JP3951608B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルハライドなどの高輝度放電灯(HID)を点灯させる放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メタルハライドなどの高輝度放電灯(HID)は、音響共鳴現象を起こさずに点灯させるため300Hz程度の周波数で交流点灯させている。しかし、点灯直後に電極を十分な温度にしないとランプ電流が正または負に切り替わる極性反転時に立ち消えしやすいという課題があった。
【0003】
そこで、特開平9−73991号公報に開示されているように、点灯始動時の所定時間、放電灯に直流電力または低周波電力を供給すべく発振回路の発振周波数を制御し、電流検出手段により検出されたランプ電流の大きさに応じて前記所定時間を調整する制御手段を備える放電灯点灯装置が提供されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例に示すように、ランプ電流の検出値の大きさによって、点灯始動時の所定時間を調整すると、点灯直後のランプ電流の変動で正確に安定してランプ電流時間積を算出することができないという問題があった。
【0005】
点灯直後のランプ電流は変動が激しく、正確にランプ電流を検出するには電流検出回路のダイナミックレンジを大きく取る必要があり、制御回路の電源電圧を大きくするなど回路が複雑になるという問題があった。
【0006】
また、ランプ電流検出回路のフィルタの時定数を大きくすることによって、ランプ電流検出値の変動を抑えることができるが、制御回路の応答性が遅くなるので、始動性が悪くなり、点灯直後の立ち消え及び極性反転時の立ち消えが発生する問題があった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、点灯直後の立ち消え及び極性反転時の立ち消えを無くし、且つランプの劣化を抑制する放電灯点灯装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、直流電源と、スイッチング素子をオン・オフすることで前記直流電源の電圧を所望の電圧に変換する昇降圧コンバータ回路と、前記昇降圧コンバータ回路の出力電力を極性反転して交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力する交流電力を供給される放電灯と、前記昇降圧コンバータ回路の出力電流を前記放電灯のランプ電流として検出する電流検出手段、前記昇降圧コンバータ回路の出力電圧を前記放電灯のランプ電圧として検出する電圧検出手段、所定のランプ電力を指示するランプ電力指令値と前記ランプ電圧検出値とからランプ電流指令値を演算するランプ電流指令値演算手段を有し、前記ランプ電流検出値と前記ランプ電流指令値とを比較してランプ電流検出値がランプ電流指令値に一致するように前記昇降圧コンバータの出力を制御し、さらに点灯始動時における前記ランプ電流指令値の積分値が大きいほど、前記インバータ回路が点灯始動時に予め定められた回数、極性反転する時間間隔を短くする制御回路とを具備することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記制御回路は、前記定められた回数の極性反転時において、極性反転前の前記積分値と極性反転後の前記積分値とが等しくなるように制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記制御回路は、前記ランプ電流検出値と前記ランプ電流指令値とを比較して、点灯始動時における前記ランプ電流検出値が前記ランプ電流指令値よりも大きい場合、前記ランプ電流指令値の積分値に応じて設定した前記インバータ回路が極性反転する時間間隔を短くし、点灯始動時における前記ランプ電流検出値が前記ランプ電流指令値よりも小さい場合、前記ランプ電流指令値の積分値に応じて設定した前記インバータ回路が極性反転する時間間隔を長くすることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記制御回路は、前記ランプ電流指令値に下限値を設けることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、前記制御回路は、前記放電灯が放電を開始してからオープンループ制御期間には、前記昇降圧コンバータ回路のスイッチング素子のスイッチング動作を制御するオープンループ制御を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記オープンループ制御期間は、前記制御回路が、前記昇降圧コンバータ回路の出力電力を前記ランプ電圧検出値に応じて制御する出力制御のフィードバック系の応答時間よりも長い期間であることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項5の発明において、前記オープンループ制御期間において、前記昇降圧コンバータ回路のスイッチング素子のスイッチング周波数とデューティとのうちの少なくとも一方は、前記直流電源の電圧に対応した値に可変であることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項5の発明において、前記制御回路はデータを記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段は、前記オープンループ制御期間において、放電開始直前に記憶した状態検出データを放電開始後の状態検出データに変更することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項5の発明において、前記制御回路は、前記オープンループ制御を開始するために前記放電灯の放電開始を検出する放電開始検出手段と、定常点灯に移行するために前記放電灯の点灯を検出する点灯判別手段とを各々有することを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記放電開始検出手段は、前記放電灯の定常点灯時のランプ電圧より高い無負荷時のランプ電圧が低下したことにより前記放電灯の点灯を検出することを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項9の発明において、前記点灯判別手段は、前記オープンループ制御期間の終了後、前記放電灯のランプ電圧とランプ電流とのうちの少なくとも一方の値を検出して前記放電灯の点灯判別を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項9の発明において、前記制御回路は、前記放電開始検出手段が前記放電灯の放電を検出しなければ、前記放電灯に供給する交流電力を抑制することを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明は、請求項9の発明において、前記制御回路は、前記放電開始検出手段が前記放電灯の放電を検出しなければ、前記放電灯に供給する交流電力を素早く減衰させることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1は本実施形態の放電灯点灯装置の回路ブロック図を示し、放電灯点灯装置は、入力電圧V1を出力する直流電源1と、高輝度放電灯からなる放電灯5と、入力電圧V1を放電灯5が必要とする電圧に昇降圧変換するDC/DCコンバータ回路2と、DC/DCコンバータ回路2の直流出力を極性反転して交流に変換するインバータ回路3と、放電灯5を始動させるために必要な高電圧を放電灯5に印加するイグナイタ部4と、DC/DCコンバータ回路2及びインバータ回路3を制御する制御部9と、DC/DCコンバータ回路2の出力電圧検出用の抵抗7と、DC/DCコンバータ回路2の出力電流検出用の抵抗8と、直流電源1及びDC/DCコンバータ回路2の間に接続されるスイッチ10とから構成される。
【0023】
制御部9は、抵抗8の一端と接続されて、DC/DCコンバータ回路2の出力電流をランプ電流I5として検出し、ランプ電流検出値aを出力する電流検出部91と、抵抗7の一端と接続されて、DC/DCコンバータ回路2の出力電圧をランプ電圧V5として検出し、ランプ電圧検出値bを出力する電圧検出部92と、所定のランプ電力にするためのランプ電力指令値dを出力する電力指令値発生部94と、ランプ電力指令値d及びランプ電圧検出値bからランプ電流I5のランプ電流指令値cを演算する電流指令値演算部93と、ランプ電流指令値cを積分する指令値積分部97と、指令値積分部97の出力をインバータ回路3の駆動信号に変換する駆動信号発生部96と、ランプ電流指令値c及びランプ電流検出値aに応じてDC/DCコンバータ回路2に出力制御信号を出力する誤差アンプ95とから構成される。
【0024】
図2は、車載用定格35Wの放電灯5の点灯モードの例を示し、図2(a)は、入力電圧V1、図2(b)はランプ電圧V5、図2(c)はランプ電流I5の各波形を各々示す。
【0025】
入力電圧V1は略12Vの直流電圧であり、時間t0にて点灯開始すると、ランプ電圧V5が略−380Vに達した時間t1にて放電灯5は放電を開始し、点灯する。点灯してからのモードは4つに分けられ、点灯してから数100μsec程度の始動モードW1と、点灯してからインバータ回路3にてランプ電圧V5、ランプ電流I5が2回極性反転するまで(15〜75msec程度)の点灯初期モードW2と、点灯から60sec程度以内(ランプ温度によって変わる)の光出力立上りモードW3と、定格出力で制御される定常モードW4とからなり、光出力立上りモードW3及び定常モードW4においては、インバータ回路3は数100Hz程度の矩形波を出力して放電灯5を点灯させている。
【0026】
本発明は、点灯直後の始動モードW1及び点灯初期モードW2についてのものであり、点灯初期モードW2における2回の極性反転の時間間隔を決めており、電流指令値演算部93が出力するランプ電流指令値cを指令値積分部97にて積分し、その積分値が所定のしきい値に達することによって極性反転する時間間隔を決めている。
【0027】
ランプ電流指令値c、ランプ電力指令値d、ランプ電圧検出値bには、
c=d/b (d=c×b)
という関係がある。ここで、点灯直後のランプ電力指令値dはその値を固定しているので、ランプ電圧検出値bの逆数を積分した値と、ランプ電流指令値cを積分した値とは同様に考えることができるが、本実施形態においては、ランプ電流指令値cを用いる場合について説明する。
【0028】
図3に、指令値積分部97の回路構成を示す。指令値積分部97は、電流指令値演算部93が出力するランプ電流指令値cを積分する積分回路910と、積分回路910の積分出力と電圧源909のしきい値電圧Vref1とを比較するコンパレータ906と、コンパレータ906の出力の立下りエッジを検出してパルス電圧を出力するエッジ検出IC907とから構成され、積分回路910は、反転入力端子に抵抗900を接続し、反転入力端子と出力端子間にコンデンサ901とスイッチ908との並列回路を接続したオペアンプ902からなる積分器と、オペアンプ902の出力端子と抵抗903を介して反転入力端子を接続し、反転入力端子と出力端子間に抵抗904を接続したオペアンプ905からなる反転増幅器とから構成される。
【0029】
次に、上記指令値積分部97の動作について説明する。電流指令値演算部93の出力するランプ電流指令値cは、コンデンサ901の電位として積分され、オペアンプ905にて反転されて、積分出力Vo1として出力される。コンパレータ906は、積分出力Vo1としきい値電圧Vref1とを比較し、積分出力Vo1がしきい値電圧Vref1以上になれば、出力Vo2がHレベルからLレベルになる。その出力Vo2の立下りエッジを検出したエッジ検出IC907は、パルス波形の出力Vo3を駆動信号発生部96に出力し、パルス波形の出力Vo3を入力された駆動信号発生部96は、インバータ駆動信号の極性を反転し、インバータ回路3の出力を極性反転させる。また、パルス波形の出力Vo3はスイッチ908をオンにしてコンデンサ901を放電させ、積分出力Vo1を0Vにして、前記動作を繰り返す。出力Vo3のパルス波形の長さは、コンデンサ901を十分放電させることができる時間とする。このときの積分出力Vo1、出力Vo2、出力Vo3の各波形を、図4に示す。
【0030】
駆動信号発生部96は、点灯後2回のみ指令値積分部97の出力したパルス波形の出力Vo3を受け取り、点灯後3回目以降は受け付けない。このパルス波形の出力Vo3を受け取った回数を計数するカウンタは、放電灯5が点灯したかどうかを判別する点灯判別回路(図示なし)が点灯したと判別すればリセットされる。
【0031】
しきい値電圧Vref1は、放電灯5の種類及び放電灯点灯回路と整合をとって設定し、しきい値電圧Vref1の下限値は放電灯5の始動性によって設定して、上限値は放電灯の寿命特性によって設定される。また、しきい値電圧Vref1を一定とすることによって、点灯初期モードW2における1回目と2回目の極性反転時の各積分出力Vo1を同等に制御することができる。
【0032】
なお、積分回路910は、電圧−電流変換回路とコンデンサとでも容易に構成することができ、指令値積分部97は、アナログASICやアナログデジタルASICやマイコンを用いても容易に構成することができる。
【0033】
このように本実施形態によると、ランプ電流指令値cを積分することによって、放電灯5のランプ電圧V5、ランプ電流I5が点灯直後2回まで極性反転する時間間隔を制御することができ、点灯直後の立ち消え、および極性反転時の立ち消えを無くすことができる。
【0034】
また、点灯直後において、ランプ電流指令値cの1回目と2回目との積分値を同等に制御することができるので、放電灯5の片側の電極のみが劣化し、寿命が短くなるという問題も解決することができる。
【0035】
(実施形態2)
図5は本実施形態の放電灯点灯装置の回路ブロック図を示し、実施形態1を示す図1の回路ブロック図とは、誤差アンプ95の出力を指令値積分部97に入力した点が異なり、実施形態1と同様の要素、構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0036】
図6は指令値積分部97の回路構成を示し、誤差アンプ95の出力に応じて、可変電圧源911のしきい値電圧Vref1を可変する点が実施形態1と異なり、実施形態1と同様の要素、構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0037】
次に、指令値積分部97の動作について説明する。ランプ電流検出値aとランプ電流指令値cとを入力された誤差アンプ95の出力に応じて、可変電圧源911のしきい値電圧Vref1を可変するもので、すなわち、ランプ電流検出値aがランプ電流指令値cよりも大きい場合、しきい値電圧Vref1を減少させてインバータ回路3が点灯始動時に極性反転するまでの時間間隔を短くし、ランプ電流検出値aがランプ電流指令値cよりも小さい場合、しきい値電圧Vref1を増加させてインバータ回路3が点灯始動時に極性反転するまでの時間間隔を長くする。このときの積分出力Vo1、出力Vo2、出力Vo3の各波形を、図7に示す。
【0038】
なお、しきい値電圧Vref1の上限、下限を予め設定して、電流検出部91、電圧検出部92の劣化、故障などによる異常電圧、電流からの保護を図っている。
【0039】
このように本実施形態によると、ランプ電流検出値aとランプ電流指令値cとを比較することによって、インバータ回路3が点灯始動時に極性反転する時間間隔を補正するので、点灯直後の立ち消え、および極性反転時の立ち消えをなくすことができ、且つ放電灯5の劣化を抑制することができる。
【0040】
(実施形態3)
図8は本実施形態の放電灯点灯装置における電流指令値演算部93の回路ブロック図を示し、他の構成は実施形態1または2と同様であり説明は省略する。
【0041】
電流指令値演算部93は、電圧検出部92からの出力であるランプ電圧検出値bの逆数1/bを演算する逆数回路920と、逆数回路920の出力1/bと電力指令値発生部94の出力であるランプ電力指令値dとを乗算する乗算回路921と、ランプ電流の最小電流制限値の設定回路923と、乗算回路921の出力1/b×dとランプ電流の最小電流制限値eとを比較し、いずれか大きい値を有するほうを誤差アンプ95へランプ電流指令値cとして出力する比較回路922とから構成される。
【0042】
比較回路922は、乗算回路921の出力1/b×dが、最小電流制限値eより大きい場合、出力1/b×dをランプ電流指令値cとして出力し、最小電流制限値eが、乗算回路921の出力1/b×dより大きい場合、最小電流制限値eをランプ電流指令値cとして出力する。ここで、最小電流制限値eは、放電灯5が点灯を維持できる値とする。
【0043】
また、電流指令演算部93は、アナログASICやアナログデジタルASICやマイコンを用いても容易に構成することができる。
【0044】
このように本実施形態によると、ランプ電流指令値cが、最小電流制限値eを有して、最低限の点灯電流を確保することによって、点灯初期の立ち消えをなくして、始動性を向上させることができる。
【0045】
(実施形態4)
図9は本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示し、放電灯点灯装置は、入力電圧V1を出力する直流電源1と、高輝度放電灯からなる放電灯5と、入力電圧V1を放電灯5が必要とする電圧に変換するDC/DCコンバータ回路2と、DC/DCコンバータ回路2の直流出力を低周波矩形波に変換するインバータ回路3と、放電灯5を始動させるために必要な高電圧を放電灯5に印加する始動回路40と、DC/DCコンバータ回路2を制御する制御部6(インバータ回路3の制御回路は省略している)とから構成される。
【0046】
DC/DCコンバータ回路2は、トランス21の1次側とスイッチング素子22との直列回路が、直流電源1に接続され、トランス21の2次側に整流用のダイオード23と平滑用のコンデンサ24とが接続されて構成され、1次側には1次電流I1、2次側には2次電流I2が各々流れる。
【0047】
インバータ回路3は、コンデンサ24に並列に接続されたスイッチング素子32,33の直列回路及びスイッチング素子34,35の直列回路と、スイッチング素子32〜35を駆動するドライブ回路31とから構成される。
【0048】
制御回路6は、DC/DCコンバータ回路2の出力電流、出力電圧を検出するためのアンプ606,607と、アンプ607の出力電圧より起動検出(放電検出)を行うコンパレータ616と、アンプ606,607及びコンパレータ616の出力を入力されるマイコン620と、マイコン620に内蔵された周波数設定部613と最大オンデューティ設定部614とによって周波数と最大オンデューティを設定されたPWM発生器615が出力するPWM信号をパルス変換するパルス発生器608と、DC/DCコンバータ回路2の出力過昇圧を検出するコンパレータ617と、パルス発生器608及びコンパレータ617の各出力を入力される論理積IC609と、トランス21の1次電流I1の検出値とマイコン620から出力される1次電流I1のピーク電流指令値とを比較するコンパレータ610と、セット端子に論理積IC609の出力が接続され、リセット端子にコンパレータ610の出力が接続されるRSフリップフロップIC611と、RSフリップフロップIC611の出力及びマイコン620に内蔵しているPWM発生器615が出力するPWM信号が入力される論理積IC612とから構成され、論理積IC612の出力によりスイッチング素子22をオン・オフ駆動して、DC/DCコンバータ回路2の出力に所望の電圧を発生させる。
【0049】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0050】
マイコン620は、アンプ607を介して入力されたDC/DCコンバータ回路2の出力電圧検出値、及びランプ電力指令値の演算部601の演算結果から、電流指令値演算部602で電流指令値を演算し、誤差増幅演算部603は、この電流指令値と、アンプ606を介して入力されたDC/DCコンバータ回路2の出力電流検出値とを誤差増幅演算して得られた1次電流I1のピーク電流指令値をコンパレータ610に出力する。
【0051】
スイッチング素子22のオン動作は、カウンタ用システムクロック618を接続されたPWM発生器615が出力するPWM信号をパルス変換するパルス発生器608の出力の立上りで行い、オフ動作は、コンパレータ610にて、マイコン620から出力された1次電流I1のピーク電流指令値とトランス21の1次側で検出した1次電流I1の検出値とを比較して、検出値がピーク電流指令値を超えたときに行う。このように、スイッチング素子22を、必要なオン時間が経過した後オフさせるようなフィードバック系を形成して、DC/DCコンバータ回路2の出力は調整される。
【0052】
また、スイッチング素子22のオン時間が必要以上に長くなって過大な電流が流れないように、最大オンデューティ設定部614では、PWM発生器615に対して最大オンデューティを設定しており、図9においてはパルス発生器608の出力のHレベルデューティが、オンデューティの上限となる。
【0053】
さらに、放電灯5が消灯しているときなどの無負荷条件で動作した場合に発生する過昇圧防止のために、アンプ607を介して検出した出力電圧検出値と所定のしきい値とをコンパレータ617で比較して、出力電圧検出値が所定のしきい値を超えると、コンパレータ617の出力がLレベルとなることによって、スイッチング素子22が再度オンしないようにしている。
【0054】
ところで、電源投入後、動作を開始すると、放電灯5は消灯状態であるので無負荷動作となり、DC/DCコンバータ回路2の出力電圧は所定の無負荷電圧で出力され、回路が動作して放電灯5が放電を開始した直後、出力電圧は急激に低下する。
【0055】
この急激な負荷変動に対して、DC/DCコンバータ回路2の出力を調整するフィードバック系の遅れから、図10(a)に示すランプ電圧V5、図10(b)に示すランプ電流I5の各波形のように適切な出力を放電灯5に供給できないことがある。すなわち、時間t10において電源投入し、時間t11において放電灯5が放電を開始した直後、ランプ電流I5は一旦過少となっており、その後時間t12,t13において、極性反転しているが、最悪の場合、立ち消えしてしまう場合がある。
【0056】
また、DC/DCコンバータ回路2の出力を調整するフィードバック系には、出力のノイズやリプル低減のためにフィルタが設けられており、制御自体の応答性を早くすると、点灯回路と負荷とを合わせたときのマッチングが悪く、発振現象などによって出力が不安定となるため負荷変動に対する応答性はあまり速くできない。
【0057】
そこで、本実施形態においては、ランプ電圧V5が定常時の点灯電圧より高い所定の無負荷電圧から所定の電圧以下に低下したことを検出することで放電開始を検出し、その後、所定の期間、所定のスイッチング周波数、デューティでスイッチング素子22をスイッチングさせる、いわゆるオープンループ制御を行うことによって、放電灯5が立ち消えを起こさない出力が確保できる起動補助動作を行う。このときのランプ電圧V5とランプ電流I5との各波形を図11(a),(b)に示す。時間t20において電源投入して、ランプ電圧V5が無負荷電圧に達し、時間t21において放電灯5が放電を開始し、ランプ電圧V5が低下してランプ放電の開始を検出する電圧Vref2より下がった時間t22から起動補助動作期間Aの間、上記オープンループ制御を行う。したがって、ランプ電流I5は落ち込みがない波形となり、その後時間t23,t24において、極性反転している。起動補助動作期間Aは、少なくともフィードバック系の応答時間よりも長くすることで放電開始直後の出力低下による立ち消えを防止することができる。
【0058】
図9に示す放電灯点灯装置においては、スイッチング素子22のオン時間を調整するために1次電流I1のピーク電流指令値を演算する誤差増幅演算部603、及びPWM発生器615はマイコン620内に備えており、コンパレータ616で検出される放電開始時の電圧低下信号によって起動時割り込み処理部605にて起動時割り込み処理が発生すると、スイッチ604が切り替わって上記放電開始時のオープンループ制御に移行する。
【0059】
起動時割り込み処理では、PWM発生器615から出力するPWM信号の周波数と最大オンデューティを、放電開始後に対応した所定値に設定する。このときのコンパレータ610の反転入力端子に入力される1次電流I1のピーク電流指令値は、許容できる最大値に設定しておき、最大オンデューティは、この1次電流I1のピーク電流の最大許容値に対応したオンデューティとなる。
【0060】
そして、この割り込み処理の状態を起動補助動作期間Aの間続けることによって、立ち消えを防止することができる。
【0061】
なお、本実施形態においては、制御部6にマイコン620を用いているが、放電開始検出後、PWM信号の周波数とデューティとをタイマーによって所定期間、所定値に設定する機能をハードウェアで構成してもよい。
【0062】
また、DC/DCコンバータ回路2にフライバックコンバータを用いているが、この回路方式に限ったものではなく、他の回路方式を用いてもよい。
【0063】
(実施形態5)
図12は本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示し、実施形態4を示す図9の回路図とは、放電開始後のオープンループ制御において、スイッチング素子22のスイッチング周波数及びデューティのうち少なくとも一方を直流電源1の入力電圧V1に応じて調整する点が異なり、実施形態4と同様の要素、構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0064】
スイッチング素子22のスイッチング周波数及びデューティが同一ならば、出力されるエネルギーは入力電圧V1に応じて変動し、入力電圧V1が高い場合に良好な始動性能を得ることができる諸条件では、入力電圧V1が低下すると立ち消えが発生する可能性があり、逆に入力電圧V1が低い場合に良好な始動性能を得ることができる諸条件では、入力電圧V1が上昇すると必要以上の出力となり、放電灯や電力変換回路に過負荷をかけてしまう可能性がある。
【0065】
そこで本実施形態は、入力電圧V1に応じて、起動時割り込み処理部605において、オープンループ制御時のスイッチング素子22のスイッチング周波数、またはデューティ、またはその両方を調整することによって、入力電圧V1に応じた適切な出力を行うものであり、例えば、スイッチング周波数を調整するのであれば、入力電圧V1が高いほど、スイッチング周波数を高くし、デューティを調整するのであれば、入力電圧V1が高いほど、デューティを小さくする。
【0066】
(実施形態6)
図13は本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示し、実施形態4を示す図9の回路図とは、アンプ606,607の後段に、デジタルフィルタや、デジタル的な平均化処理など数サンプル前までの状態検出データをメモリに記憶してフィルタリング処理を行うフィルタ回路621,622を接続した点が異なり、実施形態4と同様の要素、構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0067】
放電灯5の放電開始後の一定期間、所定の周波数、及びデューティでオープンループ制御を行って立ち消えを防止しても、オープンループ制御が終了した時点でフィルタ回路621,622のメモリ内に放電開始前の状態、検出値等の状態検出データが残っていると、正確な出力判断ができない。
【0068】
そのため、放電開始を検出した後、所定の周波数、及びデューティでオープンループ制御を一定期間行っている間に、フィルタ回路621,622のメモリに放電開始後の状態、検出値等の状態検出データを記憶させることによって、無負荷状態から点灯状態へと安定して制御を移行させることができる。
【0069】
図13に示す放電灯点灯装置においては、マイコン620の起動時割り込み処理部605によって、上記動作を行う。
【0070】
また、出力フィードバック系において、積分演算を行っている場合には、その積分値を所定値に設定しなおしてもよい。
【0071】
(実施形態7)
実施形態4〜6においては、マイコン620を用いてソフトウェアによる制御を行い、放電灯5の起動(放電開始)を検出して、割り込み処理で所定期間オープンループ制御を行う起動補助動作を行った後、フィードバック制御による点灯制御へと連続的に制御モードを移行しており、図14にその動作フローチャートを示す。
【0072】
図14に示す動作フローチャートは、動作開始し(ステップS1)、無負荷モードを設定し(ステップS2)、放電灯5が消灯している時の無負荷出力制御を行う(ステップS3)。そして、起動検出(放電開始検出)及び点灯判別を同一ステップで行い(ステップS4)、消灯状態(無負荷)の場合には、ステップS3に再び戻り、起動して放電を開始した場合には、放電開始後の一定期間、所定の周波数、及びデューティでオープンループ制御を行う起動補助動作を行い(ステップS5)、点灯モードを設定し(ステップS6)、点灯出力制御を行う(ステップS7)。次に、消灯したかどうかを検出し(ステップS8)、点灯しておればステップS7に戻り、消灯しておれば、点灯失敗のために再起動が必要かどうかを判断し(ステップS9)、再起動が必要と判断した場合には、ルートB1を介してステップS2まで戻り、上記動作を再び行う。再起動は必要ないと判断した場合には、動作を停止する(ステップS10)。
【0073】
上記動作フローチャートにおいては、起動補助動作へ移行するための起動検出と、定常点灯動作へ移行するための点灯判別とを同一ステップS4で行っており、起動補助動作(ステップS5)を行っても立ち消えを起こした場合には、点灯失敗と判断し、再起動動作を開始するまでに、再起動判断(ステップS9)にまで進み、ルートB1を戻らなければならず、時間が掛かってしまう。
【0074】
そこで、本実施形態においては、起動補助動作へ移行するための起動検出(放電開始検出)と、定常点灯動作へ移行するための点灯判別は、分離した検出機能として設けており、その動作フローチャートを図16に示す。
【0075】
図16に示す動作フローチャートは、動作開始し(ステップS11)、無負荷モードを設定し(ステップS12)、放電灯5が消灯している時の無負荷出力制御を行う(ステップS13)。そして、起動検出(放電開始検出)を行い(ステップS14)、消灯状態(無負荷)の場合には、ステップS15をとばしてステップS16に進み、起動して放電を開始した場合には、放電開始後の一定期間、所定の周波数、及びデューティでオープンループ制御を行う起動補助動作を行い(ステップS15)、次に点灯したかどうかの点灯判別を行う(ステップS16)。消灯状態(無負荷)であれば、ルートB2を介してステップS13まで戻り、上記動作を再び行う。点灯しておれば、点灯モードを設定し(ステップS17)、点灯出力制御を行う(ステップS18)。次に、消灯したかどうかを検出し(ステップS19)、点灯しておればステップS18に戻り、消灯しておれば、点灯失敗のために再起動が必要かどうかを判断し(ステップS20)、再起動が必要と判断した場合には、ステップS12まで戻り、上記動作を再び行う。再起動は必要ないと判断した場合には、動作を停止する(ステップS21)。
【0076】
上記のように、起動検出(ステップS14)と点灯判別(ステップS16)とを分離して行うので、起動補助動作(ステップS15)を行っても立ち消えを起こした場合には、点灯判別(ステップS16)からルートB2を介してステップ13に戻って、再起動動作を行うことができる。
【0077】
次に、図16に示す動作フローチャート時のランプ電圧V5、及びランプ電流I5の各波形を図15に示す。時間t30において電源投入して、ランプ電圧V5が無負荷電圧に達し、時間t31において放電灯5が起動して、放電を開始し、ランプ電圧V5が低下して起動、即ち放電の開始を検出するしきい値電圧Vref2より下がった時間t31から起動補助動作期間Aを開始する。点灯失敗した場合には、ランプ電圧V5は再び無負荷電圧にまで上昇し、起動補助動作期間Aが終了した時点でランプ点灯判別しきい値Vref3よりも高ければ点灯失敗と判断して、無負荷動作Cを再開する。
【0078】
このように本実施形態によると、点灯失敗の判断をスムーズに行うことができ、最終的な点灯までの時間を短くすることができる。
【0079】
(実施形態8)
図17は本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示し、実施形態4とは、略同様の構成を有し、実施形態4と同様の要素、構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0080】
HIDランプのような放電灯5の場合、ランプが冷えた状態では光出力が低いという特性がある。そこで、光出力をすばやく立ち上げるため、始動時に定常電力より大きい電力を供給する場合があり、本実施形態において、マイコン620が行う電力指令値演算部601は、図18に示すように、始動経過時間に応じて最大出力Wmから定常出力Wsまで変化するランプ電力指令値を出力し、電流指令値演算部602は、このランプ電力指令値に応じて電流指令値の演算を行う。
【0081】
また、故障などによって回路の一部が短絡、地絡した場合には、出力電圧が低下し、その出力電圧が所定値以下であると、短絡、地絡したと判断して、動作を停止する。
【0082】
しかし、回路インピーダンス等のために、出力にある程度の電圧が発生してしまう場合があり、特に始動時のランプ電力指令値が大きいときには、短絡、地絡時に発生する電圧が高くなり、検出が難しくなってしまう。
【0083】
そこで、さらに、ランプ電力指令値を演算する基準となる経過タイマーを初期条件では、ランプ電力指令値が定常出力となるような飽和状態としておいて、無負荷出力制御を行い、放電開始後の一定期間、所定の周波数、及びデューティでオープンループ制御を行う起動補助動作が開始したときに回路が正常であると判断し、あらためて、電力指令値演算部601にて用いる経過タイマーをリセットする。
【0084】
そして、点灯判別した後、経過タイマーを動作させ、図18に示すような最大出力Wmから定常出力Wsまで変化するランプ電力指令値を出力する。
【0085】
このように本実施形態によると、点灯始動時に起動補助動作を行わなければ、定常出力で動作するので、地絡、短絡時の出力電圧が低くなり、異常検出が容易となる。
【0086】
また、起動補助動作を行うまでは、図19に示すように、オープンループ制御を行う起動補助動作が開始しなければ、電力指令値演算部601にて用いる経過タイマーのカウント速度を速くすることで、ランプ電力指令値が大きな期間を短くして、地絡、短絡時の異常検出を容易にすることもできる。
【0087】
【発明の効果】
請求項1の発明は、直流電源と、スイッチング素子をオン・オフすることで前記直流電源の電圧を所望の電圧に変換する昇降圧コンバータ回路と、前記昇降圧コンバータ回路の出力電力を極性反転して交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力する交流電力を供給される放電灯と、前記昇降圧コンバータ回路の出力電流を前記放電灯のランプ電流として検出する電流検出手段、前記昇降圧コンバータ回路の出力電圧を前記放電灯のランプ電圧として検出する電圧検出手段、所定のランプ電力を指示するランプ電力指令値と前記ランプ電圧検出値とからランプ電流指令値を演算するランプ電流指令値演算手段を有し、前記ランプ電流検出値と前記ランプ電流指令値とを比較してランプ電流検出値がランプ電流指令値に一致するように前記昇降圧コンバータの出力を制御し、さらに点灯始動時における前記ランプ電流指令値の積分値が大きいほど、前記インバータ回路が点灯始動時に予め定められた回数、極性反転する時間間隔を短くする制御回路とを具備するので、点灯直後の立ち消え、および極性反転時の立ち消えを無くすことができるという効果がある。
【0088】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記制御回路は、前記定められた回数の極性反転時において、極性反転前の前記積分値と極性反転後の前記積分値とが等しくなるように制御するので、放電灯の電極が片側のみ劣化し、寿命が短くなることを防ぐことができるという効果がある。
【0089】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記制御回路は、前記ランプ電流検出値と前記ランプ電流指令値とを比較して、点灯始動時における前記ランプ電流検出値が前記ランプ電流指令値よりも大きい場合、前記ランプ電流指令値の積分値に応じて設定した前記インバータ回路が極性反転する時間間隔を短くし、点灯始動時における前記ランプ電流検出値が前記ランプ電流指令値よりも小さい場合、前記ランプ電流指令値の積分値に応じて設定した前記インバータ回路が極性反転する時間間隔を長くするので、極性反転する時間をより正確に制御して、点灯直後の立ち消え、および極性反転時の立ち消えを無くすことができ、また放電灯の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0090】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記制御回路は、前記ランプ電流指令値に下限値を設けるので、放電灯が点灯を維持できるランプ電流を保って、点灯初期の立ち消えを無くすことができるという効果がある。
【0091】
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、前記制御回路は、前記放電灯が放電を開始してからオープンループ制御期間には、前記昇降圧コンバータ回路のスイッチング素子のスイッチング動作を制御するオープンループ制御を行うので、放電開始直後の出力低下による立ち消えを無くすことができるという効果がある。
【0092】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記オープンループ制御期間は、前記制御回路が、前記昇降圧コンバータ回路の出力電力を前記ランプ電圧検出値に応じて制御する出力制御のフィードバック系の応答時間よりも長い期間であるので、請求項5と同様の効果を奏する。
【0093】
請求項7の発明は、請求項5の発明において、前記オープンループ制御期間において、前記昇降圧コンバータ回路のスイッチング素子のスイッチング周波数とデューティとのうちの少なくとも一方は、前記直流電源の電圧に対応した値に可変であるので、直流電源の電圧に適したスイッチング素子のスイッチング周波数、デューティとして、放電開始直後の出力低下による立ち消えを無くすことができるという効果がある。
【0094】
請求項8の発明は、請求項5の発明において、前記制御回路はデータを記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段は、前記オープンループ制御期間において、放電開始直前に記憶した状態検出データを放電開始後の状態検出データに変更するので、無負荷状態から、放電を開始して点灯状態へと安定して、制御の移行を行うことができるという効果がある。
【0095】
請求項9の発明は、請求項5の発明において、前記制御回路は、前記オープンループ制御を開始するために前記放電灯の放電開始を検出する放電開始検出手段と、定常点灯に移行するために前記放電灯の点灯を検出する点灯判別手段とを各々有するので、点灯失敗の判断、及び再起動をスムーズに行うことができ、最終的な点灯までの時間を短くすることができるという効果がある。
【0096】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記放電開始検出手段は、前記放電灯の定常点灯時のランプ電圧より高い無負荷時のランプ電圧が低下したことにより前記放電灯の点灯を検出するので、放電灯の放電開始のみを検出することができるという効果がある。
【0097】
請求項11の発明は、請求項9の発明において、前記点灯判別手段は、前記オープンループ制御期間の終了後、前記放電灯のランプ電圧とランプ電流とのうちの少なくとも一方の値を検出して前記放電灯の点灯判別を行うので、放電灯の点灯判別のみを行うことができるという効果がある。
【0098】
請求項12の発明は、請求項9の発明において、前記制御回路は、前記放電開始検出手段が前記放電灯の放電を検出しなければ、前記放電灯に供給する交流電力を抑制するので、地絡、短絡時の発生電圧を低くして、異常検出を容易に行うことができるという効果がある。
【0099】
請求項13の発明は、請求項9の発明において、前記制御回路は、前記放電開始検出手段が前記放電灯の放電を検出しなければ、前記放電灯に供給する交流電力を素早く減衰させるので、請求項12と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1を示す回路ブロック図である。
【図2】 本発明の実施形態1の動作を説明するための図である。
【図3】 本発明の実施形態1の指令値積分部を示す回路図である。
【図4】 本発明の実施形態1の指令値積分部の動作を説明するための図である。
【図5】 本発明の実施形態2を示す回路ブロック図である。
【図6】 本発明の実施形態2の指令値積分部を示す回路図である。
【図7】 本発明の実施形態2の指令値積分部の動作を説明するための図である。
【図8】 本発明の実施形態3の電流指令値演算部を示す回路ブロック図である。
【図9】 本発明の実施形態4を示す回路ブロック図である。
【図10】 本発明の実施形態4の動作を説明するための第1の図である。
【図11】 本発明の実施形態4の動作を説明するための第2の図である。
【図12】 本発明の実施形態5を示す回路図である。
【図13】 本発明の実施形態6を示す回路図である。
【図14】 本発明の実施形態7の動作を説明するための第1の図である。
【図15】 本発明の実施形態7の動作を説明するための第2の図である。
【図16】 本発明の実施形態7の動作を説明するための第3の図である。
【図17】 本発明の実施形態8を示す回路図である。
【図18】 本発明の実施形態8の動作を説明するための第1の図である。
【図19】 本発明の実施形態8の動作を説明するための第2の図である。
【符号の説明】
1 直流電源
2 DC/DCコンバータ回路
3 インバータ回路
4 イグナイタ部
5 放電灯
7,8 抵抗
9 制御部
10 スイッチ
97 指令値積分部
Claims (13)
- 直流電源と、
スイッチング素子をオン・オフすることで前記直流電源の電圧を所望の電圧に変換する昇降圧コンバータ回路と、
前記昇降圧コンバータ回路の出力電力を極性反転して交流電力に変換するインバータ回路と、
前記インバータ回路の出力する交流電力を供給される放電灯と、
前記昇降圧コンバータ回路の出力電流を前記放電灯のランプ電流として検出する電流検出手段、前記昇降圧コンバータ回路の出力電圧を前記放電灯のランプ電圧として検出する電圧検出手段、所定のランプ電力を指示するランプ電力指令値と前記ランプ電圧検出値とからランプ電流指令値を演算するランプ電流指令値演算手段を有し、前記ランプ電流検出値と前記ランプ電流指令値とを比較してランプ電流検出値がランプ電流指令値に一致するように前記昇降圧コンバータの出力を制御し、さらに点灯始動時における前記ランプ電流指令値の積分値が大きいほど、前記インバータ回路が点灯始動時に予め定められた回数、極性反転する時間間隔を短くする制御回路と
を具備することを特徴とする放電灯点灯装置。 - 前記制御回路は、前記定められた回数の極性反転時において、極性反転前の前記積分値と極性反転後の前記積分値とが等しくなるように制御することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路は、前記ランプ電流検出値と前記ランプ電流指令値とを比較して、点灯始動時における前記ランプ電流検出値が前記ランプ電流指令値よりも大きい場合、前記ランプ電流指令値の積分値に応じて設定した前記インバータ回路が極性反転する時間間隔を短くし、点灯始動時における前記ランプ電流検出値が前記ランプ電流指令値よりも小さい場合、前記ランプ電流指令値の積分値に応じて設定した前記インバータ回路が極性反転する時間間隔を長くすることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路は、前記ランプ電流指令値に下限値を設けることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路は、前記放電灯が放電を開始してからオープンループ制御期間には、前記昇降圧コンバータ回路のスイッチング素子のスイッチング動作を制御するオープンループ制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の放電灯点灯装置。
- 前記オープンループ制御期間は、前記制御回路が、前記昇降圧コンバータ回路の出力電力を前記ランプ電圧検出値に応じて制御する出力制御のフィードバック系の応答時間よりも長い期間であることを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記オープンループ制御期間において、前記昇降圧コンバータ回路のスイッチング素子のスイッチング周波数とデューティとのうちの少なくとも一方は、前記直流電源の電圧に対応した値に可変であることを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路はデータを記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段は、前記オープンループ制御期間において、放電開始直前に記憶した状態検出データを放電開始後の状態検出データに変更することを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路は、前記オープンループ制御を開始するために前記放電灯の放電開始を検出する放電開始検出手段と、定常点灯に移行するために前記放電灯の点灯を検出する点灯判別手段とを各々有することを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電開始検出手段は、前記放電灯の定常点灯時のランプ電圧より高い無負荷時のランプ電圧が低下したことにより前記放電灯の点灯を検出することを特徴とする請求項9記載の放電灯点灯装置。
- 前記点灯判別手段は、前記オープンループ制御期間の終了後、前記放電灯のランプ電圧とランプ電流とのうちの少なくとも一方の値を検出して前記放電灯の点灯判別を行うことを特徴とする請求項9記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路は、前記放電開始検出手段が前記放電灯の放電を検出しなければ、前記放電灯に供給する交流電力を抑制することを特徴とする請求項9記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路は、前記放電開始検出手段が前記放電灯の放電を検出しなければ、前記放電灯に供給する交流電力を素早く減衰させることを特徴とする請求項9記載の放電灯点灯装置。
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