JP4308454B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルハライドランプなどの高輝度放電灯(HIDランプ)を点灯させる放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メタルハライドランプなどの高輝度放電灯は輝度が高いという特徴を有しており、近年、車載用途などに用いられるようになっている。車載用途に用いられている車載用の放電灯点灯装置には近年ますます小型化および低コスト化の要求が高まっており、小型化および低コスト化を実現するための一手段として制御回路にマイクロコンピュータが用いられるようになってきている。
【0003】
図25に高輝度放電灯からなる放電灯を点灯させる放電灯点灯装置の回路例を示す。図25に示した構成の放電灯点灯装置は、直流電源1と、直流電源1の電圧を放電灯であるランプLaが点灯可能になる電圧(ランプLaを安定点灯させるために必要となる電圧)まで昇降圧するDC−DC変換回路2と、DC−DC変換回路2から出力される直流電圧を交番電圧に変換してランプLaに印加するインバータ回路(極性反転回路)3と、ランプLaを始動するための高電圧の始動パルスを発生するイグナイタよりなる始動装置4と、インバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5を駆動するドライブ回路5と、ランプ電圧を検出するランプ電圧検出部6と、ランプ電流を検出するランプ電流検出部7と、ランプ電圧検出部6の出力およびランプ電流検出部7の出力をそれぞれサンプリングしてDC−DC変換回路2の出力電圧を制御する制御回路8とを備えている。ここに、ランプLaおよび始動装置4は、ランプLaを負荷として含む負荷回路として機能する。
【0004】
DC−DC変換回路2は、フライバック型のDC−CCコンバータであって、直流電源1の両端間にトランスT1の1次巻線とMOSFETからなるスイッチング素子Q1との直列回路が接続され、トランスT1の2次巻線の両端間に、ダイオードD1と平滑コンデンサC1との直列回路が接続されている。ダイオードD1はスイッチング素子Q1のオン時にトランスT1からコンデンサC1への充電電流を阻止する極性に接続されている。つまり、スイッチング素子Q1のオン時にトランスT1に電磁エネルギを蓄積し、この電磁エネルギをスイッチング素子Q1のオフ時にトランスT1から放出しダイオードD1を通してコンデンサC1に充電電流を流す。
【0005】
スイッチング素子Q1のオンオフは制御回路8が高周波で制御しており、制御回路8ではスイッチング素子Q1のオンデューティを変化させることにより、DC−DC変換回路2の出力電圧を制御している。また、ランプ電圧検出部6は、コンデンサC1の一端とダイオードD1のアノードとの接続点の電位によりDC−DC変換回路2の出力電圧をランプ電圧として検出し、ランプ電流検出部7は、コンデンサC1の他端とインバータ回路3との間に設けた電流検出用のカレントトランスCTによりDC−DC変換回路2の出力電流をランプ電流として検出する。制御回路8は、ランプ電圧検出部6により検出されたランプ電圧およびランプ電流検出部7により検出されたランプ電流に基づいてスイッチング素子Q1のオンデューティを変化させることにより、DC−DC変換回路2の出力電圧を制御している。制御回路8は、ランプLaが点灯する前の無負荷期間には、DC−DC変換回路2の出力電圧が規定の一定電圧になるようにスイッチング素子Q1のオンオフを制御する。
【0006】
DC−DC変換回路2の出力電圧はインバータ回路3へ入力される。インバータ回路3は、MOSFETからなる4個のスイッチング素子Q2〜Q5を備え、2個ずつのスイッチング素子Q2〜Q5の直列回路からなる2本のアームを並列接続した形でブリッジ接続されており、各アームにおけるスイッチング素子Q2〜Q5の接続点を出力端としてある。スイッチング素子Q2〜Q5のオンオフは一方のアームの高電位側のスイッチング素子Q2,Q3のオンオフと、他方のアームの低電位側のスイッチング素子Q4,Q5のオンオフとが一致するように制御回路8によりドライブ回路5を介して制御される。つまり、スイッチング素子Q2,Q5がオンのときにはスイッチング素子Q3,Q4がオフになり、スイッチング素子Q3,Q4がオンのときにはスイッチング素子Q2,Q5がオフになるように駆動される。インバータ回路3を構成するスイッチング素子Q2〜Q5のオンオフは比較的低周波で行われ、ランプLaには矩形波交番電圧が印加される。ただし、ランプLaの点灯前には制御回路8は、インバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5のうちスイッチング素子Q3,Q4のみをオンにし、スイッチング素子Q2,Q5をオフに保っている(初期設定)。
【0007】
制御回路8は、ランプLaへ供給する電力の指令値(ランプ電力指令値)を出力するランプ電力指令値発生部81、ランプ電力指令値とランプ電圧検出部6により検出したランプ電圧とに基づいてランプ電流指令値を演算するランプ電流指令値演算部82(なお、ランプ電流指令値演算部82は、ランプ電力指令値をランプ電圧で除算することでランプ電流指令値を求めている)、ランプ電流指令値とランプ電流検出部7により検出したランプ電流とに基づいて電流誤差を演算し一次側電流ピーク値を出力する電流誤差演算部83、スイッチング素子Q1のオンタイミングを設定するオンタイミング設定部84などを備えた制御部8aと、スイッチング素子Q1がオンのときにスイッチング素子Q1に流れる一次側電流と電流誤差演算部83から出力される一次側電流ピーク値とを比較するコンパレータ11と、コンパレータ11の出力端がリセット端子Rに接続されるとともにオンタイミング設定部84の出力端がセット端子Sに接続され出力信号によりスイッチング素子Q1をオンオフ制御するRSフリップフロップ12とにより構成されている。制御部8aは、マイクロコンピュータにより実現されている。
【0008】
RSフリップフロップ12のセット端子Sにはオンタイミング設定部84から図26(a)に示すような矩形波信号が入力され、スイッチング素子Q1に流れる一次側電流は同図(b)に示すようにスイッチング素子Q1がオンになった時点から徐々に増加するので、電流誤差演算部83から同図(b)に破線で示すような一次側電流ピーク値が出力されているとすると、一次側電流が一次側電流ピーク値を超えた時にRSフリップフロップ12のリセット端子RへHレベルの信号が入力されてRSフリップフロップ12の出力信号がHレベルからLレベルへ変化することになる。すなわち、RSフリップフロップ12からは同図(c)に示すようなPWM(パルス幅変調)信号が出力されることになる。なお、一次側電流が一次側電流ピーク値に到達しない場合には、オンタイミング設定部84から出力される矩形波信号のオン時間がRSフリップフロップ12から出力されるPWM信号のオン時間に等しくなる。
【0009】
以下、制御部8aの動作について図27のフローチャートを参照しながら説明する。
【0010】
電源が投入されるとマイクロコンピュータのプログラムがスタートし、インバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5の初期設定を行う(S1)。このインバータ回路3の初期設定では、スイッチング素子Q2〜Q5のうちスイッチング素子Q3,Q4のみをオンにし、スイッチング素子Q2,Q5をオフに保つ。このようなインバータ回路3の初期設定を行った後、マイクロコンピュータ上の初期設定を行う(S2)。その後、点灯前の無負荷時の制御を行いランプLaに無負荷電圧を印加し、始動装置4から始動パルス(例えば、20数kVの電圧)をランプLaに印加することでランプLaを始動させる(S3)。ここに、無負荷時の制御では、DC−DC変換回路2のスイッチング素子Q1のオンオフは通常動作の期間よりも低周波に設定してある。
【0011】
そして、ランプLaが点灯したか否かを判断し(S4)、ランプLaが点灯していなければ無負荷制御を行う。つまり、ランプLaが点灯するまでは無負荷制御を続けることになる。一方、ランプLaが点灯した場合には、ランプLaの光束を立ち上げるために始動から数十秒間、図28のような電力指令値を出力し、オンタイミング設定部84から上述の矩形波信号の出力を開始する(S5)。なお、電力指令値は図28に示すようなカーブとなるが、ランプLaの安定点灯状態では電力指令値が一定値になる
そして、ランプ電力指令値発生部81からランプ電力指令値の読み込みを行い(S6)、続いて、ランプ電圧検出部6からランプ電圧を読み込み(S7)、ランプ電力指令値をランプ電圧で除算することによりランプ電流指令値を得る(S8)。次に、ランプ電流検出部7からランプ電流を読み込み(S9)、ランプ電流指令値とランプ電流との誤差から一次側電流ピーク値を演算し(S10)、一次側電流ピーク値を出力する(S11)。次に、所定時間が経過したか否かを判断し(S12)、所定時間を経過している場合にはインバータ回路3の出力電圧が矩形波の交番電圧となるようにインバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5のオンオフを開始させる(S13)。スイッチング素子Q2〜Q5のオンオフを開始させた後若しくは上記所定時間が経過していない場合には、電源電圧が規格範囲内に入っているか否かを判断し(S14)、電源電圧が規定範囲内に入っていない場合には、再起動すべきか否かを判断して(S16)、再起動すべきと判断されればS1へ戻り、再起動すべきでないと判断されれば停止する。一方、電源電圧が規定範囲内に入っている場合には、ランプLaが点灯しているか否かを判断し(S15)、ランプLaが点灯していればS6へ戻る。一方、ランプLaが点灯していなければ(消灯していると判断すると)、再起動すべきか否かを判断して(S16)、再起動すべきと判断されればS1へ戻り、再起動すべきでないと判断されれば停止する。
【0012】
上述のフローチャートに従って制御部8aが動作することによってランプLaを点灯させる。すなわち、光束立ち上げ後の安定点灯状態においてはS6〜S15のステップを繰り返すことにより、ランプLaへ供給される電力の制御を行っている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来構成の放電灯点灯装置では、制御部8aを構成しているマイクロコンピュータの演算速度に限界があるので、ランプLaを安定に立ち上げて点灯させることや、電源電圧が瞬間的に低下するような突発的な電源電圧や負荷の変化に応答することができないという不具合があった。また、このような状況に対応できるように高速の演算が可能なマイクロコンピュータを用いることも考えられるが、コストが非常に高くなってしまい、低コスト化の要求への対応が難しくなるといいう不具合があった。
【0014】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、コストの増加を抑えつつ放電灯を安定に立ち上げて点灯させることができ、電源電圧が瞬間的に低下するような変化にも対応することが可能な放電灯点灯装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、スイッチング素子のオンオフにより直流電源の出力を直流−直流変換するDC−DC変換回路と、負荷として放電灯を有しDC−DC変換回路から電力が供給される負荷回路と、負荷電圧を検出する負荷電圧検出手段と、負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、負荷電力指令値と負荷電圧検出手段により検出された負荷電圧に基づいて負荷電流指令値を求める演算を行い負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御することでDC−DC変換回路の出力電力を調整する制御回路とを備え、制御回路は、少なくともマイクロコンピュータで構成され、負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御処理することを、略一定間隔のマイクロコンピュータの割り込み処理にて、略一定間隔で繰り返し行い、かつ、負荷電圧検出手段により検出された負荷電圧に基づいて負荷電流指令値を求める演算よりも負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御することが頻度高く行われるように、該割り込みの間隔を設定することを特徴とするものであり、放電灯点灯装置全体としての小型化および低コスト化を図れ、しかも、演算速度を高速化することなく従来よりも負荷電流の変化に早く対応することができるようになり、コストの増加を抑えつつ従来よりも安定して放電灯を点灯させることが可能となる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御回路は、負荷の状態に応じて上記2種類の演算の頻度を変化させるので、ランプ電圧が不安定な過渡期とランプ電圧が比較的安定な安定期とで演算の頻度を適宜変化させることができ、放電灯をより安定に点灯させることが可能となる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、制御回路は、少なくとも負荷の状態が不安定な時間を除いて、誤差演算を略一定時間間隔で行うので、ランプ電流に比べてランプ電圧が比較的安定な期間にはランプ電流の変化に早く対応することができるようになり、より安定な放電灯の点灯が可能となる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、制御回路は、誤差演算において比例・積分制御を行うので、比例積分制御を実現でき、電流誤差に対する早い応答性と精密な出力調整が可能となり、安定なランプの点灯が可能となる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、制御回路は、比例積分演算における電流誤差値に対する比例ゲインおよび積分ゲインの少なくとも一方を非線形的に変化させるので、比例ゲインと積分ゲインとの両方を線形的に変化させる場合に比べて安定状態での安定性を向上させることができる。
【0020】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、放電灯の始動後、光束の立ち上がり時間に応じて設定された所定時間が経過するまでの間は比例制御を行わないので、光束立ち上げ時のようにランプ電流が安定しない状態において目的値に対するランプ電流のオーバーシュートを防止でき、光束立ち上げ時の安定性を向上させることができる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、放電灯の始動後、DC−DC変換回路の出力電力が光束立ち上げ時の電力に応じて設定された所定値以上のときには比例制御を行わないので、光束立ち上げ時のようにランプ電流が安定しない状態において目的値に対するランプ電流のオーバーシュートを防止でき、光束立ち上げ時の安定性を向上させることができる。
【0022】
請求項8の発明は、請求項6の発明において、制御回路は、所定時間が経過後して比例制御を始める際に、比例制御の比例ゲインを時間とともに徐々に増加させるので、光束立ち上げ時の安定性をさらに向上させることができる。
【0023】
請求項9の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、電流誤差値に対する積分ゲインによる積分制御値の変化量に所定の制限値を設けてあるので、光束立ち上げ時の電流誤差値が比較的大きくなるときに、積分制御値の変化量が制限値で制限されるから、積分制御値の変化量が大きくなりすぎて安定な立ち上がりが難しくなるのを防ぐことができる。
【0024】
請求項10の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、DC−DC変換回路への入力電圧の変動に応じて比例積分演算の比例ゲインおよび積分ゲインの少なくとも一方を変化させるので、安定性と過渡応答性との両方を向上させることが可能となる。
【0025】
請求項11の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、比例積分演算における比例ゲインと積分ゲインとの少なくとも一方に関して、DC−DC変換回路の出力を上昇させるゲイン値が下降させるゲイン値に比較して大きな値に設定されているので、ランプ電流が下がりすぎるのを防ぐことができ、電源電圧が瞬間的に低下した時の点灯維持能力と安定性を上昇させることができる。
【0026】
請求項12の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、電流誤差値に対する比例ゲインによる比例制御値の変化量が所定値以上でDC−DC変換回路の出力を上昇させた場合、その比例制御値の変化量を出力上昇時から所定時間の間だけ保持するので、所定時間の間にランプ電流が落ち着き、電源電圧が瞬間的に低下した時の点灯維持能力と安定性を上昇させることができる。
【0027】
請求項13の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、電流誤差値に対する比例ゲインによる比例制御値の変化量が所定値以上でDC−DC変換回路の出力を上昇させた場合、その比例制御値の変化量を所定の時定数で低下させるので、ランプ電流の振動を抑制することができ、電源電圧が瞬間的に低下した時の点灯維持能力と安定性を上昇させることができる。
【0029】
請求項14の発明は、請求項1ないし請求項13の発明において、DC−DC変換回路の出力を電源として負荷回路へ交番電圧を与えるインバータ回路を備え、制御回路は、インバータ回路を制御する信号を出力するので、インバータ回路を制御するタイミングの正確さが向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の放電灯点灯装置の基本構成は従来構成と同様であって、図1に示すように、直流電源1と、直流電源1の電圧を放電灯(高輝度放電灯)であるランプLaが点灯可能になる電圧(ランプLaを安定点灯させるために必要となる電圧)まで昇降圧するDC−DC変換回路2と、DC−DC変換回路2から出力される直流電圧を矩形波の交番電圧に変換してランプLaに印加するインバータ回路(極性反転回路)3と、ランプLaを始動するための高電圧の始動パルスを発生するイグナイタよりなる始動装置4と、インバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5を駆動するドライブ回路5と、負荷電圧たるランプ電圧を検出するランプ電圧検出部6と、負荷電流たるランプ電流を検出するランプ電流検出部7と、DC−DC変換回路2への入力電圧を検出する入力電圧検出部9と、ランプ電圧検出部6の出力およびランプ電流検出部7の出力をそれぞれサンプリングしてDC−DC変換回路2の出力電圧およびインバータ回路3の出力電圧を制御する制御回路8とを備えている。すなわち、始動装置4を介してインバータ回路3にランプLaが接続されている。ランプLaおよび始動装置4は、ランプLaを負荷として含む負荷回路として機能する。また、本実施形態では、ランプ電圧検出部6が負荷電圧検出手段を構成し、ランプ電流検出部7が負荷電流検出手段を構成している。
【0031】
DC−DC変換回路2は、トランスT2、スイッチング素子Q1、ダイオードD2、コンデンサC2,C3により構成されており、スイッチング素子Q1のオンオフを制御回路8によってコンデンサC3の両端電圧を調整できるようになっている。
【0032】
スイッチング素子Q1のオンオフは制御回路8が高周波で制御しており、制御回路8ではスイッチング素子Q1のオンデューティを変化させることにより、DC−DC変換回路2の出力電圧を制御している。また、ランプ電圧検出部6は、コンデンサC3の両端電圧(DC−DC変換回路2の出力電圧)をランプ電圧として検出し、ランプ電流検出部7は、DC−DC変換回路2とインバータ回路3との間に設けた電流検出用のカレントトランスCT2によりDC−DC変換回路2の出力電流をランプ電流として検出する。制御回路8は、ランプ電圧検出部6により検出されたランプ電圧およびランプ電流検出部7により検出されたランプ電流に基づいてスイッチング素子Q1のオンデューティを変化させることにより、DC−DC変換回路2の出力電圧を制御している。制御回路8は、ランプLaが点灯する前の無負荷期間には、DC−DC変換回路2の出力電圧が規定の一定電圧になるようにスイッチング素子Q1のオンオフを制御する。
【0033】
DC−DC変換回路2の出力電圧はインバータ回路3へ入力される。インバータ回路3は、従来構成と同様にMOSFETからなる4個のスイッチング素子Q2〜Q5を備えており、スイッチング素子Q2〜Q5がドライブ回路5を介して制御回路8により制御される。ドライブ回路5は制御回路8からの制御信号をスイッチング素子Q2〜Q5の制御に適した電圧信号に変換するものである。制御回路8は、ランプLaの点灯後には、スイッチング素子Q2,Q5がオンのときにはスイッチング素子Q3,Q4がオフになり、スイッチング素子Q3,Q4がオンのときにはスイッチング素子Q2,Q5がオフになるようにスイッチング素子Q2〜Q5を制御する。インバータ回路3を構成するスイッチング素子Q2〜Q5のオンオフは比較的低周波で行われ、ランプLaには矩形波の交番電圧が印加される。ただし、ランプLaの点灯前には制御回路8は、インバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5のうち例えばスイッチング素子Q3,Q4のみをオンにし、スイッチング素子Q2,Q5をオフに保っている(初期設定)。
【0034】
制御回路8は、従来構成と同様に、マイクロコンピュータよりなる制御部8aと、スイッチング素子Q1がオンのときにスイッチング素子Q1に流れる一次側電流と制御部8aから出力される一次側電流ピーク値とを比較するコンパレータ11と、コンパレータ11の出力信号が入力されるとともに制御部8aからのオンタイミング信号がセット端子Sに入力され出力信号によりスイッチング素子Q1をオンオフ制御するRSフリップフロップ12とにより構成されている。なお、スイッチング素子Q1に流れる一次側電流は電流検出用のカレントトランスCT1により検出されている。また、制御部8aには、2個の抵抗R1,R2の直列回路からなる上述の入力電圧検出部9による検出電圧が入力されるようになっている。
【0035】
以下、制御部8aの動作について図2のフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
電源が投入されるとマイクロコンピュータのプログラムがスタートし、インバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5の初期設定を行う(S1)。このインバータ回路3の初期設定では、スイッチング素子Q2〜Q5のうちスイッチング素子Q3,Q4のみをオンにし、スイッチング素子Q2,Q5をオフに保つ。このようなインバータ回路3の初期設定を行った後、マイクロコンピュータ上の初期設定を行う(S2)。その後、点灯前の無負荷時の制御を行いランプLaに無負荷電圧を印加し、始動装置4から始動パルス(例えば、20数kVの電圧)をランプLaに印加することでランプLaを始動させる(S3)。ここに、無負荷時の制御では、DC−DC変換回路2のスイッチング素子Q1のオンオフは通常動作の期間よりも低周波に設定してある。
【0037】
そして、ランプLaが点灯したか否かを判断し(S4)、ランプLaが点灯していなければ無負荷制御を行う。つまり、ランプLaが点灯するまでは無負荷制御を続けることになる。一方、ランプLaが点灯した場合には、ランプ電力指令値を設定し(S5)、その後、ランプ電圧を平均化し(S6)、ランプ電力指令値をランプ電圧で除算する演算を行うことによりランプ電流指令値を求める(S7)。なお、制御部8aには、ランプ電圧の平均値を取り出すためにディジタルフィルタを設けてある。
【0038】
ランプ電流指令値を求めた後、入力電圧検出部9による検出電圧に基づいて電源電圧が規格範囲内に入っているか否かを判断し(S8)、電源電圧が規定範囲内に入っていない場合には、再起動すべきか否かを判断して(S10)、再起動すべきと判断されればS1へ戻り、再起動すべきでないと判断されれば停止する。一方、電源電圧が規定範囲内に入っている場合には、ランプLaが点灯しているか否かを判断し(S9)、ランプLaが点灯していればS5へ戻る。一方、ランプLaが点灯していなければ(消灯していると判断すると)、再起動すべきか否かを判断して(S10)、再起動すべきと判断されればS1へ戻り、再起動すべきでないと判断されれば停止する。
【0039】
上述の説明から分かるように、ランプLaが点灯している間は図2のフローチャートで説明したS5〜S9のステップからなるメインループが繰り返されるが、その繰り返しの間に一定の割り込み間隔で割り込みが入り、図3(a)に示す割り込み処理と図3(b)に示す割り込み処理とが交互に行われるようになっている。
【0040】
図3(a)に示す割り込み処理では、ランプ電圧検出部6からランプ電圧を読み込み(S21)、次に、ランプ電流検出部7からランプ電流を読み込み(S22)、ランプ電流指令値とランプ電流との電流誤差演算を行い(S23)、電流誤差演算の結果に基づいて一次側電流ピーク値を出力する(S24)。次に、所定時間が経過したか否かを判断し(S25)、所定時間を経過している場合にはインバータ回路3の出力電圧が矩形波の交番電圧となるようにインバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5のオンオフを開始させる(S26)。スイッチング素子Q2〜Q5のオンオフを開始させた後若しくは上記所定時間が経過していない場合には、メインループへ戻る。
【0041】
また、図3(b)に示す割り込み処理では、入力電圧検出部9から入力電圧(電源電圧)を読み込み(S21)、次に、ランプ電流検出部7からランプ電流を読み込み(S22)、ランプ電流指令値とランプ電流との電流誤差演算を行い(S23)、電流誤差演算の結果に基づいて一次側電流ピーク値を出力する(S24)。次に、所定時間が経過したか否かを判断し(S25)、所定時間を経過している場合にはインバータ回路3の出力電圧が矩形波の交番電圧となるようにインバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5のオンオフを開始させる(S26)。スイッチング素子Q2〜Q5のオンオフを開始させた後若しくは上記所定時間が経過していない場合には、メインループへ戻る。
【0042】
上述の説明から分かるように、図3(a)に示す割り込み処理と図3(b)に示す割り込み処理とでは、最初のステップ(S21)でランプ電圧を読み込むか入力電圧を読み込むかが相違するだけで、それ以外のステップ(S22〜S26)は同じであり、図3(a)に示す割り込み処理内での演算にかかる時間と図3(b)に示す割り込み処理内での演算にかかる時間とは同じである。
【0043】
ところで、メインループを一周するのに要する時間をT1、割り込み間隔をT2、割り込み処理内の演算にかかる時間をT3とすると、本実施形態における制御部8aでは、ランプLaの安定点灯状態においてはランプ電圧がランプ電流に比べて比較的安定していることを考慮して、
T1>T2−T3
とすることにより、〔ランプ電圧によるランプ電流指令値の演算の頻度〕<〔電流誤差演算による一次電流ピーク値の更新の頻度〕としている、
しかして、本実施形態では、負荷電流指令値たるランプ電流指令値を求める演算を行う頻度よりも、誤差演算たる電流誤差演算を行ってフィードバック制御を行う頻度が多くなるので、制御部8aとして用いるマイクロコンピュータの演算速度を高速化することなく従来よりもランプ電流の変化に早く対応することができるようになり、コストの増加を抑えつつ従来よりも安定してランプLaを点灯させることが可能となる。
【0044】
また、インバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5をオンオフするための制御信号を制御部8aからドライブ回路5を介して与えているので、インバータ回路3の制御信号を制御部8aとは別の制御回路から与える場合に比べて、インバータ回路を制御するタイミングの正確さが向上し、しかもインバータ回路3から矩形波の交番電圧が出力されるようにスイッチング素子Q2〜Q5を制御するタイミングを制御部8aにて認識することができるので、制御方式を変更するなどの対応がとりやすくなる。
【0045】
また、電流誤差演算による定電力制御は電流誤差演算のタイミングに大きく影響されるが、本実施形態では、電流誤差演算による一次側電流ピーク値の更新を割り込み処理で行っているので、電流誤差演算が略一定のタイミングで繰り返されることになり、より安定したランプLaの点灯が可能となる。
【0046】
なお、本実施形態では、一次側電流ピーク値を制御しているが、三角波との比較によるPWM制御を行うようにしてもよい。
【0047】
(実施形態2)
本実施形態の放電灯点灯装置の基本構成は実施形態1と同じであって、制御部8aの動作が相違するだけなので、図1の回路図を参照しながら説明する。ところで、ランプLaは安定期においてランプ電圧の方がランプ電流に比べて安定しているが、ランプ点灯直後や光束立ち上げ時などの過渡期にはランプ電圧の変動も大きい。
【0048】
これに対して、本実施形態では、メインループの一周に要する時間T1および割り込み間隔T2を過渡期にはT2−T3=αT1(0<α≦1)と設定し、安定期にはT2−T3=βT1(0<β≦1)と設定する(ただし、α>β)ことにより、ランプ電圧が不安定な時はよりランプ電圧が安定な安定期と比較してランプ電圧によるランプ電流指令値の演算頻度を多くしている。
【0049】
以下、本実施形態における制御部8aの動作について図4のフローチャートを参照しながら説明するが、実施形態1で説明したメインループの動作以外は同じなので実施形態1と同様の動作については簡単に説明する。
【0050】
電源が投入されるとマイクロコンピュータのプログラムがスタートし、インバータ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5の初期設定を行う(S1)。インバータ回路3の初期設定を行った後、マイクロコンピュータ上の初期設定を行う(S2)。その後、点灯前の無負荷時の制御を行いランプLaに無負荷電圧を印加し、始動装置4から始動パルス(例えば、20数kVの電圧)をランプLaに印加することでランプLaを始動させる(S3)。
【0051】
そして、ランプLaが点灯したか否かを判断し(S4)、ランプLaが点灯していなければ無負荷制御を行う。一方、ランプLaが点灯した場合には、ランプ電力指令値を設定し(S5)、その後、ランプ電圧を平均化し(S6)、ランプ電力指令値をランプ電圧で除算する演算を行うことによりランプ電流指令値を求める(S7)。続いて、ランプLaの状態(ランプ状態)が安定しているか否か(安定期にあるか過渡期にあるか)を判断して(S8)、ランプLaが安定していればT2−T3=βT1とし、ランプLaが安定していなければT2−T3=αT1とする。なお、ランプ状態の判断方法としては、例えばランプLaの電力による判断、ランプLaの電力指令値による判断、ランプLaの点灯からの経過時間での判断(再始動時も考慮)、などを適宜採用すればよい。
【0052】
その後、入力電圧検出部9による検出電圧に基づいて電源電圧が規格範囲内に入っているか否かを判断し(S11)、電源電圧が規定範囲内に入っていない場合には、再起動すべきか否かを判断して(S13)、再起動すべきと判断されればS1へ戻り、再起動すべきでないと判断されれば停止する。一方、電源電圧が規定範囲内に入っている場合には、ランプLaが点灯しているか否かを判断し(S12)、ランプLaが点灯していればS5へ戻る。一方、ランプLaが点灯していなければ、再起動すべきか否かを判断して(S13)、再起動すべきと判断されればS1へ戻り、再起動すべきでないと判断されれば停止する。
【0053】
上述の説明から分かるように、ランプLaが点灯している間は図4のフローチャートで説明したS5〜S12のステップからなるメインループが繰り返されるが、その繰り返しの間に一定の割り込み間隔T2で図5(a)に示す割り込み処理と図5(b)に示す割り込み処理とが交互に入るようになっている。なお、図5(a)に示す割り込み処理は図3(a)に示した割り込み処理と同じであり、図5(b)に示す割り込み処理は図3(b)に示した割り込みと同じなので説明を省略する。
【0054】
ところで、上述のメインループの一周に要する時間T1、割り込み間隔T2、割り込み内で演算に要する時間T3のうち時間T1,T3は固定値、割り込み間隔T2だけが可変であって、上述の説明から分かるように、本実施形態では、ランプ状態の判断結果により、電流誤差演算による一次側電流ピーク値の更新の割り込み間隔を変化させている。
【0055】
しかして、本実施形態では、負荷であるランプLaの状態に応じてランプ電流指令値の演算の頻度および電流誤差演算の頻度を変化させるので、ランプ電圧が不安定な過渡期とランプ電圧が比較的安定な安定期とで演算の頻度を適宜変化させることができ、より安定なランプLaの点灯が可能となる。
【0056】
なお、本実施形態では、割り込み間隔T2として2値で適宜変更しているが、割り込み間隔T2を多段階的に変更してもよい。
【0057】
ところで、上述の図5(a)の各割り込み処理における電流誤差演算(S23)は例えば図6のステップS23a〜S23dで行なえばよい。すなわち、まず、メインループで演算したランプ電流指令値から読み込んだランプ電流を減算して得られる値を電流誤差値とし(S23a)、電流誤差値に積分ゲインKIを乗算した値を積算して得られる値を電流誤差積分値とする(S23b)。そして、電流誤差積分値を一次側電流指令値として決定し(S23c)、一次側電流指令値に電流誤差値と比例ゲインKPとの積を加算した値を最終の一次側電流指令値とし(S23d)、この一次側電流指令値を一次側電流ピーク値として出力する(S24)。
【0058】
なお、上述の図5(b)の割り込み処理における電流誤差演算(S23)についても同じステップS23a〜S23dで行なえばよい。
【0059】
しかして、本実施形態では、制御部8aが電流誤差演算において比例積分演算を行って比例・積分制御を行うので、一定時間ごとの比例・積分制御を実現でき、電流誤差に対する早い応答性と精密な出力調整が可能となり、安定なランプLaの点灯が可能となる。
【0060】
(実施形態3)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成および基本動作は実施形態2と同じであって、割り込み処理における電流誤差演算が実施形態2と相違する。
【0061】
本実施形態では、上述の図5(a)の割り込み処理における電流誤差演算(S23)が図7のステップS23a〜S23fで行なわれる。すなわち、まず、メインループで演算したランプ電流指令値から読み込んだランプ電流を減算して得られる値を電流誤差値とし(S23a)、図8(a)のようなテーブルから電流誤差値に積分ゲインを乗算した積分制御値変化量を読み込み(S23b)、積分制御値変化量を積算して得られる値を電流誤差積分値とする(S23c)。そして、電流誤差積分値を一次側電流指令値として決定し(S23d)、図8(b)のようなテーブルから電流誤差値に比例ゲインを乗算した比例制御値変化量を読み込み(S23e)、一次側電流指令値に比例制御値変化量を加算した値を一次側電流指令値として更新し(S23f)、この一次側電流指令値を一次側電流ピーク値として出力する(S24)。
【0062】
要するに、実施形態2では積分ゲインおよび比例ゲインそれぞれによる制御値の変化量が乗算を利用して求められていたのに対して、本実施形態では、図8(a)のテーブルを用いて電流誤差値に積分ゲインを乗算した結果(第1の結果)を得るとともに図8(b)のテーブルを用いて電流誤差値に比例ゲインを乗算した結果(第2の結果)を得て、第1の結果を用いて電流誤差積分値を計算し(S23c)、第2の結果を用いて一次側電流指令値の更新(S23f)を行なっている。
【0063】
ここにおいて、図8(a)のテーブルでは電流誤差値に対して積分ゲインを非線形的に変化させている(電流誤差値が小さいほど積分ゲインが小さくなり、電流誤差値が大きいほど積分ゲインが大きくなる)ので、積分ゲインを線形的に変化させる場合に比べて、安定になればなるほど制御量を小さくすることができ、より安定度を増すことができる。また、図8(b)のテーブルでは電流誤差値が所定値よりも小さい場合には比例制御値変化量を0としてあるので、安定状態においては積分制御が主体となり安定状態の安定性を向上させることができる。また、安定状態の安定性を確保することができるので、比例制御値変化量=0の領域を外れた場合の比例ゲインの値を大きくすることができ、電源電圧が瞬間的に低下したときなどの異常状態において高速な応答が可能となる。また、比例制御値変化量の分解能を下げることが可能となり、演算の高速化を図ることが可能となる。
【0064】
なお、上述の図5(b)の割り込み処理における電流誤差演算(S23)についても図7におけるステップS23a〜S23fと同じステップで行えばよい。
【0065】
(実施形態4)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成および基本動作は実施形態3と同じであって、図9のフローチャートに示すように、比例ゲインによる一次側電流指令値に比例制御値制御値変化量を加算するステップS23fを、ランプ始動後の経過時間が所定時間に達していない場合には実行しないようにしている点が相違するだけである。ここにおいて、所定時間は例えばランプLaの光束立ち上げに要する時間程度に設定すればよい(つまり、所定時間は例えばランプLaの光束の立ち上がり時間に応じて設定すればよい)。
【0066】
ところで、光束立ち上げ時は、ランプ電力指令値の変化によりランプ電流指令値が大きく変化したりするランプ電流が安定しない状態であるが、ランプLaがちらつくようなことは望ましくない。このような光束立ち上げ時に制御部8aにおいて比例制御を行なっていると、ランプ電流の目的値に対してランプ電流がオーバーシュートしてしまい、ランプLaが安定に立ち上がらない可能性がある。
【0067】
これに対して、本実施形態では、光束立ち上げ時には比例制御を行なわないようにしてあるので、光束立ち上げ時の安定性を向上させることが可能となる。
【0068】
なお、上述の図5(b)の割り込み処理における電流誤差演算(S23)についても同様のステップで行なえばよい。
【0069】
ところで、光束立ち上げの時間はランプLaの温度により変化するので、ランプLaの温度を確認する目安として点灯状態にあるランプLaを消灯させてからの経過時間(消灯時間)をコンデンサと抵抗との時定数回路で測定し、再始動時間としている。そして、上記所定時間を再始動時間に応じて変化させることにより光束立ち上げの終了を正確に知ることが可能となり、より安定な立ち上げが可能となる。
【0070】
また、上記再始動時間を測定するのではなく、DC−DC変換回路2の出力電力を監視することでも光束立ち上げ時か安定期かの判断は可能であるので、図9におけるステップ23gの代わりに、図10に示すようにランプ出力電力が所定電力以下か否かを判断するステップ23hを設け、ランプ出力電力が所定電力を超えている場合には光束立ち上げ時とみなして比例制御を行なわないようにしても、光束立ち上げ時の安定性を向上させることが可能となる。
【0071】
なお、本実施形態においては比例制御を開始する際に、比例ゲインの大きさを0から所定値へと2値的に上昇させているが、多段階的に上昇させるとなおよい。
【0072】
(実施形態5)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成および基本動作は実施形態3と同じであって、図11のフローチャートに従う割り込み処理において、積分ゲインによる積分制御値変化量のテーブルとして図12(a)のようなテーブルが用いられ積分制御値変化量が所定の制限値で制限されている点に特徴がある。つまり、本実施形態では、積分制御値変化量が制限値に達するまでは電流誤差値に対して積分制御値変化量が線形的に変化しさらに電流誤差値が大きくなる場合には積分制御値変化量が制限値に保たれている。
【0073】
しかして、本実施形態では、光束立ち上げ時の電流誤差値が比較的大きくなるときに、積分制御値変化量が制限値で制限されるから、積分制御値変化量が大きくなりすぎて安定な立ち上がりが難しくなるのを防ぐことができる。
【0074】
なお、上述の図5(b)の割り込み処理における電流誤差演算(S23)についても同様のステップで行なえばよい。
【0075】
(実施形態6)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成および基本動作は実施形態3と同じであって、図13のような割り込み処理と図14のような割り込み処理とが交互に行われている。ここにおいて、図14の割り込み処理では、ステップ21において入力電圧を読み込んだ時にその値を保存しておき、新たに入力電圧を読み込んだときに当該読み込んだ入力電圧と保存していた入力電圧(入力電圧保存値)とを比較し(S31)、両者の差の絶対値が所定電圧値を超えているときにはフラグAをオンし(S33)、所定電圧値を超えていないときにはフラグAをオフしてからステップS22へ進んでいる点が図13の割り込み処理と相違している。また、図13および図14いずれの割り込み処理においても、ステップS23dにおいて一次側電流指令値を決定した後、フラグAがオンしているか否かを確認し(S23i)、フラグAがオンしている場合には図15(b)のようなテーブルを用いて比例制御値変化量を読み込み(S23e1)、フラグAがオフの場合には図15(c)のようなテーブルを用いて比例制御値変化量を読み込む(S23e2)。そして、比例制御値変化量を読み込んだ後の動作は実施形態3と同じである。
【0076】
すなわち、いずれの割り込み処理においても、比例制御を行なうときにフラグAを確認し、フラグAがたっている場合には図15(b)のようなテーブルを用いて比例制御値変化量を求めて比例制御を行ない、フラグAがたっていない場合には図15(c)のようなテーブルを用いて比例制御値変化量を求めて比例制御を行なうことになる。ここにおいて、図15(b)のテーブルと図15(c)のテーブルとは前者の方が比例ゲインが大きくなるように設定してある。また、フラグAは一旦オンすると所定時間保持された後にオフする。
【0077】
ところで、電源電圧が瞬間的に低下するような電源電圧変動時に一次側電流指令値の応答性に合わせて比例ゲインを設定すると、定常時の安定性が悪くなる。また、定常時の安定性を考えると、電源電圧が瞬間的に低下するような電源電圧変動時に応答しきれずにランプLaが大きくちらついてしまい、消灯してしまう(立ち消えしてしまう)こともある。
【0078】
これに対して、本実施形態では、電源電圧が瞬間的に低下するような電源電圧変動が起こったときのような過渡的な場合のみ比例ゲインの値を大きくすることが可能となり、安定性と過渡応答性の両方を満足させることが可能となる。
【0079】
なお、本実施形態では、入力電圧の変動により2値的に比例ゲインの値を設定しているが、入力電圧の変動の大きさにより比例ゲインの値を変化させるようにしてもよい。
【0080】
(実施形態7)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成および基本動作は実施形態3と同じであって、実施形態3で説明した図5(a)の割り込み処理の代わりに、図16の割り込み処理を行う点が相違する。また、図5(b)の割り込み処理についても図16と同様である。本実施形態では、図16の割り込み処理において、積分ゲインによる積分制御値変化量のテーブルとして図17(a)のようなテーブルを用い、比例ゲインによる比例制御値変化量のテーブルとして図17(b)のようなテーブルを用いている点に特徴がある。つまり、本実施形態では、電流誤差値の正負によって積分制御値変化量の絶対値が異なり、電流誤差値が正の場合の方が負の場合に比べて積分制御値変化量の絶対値が大きくなっている。同様に、電流誤差値の正負によって比例制御値変化量の絶対値が異なり、電流誤差値が正の場合の方が負の場合に比べて比例制御値変化量の絶対値が大きくなっている。
【0081】
ところで、電流誤差値の正負によって積分値制御値変化量および比例制御値変化量それぞれの絶対値が異ならない場合、電源電圧の瞬間的な低下などによって入力電圧が図18(a)の左側の波形図のように急激に低下すると、ランプ電流が図18(b)の左側の波形図のように急激に低下し、比例制御により一次側電流指令値が図18(c)の左側の波形図のように急激に上昇する。その効果でランプ電流が図18(b)の左側の波形図のように回復し、ランプ電流指令値をオーバーシュートすると、一次側電流指令値を急激に低下させるように働き、この時にランプ電流が下がりすぎて放電灯Laが点灯維持できずに消灯してしまう可能性があった。
【0082】
これに対して、本実施形態においても、ランプ電流が図18(b)の右側の波形図のように回復し、ランプ電流指令値をオーバーシュートすると、図18(c)の右側の波形図のように一次側電流指令値が低下する点は同じであるが、本実施形態では、電流誤差値が負のときに用いるゲイン(つまり、一次側電流指令値を下げるときに用いるゲイン)の値が比較的小さくなるので、図18(c)の右側の波形図のように一次側電流指令値が下がりすぎるのを防ぐことができ、図18(b)の右側の波形図のようにランプ電流が下がりすぎるのを防止できるから、電源電圧の瞬間的に低下したときの点灯維持能力と安定性を向上させることが可能となる。なお、図18(c)における破線は比例制御を行わない時の一次側電流指令値の変化を示している。
【0083】
(実施形態8)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成および基本動作は実施形態3と同じであって、図19に示すように、実施形態3で説明した図5(a)と同様の割り込み処理において、S23eにて比較制御値変化量を読み込んだ後に、比較制御値変化量が所定値以上か否かを判断し(S23j)、所定値以上であればフラグBを立て更にそのときの比例制御値変化量を保存し(S23k)、その保存された比例制御値変化量を比例制御値変化量とし(S23n)、一次側電流指令値を変更(更新)する(S23f)。なお、フラグBはオンすると所定時間後にオフされる。
【0084】
また、比較制御値変化量が所定値未満であれば、フラグBがオンであるか否かを判断し(S23m)、フラグBがオンの場合には保存された比例制御値変化量を比例制御値変化量とし(S23n)、一次側電流指令値を変更(更新)する(S23f)。これに対し、フラグBがオフの場合には一次側電流指令値を変更(更新)する(S23f)。このような制御が行なわれることによって、比較制御値変化量が所定値を超えた場合には一定時間の間、その比例制御値変化量が保持されることになる。なお、本実施形態では、積分制御値変化量のテーブルとして図20(a)のようなテーブルを用い、比例制御値変化量のテーブルとして図20(b)のようなテーブルを用いているが、これらのテーブルは実施形態3で説明したものと同様である。また、実施形態3で説明した図5(b)の割り込み処理についても図19と同様の処理が行われる。
【0085】
ところで、このような制御を行なっていない場合、電源電圧の瞬間的な低下などによって入力電圧が図21(a)の左側の波形図のように急激に低下すると、ランプ電流が図21(b)の左側の波形図のように急激に低下し、比例制御により一次側電流指令値が図21(c)の左側の波形図のように急激に上昇する。その効果でランプ電流が図21(b)の左側の波形図のように回復し、ランプ電流指令値をオーバーシュートすると、一次側電流指令値を急激に低下させるように働き、この時にランプ電流が下がりすぎてランプLaが点灯維持できずに消灯してしまう可能性があった。
【0086】
これに対して、本実施形態においても、ランプ電流が図21(b)の右側の波形図のように回復し、ランプ電流指令値をオーバーシュートすると、図21(c)の右側の波形図のように一次側電流指令値が低下する点は同じであるが、本実施形態では、一次側電流指令値の比例制御値変化量が所定値以上になると比例制御値変化量が所定時間の間は保持されるので、図21(b)の右側の波形図のようにその間のランプ電流が落ち着いて左側の波形図と比べてランプ電流の下降幅およびランプ電流が急激に下降する確率を小さくすることが可能となり、電源電圧の瞬間的に低下したときの点灯維持能力と安定性を向上させることが可能となる。なお、図21(c)における破線は比例制御を行わない時の一次側電流指令値の変化を示している。
【0087】
(実施形態9)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成および基本動作は実施形態3と同じであって、図22に示すように、実施形態3で説明した図5(a)と同様の割り込み処理において、S23eにて比較制御値変化量を読み込んだ後に、比較制御値変化量が所定値以上か否かを判断し(S23j)、所定値以上であれば比例制御値変化量を比例制御値変化量保存値に保存し(S23p)、フラグBをオンする(S23q)。その後、比例制御値変化量が比例制御値変化量保存値よりも大きいか否かを判断し(S23r)、比例制御値変化量の方が大きい場合にはS23pに戻り、比例制御値変化量の方が小さい場合には比例制御値変化量保存値が正の値であるか否か判断し(S23s)、正の値であるならば、その比例制御値変化量保存値を用いて比例制御を行ない(S23t)、比例制御値変化量保存値から所定変化量を減算し(S23u)、一次側電流指令値を出力する(S24)。これに対して、比例制御値変化量保存値が負の値であるならば、フラグBをオフし(S23o)、比例制御値変化量を用いて比例制御を行ない(S23f)、一次側電流指令値を一次側電流ピーク値として出力する(S24)。
【0088】
また、S23jにおいて、比例制御値変化量が所定値未満であれば、フラグBがオンであるか否かを判断し(S23m)、フラグBがオンの場合にはS23qへ進み、フラグBがオフの場合にはS23oへ進む。なお、本実施形態では、積分制御値変化量のテーブルとして図23(a)のようなテーブルを用い、比例制御値変化量のテーブルとして図23(b)のようなテーブルを用いているが、これらのテーブルは実施形態3で説明したものと同様である。また、実施形態3で説明した図5(b)の割り込み処理についても図22と同様の処理が行われる。
【0089】
ところで、このような制御を行なっていない場合、電源電圧の瞬間的な低下などによって入力電圧が図24(a)の左側の波形図のように急激に低下すると、ランプ電流が図24(b)の左側の波形図のように急激に低下し、比例制御により一次側電流指令値が図24(c)の左側の波形図のように急激に上昇する。その効果でランプ電流が図24(b)の左側の波形図のように回復し、ランプ電流指令値をオーバーシュートすると、一次側電流指令値を急激に低下させるように働き、この時にランプ電流が下がりすぎてランプLaが点灯維持できずに消灯してしまう可能性があった。
【0090】
これに対して、本実施形態においても、ランプ電流が図24(b)の右側の波形図のように回復し、ランプ電流指令値をオーバーシュートすると、図24(c)の右側の波形図のように一次側電流指令値が低下する点は同じであるが、本実施形態では、一次側電流指令値の比例制御値変化量が所定値以上になると、比例制御値変化量が大きくなるときは即座に大きくなるが、小さくなるときには即座に小さくならず所定の値ずつ下がっていくことになるので、図24(c)の右側の波形図のように一次側電流指令値のゆれ(振動)を抑えることができ、ランプ電流のゆれを抑えることができるから、電源電圧の瞬間的に低下したときの点灯維持能力と安定性を向上させることが可能となる。なお、図24(c)における破線は比例制御を行わない時の一次側電流指令値の変化を示している。
【0091】
【発明の効果】
請求項1の発明は、スイッチング素子のオンオフにより直流電源の出力を直流−直流変換するDC−DC変換回路と、負荷として放電灯を有しDC−DC変換回路から電力が供給される負荷回路と、負荷電圧を検出する負荷電圧検出手段と、負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、負荷電力指令値と負荷電圧検出手段により検出された負荷電圧に基づいて負荷電流指令値を求める演算を行い負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御することでDC−DC変換回路の出力電力を調整する制御回路とを備え、制御回路は、少なくともマイクロコンピュータで構成され、負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御処理することを、略一定間隔のマイクロコンピュータの割り込み処理にて、略一定間隔で繰り返し行い、かつ、負荷電圧検出手段により検出された負荷電圧に基づいて負荷電流指令値を求める演算よりも負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御することが頻度高く行われるように、該割り込みの間隔を設定するものであり、放電灯点灯装置全体としての小型化および低コスト化を図れ、しかも、演算速度を高速化することなく従来よりも負荷電流の変化に早く対応することができるようになり、コストの増加を抑えつつ従来よりも安定して放電灯を点灯させることが可能となるという効果がある。
【0092】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御回路は、負荷の状態に応じて上記2種類の演算の頻度を変化させるので、ランプ電圧が不安定な過渡期とランプ電圧が比較的安定な安定期とで演算の頻度を適宜変化させることができ、放電灯をより安定に点灯させることが可能となるという効果がある。
【0093】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、制御回路は、少なくとも負荷の状態が不安定な時間を除いて、誤差演算を略一定時間間隔で行うので、ランプ電流に比べてランプ電圧が比較的安定な期間にはランプ電流の変化に早く対応することができるようになり、より安定な放電灯の点灯が可能となるという効果がある。
【0094】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、制御回路は、誤差演算において比例・積分制御を行うので、比例積分制御を実現でき、電流誤差に対する早い応答性と精密な出力調整が可能となり、安定なランプの点灯が可能となるという効果がある。
【0095】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、制御回路は、比例積分演算における電流誤差値に対する比例ゲインおよび積分ゲインの少なくとも一方を非線形的に変化させるので、比例ゲインと積分ゲインとの両方を線形的に変化させる場合に比べて安定状態での安定性を向上させることができるという効果がある。
【0096】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、放電灯の始動後、光束の立ち上がり時間に応じて設定された所定時間が経過するまでの間は比例制御を行わないので、光束立ち上げ時のようにランプ電流が安定しない状態において目的値に対するランプ電流のオーバーシュートを防止でき、光束立ち上げ時の安定性を向上させることができるという効果がある。
【0097】
請求項7の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、放電灯の始動後、DC−DC変換回路の出力電力が光束立ち上げ時の電力に応じて設定された所定値以上のときには比例制御を行わないので、光束立ち上げ時のようにランプ電流が安定しない状態において目的値に対するランプ電流のオーバーシュートを防止でき、光束立ち上げ時の安定性を向上させることができるという効果がある。
【0098】
請求項8の発明は、請求項6の発明において、制御回路は、所定時間が経過後して比例制御を始める際に、比例制御の比例ゲインを時間とともに徐々に増加させるので、光束立ち上げ時の安定性をさらに向上させることができるという効果がある。
【0099】
請求項9の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、電流誤差値に対する積分ゲインによる積分制御値の変化量に所定の制限値を設けてあるので、光束立ち上げ時の電流誤差値が比較的大きくなるときに、積分制御値の変化量が制限値で制限されるから、積分制御値の変化量が大きくなりすぎて安定な立ち上がりが難しくなるのを防ぐことができるという効果がある。
【0100】
請求項10の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、DC−DC変換回路への入力電圧の変動に応じて比例積分演算の比例ゲインおよび積分ゲインの少なくとも一方を変化させるので、安定性と過渡応答性との両方を向上させることが可能となるという効果がある。
【0101】
請求項11の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、比例積分演算における比例ゲインと積分ゲインとの少なくとも一方に関して、DC−DC変換回路の出力を上昇させるゲイン値が下降させるゲイン値に比較して大きな値に設定されているので、ランプ電流が下がりすぎるのを防ぐことができ、電源電圧が瞬間的に低下した時の点灯維持能力と安定性を上昇させることができるという効果がある。
【0102】
請求項12の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、電流誤差値に対する比例ゲインによる比例制御値の変化量が所定値以上でDC−DC変換回路の出力を上昇させた場合、その比例制御値の変化量を出力上昇時から所定時間の間だけ保持するので、所定時間の間にランプ電流が落ち着き、電源電圧が瞬間的に低下した時の点灯維持能力と安定性を上昇させることができるという効果がある。
【0103】
請求項13の発明は、請求項4または請求項5の発明において、制御回路は、電流誤差値に対する比例ゲインによる比例制御値の変化量が所定値以上でDC−DC変換回路の出力を上昇させた場合、その比例制御値の変化量を所定の時定数で低下させるので、ランプ電流の振動を抑制することができ、電源電圧が瞬間的に低下した時の点灯維持能力と安定性を上昇させることができるという効果がある。
【0105】
請求項14の発明は、請求項1ないし請求項13の発明において、DC−DC変換回路の出力を電源として負荷回路へ交番電圧を与えるインバータ回路を備え、制御回路は、インバータ回路を制御する信号を出力するので、インバータ回路を制御するタイミングの正確さが向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す回路図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】実施形態2の動作説明図である。
【図5】同上の動作説明図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】実施形態3の動作説明図である。
【図8】同上の動作説明図である。
【図9】実施形態4の動作説明図である。
【図10】同上の他の動作例の説明図である。
【図11】実施形態5の動作説明図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】実施形態6の動作説明図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【図15】同上の動作説明図である。
【図16】実施形態7の動作説明図である。
【図17】同上の動作説明図である。
【図18】同上の動作説明図である。
【図19】実施形態8の動作説明図である。
【図20】同上の動作説明図である。
【図21】同上の動作説明図である。
【図22】実施形態9の動作説明図である。
【図23】同上の動作説明図である。
【図24】同上の動作説明図である。
【図25】従来例を示す回路図である。
【図26】同上の動作説明図である。
【図27】同上の動作説明図である。
【図28】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 直流電源
2 DC−DC変換回路
3 インバータ回路
4 始動装置
5 ドライブ回路
6 ランプ電圧検出部
7 ランプ電流検出部
8 制御回路
8a 制御部
9 入力電圧検出部
11 コンパレータ
12 RSフリップフロップ
La ランプ

Claims (14)

  1. スイッチング素子のオンオフにより直流電源の出力を直流−直流変換するDC−DC変換回路と、負荷として放電灯を有しDC−DC変換回路から電力が供給される負荷回路と、負荷電圧を検出する負荷電圧検出手段と、負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、負荷電力指令値と負荷電圧検出手段により検出された負荷電圧に基づいて負荷電流指令値を求める演算を行い負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御することでDC−DC変換回路の出力電力を調整する制御回路とを備え、制御回路は、少なくともマイクロコンピュータで構成され、負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御処理することを、略一定間隔のマイクロコンピュータの割り込み処理にて、略一定間隔で繰り返し行い、かつ、負荷電圧検出手段により検出された負荷電圧に基づいて負荷電流指令値を求める演算よりも負荷電流指令値と負荷電流検出手段により検出された負荷電流との誤差演算を行って当該誤差演算の演算結果に応じてDC−DC変換回路のスイッチング素子のオンオフをフィードバック制御することが頻度高く行われるように、該割り込みの間隔を設定することを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 制御回路は、負荷の状態に応じて上記2種類の演算の頻度を変化させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 制御回路は、少なくとも負荷の状態が不安定な時間を除いて、誤差演算を略一定時間間隔で行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の放電灯点灯装置。
  4. 制御回路は、誤差演算において比例・積分制御を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  5. 制御回路は、比例積分演算における電流誤差値に対する比例ゲインおよび積分ゲインの少なくとも一方を非線形的に変化させることを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
  6. 制御回路は、放電灯の始動後、光束の立ち上がり時間に応じて設定された所定時間が経過するまでの間は比例制御を行わないことを特徴とする請求項4または請求項5記載の放電灯点灯装置。
  7. 制御回路は、放電灯の始動後、DC−DC変換回路の出力電力が光束立ち上げ時の電力に応じて設定された所定値以上のときには比例制御を行わないことを特徴とする請求項4または請求項5記載の放電灯点灯装置。
  8. 制御回路は、所定時間が経過後して比例制御を始める際に、比例制御の比例ゲインを時間とともに徐々に増加させることを特徴とする請求項6記載の放電灯点灯装置。
  9. 制御回路は、電流誤差値に対する積分ゲインによる積分制御値の変化量に所定の制限値を設けてあることを特徴とする請求項4または請求項5記載の放電灯点灯装置。
  10. 制御回路は、DC−DC変換回路への入力電圧の変動に応じて比例積分演算の比例ゲインおよび積分ゲインの少なくとも一方を変化させることを特徴とする請求項4または請求項5記載の放電灯点灯装置。
  11. 制御回路は、比例積分演算における比例ゲインと積分ゲインとの少なくとも一方に関して、DC−DC変換回路の出力を上昇させるゲイン値が下降させるゲイン値に比較して大きな値に設定されていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の放電灯点灯装置。
  12. 制御回路は、電流誤差値に対する比例ゲインによる比例制御値の変化量が所定値以上でDC−DC変換回路の出力を上昇させた場合、その比例制御値の変化量を出力上昇時から所定時間の間だけ保持することを特徴とする請求項4または請求項5記載の放電灯点灯装置。
  13. 制御回路は、電流誤差値に対する比例ゲインによる比例制御値の変化量が所定値以上でDC−DC変換回路の出力を上昇させた場合、その比例制御値の変化量を所定の時定数で低下させることを特徴とする請求項4または請求項5記載の放電灯点灯装置。
  14. DC−DC変換回路の出力を電源として負荷回路へ交番電圧を与えるインバータ回路を備え、制御回路は、インバータ回路を制御する信号を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
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