JP4305597B2 - 弗素置換安息香酸の製造法 - Google Patents

弗素置換安息香酸の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP4305597B2
JP4305597B2 JP2000570137A JP2000570137A JP4305597B2 JP 4305597 B2 JP4305597 B2 JP 4305597B2 JP 2000570137 A JP2000570137 A JP 2000570137A JP 2000570137 A JP2000570137 A JP 2000570137A JP 4305597 B2 JP4305597 B2 JP 4305597B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
fluorine
benzoic acid
compound
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000570137A
Other languages
English (en)
Inventor
彰宏 橋本
聡 松田
国憲 田井
斉 利根
孝夫 西
純一 南川
道明 富永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP4305597B2 publication Critical patent/JP4305597B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/347Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups
    • C07C51/353Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/347Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups
    • C07C51/377Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups by splitting-off hydrogen or functional groups; by hydrogenolysis of functional groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

技 術 分 野
本発明は、弗素置換安息香酸の製造法に関する。
背 景 技 術
一般式(1)
Figure 0004305597
〔式中、RはC1−6アルキル基を示す。Rは5〜9員環の飽和又は不飽和の複素環残基を示す。該複素環残基は、置換基を有していてもよい。Rは置換基としてC1−6アルキル基及びハロゲン原子なる群より選ばれた基を1〜3個有することのあるシクロプロピル基;フェニル環上に置換基としてC1−6アルコキシ基、ハロゲン原子及び水酸基なる群より選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基;ハロゲン原子、C2−6アルカノイルオキシ基もしくは水酸基を有していてもよいC1−6アルキル基;C2−6アルケニル基又はチエニル基を示す。Rは水素原子又はC1−6アルキル基を示す。〕
で表されるベンゾヘテロ環誘導体は、優れた抗菌作用を有し、抗菌剤として有用な化合物である(特公平6−96557号公報)。
より具体的には、上記一般式(1)で表されるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩は、広くグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して優れた抗菌活性を発揮し、各種病原細菌に起因する人、動物、魚等の疾病の治療薬として有用であり、また医療用器具等の外用殺菌剤や消毒剤としても有用である。特に、マイコプラズマ、緑膿菌、嫌気性菌、各種抗菌剤の耐性菌、臨床分離株、E.faecalisやStaphyloccocus pyognes等のグラム陰性及びグラム陽性菌に対して顕著な抗菌活性を有しており、これらに起因する疾病に対する抗菌剤として有用である。また、上記一般式(1)で表されるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩は、細胞に対する毒性等の毒性も低く低毒性であり且つ副作用が弱く、吸収性がよく、持続時間も長いという特徴をも有している。また上記一般式(1)で表されるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩は、尿中排泄率が高いために尿路感染症の治療薬として、また胆汁からの排泄性に優れるために腸管感染症の治療薬として有用である。
特公平6−96557号公報によれば、上記一般式(1)で表されるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩は、一般式(2)
Figure 0004305597
〔式中、Rは前記に同じ。Rはハロゲン原子を示す。〕
で表される弗素置換安息香酸から製造されている。
しかしながら、特公平6−96557号公報によれば、一般式(2)で表される弗素置換安息香酸は、下記反応式A又は反応式Bに示すように、公知の原料化合物から5工程にも及ぶ多工程を経て製造されている。その結果、特公平6−96557号公報記載の方法では、一般式(2)で表される弗素置換安息香酸を製造するための反応操作が煩雑にならざるを得ず、しかも目的とする一般式(2)で表される弗素置換安息香酸が8.3%程度の低収率で得られるに過ぎない。
反応式A
Figure 0004305597
[式中、Rは前記に同じ。Rは水素原子又はC1−6アルキル基を示す。RはC1−6アルキル基を示す。Xはハロゲン原子を示す。]
反応式B
Figure 0004305597
[式中、Rは前記に同じ。RはC1−6アルキル基を示す。]
また、特開平2−243692号公報、特開平4−74167号公報及びEP319906には、下記反応式Cに示すように、一般式(A)で表される化合物から一般式(2)で表される弗素置換安息香酸を製造する方法が記されている。
反応式C
Figure 0004305597
しかしながら、この方法では、一般式(A)で表される化合物から目的とする弗素置換安息香酸が製造するまで3工程を必要とし、しかも目的とする弗素置換安息香酸が一般式(A)で表される化合物を基準にして7.5%程度という低収率で得られるに過ぎない。
また、特開平3−502452号公報、特開平10−291959号公報及びJ.Heterocyclic Chem.,27,p1610(1990)には、下記反応式Dに示すように、一般式(B)で表される化合物から一般式(2)で表される弗素置換安息香酸を製造する方法が記されている。
反応式D
Figure 0004305597
[式中、Rはアルキル基を示す。]
しかしながら、この方法では、一般式(B)で表される化合物から目的とする弗素置換安息香酸が製造するまで7工程を必要とし、しかも目的とする弗素置換安息香酸が一般式(B)で表される化合物を基準にして45.8%程度という低収率で得られるに過ぎない。
更に、J.Heterocyclic Chem.,27,p1611(1990)及びJournal of Medicinal Chemistry,1991,Vol.34,No.3,p1156には、下記反応式Eに示すように、一般式(C)で表される化合物から一般式(2)で表される弗素置換安息香酸を製造する方法が記されている。
反応式E
Figure 0004305597
[式中、Rはメチル基又はエチル基を示す。]
しかしながら、この方法でも、一般式(C)で表される化合物から目的とする弗素置換安息香酸が製造するまで4工程を必要とし、しかも目的とする弗素置換安息香酸が一般式(C)で表される化合物を基準にして25〜30%程度という低収率で得られるに過ぎない。
発 明 の 開 示
本発明の一つの目的は、抗菌剤として有用な前記一般式(1)で表されるベンゾヘテロ環誘導体を製造するための中間体である一般式(2)で表される弗素置換安息香酸を、多工程を必要とせず、1工程で製造し得る方法を提供することである。
本発明の他の一つの目的は、入手が容易な化合物から、特別な試薬を用いることなく、安価に、しかも簡便な操作で、一般式(2)で表される弗素置換安息香酸を製造し得る方法を提供することである。
本発明の他の一つの目的は、一般式(2)で表される弗素置換安息香酸を高収率、高純度にて製造する方法を提供することである。
本発明の他の一つの目的は、上記一般式(2)で表される弗素置換安息香酸の工業的に有利な製造法を提供することである。
本発明者は、このような現状に鑑み、上記目的を達成すべく種々の研究を重ねてきた。その研究過程において、下記一般式(3)
Figure 0004305597
[式中、Rは前記に同じ。]
で表される弗素置換安息香酸を出発原料として用いてみることを着想した。この一般式(3)で表される弗素置換安息香酸は、カルボキシル基に対して5位が無置換の化合物である。
ところで、Izv.Sib.Otd.Akad.Nauk SSSR,Ser.Khim.Nauk,Vol.5,p100(1975)には、下記反応式Fに示すように、一般式(D)で表される化合物にグリニヤール試薬(E)を反応させて一般式(F)で表される化合物を製造する方法が記されている。
反応式F
Figure 0004305597
この方法によれば、一般式(F)で表される化合物が収率よく製造されているが、これは出発原料として用いられている一般式(D)で表される化合物の化学構造に基づくものであると考えられる。即ち、一般式(D)で表される化合物は、ベンゼン環上の水素原子が全て置換基(弗素原子及びカルボキシル基)により置換されており、グリニヤール試薬(E)との置換反応により、カルボキシル基に対してオルソ位(即ち、2位又は6位)の弗素原子がR基に置き換えられる。カルボキシル基に対して2位又は6位のいずれの弗素原子がR基に置き換えられても、生成する化合物は一般式(F)で表される化合物になる。
また、特開平3−502452号公報及び特開平10−291959号公報には、下記反応式Gに示すように、一般式(G)で表される化合物にアルキルリチウムを反応させて一般式(H)で表される化合物を製造する方法が記されている。
反応式G
Figure 0004305597
この方法によれば、一般式(H)で表される化合物が収率よく製造されているが、これは出発原料として用いられている一般式(G)で表される化合物の化学構造に基づくものであると考えられる。即ち、一般式(G)で表される化合物は、ベンゼン環上の水素原子が全て置換基(弗素原子及び2−オキサゾリル基)により置換されており、アルキルリチウムとの置換反応により、2−オキサゾリル基に対してオルソ位(即ち、2位又は6位)の弗素原子がR基に置き換えられる。2−オキサゾリル基に対して2位又は6位のいずれの弗素原子がR基に置き換えられても、生成する化合物は一般式(H)で表される化合物になる。
上記のような従来の反応から判断すれば、カルボキシル基に対して5位が無置換の一般式(3)で表される弗素置換安息香酸をグリニヤール試薬(E)やアルキルリチウムを用いてアルキル化した場合には、カルボキシル基に対して2位及び6位のいずれかの位置にアルキル基が導入された化合物が製造されることが容易に考えられる。即ち、一般式(3)で表される弗素置換安息香酸のカルボキシル基に対してオルソ位である2位にアルキル基が導入された化合物と一般式(3)で表される弗素置換安息香酸のカルボキシル基に対してオルソ位である6位にアルキル基が導入された化合物の2種類の化合物が生成するものと考えられていた。ところが、驚くべきことに、上記の反応では、一般式(3)で表される弗素置換安息香酸のカルボキシル基に対してオルソ位である6位にアルキル基が導入された化合物が全く又は痕跡量程度しか生成せず、一般式(3)で表される弗素置換安息香酸のカルボキシル基に対してオルソ位である2位にアルキル基が導入された化合物だけが選択的に製造されたのである。このような知見は、この分野の化学知識を有する当業者と言えども容易に類推することのできない、予想外のものであった。
また、本発明者は、下記一般式(4)
Figure 0004305597
[式中、R及びRは前記に同じ。]
で表される弗素置換安息香酸を出発原料として用い、この弗素置換安息香酸を還元することによっても、本発明の目的が達成されることを見い出した。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
本発明によれば、一般式(3)
Figure 0004305597
〔式中、Rは前記に同じ。〕
で表される弗素置換安息香酸をアルキル化することを特徴とする一般式(2)
Figure 0004305597
〔式中、R及びRは前記に同じ。〕
で表される弗素置換安息香酸の製造法(以下「製法A」という)が提供される。
また、本発明によれば、一般式(4)
Figure 0004305597
〔式中、R及びRは前記に同じ。〕
で表される弗素置換安息香酸を還元することを特徴とする一般式(2)
Figure 0004305597
〔式中、R及びRは前記に同じ。〕で表される弗素置換安息香酸の製造法(以下「製法B」という)が提供される。
本明細書において、Rで示されるC1−6アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。Rで示されるC1−6アルキル基としては、メチル基が特に好ましい。
で示されるハロゲン原子としては、弗素原子、塩素原子、臭素原子及び沃素原子を挙げることができる。ハロゲン原子としては、弗素原子及び臭素原子が特に好ましい。
まず製法Aにつき説明する。
反応式−1(製法A)
Figure 0004305597
〔式中、R及びRは前記に同じ。Mは基−MgX(Xはハロゲン原子)、リチウム金属又は基ZnX(Xは前記に同じ)を示す。〕
上記反応式−1において、出発原料として用いられる一般式(3)の化合物及び一般式(5)のアルキル化剤は、いずれも入手容易な公知の化合物である。
一般式(3)の化合物の具体例としては、例えば2,3,4,6−テトラフルオロ安息香酸、2,3,4−トリフルオロ−6−クロロ安息香酸、2,3,4−トリフルオロ−6−ブロモ安息香酸等を挙げることができる。一般式(3)の化合物としては、例えば2,3,4,6−テトラフルオロ安息香酸、2,3,4−トリフルオロ−6−ブロモ安息香酸等が好ましい。
一般式(5)のアルキル化剤の具体例としては、例えばメチルマグネシウムブロマイド、メチルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムアイオダイド、n−プロピルマグネシウムブロマイド、n−プロピルマグネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムアイオダイド、イソプロピルマグネシウムブロマイド、イソプロピルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムアイオダイド、n−ブチルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムアイオダイド、tert−ブチルマグネシウムブロマイド、tert−ブチルマグネシウムクロライド、tert−ブチルマグネシウムアイオダイド、n−ペンチルマグネシウムブロマイド、n−ペンチルマグネシウムクロライド、n−ペンチルマグネシウムアイオダイド、n−ヘキシルマグネシウムブロマイド、n−ヘキシルマグネシウムクロライド、n−ヘキシルマグネシウムアイオダイド等のグリニヤール試薬;メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム等のアルキルリチウム;沃化メチル亜鉛、沃化エチル亜鉛等の亜鉛化合物等を挙げることができる。
一般式(5)のアルキル化剤としては、Mが基MgXを示す化合物(グリニヤール試薬)が好ましい。特に好ましい一般式(5)のアルキル化剤は、メチルマグネシウムブロマイド、メチルマグネシウムクロライド及びメチルマグネシウムアイオダイドである。これらアルキル化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
一般式(3)の化合物及び一般式(5)のアルキル化剤の反応は、通常適当な溶媒中で行われる。ここで使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものである限り従来公知のものを広く使用でき、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、n−ヘキサン、n−ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素類又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
一般式(3)の化合物と一般式(5)のアルキル化剤との使用割合としては、特に限定されるものではないが、通常前者1モルに対して、後者を少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜5倍モル量用いるのがよい。
一般式(3)の化合物と一般式(5)のアルキル化剤との反応は、冷却下、室温下及び加温下のいずれでも行われるが、通常−30〜150℃、好ましくは−10〜70℃付近にて行われ、一般に1〜20時間程度にて該反応は終了する。
上記の反応で得られる一般式(2)の弗素置換安息香酸は、通常の分離手段により容易に単離することができる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、希釈法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラチブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
製法Aによれば、一般式(5)のアルキル化剤が一般式(3)の化合物のベンゼン環の2位の位置に選択的に反応し、目的とする一般式(2)の弗素置換安息香酸を高収率且つ高純度で製造することができる。
次に製法Bにつき説明する。
反応式−2(製法B)
Figure 0004305597
〔式中、R及びRは前記に同じ。〕
上記反応式−2において、出発原料として用いられる一般式(4)の化合物は、入手容易な公知の化合物である。
一般式(4)の化合物の具体例としては、例えば2,3,4,5−テトラフルオロ−6−メチル安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ−6−エチル安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ−6−n−プロピル安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ−6−イソプロピル安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ−6−n−ブチル安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ−6−tert−ブチル安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ−6−n−ペンチル安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ−6−n−ヘキシル安息香酸等を挙げることができる。これらの中でも、2,3,4,5−テトラフルオロ−6−メチル安息香酸が好ましい。
一般式(4)の化合物を一般式(2)の化合物に導く反応は、適当な溶媒中塩基性化合物の存在下、一般式(4)の化合物を接触還元することにより行われる。ここで使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものである限り従来公知のものを広く使用でき、例えば水、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ポリエチレングリコール(PEG)等のアルコール類、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒等又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
用いられる接触還元触媒としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばパラジウム、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム、水酸化パラジウム−炭素、ロジウム−炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネーニッケル等が挙げられる。これら接触還元触媒は、1種単独で又は2種以上混合して用いられる。これら接触還元触媒の中でも、水酸化パラジウムが特に好ましい。触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、一般式(4)の化合物に対して、一般に0.02倍重量〜等重量程度用いるのがよい。
塩基性化合物としては、従来公知のものを広く使用でき、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、金属ナトリウム、金属カリウム、金属マグネシウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド等の無機塩基やナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウム t−ブトキシド等の金属アルコラート類、カリウム ヘキサメチルジシラジド等の有機塩基を挙げることができる。これら塩基性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。塩基性化合物の使用量は、特に限定されるものではないが、一般式(4)の化合物に対して、通常1〜10倍モル程度、好ましくは1〜5倍モル程度とするのがよい。
接触還元に当たり、反応温度は、冷却下、室温下及び加温下のいずれでもよいが、通常−20〜100℃付近、好ましくは0℃〜室温付近、水素圧は通常1〜10気圧とするのがよく、該反応は一般に0.5〜10時間程度で終了する。
接触還元の反応系内には、反応促進剤を添加することができる。反応促進剤としては、例えば12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6等のクラウンエーテル類、トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン等のポリオキシアミン類、ペンタエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン類が挙げられる。これら反応促進剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
上記の還元反応で得られる一般式(2)の弗素置換安息香酸は、通常の分離手段により容易に単離することができる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、希釈法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラチブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
本発明の方法で製造される一般式(2)の弗素置換安息香酸から、下記反応式−3及び反応式−4に示す方法に従い、抗菌剤として有用なベンゾヘテロ環誘導体(1)に誘導することができる。
反応式−3
Figure 0004305597
〔式中R、R及びRは前記に同じ。Rは基−COR10(R10はC1−6アルキル基)又は基−COOR11(R11は水素原子、C1−6アルキル基又はナトリウム、カリウム、リチウム、1/2マグネシウム、1/2亜鉛等の金属)を示す。RはC1−6アルキル基を示す。Rは基−NR1213(R12及びR13は各々C1−6アルキル基)又はC1−6アルコキシ基を示す。Xはハロゲン原子を示す。R及びRは各々C1−6アルキル基を示す。〕
一般式(2)の化合物のハロゲン化反応は、適当な溶媒中又は無溶媒下、一般式(2)の化合物をハロゲン化剤と反応させることにより行われる。ここで使用される溶媒としては、例えば酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、DMF、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。ハロゲン化剤としては、カルボキシ基の水酸基をハロゲンに変え得る通常のハロゲン化剤を使用でき、例えば塩化チオニル、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、五塩化リン、五臭化リン等が例示される。化合物(2)とハロゲン化剤との使用割合としては、特に限定されず広い範囲から適宜選択されるが、無溶媒下で反応を行う場合には、通常前者に対して後者を大過剰量、また溶媒中で反応を行う場合には、通常前者に対して後者を少なくとも等モル量、好ましくは2〜4倍モル量を用いるのがよい。その反応温度及び反応時間も特に限定されないが、通常室温〜100℃程度にて30分〜6時間程度で行われる。
一般式(6)の化合物と一般式(7)の化合物との反応は、適当な溶媒中塩基性化合物の存在下に行われる。ここで使用される溶媒としては、反応に影響を与えないものであれば従来公知のものをいずれも使用できるが、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、リグロイン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素類、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、DMF、DMSO、HMPA等の非プロトン性極性溶媒等又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。また使用される塩基性化合物としては、金属ナトリウム、金属カリウム、金属マグネシクム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化マグネシウム等の無機塩基、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート類、ピリジン、ピペリジン、キノリン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等の有機塩基等を例示できる。これら塩基性化合物は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは0〜120℃付近とするのがよく、一般に0.5〜20時間程度で反応は終了する。一般式(6)の化合物と一般式(7)の化合物との使用割合としては、通常前者に対して後者を少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。塩基性化合物の使用量としては、一般式(6)の化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。
一般式(8)の化合物中、Rが基−COR10を示す化合物である場合、該化合物の脱COR10反応は、適当な溶媒中塩基性化合物の存在下に行われる。ここで使用される溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素類、DMF、DMSO、HMPA等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。塩基性化合物としては、アンモニアガス、アンモニア水、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩、エチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジン等の1級又は2級アミン等を例示できる。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは室温〜100℃付近であり、該反応は一般に1〜20時間程度にて終了する。
一般式(8)の化合物中、Rが基−COOR11を示す化合物である場合、該化合物の脱COOR11化反応は、水溶液中酸触媒の存在下に行われる。ここで使用される酸触媒としては、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等を挙げることができる。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは室温〜100℃付近であり、該反応は一般に1〜20時間程度にて終了する。
次いで得られる脱R化された化合物と一般式(9)の化合物との反応は、両者を適当な溶媒中にて反応させることにより行われる。ここで使用される溶媒としては、無水酢酸等の無水アルカン酸や酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類に加えて、前記脱R化反応(脱COR10反応)に使用されるものをいずれも使用できる。反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは0〜150℃付近であり、該反応は一般に0.5〜10時間程度にて終了する。一般式(9)の化合物の使用量としては、一般式(8)の化合物に対して通常等モル〜大過剰量、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。RがC1−6アルコキシ基である一般式(9)の化合物を使用する場合には、上記溶媒の他、無水酢酸等の酸無水物を溶媒として用いることができ、またその反応温度も通常0〜200℃、好ましくは0〜170℃付近とするのがよい。
一般式(10)の化合物と一般式(11)の化合物との反応は、適当な溶媒中にて両者を反応させることにより行われる。ここで使用される溶媒としては、反応に影響を与えないものであれば従来公知のものをいずれも使用でき、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、リグロイン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、DMF、DMSO、HMPA、NMP、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。一般式(11)の化合物の使用量としては、一般式(10)の化合物に対して少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。反応温度は通常−20〜150℃、好ましくは0〜100℃付近がよく、一般に0.1〜15時間程度にて反応は終了する。該反応の反応系内には、所望により塩基性化合物を加えてもよい。使用される塩基性化合物としては、前記反応式−3における一般式(6)の化合物から一般式(7)の化合物を導く反応において使用される塩基性化合物をいずれも使用できる。
一般式(12)の化合物の環化反応は、適当な溶媒中塩基性化合物の存在下に行われる。ここで使用される溶媒としては、反応に影響を与えないものであれば従来公知のものをいずれも使用でき、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、リグロイン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、DMF、DMSO、HMPA、NMP、DMI等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。また使用される塩基性化合物としては、金属ナトリウム、金属カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート類、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、N−ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキシド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキシド等の有機塩基等を例示できる。塩基性化合物の使用量としては、一般式(12)の化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。反応温度は通常0〜200℃、好ましくは室温〜150℃付近がよく、該反応は一般に0.5〜15時間程度にて終了する。
一般式(13)の化合物の加水分解反応には、通常の加水分解の反応条件をいずれも適用でき、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム等の塩基性化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、芳香族スルホン酸等の有機酸等の存在下、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸等の溶媒又はそれらの混合溶媒中にて行われる。該反応は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃付近にて進行し、一般に0.1〜30時間程度にて終了する。
斯くして一般式(14)の化合物が製造される。
反応式−4
Figure 0004305597
〔式中R、R、R及びRは前記に同じ。〕
一般式(15)の化合物には、上記反応式−3で得られる一般式(13)の化合物と一般式(14)の化合物とが含まれている。
一般式(15)の化合物と一般式(16)の化合物との反応において、両者の使用割合は特に限定がなく広い範囲から適宜選択できるが、通常前者に対して後者を少なくとも等モル程度、好ましくは等モル〜5倍モル程度使用するのがよい。該反応は不活性溶媒、具体的には水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類、ジメチルアセタミド、アセトニトリル、DMF、DMSO、HMPA、NMP等又はこれらの混合溶媒中で行われる。これらのうち、アセトニトリル、DMF、DMSO、HMPA及びNMPが好ましい。また反応は、脱酸剤、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機炭酸塩類、ピリジン、キノリン、トリエチルアミン等の有機塩基類等の存在下に行うこともできる。また弗化カリウム、塩化リチウム等のアルカリ金属ハロゲン化物や塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属ハロゲン化物等を反応系内に添加してもよい。該反応は通常1〜20気圧、好ましくは1〜10気圧の圧力下、室温〜250℃程度、好ましくは室温〜200℃の温度下にて行われ、一般に10分〜30時間程度で終了する。
RがC1−6アルキル基を示す一般式(1)の化合物の場合には、該化合物を加水分解することにより、対応するRが水素原子である化合物(1)の化合物に導くことができる。この加水分解は、前記反応式−3における化合物(13)の加水分解反応と同様の反応条件下に行われる。
上記各反応式で得られる化合物は、通常の分離手段により容易に単離することができる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、希釈法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラチブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
本発明によれば、抗菌剤として有用な前記一般式(1)で表されるベンゾヘテロ環誘導体を製造するための中間体である一般式(2)で表される弗素置換安息香酸を、多工程を必要とせず、1工程で、工業的規模にて、安価に、しかも簡便な操作で、高収率、高純度にて製造することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例及び参考例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
実施例1
2,3,4,6−テトラフルオロ安息香酸200mgをジエチルエーテル10mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、−10℃まで冷却した。そこへ、メチルマグネシウムブロマイド−ジエチルエーテル溶液(3モル/リットル)1.72mlを滴下した。滴下終了後、反応液を室温まで昇温し、そのまま17時間攪拌した。反応液を冷水約50mlにあけ、更に濃塩酸を反応液がpH1になるまで加えた。酢酸エチルで抽出し、分液した。有機層を分離し、その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、3,4,6−トリフルオロ−2−メチル安息香酸181mgを得た(収率:92%)。
純度:98%、mp:104.0〜105.0℃、白色粒状晶
実施例2
2,3,4,5−テトラフルオロ−6−メチル安息香酸1.04gのエタノール15ml溶液に水酸化カリウム840mg、ペンタエチレンヘキサミン232mg及び20%水酸化パラジウム200mgを加え、水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応液に水を加えてセライト濾過し、濾液をジエチルエーテルで洗浄した。水層を濃塩酸でpH1とし、ジクロロメタンにて抽出した。抽出液から溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)にて精製して、3,4,6−トリフルオロ−2−メチル安息香酸761mgを得た(収率:80%)。
純度:98%、mp:104.0〜105.0℃、白色粒状晶
参考例1
2−メチル−3,4,6−トリフルオロ安息香酸3.2gにチオニルクロリド7mlを加え、1時間加熱還流した。反応液を濃縮し、2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイルクロリド3.3gを得た。次に得られる2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイルクロリドにトルエン5mlを加えて、トルエン溶液を調製した。
別途、金属マグネシウム0.4gに無水エタノール0.9ml及び四塩化炭素2滴を加えた。反応が開始したら、この反応液に60℃以下でマロン酸ジエチル2.6ml、無水エタノール1.6ml及びトルエン6mlの混合液を滴下した。更に60℃で1時間撹伴し、エトキシマグネシウム マロン酸エチルエステルを調製した。
このエトキシマグネシウム マロン酸エチルエステルを含む溶液に、0℃以下で、上記で得られた2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイルクロリドのトルエン溶液を滴下し、30分攪拌後、濃硫酸0.4ml及び水6mlの混液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイルマロン酸ジエチル5.2gを得た。
参考例2
2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイルマロン酸ジエチル5.1gに水20ml及びp−トルエンスルホン酸30mgを加え、2.5時間加熱還流した。冷却後、ジエチルエーテルで抽出し、抽出液を硫酸マグネジウムで乾燥後、濃縮し、2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイル酢酸エチル3.3gを得た。
参考例3
2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイル酢酸エチル3.2gに、無水酢酸3.0g及びオルトギ酸エチル2.7gを加え、1時間加熱還流した。濃縮後、2−(2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイル)−3−エトキシアクリル酸エチル3.5gを得た。
参考例4
2−(2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイル)−3−エトキシアクリル酸エチル3.5gをエタノール25mlに溶解し、シクロプロピルアミン0.84mlを氷冷下滴下した。室温下、30分攪拌後、濃縮した。残渣をカラム(シリカゲル、ジクロロメタン:n−ヘキサン=1:1)で精製し、2−(2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイル)−3−シクロプロピルアミノアクリル酸エチル2.7gを得た。
参考例5
2−(2−メチル−3,4,6−トリフルオロベンゾイル)−3−シクロプロピルアミノアクリル酸エチル2.6gを無水ジオキサン26mlに溶解し、60%水素化ナトリウム0.38gを氷冷下少しずつ加えた。室温下、30分攪拌後、氷水にあけ、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加え、結晶を濾取した。エタノールより再結晶して1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチル2.0gを得た。
mp:185〜187℃
参考例6
1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチル1.9gに90%酢酸20ml及び濃塩酸5mlを加え、2時間還流した。冷却後、析出する結晶を濾取し、水洗、次いでエタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄し、1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸1.6gを得た。
mp:294〜298℃、無色針状晶
H−NMR(CFCOOD)δppm:
1.43〜1.55(2H,m)、
1.65〜1.81(2H,m)、
3.06(3H,d.J=2.8Hz)、
4.08〜4.20(1H,m)、
8.40(1H,dd,J=6.8Hz、10.3Hz)、
9.46(1H,s)
参考例7
1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸0.48gのN−メチル−2−ピロリドン5ml溶液に、2−メチルピペラジン0.65gを加え、90℃にて20分間加熱した。減圧下に溶媒を留去し、得られる残渣にエタノールを加えて結晶を濾取した後、酢酸エチル−エタノールより再結晶して、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(3−メチル−1−ピペラジニル)−5−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸231mgを得た。
mp:206〜208℃、白色粉末状
参考例8
1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−5−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル1.23g及び塩化リチウム254mgのアセトニトリル懸濁液に、2−メチルピペラジン1.00gを加え、4時間加熱還流した。反応液に温水24mlを加え、放冷し、結晶を析出させた。結晶を濾取し、水で洗浄した後、結晶をイソプロピルアルコール8ml及び1N−NaOH8mlに懸濁させ、50〜60℃で1時間攪拌した。イソプロピルアルコールを留去し、残渣に水40ml及び濃塩酸1.24mlを加え、ジクロロメタンにて洗浄した。水層を100℃で1時間加熱し、残存するジクロロメタンを留去した。水層を放冷後、炭酸水素ナトリウム1.04gを加え、60℃で1時間加熱攪拌して中和した。更に水層を放冷後、0℃で1時間攪拌し、結晶を濾取し、水で洗浄した後、80℃で16時間乾燥して、1.40gの1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(3−メチル−1−ピペラジニル)−5−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸を得た。
mp:206〜208℃、白色粉末状

Claims (17)

  1. 一般式(3)
    Figure 0004305597
    〔式中、R1はハロゲン原子を示す。〕
    で表される弗素置換安息香酸をアルキル化することを特徴とする一般式(2)
    Figure 0004305597
    〔式中、R1は前記に同じ。R2はC1-6アルキル基を示す。〕
    で表される弗素置換安息香酸の製造法。
  2. アルキル化に用いられるアルキル化剤が、一般式(5)
    2
    〔式中、R2は前記に同じ。Mは基−MgX(Xはハロゲン原子)、リチウム金属又は基ZnX(Xは前記に同じ)を示す。〕
    で表される化合物である請求項1に記載の方法。
  3. アルキル化剤が、一般式
    2MgX
    〔式中、R2及びXは前記に同じ。〕
    で表される化合物である請求項2に記載の方法。
  4. 一般式(5)で表される化合物におけるR2がメチル基である請求項2に記載の方法。
  5. アルキル化剤の使用量が、一般式(3)で表される弗素置換安息香酸に対して少なくとも等モルである請求項2に記載の方法。
  6. アルキル化剤の使用量が、一般式(3)で表される弗素置換安息香酸に対して等モル〜5倍モルである請求項2に記載の方法。
  7. 一般式(3)におけるR1が弗素原子、塩素原子又は臭素原子である請求項1に記載の方法。
  8. 一般式(3)におけるR1が弗素原子又は臭素原子である請求項1に記載の方法。
  9. 反応温度が−30〜150℃である請求項1に記載の方法。
  10. 反応温度が−10〜70℃である請求項1に記載の方法。
  11. 一般式(4)
    Figure 0004305597
    〔式中、R1弗素原子を示す。R2はC1-6アルキル基を示す。〕
    で表される弗素置換安息香酸を、塩基性化合物の存在下、接触還元触媒を用いて還元することを特徴とする一般式(2)
    Figure 0004305597
    〔式中、Rl及びR2は前記に同じ。〕
    で表される弗素置換安息香酸の製造法。
  12. 接触還元触媒が、パラジウム、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム、水酸化パラジウム−炭素、ロジウム−炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅及びラネーニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項11に記載の方法。
  13. 接触還元触媒が水酸化パラジウムである請求項11に記載の方法。
  14. 接触還元触媒の使用量が、一般式(4)で表される弗素置換安息香酸に対して0.02倍重量〜等重量である請求項11に記載の方法。
  15. 接触還元の際の水素圧が1〜10気圧である請求項11項に記載の方法。
  16. 接触還元を−20〜100℃で行う請求項11に記載の方法。
  17. 接触還元を0℃〜室温で行う請求項11に記載の方法。
JP2000570137A 1998-09-14 1999-09-09 弗素置換安息香酸の製造法 Expired - Fee Related JP4305597B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25995798 1998-09-14
PCT/JP1999/004923 WO2000015596A1 (fr) 1998-09-14 1999-09-09 Procede de preparation d'acides benzoiques fluores

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP4305597B2 true JP4305597B2 (ja) 2009-07-29

Family

ID=17341280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000570137A Expired - Fee Related JP4305597B2 (ja) 1998-09-14 1999-09-09 弗素置換安息香酸の製造法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6333431B1 (ja)
EP (1) EP1114812B1 (ja)
JP (1) JP4305597B2 (ja)
AT (1) ATE365152T1 (ja)
DE (1) DE69936350T2 (ja)
WO (1) WO2000015596A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003002863A (ja) * 2001-06-25 2003-01-08 Nippon Soda Co Ltd 安息香酸類の製造方法および新規化合物
US7538060B2 (en) * 2007-02-14 2009-05-26 Eastman Chemical Company Palladium-copper chromite hydrogenation catalysts
JP2013519715A (ja) * 2010-02-19 2013-05-30 センター ナショナル デ ラ リシェルシェ サイエンティフィック 少なくとも1つの電子求引性基を有する芳香族カルボン酸誘導体の芳香族求核置換による目的の化学化合物の調製方法
FR2961204A1 (fr) * 2010-06-11 2011-12-16 Centre Nat Rech Scient Procede de substitution nucleophile aromatique a partir d'acides difluorobenzoiques
EP2536683A1 (fr) * 2010-02-19 2012-12-26 Centre National De La Recherche Scientifique Procédé de préparation de composés chimiques d'intérêt par substitution nucléophile aromatique
CN115611764A (zh) * 2022-06-16 2023-01-17 台州学院 一种多氟芳烃的邻位选择性c-f键活化官能化反应方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0060617A1 (en) * 1981-03-18 1982-09-22 Imperial Chemical Industries Plc Fluorobenzyl cyclopropane carboxylates, their preparation, compositions and use as insecticides
JPS6136244A (ja) * 1984-07-30 1986-02-20 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd 2,4,6−トリフルオロ安息香酸の製造方法
DE3705410A1 (de) * 1987-02-20 1988-09-01 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von 2,3,5,6-tetrafluorbenzoesaeure
US5563138A (en) * 1987-04-16 1996-10-08 Otsuka Pharmaceutical Company, Limited Benzoheterocyclic compounds
US5290934A (en) * 1987-04-16 1994-03-01 Otsuka Pharmaceutical Company, Limited Benzoheterocyclic compounds
US4920120A (en) * 1988-01-25 1990-04-24 Warner-Lambert Company Antibacterial agents
US5585491A (en) * 1988-01-25 1996-12-17 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Antibacterial agents
DE19850788A1 (de) * 1998-11-04 2000-05-11 Clariant Gmbh Verfahren zur Herstellung von Trifluorbenzoesäuren

Also Published As

Publication number Publication date
EP1114812A1 (en) 2001-07-11
WO2000015596A1 (fr) 2000-03-23
EP1114812A4 (en) 2005-05-04
ATE365152T1 (de) 2007-07-15
US6333431B1 (en) 2001-12-25
EP1114812B1 (en) 2007-06-20
DE69936350T2 (de) 2008-02-28
DE69936350D1 (de) 2007-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0230295B1 (en) 8-alkoxyquinolonecarboxylic acid and salts thereof excellent in the selective toxicity and process of preparing the same
EP0191185B1 (en) Quinoline-carboxylic acid derivatives
CA1216849A (en) Quinolone acids, processes for their preparation and antibacterial agents containing these compounds
JP4305597B2 (ja) 弗素置換安息香酸の製造法
JPH0784423B2 (ja) 3−アミノ−2−置換ベンゾイルアクリル酸誘導体
HU204512B (en) New process for producing quinoline-carboxylic acid derivatives
US5650514A (en) 3-substituted quinoline-5-carboxylic acid derivatives and processes for their preparation
EP0216245B1 (en) Quinolonecarboxylic acid derivatives and process for their preparation
JP3810858B2 (ja) 4−トリフルオロメチルニコチン酸の製造方法
HU208529B (en) Process for producing intermediates for quinolone-carboxylic acid
JP2000119221A (ja) (2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾイル)酢酸エステル誘導体の製造方法及びその製造中間体
JP2598737B2 (ja) 選択毒性に優れた8−アルコキシキノロンカルボン酸およびその塩並びにその製造方法
KR100843125B1 (ko) 베타-케토에스테르 화합물의 제조방법
JP2716952B2 (ja) 8−メトキシキノロンカルボン酸誘導体の製造中間体
KR0119280B1 (ko) 신규한 5-메틸퀴놀론계 항생제의 중간체 및 이의 제조방법
JPH0143743B2 (ja)
JP2556330B2 (ja) アニソ−ル誘導体並びにその製造方法
JP2698339B2 (ja) 8−メトキシキノロンカルボン酸誘導体の製造中間体
KR900007627B1 (ko) 4-옥소퀴놀린 카복실산 유도체의 제조방법
JP2594017B2 (ja) 8−メトキシキノロンカルボン酸誘導体の製造中間体
KR930011037B1 (ko) 퀴놀린 카르본산 유도체의 제조방법
KR930000439B1 (ko) 퀴놀론 유도체의 제조방법
AU2019260015A1 (en) Process for the hydrolysis of quinolone carboxylic esters
JPH089598B2 (ja) 4―オキソ―3―キノリンカルボン酸アリルエステル類
JPH05194336A (ja) アミノアクリル酸誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090401

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160515

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees