JP4307913B2 - 高純度炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

高純度炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶中の不純物、特に窒素濃度が小さい炭化珪素単結晶の安定製造を可能にする方法に関するものである。本発明の高純度炭化珪素単結晶より、加工、研磨工程を経て製造される炭化珪素単結晶ウェハは、主として各種の半導体電子デバイス、あるいはそれらの基板として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素(SiC)は、優れた半導体特性を有しており、従来材であるシリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)等と比較して、特に、耐熱性及び機械的強度等が格段に優れることから、パワーデバイスや高周波デバイス等をはじめとする、各種半導体デバイス用ウェハ材料としての注目度が近年急速に上昇している。SiC単結晶ウェハを用いたデバイスとして、GaN系青色発光ダイオードやショットキーバリアダイオード等が既に商品化されており、また、他にもGaN系高周波デバイス及びMOSFETに代表される低損失パワーデバイス等々も試作されるに至っている。
【0003】
デバイス応用に当たっては、用途に応じてウェハ材料の電気伝導特性を制御する必要がある。そのためには、SiやGaAs等の従来半導体材料の製造において行われているように、結晶中の不純物濃度を極力抑えた、高純度な単結晶を製造できる技術を確立することが必要であり、単結晶ウェハの電気伝導特性の精密制御を可能にする上で、重要な基盤技術となっている。特に、ドナーあるいはアクセプターとなり得る不純物元素については、単結晶の電気伝導特性に及ぼす影響が大きく、ドープ量、あるいは不純物としての混入量を精密に管理する必要がある。SiC単結晶の場合、上記不純物に該当する代表的元素の一つとして、窒素が挙げられる。SiC結晶のポリタイプにもよるが、窒素は、SiC結晶の約2.5〜3.0電子ボルト(eV)に及ぶ大きな禁制帯の中で、伝導帯直下約0.05〜0.2eV程度の、比較的浅い位置にドナー準位を形成するため、室温でも容易にイオン化され易く、窒素原子から結晶中に放出される電子がキャリアーとなって、電気伝導度を押し上げる作用を及ぼす。このため、特に高周波デバイス用途等のように、SiC単結晶ウェハとして極力小さな電気伝導度が要求される場合には、結晶中の不純物窒素量が高くならないような製造上の工夫が求められる。
【0004】
目下のところ、デバイス製造に適した大口径を有するSiC単結晶は、改良レーリー法を基本とする昇華再結晶法によって、製造されることが一般的になっている(非特許文献1)。この昇華再結晶法の概要は、SiC単結晶ウェハを種結晶として使用し、主として黒鉛からなる坩堝中に、原料となるSiC結晶粉末を充填して、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中(圧力133Pa〜13.3kPa)にて、約2000℃以上の高温に加熱することから成っており、このとき、原料粉末に比べ種結晶が低温側となる温度勾配が形成されるように、種結晶及び原料粉末を配置することによって、SiC粉末原料から発生したSiC昇華ガスが、種結晶方向へ拡散・輸送され、最終的に種結晶上で再結晶化を起こさせることにより、SiC単結晶成長が実現される。このような製造方法に立脚し、前述の観点から、結晶中の不純物窒素濃度を極力低減するためには、その製造プロセスの随所に亘って、窒素混入の可能性を注意深く逐一駆除する製造上の配慮が必要であり、その詳細は製造ノウハウとなっている。
【0005】
【非特許文献1】
Yu. M. Tairov and V. F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth, vol.52, pp.146 (1981)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
SiC結晶の代表的不純物である窒素は、前述のようにドナー準位を形成するために、結晶中に多量に混入すると電気伝導度が大幅に増加する。従って、SiC単結晶ウェハとして低い電気伝導度が要求される場合には、SiC結晶中の窒素濃度を原子数密度で5×1017cm-3以下、望ましくは5×1016cm-3以下にする必要がある。しかしながら、一般的に、窒素濃度が極度に抑えられたSiC単結晶を、昇華再結晶法により製造することは容易ではない。例えば、窒素は大気中に普遍的に存在するガス種元素であるため、製造時に雰囲気ガス等々を経由して成長結晶内へ取り込まれる可能性を完全に否定することができず、工業的には相応の困難が生じる。
【0007】
かかるような事情であっても、昇華再結晶法によって、窒素濃度が低く抑えられた高純度SiC単結晶の製造方法の確立を目指した試みが精力的に行われてきた。本発明者らも、使用するSiC原料として極力高純度な原料粉末を使用する、あるいは超高純度な不活性雰囲気ガス中で結晶成長を実施する等、種々の検討を重ねてきた。しかしながら、そのような試みを行ったとしても、成長結晶の大半に亘って安定的に窒素濃度を5×1017cm-3以下にすることは難しく、一般的現象として、成長結晶中の種結晶近傍において、窒素濃度が局所的に高くなる傾向が抑えきれずに、場合によっては、窒素濃度が5×1017cm-3を大きく超えることがある。このような場合には、単結晶の電気伝導度制御が難しくなり、特に高周波デバイス応用に重要な低電気伝導度SiC単結晶ウェハを、安定に、かつ歩留まり良く製造することが困難になる。かかる事情から、不可避的に混入する窒素不純物を低減できる、工業的に有望な高純度SiC単結晶、及びその製造方法が強く望まれていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、成長結晶のほぼ全体に亘って窒素不純物濃度が低い高純度SiC単結晶の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結晶のほぼ全体に亘って窒素不純物濃度が低い高純度SiC単結晶の製造方法を提供するものであって、
(1) 種結晶を使用する昇華再結晶法により作製される炭化珪素単結晶の製造方法において、黒鉛坩堝から切り出した直径5mm、高さ10mmの円柱状試料の不活性ガス融解熱伝導度法による初回の測定値において窒素含有濃度が50ppm以下である黒鉛坩堝を結晶成長に使用し、前記黒鉛坩堝中に炭化珪素を主体とする原料粉末を充填した状態で、圧力1.3Pa以下の不活性ガス雰囲気下、温度1400〜1800℃で、10時間以上保持する黒鉛坩堝の純化処理を施した後、圧力を1.3×10 〜1.3×10 Paに調整した不活性ガス雰囲気中に該黒鉛坩堝と種結晶を設置し、2000℃以上に加熱してから結晶成長を開始することを特徴とする高純度炭化珪素単結晶の製造方法、
(2) 前記黒鉛坩堝中の窒素含有濃度が20ppm以下である(1)記載の炭化珪素単結晶の製造方法、
(3) 前記黒鉛坩堝中の窒素含有濃度が10ppm以下である(1)記載の炭化珪素単結晶の製造方法、
) 前記純化処理の圧力が1.3×10−1Pa以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の高純度炭化珪素単結晶の製造方法、
) 前記純化処理の圧力が6.5×10−2Pa以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の高純度炭化珪素単結晶の製造方法、
) 純化処理後、前記黒鉛坩堝を大気下に暴露することなく、結晶成長に供する()〜()のいずれか1項に記載の高純度炭化珪素単結晶の製造方法
である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、特に、成長結晶の大半に亘って窒素濃度が低い、高純度SiC単結晶を製造する方法を探索する中で、成長結晶の種結晶近傍において、窒素濃度が局所的に高くなる現象が頻発する点に注目し、その原因を詳しく調査した。その結果、主として黒鉛からなる坩堝(以下、黒鉛坩堝と称する)から発生する窒素によるSiC単結晶中への窒素混入が無視できず、これがSiC単結晶の純度を大きく劣化させている主因の一つであることを突き止めた。
【0011】
一般的に、黒鉛坩堝は、純化処理工程として、ハロゲン系ガス流中にて、2000℃以上の高温加熱下で純化処理を行っており、本処理によって、特に遷移金属をはじめとする不純物元素が、黒鉛坩堝より効果的に除去される。しかしながら、本法によって黒鉛坩堝中に存在する窒素が、どれほど有効に除去されているかについては、殆ど省みられていない。そのような事情を形成している原因の一つとして、黒鉛坩堝中の微量窒素含有量を高精度で測定できる方法が、未だ十分に確立されていない現状にあることが、本発明者らの調査によって判明した(”Nitrogen analyses comparison of carbons and graphites”, Modern casting, February 1994, pp.44)。従って、本発明において、黒鉛坩堝中に存在する微量窒素の影響を論じるためには、黒鉛坩堝中の微量窒素の定量方法について、その詳細を規定する必要がある。以下にこの点について詳説する。
【0012】
微量窒素の分析法の一つとして一般的に知られている、不活性ガス融解熱伝導度法を採用し、本法を用いる場合の分析条件について詳細に検討した。使用した装置は、堀場製作所製EMGA−620Aである。本装置では、加熱炉内にて、高純度黒鉛からなる坩堝(以下、加熱坩堝と称する)に圧接した電極より大電流を流すことにより、加熱坩堝自体が急速に高温状態になり、これにより加熱坩堝内に装填された試料が加熱される。このとき、加熱坩堝内の試料内部に存在する窒素が外部へ掃き出されて窒素ガスとなり、高純度ヘリウムからなるキャリアガスによって熱伝導度検出器へ搬送される。ヘリウムと窒素ガスの混合ガスとしての熱伝導度が測定され、予め既知である純ヘリウムガスの熱伝導度との差異から、窒素ガス混合量が決定され、最終的に試料の窒素含有量が求められる。
【0013】
ここで、微量窒素の分析を実施するに当たり、加熱坩堝等々の分析部材からの窒素混入による分析精度劣化を抑えるために、まず、加熱坩堝の加熱ゾーン内に試料を装填しない状態で、フルパワーの大電流を流して、加熱坩堝内を約2500℃以上の高温状態とし、この状態で約30秒間保定する。この予備加熱処理により、加熱坩堝本体の表面に付着した窒素や、表層付近の窒素不純物が効果的に除去される。引き続いて、加熱炉内の加熱ゾーン外に待機させた試料を、大気下に曝露しない状態で加熱坩堝内へ移動させ、然る後に、予備加熱処理と同様な条件で、加熱坩堝内を約2500℃以上の高温状態で、約30秒間保定する。この状態で試料から発生する窒素をヘリウムキャリアガスによって搬送し、これらの混合ガスの熱伝導度を測定することにより、窒素濃度を決定した。
【0014】
次に、測定試料の性状であるが、被測定物中の窒素を、高温状態で効率よく掃き出させるために、試料は粉末状にすることが一般的に行われている。しかしながら、本発明者らは、結晶成長に使用する黒鉛坩堝を約100μm以下に粉砕して上記測定を行ったところ、有意な測定結果が得られなかった。これは、微粉砕状態にすることにより、黒鉛坩堝の表面積が著しく増大し、表面吸着窒素等々の影響が過大になったために、測定精度に与える影響が無視できなくなったと考えられる。そこで、これらの影響を低減するために、黒鉛坩堝から直径約5mm、高さ約10mmの円柱状試料を切り出し、これを上記測定に供する測定試料とした。このようなバルク状試料の場合では、約30秒の加熱保定時間内では試料内部の窒素不純物を効率的に掃き出すことは困難となるものの、表層付近に存在する、黒鉛坩堝中の窒素含有量を、有意な精度で測定できるメリットが享受できるようになり、その大小関係をもって、使用する黒鉛坩堝中の窒素不純物含有量の評価が可能になる。
【0015】
以下、本発明では、上記の条件で測定することによって得られる窒素濃度(質量基準)を、黒鉛坩堝中の窒素濃度と定義する。
【0016】
窒素濃度が、原子数密度で5×1017cm-3以下、望ましくは5×1016cm-3以下である高純度SiC単結晶を製造する条件として、使用する黒鉛坩堝中の窒素濃度が、上記にて定義した分析方法による窒素濃度で、50ppm以下、好ましくは20ppm以下、さらに望ましくは10ppm以下である黒鉛坩堝を使用する。窒素不純物濃度が50ppmを超える黒鉛坩堝を使用すると、結晶成長時に黒鉛坩堝からの窒素混入量が過大となり、成長結晶中の窒素不純物濃度が、原子数密度で5×1017cm-3を超えるために、電気伝導制御が困難になる。結晶中の窒素不純物濃度を5×1016cm-3以下とするためには、窒素不純物濃度が10ppm以下である黒鉛坩堝を使用することが望ましい。
【0017】
また、そのような黒鉛坩堝は、高周波加熱炉等々により高真空下で、10時間以上加熱保持する純化処理を施すことにより簡単に製造可能である。このときの真空度は1.3Pa以下、望ましくは1.3×10-1Pa以下、さらに望ましくは6.5×10-2Pa以下とする。特に、ターボ分子ポンプ等を併用することで1.3×10-5Paに及ぶ高真空環境が実現できるが、このような高真空化では、より効果的な純化が可能になる。また、保持時間については、特に上限はないが、過大に長時間化すると製造コストに重大な影響を及ぼすデメリットが生じてしまう点に留意する必要があるため、約1000時間を上限とすることが好ましい。真空度が1.3Paを超えると、黒鉛坩堝から窒素不純物を有効に除去するための加熱時間が長時間化し、上記のように製造コストに重大な影響が生じる。また、処理温度は1400℃以上とする。1400℃未満では、窒素不純物除去効率が著しく低下するため、やはり加熱保持時間が長時間化してしまう。特に製造コストの観点からは、上記の温度範囲で真空度を6.5×10-2Pa以下とする場合に、最も効果的な純化処理が得られるため、この条件範囲内で純化処理を実施することがより望ましい。このようにして得られる黒鉛坩堝を使用し、引き続いて、通常の種結晶を用いる昇華再結晶法でSiC単結晶成長を実施することにより、高純度なSiC単結晶が得られる。この時、例えば、不活性ガスを充填した真空グローブボックス内でSiC原料粉等々の事前準備作業を行い、黒鉛坩堝を大気下に曝露せずに成長炉に挿入し、そのまま結晶成長を実施すると、大気下に曝すことによって被る窒素吸着等々の影響が回避でき、更に効果的である。
【0018】
また、上記のような純化処理を、SiC結晶成長プロセスに直接的に組み込むことによっても、窒素不純物濃度が著しく低減されたSiC結晶を得ることができる。すなわち、種結晶を用いる昇華再結晶法において、黒鉛坩堝内にSiCを主体とする原料粉末を充填した状態で、不活性雰囲気ガスの圧力を1.3Pa以下、望ましくは1.3×10-1Pa以下、更に望ましくは6.5×10-2Pa以下とし、1400℃以上かつ1800℃以下の温度で10時間以上保持することで、黒鉛坩堝の純化処理を行う。このとき、圧力が1.3Paを超えると純化処理が効率的に行われない。処理温度が1400℃未満では十分な純化処理効果が得られず、また、1800℃を超えると、純化処理中に結晶成長が開始されて多結晶を生成してしまい、引き続くSiC結晶成長過程で正常な単結晶成長が実現できない。この純化処理に引き続いて、成長炉を大気下で開放せず、不活性雰囲気ガスの圧力を1.3×102〜1.3×104Paに調整後、黒鉛坩堝を2000℃以上の高温に加熱し、SiC単結晶成長を実施する。処理温度の上限は特に設定しないが、装置上の制約から3000℃を越えないようにすることが好ましい。黒鉛坩堝を大気に曝露すると、純化効果が半減してしまう。なお、加熱方法については、特に規定しないが、純化処理後にそのまま温度を所定の高温域に加熱してもよく、あるいは一度室温に降温した後に再度2000℃以上の温度まで加熱してもよい。
【0019】
窒素不純物濃度が50ppmを超える黒鉛坩堝を使用して製造されたSiC単結晶では、窒素含有量の小さい高純度SiC原料粉末を使用しても、成長結晶の大半に亘って、結晶中の窒素濃度が5×1017cm-3を越えてしまう。このような場合、SiC単結晶1個あたりから製造できる、窒素濃度が5×1017cm-3以下の高純度SiC単結晶ウェハの枚数が極度に少なくなるか、あるいは全く製造できない事態が生じる、いわゆるウェハ歩留まりが低下するため、製造コストが大きく増加してしまう。原料コスト等々にもよるが、工業的製造コストを考慮する場合、体積率でSiC単結晶の60%以上、望ましくは80%以上の部分において、窒素濃度が5×1017cm-3以下、望ましくは5×1016cm-3以下である高純度SiC単結晶となっていることが好ましい。前記のような、窒素濃度が50ppm以下の黒鉛坩堝を使用することにより、体積率で60%以上の体積部分において、そのような高純度なSiC単結晶が実現される。
【0020】
上記のような高純度SiC単結晶は、現在、デバイス応用が有望視されている3C、4H及び6Hポリタイプのいずれにおいても有効であるが、種結晶を用いる昇華再結晶法において、窒素混入が不可避的に高くなる傾向の強い4Hポリタイプについて、特に顕著な効果が得られる。
【0021】
また、結晶の口径が大型化すると、使用する黒鉛坩堝の体積も増加するため、黒鉛坩堝中の微量残留窒素の影響が大きくなり、得られるSiC結晶への窒素混入量が増加してしまう。本発明の黒鉛坩堝の純化処理は、大口径のSiC単結晶成長に効果的であり、特に単結晶の口径が50mm以上の場合に大きな効果が得られる。そのような結晶から、通常の加工及び研磨プロセスを経て製造される単結晶ウェハは、高純度SiC単結晶ウェハの歩留まりが高いため、製造コストの大幅削減が可能になり、安価で高純度かつ高品質なウェハの供給が可能になる。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明する。
【0023】
(実施例1)
市販の高純度炭素材料から作製した黒鉛坩堝を、高周波加熱炉により1.3×10-2Pa以下の高真空下で2500℃の高温状態に20時間加熱保持する純化処理を行った。処理後、この黒鉛坩堝より直径5mm、高さ10mmの円柱状試料を切り出し、以下に述べる方法によって黒鉛坩堝中の窒素濃度を分析した。試料の切り出しは、高純度アルゴンガスを充填したグローブボックス内で実施している。なお、比較として、上記の純化処理を実施しない未処理の黒鉛坩堝より、同形状の円柱状試料を切り出し、同様の分析を実施した。測定試料数は、いずれの試料についても3個とした。
【0024】
微量窒素の分析は、不活性ガス融解熱伝導度法によって行った。使用した装置は、堀場製作所製EMGA−620Aである。分析にあたり、まず分析装置内の加熱坩堝の加熱ゾーン内に試料を装填しない状態で、フルパワーの大電流を流して、加熱坩堝内を約2500℃以上の高温状態とし、この状態で約30秒間保定する予備加熱処理を行った。室温まで冷却させた後、引き続いて、加熱炉内を大気下に曝露せずに、加熱ゾーン外に待機させた試料を加熱坩堝内へ移動させ、然る後に、予備加熱処理と同様な条件で、加熱坩堝内を約2500℃以上の高温状態で、約30秒間保定した。このとき、高温状態の試料から発生する窒素を、ヘリウムキャリアガスによって搬送し、これらの混合ガスの熱伝導度を測定することにより窒素濃度を決定した。表1に分析結果を示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004307913
【0026】
表1より明らかなように、本法がほぼ再現性良く微量窒素含有量を分析できる分析方法であることが示されている。同時に、未処理の黒鉛坩堝では、窒素濃度が50ppmを超えているのに対し、上記の純化処理によって窒素濃度が大幅に減少し、7.3ppmとなっている。本発明の純化処理によって、黒鉛坩堝中の窒素濃度が効果的に除去されていることが、本結果により判る。
【0027】
ところで、測定試料である黒鉛坩堝の性状が、上記のようなバルク状の場合、ほぼ大気圧下で約30秒という短時間の加熱保定時間内では、試料内部の窒素不純物を効率的に掃き出すことは、一般的に困難である。このため本分析方法では、坩堝より採取した試料の表層近傍の体積部分に含まれる窒素のみが、測定中に試料外に掃き出されて測定に掛かる可能性が高いことが容易に推測される。この点を調査するために、未処理及び純化処理済みの黒鉛坩堝より切り出した同様の試料に、前述の条件の分析を最大4回まで繰り返して実施し、このときの分析窒素濃度値の変化を調べた。表2に分析結果を示す。
【0028】
【表2】
Figure 0004307913
【0029】
未処理黒鉛試料では、初回の短時間加熱処理時に多量の窒素が検出されているが、引き続く加熱処理では、純化処理を施した試料とほぼ同レベルの微量窒素に留まっている。本結果より、試料表面から、高温大気圧下での黒鉛部材中窒素原子拡散距離にほぼ相当すると推測される深さまでの試料表面近傍中に存在する窒素が、初回の短時間加熱処理によりほぼ掃き出されるが、引き続く短時間加熱処理では、上記の表層近傍より更に深い体積部分に存在する窒素は、分析精度を大きく劣化させるほどの影響は与えないと、十分に結論付けることができる。
【0030】
本分析法によって決定される窒素の体積濃度(ppm)は、表層近傍に存在していた窒素量を試料体積で割ることで求められるため、本来求められるべき窒素含有量とは異なり、分析手法上必然的に小さくなる。このため、本法によって求められる窒素濃度値と、黒鉛坩堝中の実際の窒素含有量との定量的関係を明らかにするためには、上述した高温大気圧下での黒鉛坩堝中の窒素原子拡散距離を詳しく調べる必要がある。しかしながら、上記で明記した分析条件の下で得られる窒素濃度を、被測定物の窒素濃度と定義することにより、本分析方法は、その大小関係をもって黒鉛坩堝中の窒素不純物含有量の評価を行うに十分に耐えるものであることは、本結果より明らかである。
【0031】
(実施例2)
種結晶を用いる通常の昇華再結晶法によって、直径50mm、ポリタイプが4HであるSiC単結晶を作製した。なお、原料としては、窒素含有量が10ppm以下の高純度SiC粉末を、また、雰囲気ガスであるアルゴンガスとしては、純度が99.9999%以上の高純度アルゴンガスを、それぞれ使用している。使用した種結晶のポリタイプは4H型である。図1に、使用した成長炉及び坩堝等々の概略図を示す。市販の高純度炭素材料から作製した黒鉛坩堝内に、高純度SiC粉末を充填し、種結晶を所定の位置に装着して、一度炉内を高純度アルゴンガスで置換した後に圧力を6.5×10-2Pa以下とし、引き続いて、高周波を印加して坩堝を約1700℃に加熱した状態で、20時間保持する純化処理を行った。その後、炉内圧力を1.3×103Paに調整し、約2000℃以上の高温状態にして結晶成長を実施した。このときの結晶成長速度は約1mm/時であり、得られた単結晶の厚さは約20mmであった。このようにして得られた単結晶(結晶A)を、成長方向に垂直な面に沿って平行にスライス切断し、種結晶より3、8、13及び18mmの位置から厚さ約0.6mmのウェハを取り出した。更に、それぞれのウェハについて、そのほぼ中心付近の位置より一辺が12mmの正方形状試料を切り出し、二次イオン質量分析装置(SIMS)によって、結晶中の窒素含有量を分析した。表3中の結晶A欄に、その分析結果を示す。また、比較例として、結晶成長直前に純化処理を実施しない従来プロセスで製造された結晶B、及び、結晶Aとほぼ同じ製造プロセスではあるが、純化処理後に一度室温まで冷却後、該坩堝を大気下で10日間放置した後に、再び炉内に装填し、圧力1.3×103Paで約2000℃以上の高温状態にして結晶成長を実施して得られた結晶Cについても、それぞれ同様な評価を実施した。
【0032】
【表3】
Figure 0004307913
【0033】
本発明の純化処理を結晶成長直前に施した結晶Aでは、体積率で少なくともほぼ85%以上の結晶部分で5×1016cm-3以下の高純度SiC単結晶が実現されている。一方、従来法である結晶Bでは、特に成長結晶の前半で、窒素濃度が5×1017cm-3を超えており、窒素低減化が達成されていない。また、純化処理後に一度大気下に暴露した結晶Cにおいても、従来法である結晶Bと比較して、不純物窒素濃度の低減効果が明確に現れており、結晶のほぼ全体で5×1017cm-3以下の高純度化が達成されている。結晶Cの製造条件でも十分な高純度結晶が得られるが、坩堝を大気に曝さない結晶Aの製造方法を採用することにより、結晶のほぼ大半に亘って5×1016cm-3以下のような、更に高純度なSiC結晶が得ることができる。
【0034】
参考例
実施例1と同様にして、未処理及び純化処理済みの黒鉛坩堝を使用し、該坩堝に実施例2で用いたものと同じ高純度SiC粉末原料を充填してから、実施例2とほぼ同様の成長装置を使用して、通常の昇華再結晶法により、直径50mm、ポリタイプが4HであるSiC単結晶を作製した。黒鉛坩堝以外の結晶成長条件は、全てほぼ同一とした。いずれの坩堝を使用した場合でも、高さが約15mmの結晶が得られた。この結晶を成長方向に垂直な面に沿って平行にスライス切断し、種結晶より3、6、9及び12mmの位置から厚さ約0.6mmのウェハを取り出した。更に、それぞれのウェハについて、そのほぼ中心付近の位置より一辺が12mmの正方形状試料を切り出し、SIMSによって、結晶中の窒素含有量を分析した。表4にその分析結果を示す。
【0035】
【表4】
Figure 0004307913
【0036】
化処理を施した黒鉛坩堝を使用することにより、SiC単結晶中の窒素濃度が大幅に減少していることは明らかであり、体積率でSiC単結晶の約60%を大きく越える部分について、窒素濃度が5×1017cm−3以下である高純度SiC単結晶が得られていることが分かる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、不純物窒素濃度が50ppm以下の黒鉛坩堝を使用することにより、成長結晶の大半に亘って、窒素濃度が5×1017cm-3以下である高純度SiC単結晶の製造が可能になる。このような高純度SiC単結晶ウェハを用いれば、電気的特性の優れた高耐圧・耐環境性電子デバイスを歩留まり良く製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法に用いられる単結晶成長装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…種結晶(SiC単結晶)
2…SiC粉末原料
3…グラファイト坩堝
4…二重石英管(水冷式)
5…断熱材
6…真空排気装置
7…高周波加熱コイル

Claims (6)

  1. 種結晶を使用する昇華再結晶法により作製される炭化珪素単結晶の製造方法において、黒鉛坩堝から切り出した直径5mm、高さ10mmの円柱状試料の不活性ガス融解熱伝導度法による初回の測定値において窒素含有濃度が50ppm以下である黒鉛坩堝を結晶成長に使用し、前記黒鉛坩堝中に炭化珪素を主体とする原料粉末を充填した状態で、圧力1.3Pa以下の不活性ガス雰囲気下、温度1400〜1800℃で、10時間以上保持する黒鉛坩堝の純化処理を施した後、圧力を1.3×10 〜1.3×10 Paに調整した不活性ガス雰囲気中に該黒鉛坩堝と種結晶を設置し、2000℃以上に加熱してから結晶成長を開始することを特徴とする高純度炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記黒鉛坩堝中の窒素含有濃度が20ppm以下である請求項1記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記黒鉛坩堝中の窒素含有濃度が10ppm以下である請求項1記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記純化処理の圧力が1.3×10−1Pa以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高純度炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記純化処理の圧力が6.5×10−2Pa以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高純度炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 純化処理後、前記黒鉛坩堝を大気下に曝露することなく、結晶成長に供する請求項のいずれか1項に記載の高純度炭化珪素単結晶の製造方法。
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