JP4972256B2 - 船舶の発電及び推進システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航走用内燃機関と船内電力供給を行う発電用機器とを有する、船舶の推進装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶の推進装置は、内燃機関及び動力伝達装置等により構成されており、内燃機関の駆動力を動力伝達装置により減速した後に、動力伝達装置に接続されるプロペラを駆動するものである。また、船内で使用する電気機器への電力供給は、船舶の推進装置における内燃機関とは別個に、発電機駆動用機関を設け、該発電機駆動用機関により船内電力用発電機を駆動すること等により行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の、船内電力用発電機から船内電力を供給する構成においては、船内電力用発電機から直接交流電力を供給していたため、供給電力が発電機駆動用機関の運転状態に左右されるとともに、船内電力を供給する際には必ず発電機駆動用機関を運転しておかなければならなかった。また、発電機駆動用機関の回転数は、電力負荷にかかわらず一定であったので、電力負荷が小さいときには、発電機駆動用機関が必要以上の回転数で運転されることとなって、無駄な燃料消費が行われるとともに、振動・騒音が大きくなる原因となっていた。また、船舶がマリーナに停泊している場合等、商用電源が使用できる状況下では、船内供給電源を船内電力用発電機から商用電源に切り換えるが、船内の電化製品を船内供給電源から商用電源へつなぎかえる必要があり、煩雑であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
【0005】
請求項1においては、航走用の内燃機関(2)と、該内燃機関(2)に接続される動力伝達装置(3)との間に、船内電力供給を行う発電用機器(10)を設置し、前記内燃機関(2)の出力にて、該発電用機器(10)を駆動、又は前記内燃機関(2)出力にてプロペラ(4)を駆動しつつ前記発電用機器(10)を駆動し、駆動された前記発電用機器(10)の出力を、船内供給電力とすることを可能とする船舶の発電及び推進システムにおいて、前記発電用機器(10)の出力部に電磁開閉器(11)を設け、電力供給の要求状態に応じて、該電磁開閉器(11)の開閉を制御すると共に、前記発電用機器(10)を高周波発電機に構成し、該発電用機器(10)により発電する交流電力を、整流機器(12)、直流/直流コンバータ(13)を介して、一旦直流に変換してバッテリ(14)に蓄え、再度、該バッテリ(14)からインバータ(15)を介して交流電力に変換し、船内へ出力供給するように構成し、前記動力伝達装置(3)にコントローラ(C)により制御されるクラッチ(21)を設け、該クラッチ(21)をオン・オフ制御することにより、前記内燃機関(2)からプロペラ(4)への出力を接・断するように構成し、前記電磁開閉器(11)もコントローラ(C)に接続し、該コントローラ(C)により電磁開閉器(11)のオン・オフ制御を行い、船舶を航走させ、船内への電力供給及びバッテリ(14)への充電が必要でない「航走モード」に切り換えた場合には、該コントローラ(C)により前記クラッチ(21)をオンとし、前記内燃機関(2)からの出力はプロペラ(4)に伝達されるが、該電磁開閉器(11)をオフとして、該発電用機器(10)から前記整流機器(12)への接続を切断し、船舶が航走しない状態で、船内への電力供給又はバッテリ(14)への充電を行う「発電モード」に切り換えた場合には、該クラッチ(21)をオフとし、該電磁開閉器(11)をオンとし、船舶が航走状態で、船内への電力供給又はバッテリ(14)への充電を行う「航走・発電モード」に切り換えた場合には、該クラッチ(21)をオンとし、電磁開閉器(11)もオンとするものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記発電用機器(10)の出力部に接続した該インバータ(15)の入力電圧値、入力電流値、又は負荷側電流値を検出し、該検出値に基づいて前記内燃機関(2)の回転数を制御するものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記船内供給電力の供給源を、前記発電用機器(10)と、別の商用電源とに切り換え可能とし、電力の供給源の切り換えを行う手動操作切換具である切換スイッチ(25)を設けたものである。
【0008】
請求項4においては、請求項3記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記切換スイッチ(25)の操作と同時に、前記発電用機器(10)からの出力電圧の位相と商用電源の出力電圧の位相とを検出し、両位相が合うタイミングにて、電力の供給源の切り換えを自動的に行うものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1は船舶の推進装置の概略構成を示す図、図2は推進装置の制御回路を示す図、図3はリレーがオフされクラッチがオンされた状態の推進装置を示す図、図4はリレーがオンされクラッチがオフされた状態の推進装置を示す図、図5はリレーとクラッチとが共にオンされた状態の推進装置を示す図、図6は発電用機器の出力電圧の負荷による変化を示す図、図7は発電モードのスタート時の制御フローを示す図、図8は発電モードがスタートした際の電力供給制御のフローを示す図、図9は内燃機関の運転開始時における速度変化を示す図、図10はインバータ出力電圧の位相及び商用電源の出力電圧の位相を示す図である。
【0010】
本発明にかかる船舶の推進装置について説明する。図1に示す船舶の推進装置1は、内燃機関2及び動力伝達装置3を有しており、動力伝達装置3にはプロペラ4が接続されている。該内燃機関2からの駆動力は動力伝達装置3により減速されながらプロペラ4に伝達され、その結果プロペラ4が回転駆動される。また、内燃機関2と動力伝達装置3との間には、発電機や発電機特性を有する機器である、発電用機器10が介装されている。そして、内燃機関2により発電用機器10を駆動し、該発電用機器10により発電された電力を船内電力として供給するようにしている。
【0011】
尚、本推進装置1は、本例においては、動力伝達装置3が内燃機関2の下方へ大きく延出し、動力伝達装置3に直接プロペラ4が取り付けられたセイルドライブに構成されているが、動力伝達装置3の後端部に、プロペラ4のプロペラ軸が装着されるマリンギアに構成することもできる。このように、内燃機関2、発電用機器10、及び動力伝達装置3が一体的に構成された推進装置1は、複数の防振ゴム等の防振部材9により支持されて、船舶の船体に据え付けられている。
【0012】
図1、図2に示すように、発電用機器10は高周波発電機に構成されており、該発電用機器10の出力部には、リレー(電磁開閉器)11、整流機器12、DC/DCコンバータ13、バッテリ14、インバータ15、及び出力ソケット16が、順に接続されている。発電用機器10により発電された交流電力は、整流機器12により整流・平滑化されて直流に変換された後、DC/DCコンバータ13により所定の電圧に変圧されてバッテリ14に充電される。そして、バッテリ14から取り出した電力はインバータ15により交流に変換され、出力ソケット16を通じて供給される。
【0013】
このように、発電用機器10からの交流電力は、一旦直流に変換してバッテリ14に蓄えた上で、再度交流電力に変換して船内へ供給するように構成しているので、内燃機関2の運転状態に影響されることなく、安定した電力供給を行うことができる。特に、内燃機関2が停止状態にあるときでも、バッテリ14に蓄えられた電力を供給することができる。また、一般的な家電製品を船内で使用することも可能である。さらに、内燃機関からの出力を、電力供給用に用いる、又は推進用に用いる等といった各種の要求に合わせて適切に使用することができ、効率的に用いることができる。
【0014】
図3〜図5に示すように、推進装置1の動力伝達装置3にはクラッチ21が設けられ、コントローラC(図2図示)に接続されている。コントローラCの制御によりクラッチ21をオンすると、内燃機関2からの出力がプロペラ4へ伝達され、オフすると、内燃機関2からの出力が遮断されてプロペラ4へ伝達されないように構成している。また、発電用機器10に接続される前記リレー11もコントローラCに接続されており、該コントローラCによりリレー11のオン・オフ制御を行うようにしている。
【0015】
そして、船舶を航走させ、船内への電力供給及びバッテリ14への充電が必要でない場合には、その旨の指示をコントローラCに与えると、図3に示すように、コントローラCにより、リレー11がオフされるとともに、クラッチ21がオンされて、「航走モード」に切り換えられる。この「航走モード」においては、クラッチ21がオンされることで内燃機関2からの出力がプロペラ4へ伝達されるが、リレー11がオフされることで発電用機器10の整流機器12側への接続が切断されるため、内燃機関2からの出力を全てプロペラ4側へ伝達することができ、効率の良い機関出力の伝達を行うことができる。
【0016】
また、船舶が航走しない状態で、船内への電力供給又はバッテリ14への充電を行う場合には、その旨の指示をコントローラCに与えると、図4に示すように、コントローラCにより、リレー11がオンされるとともに、クラッチ21がオフされて、「発電モード」に切り換えられる。この「発電モード」においては、クラッチ21がオフされることで内燃機関2からのプロペラ4側への出力伝達はされずに、内燃機関2からの出力は全て発電用機器10の駆動に用いられ、発電用機器10により発電された電力は出力ソケット16を通じて船内へ供給され、又はバッテリ14に充電される。このように、内燃機関2からの出力がプロペラ4側へ伝達されることがないので、効率良く発電用機器10を駆動することができる。
【0017】
さらに、船舶航走状態で、船内への電力供給又はバッテリ14への充電を行う場合には、その旨の指示をコントローラCに与えると、図5に示すように、コントローラCにより、リレー11がオンされるとともに、クラッチ21もがオンされて、「航走・発電モード」に切り換えられる。この「航走・発電モード」においては、内燃機関2からの出力が、プロペラ4側へ伝達されるとともに、発電用機器10の駆動にも用いられる。
【0018】
このように、発電用機器10の出力側にリレー11を設け、船舶の航走状態や電力供給の要否の要求に応じて、リレー11のオン・オフを制御することで、内燃機関2からの出力を、電力供給の要求に合わせて適切に使用することができ、効率的に用いることができる。
【0019】
ここで、発電用機器10の出力電圧の大きさは、該発電用機器10の回転数、即ち内燃機関2の回転数に比例し、同じ回転数の場合には、負荷によってその電圧値が低下する。例えば、図6に示すように、発電用機器10の回転数がn1 であり、無負荷状態での出力電圧がVa である場合、負荷が加わると出力電圧はVb に低下する。インバータ15への入力電圧は、その有効範囲が所定の範囲に設定されているため(Vmin からVmax までの範囲)、無負荷状態でも出力電圧Va がこの範囲内に入っていたとしも、負荷がかかった状態での出力電圧Vb がこの範囲からはずれてしまったときに問題となる。
【0020】
一方、内燃機関2や発電用機器10は、その騒音や振動を抑え、燃料消費を少なくするため、できるだけ低回転にて運転することが望ましい。従って、本推進装置1においては、できるだけ回転数を抑えつつ、負荷時の出力電圧をインバータ15の入力電圧の有効範囲内に収めるような制御を行っている。即ち、コントローラCにより、インバータ15への入力電圧値、入力電流値、又はインバータ15の負荷側電流値を検出し、この検出値に基づいて、出力電圧がインバータ15の入力電圧の有効範囲内に収まるように、内燃機関2の回転数を制御している。
【0021】
具体的な制御構成を、図2を参照しながら、図7、図8のフローに基づいて説明する。まず、前記リレー11がオン状態となり、出力電圧がインバータ15の入力電圧の有効範囲内に収まるように内燃機関2の回転数が自動的に制御される、「発電モード」をスタートさせるルーチンについて説明する。
【0022】
内燃機関2のセルモータをオンすると(S11)、内燃機関2が始動を開始する(S12)。内燃機関2が始動開始すると、「発電モード」への切り換え等を行うモードSW/ストップボタン22のモード設定状態、内燃機関2の回転速度の設定等を行う操作レバー26のシフトポジション、インバータ15の状態、発電用機器10の温度が検出されて、コントローラC内に読み込まれる(S13)。その後、コントローラCに接続される表示器23に内燃機関2の速度(即ち機関回転数)が表示され(S14)、何か誤りがあるか否かの判定が行われる(S15)。誤りがなければ、内燃機関2の速度が加速される(S16)。
【0023】
内燃機関2は、図9に示すように、その運転速度の範囲が予め設定されており(図9におけるna からnb までの範囲)、加速される内燃機関2がこの設定速度に達したか否かの判断がなされる(S17)。設定速度に達した場合は、電力供給のフラグが立ち前記リレー11がオンされ、電力供給ルーチンへ移行する。設定速度に達していない場合は、S13以降のフローが繰り返し実行される。尚、S15にて誤り項目が発見された場合は、その誤り項目が表示器23に表示され(S19)、本ルーチンは停止する。
【0024】
次に、図8により電力供給ルーチンについて説明する。電力供給ルーチンでは、まず、前記モードSW/ストップボタン22のモード設定状態、操作レバー26のシフトポジション、インバータ15の入力電圧及び入力電流、発電用機器10の温度が検出されて、コントローラC内に読み込まれる(S21)。そして、何か誤りがあるか否かの判定が行われ(S22)、誤りがなければコントローラCに接続される表示器23に内燃機関2の速度(即ち機関回転数)が表示される(S23)。
【0025】
その後、インバータ15の入力電圧値が、予めコントローラCに設定されている設定値の最小値Vmin と最大値Vmax との間の範囲に入っているか否かが判断され(S24)、入っていなければ、次に、インバータ15の入力電流値が、予めコントローラCに設定されている設定値の最小値と最大値との間の範囲に入っているか否かが判断される(S25)。インバータ15の入力電流値が、設定値の最小値Vmin と最大値Vmax との間の範囲に入っていなければ、レギュレータアクチュエータ24が作動して、内燃機関2のレギュレータが操作される(S26)。
【0026】
この場合、レギュレータアクチュエータ24は、コントローラCからの指令に基づき、インバータ15の入力電圧値又は入力電流値からの外れ度合に応じて、インバータ15の入力電圧値又は入力電流値を設定範囲内にいれるように、内燃機関2のレギュレータを操作する。尚、レギュレータの操作は、入力電圧値又は入力電流値を設定範囲内に入れつつ、内燃機関2の回転数ができるだけ小さくなるように行われる。
【0027】
レギュレータの操作を行った後、モードSW/ストップボタン22における、「発電モード」を終了させるストップボタン部分がオンされたか否かが判断され(S27)、オンされていれば、内燃機関2の速度が低下し(S28)、「発電モード」が停止する。逆に、ストップボタン部分がオンされていなければ、そのまま電力供給ルーチンが繰り返し実行される。
【0028】
尚、S22にて、誤り項目が発見された場合は、その誤り項目が表示器23に表示され(S29)、本ルーチンは停止する。また、S24にて、インバータ15の入力電圧値が設定範囲内に入っていた場合、及び、S25にて、インバータ15の入力電流値が設定範囲内に入っていた場合には、内燃機関2のレギュレータが操作されることなくS27へ進む。また、レギュレータの操作を行うか否かの判断をする場合、前述のS24、S25におけるインバータ15の入力電圧値及び入力電流値の判断に加えて、インバータ15の負荷側電流値の判断を行うように構成してもよい。
【0029】
このように、インバータ15の入力電圧値、入力電流値、又は負荷側電流値を検出し、該検出値に基づいて内燃機関2の回転数の制御を行うように構成することで、電力負荷に変化があった場合でも、発電用機器10からの出力電圧が、インバータ15の入力電圧値の有効範囲内に収めつつ、内燃機関2の回転数をできるだけ小さくすることができ、安定した電力供給が行えるとともに、無駄な燃料消費を抑えて、振動・騒音の低減を図ることができる。
【0030】
また、インバータ15と出力ソケット16との間には、切換スイッチ25が介装されており、船内供給電力を発電用機器10からの出力と商用電源からの出力とに切り換えることが可能となっている。切換スイッチ25は、例えば手動スイッチに構成され、海上では発電用機器10出力と出力ソケット16とが接続される側に手動操作されて、発電用機器10からの出力電圧により船内電圧供給を行うことができる。
【0031】
一方、船舶がマリーナに停泊している場合等、商用電源が使用できる状況下では、切換スイッチ25を、商用電源出力と出力ソケット16とが接続される側に手動操作して、商用電源からの出力電圧により船内電圧供給を行うことが可能となる。このように、手動スイッチに構成される切換スイッチ25を設けることで、該切換スイッチ25の切換操作を行うだけで、船内電力供給の電源を発電用機器10と商用電源との間で切り換えることができ、切換作業の容易化・簡易化を図ることができる。
【0032】
また、切換スイッチ25は、リレーと半導体スイッチング素子とを並列に設けて構成し、次のように電源の切換を行うように構成することもできる。即ち、切換スイッチ25により、図10に示す如くのインバータ15の出力電圧の位相、及び商用電源の出力電圧の位相を検出して、両位相が合うタイミングを検知し、この両位相が合うタイミングにて、船内電力供給の電源を発電用機器10と商用電源との間で瞬時に切り換えるように構成する。
【0033】
このように、切換スイッチ25を構成することで、船内電力供給の電源を発電用機器10と商用電源との間で自動的に切り換えることができ、特別な作業を要することなく切換を行うことが可能となる。また、電源切換時における、負荷に対して電源が途絶える時間が極短い時間であり、負荷である電気機器の誤動作や作動の中断がなく、電源切換に伴う船内電気機器の快適な使用感を損なうことがない。さらに、切換時におけるリレーのアーク発生を抑制することもできる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示すごとく、航走用内燃機関と、該内燃機関に接続される動力伝達装置との間に、船内電力供給を行う発電用機器を設置し、内燃機関出力にて発電用機器を駆動、又は内燃機関出力にてプロペラを駆動しつつ発電用機器を駆動し、駆動された発電用機器の出力を所定の直流又は交流に変換し、船内供給電力とすることを可能とする船舶の発電及び推進システムにおいて、発電用機器の出力部に電磁開閉器を設け、電力供給の要求状態に応じて、該電磁開閉器の開閉を制御するので、一般の家電製品を船内で使用することが可能となる。また、内燃機関からの出力を、電力供給用に用いる、又は推進用に用いる等といった各種の要求に合わせて適切に使用することができ、効率的に用いることができる。
【0035】
また、前記発電用機器(10)を高周波発電機に構成し、該発電用機器(10)により発電する交流電力を、整流機器(12)、直流/直流コンバータ(13)を介して、一旦直流に変換してバッテリ(14)に蓄え、再度、該バッテリ(14)からインバータ(15)を介して交流電力に変換し、船内へ出力供給するように構成したので、内燃機関の運転状態に影響されることなく、安定した電力供給を行うことができる。
特に、内燃機関が停止状態にあるときでも、バッテリに蓄えられた電力を供給することができる。
また、広回転域で電力供給可能であり、一般的な家電製品を船内で使用することも可能である。
さらに、内燃機関からの出力を、電力供給用に用いる、又は推進用に用いる等といった各種の要求に合わせて適切に使用することができ、効率的に用いることができる。
また、前記動力伝達装置(3)にコントローラ(C)により制御されるクラッチ(21)を設け、該クラッチ(21)をオン・オフ制御することにより、前記内燃機関(2)からプロペラ(4)への出力を接・断するように構成し、前記電磁開閉器(11)もコントローラ(C)に接続し、該コントローラ(C)により電磁開閉器(11)のオン・オフ制御を行い、「航走モード」に切り換えた場合には、該コントローラ(C)により前記クラッチ(21)をオンとし、前記内燃機関(2)からの出力はプロペラ(4)に伝達されるが、該電磁開閉器(11)をオフとして、該発電用機器(10)から前記整流機器(12)への接続を切断するので、船舶を航走させ、船内への電力供給及びバッテリ14への充電が必要でない場合には、その旨の指示をコントローラCに与えると、図3に示すように、コントローラCにより、リレー11がオフされるとともに、クラッチ21がオンされて、「航走モード」に切り換えられる。この「航走モード」においては、クラッチ21がオンされることで内燃機関2からの出力がプロペラ4へ伝達されるが、リレー11がオフされることで発電用機器10の整流機器12側への接続が切断されるため、内燃機関2からの出力を全てプロペラ4側へ伝達することができ、効率の良い機関出力の伝達を行うことができるのである。
また、船舶が航走しない状態で、船内への電力供給又はバッテリ(14)への充電を行う「発電モード」に切り換えた場合には、該クラッチ(21)をオフとし、該電磁開閉器(11)をオンとするので、該「発電モード」においては、クラッチ21がオフされることで内燃機関2からのプロペラ4側への出力伝達はされずに、内燃機関2からの出力は全て発電用機器10の駆動に用いられ、発電用機器10により発電された電力は出力ソケット16を通じて船内へ供給され、又はバッテリ14に充電される。このように、内燃機関2からの出力がプロペラ4側へ伝達されることがないので、効率良く発電用機器10を駆動することができる。
また、船舶が航走状態で、船内への電力供給又はバッテリ(14)への充電を行う「航走・発電モード」に切り換えた場合には、該クラッチ(21)をオンとし、電磁開閉器(11)もオンとするので、該「航走・発電モード」においては、内燃機関2からの出力が、プロペラ4側へ伝達されるとともに、発電用機器10の駆動にも用いられるのである。
【0036】
請求項2に記載のごとく、請求項1記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記発電用機器(10)の出力部に接続した該インバータ(15)の入力電圧値、入力電流値、又は負荷側電流値を検出し、該検出値に基づいて前記内燃機関(2)の回転数を制御するので、電力負荷に変化があった場合でも、発電用機器からの出力電圧が、インバータの入力電圧値の有効範囲内に収めつつ、内燃機関の回転数をできるだけ小さくすることができ、安定した電力供給が行えるとともに、無駄な燃料消費を抑えて、振動・騒音の低減を図ることができる。
【0037】
請求項3に記載のごとく、請求項1記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記船内供給電力の供給源を、前記発電用機器(10)と、別の商用電源とに切り換え可能とし、電力の供給源の切り換えを行う手動操作切換具である切換スイッチ(25)を設けたので、手動スイッチ等の手動操作切換具の切換操作を行うだけで、船内電力供給の電源を発電用機器と商用電源との間で切り換えることができ、切換作業の容易化・簡易化を図ることができる。
【0038】
請求項4に記載のごとく、請求項3記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記切換スイッチ(25)の操作と同時に、前記発電用機器(10)からの出力電圧の位相と商用電源の出力電圧の位相とを検出し、両位相が合うタイミングにて、電力の供給源の切り換えを自動的に行うので、リレーと半導体スイッチング素子とを並列に設けて構成した切換スイッチ等の切換具を構成することで、船内電力供給の電源を発電用機器と商用電源との間で自動的に切り換えることができ、特別な作業を要することなく切換を行うことが可能となる。
また、電源切換時における、負荷に対して電源が途絶える時間が極短い時間であり、負荷である電気機器の誤動作や作動の中断がなく、電源切換に伴う船内電気機器の快適な使用感を損なうことがない。
さらに、切換時におけるリレーのアーク発生を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 船舶の推進装置の概略構成を示す図である。
【図2】 推進装置の制御回路を示す図である。
【図3】 リレーがオフされクラッチがオンされた状態の推進装置を示す図である。
【図4】 リレーがオンされクラッチがオフされた状態の推進装置を示す図である。
【図5】 リレーとクラッチとが共にオンされた状態の推進装置を示す図である。
【図6】 発電用機器の出力電圧の負荷による変化を示す図である。
【図7】 発電モードのスタート時の制御フローを示す図である。
【図8】 発電モードがスタートした際の電力供給制御のフローを示す図である。
【図9】 内燃機関の運転開始時における速度変化を示す図である。
【図10】 インバータ出力電圧の位相及び商用電源の出力電圧の位相を示す図である。
【符号の説明】
1 推進装置
2 内燃機関
3 動力伝達装置
4 プロペラ
10 発電用機器
11 リレー
14 バッテリ
15 インバータ
16 出力ソケット

Claims (4)

  1. 航走用の内燃機関(2)と、該内燃機関(2)に接続される動力伝達装置(3)との間に、船内電力供給を行う発電用機器(10)を設置し、前記内燃機関(2)の出力にて、該発電用機器(10)を駆動、又は前記内燃機関(2)出力にてプロペラ(4)を駆動しつつ前記発電用機器(10)を駆動し、駆動された前記発電用機器(10)の出力を、船内供給電力とすることを可能とする船舶の発電及び推進システムにおいて、前記発電用機器(10)の出力部に電磁開閉器(11)を設け、電力供給の要求状態に応じて、該電磁開閉器(11)の開閉を制御すると共に、前記発電用機器(10)を高周波発電機に構成し、該発電用機器(10)により発電する交流電力を、整流機器(12)、直流/直流コンバータ(13)を介して、一旦直流に変換してバッテリ(14)に蓄え、再度、該バッテリ(14)からインバータ(15)を介して交流電力に変換し、船内へ出力供給するように構成し、前記動力伝達装置(3)にコントローラ(C)により制御されるクラッチ(21)を設け、該クラッチ(21)をオン・オフ制御することにより、前記内燃機関(2)からプロペラ(4)への出力を接・断するように構成し、前記電磁開閉器(11)もコントローラ(C)に接続し、該コントローラ(C)により電磁開閉器(11)のオン・オフ制御を行い、船舶を航走させ、船内への電力供給及びバッテリ(14)への充電が必要でない「航走モード」に切り換えた場合には、該コントローラ(C)により前記クラッチ(21)をオンとし、前記内燃機関(2)からの出力はプロペラ(4)に伝達されるが、該電磁開閉器(11)をオフとして、該発電用機器(10)から前記整流機器(12)への接続を切断し、船舶が航走しない状態で、船内への電力供給又はバッテリ(14)への充電を行う「発電モード」に切り換えた場合には、該クラッチ(21)をオフとし、該電磁開閉器(11)をオンとし、船舶が航走状態で、船内への電力供給又はバッテリ(14)への充電を行う「航走・発電モード」に切り換えた場合には、該クラッチ(21)をオンとし、電磁開閉器(11)もオンとすることを特徴とする船舶の発電及び推進システム。
  2. 請求項1記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記発電用機器(10)の出力部に接続した該インバータ(15)の入力電圧値、入力電流値、又は負荷側電流値を検出し、該検出値に基づいて前記内燃機関(2)の回転数を制御することを特徴とする船舶の発電及び推進システム。
  3. 請求項1記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記船内供給電力の供給源を、前記発電用機器(10)と、別の商用電源とに切り換え可能とし、電力の供給源の切り換えを行う手動操作切換具である切換スイッチ(25)を設けたことを特徴とする船舶の発電及び推進システム。
  4. 請求項3記載の船舶の発電及び推進システムにおいて、前記切換スイッチ(25)の操作と同時に、前記発電用機器(10)からの出力電圧の位相と商用電源の出力電圧の位相とを検出し、両位相が合うタイミングにて、電力の供給源の切り換えを自動的に行うことを特徴とする船舶の発電及び推進システム。
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