本発明は、直冷式冷蔵庫の制御装置に関し、特に、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって製氷室が形成され、前記冷却器によって下方の冷蔵室を冷却する直冷式冷蔵庫の除霜制御装置に関する。
冷蔵室内の上部にロールボンド式又はパイプオンシート式の冷却器が設置され、その下方の冷蔵室は、この冷却器で冷却された冷気の自然対流によって冷却される直冷式冷蔵庫ものがある。(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のものは、第1の冷却器とこれよりも温度の低い第2の冷却器で構成し、第2の冷却器に多くの霜を着けるようにしている。そして、第1の実施形態として、第2の冷却器の表面温度をサーモスタットで感知し、コンプレッサのOFFサイクルで第2の冷却器の霜を溶かす制御を行う。また、第2の実施形態として、タイマーモータによってコンプレッサの運転積算を行い、これが24時間に達すると第2の冷却器に高温高圧冷媒を流して除霜する制御が開示されている。
特開平09−318228号公報
特許文献1の上記第1の実施形態では、霜の量が多くなるとコンプレッサのOFF時間が長くなり、冷蔵庫の冷却性能の低下が憂慮されると共に、冷却器によって冷凍温度に保たれる製氷室を形成するものには適さない。また第2の実施形態では、タイマーモータの積算が24時間に達すると自動的に除霜運転に入るため、冷却器によって冷凍温度に保たれる製氷室を形成する場合には、冷蔵庫の使用者が気付かない間に除霜運転に入り、製氷室内に入れた氷や食品が温められることになり好ましくない。
本発明は、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって氷点下に冷却される製氷室を形成した直冷式冷蔵庫に関し、冷蔵庫の使用者が知らない間に冷却器の除霜が開始されて製氷室内に貯蔵した氷や食品が加温されることがないようにするために、製氷室内に貯蔵した氷や食品を冷蔵室等の適当な場所に移し変えて保存した状態で冷却器の除霜を行えるようにする。そして、冷却器の除霜運転の終了は自動的に行うことにより冷却器の温度上昇を制限して冷蔵室の温度上昇を抑制する。また、除霜運転終了後の冷却運転への復帰は、前記移し変えた食品を製氷室内に戻す作業を行える十分な時間をとることができる冷蔵庫の制御装置を提供する。
また、除霜運転終了後の冷却運転への復帰があまりにも長引く場合には、冷蔵室の温度が上昇し過ぎるため、本発明は、これを自動的に防止することができる制御装置を提供する。
第1の発明は、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって製氷室が形成され、前記冷却器によって下方の冷蔵室を冷却する直冷式冷蔵庫において、前記冷却器の除霜装置と、前記冷却器の温度感知用センサと、前記冷却器とともに冷媒が循環する冷凍システムを構成する電動圧縮機と、手動スイッチ部と、制御部とを備え、この制御部は、前記センサの温度感知に基づき前記電動圧縮機をON・OFFする冷却運転制御を行い、前記手動スイッチ部の除霜指令によって前記電動圧縮機の運転をOFF状態にすると共に前記除霜装置によって前記冷却器の除霜を開始する除霜制御し、前記温度感知用センサがこの除霜によって上昇した温度を感知したとき前記電動圧縮機の運転をOFF状態に維持する休止制御をし、更に、前記手動スイッチ部の操作に基づきこの休止制御状態を終了して前記冷却運転制御状態に任意復帰させる制御と、この任意復帰が齎されないことによる休止制御状態の無益な継続を終了して前記冷却運転制御状態に自動復帰させる制御を行うことを特徴とする。
第2の発明は、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって製氷室が形成され、前記冷却器によって下方の冷蔵室を冷却する直冷式冷蔵庫において、前記冷却器の除霜装置と、前記冷却器の温度感知用センサと、前記冷却器とともに冷媒が循環する冷凍システムを構成する電動圧縮機と、手動スイッチ部と、制御部とを備え、この制御部は、前記センサの温度感知に基づき前記電動圧縮機をON・OFFする冷却運転制御を行い、前記手動スイッチ部の除霜指令によって前記電動圧縮機の運転をOFF状態にすると共に前記冷却器の除霜装置の動作によって前記冷却器の除霜を開始する除霜制御を行い、この除霜制御の開始から所定時間後に前記除霜制御を終了すると共に前記電動圧縮機の運転をOFF状態に維持する休止制御を行い、更に、前記手動スイッチ部の操作に基づきこの休止制御状態を終了して前記冷却運転制御状態に任意復帰させる制御とこの任意復帰が齎されないことによる休止制御状態の無益な継続を終了して前記冷却運転制御状態に自動復帰させる制御を行うことを特徴とする。
第3の発明は、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって製氷室が形成され、前記冷却器によって下方の冷蔵室を冷却する直冷式冷蔵庫において、前記冷却器の除霜装置と、前記冷却器の温度感知用センサと、前記冷却器とともに冷媒が循環する冷凍システムを構成する電動圧縮機と、手動スイッチ部と、制御部とを備え、この制御部は、前記センサの温度感知に基づき前記電動圧縮機がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御と、前記手動スイッチ部の操作に基づき前記電動圧縮機がOFF状態となり前記冷却器の除霜装置が動作して前記冷却器の除霜を行う除霜モード制御と、この除霜モード制御によって上昇した前記冷却器の所定温度を前記温度感知用センサが感知したときこの除霜モードを終了する制御と、この除霜モードの終了後所定時間前記電動圧縮機がOFF状態である休止モード制御と、この所定時間中に前記手動スイッチ部の操作に基づく冷却運転復帰指令が与えられたとき前記休止モードを終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御と、前記所定時間中に前記冷却運転復帰指令が与えられない場合は前記所定時間経過して前記休止モードを終了し前記冷却運転モードに復帰させる制御を行うことを特徴とする。
第4の発明は、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって製氷室が形成され、前記冷却器によって下方の冷蔵室を冷却する直冷式冷蔵庫において、前記冷却器の除霜用電気ヒータと、前記冷却器の温度感知用センサと、前記冷却器とともに冷媒が循環する冷凍システムを構成する電動圧縮機と、手動スイッチ部と、制御部とを備え、この制御部は、前記センサの温度感知に基づき前記電動圧縮機がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御と、前記手動スイッチ部の操作に基づき前記電動圧縮機がOFF状態となり前記電気ヒータが通電状態となる除霜モード制御と、この除霜モード制御によって上昇した前記冷却器の所定温度を前記温度感知用センサが感知したときこの除霜モードを終了する制御と、この除霜モードの終了後前記電気ヒータが非通電状態であり前記電動圧縮機がOFF状態である休止モード制御と、前記温度感知用センサが前記冷却器の所定温度よりも更に高い所定温度を感知するまで前記休止モードを継続し前記更に高い所定温度を感知したとき前記休止モードを終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御と、前記温度感知用センサが前記冷却器の更に高い所定温度を感知する以前に前記手動スイッチ部の操作に基づく冷却運転復帰指令が与えられた場合には前記休止モードを途中終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御を行うことを特徴とする。
第5の発明は、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって製氷室が形成され、前記冷却器によって下方の冷蔵室を冷却する直冷式冷蔵庫において、前記冷却器の温度感知用センサと、前記冷却器とともに冷媒が循環する冷凍システムを構成する電動圧縮機と、手動スイッチ部と、前記冷却器の除霜装置と、制御部とを備え、この制御部は、前記センサの温度感知に基づき前記電動圧縮機がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御と、前記手動スイッチ部の操作に基づき前記電動圧縮機がOFF状態となり前記除霜装置が動作して前記冷却器を除霜する除霜モード制御と、この除霜モード制御によって上昇した前記冷却器の所定温度を前記温度感知用センサが感知したときから所定時間後に前記除霜モードを終了する制御と、この除霜モードの終了後前記電動圧縮機がOFF状態である休止モード制御と、この休止モードを所定時間後に終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御と、この休止モード中に前記手動スイッチ部の操作に基づく冷却運転復帰指令が与えられた場合には前記休止モードを途中終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御を行うことを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明乃至第5の発明において、前記温度感知用センサを前記冷却器の底壁の温度を感知する位置に取り付けたことを特徴とする。
第7の発明は、第1の発明乃至第5の発明において、前記温度感知用センサを前記冷却器の底壁以外の温度を感知する位置に取り付けたことを特徴とする。
第8の発明は、第1の発明乃至第7の発明において、前記除霜制御と前記休止制御の状態、又は前記除霜モードと前記休止モードの状態をそれぞれ異なる表示形態によって表示する表示部を備えたことを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明において、前記表示部は、前記除霜制御若しくは除霜モードではLEDが連続点灯し、前記休止制御若しくは休止モードではLEDが点滅する表示状態となることを特徴とする。
第1の発明乃至第5の発明のいずれも、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって氷点下に冷却される製氷室を形成した直冷式冷蔵庫を提供できる。そして、冷蔵庫の使用者は冷却器の除霜前に、製氷室内に貯蔵した氷や食品を冷蔵室等の適当な場所に移し変えて保存した状態で冷却器の除霜を行える。このため、冷蔵庫の使用者が知らない間に冷却器の除霜が開始されて製氷室内に貯蔵した氷や食品が加温されることがないため、食品等の保存上安全である。また冷却器の除霜運転の終了は自動的に行うことにより冷却器の温度上昇を制限して冷蔵室の温度上昇を抑制できる。更に、除霜運転終了後の冷却運転への復帰は、前記移し変えた食品を製氷室内に戻す作業や、除霜運転終了後の製氷室内の清掃を行った後に、冷蔵庫の使用者がスイッチ操作によって行うことができるため、冷蔵庫の使用者は、冷蔵庫の状態を確認した状態で行うことができ、納得した制御ができる。若し、何等かの要因によって、このスイッチ操作がされずに時間が経過しても、自動的に冷却運転へ復帰するため、除霜運転終了後の休止運転期間が徒に経過することはない。
また第1の発明は、電気ヒータ除霜方式とホットガス除霜方式のいずれにも適用でき、第2の発明は、除霜時間をタイマ制御する方式に適用して効果がある。また、第3の発明は、除霜モードの終了後の休止モード制御をタイマ制御する時間制御方式によって制御の安定化を図っている。また第4の発明は、休止モードを冷却器の除霜終了温度を超えた所定温度まで継続するものであり、タイマ制御に代わって温度制御とするものであり、冷却運転制御の温度感知と除霜終了温度感知と、更に休止モード終了温度感知とを一つの温度感知センサで行うことができるものである。更に、第5の発明は、除霜モードを温度感知用センサが所定温度を感知してから所定時間後に終了する制御であり、温度感知用センサを冷却器の上壁等に取り付けて除霜モードを制御する方式に適用可能となる。
第6の発明では、上記効果に加えて、除霜運転の終了は、冷却器の底壁温度を温度感知センサの温度感知に基づいて行うため、冷却器の除霜を自動終了して冷蔵室内の温度上昇を制限できる。また冷却器の除霜により、製氷室内では冷却器の底壁上面に除霜水と霜の塊が集まり、霜の塊が厚い場合はそれが融解するまでにかなりの時間が掛かるため、霜の塊が残っている状態では冷却器の底壁の温度は略0℃のままで時間が進行する。このように冷却器の底壁の温度が略0℃であることによって、その下方の冷蔵室の温度上昇は抑制されるため、冷蔵室内の貯蔵物品の温度上昇を抑制できる効果がある。そして、時間の経過と共に除霜によって加温されることにより、霜の塊が融けて水になり、冷却器の底壁の温度が0℃を超えて上昇し、所定温度に達したとき冷却器の除霜を自動終了できる。
第7発明では、第1発明乃至第5発明の効果に加えて、除霜運転の終了は、冷却器の底壁以外の温度を温度感知センサの温度感知に基づいて行うことにより、冷却器の除霜を自動終了して冷蔵室内の温度上昇を制限できる。また冷却器の除霜により、製氷室内では冷却器の底壁上面に除霜水と霜の塊が集まり、霜の塊が厚い場合はそれが融解するまでにかなりの時間が掛かるため、霜の塊が残っている状態では冷却器の底壁の温度は略0℃のままで時間が進行する。このように冷却器の底壁の温度が略0℃であることによって、その下方の冷蔵室の温度上昇は抑制されるため、冷蔵室内の貯蔵物品の温度上昇を抑制できる効果がある。このため、時間の経過と共に除霜によって加温されることにより、霜の塊が融けて水になり、冷却器の底壁の温度が0℃を超えて上昇する状態を予定して動作を行うように温度制御又はタイマ制御方式を採用することにより、所期の目的を達成できる。
第8の発明では、上記効果に加えて、各動作状態を目視可能であるため、冷蔵庫の使用者は冷蔵庫の状態を表示部によって確認した状態で操作できるため、的確な操作ができる。即ち、冷蔵庫の使用者は、スイッチ操作によって除霜を開始させ、その表示を見て除霜動作に開始を確認し、除霜運転終了状態をその表示を見て確認した状態で、移し変えた食品を製氷室内に戻す作業や製氷室内の清掃を行った後に、冷蔵庫の使用者はスイッチ操作によって冷却運転への復帰操作をすることができる。行うことができるため、冷蔵庫の使用者は、冷蔵庫の状態を確認した状態で行うことができ、納得した制御ができる。若し、このスイッチ操作を忘れた場合にも、自動的に冷却運転へ復帰するため、除霜運転終了後の休止運転期間が徒に経過することはなく、そのときの運転状態は表示部によって表示されるため、冷蔵庫が休止状態のままでないことを確認でき、安心感を得ることができる。
第9の発明では、表示部が除霜制御若しくは除霜モードと、休止制御若しくは休止モードを明確に区別できる表示となり、しかも、休止制御若しくは休止モードではLEDが点滅する表示状態となるため、冷蔵庫の使用者に一種の警告を与えることとなり、冷蔵庫を正常な状態で使用する準備を要求することができ、冷却運転への復帰をスイッチ操作に基づいて行う冷蔵庫において、操作を促す的確な表示が得られることとなる。
本発明の直冷式冷蔵庫の制御装置は、冷蔵室内の上部に板状冷却器によって製氷室が形成され、前記冷却器によって下方の冷蔵室を冷却する直冷式冷蔵庫において、前記冷却器の温度感知用センサと、前記冷却器とともに冷媒が循環する冷凍システムを構成する電動圧縮機と、手動スイッチ部と、制御部とを備え、この制御部によって、前記センサの温度感知に基づき前記電動圧縮機をON・OFFする冷却運転制御し、前記手動スイッチ部の除霜指令によって前記電動圧縮機の運転をOFF状態にすると共に前記冷却器の除霜を開始し、前記温度感知用センサがこの除霜によって上昇した温度を感知したとき除霜動作を終了し、前記冷却運転制御状態への復帰は前記手動スイッチ部の操作に基づき行うようにし、前記手動スイッチ部による冷却運転制御状態への復帰が齎されないことによる休止制御状態の無益な継続を終了するように前記冷却運転制御状態に自動復帰させる制御を行うものであり、以下に本発明の実施形態を記載する。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の直冷式冷蔵庫の縦断側面図、図2は本発明の直冷式冷蔵庫の製氷室部分の縦断正面図、図3は本発明の直冷式冷蔵庫の製氷室部分の正面斜視図、図4は本発明の直冷式冷蔵庫の冷却器の展開図、図5は本発明の直冷式冷蔵庫の冷却器の一部断面拡大図、図6は本発明の直冷式冷蔵庫の制御構成図、図7は本発明の直冷式冷蔵庫の制御装置のタイムチャート、図8は本発明の直冷式冷蔵庫の制御装置による冷却器の温度状態説明図である。以下、本発明の実施例1について説明する。
本発明に係る冷蔵庫1は、全面開口の本体2の前面は断熱構造の前面扉6で開閉できる構成である。冷蔵庫本体2は外箱(外壁板)2Aと内箱(内壁板)2Bとの間に発泡断熱材2Cを充填した断熱構造である。前面扉6は、冷蔵庫本体2の一側部に設けたヒンジ装置によって左右方向へ開閉自在に支持され、前面扉6の裏側周縁部に配置したパッキン6Aによって、冷蔵庫本体2と前面扉6との間が機密に保たれる。冷蔵庫本体2内には、上部に板状冷却器5によって前面開口の製氷室4が形成され、冷却器5によって下方の冷蔵室3が所定の温度範囲に冷却される直冷式冷蔵庫である。
板状冷却器5は、図4及び図5に示すように、表面がアルマイト処理等の防錆処理された2枚のアルミニウム板5A、5Bが接合されて板状をなし、この接合されたアルミニウム板5A、5B間には、冷媒通路7と除霜用電気ヒータ9を挿通するヒータ通路8とが形成されている。この冷媒通路7とヒータ通路8は、アルミニウム板5A、5Bの一方又は双方を膨張させて形成されるが、図5にはアルミニウム板5A、5Bの双方を略均等に膨張させた形態を示している。このような板状冷却器5は、ロールボンドタイプの冷却器と称され、従来から周知である。
電気ヒータ9は、電線9Aをシリコンゴムなどの絶縁被覆9Bで被覆した可撓性のコードヒータであり、真空引き装置によって電気ヒータ9をヒータ通路8へ引き込む方法によって挿通される。これらの冷媒通路7とヒータ通路8の形成方法と、ヒータ通路8への電気ヒータ9の挿通方法は、従来から用いられた周知技術である。
また、板状冷却器5のもう一つのタイプとしては、アルミニウム板の表面に冷媒通路7を形成するように断面半円形状、楕円形状又は半円形状の冷媒パイプを接着材や溶着等にて接合し、この冷媒パイプと並列にヒータ通路8を形成するために断面半円形状、楕円形状又は半円形状のヒータパイプをアルミニウム板に接着材や溶着等にて接合し、このヒータパイプ内に電線9Aをシリコンゴムなどの絶縁被覆9Bで被覆した可撓性のコードヒータを挿通するタイプがあり、これをパイプオンシートタイプと称する。
本発明は、上記のいずれのタイプの板状冷却器5であってもよいが、以下、ロールボンドタイプの冷却器を用いた場合について説明する。図4において、板状冷却器5をイが底壁、ロが左側壁、ハが右側壁、ニとホにて上壁を形成するように一点鎖線部分で屈曲し、これに後壁トを組み合わせて前面開口の製氷室4を形成する。製氷室4の前面開口周縁には合成樹脂製の枠体10が取り付けられ、この枠体10に左右に開閉自在に扉11が取り付けられている。扉11の裏側には、枠体10の前面に当接する環状のパッキン12が取り付けられている。
製氷室4は、冷蔵庫本体2内の上面の内箱(内壁板)2Bに当接する支持具13を介して内箱(内壁板)2Bの発泡断熱材2C側に設けた取り付け板14にネジ止めして取り付けられることにより、冷蔵庫本体2内の冷蔵室3の上部に設けられる。
15は冷蔵庫本体2の下部に形成した機械室26に設置した冷媒を圧縮する電動圧縮機である。16は冷媒の凝縮器であり、冷蔵庫本体2の背壁を構成する外箱(外壁板)2Aの内側に取り付けられている。電動圧縮機15で圧縮された冷媒は、凝縮器16にて凝縮され、減圧機能を有するキャピラリチューブ(図示せず)で減圧された後、冷却器5で蒸発し、再び電動圧縮機15へ帰還する冷凍サイクルを構成している。
製氷室4は、冷凍食品を貯蔵する目的ではなく、冷却器5の上に載置したアルミニウムなどの熱伝導良好な材料で構成された製氷皿17で氷を作る目的に構成するものでもよいが、実施例の冷蔵庫1は、製氷室4内を冷凍室として利用可能にするために、製氷室4はその中の空気温度が氷点下の温度に保たれるように上記冷凍サイクルが稼動する構成である。このため、製氷室4は、その中の空気温度が水を凍らせることができる氷点下の温度に保たれるように上記冷凍サイクルが稼動し、冷却器5での冷媒の蒸発によって、製氷室4内は、その中に収納した製氷皿17の水を凍らせることができる氷点下の温度に冷却され、その温度は例えば、−10℃前後である。このため、製氷皿17は合成樹脂製であっても氷を作ることができる。また、冷却器5によって冷蔵室3の棚19に載置した収納物品が凍結しない冷蔵温度に冷却され、その温度は例えば、5℃前後である。
冷却器5の直下で冷蔵室3の上部には、冷蔵室3の左右側壁に内箱(内壁板)2Bに形成したレール18上に前方へ引き出し自在に上面開口の低温容器20が載置されている。低温容器20は、冷却器5の直下であるため、その中に食品を低温状態に貯蔵することができると共に、冷却器5の外面に付着した霜(一部分は氷状を呈する場合もあるが、以下これらを総称して「霜」と称することとする)が、後述の除霜動作によって融解する除霜水と、除霜動作によって落下する霜の塊とを受ける役目をするため、露受け皿の役目をする。このため、低温容器20は露受け皿と称してもよいが、本発明では食品も貯蔵する形態とするため、低温容器20と称することとする。
低温容器20の底後部には、排水孔21が形成され、低温容器20の前記除霜水は、排水孔21からその下方に設けた排水受け部22へ導入され、排水受け部22から冷蔵室3の背壁に形成した縦方向の排水溝23を通って、冷蔵庫本体2を貫通する排水管路24から電動圧縮機15の上面に設置した蒸発皿25へ導入される。蒸発皿25へ導入された除霜水は、電動圧縮機15の熱によって加温されて蒸発する。
製氷室4の底壁、即ち、冷却器5の底壁の略中央部には、除霜水の排水孔27が形成され、製氷室4内の除霜水、即ち冷却器5の底壁上に溜まる除霜水は、この排水孔27から低温容器20へ導入される。
電動圧縮機15の運転によって、冷媒が入口7Aから冷媒通路7へ入り出口7Bから電動圧縮機15へ帰還することにより、冷却器5が冷却されて製氷室4内とその下方の冷蔵室3が冷却される。冷却器5の周囲と低温容器20の後側には、冷蔵庫本体2との間に間隔35が形成され、この間隔35が冷気循環通路を形成する。このため、冷却器5の冷却によって、冷却器5の周囲の空気が冷却されて冷気となり、この冷気が前記冷気循環通路35を通って図1の矢印のように循環して冷蔵室3が冷却される。
冷却器5には、冷却器5の温度を感知するように温度感知センサ28が取り付けられている。その一つの実施形態として、図示のように排水孔27近傍において、冷却器5の底壁の温度を感知するように取り付けられている。この温度感知センサ28は、冷却器5の温度を的確に検出するために、冷蔵室3の温度影響を受け難くするように周囲を断熱材29で覆われた構成である。また、除霜水が集まるように冷却器5の底壁を若干窪ませ、この窪み内に排水孔27を形成し、この窪みの底面に温度感知センサ28を取り付けた形態でもよい。
図6には本発明に係る制御構成を示している。これにおいて、30はマイクロコンピュータ制御方式の制御部である。31は冷蔵庫1の使用者が手動で操作可能な手動スイッチ部であり、冷蔵室3の背壁に取り付けられている。なお、手動スイッチ部31は、冷蔵庫1の前面扉6の前面や、その他の部分に取り付けることもできる。32は冷蔵庫1の動作状態を表示するための表示部であり、1個又は複数のLEDによって、電動圧縮機15のON−OFF運転による冷却運転状態の表示や、除霜用電気ヒータ9へ通電している除霜動作中の表示や、この除霜動作が終了した後、製氷室4の残水の清掃や製氷室4内への製氷皿の収納や製氷室4内への食品の収納のために前記冷却運転状態に入る前の休止期間中の表示等を行う。
これらの表示は、それぞれの状態を区別して判読できるようにするために、それぞれ発光色の異なるLEDの点灯、或いは連続点灯と点滅による区別などの方法を採用する。その一つの方法として、前記冷却運転状態はグリーン又は青色発光のLED32A(以下、グリーンに統一して記載する)を点灯し、前記除霜動作は赤色LED32Bによって表示する。このため、前記除霜動作中はLED32Aを消灯すると共に赤色LED32Bを連続点灯し、前記休止期間中はLED32Aを消灯のままで赤色LED32Bを点滅させる方法を採ることができる。
33A,33Bは制御部30によって作動するリレーであり、34は商用電源である。温度感知センサ28と手動スイッチ部31と表示部32は、それぞれ制御部30に接続されている。
本発明の制御装置は、制御部30によって、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15をON・OFFする冷却運転制御を行い、手動スイッチ部31の除霜指令によって電動圧縮機15の運転をOFF状態にすると共に除霜用電気ヒータ9に通電して冷却器5の除霜を開始する除霜制御をし、温度感知用センサ28がこの除霜によって上昇した温度を感知したとき除霜用電気ヒータ9を非通電にすると共に電動圧縮機15の運転をOFF状態に維持する休止制御をし、更に、手動スイッチ部28の操作に基づきこの休止制御状態を終了して前記冷却運転制御状態に任意復帰させる制御と、この任意復帰が齎されないことによる休止制御状態の無益な継続を終了して前記冷却運転制御状態に自動復帰させる制御を行う。
これを更に詳述する。制御部30は、除霜モードに入っていない状態では、制御部30の温度検出レベルは冷却運転制御レベルであり、温度感知センサ28の温度感知に基づく信号が、電動圧縮機15のONレベルに低下すれば電動圧縮機15をONし、電動圧縮機15のOFFレベルに達すれば判定をして、電動圧縮機15をOFFする制御を行う。これは、製氷室4内に収納した製氷皿17や食品の温度の影響を受け易い部分が冷却器5の底壁であるため、この底壁の温度を感知する温度感知センサ28の温度感知に基づいて、電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御を行っている。このようにして温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15の運転をON・OFFして、冷却器5の温度を所定の温度範囲に制御する冷却運転制御を行う冷却運転モードとなる。この冷却運転中はグリーンのLED32Aが点灯している。
そして、冷却器5の着霜状況を冷蔵庫1の使用者が肉眼で確認して、除霜を行う状況に達していると判断した場合には、冷却器5の除霜開始を指令する手動スイッチ部31の操作によって除霜制御状態、即ち除霜モードに入るが、冷却器5の除霜を行えば冷却器5の温度が0℃よりも高い温度に上昇するため、製氷室4内に収納した食品や氷の保護のために、除霜モードに入る前に製氷室4内に収納した食品や製氷皿17を冷蔵室3へ移し保存する。この場合、冷蔵室3は長時間に亘って氷を貯蔵するには適さない温度であるため、製氷皿17内に氷があれば、その氷が溶ける前に適当に使用することが望ましい。
冷却器5の除霜制御の開始は、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより行われる。即ち、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより除霜指令が発せられ、この除霜指令に基づき制御部30は、リレー33BをOFFして電動圧縮機15の運転をOFF状態にすると共に、リレー33AをONして除霜用電気ヒータ9を通電状態とする(T1時点)。この除霜用電気ヒータ9の通電によって冷却器5の除霜を開始する除霜モードとなり、LED32Aが消灯する。そして、除霜モード中は赤色LED32Bを連続点灯する。
除霜モードでは、制御部30の温度検出レベルが除霜温度判定レベルに変わるため、制御部30は、温度感知センサ28の温度感知に基づく信号が除霜終了レベルに達したか否かの判定を行う。
この除霜モードにおいて除霜用電気ヒータ9に通電されて冷却器5の除霜が進み、冷却器5の製氷室4側の面に付着した霜は徐々に融解し、その融解した除霜水とこれと共に冷却器5から剥がれた霜の塊は、製氷室4側の底面である冷却器5の底壁上面に流下又は落下して集まり、排水孔27から徐々に除霜水が低温容器20へ流下する。また、冷却器5の外面付着した霜は融解し、その融解した除霜水とこれと共に冷却器5から剥がれた霜の塊は、下方の低温容器20へ流下又は落下して集まる。
低温容器20内の除霜水は、排水孔21からその下方に設けた排水受け部22へ導入され、排水受け部22から冷蔵室3の背壁に形成した縦方向の排水溝23を通って、冷蔵庫本体2を貫通する排水管路24から電動圧縮機15の上面に設置した蒸発皿25へ導入される。蒸発皿25へ導入された除霜水は、電動圧縮機15の熱によって加温されて蒸発する。
このような冷却器5の除霜により、冷却器5の底壁上面に除霜水と霜の塊が集まるが、霜の塊が厚い場合はそれが融解するまでにかなりの時間が掛かるため、霜の塊が残っている状態では冷却器5の底壁の温度は略0℃のままで時間が進行する。このように冷却器5の底壁の温度が略0℃であることによって、その下方の冷蔵室3の温度上昇は抑制されるため、冷蔵室3内の貯蔵物品の温度上昇も抑制され、好ましいものである。そして、時間の経過と共に除霜用電気ヒータ9によって加温されることにより、霜の塊が融けて水になり、冷却器5の底壁の温度が0℃を超えて上昇し始める(Tp時点)。
このように除霜用電気ヒータ9による加温によって、冷却器5の底壁の温度が所定温度t℃(これを除霜終了温度と称し、例えば、8℃である)に上昇したことを温度感知用センサ28が感知したとき、制御部30が除霜終了レベルに達した判定を行うため、これによって制御部30は、除霜用電気ヒータ9を非通電にして冷却器5の除霜動作が終了し除霜モードは終了する(T2時点)。除霜モード、即ち冷却器5の除霜時間は、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15をON・OFFする温度を手動で変更して製氷室4(又は冷却器5)の冷却温度を後述の温度設定部40によって設定する温度設定や、冷却器5の霜の量や、冷蔵庫1の周囲温度等によっても変化する。
このような制御における一つの実施例では、冷蔵庫1の一般的な使用状態において、1ヶ月に1回の除霜制御を行う場合、前記温度設定が製氷室4を−12℃程度にする低温設定の場合には、冷却器5の除霜時間が5〜6時間掛かり、製氷室4を−6℃程度にする標準設定の場合には、冷却器5の除霜時間は3〜4時間掛かった。この場合、除霜動作によって徐々に生じる除霜水の量は、多い場合は2000cc程度になる。
この除霜動作が終了した後も、制御部30によって、電動圧縮機15の運転を暫くOFF状態のままに維持される。これは製氷室4を平常使用状態に復するために必要な準備時間を確保するために設ける時間帯であり、これを休止制御状態又は休止モードと称する。制御部30は、除霜動作の終了に伴って赤色LED32Bを点滅状態に切り換え、この休止制御状態又は休止モード状態を赤色LED32Bの点滅によって表示する。なお、休止制御状態(休止モード)に入ったとき、ブザーを鳴らして冷蔵庫の使用者に除霜が終了したことを報知するようにしてもよい。このブザーの発音作動は、冷蔵庫の使用者が停止スイッチをONしたとき、又は後述のように手動スイッチ部31のONスイッチ操作によって休止モードが終了したときのいずれにおいても、制御部30によって停止することができる。
休止モード時間は、製氷室4の清掃や、除霜モードに入る前に冷蔵室3へ移した食品や製氷皿17を製氷室4へ戻す作業を行うために設けるものであり、製氷室4を平常使用状態に復するために必要な準備時間をとるものである。この時間をあまり長く取れば、冷蔵室3の温度が上昇しすぎるため、一つの実施例では、冷蔵庫1の一般的な使用状態において、休止モード時間を1〜2時間になるように定めている。また、休止モード期間は、除霜動作が終了し冷凍サイクルが安定するまでの時間(一般的には10分程度で安定する)を確保するためにも有効である。
本発明では、休止モードに入った状態において、冷蔵庫1の使用者が製氷室4を平常使用状態に復することが適切と判断した場合(製氷室4を平常使用状態に復する作業が終了した場合等)には、冷蔵庫1の使用者が手動スイッチ部31のONスイッチ操作によって、この休止制御状態、即ち休止モードを途中終了して前記冷却運転制御状態に任意復帰(T3時点)させる制御を行うものである。冷却運転制御状態では、制御部30の温度検出レベルは冷却運転制御レベルとなり、上記同様に、温度感知センサ28の温度感知に基づく信号が、電動圧縮機15のONレベルかOFFレベルかの判定をして、電動圧縮機15のON制御とOFF制御を行う。
しかし、休止モードに入った状態において、冷蔵庫1の使用者が手動スイッチ部31のスイッチ操作を忘れた場合等の状態では、いつまで経っても冷蔵庫1は前記冷却運転制御状態に復帰できないこととなり、冷蔵庫1の有効利用が達成できないこととなる。このため、本発明では、休止モードに入った状態において、冷蔵庫1の使用者が手動スイッチ部31のスイッチ操作を忘れて長時間経った場合でも、制御部30によって前記冷却運転モードに自動復帰させる(T4時点)制御を行うようにしている。冷却運転モードに復帰した状態では、制御部30の温度検出レベルは冷却運転制御レベルとなり、上記同様に、温度感知センサ28の温度感知に基づく信号が、電動圧縮機15のONレベルかOFFレベルかの判定をして、電動圧縮機15のON制御とOFF制御を行う。
このため、制御部30は、前記除霜制御状態、即ち除霜モードの開始又は終了からタイマ手段によって所定時間経過してこの休止制御状態を終了、即ち休止モードを終了して前記冷却運転制御状態に自動復帰させる(T4時点)時間制御と、更に、前記タイマ手段による所定時間経過前に、手動スイッチ部31の操作に基づきこの休止制御状態、即ち休止モードを途中終了して前記冷却運転制御状態に任意復帰させる(T3時点)ための任意復帰制御とを行うものである。
この一つの方法として、制御部30によって、手動スイッチ部31の操作に基づく除霜指令、温度感知センサ28の温度感知に基づく除霜終了から計数された所定時間の経過にて、前記休止制御状態を終了、即ち休止モードを終了して、電動圧縮機15のON・OFF動作による冷却運転制御状態、即ち冷却運転モードに自動復帰させる時間制御と、手動スイッチ部31の操作に基づきこの休止制御状態、即ち休止モードを途中終了して前記冷却運転制御状態に任意復帰させる任意復帰制御を行う。
このように、休止制御状態、即ち休止モードが終了して前記冷却運転制御状態に復帰することによって、赤色LED32Bが消灯し、グリーンのLED32Aが点灯して前記冷却運転状態を表示する。
上記では、冷却器5の除霜装置として除霜用電気ヒータ9を用いたヒータ除霜方式であるが、これに代えて、冷却器5の除霜装置として冷凍サイクルの冷媒通路を切り換えるバルブを用いたホットガス除霜方式とすることもできる。このホットガス除霜方式は、手動スイッチ部31のONによって、電動圧縮機15をON状態とし、電動圧縮機15で圧縮した高温高圧冷媒が、凝縮器16と前記キャピラリチューブをバイパスして直ちに冷却器5に流れるように、冷凍サイクルの冷媒通路を前記バルブが切り換えて、冷却器5の除霜運転を行う除霜モードに入りものである。そして、除霜によって上昇した冷却器5の温度を温度感知用センサ28が感知したとき、制御部30は、電動圧縮機15の運転をOFFすると共に、前記バルブを復帰させて冷却器5の除霜動作を終了して除霜モードを終了し(T2時点)、上記休止モードに入る。そして、休止モードでは、上記同様に電動圧縮機15はOFF状態であり、上記同様に休止モードの終了と、上記同様に復帰のための時間制御も行うことができる。
これは、実施例1において製氷室4を設定温度可変方式とする制御である。即ち、冷蔵庫1には、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15をON・OFFする温度を手動で変更して冷却器5の冷却温度を設定する温度設定部40を設け、この温度設定部40によって製氷室4の設定温度を変更できるようにすることができる。この温度設定部40は、冷蔵室3の背壁に、例えば手動スイッチ部31に近接して配置することができる。一つの実施形態として、この温度設定部40は、ダイヤルの回転によって、又は選択スイッチの操作によって、製氷室4の設定温度を変更できるようにする。その一つの実施例として、ダイヤルの回転によって製氷室4の平均温度を略−12℃とする強冷却ノッチと、製氷室4の平均温度を略−6℃とする中冷却ノッチと、製氷室4の平均温度を略−1℃とする弱冷却ノッチを備え、ダイヤルによるこのノッチ切り替えによって製氷室4の設定温度を変更できるようにしている。
温度設定部40によって、製氷室4の設定温度を変更するため、この設定温度によって冷却器5の着霜量が異なり、それに伴って除霜に要する時間が異なる。このため、除霜終了を温度感知センサ28の温度感知に基づき行う場合は、着霜量が多い場合は自然に除霜時間、即ち除霜モード期間が長くなるように、着霜量に応じて自然に除霜時間が変化するが、除霜タイマによって除霜時間を定める場合は、温度設定部40による設定に応じてこの除霜タイマによる除霜時間が自動的に変わるように構成する。
製氷室4の各設定温度に応じて、前記除霜タイマの所定時間を設定する方式の具体例として、強冷却ノッチ状態では、前記除霜タイマの所定時間は、5〜6時間とし、中冷却ノッチ状態では、前記除霜タイマの所定時間は、3〜4時間とし、弱冷却ノッチ状態では、前記除霜タイマの所定時間は、2〜3時間とすることができ、これらの制御は、温度設定部40による温度設定に基づき制御部30によって行われる。この除霜タイマは、制御部30に含まれる電気回路構成のタイマ手段によって構成される。
これは、除霜タイマによって除霜終了する制御である。即ち、上記実施例1における冷却器5の除霜制御は、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより、制御部30によって除霜用電気ヒータ9を通電し電動圧縮機15をOFF状態に維持して開始し、除霜制御状態の終了、即ち除霜モードの終了は、冷却器5の底壁の温度が所定温度t℃に上昇したことを温度感知用センサ28が感知したとき、制御部30が除霜用電気ヒータ9を非通電に制御する方式である。
しかし、これに代えて、冷却器5の除霜制御は、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより、制御部30によって除霜用電気ヒータ9を通電し電動圧縮機15をOFF状態に維持して開始し、これと共に制御部30の除霜タイマがスタートし、この除霜タイマが所定時間経過したときのタイムアップ信号によって除霜モードを終了するように、制御部30が除霜用電気ヒータ9を非通電に制御するタイマ方式とすることができる。この除霜タイマの所定時間が除霜時間であるため、冷蔵庫1の大きさ等によって任意に設定できるが、一つの実施例では、冷蔵庫1の一般的な使用状態において、3〜5時間に設定することができる。この除霜終了後は、上記同様に休止モードに入り、休止モードの終了は、上記同様に、手動スイッチ部31のスイッチ操作による任意復帰制御と、前記除霜制御状態の開始又は終了、即ち除霜モードの開始又は終了からタイマ手段によって所定時間経過してこの休止モードを終了して前記冷却運転制御状態に自動復帰させる(T4時点)時間制御とを行う。
これは、休止モードを温度検出で終了する制御である。即ち、制御部30によって、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御と、手動スイッチ部31の操作に基づき電動圧縮機15がOFF状態となり電気ヒータ9が通電状態となる除霜モード制御と、この除霜モード制御によって上昇した冷却器5の除霜終了温度(上記のように、例えば8℃)を温度感知用センサ28が感知したときこの除霜モードを終了する制御と、この除霜モードの終了後電気ヒータ9が非通電状態であり電動圧縮機15がOFF状態である休止モード制御と、休止モードにおいて手動スイッチ部31の操作がない場合は、温度感知用センサ28が冷却器5の更に高い所定温度(例えば、15℃)を感知するまで前記休止モードを継続しこの更に高い所定温度(例えば、15℃)を感知したとき前記休止モードを終了して前記冷却運転モードに復帰させる温度制御を行うようにすることもできる。
この場合も、温度感知用センサ28が冷却器5の更に高い所定温度(例えば、15℃)を感知する以前に手動スイッチ部31の操作に基づく冷却運転復帰指令が与えられた場合には、前記休止モードを途中終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御を行う。
これは、タイマ除霜方式と休止モードを温度検出で終了する方式の併用制御である。即ち、実施例3において、このような温度感知センサ28の温度感知に基づき除霜動作を終了する方式に代えて、冷却器5の除霜制御はタイマによって定められた時間中除霜用電気ヒータ9を通電して行う方式とすることができる。この場合、制御部30によって、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御と、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより制御部30によって除霜用電気ヒータ9を通電し電動圧縮機15をOFF状態に維持して冷却器5の除霜動作を開始して除霜モードとなり、これと共に制御部30の除霜タイマがスタートして、この除霜タイマが所定時間経過したときのタイムアップ信号によって、制御部30が除霜用電気ヒータ9を非通電に制御して除霜モードを終了するタイマ方式である。この除霜タイマの所定時間が除霜時間であり、冷蔵庫1の大きさ等によって所定期間に設定されるが、一つの実施例では、一般的な使用状態の冷蔵庫1において製氷室4を−6℃程度にする標準設定の場合には、除霜タイマの除霜時間を3〜4時間に設定し除霜を終了した。
除霜モード終了後は、上記同様に休止モードに入り、休止モードの終了は、手動スイッチ部31のスイッチ操作による任意復帰制御と、温度感知用センサ28が冷却器5の更に高い所定温度(例えば、15℃)を感知する以前に手動スイッチ部31の操作に基づく冷却運転復帰指令が与えられた場合には、前記休止モードを途中終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御を行う。
またこのような除霜終了後の方式に代えて、この除霜終了後は上記同様に休止モードに入り、休止モードの終了は、上記実施例1と同様に、手動スイッチ部31のスイッチ操作による任意復帰制御と、前記除霜制御状態、即ち除霜モードの開始又は終了からスタートするタイマ手段によって所定時間をカウントし、この所定時間経過したときこの休止モードを終了して前記冷却運転制御状態に自動復帰させる(T4時点)時間制御とを行うようにすることができる。
これは、製氷室4を設定温度可変方式とし、除霜開始から休止モードをタイマ設定する制御である。即ち、冷蔵庫1には、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15をON・OFFする温度を手動で変更して冷却器5の冷却温度を設定する温度設定部40を設け、この温度設定部40によって製氷室4の設定温度を変更できるようにすることができる。この温度設定部40は、冷蔵室3の背壁に、例えば手動スイッチ部31に近接して配置することができる。一つの実施形態として、この温度設定部40は、ダイヤルの回転によって、又は選択スイッチの操作によって、製氷室4の設定温度を変更できるようにする。その一つの実施例として、ダイヤルの回転によって製氷室4の平均温度を略−12℃とする強冷却ノッチと、製氷室4の平均温度を略−6℃とする中冷却ノッチと、製氷室4の平均温度を略−1℃とする弱冷却ノッチを備え、ダイヤルによるこのノッチ切り替えによって製氷室4の設定温度を変更できるようにしている。
製氷室4の各設定温度に応じて、前記除霜制御状態の開始、即ち除霜モードの開始からスタートするタイマ手段によって休止モードを終了するまでの所定時間を設定できる方式としている。その具体例として、強冷却ノッチ状態では、前記除霜制御状態の開始、即ち除霜モードの開始からスタートするタイマ手段によって休止モードを終了するまでの所定時間は、5〜6時間とし、中冷却ノッチ状態では、前記除霜制御状態の開始、即ち除霜モードの開始からスタートするタイマ手段によって休止モードを終了するまでの所定時間は、3〜4時間とし、弱冷却ノッチ状態では、前記除霜制御状態の開始、即ち除霜モードの開始からスタートするタイマ手段によって休止モードを終了するまでの所定時間は、2〜3時間とすることができ、これらの制御は制御部30によって行われる。
この場合、製氷室4の各設定温度に応じて、制御部30によって、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御を行い、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより制御部30によって除霜用電気ヒータ9を通電し電動圧縮機15をOFF状態に維持して冷却器5の除霜動作を開始して除霜モードとなり、これと共に制御部30のタイマ手段がスタートし、このように除霜用電気ヒータ9による加温によって、冷却器5の底壁の温度が所定温度t℃(これを除霜終了温度と称し、例えば、8℃である)に上昇したことを温度感知用センサ28が感知したとき制御部30は、除霜用電気ヒータ9を非通電にして冷却器5の除霜動作が終了し除霜モードは終了する(T2時点)。
除霜モード終了後は、上記実施例1と同様に休止モードに入り、休止モードの終了は、手動スイッチ部31のスイッチ操作による任意復帰制御と、上記タイマ手段によるタイムアップ信号により休止モードを終了して前記冷却運転モードに自動復帰させる(T4時点)時間制御の何れか先によって、休止モードを終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御を行う。これらの制御は制御部30によって行われる。
またこのような休止モードの終了方式に代えて、他の方式とすることができる。即ち、除霜モード終了後は上記同様に休止モードに入り、休止モードの終了は、手動スイッチ部31のスイッチ操作により前記冷却運転モードに復帰させる任意復帰制御と、実施例3と同様に、温度感知用センサ28が冷却器5の更に高い所定温度(例えば、15℃)を感知する方式とし、この更に高い所定温度(例えば、15℃)を感知する以前に手動スイッチ部31の操作に基づく冷却運転復帰指令が与えられた場合には、前記休止モードを途中終了して前記冷却運転モードに復帰させる制御を行うことができる。
また更に、除霜終了温度を温度感知用センサ28が感知することにより除霜モードを終了する方式に代えて、他の方式とすることができる。即ち、実施例2のように、冷却器5の除霜制御は、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより、制御部30によって除霜用電気ヒータ9を通電し電動圧縮機15をOFF状態に維持して開始し、これと共に制御部30の除霜タイマがスタートし、この除霜タイマが所定時間経過したときのタイムアップ信号によって除霜モードを終了するように、制御部30が除霜用電気ヒータ9を非通電に制御するタイマ方式とすることができる。この場合、除霜時間を定めるタイマと、除霜開始から休止モードの終了までの時間を定めるタイマとの二つのタイマ動作があるが、これらのタイムアップ信号は、制御部30に含まれる一つのタイマ手段によって形成することができる。
このように、冷却器5の冷却温度を設定する温度設定部40の設定に応じて、休止モードの終了時点を変更する方式とすることもできる。
これは、製氷室4を設定温度可変方式とし、除霜タイマと休止タイマを設ける制御である。即ち、冷却器5の除霜制御は、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより、制御部30によって除霜用電気ヒータ9を通電し電動圧縮機15をOFF状態に維持して開始し、これと共に制御部30の除霜タイマがスタートし、この除霜タイマが所定時間経過したときのタイムアップ信号によって除霜モードを終了するように、制御部30が除霜用電気ヒータ9を非通電に制御するタイマ方式とすることができる。この除霜タイマの所定時間が除霜時間である。
冷蔵庫1には、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15をON・OFFする温度を手動で変更して冷却器5の冷却温度を設定する温度設定部40を設け、この温度設定部40によって製氷室4の設定温度を変更できるようにすることができる。この温度設定部40は、冷蔵室3の背壁に、例えば手動スイッチ部31に近接して配置することができる。一つの実施形態として、この温度設定部40は、ダイヤルの回転によって、又は選択スイッチの操作によって、製氷室4の設定温度を変更できるようにする。その一つの実施例として、ダイヤルの回転によって製氷室4の平均温度を略−12℃とする強冷却ノッチと、製氷室4の平均温度を略−6℃とする中冷却ノッチと、製氷室4の平均温度を略−1℃とする弱冷却ノッチを備え、ダイヤルによるこのノッチ切り替えによって製氷室4の設定温度を変更できるようにしている。
製氷室4の各設定温度に応じて、前記除霜タイマの所定時間が設定される方式としている。その具体例として、強冷却ノッチ状態では、前記除霜タイマの所定時間は、5〜6時間とし、中冷却ノッチ状態では、前記除霜タイマの所定時間は、3〜4時間とし、弱冷却ノッチ状態では、前記除霜タイマの所定時間は、2〜3時間とすることができ、これらの制御は、温度設定部40による温度設定に基づき制御部30によって行われる。
この場合、製氷室4の各設定温度に応じて、制御部30によって、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御を行い、手動スイッチ部31のスイッチを押すことにより制御部30によって除霜用電気ヒータ9を通電し電動圧縮機15をOFF状態に維持して冷却器5の除霜動作を開始して除霜モードとなり、これと共に制御部30の除霜タイマ手段がスタートし、このように除霜用電気ヒータ9による加温によって、冷却器5の底壁の温度が上昇して除霜が行われ、除霜タイマ手段のタイムアップによって制御部30は、除霜用電気ヒータ9を非通電にして冷却器5の除霜動作が終了し除霜モードは終了する(T2時点)。この除霜終了後は、上記同様に休止モードに入り、休止モードの終了は、上記同様に、手動スイッチ部31のスイッチ操作による任意復帰制御と、この任意復帰がない場合には前記除霜モードの終了から所定時間後に前記冷却運転制御状態に自動復帰させる(T4時点)時間制御を行うようにするために、前記除霜モードの終了からスタートする休止タイマ手段が所定時間カウントしたとき、この休止タイマ手段のカウントアップ信号に基づき、この休止モードを終了して前記冷却運転制御状態に自動復帰させる(T4時点)時間制御を行う。
この場合、除霜モード時間を定めるタイマと、休止モード時間を定めるタイマとの二つのタイマ動作があるが、これらのタイムアップ信号は、制御部30に含まれる一つのタイマ手段によって形成することもできる。
これは、除霜終了を温度感知センサの温度感知か除霜タイマの何れか速い方で行う制御である。即ち、制御部30によって、手動スイッチ部31の操作に基づき電動圧縮機15がOFF状態となり電気ヒータ9が通電状態となって除霜モードが開始し、この除霜モード制御によって上昇した冷却器5の除霜終了温度(上記のように、例えば8℃)を温度感知用センサ28が感知したときの除霜終了信号によって除霜モードを終了する第1の制御と、前記除霜モードの開始から制御部30に含まれるタイマ手段によってタイマ動作がスタートし、所定時間後に発生するタイムアップ信号、即ち除霜終了信号によって除霜モードを終了する第2の制御とを組み合わせ、第1の制御と第2の制御とのいずれか先に到達する除霜モードの終了動作によって、除霜モードを実際に終了し、上記同様に休止モードに移行するように制御することができる。
このようにすれば、第1の制御と第2の制御とのいずれかによって除霜動作が終了するため、温度感知用センサ28の故障等により除霜終了温度感知が行われなくても、タイマ手段によって除霜動作を終了するため、無闇に除霜動作が長引いて冷却器5の温度が上がりすぎ、冷蔵室3の異常温度上昇を来たすことも防止できる。
上記の各実施例では、冷却器5の除霜装置として除霜用電気ヒータ9を用いたヒータ除霜方式であるが、これに代えて、冷却器5の除霜装置として冷凍サイクルの冷媒通路を切り換えるバルブを用いたホットガス除霜方式とすることもできる。このホットガス除霜方式は、手動スイッチ部31のONによって、電動圧縮機15をON状態とし、電動圧縮機15で圧縮した高温高圧冷媒が、凝縮器16と前記キャピラリチューブをバイパスして直ちに冷却器5に流れるように、冷凍サイクルの冷媒通路を前記バルブが切り換えて、冷却器5の除霜運転を行う除霜モードに入りものである。そして、除霜によって上昇した冷却器5の温度を温度感知用センサ28が感知したとき、制御部30は、電動圧縮機15の運転をOFFすると共に、前記バルブを復帰させて冷却器5の除霜動作を終了して除霜モードを終了し(T2時点)、上記休止モードに入る。そして、休止モードでは、上記同様に電動圧縮機15はOFF状態であり、上記同様に休止モードの終了と、上記同様に時間制御又は温度制御による復帰制御を行うことができる。
上記の各実施例では、温度感知センサ28が、冷却運転モード制御における冷却器5の温度感知センサとなり、また、冷却器5の除霜終了温度の温度感知センサとなるように、二つの制御における温度感知センサの役目を兼用するように、制御部30による温度検出動作を行っている。これに代わって、温度感知センサ28は、冷却運転モード制御における冷却器5の温度感知センサ(例えば28A)と、除霜モード制御における冷却器5の温度感知センサ(例えば28B)とをそれぞれ冷却器5の底壁に備えた構成でもよい。
これは、除霜終了を複数の温度感知センサで感知する制御である。即ち、冷却器5には複数の温度感知センサを設け、これらの全てが所定の除霜終了温度を感知したとき、制御部30によって除霜制御を終了するように制御することができる。この方式では、例えば、冷却器5の上壁に設けた温度感知センサ28C、冷却器5の左壁に設けた温度感知センサ28D、冷却器5の右壁に設けた温度感知センサ28Eとによって、上記除霜制御によって上昇した冷却器5の温度を感知し、これら全てのセンサが所定の除霜終了温度を感知したとき、制御部30によって除霜制御を終了するように制御することができる。この場合、これら全てのセンサが所定の除霜終了温度を感知したときからタイマ手段による所定時間経過後に、制御部30によって除霜制御を終了するように制御すれば、冷却器5の底壁上の霜の塊が融けるのに必要な時間をとることができる。これによって、冷却器5の霜残りを防止できる。この場合、これらセンサの一つの温度感知に基づいて、例えば温度感知センサ28Cの温度感知に基づいて電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御を行うことができる。
また、これら温度感知センサ28C、28D、28Eと冷却器5の底壁に設けた温度感知センサ28とを設け、上記除霜制御によって上昇した冷却器5の温度を感知し、これら全てが所定の除霜終了温度を感知したとき、制御部30によって除霜制御を終了するように制御することができる。この場合も、これら全てのセンサが所定の除霜終了温度を感知したときからタイマ手段による所定時間経過後に、制御部30によって除霜制御を終了するように制御すれば、冷却器5の底壁上の霜の塊が融けるのに必要な時間をとることができる。これによって、冷却器5の霜残りを防止できる。
この場合、これらセンサの一つの温度感知に基づいて、例えば温度感知センサ28Cの温度感知に基づいて電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御を行うことができるが、製氷室4内に収納した製氷皿17の温度の影響を受け易い冷却器5の底壁の温度を感知する温度感知センサ28によって、電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御を行うことが望ましい。
除霜制御終了後は、上記同様に、休止モードに入り、休止モードでは上記同様に電動圧縮機15はOFF状態であり、上記同様に休止モードの終了によって電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御に復帰する。
これは、除霜終了温度感知センサと冷却運転温度感知センサの温度感知にて、冷却器5の除霜動作を終了する制御である。即ち、冷却器5には冷却運転モード制御における冷却器5の温度感知センサと、除霜モード制御における冷却器5の除霜終了温度感知センサとを別個に備えた構成でもよい。この方式では、例えば、冷却器5の上壁に設けた除霜終了温度感知センサ28Cと、冷却器5の底壁に設けた冷却運転モード制御用温度感知センサ28とを設け、制御部30によって、温度感知センサ28の温度感知に基づき電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御を行う。また、上記冷却器5の除霜動作を行う除霜モードにおいて、除霜動作によって冷却器5の上壁の温度が所定の除霜終了温度に上昇したことを温度感知用センサ28Cが感知したとき、制御部30は冷却器5の除霜動作を終了して除霜モードが終了するように制御することができる。
この場合、センサ28Cが所定の除霜終了温度を感知したときからタイマ手段による所定時間経過後に、制御部30によって除霜制御を終了するように制御すれば、冷却器5の底壁上に落下した霜の塊が融けるのに必要な時間をとることができ、冷却器5の霜残りを防止できる。
除霜制御終了後は、上記同様に、休止モードに入り、休止モードでは上記同様に電動圧縮機15はOFF状態であり、上記同様に休止モードの終了によって電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御に復帰する。
これは、除霜終了を除霜終了温度感知センサとタイマによる制御である。即ち、冷却器5の底壁以外の場所、例えば冷却器5の上壁に温度感知センサ28Cを設け、これが除霜動作によって上昇した冷却器5の所定の温度(例えば、8℃)を感知したとき、制御部30のタイマ手段がスタートし、所定の時間経過後に生じるタイムアップ信号によって上記除霜動作を終了するように制御することができる。このタイマ手段による所定時間は、温度感知センサ28Cが除霜動作によって上昇した冷却器5の所定の温度を感知してから、冷却器5の底壁上に溜まる低温の除霜水、及び又は霜の塊が融けるのに必要な時間(これは、予めテストによって定められる時間)を踏まえて設定される時間である。このようにすれば、冷却器5の底壁上に落下した霜の塊が融けるのに必要な時間をとることができるため、冷却器5の霜残りを防止できる。
また電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御は、このセンサ28Cの温度感知に基づいて行うことができる。また、電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御は、冷却器5の底壁に設けた温度感知センサ28によって行う方式でもよい。
除霜制御終了後は、上記同様に、休止モードに入り、休止モードでは上記同様に電動圧縮機15はOFF状態であり、上記同様に休止モードの終了によって電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御に復帰する。
これは、冷却器5の底壁上に落下した霜の塊の融解促進を行うものである。それは、図4に示すように、ヒータ通路8が排水孔27を取り囲むようにパターン形成され、冷却器5の底壁のヒータ通路8が冷却器5の左右壁及び上壁よりも蜜に形成されている。これによって、上記除霜制御における冷却器5の底壁の加熱割合が冷却器5の左右壁及び上壁よりも大となり、冷却器5の底壁上に霜の塊が落下することにより冷却器5の底壁の除霜が遅れることに対処し、冷却器5の底壁の霜の融解促進を行うものである。
この場合の制御方式の一つとして、冷却器5の底壁に設けた温度感知センサ28によって、上記除霜制御によって上昇した冷却器5の温度を感知し、このセンサ28が所定の除霜終了温度を感知したとき、制御部30によって除霜制御を終了するように制御するものである。電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御は、温度感知センサ28の温度感知に基づいて行うことができる。
もう一つの制御方式の一つとして、冷却器5の上壁に設けた温度感知センサ28Cによって、上記除霜制御によって上昇した冷却器5の温度を感知し、このセンサ28Cが所定の除霜終了温度を感知したとき、制御部30によって除霜制御を終了するように制御するものである。この場合、冷却器5の底壁のヒータ通路8が冷却器5の左右壁及び上壁よりも蜜であるため、上記実施例11のようなタイマ制御が不要となる。
また電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御は、このセンサ28Cの温度感知に基づいて行うことができる。また、電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御は、冷却器5の底壁に設けた温度感知センサ28によって行う方式でもよい。
除霜制御終了後は、上記同様に、休止モードに入り、休止モードでは上記同様に電動圧縮機15はOFF状態であり、上記同様に休止モードの終了によって電動圧縮機15がON・OFF運転を行う冷却運転モード制御に復帰する。
これは、冷却器5の除霜終了を冷却器5の単位時間当たりの温度上昇で判定する制御方式である。この場合の制御方式の一つとして、温度によって電気抵抗値が変化する温度感知センサ28を冷却器5の底壁に取り付け、冷却器5の除霜制御によって上昇する冷却器5の温度を感知し、冷却器5の除霜により変化するセンサ28の電気抵抗変化に基づく電圧変化を入力データとし、単位時間当たりのこの電圧変化(電圧上昇、又は電圧減少)が所定の割合以上になったとき、除霜制御を終了して休止モードに入るようにする。
これによって、冷却器5の底壁の温度は、除霜制御の開始によって図8に示すように冷却運転制御における氷点下の温度から上昇して略0℃の温度状態を保ち、その後しばらくして徐々に0℃よりも高い温度に上昇する。このため、温度感知センサ28が、手動スイッチ部31のONによって除霜制御が開始された後、0℃の温度を感知した状態から判定動作を開始する。そして、単位時間ΔT当たりの温度変化Δtが所定値以上になったこと又はこの温度変化Δtの積算値が所定値以上になったことを制御部30の判定手段が判定したとき、前記除霜装置による冷却器5の除霜制御動作を終了して、電動圧縮機15がOFF状態である休止モードに入るようにする。
具体的には、温度感知センサ28の電気抵抗変化に基づく電圧変化を入力データとして、単位時間当たりのこの電圧変化(電気回路構成によって電圧上昇、又は電圧減少として現われる)が所定の値以上になったとき、又はこの電圧変化の積算値が所定値以上になったとき、即ち、単位時間当たりのこの電圧変化が所定値以上になったこと又はこの電圧変化の積算値が所定値以上になったことを制御部30の判定手段が判定したとき、前記除霜装置による冷却器5の除霜制御動作を終了して、電動圧縮機15がOFF状態である休止モードに入るようにする。
前記除霜装置による冷却器5の除霜制御動作の開始時には、図8のように冷却器5の温度がマイナス温度であり、この除霜制御動作の進行によって冷却器5の温度が0℃に向かって上昇する。この際に生じる温度上昇を温度感知センサ28が感知することにより除霜制御動作を終了すれば、正規の除霜制御動作の終了時期ではないときに除霜制御動作を終了することとなり都合が悪い。しかし、上記のように冷却器5の温度が0℃になったときから判定動作をすることにより、正確な除霜制御動作の終了時期での判定が可能となる。
これによって、冷却器5の底壁の温度が0℃を超えて上昇し始めることにより、そのときの単位時間当たりの温度上昇に基づく電圧変化が所定値以上になったとき、又はこの電圧変化の積算値が所定値以上になったとき、除霜動作を終了するように制御部30が動作する。除霜動作の終了にて除霜モードを終了し、上記同様に休止モードに入る。そして、休止モードでは、上記同様に電動圧縮機15はOFF状態であり、上記同様に手動スイッチ部31のONによって休止モードを終了して冷却運転制御状態に復帰する制御となる。
なお、このような除霜制御方式において、電動圧縮機15をON、OFF運転する冷却運転制御は、温度感知センサ28の温度感知に基づいて電動圧縮機15をON、OFF運転する制御を行うことができる。
上記各実施例では、冷却器5の除霜装置として除霜用電気ヒータ9を用いたヒータ除霜方式であるが、これに代えて、冷却器5の除霜装置として冷凍サイクルの冷媒通路を切り換えるバルブを用いたホットガス除霜方式とすることもできる。このホットガス除霜方式は、手動スイッチ部31のONによって、電動圧縮機15をON状態とし、電動圧縮機15で圧縮した高温高圧冷媒が、凝縮器16と前記キャピラリチューブをバイパスして直ちに冷却器5に流れるように、冷凍サイクルの冷媒通路を前記バルブが切り換えて、冷却器5の除霜運転を行う除霜モードに入りものである。そして、除霜によって上昇した冷却器5の温度を温度感知用センサ28が感知したとき、制御部30は、電動圧縮機15の運転をOFFすると共に、前記バルブを復帰させて冷却器5の除霜動作を終了して除霜モードを終了し(T2時点)、上記休止モードに入る。そして、休止モードでは、上記同様に電動圧縮機15はOFF状態であり、上記同様に休止モードの終了を行うことができる。
また、上記各実施例の制御方式を組み合わせた制御とすることもできる。
上記のように、除霜動作後に形成される休止モードは、冷却器の温度検出によって終了する方式、または除霜動作終了後から所定時間経過後に終了する方式によって、安定した除霜動作を得ることができると共に、除霜動作後に冷却運転への復帰操作を忘れても、正常な冷却運転を開始できるため、直冷式冷蔵庫であればその形態に如何に拘わらず、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の変更が考えられ、本発明はそれに係る種々の実施形態を包含するものである。
本発明の直冷式冷蔵庫の縦断側面図である。(実施例1)
本発明の直冷式冷蔵庫の製氷室部分の縦断正面図である。(実施例1)
本発明の直冷式冷蔵庫の製氷室部分の正面斜視図である。(実施例1)
本発明の直冷式冷蔵庫の冷却器の展開図である。(実施例1)
本発明の直冷式冷蔵庫の冷却器の一部断面拡大図である。(実施例1)
本発明の直冷式冷蔵庫の制御構成図である。(実施例1)
本発明の直冷式冷蔵庫の制御装置のタイムチャートである。
本発明の直冷式冷蔵庫の制御装置による冷却器の温度状態説明図である。(実施例1)
符号の説明
1・・・冷蔵庫
2・・・冷蔵庫本体
3・・・冷蔵室
4・・・製氷室
5・・・板状冷却器
6・・・前面扉
7・・・冷媒通路
8・・・ヒータ通路
9・・・電気ヒータ
15・・電動圧縮機
20・・低温容器
27・・排水孔
28・・温度感知用センサ
28A・・温度感知用センサ
28B・・温度感知用センサ
28C・・温度感知用センサ
28D・・温度感知用センサ
28E・・温度感知用センサ
30・・制御部
31・・手動スイッチ部
32・・表示部