JP4305572B2 - 含フッ素ノボラック型樹脂、フッ素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤組成物および樹脂組成物 - Google Patents

含フッ素ノボラック型樹脂、フッ素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤組成物および樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素系界面活性剤(以下において、「フッ素系界面活性剤」との記載は、狭義のフッ素系界面活性剤と共にフッ素系表面改質剤などをも含む広義のフッ素系界面活性剤を意味する。)として好適に使用できる新規な含フッ素ノボラック型樹脂、前記含フッ素ノボラック型樹脂からなるフッ素系界面活性剤、前記含フッ素ノボラック型樹脂を含有するフッ素系界面活性剤組成物、および、前記含フッ素ノボラック型樹脂と有機溶剤と硬化型樹脂を含有する樹脂組成物に関する。
フッ素系界面活性剤は主に添加剤として使用され、レベリング性、濡れ性、浸透性、ブロッキング防止性、撥水撥油性、防汚性などの機能を有する(例えば、特許文献1参照。)。このようなフッ素系界面活性剤が添加された材料は、その後の加工の工程中または加工後の製品の使用時において、加熱、加湿、酸・アルカリなどの薬品による暴露によって、分解反応を生じると、分解物の揮発による製造ラインへの汚染、表面特性の変化、ブロッキング防止性の低下、撥水撥油性の低下、防汚性の低下が生じる。
特開平02−041308号公報
上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、フッ素系界面活性剤として添加された場合に、添加された材料が、その後の加工の工程中または加工後の製品の使用時において、加熱、加湿、酸・アルカリなどの薬品による暴露を受けた場合においても好適に性能を発揮することができる、耐熱性、耐薬品性などにも優れた新規な含フッ素ノボラック型樹脂、前記含フッ素ノボラック型樹脂からなるフッ素系界面活性剤、前記含フッ素ノボラック型樹脂を含有するフッ素系界面活性剤組成物、および、前記含フッ素ノボラック型樹脂と有機溶剤と硬化型樹脂を含有する樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、新規な含フッ素ノボラック型樹脂をフッ素界面活性剤として利用することによって、上記課題を解決が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)
Figure 0004305572
(式中、Rはフッ素化アルキル基含有置換基を示し、R'は水素原子またはメチル基を示し、R''は水素原子または非フッ素化置換基を示し、−X−は上記に示す連結基4種類のうちの何れかを示し、−X'は上記に示す置換基3種類のうちの何れかを示す。また、nは0または1以上の整数を示し、mは1以上の整数を示す。ただし、n+mは2以上の整数である。)
で表される含フッ素ノボラック型樹脂〔以下、含フッ素ノボラック型樹脂(I)という。〕を提供するものである。
また、本発明は、前記一般式(I)で表される含フッ素ノボラック型樹脂(I)に含有する水酸基の一部または全部の水素原子について、下記一般式(II)
Figure 0004305572
(式中、R'は水素原子またはメチル基を示し、Aは炭素原子数2〜5の炭化水素基、エチレン単位数2〜4のエチレンオキシド鎖、プロピレン単位数2〜4のプロピレンオキシド鎖の何れかである2〜4価の連結基を示す。また、fは1〜3の整数を示す。)
の構造に置き換えた構造を有する(メタ)アクリロイル基含有の含フッ素ノボラック型樹脂〔以下、含フッ素ノボラック型樹脂(II)という。〕を提供するものである。
さらに、本発明は、前記した含フッ素ノボラック型樹脂からなることを特徴とするフッ素系界面活性剤、前記した含フッ素ノボラック型樹脂を含有することを特徴とするフッ素系界面活性剤組成物、および、前記した含フッ素ノボラック型樹脂と有機溶剤と硬化型樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物をも提供するものである。
本発明による新規な含フッ素ノボラック型樹脂は、レベリング性、濡れ性、浸透性、ブロッキング防止性、撥水撥油性、防汚性を有すると共に、優れた耐熱性と耐薬品性を有するフッ素系界面活性剤を提供することができる。
また、本発明の含フッ素ノボラック型樹脂の中の含フッ素ノボラック型樹脂(I)は、ノボラック骨格を有することで、ノボラック型フェノール樹脂やノボラック型エポキシ樹脂に対する相溶性が向上し、その他の芳香族系の骨格を持つフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂等に対しての相溶性にも優れる。さらに、フェノール性水酸基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基を持つものは、その反応性を利用することもできる。例えば、X'が水素原子であるフェノール性水酸基を持つものは、ノボラック型フェノール樹脂系フォトレジストに添加することで、ノボラック型フェノール樹脂と同様の骨格を有することによって現像性を改善することが可能となる。また、X'が水素原子であるフェノール性水酸基を持つものは、エポキシ−フェノール硬化システムにおいて硬化樹脂中に結合させることもでき、X'にエポキシ基を持つものは、各種のエポキシ硬化システムに添加することで硬化樹脂中に結合させることができ、X'に(メタ)アクリロイル基を有するものは、紫外線硬化システムに添加することで硬化樹脂中に結合させることができ、何れの場合においても、硬化樹脂との結合によって硬化後の撥水撥油性や防汚性の耐久維持を大幅に向上させることができる。また、硬化反応性基を有するものについては、添加剤としてではなく主剤樹脂として使用しても効果を発揮させることが可能である。
さらに、本発明の含フッ素ノボラック型樹脂の中の含フッ素ノボラック型樹脂(II)は、硬化反応性の(メタ)アクリロイル基を有することから、紫外線硬化システムや加熱重合硬化といったラジカル重合硬化システムに添加することによって硬化樹脂中に結合させることができ、硬化樹脂との結合によって硬化後の撥水撥油性や防汚性の耐久維持、耐薬品性を大幅に向上させることができる。また、硬化反応性基を有することから、添加剤としてではなく主剤樹脂として使用しても効果を発揮させることが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明による含フッ素ノボラック型樹脂は、前記一般式(I)で表される構造を有する含フッ素ノボラック型樹脂(I)と、前記含フッ素ノボラック型樹脂(I)に含有する水酸基の一部または全部の水素原子について、上記一般式(II)の構造に置き換えた構造を有する(メタ)アクリロイル基含有の含フッ素ノボラック型樹脂(II)である。
前記一般式(I)において、Rはフッ素化アルキル基を含有する種々の置換基が可能であり、例えば、エーテルなどの官能基を含有するものも含む。これらのRの具体例としては、下記の構造を挙げることができる。なお、前記含フッ素ノボラック型樹脂(I)の中では、飽和結合のみで構成されているフッ素化アルキル基含有置換基、即ち、不飽和結合を含まないフッ素化アルキル基含有置換基が好ましい。
Figure 0004305572
Figure 0004305572
Figure 0004305572
Rとしては、1種類だけを用いても良いし、構造が異なる2種類以上の化合物の混合物として使用しても良い。Rとしては、レベリング性、各種樹脂への相溶性、環境への安全性のバランスの点から、フッ素化アルキル基の炭素原子数が6個のものや、炭素原子数4個以下のフッ素化アルキル基をエーテル結合で複数連結した構造を有するものが好ましく、その中でも撥水撥油性と防汚性が優れる点からCF基を有するものが特に好ましい。R'は水素原子またはメチル基の何れかを示す。R''は水素原子または非フッ素化置換基を示し、非フッ素化置換基についてはフッ素を含有していなければ、種々の置換基が可能であり、例えば、オレフィン、芳香環、エーテルなどの官能基を含有するものも含む。R''の具体例としては、下記の構造を挙げることができる。なお、下記具体例中のaは、1〜4の整数、b、c、dはそれぞれ独立に1〜20の繰り返し単位数を表す。
Figure 0004305572
前記一般式(I)において、Xは酸素原子、硫黄原子、エステル基、非フッ素化置換基含有イミノ基の何れかを示す。エステル基の結合位置については、RまたはR''とカルボキシル基が結合する位置となる。
前記Xについては、耐熱性と耐薬品性の点で酸素原子または硫黄原子であることが好ましく、酸素原子であることが特に好ましい。前記、X'は水素原子、グリシジル基、グリシジル基に非フッ素化活性水素化合物(R''−X−H)が付加した構造の何れかを示す。
なお、前記含フッ素ノボラック型樹脂(I)の中では、X’については、半導体用または液晶ディスプレイ用フォトレジスト液等のフェノール樹脂系組成物に対する相溶性や現像性に優れる点、および、エポキシ基との硬化反応性を有する点では、水素原子であることが好ましい。また、X’については、フェノール樹脂や酸含有アクリル樹脂等の活性水素との硬化反応性を有する点では、グリシジル基であることが好ましい。更に、X’については、紫外線硬化性を有する点では、R''が−CH=CHまたは−C(CH)=CHであり、かつ、Xがエステル基である組み合わせが好ましく、なかでもR''が−CH=CHであることが特に好ましい。また、X’については、極性が高く、イソシアネートとの反応性も有する水酸基を多く含有する点では、R''が水素原子、かつ、Xが酸素原子である組み合わせであることが好ましい。また、X’については、広範な樹脂への相溶性を有するという点では、R''に−CHCHO−、または、−CH(CH)CHO−の繰り返し単位構造を含有することが好ましい。
さらに、前記含フッ素ノボラック型樹脂(II)の中では、X’については、耐熱性と耐薬品性の点で水素原子以外であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物との反応点となる水酸基を多く含有することによって硬化性の向上や硬化後の硬度を高くすることができる点で、X'がグリシジル基に非フッ素化活性水素化合物(R''−X−H)が付加した構造、かつ、R''が水素原子、かつ、Xが酸素原子である組み合わせであることが特に好ましい。
前記一般式(I)において、nは0または1以上の整数を示し、mは1以上の整数を示し、ただしn+mは2以上の整数である。本発明は、フッ素化アルキル基を最低1つ以上持つ化合物であることから、mは1以上である。また、nとmは、分子中に存在する該構成成分の個数を表しており、該構成成分の結合する順序は限定されるものではない。
前記一般式(I)におけるnとmの比率については特に限定的ではなく、この比率を調節することによって、レベリング性、撥水撥油性、防汚性、添加する系への相溶性などの特性を適宜調節することができる。また、n+mが大きくなるほど、ノボラック骨格の長さが増大して分子量が大きくなり、これによってもレベリング性や添加する系への相溶性などの特性を適宜調節することができる。
前記一般式(I)におけるノボラック型の骨格構造については、n+mは2以上の整数であり、ベンゼン核とメチレン基が交互に結合したノボラック骨格の構造を有す。ノボラック骨格において、メチレン基と結合するベンゼン核の位置は、酸素原子が結合したベンゼン核の位置から見て2ヶ所あるオルト位と1ヶ所あるパラ位の位置が主体であり、よって、R'がメチル基でない場合は、一つのベンゼン核に対して3つのメチレン基が結合可能となり、R'がメチル基の場合であってもメチル基が前記ベンゼン核のメタ位に結合している構造の場合については、一つのベンゼン核に対して3つのメチレン基が結合可能となり、メチル基が前記ベンゼン核のオルト位またはパラ位に結合している構造の場合は、一つのベンゼン核に対して2つのメチレン基が結合可能となる。また、R'が何れの場合においても、ベンゼン核には少なくとも1つのメチレン基が結合する構造を有しており、一つだけメチレン基が結合したベンゼン核は、ノボラック骨格の末端核となる。
前記一般式(II)において、R'は水素原子またはメチル基を示す。
R’については、紫外線硬化性が優れる点で水素原子であることが好ましい。
前記一般式(II)において、Aは炭素原子数2〜5の炭化水素基、エチレン単位数2〜4のエチレンオキシド鎖、プロピレン単位数2〜4のプロピレンオキシド鎖の何れかである2〜4価の連結基を示す。Aが2〜4価であることから、fは1〜3の整数を示す。
Aについては、硬化後の硬度と防汚性のバランスの点で、1,2−エチレン基であることが好ましい。
Aが炭素原子数2〜5の炭化水素基である場合の具体例としては、下記の構造を挙げることができる。
Figure 0004305572
Aがエチレン単位数2〜4のエチレンオキシド鎖である場合の具体例としては、下記の構造を挙げることができる。
Figure 0004305572
Aがプロピレン単位数2〜4のプロピレンオキシド鎖である場合の具体例としては、下記の構造を挙げることができる。
Figure 0004305572
本発明の含フッ素ノボラック型樹脂の合成方法は限定されるものではないが、好適な方法を例示する。
まず、フェノールまたはクレゾールとホルムアルデヒドを酸性条件下で反応させることによってフェノールノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂が容易に得られる。この両方に対して、以後、略してノボラック型フェノール樹脂と呼ぶ。ノボラック型フェノール樹脂の構造を次に示す(下記構造式中のR'は水素原子またはメチル基を示し、eは0または1以上の整数を示す。)
Figure 0004305572
X'が水素原子の含フッ素ノボラック型樹脂の合成方法としては、得られたノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基の一部に対しフッ素化アルキル基含有グリシジル化合物のエポキシ基を付加反応させることで合成することができる。
また、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基の全部に対しフッ素化アルキル基含有グリシジル化合物のエポキシ基を付加反応させることで、n=0の含フッ素ノボラック型樹脂を合成することができる。この反応は、通常は溶媒を使用し触媒の存在下加熱することで進行する。触媒としては、アルカリ金属塩類または水酸化物、アンモニウム塩類またはその水酸化物、アミン類、ホスホニウム塩類またはその水酸化物、ホスフィン類等が挙げられる。フッ素化アルキル基含有グリシジル化合物としては、制限されるものではないが、具体的に例示すると、次のものが挙げられる。
Figure 0004305572
一般式(I)において、X'がグリシジル基の含フッ素ノボラック型樹脂の合成方法としては、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基に対して過剰量のエピクロルヒドリンを付加および脱塩化水素による閉環反応をさせることによってノボラック型エポキシ樹脂を得てから、得られたエポキシ樹脂のエポキシ基の一部にフッ素化アルキル基含有活性水素化合物を付加反応させることで、X'がグリシジル基の含フッ素ノボラック型樹脂を合成することができる。ノボラック型エポキシ樹脂の構造を次に示す(下記構造式中のR'は水素原子またはメチル基を示し、eは0または1以上の整数を示す。)
Figure 0004305572
このほかに、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基の一部に対しフッ素化アルキル基含有グリシジル化合物のグリシジル基を付加反応させ、残りのフェノール性水酸基に対して過剰量のエピクロルヒドリンを付加および脱塩化水素による閉環反応をさせることによってもX'がグリシジル基の含フッ素ノボラック型樹脂を合成することができる。
また、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の全部に対しフッ素化アルキル基含有活性水素化合物を付加反応させることで、一般式(I)中のn=0の含フッ素ノボラック型樹脂を合成することができる。
フッ素化アルキル基含有活性水素化合物としては、含フッ素アルコール類、含フッ素フェノール類、含フッ素チオール類、含フッ素カルボン酸類、含フッ素アミン類の何れかであり、この中であれば制限されるものではないが、具体的に例示すると、次のものが挙げられる。
Figure 0004305572
X'がグリシジル基に非フッ素化活性水素化合物が付加した構造の含フッ素ノボラック型樹脂の合成方法としては、ノボラック型フェノール樹脂にフッ素化アルキル基含有グリシジル化合物と非フッ素化グリシジル化合物の両方ともにそのエポキシ基をフェノール性水酸基のすべてに対して付加反応させることで得られる。
非フッ素化グリシジル化合物としては、制限されるものではないが、具体的に例示すると、次のものが挙げられる。
Figure 0004305572
Figure 0004305572
また、フェノール性水酸基の一部を反応させずに残存させれば、X'がグリシジル基に非フッ素化活性水素化合物が付加した構造と水素原子である構造の両方の構造を有す含フッ素ノボラック型樹脂を得ることができる。
X'がグリシジル基に非フッ素化活性水素化合物が付加した構造の含フッ素ノボラック型樹脂の合成方法としては、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基に対し、フッ素アルキル基含有活性水素化合物と非フッ素化活性水素化合物の両方ともにその活性水素をエポキシ基のすべてに対して付加反応させることでも得られる。
非フッ素化活性水素化合物としては、アルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、アミン類の何れかであり、この中であれば制限されるものではないが、具体的に例示すると、次のものが挙げられる。
Figure 0004305572
また、エポキシ基の一部を反応させずに残存させれば、X'がグリシジル基に非フッ素化活性水素化合物が付加した構造とグリシジル基である構造の両方の構造を有す含フッ素ノボラック型樹脂を得ることができる。
以上のすべての合成方法において、適宜、溶媒を使用してもよい。溶媒としては、特に限定されるものではないが、ケトン類、エステル類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、アルコール類、炭化水素類が例示され、具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルセロソルブ、トルエン、キシレン等が例示される。これらは、沸点や反応性を考慮して適宜選択される。
以上のとおり得られた含フッ素ノボラック型樹脂(I)に対し、含有する水酸基の一部または全部に対して、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物のイソシアネート基を付加反応させることによって、本発明の新規な(メタ)アクリロイル基含有の含フッ素ノボラック型樹脂(II)を合成することができる。
(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物としては、1つのイソシアネート基と1〜3個の(メタ)アクリレート基を2〜4価の連結基で連結した構造の化合物であり、連結基としては、炭素原子数2〜5の炭化水素基、エチレン単位数2〜4のエチレンオキシド鎖、プロピレン単位数2〜4のプロピレンオキシド鎖の何れかである。
(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物としては、上記の範囲内で制限されるものではないが、具体的に例示すると、次のものが挙げられる。
Figure 0004305572
含フッ素ノボラック型樹脂(I)と(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物の反応条件については、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル等の存在下、無触媒または触媒としてジブチルスズジラウレート等を使用して、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物を滴下しながら反応させる。
含フッ素ノボラック型樹脂(I)と(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物の反応において、適宜、溶媒を使用してもよい。溶媒としては、イソシアネート基との反応性を有する水酸基を含有しない溶媒が好ましく、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭化水素類が例示され、具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン等が例示される。これらは、沸点や反応性を考慮して適宜選択される。
アクリロイル基の導入量としては、導入量を多くしたい場合は、水酸基量の多い含フッ素ノボラック型樹脂を用いたり、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と反応させる水酸基の量を多くすればよく、導入量を少なくしたい場合は、水酸基量の少ない含フッ素ノボラック型樹脂(I)を用いたり、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と反応させる水酸基の量を少なくすればよく、適宜調節することができる。
以上の合成方法においては、何れの場合も、反応成分として2種類以上を一段階もしくは多段階的に適宜併用してもよく、反応成分のモル比は生成物の用途等に応じて適宜選択すればよい。
例えば、前記含フッ素ノボラック型樹脂(I)をフェノール樹脂やエポキシ樹脂を含む配合物に対し添加する場合や、前記含フッ素ノボラック型樹脂(II)を紫外線硬化型樹脂配合物に対し添加する場合、相溶性が不充分であれば、Rを相溶性の良い構造に変えたり、Rを含有する成分の導入量を少なくすればよく、逆に相溶性は充分であるが撥水撥油性や防汚性が不足する場合は、Rを撥水撥油性や防汚性が向上する構造に変えたり、Rを含有する成分の導入量を多くすればよい。また、相溶性を改善するためには、X'の部分に導入する構造と導入量を変化させることでも対応が可能となる。
この他、前記含フッ素ノボラック型樹脂(I)の合成では、X'の部分を水素原子とすれば、フェノール性水酸基を有し、X'の部分をグリシジル基とすればエポキシ基を有し、さらにX'の部分に(メタ)アクリロイル基を導入することも可能であり、何れの場合もその反応性を利用して、反応性添加剤として使用することも可能となる。また、前記含フッ素ノボラック型樹脂(II)の合成で、(メタ)アクリロイル基の硬化性や硬化後の硬度を調節するためには、(メタ)アクリロイル基の種類や導入量を調節することや、X'の部分に導入する構造と導入量を変化させることでも対応が可能となる。例えば、硬化性や硬度を上げたい場合は、アクリロイル基を選択すること、または(メタ)アクリロイル基の導入量を増やすことで対応可能となる。
本発明の含フッ素ノボラック型樹脂(I)について、構造の具体例としては、制限されるものではないが、具体的に例示すると、次のものが挙げられる。
Figure 0004305572
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本発明の含フッ素ノボラック型樹脂(II)について、構造の具体例としては、制限されるものではないが、具体的に例示すると、次のものが挙げられる。
Figure 0004305572
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Figure 0004305572
Figure 0004305572
本発明の含フッ素ノボラック型樹脂は、そのままフッ素系界面活性剤として使用可能であるが、目的に応じて、各種成分と混合したフッ素系界面活性剤組成物として使用することもできる。このようなフッ素系界面活性剤組成物としては、例えば、予め有機溶剤に溶解させてなるフッ素系界面活性剤溶液、さらには、含フッ素ノボラック型樹脂と、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油樹脂、フッ素樹脂、紫外線硬化型樹脂等の各種樹脂、アクリル樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリエチレン、カーボン、酸化チタン、アルミナ、銅、シリカ微粒子等の各種の有機又は無機粒子、重合開始剤、重合禁止剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、防錆剤、スリップ剤、ワックス、艶調整剤、離型剤、相溶化剤、導電調整剤、顔料、染料、分散剤、分散安定剤、シリコーン系、フッ素系または炭化水素系界面活性剤等の公知の各種添加剤等を併用した各種の組成物等が挙げられる。
前記組成物中における本発明の含フッ素ノボラック型樹脂の含有量は、レベリング性、撥水撥油性、防汚性の点、および、組成物の硬化または乾燥後の硬度や透明性に障害の少ない点で、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることが特に好ましい。
前記組成物の中でも、本発明の含フッ素ノボラック型樹脂を有機溶剤に溶解させてなるフッ素系界面活性剤溶液は、流動性が良好な液体として取り扱うことが可能となり、取り扱いが容易であることから好ましい。また、本発明の含フッ素ノボラック型樹脂と有機溶剤と硬化型樹脂を含有する樹脂組成物は、塗工後に溶剤を揮発させ、なおかつ、硬化させることによって、強度に優れる塗膜が形成できることから好ましい。なかでも、硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂であると、紫外線により短時間での硬化が可能となることから特に好ましい。
前記フッ素系界面活性剤溶液や前記樹脂組成物で用いる有機溶剤としては、例えば、ケトン類、エステル類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、アルコール類、炭化水素類等が挙げられ、なかでも溶解性と揮発性に優れることから、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルセロソルブ、トルエン、キシレンが好ましい。
前記樹脂組成物で用いる紫外線硬化型樹脂としては、紫外線の照射により硬化する樹脂であればよく、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、アクリル(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられ、なかでも紫外線での硬化性が良好なことから、アクリレートモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレートモノマー、アクリルアミドモノマー、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂が好ましい。また、前記樹脂組成物で用いる熱硬化型樹脂としては、加熱または混合により硬化する樹脂であればよく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイソシアネート樹脂等が挙げられ、なかでもエポキシ基、フェノール性水酸基、(メタ)アクリレート基の何れかの反応性基との反応性が同類であることから、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
前記含フッ素ノボラック型樹脂と有機溶剤と紫外線硬化型樹脂を含有する樹脂組成物の好ましい用途としては、例えば、ハードコート表面の防汚性に優れることから、液晶ディスプレイの偏光板のハードコート用紫外線硬化型樹脂組成物として用いる用途や、耐熱性に優れ、230℃×30分といった高温での処理においても表面の撥液性が低下したり、熱分解揮発物によって他の部位や製造ラインが汚染されることがないことから、液晶ディスプレイ用カラーフィルターの製造で用いるブラックマトリックス用や赤・緑・青の各色用の紫外線硬化型レジストとして用いる用途等が挙げられる。
以下に本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明する。尚、実施例中の「部」及び「%」は特に断りのない限り、重量基準である。
実施例1
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が6のフェノールノボラック樹脂68部、フッ素化アルキル基含有グリシジル化合物:
Figure 0004305572
を32部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート233部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒として塩化テトラメチルアンモニウム50%水溶液1.2部を添加後、140℃に昇温して10時間ホールドすることで反応を行い、化合物(A−1)100部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液334部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、150℃×30分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−1)100部を得た。
得られた化合物(A−1)をスペクトル分析した結果、IRスペクトルでOH基が3400cm−1、ベンゼン環が1400〜1650cm−1、CF基が1100〜1250cm−1にピークが検出された。また、13C−NMRスペクトル(270MHz)にて、a:150.9〜156.7ppm、b(未置換オルト位):115.0〜116.1ppm、b(未置換パラ位):119.9〜121.1ppm、b(メチレン置換オルト位、メタ位、メチレン置換パラ位):127.5〜134.9ppm、c(オルト位−オルト位):28.9〜30.8ppm、c(オルト位−パラ位):35.3〜35.8ppm、c(パラ位−パラ位):40.6〜40.7ppm、d:69.6〜70.0ppm、e:69.6〜70.0ppm、f:72.8ppm、g:63.6ppm、h:31.4〜32.0ppm、i:106.0〜122.3ppmにピークが検出された。帰属ピークの炭素原子の位置は次のとおりである。
Figure 0004305572
実施例2
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が7のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂70部、フッ素化アルキル基含有チオール化合物:
Figure 0004305572
を30部、溶媒としてメチルイソブチルケトン100部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒としてトリフェニルホスフィン0.1部を添加後、117℃に昇温して15時間ホールドすることで反応を行い、化合物(A−2)100部のメチルイソブチルケトン溶液200部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、150℃×30分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−2)100部を得た。
得られた化合物(A−2)をスペクトル分析した結果、IRスペクトルでエポキシ基が910cm−1、OH基が3450cm−1、ベンゼン環が1400〜1650cm−1、CF基が1100〜1250cm−1にピークが検出された。また、13C−NMRスペクトル(270MHz)にて、a:153.1〜155.0ppm、b(未置換オルト位):111.0ppm、b(メチル置換オルト位、メチレン置換オルト位、メタ位、パラ位):124.0〜137.0ppm、c(オルト位−オルト位):29.8ppm、c(オルト位−パラ位):35.0〜35.8ppm、c(パラ位−パラ位):40.1〜40.5ppm、d:16.1〜16.9ppm、e:68.6,73.3ppm、f:50.4ppm、g:44.3ppm、h:74.5ppm、i:69.3〜70.3ppm、j:69.3〜70.3ppm、k:23.4ppm、l:31.7〜32.3ppm、m:105.7〜121.9ppmにピークが検出された。帰属ピークの炭素原子の位置は次のとおりである。
Figure 0004305572
実施例3
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が7のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂65部、フッ素化アルキル基含有チオール化合物:
Figure 0004305572
を35部、溶媒としてメチルイソブチルケトン67部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒として塩化テトラブチルホスホニウム80%水溶液0.006部を添加後、110℃に昇温して8時間ホールドすることで反応を行い、次いで、窒素気流を停止し、アクリル酸20部、触媒としてトリフェニルホスフィン0.83部、重合禁止剤としてハイドロキノン0.08部、溶媒としてメチルイソブチルケトン40部を添加し、110℃で30時間ホールドし、化合物(A−3)120部のメチルイソブチルケトン溶液228部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、100℃×60分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−3)120部を得た。
得られた化合物(A−3)をスペクトル分析した結果、IRスペクトルでアクリロイル基が810,1410,1650cm−1、エステル基が1720cm−1、OH基が3450cm−1、ベンゼン環が1400〜1650cm−1、CF基が1100〜1250cm−1にピークが検出された。13C−NMRスペクトル(270MHz)にて、a:152.8〜154.6ppm、b(未置換オルト位):111.0ppm、b(メチル置換オルト位、メチレン置換オルト位、メタ位、パラ位):124.2〜137.2ppm、c(オルト位−オルト位):29.6ppm、c(オルト位−パラ位):35.2〜35.9ppm、c(パラ位−パラ位):40.4ppm、d:16.2〜17.0ppm、e:68.5〜69.4ppm、f:65.3〜65.6ppm、g:65.3〜65.6ppm、h:165.2〜166.1ppm、i:129.8ppm、j:131.3ppm、k:74.6ppm、l:69.4〜70.5ppm、m:69.4〜70.5ppm、n:23.5ppm、o:31.8〜32.4ppm、p:105.7〜121.9ppmにピークが検出された。帰属ピークの炭素原子の位置は次のとおりである。
Figure 0004305572
実施例4
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が7のo−クレゾールノボラック樹脂36部、フッ素化アルキル基含有グリシジル化合物:
Figure 0004305572
を64部、溶媒としてシクロヘキサノン100部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒として水酸化テトラブチルホスホニウム40%水溶液0.25部を添加後、150℃に昇温して10時間ホールドすることで反応を行い、次いで、窒素気流を停止し、グリシジルメタクリレート69部、触媒として水酸化テトラブチルホスホニウム40%水溶液0.42部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.02部を添加し、130℃で5時間ホールドし、化合物(A−4)121部とグリシジルメタクリレート48部の混合物のシクロヘキサノン溶液269部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、100℃×60分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−4)121部を得た。
得られた化合物(A−4)をスペクトル分析した結果、IRスペクトルでメタクリロイル基が810,1640cm−1、エステル基が1720cm−1、OH基が3450cm−1、ベンゼン環が1400〜1500cm−1、CF基が1100〜1250cm−1にピークが検出された。また、13C−NMRスペクトル(270MHz)にて、a:153.0〜155.0ppm、b(未置換オルト位):111.0ppm、b(メチル置換オルト位、メチレン置換オルト位、メタ位、パラ位):125.5〜136.6ppm、c(オルト位−オルト位):29.6ppm、c(オルト位−パラ位):35.0〜36.0ppm、c(パラ位−パラ位):40.4ppm、d:16.3ppm、e:68.7〜69.4ppm、f:65.3〜65.6ppm、g:65.3〜65.6ppm、h:166.9〜167.1ppm、i:135.9ppm、j:18.3ppm、k:125.8ppm、l:69.6〜70.0ppm、m:69.6〜70.0ppm、n:72.2ppm、o:63.6ppm、p:31.1〜31.7ppm、q:106.0〜122.3にピークが検出された。帰属ピークの炭素原子の位置は次のとおりである。なお、図7に示した13C−NMRスペクトルには試料に溶剤(シクロヘキサノン)が含まれるので、溶剤のピークも検出されている。
Figure 0004305572
実施例5
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が7のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂44部、フッ素化アルキル基含有チオール化合物:
Figure 0004305572
を56部、溶媒としてメチルイソブチルケトン100部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒としてトリフェニルホスフィン0.1部を添加後、117℃に昇温して15時間ホールドすることで反応を行い、次いで、生成物溶液を50℃に降温し、触媒としてジブチルスズジラウレート0.05部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.05部を添加し、アクリロイル基含有イソシアネート化合物:
Figure 0004305572
18部をフラスコ内50℃を保ちながら10分間で滴下し、滴下終了後70℃に昇温して6時間ホールドすることで反応を行い、反応終了後、1mol/lの塩酸500部を加えて攪拌することで生成物溶液を洗浄し、洗浄後分液して塩酸層を取り除き、次いで、水500部で同様に洗浄分液した後、乾燥剤として硫酸マグネシウム50部を添加して1日静置後、乾燥剤を濾別して化合物(A−5)114部のメチルイソブチルケトン溶液214部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、100℃×60分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−5)114部を得た。
得られた化合物(A−5)をスペクトル分析した結果、IRスペクトルでアクリロイル基が810cm−1、1410cm−1、1650cm−1、エポキシ基が910cm−1、ウレタン基が1540cm−1、1720cm−1、エステル基が1720cm−1、CF基が1100〜1250cm−1にピークが検出された。また、13C−NMRスペクトル(270MHz)にて、a:153.3〜155.8ppm、b(未置換オルト位):111.1ppm、b(メチル置換オルト位、メチレン置換オルト位、メタ位、パラ位):124.0〜136.8ppm、c(オルト位−オルト位):29.8ppm、c(オルト位−パラ位):35.5〜36.1ppm、c(パラ位−パラ位):40.3〜40.5ppm、d:16.3〜17.1ppm、e:68.8,73.5ppm、f:50.6ppm、g:44.5ppm、h:74.8ppm、i:69.5〜70.5ppm、j:69.5〜70.5ppm、k:23.5ppm、l:32.2〜32.9ppm、m:105.7〜121.9ppm、n:155.8ppm、o:40.3ppm、p:63.3ppm、q:165.8ppm、r:131.1ppm、s:128.1ppmにピークが検出された。帰属ピークの炭素原子の位置は次のとおりである。
Figure 0004305572
実施例6
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が7のo−クレゾールノボラック樹脂100部、フッ素化アルキル基含有グリシジル化合物:
Figure 0004305572
280部、溶媒としてシクロヘキサノン254部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒として水酸化テトラメチルアンモニウム40%水溶液4.8部を添加後、150℃に昇温して6時間ホールドすることで反応を行い、次いで、グリシドール30部を添加し、150℃で30時間ホールドすることで反応を行い、次いで、生成物溶液を70℃に降温し、触媒としてジブチルスズジラウレート0.05部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.05部を添加し、アクリロイル基含有イソシアネート化合物:
Figure 0004305572
188部をフラスコ内70℃を保ちながら1時間で滴下し、滴下終了後70℃で6時間ホールドすることで反応を行い、反応終了後、1mol/lの塩酸500部を加えて攪拌することで生成物溶液を洗浄し、洗浄後分液して塩酸層を取り除き、次いで、水500部で同様に洗浄分液した後、乾燥剤として硫酸マグネシウム50部を添加して1日静置後、乾燥剤を濾別して化合物(A−6)600部のシクロヘキサノン溶液854部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、100℃×60分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−6)600部を得た。
得られた化合物(A−6)をスペクトル分析した結果、IRスペクトルでアクリロイル基が810cm−1、1410cm−1、1650cm−1、ウレタン基が1540cm−1、1720cm−1、エステル基が1720cm−1、CF基が1100〜1250cm−1にピークが検出された。また、13C−NMRスペクトル(270MHz)にて、a:153.2〜155.4ppm、b(未置換オルト位):110.9ppm、b(メチル置換オルト位、メチレン置換オルト位、メタ位、パラ位):124.0〜137.1ppm、c(オルト位−オルト位):29.8ppm、c(オルト位−パラ位):35.5ppm、c(パラ位−パラ位):40.3ppm、d:16.3ppm、e,f,g:68.5〜73.0pm、h:63.5ppm、i:31.5ppm、j:105.7〜121.9ppm、k:156.0ppm、l:40.3ppm、m:63.5ppm、n:166.1ppm、o:131.4ppm、p:128.3ppmにピークが検出された。帰属ピークの炭素原子の位置は次のとおりである。
Figure 0004305572
実施例7
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が7のo−クレゾールノボラック樹脂100部、フッ素化アルキル基含有グリシジル化合物:
Figure 0004305572
292部、ドデシルグリシジルエーテルとトリデシルグリシジルエーテルの混合物(エポキシ当量=283g /eq)65部、溶媒としてシクロヘキサノン305部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒として水酸化テトラメチルアンモニウム40%水溶液5.7部を添加後、150℃に昇温して30時間ホールドすることで反応を行い、次いで、グリシドール12部を添加し、150℃で15時間ホールドすることで反応を行い、次いで、生成物溶液を70℃に降温し、触媒としてジブチルスズジラウレート0.5部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1部を添加し、アクリロイル基含有イソシアネート化合物:
Figure 0004305572
152部をフラスコ内70℃を保ちながら1時間で滴下し、滴下終了後70℃で6時間ホールドすることで反応を行い、反応終了後、1mol/lの塩酸500部を加えて攪拌することで生成物溶液を洗浄し、洗浄後分液して塩酸層を取り除き、次いで、水500部で同様に洗浄分液した後、乾燥剤として硫酸マグネシウム50部を添加して1日静置後、乾燥剤を濾別して化合物(A−7)612部のシクロヘキサノン溶液917部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、100℃×60分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−7)612部を得た。
得られた化合物(A−7)をスペクトル分析した結果、IRスペクトルでアクリロイル基が810cm−1、1410cm−1、1650cm−1、ウレタン基が1540cm−1、1720cm−1、エステル基が1720cm−1、ドデシル基およびトリデシル基が2800〜3000cm−1、CF基が1100〜1250cm−1にピークが検出された。また、13C−NMRスペクトル(270MHz)にて、a:153.2〜156.1ppm、b(未置換オルト位):110.0ppm、b(メチル置換オルト位、メチレン置換オルト位、メタ位、パラ位):124.0〜137.1ppm、c(オルト位−オルト位):29.9ppm、c(オルト位−パラ位):36.0ppm、c(パラ位−パラ位):40.4pm、d:16.3ppm、e,f,g:69.8〜72.2pm、h:63.5ppm、i:31.5ppm、j:106.0〜122.0ppm、k:156.1ppm、l:40.4ppm、m:63.5ppm、n:166.1ppm、o:131.4ppm、p:128.2ppm、q:14.2ppm、22.9ppm、26.1ppm、29.9ppm、31.5ppm、35.2ppmにピークが検出された。帰属ピークの炭素原子の位置は次のとおりである。
Figure 0004305572
実施例8
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が4のフェノールノボラック樹脂100部、フッ素化アルキル基含有グリシジル化合物:
Figure 0004305572
260部、溶媒としてシクロヘキサノン240部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒として水酸化テトラメチルアンモニウム40%水溶液4.5部を添加後、150℃に昇温して6時間ホールドすることで反応を行い、次いで、グリシドール40部を添加し、150℃で30時間ホールドすることで反応を行い、次いで、生成物溶液を70℃に降温し、触媒としてジブチルスズジラウレート0.05部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.05部を添加し、アクリロイル基含有イソシアネート化合物:
Figure 0004305572
221部をフラスコ内70℃を保ちながら1時間で滴下し、滴下終了後70℃で6時間ホールドすることで反応を行い、化合物(A−8)623部のシクロヘキサノン溶液863部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、100℃×60分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−8)623部を得た。
Figure 0004305572
実施例9
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が4のフェノールノボラック樹脂100部、フッ素化アルキル基含有グリシジル化合物:
Figure 0004305572
320部、溶媒としてシクロヘキサノン280部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒として水酸化テトラメチルアンモニウム40%水溶液5.3部を添加後、150℃に昇温して6時間ホールドすることで反応を行い、次いで、グリシドール21部を添加し、150℃で30時間ホールドすることで反応を行い、次いで、生成物溶液を70℃に降温し、触媒としてジブチルスズジラウレート0.05部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.05部を添加し、アクリロイル基含有イソシアネート化合物:
Figure 0004305572
185部をフラスコ内70℃を保ちながら1時間で滴下し、滴下終了後70℃で6時間ホールドすることで反応を行い、化合物(A−9)628部のシクロヘキサノン溶液908部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、100℃×60分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−9)628部を得た。
Figure 0004305572
実施例10
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、平均核体数が4のフェノールノボラック樹脂100部、フッ素化アルキル基含有グリシジル化合物:
Figure 0004305572
270部、溶媒としてシクロヘキサノン247部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、80℃に昇温して触媒として水酸化テトラメチルアンモニウム40%水溶液4.6部を添加後、150℃に昇温して6時間ホールドすることで反応を行い、次いで、グリシドール40部を添加し、150℃で30時間ホールドすることで反応を行い、次いで、生成物溶液を70℃に降温し、触媒としてジブチルスズジラウレート0.05部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.05部を添加し、アクリロイル基含有イソシアネート化合物:
Figure 0004305572
221部をフラスコ内70℃を保ちながら1時間で滴下し、滴下終了後70℃で6時間ホールドすることで反応を行い、化合物(A−10)633部のシクロヘキサノン溶液880部を得た。次いで、溶液をステンレス製バットに注ぎ広げ、100℃×60分の加熱乾燥処理をすることによって、化合物(A−10)633部を得た。
Figure 0004305572
比較例1
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、エチレンオキシド鎖およびプロピレンオキシド鎖含有アクリレート:
Figure 0004305572
(a=1〜20、b=1〜20)50部、フッ素化アルキル基含有アクリレート:
Figure 0004305572
50部、そしてイソプロピルアルコ−ル400重量部を仕込み、窒素ガス気流中、80℃加熱下で、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル4重量部を添加した後、15時間80℃に加熱して重合反応を完了させた後、80℃減圧下で脱溶剤して共重合体(B−1)101部を得た。
Figure 0004305572
比較例2
撹拌装置、温度計、圧力計を備えたオートクレーブに、平均核体数が4のフェノールノボラック樹脂17部、エチレンオキシド39部、水酸化ナトリウム0.03部を仕込み、攪拌しながら120℃で11時間反応を行った後、反応混合物を室温まで冷却して、エチレンオキシド鎖が付加されたフェノールノボラック樹脂:
Figure 0004305572
50部を得た。
次いで、撹拌装置、コンデンサ−、温度計、滴下装置を備えたガラスフラスコに、得られたフェノールノボラック樹50部、トリエチルアミン11部、四塩化炭素400部を仕込み、フッ素化アルキル基含有カルボン酸クロリド:
Figure 0004305572
54部と四塩化炭素100部を混合した溶液を攪拌下で徐々に滴下し、滴下後4時間反応させた後、トリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液から四塩化炭素を留去させて化合物(B−2)100部を得た。
Figure 0004305572
実施例11〜17および比較例3〜5
紫外線硬化型コーティング用組成物として、ユニディック17−806(DIC株式会社製紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂80%含有の酢酸ブチル溶液)125部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)5部、溶剤としてトルエン55部、2−プロパノール28部、酢酸エチル28部、プロピレングリコールモノメチルエーテル28部を混合し溶解させて、紫外線硬化型コーティング用組成物269部を得た。
得られた紫外線硬化型コーティング用組成物269部に対し、フッ素系界面活性剤として実施例3、4、6〜10または比較例1〜2で得られた化合物(A−3)、(A−4)、(A−6)〜(A−10)または(B−1)〜(B−2)のいずれか1部をそれぞれ添加混合し、得られた紫外線硬化型コーティング材をバーコーターNo.13を使用して、厚み80μmのTACフィルムに塗布した後、60℃の乾燥機に5分間入れて溶剤を揮発させ、紫外線硬化装置(窒素ガス雰囲気下、高圧水銀灯使用、紫外線照射量2kJ/m)にて硬化させ、塗工フィルムを作製した。フッ素系界面活性剤を添加していない紫外線硬化型コーティング用組成物についても同様に塗工フィルムを作製した。なお、実施例1で得られた化合物(A−1)のフッ素系界面活性剤については、フェノール性水酸基含有のため硬化阻害が発生する理由で、実施例2で得られた(A−2)及び実施例5で得られた(A−5)のフッ素系界面活性剤については、エポキシ基含有のため硬化後に反応性のエポキシ基が残存する理由で、紫外線硬化系での評価には適さないことから、次項の熱硬化系での評価にて使用した。
得られた塗工フィルムの塗工表面に、フェルトペン(寺西化学工業株式会社製マジックインキ大型青色)で線を描き、その青色インクの付着状態を観察することで防汚性の評価(強アルカリ水未処理フィルムの評価)を実施した。
また、紫外線硬化後にフィルムを70℃の強アルカリ水溶液(2mol/lのKOH水溶液)に1分間浸漬処理した後、純水で洗浄し、100℃×3分で乾燥させた後、室温で放冷した塗工フィルムについても、フェルトペンを使用した防汚性の評価(強アルカリ水処理フィルムの評価)を同様に実施した。それらの評価結果を第1表に示す。
Figure 0004305572
<防汚性の評価基準>
◎ :防汚性が最も良好で、インクを玉状にはじくもの。
○ :インクを玉状にはじかず、よりはじきが弱い線状のはじきが生じるもの。
△ :インクを線状にもはじかず、さらにはじきが弱い部分的なハジキが生じるもの。
× :インクを僅かしかはじかないもの。
××:防汚性が最も劣り、インクを全くはじかずに表面にきれいに描けてしまうもの。
実施例18〜20および比較例6〜8
熱硬化型コーティング用組成物としてEPICLON 1050(DIC株式会社製ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂)86部、硬化剤としてPHENOLITE TD−2131(DIC株式会社製フェノールノボラック樹脂)18部、硬化触媒としてトリフェニルホスフィン1部、溶剤としてトルエン55部、2−プロパノール28部、酢酸エチル28部、プロピレングリコールモノメチルエーテル28部、酢酸ブチル25部を混合し溶解させて、熱硬化型コーティング用組成物269部を得た。
得られた熱硬化型コーティング用組成物269部に対し、フッ素系界面活性剤として実施例1、2、5または比較例1〜2で得られた化合物(A−1)、(A−2)、(A−5)または(B−1)〜(B−2)のいずれか1部をそれぞれ添加混合し、得られた熱硬化型コーティング材をバーコーターNo.13を使用して、厚み2mmのガラス板に塗布した後、170℃の乾燥機に1時間入れて溶剤を揮発させるとともに加熱硬化させ、その後放冷して塗工フィルムを作製した。フッ素系界面活性剤を添加していない熱硬化型コーティング用組成物についても同様に塗工フィルムを作製した。
得られた塗工板の塗工表面に、フェルトペン(寺西化学工業株式会社製マジックインキ大型青色)で線を描き、その青色インクの付着状態を観察することで防汚性の評価(加熱未処理フィルムの評価)を実施した。
また、加熱硬化後の塗工板について230℃×30分の加熱処理を行なった後、室温で放冷した塗工板についても、フェルトペンを使用した防汚性の評価(加熱処理フィルムの評価)を同様に実施した。それらの評価結果を表2に示す。
Figure 0004305572
<防汚性の評価基準>
◎ :防汚性が最も良好で、インクを玉状にはじくもの。
○ :インクを玉状にはじかず、よりはじきが弱い線状のはじきが生じるもの。
△ :インクを線状にもはじかず、さらにはじきが弱い部分的なハジキが生じるもの。
× :インクを僅かしかはじかないもの。
××:防汚性が最も劣り、インクを全くはじかずに表面にきれいに描けてしまうもの。
実施例1で得られた化合物(A−1)の13C−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた化合物(A−1)のIRスペクトルである。 実施例2で得られた化合物(A−2)の13C−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた化合物(A−2)のIRスペクトルである。 実施例3で得られた化合物(A−3)の13C−NMRスペクトルである。 実施例3で得られた化合物(A−3)のIRスペクトルである。 実施例4で得られた化合物(A−4)の13C−NMRスペクトルである。 実施例4で得られた化合物(A−4)のIRスペクトルである。 実施例5で得られた化合物(A−5)の13C−NMRスペクトルである。 実施例5で得られた化合物(A−5)のIRスペクトルである。 実施例6で得られた化合物(A−6)の13C−NMRスペクトルである。 実施例6で得られた化合物(A−6)のIRスペクトルである。 実施例7で得られた化合物(A−7)の13C−NMRスペクトルである。 実施例7で得られた化合物(A−7)のIRスペクトルである。

Claims (15)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0004305572
    (式中、Rはフッ素化アルキル基含有置換基を示し、R'は水素原子またはメチル基を示し、R''は水素原子または非フッ素化置換基を示し、−X−は上記に示す連結基4種類のうちの何れかを示し、−X'は上記に示す置換基3種類のうちの何れかを示す。また、nは0または1以上の整数を示し、mは1以上の整数を示す。ただし、n+mは2以上の整数である。)
    で表される含フッ素ノボラック型樹脂。
  2. フッ素化アルキル基含有置換基(R)が、飽和結合のみで構成されているフッ素化アルキル基含有置換基である請求項1記載の含フッ素ノボラック型樹脂。
  3. 連結基(−X−)が連結基−O−または−S−であり、かつ、置換基(−X')が以下に示す置換基3種類のうちの何れかである請求項2記載の含フッ素ノボラック型樹脂。
    Figure 0004305572
  4. 連結基(−X−)が連結基−O−または−S−であり、かつ、置換基(−X')が以下に示す置換基である請求項2記載の含フッ素ノボラック型樹脂。
    Figure 0004305572
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素ノボラック型樹脂からなることを特徴とするフッ素系界面活性剤。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素ノボラック型樹脂を含有することを特徴とするフッ素系界面活性剤組成物。
  7. 含フッ素ノボラック型樹脂の有機溶剤溶液である請求項6に記載のフッ素系界面活性剤組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素ノボラック型樹脂と有機溶剤と硬化型樹脂を含有する樹脂組成物であって、当該樹脂組成物中の前記含フッ素ノボラック型樹脂の含有量が0.01〜20質量%であることを特徴とする樹脂組成物。
  9. 下記一般式(I)
    Figure 0004305572
    (式中、Rはフッ素化アルキル基含有置換基を示し、R'は水素原子またはメチル基を示し、R''は水素原子または非フッ素化置換基を示し、−X−は上記に示す連結基4種類のうちの何れかを示し、−X'は上記に示す置換基3種類のうちの何れかを示す。また、nは0または1以上の整数を示し、mは1以上の整数を示す。ただし、n+mは2以上の整数である。)
    で表される含フッ素ノボラック型樹脂に含有する水酸基の一部または全部の水素原子について、下記一般式(II):
    Figure 0004305572
    (式中、R'は水素原子またはメチル基を示し、Aは炭素数2〜5の炭化水素基、エチレン単位数2〜4のエチレンオキシド鎖、プロピレン単位数2〜4のプロピレンオキシド鎖の何れかである2〜4価の連結基を示す。また、fは1〜3の整数を示す。)
    の構造に置き換えた構造を有する(メタ)アクリロイル基含有の含フッ素ノボラック型樹脂。
  10. 前記一般式(I)の−X’が水素原子以外である構造を持つ含フッ素ノボラック型樹脂に含有する水酸基の一部または全部の水素原子について、前記一般式(II)の構造に置き換えた構造を有する請求項9記載の含フッ素ノボラック型樹脂。
  11. フッ素化アルキル基含有置換基(R)が飽和結合のみで構成されているフッ素化アルキル基含有置換基であり、連結基(−X−)が連結基−O−または−S−であり、かつ、置換基(−X')が以下に示す置換基である請求項10記載の含フッ素ノボラック型樹脂。
    Figure 0004305572
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の含フッ素ノボラック型樹脂からなることを特徴とするフッ素系界面活性剤。
  13. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の含フッ素ノボラック型樹脂を含有することを特徴とするフッ素系界面活性剤組成物。
  14. 含フッ素ノボラック型樹脂の有機溶剤溶液である請求項13に記載のフッ素系界面活性剤組成物。
  15. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の含フッ素ノボラック型樹脂と有機溶剤と紫外線硬化型樹脂を含有する樹脂組成物であって、当該樹脂組成物中の前記含フッ素ノボラック型樹脂の含有量が0.01〜20質量%であることを特徴とする樹脂組成物。
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