本発明にかかる船舶の推進装置について説明する。
図1に示すように、船舶の推進装置201は、内燃機関202及び動力伝達装置203を有しており、動力伝達装置203にはプロペラ204が接続されている。該内燃機関202からの駆動力は、動力伝達装置203により減速されながらプロペラ204に伝達され、その結果プロペラ204が回転駆動される。
また、推進装置201においては、内燃機関202と動力伝達装置203との間に、発電機や発電機特性を有する機器である、発電用機器210を介装している。そして、内燃機関202により発電用機器210を駆動して、該発電用機器210により発電された電力を船内電力として供給するようにしている。
図1に示すように、推進装置201は、動力伝達装置203が内燃機関202の下方へ大きく延出し、動力伝達装置203に直接プロペラ204が取付けられたセイルドライブや、図2に示すように推進装置301は、直接プロペラ304が取付けられた動力伝達装置303を船体後方に配置し、内燃機関302および発電用機器310から動力取出軸303aを介して動力伝達装置303に動力を伝達するスタンドライブに構成することもできる。
また、図3に示すように、推進装置401は、動力伝達装置403の後端部に、プロペラ404のプロペラ軸404aが斜め下方に装着されるマリンギア(アングルタイプ)や、図4に示すように、推進装置501は、動力伝達装置503の後端部に、プロペラ504のプロペラ軸504aが推進装置501に対して水平に装着されるマリンギア(パラレルタイプ)に構成することができる。
次に、セイルドライブにおける推進装置201の第一実施例の構成について説明する。
図5、図6に示すように、内燃機関202のクランク軸202aの一端部にはフライホイール221が付設されており、該フライホイール221は内燃機関202の出力軸であるクランク軸202aにより回転駆動されている。フライホイール221はフライホイールハウジング(以降「FWハウジング」と記載する)221aにより覆われている。
FWハウジング221aの後部には、ケース部材である発電用機器ケース240が取付けられており、該発電用機器ケース240内部に発電用機器210の構成部材が内蔵されている。具体的には、発電用機器ケース240の内周面にステータコイル218が取付けられ、該ステータコイル218の内側(中心側)にマグネット212を配置している。マグネット212は、円筒状の取付部材219を介して回転体であるディスタンスピース224に固定されており、マグネット212、取付部材219、ディスタンスピース224のフランジ部224bはロータとしての機能を有している。また、ディスタンスピース224は、前記フライホイール221に固定されており、マグネット212は、ディスタンスピース224、フライホイール221と一体的に回転可能に構成している。
該ステータコイル218は、発電用機器ケース240の内周に取付ボルト207・207・・・により固定されている。該ステータコイル218は、発電用機器ケース240の内部に円周状に配置されている。
該ステータコイル218の内側には、マグネット212が設けられている。そして、該マグネット212は、前記取付部材219を介してディスタンスピース224に取付けられている。
ディスタンスピース224は、円筒形状の中空軸に形成されており、前・後両端部にフランジ部224a・224bが一体的に形成されている。
ディスタンスピース224の前端に配設されている前ランジ部224aは、前記フライホイール221に取付けられており、ディスタンスピース224を、フライホイール221と一体的に回転可能としている。
また、反フライホイール221側に配置している後フランジ部224bに、取付部材219が固定されており、該取付部材219を介して前記マグネット212が、ディスタンスピース224に固定されている。該取付部材219は、円筒状に形成されており、外周に前記マグネット212が取付けられている。
発電用機器ケース240の、反FWハウジング221a側には、動力伝達装置203のマウンティングフランジ203bが装着可能であり、ケース部材であるマウンティングフランジ203bを発電用機器ケース240に装着することで、動力伝達装置203が内燃機関202に取付固定される。
また、発電用機器210の回転軸は内燃機関202のクランク軸202aであり、該クランク軸202aは、動力伝達装置203の入力軸203aと軸中心を一致させて配置されている。即ち、発電用機器210の回転軸は、クランク軸202a及び入力軸203aと同芯に配置されている。そして、マウンティングフランジ203bを発電用機器ケース240に装着すると、該入力軸203aは弾性継手225を介してフライホイール221と接続され、入力軸203aはクランク軸202aにより回転駆動されることとなる。そして、該入力軸203aからの駆動力は動力伝達装置203により減速されながらプロペラ204(図1)に伝達され、プロペラ204が回転駆動される。
また、前記発電用機器240には、冷却用のファンが装着されている。
図8に示すように、ファン236・237・238は、前記ディスタンスピース224の前端、外周面、後方に配置している。尚、本実施例では、ファンを三箇所設けているが、一箇所または二箇所とすることもでき、適宜箇所に設ける構成としている。
第一のファン236は、前記ディスタンスピース224の前端(フライホイール側)に取付けられている。
前記ディスタンスピース224の前フランジ部224aには、第一のファン236を取付けるための取付部224dが形成されている。該取付部224dは、ディスタンスピース224の前端部に円筒状の溝を形成して、取付部としており、該取付部224dにファン236を装着可能としている。また、該ファン236の羽根236aをディスタンスピース224内部に配置している。そして、該ファン236は、ディスタンスピース224とともに回転することで発電用機器210の冷却効率を向上させている。
また、第二のファン237は、ディスタンスピース224の外周に設けられている。
該ファン237は、ディスタンスピース224の外周面から外側に向けて複数の羽根237a・・・が突設されて、構成されている。該ファン237の前端は、前記前フランジ部224aの後面に固定されており、該ファン237の後端は、後フランジ部224bの前面に固定されている。或いは、ファン237は、前記前フランジ部224aと後フランジ部224bと一体的に構成されている。
第三のファン238は、ディスタンスピース240の後方に配置している。
第三のファン238は、マグネット212を固定している取付部材219とともにディスタンスピース224に固定されており、固定部材220を介して固定されている。第三のファン238は、該固定部材220の後面に配置しており、ボルトによりディスタンスピース224に固定されている。また、該第三のファン238の羽根238aを発電用機器210の後方に配置している。そして、該ディスタンスピース224の回転とともに固定部材220及び第三のファン238が回転する構成としており、発電用機器210の冷却効率を向上させている。
このように、前記発電用機器240に、冷却用のファンを設けることで、図8の矢印に示すように、発電用機器ケース240内部に風が流れて、冷却効率を向上させることができる。
次に、発電用機器の別実施例について説明する。
発電用機器210の回転体として弾性体およびフランジを使用することもできる。図9に示すように、FWハウジング221aの後部には、ケース部材である発電用機器ケース240が取付けられており、該発電用機器ケース240内部に発電用機器210の構成部材が内蔵されている。
発電用機器ケース240の内周面にステータコイル218が取付けられ、該ステータコイル218の内側(中心側)にマグネット212が取付られている。マグネット212は、アウターリング213に固定され、該アウターリング213はフライホイール221に固定されている。弾性体214は、フランジ216に固定され、アウターリング213、弾性体214、フランジ216は一体的に回転可能としている。該弾性体214は、断面後面視において、リング形状で、外周に複数の凹部214aを有している。
該弾性体214と、側面断面視I字状に形成されている部分は一体的に固定されている。また、該フランジ216は、動力伝達装置203の入力軸203aと接続している。
前記アウターリング213には、取付孔213aが前後方向に設けられており、該取付孔213aにボルト215を挿通し、フライホイール221に螺挿して、フライホイール221とアウターリング213とを固定している。よって、フライホイール221は、アウターリング213、弾性体214、フランジ216を介して、前記マグネット212を回転させるとともに、入力軸203aとも接続され、該入力軸203aがクランク軸202aにより回転駆動されることとなる。そして、該入力軸203aからの駆動力は動力伝達装置203により減速されながらプロペラ204(図1)に伝達され、プロペラ203が回転駆動される。
また、前記アウターリング213の後方には、第三のファン238を設けており、アウターリング213とフライホイール221とを固定する前記ボルト215により第三のファン238を固定している。
このように発電用機器210に冷却用のファン238を設けることで、発電用機器ケース240内部の冷却効率を向上させることができる。また、アウターリング213とフライホイール221とを固定するボルト215により、ファン238を固定することで、ボルトを兼用することができ、部品点数の削減を図ることができる。
その他の構成は、前述の発電用機器と略同様の構成としている。
また、図10に示すように、動力伝達装置203の入力軸203aにフランジ208が固定されており、該フランジ208の外周面に、複数の弾性体209を突設する構成とすることもできる。
このように、回転体として弾性体214およびフランジ216を使用することで、内燃機関202から動力伝達装置203に動力を伝達する際に、動力伝達装置203に振動を伝達するのを防ぐことができ、動力伝達装置203のギヤの騒音を低減することができる。
次に、推進装置201の発電用機器ケース240について説明する。
図6、図7に示すように、前記発電用機器ケース240は、円筒形状に形成されており、発電用機器ケース240の内部に前記ステータコイル218がボルト207・207・207を介して取付けられている。
発電用機器ケース240の前・後部は、前・後フランジ部247a・247bが外側方(上下左右の全周)に向けて突設しており、前記FWハウジング221a、マウンティングフランジ203bとの固定部としている。
発電用機器ケース240の外周面には、フィン241・241・・・またはリブを複数設けるとともに、該フィン241・241・・・またはリブを前記クランク軸202aと略平行に配置している。また、発電用機器ケース240外周面の前記フィン241・241・・・またはリブの下方には、孔242a・242a・・・が設けられており、該孔242a・242a・・・は、フィン241・241・・・またはリブと略平行に配置している。
本実施例では、図6、図7に示すように、前記発電用機器ケース240の外周面に、フィン241・241・・・が形成されている。
該フィン241・241・・・は、発電用機器ケース240の外周面から外側に向けて突設されており、略水平に形成されている。該フィン241・241・・・は、一箇所に四個づつ形成されており、後面視において発電用機器ケース240の左上部・左下部・右上部・右下部の四箇所に配置している。
該フィン241・241・・・の前端は、前記前フランジ部247aの後面に固定されており、該フィン241・241・・・の後端は、後フランジ部247bの前面に固定されている。或いは、フィン241・241・・・は、前記前フランジ部247aと後フランジ部247bと一体的に構成されている。
このように、発電用機器ケース240の外周面にフィン241・241・・・またはリブを設けることで、発電用機器210に最も近い発電用機器ケース240から放熱することができ、冷却効率を向上することができる。また、発電用機器ケース240にフィン241・241・・・を設けることで、発電用機器ケース240の強度化を図ることもできる。
発電用機器ケース240の、各フィン241・241・・・の下方には、孔242a・242a・・・が形成されている。該孔242a・242a・・・は、略水平、または、水平よりも下方に向けて、前後方向に長い長孔形状に形成されている。つまり、孔242aはフィン141とフィン141の間と、一番下のフィン241の下部に設けている。
該孔242a・242a・・・は、前記フィン241・241・・・と同様に、一箇所に四個形成されており、後面視において発電用機器ケース240の左上部・左下部・右上部・右下部の四箇所に配置している。
また、前記ステータコイル218を設置する発電用機器ケース240の内周面には、部分的に凹部242b・242b・242b・242bが形成され、前記ステータコイル218で仕切られた発電用機器ケース240の前後の部屋を空気が流通できるようにしている。該凹部242b・242b・242b・242bは、更に前記孔242a・242a・・・と連通するべく、その近傍、つまり、後面視において発電用機器ケース240の左上部・左下部・右上部・右下部の四箇所に配置している。発電用機器ケース240の内周部に、該凹部242b・242b・242b・242bを形成することで、前記ステータコイル218が存在するにもかかわらず、発電用機器ケース240内で空気が自由に流通でき、更には、発電用機器ケース240と前記ステータコイル218との間に隙間を設けることができ、該隙間および前記孔242a242a・・・とを介して、発電用機器ケース240内部の空気を外部に、外部の空気を内部に送ることができ、冷却効率を向上することができる。
例えば、図6(a)に示すように、ディスタンスピース224が後面視において時計回りに回転している場合は、矢印に示すように、発電用機器ケース240の右上部及び左下部に設けられた隙間から空気を発電用機器ケース240内部に吸込み、発電用機器ケース240の左上部及び右下部に設けられた隙間から空気を排出している。また、ディスタンスピース224が後面視において反時計回りに回転している場合は、発電用機器ケース240の左上部及び右下部に設けられた隙間から空気を発電用機器ケース240内部に吸込み、発電用機器ケース240の右上部及び左下部に設けられた隙間から空気を排出している。
このように、発電用機器ケース240の外周面に孔242a・242a・・・を設けることで、発電用機器の空冷による冷却効率をより向上させることができる。また、該孔242a・242a・・・を前記フィン241・241・・・の下方に配置したことで、鉛直方向からの水の浸入を防ぐことができる。更に、該孔242a・242a・・・を、前記フィン241・241・・・に対して略平行に設けることで、該孔242a・242a・・・がクランク軸202aと略平行に配置され、冷却風の循環が向上し、冷却効率を更に向上させることができる。
また、前記前フランジ部247aは、マウンティングフランジ203bの入力側取付部203dと同一寸法、または同一形状としている。また、後フランジ部247bは、FWハウジング221aの出力側取付部221bと同一寸法、または同一形状としている。
つまり、FWハウジング221aの出力側取付部221bの端面と、発電用機器ケース240の前フランジ部247aの端面とが略密着できるように略同形状に構成して、両者を合わせて接合して固定可能であり、発電用機器ケース240の後フランジ部247bの端面と、マウンティングフランジ203bの入力側取付部203dの端面とが略密着できるように略同形状に構成して、両者を合わせて接合して固定可能であるとともに、発電用機器210を省いてFWハウジング221aの出力側取付部221bとマウンティングフランジ203bの入力側取付部203dとが接合して可能である。
従って、発電用機器210を取付ける場合のマウンティングフランジ203b及びFWハウジング221aは、発電用機器210を取付けない場合と同じマウンティングフランジ203b及びFWハウジング221aを使用することができ、発電用機器を取付ける場合と取付けない場合とで変更する必要が無く、部品点数を削減することができる。
また、このように構成することで、部品点数を増やすことなく、発電用機器210・210を直列に配設することができ、大出力を要求する用途に対して対応することができる。
次に、前記発電用機器210・210を直列に配置した推進装置201について説明する。
図11に示すように、前記内燃機関202と動力伝達装置203との間に二個の発電用機器210U・210Dを配設している。
前記フライホイール221に、動力上流側の発電用機器210Uのディスタンスピース224Uが固定されており、該ディスタンスピース224Uに、動力下流側の発電用機器210Dのディスタンスピース224Dが固定されている。
動力上流側のディスタンスピース224Uと動力下流側のディスタンスピース224Dは、動力上流側のマグネットロータ212Uとディスタンスピース224Uとを取付ける固定ボルト226を利用して固定されており、新たな部品を使用しておらず部品点数を削減している。
また、下流側のディスタンスピース224Dは、弾性継手225を介して、動力伝達装置203の入力軸203aに接続しており、フライホイール221から、ディスタンスピース224U・224Dに動力を伝達して発電を行うとともに、ディスタンスピース224U・224Dを介して動力伝達装置203に動力が伝達される。
前記発電用機器210U・210Dは、発電用機器ケース240U・240Dで覆われている。
動力上流側の発電用機器ケース240Uの前フランジ部247aUは、前記FWハウジング221aの出力側取付部221bに固定されており、後フランジ部247bUは、動力下流側の発電用機器ケース240Dの前フランジ部247aDを固定している。また、下流側の発電用機器ケース240Dの後フランジ部247bDは、前記マウンティングフランジ203bの入力側取付部203dを固定しており、内燃機関202、発電用機器210U・210D、動力伝達装置203を一体的に固定している。
前記前フランジ部247aは、マウンティングフランジ203bの入力側取付部203dと同一寸法、または同一形状としている。また、後フランジ部247bは、FWハウジング221aの出力側取付部221bと同一寸法、または同一形状としている。
従って、複数の発電用機器を直列に接続しても、同じ発電用機器ケース240、マウンティングフランジ203b及びFWハウジング221aを使用することができ、部品点数を削減することができる。
以上のように構成することで、部品点数を増やしたり、仕様を変更したりすることなく、内燃機関と動力伝達装置との間に、複数の発電用機器210を直列に配置したり、取外したりすることができ、部品点数の削減を図ることができるとともに、発電用機器の着脱を容易に行うことができる。
前記発電用機器ケース240の下部には、水抜き用の孔248aを設けている。
図8、図12、図13に示すように、前記発電用機器ケース240は、鋳物で製作されており、中子の抜き勾配によりケース内側は、傾斜した形状をしている。発電用機器ケース240の下部における、この傾斜248bの低い側に孔248aを設けている。
本実施例では、発電用機器ケース240の前側(内燃機関側)が広く、後側(動力伝達装置側)が狭い傾斜248bとしている。そして、発電用機器ケース240の前下部に、水抜き用の孔248aが、上下方向に形成されている。
このように、発電用機器ケース240下部に水抜き用の孔248aを設けることで、結露などによって生じる発電用機器ケース240内部の水を抜くことができ、抜き勾配による傾斜248bを利用することで、更に効率よく水を排出することができる。
また、マウンティングフランジ203bに設けられた孔203e(図5、図14、図15)により、結露などによって生じる発電用機器ケース240内部の水を抜く構成とすることもできる。
図5、図14、図15に示す発電用機器ケース240は、前側(内燃機関側)が狭く、後側(動力伝達装置側)が広い傾斜248cとしている。つまり、発電用機器ケース240の下部において、マウンティングフランジ203b側が低い傾斜248cとしている。
そして、発電用機器ケース240の下部において、傾斜の低い側に配置しているマウンティングフランジ203bの下部に水抜き用の孔203eが設けられている。該水抜き用孔203eは、マウンティングフランジ203bの前後方向に、発電用機器ケース240の傾斜248cに沿って形成されている。
また、水抜き用の孔203eの下面は、発電用機器ケース240の傾斜248cより低い位置に配置している。
このような構成とすることで、結露などによって生じる発電用機器ケース240内部の水を抜くことができ、抜き勾配による傾斜248bあるいは傾斜248cを利用することで、更に効率よく水を排出することができる。
次に、推進装置の船体への据付構成について、図6、図16乃至図20を用いて説明する。
推進装置201を船体に取付けるための据付足228を、前記発電用機器ケース240の外周に取付ける、または、推進装置201を船体に取付けるための据付足228の取付部を、前記発電用機器ケース240の外周部に設けている。
推進装置201の船体への取付けにおいて、内燃機関202または動力伝達装置203に据付足を取付けて、推進装置201を船体へ据付ける構成とするとともに、発電用機器ケース240にも据付足228を取付ける構成としている。
発電用機器ケース240の据付足228・228の取付け構成について説明する。
図6、図16、図17に示すように、前記後フランジ部247bの左・右上側部には取付部247c・247cが設けられており、該取付部247c・247cに、据付足228を取付けている。据付足228は、船体に設けられている防振部材229と推進装置との間に介設して、推進装置201を船体に据付けている。
該取付部247c・247cは、発電用機器ケース240右上部および左上部に配置している前記フィン241・241・・・及び孔242a・242a・・・の後方に位置している。
該取付部247c・247cは、プレート状として後フランジ部247bの外周面から一体的に外左右側方に突出して形成されている。
また、取付部247c・247cに、取付孔247d・247d・247d・247dが形成されている。該取付孔247d・247d・247d・247dは、左右の取付部247c・247cに各二個設けられている。そして、該取付孔247d・247d・247d・247dと据付足228とをボルト227により固定している。
該据付足228は、孔228c・228c・228c・228cを有する垂直部228aと、防振部材229への取付部である水平部228bとを有し、側面視L字状に形成されている。そして、該孔228c・228cと前記取付孔247d・247dとを同軸心上に配置して、前記ボルト227・227を締結することで、据付足228の垂直部228aと前記発電用機器ケース240とを固定している。また、水平部228bは、前記防振部材229に固定することで船体に据付足228及び発電用機器ケース240を固定している。
このような構成とすることで、発電用機器を搭載しないときに使用される内燃機関202や動力伝達装置203に設けられる据付足の他に、発電用機器ケース240にも据付足228を取付けることができ、船舶の事情(エンジンや船自体の仕様や構造等)に合わせて据付方法を選択することができ、様々な種類の船舶に据付けを容易に行うことができる。据付け固定部分を多くすることにより強固に固定することができる。
また、推進装置の船体への据付構成の別実施例について、図18乃至図20を用いて説明する。
前記発電用機器ケース240の外周部に、船体への取付部である取付孔247e・247e・247e・247eを形成し、据付足228を固定できるようにしている。据付足228は、船体に設けられている防振部材229と推進装置201との間に介設して、推進装置201を船体に据付けている。
該取付孔247e・247e・247e・247eは、発電用機器ケース240の側端部に配設されており、発電用機器ケース240に左右方向に位置づけられている。該取付孔247e・247e・247e・247eは、左右面に二個づつ設けられており、前後方向に配置されている。そして、該取付孔247e・247e・247e・247eと据付足228とをボルトにより固定している。
該据付足228は、孔228c・228cを有する垂直部228aと、防振部材229への取付部である水平部228bとを有し、正面視L字状に形成されている。該孔228c・228cと前記取付孔247e・247eとを同軸心上に配置して、ボルトを締結することで、据付足228の垂直部228aと前記発電用機器ケース240とを固定している。また、水平部228bは、前記防振部材229に固定することで船体に据付足228及び発電用機器ケース240を固定している。
このような構成とすることで、前記実施例と同様に、発電用機器を搭載しないときに使用される内燃機関202や動力伝達装置203に設けられる据付足の他に、発電用機器ケース240にも据付足228を取付けることができ、船舶の事情に合わせて据付方法を選択することができ、様々な種類の船舶においても、据付けを容易に行うことができる。
次に、発電用機器210から船内電力を供給する構成について説明する。
前記発電用機器210の出力は、船内用の電力として使用されている。
発電用機器210の出力部は、出力端子、もしくは、出力ケーブルを取付可能な構成とし、図21に示すように、発電用機器210の出力部に、出力ケーブル231を接続している。
また、該出力ケーブル231は、発電用機器ケース240外部に取出可能に構成されている。
具体的には、図21、図23に示すように、発電用機器ケース240の外周面に、円柱形状の配線取出部244を設けている。該配線取出部244は、発電用機器ケース240の側部に配置しており、発電用機器ケース240の外周面から外側に向けて突出して形成されている。
該配線取出部244は、図27に示すように、中央側面に配線用孔243が形成されており、ケーブル等を挿通可能として、前記発電用機器210の出力を発電用機器ケース240外部に取出せるようにしている。
図23(a)に示す実施例においては、配線取出部244には、コネクタ232または端子台が取付けられている。そして、該コネクタ232の内側に、発電用機器210の出力部に接続されている出力ケーブル231を接続し、コネクタ232の外側には、外部ケーブル233を接続し、発電用機器210の出力を発電用機器ケース240外部に取出している。このような構成とすることで、外部ケーブル233をコネクタ232に容易に装着したり外したりすることができ、配線作業が行いやすくなる。また、コネクタボックスを発電用機器210の外側に設置する構造に比べて、出力ケーブル231を短くでき、ステータと出力ケーブル231を同時に一体的に分解することができて、メンテナンスの作業性も向上できる。
なお、図23(b)に示す実施例においては、配線取出部244の中央に形成された配線用孔243に、前記出力ケーブル231を挿通して、発電用機器210の出力を発電用機器ケース240外部取出す構成としている。このような構成とすることで、容易な構成で出力ケーブル231を外部に取出すことができ、メンテナンス等の際の組付け作業が行いやすくなる。
図21、図22に示すように、前記外部ケーブル233に、ダイオード(またはサイリスタ等)やコンデンサー等より構成される整流・平滑機器234が接続されて、前記ロータの回転によりステータコイル218から3相交流電力が発生し、整流・平滑機器234により交流電流を整流・平滑化して直流に変換している。
そして、整流・平滑機器234により変換された出力は、複数のインバータ235・・・を介して再度交流に変換されて、船内へ供給するようにしている。つまり、エンジンの回転数は常に一定ではないために、電圧も周波数も変動が生じるので、整流・平滑機器234により直流に変換する。そして、直流のままでは変圧ができないので、インバータ235により所望の周波数の交流に変換して所望の電圧に変換して供給するのである。
なお、本発明では、整流・平滑機器234は発電用機器ケース240の外部に配置しているが、発電用機器ケース240内部に配置することもできる。
また、整流・平滑機器234の下流側にDC/DCコンバータを設け、整流・平滑機器234により変換された出力を、DC/DCコンバータにより所定の電圧に変圧して、インバータ235に供給する構成とすることもできる。
整流・平滑機器234により変換された出力は、複数のインバータ235・235・・・に並列接続されている。
図21、図22に示すように、整流・平滑機器234の出力をインバータ235・235に接続し、本実施例では、二個のインバータ235・235に接続している。
このように発電用機器210の出力を分岐して、複数のインバータを並列接続できるようにすることで、出力の異なるインバータを使用することができる。よって、使用する電気機器の負荷に応じた出力のインバータをその容量に合わせて複数接続すれば効率よく運転することができ、トータルの容量を確保しつつ、高価な大容量のインバータを購入する必要がなく、低コスト化を図ることができる。
次に、発電用機器210から船内電力を供給する別構成について説明する。
発電用機器210の出力部は、出力端子、もしくは、出力ケーブルを取付可能な構成とし、出力ケーブルを取付可能な箇所を二箇所以上設ける構成としている。
図24に示すように、本実施例では、発電用機器210から二箇所の出力ケーブルを接続している。つまり、一つまたは二つのロータに二組のステータコイル218・218を配置してそれぞれ出力端子を設け、または出力ケーブルを引き出せるようにしている。
また、前記出力ケーブル231・231は、発電用機器ケース240の外部に取出可能に構成されている。
具体的には、図24、図26に示すように、発電用機器ケース240の外周面に、配線取出部245を設けている。該配線取出部245は、発電用機器ケース240の側部に配置しており、発電用機器ケース240の外周面から外側に突出して形成されている。
該配線取出部245は、配線用孔243・243が形成されており、ケーブル等を挿通可能として、前記発電用機器210の出力を発電用機器ケース240外部に取出せるようにしている。
該配線用孔243・243は、図26(a)に示すように、配線取出部245の下面に前後に配置している、または、図26(b)、図28(b)に示すように、配線取出部245の側面に上下に配置している。また、図28(a)に示すように、配線取出部245の側面の上端部に、前後方向に長い長孔形状の配線用孔243を配置することもできる。この配線用孔243は、複数のケーブルを挿通可能な大きさとしている。
図26(a)に示す実施例においては、配線取出部245は、側面視矩形状に形成されており、コネクタ232または端子台を内装している。そして、該コネクタ232の内側に、発電用機器210の出力部に接続されている出力ケーブル231・231を接続し、該コネクタ232の外側には、外部ケーブル233・233を接続して、発電用機器210の出力を発電用機器ケース240外部に取出している。このような構成とすることで、外部ケーブル233を容易に装着することができ、配線作業が行いやすくなる。
図26(b)に示す実施例においては、配線取出部246を側面視長孔形状に形成し、配線用孔243・243を、上下に二箇所設ける構成としている。そして、該長孔243・243に前記出力ケーブル231・231を挿通して、発電用機器210の出力を発電用機器ケース240外部取出している。このような構成とすることで、容易な構成で出力ケーブル231を外部に取出すことができ、メンテナンス等の際の組付け作業が行いやすくなる。
図24、図25に示すように、各外部ケーブル233・233は、それぞれ別個の整流・平滑機器234・234に各々接続されており、発電用機器210からの交流電力を整流・平滑化して直流に変換している。
そして、各整流・平滑機器234・234により変換された出力は、それぞれインバータ235・235を介して再度交流に変換されて、船内へ供給するようにしている。
このように、発電用機器210の出力部を、複数の出力ケーブル231・231を接続可能とし、各出力ケーブル231・231をそれぞれ別個の整流・平滑機器234・234と接続して、発電用機器210からの出力を直流に変換し、各整流・平滑機器234・234にて変換した直流電力を、それぞれインバータ235・235を介して交流電力に変換する構成とすることで、出力(容量)の小さいインバータ235・235を使用することができる。よって、インバータ235・235は使用する電気機器の容量に合わせて複数に分割することができ、異なる容量のインバータを組み合わせることもでき、容量の大きい高価なインバータを必要とせず、トータルの容量を確保しつつ、低コスト化を図ることができる。
なお、本発明では、整流・平滑機器234は発電用機器ケース240の外部に配置しているが、発電用機器ケース240内部に配置することもできる。
また、整流・平滑機器234の下流側にDC/DCコンバータを設け、整流・平滑機器234により変換された出力を、DC/DCコンバータにより所定の電圧に変圧して、インバータ235・235に供給する構成とすることもできる。
尚、図29に示すマリンギア(アングルタイプ)を有する第一実施例における推進装置401、図30、図31に示すマリンギア(パラレルタイプ)を有する第一実施例における推進装置501は、セイルドライブを有する第一実施例における推進装置201と同様の構成としており、同様の効果を有している。
次に、セイルドライブにおける推進装置201の第二実施例の構成について説明する。
第二実施例の推進装置201は、図32、図33に示すように、第一実施例の発電用機器ケース240とFWハウジング221aとマウンティングフランジ203bとを一体的に形成して、発電用機器ケース250としている。
冷却用のファン236・237・238等、その他の構成は、第一実施例の推進装置201と略同様の構成としている。また、図54に示すように、発電用機器の別実施例の構成は、第一実施例の推進装置201における別実施例の発電用機器と略同様の構成としている。
次に、推進装置201の第二実施例における発電用機器ケース250について説明する。
発電用機器ケース250の前部は、前フランジ部257aが外側方に向けて突設しており、内燃機関202との固定部としている。
図33に示すように、前記発電用機器ケース250の外周面には、フィン251・251・・・が形成されている。
該フィン251・251・・・は、発電用機器ケース250の外周面から外側に向けて突設されており、略水平に形成されている。該フィン251・251・・・は、一箇所に四個づつ形成されており、後面視において発電用機器ケース250の左上部・左下部・右上部・右下部の四箇所に配置している。
該フィン251・251・・・の前端は、前記前フランジ部257aの後面に固定されており、該フィン251・251・・・の後端は、発電用機器ケース250の前後方向略中央部に位置している。
発電用機器ケース250の、各フィン251・251・・・の下方には、孔252a・252a・・・が形成されている。該孔252a・252a・・・は、略水平、または、水平よりも下方に向けて、前後方向に長い長孔形状に形成されている。
該孔252a・252a・・・は、前記フィン251・251・・・と同様に、一箇所に三個もしくは複数個形成されており、後面視において発電用機器ケース250の左上部・左下部・右上部・右下部の4箇所に配置している。
また、図34に示すように、発電用機器ケース250下部に設けられている傾斜258bや水抜き用の孔258a等、その他の発電用機器ケース250の構成は、第一実施例における発電用機器ケース240と略同様の構成としており、同様の効果を有している。
次に、第二実施例の推進装置201の船体への据付構成について、図33を用いて説明する。
発電用機器ケース250の前部は、前フランジ部257aが外側方に向けて突設しており、内燃機関202との固定部としている。また、発電用機器ケース250の前後方向中央部における左・右上側部には取付部257c・257cが設けられており、防振部材229を介して推進装置201に取付けられる据付足228が、該取付部257c・257cに取付けられている。これにより推進装置201が船体に据付けられている。その他の構成は、推進装置201の第一実施例における据付構成と同様としている。
また、別実施例における推進装置201の船体への据付構成は、第一実施例における据付構成の別実施例(図18乃至図20)と同様の構成としており、同様の効果を有している。
次に、第二実施例の推進装置201における発電用機器210から船内電力を供給する構成について説明する。
第二実施例における前記発電用機器210の出力を、一個の出力ケーブル231で取出し、前記整流・平滑機器234により直流電力に変換し、変換した直流電力を分岐して、複数のインバータ235・・・に並列接続する構成としている。
図35(a)に示すように、第二実施例の発電用機器ケース250に、配線取出部254が設けられている。該配線取出部254は、第一実施例の配線取出部244と同様の構成としており、発電用機器210に接続されている出力ケーブル231、コネクタ232、外部ケーブル233を介して、発電用機器210の出力を発電用機器ケース250外部に取出している。
図35(b)に示すように、配線取出部254の中央に形成された配線用孔253に、前記出力ケーブル231を挿通して、発電用機器210の出力を発電用機器ケース250外部に取出す構成とすることもできる。
その他の構成は、第一実施例における発電用機器210から船内電力を供給する構成と同様の構成としており、同様の効果を有している。
次に、第二実施例の推進装置201における発電用機器210から船内電力を供給する別構成について説明する。
第二実施例における発電用機器210の出力部に複数の出力ケーブル231・・・を接続可能とし、各出力ケーブル231・・・をそれぞれ別個の整流・平滑機器234・・・と接続して、発電用機器210からの出力を直流に変換し、各整流・平滑機器234・・・にて変換した直流電力を、それぞれインバータ235・・・を介して交流電力に変換する構成としている。
図36(a)に示すように、第二実施例の発電用機器ケース250に、側面視矩形状の配線取出部255が設けられている。該配線取出部255は、第一実施例の配線取出部245と同様の構成としており、発電用機器210に接続されている出力ケーブル231、コネクタ232、外部ケーブル233を介して、発電用機器210の出力を発電用機器ケース240外部に取出している。
また、図36(b)に示すように、第二実施例の発電用機器ケース250に、側面視長孔形状の配線取出部256を設ける構成とすることもできる。該配線取出部256は、第一実施例の配線取出部246と同様の構成としており、配線取出部256の側面には、上下二箇所に配線用孔253・253が形成されている。そして、該配線用孔253・253に、発電用機器210に接続されている出力ケーブル231・231を挿通して、発電用機器210の出力を発電用機器ケース240外部に取出している。
その他の構成は、第一実施例における発電用機器210から船内電力を供給する構成と同様の構成としており、同様の効果を有している。
なお、図37に示すマリンギア(アングルタイプ)を有する推進装置401の第二実施例における発電用機器ケース450の構成、図38、図39に示すマリンギア(パラレルタイプ)を有する推進装置501の第二実施例における発電用機器ケース550の構成は、セイルドライブを有する推進装置201の第二実施例における発電用機器ケース250と同様の構成としている。
次に、セイルドライブにおける推進装置201の第三実施例の構成について説明する。
第三実施例の推進装置201は、図40、図41に示すように、第一実施例の発電用機器ケース240とFWハウジング221aとを一体的に形成して、発電用機器ケース260としている。
冷却用のファン236・237・238等、その他の構成は、第一実施例の推進装置201と略同様の構成としている。また、図42に示すように、発電用機器の別実施例の構成は、第一実施例の推進装置201における別実施例の発電用機器と略同様の構成としている。
次に、推進装置201の第三実施例における発電用機器ケース260について説明する。
発電用機器ケース260の前・後部は、前・後フランジ部267a・267bが外側方に向けて突設しており、前記内燃機関202、マウンティングフランジ203bとの固定部としている。また、後フランジ部267bの左・右上側部には取付部267c・267cが設けられており、防振部材229を介して推進装置201に取付けられる据付足228が、該取付部267c・267cに取付けられている。これにより推進装置201が船体に据付けられている。
発電用機器ケース260に設けられているフィン261・261・・および孔262a・262a・・・等のその他の構成は、第一実施例における発電用機器ケース240に設けられているフィン241・241・・・、および孔242a・242a・・・等と略同様の構成としており、同様の効果を有している。
また、図43、44に示すように、発電用機器ケース260下部に設けられている傾斜268b・268cや水抜き用の孔268a・203e等、その他の発電用機器ケース250の構成は、第一実施例における発電用機器ケース240と略同様の構成としており、同様の効果を有している。
なお、図45に示すマリンギア(アングルタイプ)を有する推進装置401の第三実施例における発電用機器ケース460の構成、図46、図47に示すマリンギア(パラレルタイプ)を有する推進装置501の第三実施例における発電用機器ケース560の構成は、セイルドライブを有する推進装置201の第三実施例における発電用機器ケース260と同様の構成としている。
次に、セイルドライブにおける推進装置201の第四実施例の構成について説明する。
第四実施例の推進装置201は、図48、図49に示すように、第一実施例の発電用機器ケース240とマウンティングフランジ203bとを一体的に形成して、発電用機器ケースとしている。
冷却用のファン236・237・238等、その他の構成は、第一実施例の推進装置201と略同様の構成としている。また、図50に示すように、発電用機器の別実施例の構成は、第一実施例の推進装置201における別実施例の発電用機器と略同様の構成としている。
次に、推進装置201の第四実施例における発電用機器ケース270について説明する。
発電用機器ケース270の前端部は、前フランジ部277aが外側方に向けて突設しており、前記FWハウジング221aとの固定部としている。また、発電用機器ケース270の前後方向中央部における左・右上側部には取付部部277c・277cが設けられており、防振部材229を介して推進装置201に取付けられる据付足228が、該取付部部277c・277cに取付けられている。これにより推進装置201が船体に据付けられている。
発電用機器ケース270に設けられているフィン271・271・・および孔272a・272a・・・等のその他の構成は、第二実施例における発電用機器ケース250に設けられているフィン251・251・・・、および孔252a・252a・・・等と略同様の構成としており、同様の効果を有している。
なお、図51に示すマリンギア(アングルタイプ)を有する推進装置401の第四実施例における発電用機器ケース470の構成、図52、図53に示すマリンギア(パラレルタイプ)を有する推進装置501の第四実施例における発電用機器ケース570の構成は、セイルドライブを有する推進装置201の第四実施例における発電用機器ケース260と同様の構成としている。
また、発電用機器210は、内燃機関202の出力軸をロータ回転軸として、内燃機関202と動力伝達装置203との間に介装されるものであって、上記各実施例ではフライホイール221と動力伝達装置203との間にケース部材を介装して構成されているが、これ以外に、フライホイールと内燃機関との間にケース部材を介装して構成してもよい。
次に、スタンドライブにおける推進装置301の第一実施例の構成について説明する。
図55、図56に示すように、内燃機関302のクランク軸302aの一端部にはフライホイール321が付設されており、該フライホイール321は内燃機関302の出力軸であるクランク軸302aにより回転駆動されている。フライホイール321はフライホイールハウジング(以降「FWハウジング」と記載する)321aにより覆われている。
FWハウジング321aの後部には、ケース部材である発電用機器ケース340が取付けられており、該発電用機器ケース340内部に発電用機器310の構成部材が内蔵されている。具体的には、発電用機器ケース340の内周面にステータコイル318が取付けられ、該ステータコイル318の内側(中心側)にマグネット312を配置している。マグネット312は、リング状の取付部材319を介して回転体であるディスタンスピース324に固定されている。また、ディスタンスピース324は、前記フライホイール321に固定されており、マグネット312は、ディスタンスピース324、フライホイール321と一体的に回転可能に構成している。
ディスタンスピース324は、円筒形状の中空軸に形成されており、前部にフランジ部324aが一体的に形成されている。
ディスタンスピース324の前端に配設されている前ランジ部324aは、前記フライホイール321に取付けられており、ディスタンスピース324を、フライホイール321と一体的に回転可能としている。
また、ディスタンスピース324は、弾性継手325を介して動力取出軸303aに接続している。該弾性継手325は、ディスタンスピース324の後方に配置しており、取付部材320によりディスタンスピース324の後面に固定されている。該弾性継手325の中心部には、スタンドライブ入力軸303aが配置している。そして、スタンドライブ入力軸303aは、弾性継手325、取付体320、前記ディスタンスピース324と一体的に回転可能に構成している。
図56に示すように、前記発電用機器ケース340の、反FWハウジング321a側には、動力伝達装置303のマウンティングフランジ303bが装着可能であり、マウンティングフランジ303bを発電用機器ケース340に装着することで、動力伝達装置303が内燃機関302に取付固定されている。
また、発電用機器310の回転軸は内燃機関302のクランク軸302aであり、該クランク軸302aは、動力伝達装置(スタンドライブ)入力軸303aと軸中心を一致させて配置されている。即ち、発電用機器310の回転軸は、クランク軸302a及び動力取出軸303aと同芯に配置されている。
そして、該動力取出軸303aは、弾性継手325を介してディスタンスピース324と接続されており、クランク軸202aにより回転駆動されることとなる。
また、前記発電用機器310には、冷却用のファンが装着されている。
図56に示すように、ファン338は、前記ディスタンスピース324の外周に配置している。
ファン338は、マグネット312を固定している取付部材319にボルトにより固定されており、該取付部材319とともにディスタンスピース324に固定されている。該ファン338の羽根338a・・・は、前記ディスタンスピース324の後部外周面に配置している。そして、該ディスタンスピース324の回転とともにファン338が回転する構成としている。このように、前記発電用機器310に冷却用のファン338を設けることで、発電用機器ケース340内部に風が流れて、発電用機器310の冷却効率を向上させることができる。
前記発電用機器ケース340の下部には、水抜き用の孔348aを設けている。
図55、図56に示すように、前記発電用機器ケース340は、鋳物で製作されており、抜き勾配によりケース内側は、傾斜した形状をしている。発電用機器ケース340の下部における、この傾斜348bの低い側に孔348aを設けている。
本実施例では、発電用機器ケース340の前側(内燃機関側)が広く、後側(動力伝達装置側)が狭い傾斜348bとしている。そして、発電用機器ケース340の前下部に、水抜き用の孔348aが形成されている。
このように、発電用機器ケース340下部に水抜き用の孔348aを設けることで、結露などによって生じる発電用機器ケース340内部の水を抜くことができ、抜き勾配による傾斜348bを利用することで、更に効率よく水を排出することができる。
その他の発電用機器ケース340の構成は、セイルドライブの第一実施例の推進装置201における発電用機器ケース240と略同様の構成としている。
次に、スタンドライブにおける推進装置301の第二実施例の構成について説明する。
第二実施例の推進装置301は、図61に示すように、第一実施例の発電用機器ケース340とFWハウジング321aとマウンティングフランジ303bとを一体的に形成して、発電用機器ケース350としている。
冷却用のファン238等、その他の構成は、スタンドライブの第一実施例の推進装置301と略同様の構成としている。
次に、発電用機器の別構成について説明する。
図57に示すように、フライホイール321に、リング状の回転体381をボルト382・・・により固定している。該回転体381の後方には、マグネット312を固定する取付部材319、ファン338、及び弾性継手325の取付部材320が配置しており、回転体381にボルトにより固定され、回転体381、マグネット312の取付部材319、ファン381、弾性継手325が、前記フライホイール321と一体的に回転可能としている。
該取付部材319は、円筒状に形成されており、該取付部材319の外周にマグネット312が取付けられており、マグネット312を円周状に配置している。
該ファン338は、該取付部材319の内周であって、前記弾性継手325の外周に配置しており、円筒形状に形成されている。そして、該ファン338の後部に羽根338aが円周状に配置している。
弾性部材325は、回転体381の後方に配置しており、取付部材320によりディスタンスピース324の後面に固定されている。該弾性継手325の中心部には、動力取出軸303aが配置しており、弾性継手325と一体的に回転可能としており、動力取出軸303aはクランク軸302aにより回転駆動されることとなる。
また、図59に示すように、マグネット312の取付部材319、ファン381、弾性継手325の取付部材320を一体的に構成することもできる。一体的に形成された取付部材384は、回転体381の後面に固定されており、略円筒状に形成されている。該取付部材384の外周面には、マグネット312を円周状に配置しており、後部にファン338の羽根338aを形成している。また、該取付部材384の内周面には、弾性継手325を固定しており、該弾性継手325の中心部には、動力取出軸303aが配置している。そして、回転体381、マグネット312の取付部材319、ファン381、弾性継手325が、前記フライホイール321と一体的に回転可能として、動力取出軸303aを、クランク軸302aにより回転駆動される構成としている。
また、図60に示すように、回転体381を円筒形状に形成し、回転体381の後部にアウターリング313を固定し、該アウターリング313にマグネット312を取付ける構成とすることもできる。またアウターリング313の後端面にはファン338を設け、該回転体381、アウターリング313及びファン338をボルト315によりフライホイール321に固定している。該回転体381の内部には、弾性継手325の取付部材320を固定しており、該弾性継手325の中心部には、動力取出軸303aが配置している。そして、回転体381、マグネット312、ファン381、弾性継手325が、前記フライホイール321と一体的に回転可能として、動力取出軸303aを、クランク軸302aにより回転駆動される構成としている。
また、第二実施例の発電用機器ケース350の構成は、セイルドライブの第二実施例の推進装置201における発電用機器ケース250と略同様の構成としている。
次に、スタンドライブにおける推進装置301の第三実施例の構成について説明する。
第三実施例の推進装置301は、図62に示すように、第一実施例の発電用機器ケース340とFWハウジング321aとを一体的に形成して、発電用機器ケース360としている。
冷却用のファン238等、その他の構成は、スタンドライブの第一実施例の推進装置301と略同様の構成としている。
また、第三実施例の発電用機器ケース360の構成は、セイルドライブの第三実施例の推進装置201における発電用機器ケース260と略同様の構成としている。
次に、スタンドライブにおける推進装置301の第四実施例の構成について説明する。
第四実施例の推進装置301は、図63に示すように、第一実施例の発電用機器ケース340とマウンティングフランジ303bとを一体的に形成して、発電用機器ケース370としている。
冷却用のファン338等、その他の構成は、スタンドライブの第一実施例の推進装置301と略同様の構成としている。また、図58に示すように、発電用機器の別実施例も、スタンドライブの第一実施例と同様の構成としている。
また、第四実施例の発電用機器ケース370の構成は、セイルドライブの第四実施例の推進装置201における発電用機器ケース270と略同様の構成としている。