ローラと前記搬送ベルトとを非接触としその間隙を転写材の厚さ以下にし、前記吸着ローラの表面が、前記搬送ベルト又は転写材との摩擦によりトナーの帯電極性と同極性に帯電するようにした。
【0010】
ここで、電圧印加手段から吸着ローラにバイアス電圧を印加させ、且つそのバイアス電圧の極性切替が可能とし、吸着ローラと搬送ベルトとの間に転写材が通過していない時に、吸着ローラにバイアス電圧を印加することにより、吸着ローラに付着しているトナーを搬送ベルトに転写させて、吸着ローラをクリーニングするようにしてもよい。
【0011】
また像担持体の耐久性を向上させる観点から、像担持体として非晶質シリコン感光体を用い、これに合わせて搬送ベルトとして弾性層を備えた積層構造のものを用いてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、搬送路内で転写材のジャムが発生し、未定着トナーが載った転写材が吸着ローラに接触した場合であっても、吸着ローラにトナーが付着しないようにすべく鋭意検討を重ねた結果、吸着ローラの表面をトナーの帯電極性と同極性にすれば、吸着ローラとトナーとの間に斥力が生じ吸着ローラにトナーが付着しにくいであろうという着想に基づき本発明をなすに至った。以下、本発明の画像形成装置について図に基づいて詳述する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施態様であるタンデム方式のフルカラープリンタの概略構成図である。図1のプリンタでは、搬送ベルト1の上方にその搬送方向の上流から下流方向に向かって(図1では右方から左方にかけて)、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの各色の画像を形成する画像形成ユニット5が並列に設けられている。各々の画像形成ユニット5には、アモルファスシリコン感光体ドラム(像担持体)51と、その周囲には主帯電器52と、LED露光部53と、現像装置54と、転写ローラ55と、クリーニング装置56とが備えられている。また、各画像形成ユニット5の上部には、各現像装置54へトナーを供給するトナー供給容器6M、6C,6Y,6Bとが配設されている。
【0014】
搬送ベルト1は回転ローラ21,22,23,24に掛け渡され、回転ローラ22が駆動ローラとなり、そして回転ローラ21,23,24が従動ローラとなって搬送ベルト1は循環回転される。回転ローラ21の対向位置には搬送ベルト1に圧接するように吸着ローラ3が配置され、転写材7(図2に図示)を搬送ベルト1に吸着させる作用を果たしている。なお、この回転ローラ21と吸着ローラ3との作用効果については後述する。また、回転ローラ23の対向位置には搬送ベルト1と非接触で近接位置に画像濃度検知手段8が配設されている。濃度調整のために搬送ベルト上に転写されたトナー画像の濃度をここで検知し、これを基に現像バイアスや転写バイアスなどが調整される。そしてまた、回転ローラ24の対向位置には搬送ベルト1と接触するようにクリーニングブレード9が設けられている。このクリーニングブレード9によって、前記の濃度調整のために搬送ベルト上に転写されたトナー画像が搬送ベルト1から除去される他、後述するように、吸着ローラ3に付着したトナーが搬送ベルト1に移動しここで除去される。
【0015】
カセットCに収納された転写紙(転写材)7は、給紙機構によってカセットCから搬送路R1を通って搬送ベルト1へ送られる。送られてきた転写紙7は、吸着ローラ3に印加されるバイアス電圧によって搬送ベルト上に静電吸着され、各画像形成ユニット5における感光体ドラム51と転写ローラ55との間を順次通過する。そして、感光体ドラム51と転写ローラ55の間を通過する際に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が転写ローラ55に印加され、感光体ドラム51上に形成されたトナー画像が搬送ベルト上の転写紙7に転写される。各画像形成ユニット5を通過するごとに各色のトナー画像が転写紙上に次々に転写され、最終的なトナー画像が転写紙上に形成される。
【0016】
トナー画像が形成された転写紙7は次に定着装置11に運ばれ、ここで加熱および加圧されて転写紙上にトナーが定着される。定着装置11を通過した転写紙7は搬送路R2を通って排出部12へ排出される。
【0017】
図2に、図1の吸着ローラ付近を拡大した図を示す。回転ローラ21に張り渡された搬送ベルト1に圧接するように吸着ローラ3が設けられ、吸着ローラ3は搬送ベルト1に対して従動回転するようになっている。吸着ローラ3には、電圧印加手段4からバイアス電圧が印加される一方、その対向電極としての回転ローラ21は接地されている。吸着ローラ3に印加するバイアス電圧を正・負のいずれにしても、搬送ベルト1に転写紙7を静電吸着させることができるが、トナーの帯電極性と逆極性のバイアス電圧を印加すると、転写紙7がトナーと逆極性のの電荷を有してしまい各画像形成ユニット5における転写部分に転写紙7が至る前に感光体ドラム51上のトナーが転写紙7上に移動し、転写紙上のトナー画像が乱れることがあるので、吸着ローラ3に印加するバイアス電圧はトナーと同極性が好ましい。印加するバイアス電圧値としては絶対値で200〜3,000Vの範囲が好ましい。なお、この実施形態では吸着ローラ3にバイアス電圧を印加しているが、回転ローラ21にバイアス電圧を印加しても同様の効果が得られる。
【0018】
吸着ローラ3にバイアス電圧を印加するタイミングとしては、例えば給紙機構が作動した時から、最終の転写紙が搬送方向最下流の画像形成ユニットの転写ローラを通過した時までの間が挙げられる。
【0019】
ここで本発明に使用できる吸着ローラとしては、搬送ベルト又は転写材との摩擦によりその表面がトナーの帯電極性と同極性に帯電するものであればよい。吸着ローラ表面の帯電極性は摩擦する対象物との帯電列によって決まる。例えば吸着ローラが転写材としての紙と摩擦帯電する場合、吸着ローラ表面をマイナスに摩擦帯電させたいときには、吸着ローラの表面をフッ素系樹脂やポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタンなどで被覆しておけばよい。一方、吸着ローラ表面をプラスに摩擦帯電させたときには、吸着ローラの表面をナイロン系やポリエステル系などで被覆しておけばよい。
【0020】
ここで吸着ローラの摩擦帯電極性は、化学的・物理的な表面処理によっても変化させることができる。例えば吸着ローラの帯電列をマイナス側に移動させるには、リン酸などの溶剤に浸漬する、あるいは酸素ガス雰囲気下でプラズマ処理や紫外線照射による光処理、表層レーザ処理などを行えばよい。他方、帯電列をプラス側に移動させるには、アンモニア水などのアミノ系溶剤に浸漬する、あるいは窒素ガス雰囲気下でプラズマ処理や紫外線照射による光処理、表層レーザ処理などを行えばよい。
【0021】
また吸着ローラの平均体積抵抗率は1012Ω・cm以下であることが好ましい。吸着ローラの平均体積抵抗率が1012Ω・cmを超えると、摩擦帯電によって生じた電荷が蓄積してしまい、転写紙の安定した吸着性が得られなくからである。また後述するような吸着ローラにクリーニング用のバイアス電圧を印加しても、望む効果が得られなくなるからである。
【0022】
以上のように、吸着ローラ表面をトナーの帯電極性と同極性に摩擦帯電させることにより未定着トナーの付着を抑えることができるが、吸着ローラへのトナー付着を完全に防止することは困難である。そこで、電圧印加手段から吸着ローラへのバイアス電圧の極性を切替可能とし、吸着ローラと搬送ベルトとの間に転写材が通過していない時に、吸着ローラにクリーニング用のバイアス電圧を印加することにより、吸着ローラに付着したトナーを搬送ベルトに転写させて吸着ローラをクリーニングするのが望ましい。例えばトナーがプラス帯電するものである場合、吸着ローラ表面もプラスに摩擦帯電するので、通常は吸着ローラにトナーは付着しないが、摩擦帯電量によってはトナーを反発させるに充分な斥力が得られずトナーが付着することがある。このようなときは電圧印加手段からトナーを排除するに充分なプラスのバイアス電圧を印加して吸着ローラ表面からトナーを除去する。
【0023】
一方、プラス帯電のトナーの中には少ないながらも逆極性のマイナストナーが含まれている。前記の場合、吸着ローラはプラスに摩擦帯電しているので、このようなマイナストナーは吸着ローラに吸引されて付着してしまう。そこでこのような逆極性トナーを吸着ローラ表面から取り除くために、電圧印加手段からマイナスのバイアス電圧を印加して斥力によってマイナストナーを吸着ローラ表面から除去する。
【0024】
このように吸着ローラに付着しているトナーは、プラス帯電しているものもあればマイナス帯電しているものもあるので、吸着ローラに印加するバイアス電圧は、正・負を交互に印加するのがよい。これにより吸着ローラからトナーを効果的に除去できる。このような吸着ローラのクリーニングのために印加するバイアス電圧としては絶対値で200〜3,000Vの範囲が好ましい。また、クリーニングする時間としては吸着ローラが数回転する程度でよく、通常は数秒程度で充分である。
【0025】
吸着ローラをクリーニングする時期としては特に限定はないが、プリンターなどの画像形成装置の電源が入れられた時や所定枚数画像が形成された後、ジャムからの復旧した直後などに行うのが効果的である。
【0026】
なお、吸着ローラに付着したトナーをバイアス電圧の印加によって搬送ベルト側に効率的に移動させるには、吸着ローラ表面の10点平均表面粗さRz(JIS B0601に準拠)が100μm以下であるのが好ましい。平均表面粗さRzが100μmよりも大きいと、吸着ローラ表面の凹部の奥に付着したトナーが、クリーニング用のバイアス電圧を印加してもトナーが搬送ベルトに移動しにくくなるからである。
【0027】
吸着ローラ3から搬送ベルト1に移動したトナーは、回動する搬送ベルト1によって搬送ベルト1のクリーニング部に送られ、ここでクリーニングブレード9によって搬送ベルト1から取り除かれる。
【0028】
本発明で使用できる搬送ベルトとしては、転写材を静電吸着し搬送できるものであれば特に限定はなく、例えばPVDFやポリカーボネートなどからなる樹脂ベルトや弾性層を備えたゴム状ベルトなどが挙げられる。なお、像担持体として非晶質シリコン感光体を用いた場合に、搬送ベルトとして樹脂ベルトを用いると、感光体と搬送ベルトの双方が共に硬い材質であることから、これらの間に挟まれたトナーが潰れて感光体に付着することがある。このため、像担持体として非晶質シリコン感光体などの表面硬度の高いものを用いる場合には、搬送ベルトとして弾性層を備えたゴム状ベルトを用いることが推奨される。
【0029】
搬送ベルトとして樹脂ベルトを用いる場合、ヤング率は100MPa以上、表面抵抗は1×1011Ω/□以上、厚さは100〜150μmの範囲のものが好ましい。
【0030】
他方、搬送ベルトとしてゴム状ベルトを用いる場合、その構造は弾性層を含んだ積層構造体が好ましく、例えば図3に示すように、基材1aとしてのPVDF層の上に、弾性層1bとしてのクロロプレンゴム(CR)層、シリコン層1c、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層1dが順次積層されたベルトが例示される。基材1aはヤング率が500〜1,000MPaの範囲、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲、厚さが50〜500μmの範囲が好ましい。また弾性層1bは、ヤング率が1〜10MPaの範囲、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲、厚さが50〜500μmの範囲が好ましい。シリコン層1cやPTFE層1dは離型性を向上させるための層であり、その表面抵抗は1×1011〜1×1014Ω/□の範囲が好ましい。
【0031】
【実施例】
実施例1
図1に示したプリンタにおいて、圧接している吸着ローラ3と搬送ベルト1との間に、未定着の正帯電トナーが載った転写紙7を強制的に通過させて吸着ローラ3へのトナー付着状況を調べた。この結果、目視による観察では、吸着ローラ3へのトナー付着はまったく軽微なものであった。なお、用いた吸着ローラ3と搬送ベルト1の材質および特性は下記の通りである。
【0032】
次に、電圧印加手段4から吸着ローラ3に+2kVのバイアス電圧を数秒間印加した後、吸着ローラ表面のトナー付着状況を目視により観察した。この結果、吸着ローラ3にわずかながら付着していたトナーのほとんどすべては搬送ベルト1上に移動し、吸着ローラ表面にトナーは付着していなかった。
【0033】
(搬送ベルト)
PVDFからなる単層の樹脂ベルト(ヤング率:500MPa、表面抵抗率:1×1011Ω/□、厚さ:100μm)
(吸着ローラ)
外径8mmの芯金に低硬度の導電性発泡体を取り付け、発泡体の外表面を研磨した後、体積抵抗率が1×108Ω・cm、表面粗さRzが1μm以下のナイロン製チューブを前記発泡体に被せて外径15mmの吸着ローラとした。
【0034】
実施例2
転写ベルトとして、下記のような多層構造のゴム状ベルトを用いた以外は実施例1と同様にして吸着ローラのトナー付着状況を調べた。この結果、転写ベルトとしてゴム状ベルトを用いた場合でも、吸着ローラへのトナー付着はほとんどなく、また吸着ローラにクリーニングバイアス電圧を印加することによって、吸着ローラにわずかながら付着していたトナーも搬送ベルト上に移動させることができた。
【0035】
(転写ベルト)
基材(PVDF;ヤング率:500MPa、表面抵抗率:1×1010Ω/□、厚さ:100μm)、弾性層(CRゴム;ヤング率:5MPa、表面抵抗率:1×1010Ω/□、厚さ:100μm)、第1コート層(シリコン樹脂)、第2コート層(PTFE樹脂;表面抵抗率1×1013Ω/□)をこの順で積層して転写ベルトとした。
【0036】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置では、吸着ローラの表面が、搬送ベルト又は転写材との摩擦によりトナーの帯電極性と同極性に帯電するので、未定着トナーが載った転写材が吸着ローラに接触した場合であっても、吸着ローラにトナーが付着するのが抑えられ、転写材の表面汚れや帯電ムラを防止できる。
【0037】
また、電圧印加手段から吸着ローラにバイアス電圧を印加でき、且つそのバイアス電圧の極性切替を可能とし、吸着ローラと搬送ベルトとの間に転写材が通過していない時に、吸着ローラにバイアス電圧を印加するようにすれば、吸着ローラにトナーがたとえ付着した場合であっても、搬送ベルトにトナーを転写させることにより吸着ローラから付着したトナーを除去できる。
【0038】
さらに、像担持体として非晶質シリコン感光体を用い、これに合わせて搬送ベルトとして弾性層を備えた積層構造のものを用いると、像担持体の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態であるプリンタの概略構成図である。
【図2】図1のプリンタにおける吸着ローラ付近の拡大図である。
【図3】本発明に用いる搬送ベルトの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 搬送ベルト
3 吸着ローラ
4 電圧印加手段
5 画像形成ユニット
7 転写紙(転写材)
21 回転ローラ
51 感光体ドラム(像担持体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いる複写機やプリンタなどの、カラー画像を形成する画像形成装置に関し、より詳細には搬送ベルトを用いた、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タンデム方式のカラー画像形成装置では、転写材の搬送方向に沿って複数の画像形成ユニットを配設し、搬送されてくる転写材に各画像形成ユニットの像担持体からトナー像を順次転写させて転写材上にカラー画像を形成する。
【0003】
この方式の画像形成装置では、転写材が搬送路を一度通過するだけでカラー画像が形成できるためプロセス速度が速いという利点がある。一方、各画像形成ユニットの転写位置に転写材を搬送して各色のトナー像を転写するため、転写材が搬送途中でズレると、得られるカラー画像の品質が著しく低下するという問題がある。したがって、この方式の画像形成装置では、位置ズレさせることなく転写材を安定搬送することが非常に重要である。
【0004】
そこで例えば特許文献1では、複数の回転ローラに無端状の搬送ベルトを掛け渡し回転移動させると共に、転写材搬送方向最上流の位置にある回転ローラに対向して吸着ローラを配設し、吸着ローラにバイアス電圧を印加して転写材を搬送ベルトに静電吸着する技術が提案されている。また、転写材の表面汚れや吸着時の転写材の帯電ムラを防止するには、吸着ローラを搬送ベルトと非接触とし、且つ吸着ローラと搬送ベルトとの間隙を転写材の厚み以下とすればよいことが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−270686号公報(特許請求の範囲、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
画像形成ユニットの転写位置を転写材が通過し、転写材上にトナーが載った状態で、転写材が搬送路内で詰まること(以下、「ジャム」と記すことがある)が少なからず起こる。このような場合、搬送路から転写材を取り除く仕方によっては、吸着ローラが搬送ベルトと非接触の場合であっても転写材が吸着ローラに接触し、転写材上の未定着トナーが吸着ローラに付着することがある。もちろん吸着ローラが搬送ベルトに接触している場合はその可能性は高い。吸着ローラにトナーが付着すると転写材の表面を汚し、また転写材の帯電ムラを起こすことがある。
【0007】
本発明のこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、未定着トナーが載った転写材が吸着ローラに接触した場合であっても、吸着ローラにトナーが付着するのを抑え、転写材の表面汚れや帯電ムラを発生させないようにすることにある。
【0008】
また本発明の他の目的は、吸着ローラにトナーがたとえ付着した場合であっても、吸着ローラから付着したトナーを除去できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の画像形成装置では、2本以上の回転ローラにより回転する無端状の搬送ベルトと、この搬送ベルトにより搬送される転写材上に像担持体上のトナーを転写させる複数の画像形成ユニットと、転写材搬送方向最上流側の回転ローラの対向位置に配設される吸着ローラと、前記最上流側の回転ローラ又は前記吸着ローラに吸着バイアス電圧を印加する電圧印加手段と設け、前記最上流側の回転ローラ又は前記吸着ローラにバイアス電圧を印加することにより、前記最上流側の回転ローラと前記吸着ローラとの間を通過する転写材に電荷を付与し、前記搬送ベルトに転写材を静電吸着させ、そして前記吸着ローラと前記搬送ベルトとを接触させる、又は前記吸着ローラと前記搬送ベルトとを非接触としその間隙を転写材の厚さ以下にし、前記吸着ローラの表面が、前記搬送ベルト又は転写材との摩擦によりトナーの帯電極性と同極性に帯電するようにした。
【0010】
ここで、電圧印加手段から吸着ローラにバイアス電圧を印加させ、且つそのバイアス電圧の極性切替が可能とし、吸着ローラと搬送ベルトとの間に転写材が通過していない時に、吸着ローラにバイアス電圧を印加することにより、吸着ローラに付着しているトナーを搬送ベルトに転写させて、吸着ローラをクリーニングするようにしてもよい。
【0011】
また像担持体の耐久性を向上させる観点から、像担持体として非晶質シリコン感光体を用い、これに合わせて搬送ベルトとして弾性層を備えた積層構造のものを用いてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、搬送路内で転写材のジャムが発生し、未定着トナーが載った転写材が吸着ローラに接触した場合であっても、吸着ローラにトナーが付着しないようにすべく鋭意検討を重ねた結果、吸着ローラの表面をトナーの帯電極性と同極性にすれば、吸着ローラとトナーとの間に斥力が生じ吸着ローラにトナーが付着しにくいであろうという着想に基づき本発明をなすに至った。以下、本発明の画像形成装置について図に基づいて詳述する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施態様であるタンデム方式のフルカラープリンタの概略構成図である。図1のプリンタでは、搬送ベルト1の上方にその搬送方向の上流から下流方向に向かって(図1では右方から左方にかけて)、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの各色の画像を形成する画像形成ユニット5が並列に設けられている。各々の画像形成ユニット5には、アモルファスシリコン感光体ドラム(像担持体)51と、その周囲には主帯電器52と、LED露光部53と、現像装置54と、転写ローラ55と、クリーニング装置56とが備えられている。また、各画像形成ユニット5の上部には、各現像装置54へトナーを供給するトナー供給容器6M、6C,6Y,6Bとが配設されている。
【0014】
搬送ベルト1は回転ローラ21,22,23,24に掛け渡され、回転ローラ22が駆動ローラとなり、そして回転ローラ21,23,24が従動ローラとなって搬送ベルト1は循環回転される。回転ローラ21の対向位置には搬送ベルト1に圧接するように吸着ローラ3が配置され、転写材7(図2に図示)を搬送ベルト1に吸着させる作用を果たしている。なお、この回転ローラ21と吸着ローラ3との作用効果については後述する。また、回転ローラ23の対向位置には搬送ベルト1と非接触で近接位置に画像濃度検知手段8が配設されている。濃度調整のために搬送ベルト上に転写されたトナー画像の濃度をここで検知し、これを基に現像バイアスや転写バイアスなどが調整される。そしてまた、回転ローラ24の対向位置には搬送ベルト1と接触するようにクリーニングブレード9が設けられている。このクリーニングブレード9によって、前記の濃度調整のために搬送ベルト上に転写されたトナー画像が搬送ベルト1から除去される他、後述するように、吸着ローラ3に付着したトナーが搬送ベルト1に移動しここで除去される。
【0015】
カセットCに収納された転写紙(転写材)7は、給紙機構によってカセットCから搬送路R1を通って搬送ベルト1へ送られる。送られてきた転写紙7は、吸着ローラ3に印加されるバイアス電圧によって搬送ベルト上に静電吸着され、各画像形成ユニット5における感光体ドラム51と転写ローラ55との間を順次通過する。そして、感光体ドラム51と転写ローラ55の間を通過する際に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が転写ローラ55に印加され、感光体ドラム51上に形成されたトナー画像が搬送ベルト上の転写紙7に転写される。各画像形成ユニット5を通過するごとに各色のトナー画像が転写紙上に次々に転写され、最終的なトナー画像が転写紙上に形成される。
【0016】
トナー画像が形成された転写紙7は次に定着装置11に運ばれ、ここで加熱および加圧されて転写紙上にトナーが定着される。定着装置11を通過した転写紙7は搬送路R2を通って排出部12へ排出される。
【0017】
図2に、図1の吸着ローラ付近を拡大した図を示す。回転ローラ21に張り渡された搬送ベルト1に圧接するように吸着ローラ3が設けられ、吸着ローラ3は搬送ベルト1に対して従動回転するようになっている。吸着ローラ3には、電圧印加手段4からバイアス電圧が印加される一方、その対向電極としての回転ローラ21は接地されている。吸着ローラ3に印加するバイアス電圧を正・負のいずれにしても、搬送ベルト1に転写紙7を静電吸着させることができるが、トナーの帯電極性と逆極性のバイアス電圧を印加すると、転写紙7がトナーと逆極性のの電荷を有してしまい各画像形成ユニット5における転写部分に転写紙7が至る前に感光体ドラム51上のトナーが転写紙7上に移動し、転写紙上のトナー画像が乱れることがあるので、吸着ローラ3に印加するバイアス電圧はトナーと同極性が好ましい。印加するバイアス電圧値としては絶対値で200〜3,000Vの範囲が好ましい。なお、この実施形態では吸着ローラ3にバイアス電圧を印加しているが、回転ローラ21にバイアス電圧を印加しても同様の効果が得られる。
【0018】
吸着ローラ3にバイアス電圧を印加するタイミングとしては、例えば給紙機構が作動した時から、最終の転写紙が搬送方向最下流の画像形成ユニットの転写ローラを通過した時までの間が挙げられる。
【0019】
ここで本発明に使用できる吸着ローラとしては、搬送ベルト又は転写材との摩擦によりその表面がトナーの帯電極性と同極性に帯電するものであればよい。吸着ローラ表面の帯電極性は摩擦する対象物との帯電列によって決まる。例えば吸着ローラが転写材としての紙と摩擦帯電する場合、吸着ローラ表面をマイナスに摩擦帯電させたいときには、吸着ローラの表面をフッ素系樹脂やポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタンなどで被覆しておけばよい。一方、吸着ローラ表面をプラスに摩擦帯電させたときには、吸着ローラの表面をナイロン系やポリエステル系などで被覆しておけばよい。
【0020】
ここで吸着ローラの摩擦帯電極性は、化学的・物理的な表面処理によっても変化させることができる。例えば吸着ローラの帯電列をマイナス側に移動させるには、リン酸などの溶剤に浸漬する、あるいは酸素ガス雰囲気下でプラズマ処理や紫外線照射による光処理、表層レーザ処理などを行えばよい。他方、帯電列をプラス側に移動させるには、アンモニア水などのアミノ系溶剤に浸漬する、あるいは窒素ガス雰囲気下でプラズマ処理や紫外線照射による光処理、表層レーザ処理などを行えばよい。
【0021】
また吸着ローラの平均体積抵抗率は1012Ω・cm以下であることが好ましい。吸着ローラの平均体積抵抗率が1012Ω・cmを超えると、摩擦帯電によって生じた電荷が蓄積してしまい、転写紙の安定した吸着性が得られなくからである。また後述するような吸着ローラにクリーニング用のバイアス電圧を印加しても、望む効果が得られなくなるからである。
【0022】
以上のように、吸着ローラ表面をトナーの帯電極性と同極性に摩擦帯電させることにより未定着トナーの付着を抑えることができるが、吸着ローラへのトナー付着を完全に防止することは困難である。そこで、電圧印加手段から吸着ローラへのバイアス電圧の極性を切替可能とし、吸着ローラと搬送ベルトとの間に転写材が通過していない時に、吸着ローラにクリーニング用のバイアス電圧を印加することにより、吸着ローラに付着したトナーを搬送ベルトに転写させて吸着ローラをクリーニングするのが望ましい。例えばトナーがプラス帯電するものである場合、吸着ローラ表面もプラスに摩擦帯電するので、通常は吸着ローラにトナーは付着しないが、摩擦帯電量によってはトナーを反発させるに充分な斥力が得られずトナーが付着することがある。このようなときは電圧印加手段からトナーを排除するに充分なプラスのバイアス電圧を印加して吸着ローラ表面からトナーを除去する。
【0023】
一方、プラス帯電のトナーの中には少ないながらも逆極性のマイナストナーが含まれている。前記の場合、吸着ローラはプラスに摩擦帯電しているので、このようなマイナストナーは吸着ローラに吸引されて付着してしまう。そこでこのような逆極性トナーを吸着ローラ表面から取り除くために、電圧印加手段からマイナスのバイアス電圧を印加して斥力によってマイナストナーを吸着ローラ表面から除去する。
【0024】
このように吸着ローラに付着しているトナーは、プラス帯電しているものもあればマイナス帯電しているものもあるので、吸着ローラに印加するバイアス電圧は、正・負を交互に印加するのがよい。これにより吸着ローラからトナーを効果的に除去できる。このような吸着ローラのクリーニングのために印加するバイアス電圧としては絶対値で200〜3,000Vの範囲が好ましい。また、クリーニングする時間としては吸着ローラが数回転する程度でよく、通常は数秒程度で充分である。
【0025】
吸着ローラをクリーニングする時期としては特に限定はないが、プリンターなどの画像形成装置の電源が入れられた時や所定枚数画像が形成された後、ジャムからの復旧した直後などに行うのが効果的である。
【0026】
なお、吸着ローラに付着したトナーをバイアス電圧の印加によって搬送ベルト側に効率的に移動させるには、吸着ローラ表面の10点平均表面粗さRz(JIS B0601に準拠)が100μm以下であるのが好ましい。平均表面粗さRzが100μmよりも大きいと、吸着ローラ表面の凹部の奥に付着したトナーが、クリーニング用のバイアス電圧を印加してもトナーが搬送ベルトに移動しにくくなるからである。
【0027】
吸着ローラ3から搬送ベルト1に移動したトナーは、回動する搬送ベルト1によって搬送ベルト1のクリーニング部に送られ、ここでクリーニングブレード9によって搬送ベルト1から取り除かれる。
【0028】
本発明で使用できる搬送ベルトとしては、転写材を静電吸着し搬送できるものであれば特に限定はなく、例えばPVDFやポリカーボネートなどからなる樹脂ベルトや弾性層を備えたゴム状ベルトなどが挙げられる。なお、像担持体として非晶質シリコン感光体を用いた場合に、搬送ベルトとして樹脂ベルトを用いると、感光体と搬送ベルトの双方が共に硬い材質であることから、これらの間に挟まれたトナーが潰れて感光体に付着することがある。このため、像担持体として非晶質シリコン感光体などの表面硬度の高いものを用いる場合には、搬送ベルトとして弾性層を備えたゴム状ベルトを用いることが推奨される。
【0029】
搬送ベルトとして樹脂ベルトを用いる場合、ヤング率は100MPa以上、表面抵抗は1×1011Ω/□以上、厚さは100〜150μmの範囲のものが好ましい。
【0030】
他方、搬送ベルトとしてゴム状ベルトを用いる場合、その構造は弾性層を含んだ積層構造体が好ましく、例えば図3に示すように、基材1aとしてのPVDF層の上に、弾性層1bとしてのクロロプレンゴム(CR)層、シリコン層1c、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層1dが順次積層されたベルトが例示される。基材1aはヤング率が500〜1,000MPaの範囲、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲、厚さが50〜500μmの範囲が好ましい。また弾性層1bは、ヤング率が1〜10MPaの範囲、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲、厚さが50〜500μmの範囲が好ましい。シリコン層1cやPTFE層1dは離型性を向上させるための層であり、その表面抵抗は1×1011〜1×1014Ω/□の範囲が好ましい。
【0031】
【実施例】
実施例1
図1に示したプリンタにおいて、圧接している吸着ローラ3と搬送ベルト1との間に、未定着の正帯電トナーが載った転写紙7を強制的に通過させて吸着ローラ3へのトナー付着状況を調べた。この結果、目視による観察では、吸着ローラ3へのトナー付着はまったく軽微なものであった。なお、用いた吸着ローラ3と搬送ベルト1の材質および特性は下記の通りである。
【0032】
次に、電圧印加手段4から吸着ローラ3に+2kVのバイアス電圧を数秒間印加した後、吸着ローラ表面のトナー付着状況を目視により観察した。この結果、吸着ローラ3にわずかながら付着していたトナーのほとんどすべては搬送ベルト1上に移動し、吸着ローラ表面にトナーは付着していなかった。
【0033】
(搬送ベルト)
PVDFからなる単層の樹脂ベルト(ヤング率:500MPa、表面抵抗率:1×1011Ω/□、厚さ:100μm)
(吸着ローラ)
外径8mmの芯金に低硬度の導電性発泡体を取り付け、発泡体の外表面を研磨した後、体積抵抗率が1×108Ω・cm、表面粗さRzが1μm以下のナイロン製チューブを前記発泡体に被せて外径15mmの吸着ローラとした。
【0034】
実施例2
転写ベルトとして、下記のような多層構造のゴム状ベルトを用いた以外は実施例1と同様にして吸着ローラのトナー付着状況を調べた。この結果、転写ベルトとしてゴム状ベルトを用いた場合でも、吸着ローラへのトナー付着はほとんどなく、また吸着ローラにクリーニングバイアス電圧を印加することによって、吸着ローラにわずかながら付着していたトナーも搬送ベルト上に移動させることができた。
【0035】
(転写ベルト)
基材(PVDF;ヤング率:500MPa、表面抵抗率:1×1010Ω/□、厚さ:100μm)、弾性層(CRゴム;ヤング率:5MPa、表面抵抗率:1×1010Ω/□、厚さ:100μm)、第1コート層(シリコン樹脂)、第2コート層(PTFE樹脂;表面抵抗率1×1013Ω/□)をこの順で積層して転写ベルトとした。
【0036】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置では、吸着ローラの表面が、搬送ベルト又は転写材との摩擦によりトナーの帯電極性と同極性に帯電するので、未定着トナーが載った転写材が吸着ローラに接触した場合であっても、吸着ローラにトナーが付着するのが抑えられ、転写材の表面汚れや帯電ムラを防止できる。
【0037】
また、電圧印加手段から吸着ローラにバイアス電圧を印加でき、且つそのバイアス電圧の極性切替を可能とし、吸着ローラと搬送ベルトとの間に転写材が通過していない時に、吸着ローラにバイアス電圧を印加するようにすれば、吸着ローラにトナーがたとえ付着した場合であっても、搬送ベルトにトナーを転写させることにより吸着ローラから付着したトナーを除去できる。
【0038】
さらに、像担持体として非晶質シリコン感光体を用い、これに合わせて搬送ベルトとして弾性層を備えた積層構造のものを用いると、像担持体の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態であるプリンタの概略構成図である。
【図2】図1のプリンタにおける吸着ローラ付近の拡大図である。
【図3】本発明に用いる搬送ベルトの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 搬送ベルト
3 吸着ローラ
4 電圧印加手段
5 画像形成ユニット
7 転写紙(転写材)
21 回転ローラ
51 感光体ドラム(像担持体)
Claims (3)
- 2本以上の回転ローラにより回転する無端状の搬送ベルトと、この搬送ベルトにより搬送される転写材上に像担持体上のトナーを転写させる複数の画像形成ユニットと、転写材搬送方向最上流側の回転ローラの対向位置に配設される吸着ローラと、前記最上流側の回転ローラ又は前記吸着ローラに吸着バイアス電圧を印加する電圧印加手段と備え、前記最上流側の回転ローラ又は前記吸着ローラにバイアス電圧を印加することにより、前記最上流側の回転ローラと前記吸着ローラとの間を通過する転写材に電荷を付与し、前記搬送ベルトに転写材を静電吸着させる画像形成装置において、
前記吸着ローラと前記搬送ベルトとを接触させる、又は前記吸着ローラと前記搬送ベルトとを非接触としその間隙を転写材の厚さ以下にし、
前記吸着ローラの表面が、前記搬送ベルト又は転写材との摩擦によりトナーの帯電極性と同極性に帯電するようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記電圧印加手段は前記吸着ローラにバイアス電圧を印加し、且つ印加するバイアス電圧の極性は切替可能であって、
前記吸着ローラと前記搬送ベルトとの間に転写材が通過していない時に、前記吸着ローラにバイアス電圧を印加することにより、前記吸着ローラに付着しているトナーを前記搬送ベルトに転写させる請求項1記載の画像形成装置。 - 前記像担持体として非晶質シリコン感光体を用いると共に、前記搬送ベルトとして弾性層を備えた積層構造のものを用いる請求項1又は2記載の画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011022249A (ja) * | 2009-07-14 | 2011-02-03 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法 |
JP2011048294A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
JP2014170211A (ja) * | 2013-02-05 | 2014-09-18 | Ricoh Co Ltd | 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置 |
-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002339587A patent/JP2004170878A/ja active Pending
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