JP2005290188A - 硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

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宗一 佐竹
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Abstract


【課題】 硬化物の寸法安定性に優れ、樹脂物性にも優れた、熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 イソシアネート基含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、及びプロペニルエーテル基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であるキャップ剤(A)で、フェノール性水酸基を有する樹脂(B)のフェノール性水酸基をキャップして得られてなる熱硬化性樹脂(C)、及び該(C)と付加重合型樹脂(D)とからなる熱硬化性樹脂組成物。

Description

本発明は、熱硬化性樹脂、及びその熱硬化性樹脂組成物に関する。
従来、絶縁用、積層板、複合材用、塗料、接着剤、電気電子部品の封止材用としては、各種エポキシ化合物及び硬化剤を組み合わせたエポキシ樹脂が使用されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開平06−145297号公報
しかしながら、エポキシ化合物と硬化剤が反応するとエポキシ基由来の水酸基が生成する。この水酸基が存在するために、空気中の水分を吸収しやすく、接着後の寸法安定性等に悪影響を及ぼすことがあった。このため、水分を吸収しにくい材料が望まれていた。
すなわち本発明の課題は、硬化物の寸法安定性に優れた、熱硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、イソシアネート基含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、及びプロペニルエーテル基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であるキャップ剤(A)で、フェノール性水酸基を有する樹脂(B)のフェノール性水酸基がキャップされた熱硬化性樹脂(C);該(C)と付加重合型樹脂(D)とからなる熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の熱硬化性樹脂(C)は、たとえば、エポキシ樹脂の硬化剤として使用した場合、反応で生成するエポキシ基由来の水酸基が、キャップ剤によりキャップされるため、反応終了後に水酸基が残らない。これにより吸水率が低下し、寸法安定性などが向上するという効果を奏する。
また、キャップ剤に反応性基を持たせることにより、エポキシ基とフェノール性水酸基の反応が行われた後、もしくは硬化反応中にキャップ剤の反応性基を反応させることでより強固な硬化物が得られるという効果を奏する。
本発明の熱硬化性樹脂(C)は、キャップ剤(A)でキャップされたフェノール性水酸基を含有してなる熱硬化性樹脂である。(C)は、フェノール性水酸基を有する樹脂(B)のフェノール性水酸基を、キャップ剤(A)でキャップさせることで得ることができる。
本発明においてキャップ剤(A)は、イソシアネート基含有化合物(A1)、ビニルエーテル基含有化合物(A2)、プロペニルエーテル基含有化合物(A3)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
イソシアネート基含有化合物(A1)のイソシアネート基はフェノール性水酸基と反応してウレタン結合を形成する。
ビニルエーテル基含有化合物(A2)のビニルエーテル基、及びプロペニルエーテル基含有化合物(A3)のプロペニルエーテル基はフェノール性水酸基と反応してアセタール結合を形成する。
これらの結合は、加熱などにより、可逆的に脱離反応が進行しうる結合である。
イソシアネート基含有化合物(A1)としては、炭素数4〜50(好ましくは4〜20)のイソシアネート化合物(例えば、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなど)があげられる。
ビニルエーテル基含有化合物(A2)としては、ビニルエーテル基を含有する炭化水素(炭素数4〜50(好ましくは4〜20))(例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルビニルエーテルなど)が挙げられる。
プロペニルエーテル基含有化合物(A3)としては、プロペニルエーテル基を含有する炭化水素(炭素数4〜50(好ましくは4〜20))(例えば、メチルプロペニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルプロペニルエーテルなど)が挙げられる。
上記化合物の中でも、(メタ)アクリロイル基を含有する化合物が好ましい。
熱硬化性樹脂(C)は反応性基を有していてもよい。反応性基とは、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、ビニルオキシカルボニル基、(メタ)アリルオキシ基、(メタ)アリルオキシカルボニル基、エポキシ基、イソシアネート基、酸無水物基等が挙げられる。
これらの反応性基の濃度は、反応性及び保存安定性の観点から0.1mmol/g以上、4mmol以下が好ましく、さらに好ましくは0.2mmol/g以上、3.5mmol以下、特に好ましくは0.3mmol/g以上、3mmol以下である。
(C)に反応性基を付与する方法としては、例えば、キャップ剤(A)として上記例示の化合物のうち反応性基を有するものを用いる方法;(C)のキャップされていないフェノール性水酸基と下記反応性基含有化合物(PS)を反応させる方法を挙げることができる。
反応性基含有化合物(PS)としては、エポキシ基含有ビニル系モノマー(PS1)、イソシアネート基含有ビニル系モノマー(PS2)、多官能イソシアネート(PS3)、多官能エポキシド(PS4)等が挙げられる。
(PS1)としては、エポキシ基とビニル基とを含有する炭化水素(炭素数6〜50(好ましくは6〜20))等が使用できる。
具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(PS2)としては、イソシアネート基とビニル基とを含有する炭化水素(炭素数4〜50(好ましくは4〜20))等が使用できる。
具体例はとしては、例えば、イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
(PS3)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート(例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI等)、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等)、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)等)、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(例えば、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等)、及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(PS4)としては、二価フェノールのグリシジルエーテル、多価フェノールのグリシジルエーテル、二価アルコールのグリシジルエーテル及び多価アルコールのグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシドとしては、カルボン酸のグリシジルエステル及びグリシジルエステル型ポリエポキシド等が用いられる。
グリシジルアミン型エポキシドとしては、グリシジル芳香族アミン、グリシジル脂環式アミン及びグリシジル複素環式アミン等が用いられる。
脂環式エポキシドとしては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル及び3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは(PS1)及び(PS2)、特に好ましいものは(PS1)である。特に好ましい具体的としては、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明におけるフェノール性水酸基を有する樹脂(B)としては、フェノール性水酸基を有するオリゴマーもしくはポリマーであれば、特に限定されない。
たとえば、フェノール樹脂、クレゾール樹脂、フェノール−クレゾール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ヒドロキノン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルフェノール等が挙げられる。このうち、特に好ましいものは、フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、及びポリビニルフェノールである。
これらの樹脂の重量平均分子量としては、500〜100、000が好ましく、さらに好ましくは700〜50、000、特に好ましくは1、000〜30、000である。なお、本発明において重量平均分子量、数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した値である。
熱硬化性樹脂(C)は、例えば、キャップ剤(A)とフェノール性水酸基を有する樹脂(B)を、無溶剤あるいは溶剤(G)の存在下に溶解させ、必要に応じて反応触媒を添加し、加熱、反応させることにより得ることができる。
溶剤(G)としては、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)ケトン(例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルアセテートが挙げられ、好ましくはケトン及びエステルである。
加熱する場合の温度としては、反応の進行しやすさに応じて適宜決定されるが、不飽和基の反応を起こさせないために120℃以下であることが好ましく、より好ましくは50℃以上、90℃以下の間で設定する。また、反応時間は、反応の進行に応じて適宜決定されるが、1〜6時間である。反応のチェックは、反応物のH−NMR測定において、10ppm付近に現れるフェノール性水酸基のピークの消失から判断することができる。
反応触媒としては、反応させる官能基に応じて適宜設定する。
(A)がイソシアネート基含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、プロペニルエーテル基含有化合物の場合、金属触媒、アミン系触媒等が使用できる。
金属触媒としては、錫系触媒(例えば、トリメチル錫ラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート及びジブチル錫マレエート等);鉛系触媒(例えば、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛及びオクテン酸鉛等)等が挙げられる。その他の金属触媒としては、例えばナフテン酸コバルト等が挙げられる。
アミン系触媒としては、3級アミン(例えば、トリエチルアミン等);ジアミン(例えば、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン等);モルホリン(例えば、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等);アルカノールアミン(例えば、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等);1,8−ジアザビシクロ[5、4,0]ウンデセン(サンアプロ社登録商標:DBU);アミン炭酸塩及び有機酸塩(例えば、ジメチルアミノエチルアミンの炭酸塩及び有機酸塩、ジメチルアミノプロピルアミンの炭酸塩及び有機酸塩、ジエチルアミノプロピルアミンの炭酸塩及び有機酸塩、ジブチルアミノエチルアミンの炭酸塩及び有機酸塩、ジメチルアミノオクチルアミンの炭酸塩及び有機酸塩、ジプロピルアミノプロピルアミンの炭酸塩及び有機酸塩、2−(1−アジリジニル)エチルアミンの炭酸塩及び有機酸塩、並びに4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミンの炭酸塩及び有機酸塩等)等が挙げられる。
また、必要に応じて重合禁止剤を使用できる。重合禁止剤としては、特に限定はなく、公知のものが用いられる。具体的には、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(以下BHTという)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ジフェニルヒドラジル、トリ−p−ニトルフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド及び塩化銅(II)等が挙げられる。
なお、(C)には、未反応の(B)が含まれていてもよい。すなわち、(C)は、さらに(B)のフェノール性水酸基がキャップされていない樹脂を含むことができる。具体的には、フェノール性水酸基が(A)でキャップされていないノボラック樹脂、クレゾール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等を含むことができる。
さらに、(C)は、キャップされていないフェノール性水酸基の一部にカルボキシル基が導入されていてもよい。
(C)にカルボキシル基を導入する方法としては、例えば、キャップされていないフェノール性水酸基と、酸無水物とを反応させる方法等が挙げられる。
酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。
反応としては、例えば、(B)のフェノール性水酸基と(A)を反応させた後、上記酸無水物を所定量添加し、さらにキャップ化反応と同じ温度、例えば50℃以上、は90℃以下で反応させることにより、カルボキシル基を入することができる。反応のチェックは、反応物のH―NMR測定において、10ppm付近に現れるフェノール性水酸基のピークの消失と、赤外線吸収スペクトルの1700〜1800cm−1付近に現れるエステルのカルボニル基ピークの生成から判断することができる。
(C)中における(A)によるキャップ化率は、硬化時のラジカル阻害及び保存安定性の観点から、フェノール性水酸基全体の2mol%〜95mol%が好ましい。さらに好ましくは3mol%〜90mol、特に好ましくは5mol%〜85mol%である。
(C)の好ましいものの具体例としては、フェノール樹脂とイソシアネート基含有化合物との反応生成物、クレゾール樹脂とイソシアネート基含有化合物との反応生成物、クレゾールノボラック樹脂とイソシアネート基含有化合物との反応性性物、及びポリビニルフェノールとイソシアネート基含有化合物との反応生成物等が挙げられる。
本発明における第2の発明は、熱硬化性樹脂(C)及び付加重合型樹脂(D)からなる熱硬化性樹脂組成物である。
付加重合型樹脂(D)としては、ウレタン樹脂(D1)、エポキシ樹脂(D2)及びその混合物が挙げられる。
ウレタン樹脂(D1)としては、ポリイソシアネートとポリオールとからなるウレタンプレポリマーが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、前記(PS3)に例示したものと同じものが使用できる。このようなポリイソシアネートには、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
これらのうちで好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、とくに好ましいものは2,4−及び2,6−TDI及びこれらの異性体の混合物、粗製TDI、4,4’−及び2,4’−MDI及びこれらの異性体の混合物、粗製MDI(PAPI)、及びこれらのポリイソシアネート類より誘導されるウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基を含有する変性ポリイソシアネート類であり、最も好ましいのは変性MDI[たとえばコロネートC−1059,C−1050(日本ポリウレタン製)、アイソネ―ト160L,181(化成アップジョン製)、スミジュールPC,PF(住友バイエルウレタン製)]である。
ウレタン樹脂(D1)の製造に用いられるポリオールとしては、低分子ポリオール(DL)と高分子ポリオール(DH)が挙げら れる。
低分子ポリオール(DL)としては、2〜8価の多価アルコール、該多価アルコールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、2,3−もしくは1,4−ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリンなど)付加物(分子量500未満)、多価フェノール類のアルキレンオキサイド付加物(分子量500未満)、燐系ポリオールなどが挙げられる。
上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリト―ル、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビト―ル、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリト−ル、グルコ−ス、フルクト−ス、ショ糖などの4〜8価のアルコ―ルなどが挙げられる。
上記多価フェノ―ル類としては、ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノンなどの多価フェノ―ル;ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノ―ル類などが挙げられる。
また、燐系ポリオールとしては燐酸、亜燐酸、ホスホン酸等のアルキレンオキサイド付加物(分子量500未満)が挙げられる。
本発明で用いられる高分子ポリオール(DH)としては、例えば、ポリアルキレンエーテルポリオール(1)、ポリエステルポリオール(2)、重合体ポリオール(3)、ポリブタジエンポリオール(4)、ひまし油系ポリオール(5)、アクリルポリオール(6)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(DH)の数平均分子量は、500〜20,000が好ましく、さらに好ましくは500〜10,000、特に好ましくは1,000〜3,000である。
ポリアルキレンエ−テルポリオ−ル(1)としては、活性水素原子含有多官能化合物(a)にアルキレンオキサイド(以下AOと略記)が付加した構造の化合物及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
活性水素原子含有多官能化合物(a)としては、多価アルコ―ル(a1)、多価フェノ―ル類(a2)、アミン類(a3)、ポリカルボン酸(a4)、リン酸類(a5)、ポリチオール(a6)などが挙げられる。
多価アルコ―ル(a1)としては、エチレングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、1,3−ブチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ―ル、1,6−ヘキサンジオ―ル、ジエチレングリコ―ル、ネオペンチルグリコ―ル、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどの2価アルコ―ル;グリセリン、トリメチロ―ルプロパン、ペンタエリスリト―ル、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビト―ル、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリト−ル、グルコ−ス、フルクト−ス、ショ糖などの3〜8価の多価アルコ―ルなどが挙げられる。
多価フェノ―ル類(a2)としては、ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノンなどの多価フェノ―ルのほかビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノ―ル類などが挙げられる。
アミン類(a3)としては、アンモニア、炭素数1〜20のアルキルアミン類(ブチルアミンなど)、アニリンなどのモノアミン類;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン及びその他特公昭55−21044号公報記載の複素環式ポリアミン類;ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルエ−テルジアミン、ポリフェニルメタンポリアミンなどの芳香族ポリアミン;及びモノエタノ―ルアミン、ジエタノ―ルアミン、トリエタノ―ルアミン、トリイソプロパノ−ルアミンなどのアルカノ―ルアミン類などが挙げられる。
ポリカルボン酸(a4)としてはコハク酸、アジピン酸などの脂肪族ポリカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸があげられる。
リン酸類(a5)としては燐酸、亜燐酸、ホスホン酸などが挙げられる。また
ポリチオール(a6)としてはグリシジル基含有化合物と硫化水素との反応で得られる多価ポリチオール化合物などが挙げられる。
活性水素原子含有化合物(a)に付加するAOとしては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、1,2−、2,3−もしくは1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(THF)、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンなどがあげられる。
AOは単独でも2種以上併用してもよく、後者の場合はブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリ―型など)でもランダム付加でも両者の混合系〔ランダム付加後にチップしたもの:分子中に任意に分布されたエチレンオキシド鎖を0〜50重量%(好ましくは5〜40重量%)有し、0〜30重量%(好ましくは5〜25重量%)のEO鎖が分子末端にチップされたもの〕でもよい。
これらのAOのうちで好ましいものはEO単独、PO単独、THF単独、PO及びEOの併用、PO及び/又はEOとTHFの併用(併用の場合、ランダム、ブロック及び両者の混合系)である。
ポリアルキレンエ−テルポリオ−ル(1)の当量(水酸基当りの分子量)は、100〜10,000が好ましく、さらに好ましくは250〜5,000、特に好ましくは500〜1,500である。また、該ポリアルキレンエ−テルポリオ−ル(1)の価数は、2〜8が好ましくは、さらに好ましくは2〜6、とくに好ましくは2〜4である。
ポリエステルポリオール(2)には、低分子ジオ―ル及び/又は分子量1000以下のポリアルキレンエ−テルジオ―ルとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオ―ル、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオ―ル、低分子ジオールと低級アルコール(メタノールなど)の炭酸ジエステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオールなどが含まれる。
上記低分子ジオ―ルとしては、エチレングリコ―ル、ジエチレングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、ジプロピレングリコ―ル、1,4−、1,3−ブタンジオ―ル、ネオペンチルグリコ―ル、1,6−ヘキサンジオ―ル;環状基を有する低分子ジオ―ル類[たとえば特公昭45−1474号公報記載のもの:ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビスフェノ―ルAのエチレンオキサイド付加物等]、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、分子量1,000以下のポリアルキレンエ−テルジオ―ルとしては、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、ジカルボン酸としては脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)、これらのジカルボン酸のエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルなど]及びこれらの2種以上の混合物が挙げられ;ラクトンとしてはε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのポリエステルポリオール(2)の具体例としては、ポリエチレンアジペ−トジオール、ポリブチレンアジペ−トジオール、ポリヘキサメチレンアジペ−トジオール、ポリネオペンチルアジペ−トジオール、ポリエチレンプロピレンアジペ−トジオール、ポリエチレンブチレンアジペ−トジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペ−トジオール、ポリジエチレンアジペ−トジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエ−テル)アジペ−トジオール、ポリエチレンアゼレ−トジオール、ポリエチレンセバケ−トジオール、ポリブチレンアゼレ−トジオール、ポリブチレンセバケ−トジオール、ポリカプロラクトンジオ―ル又はトリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
重合体ポリオール(3)としては、ポリオール(前記ポリアルキテンエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオール)中で、ラジカル重合性モノマー[例えば、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル、これらの2種以上の混合物など]を重合させ、該重合体を微分散させたものが挙げられる。
該重合体ポリオ―ル(3)の水酸基価は、10〜300が好ましく、さらに好ましくは20〜250、特に好ましくは30〜200である。
ポリブタジエンポリオール(4)としては、1,2−ビニル構造を有するもの、1,2−ビニル構造と1,4−トランス構造とを有するもの、及び1,4−トランス構造を有するものが挙げられる。1,2−ビニル構造と1,4−トランス構造の割合は種々にかえることができ、たとえばモル比で100:0〜0:100である。またポリブタジエングリコ―ル(4)にはホモポリマ―及びコポリマ―(スチレンブタジエンコポリマ―、アクリロニトリルブタジエンコポリマ―など)、ならびにこれらの水素添加物(水素添加率:たとえば20〜100%
)が含まれる。
該ポリブタジエングリコ―ル(4)の数平均分子量は通常500〜10,000である。
ひまし油系ポリオール(5)としては、ひまし油及び変性ひまし油(トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールで変性されたひまし油など)が挙げられる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂は、上記ポリイソシアネートとポリオールを、ポリイソシアネートを過剰にして、70〜90℃で0.5〜10時間、無溶媒、必要により触媒を加えて反応させて得ることができる。触媒としては前記の金属触媒、アミン触媒及びこれらの2種以上が挙げられる。触媒の使用量は、ポリオールとポリイソシアネートの合計重量に基づいて、5%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜3%である。
これらのポリイソシアネートとポリオールの割合は、通常NCO/OHの当量比が1.05〜3.5、好ましくは1.5〜3の範囲となるよう設定すればよい。
エポキシ樹脂(D2)は、エポキシド(D21)単独あるいはエポキシドと硬化剤(D22)とからなる。
エポキシド(D21)としては、公知のもの等が使用でき、例えば、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド、グリシジルアミン型エポキシド、脂環式エポキシド等が使用できる。
グリシジルエーテル型エポキシドとしては、二価フェノールのグリシジルエーテル、多価フェノールのグリシジルエーテル、二価アルコールのグリシジルエーテル及び多価アルコールのグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシドとしては、カルボン酸のグリシジルエステル及びグリシジルエステル型ポリエポキシド等が用いられる。
グリシジルアミン型エポキシドとしては、グリシジル芳香族アミン、グリシジル脂環式アミン及びグリシジル複素環式アミン等が用いられる。
脂環式エポキシドとしては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル及び3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
エポキシドのエポキシ基の個数は、硬化樹脂の強度の観点から、数平均で少なくとも2個有していることが好ましく、さらに好ましくは2〜500、次にさらに好ましくは下限が3以上、特に好ましくは4以上、さらに特に好ましくは5以上、最も好ましくは6以上である。上限はさらに好ましくは300以下、特に好ましくは100以下、さらに特に好ましくは50以下、最も好ましくは40以下である。エポキシ基の個数がこの範囲であると熱硬化性樹脂組成物の硬化後接着力がさらに良好となる傾向がある。
エポキシドの重量平均分子量(以下、Mwと略す)は、耐熱衝撃性等の観点から、300〜10,000が好ましく、さらに好ましくは400以上、特に好ましくは500以上であり、またさらに好ましくは9,000以下、特に好ましくは5,000以下である。
硬化剤(D22)としては、公知のものが使用でき、例えば、カルボン酸、酸無水物、アミン化合物、フェノール等が使用できる。
これらの硬化剤のうち、フェノールが好ましい。これらの硬化剤は、これら単独で用いてもよく混合物でも用いてもよい。
エポキシドと硬化剤との当量比(エポキシド/硬化剤)は、硬化樹脂の強度の観点から、0.7〜1.3が好ましく、さらに好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上であり、またさらに好ましくは1.2以下、特に好ましくは1.1以下である。
これらの(D)のうち、芳香族ポリイソシアネートと高分子ポリオールからなるプレポリマー、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド、グリシジルアミン型エポキシドとフェノールの組み合わせが好ましい。
(D)の使用量は、熱硬化性樹脂組成物全体の、10〜70重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜60重量%、特に好ましくは25〜50重量%である。
本発明の樹脂(C)を上記付加重合型樹脂(D)と配合する場合、(C)及び必要により触媒等の添加剤を(D)中を添加し、均一になるまで、プラネタリーミキサー等公知の撹拌装置で攪拌して得ることができる。
ここで均一化を容易にするために、溶剤を添加してもよい。
溶剤としては、前述の溶剤(G)を使用することが出来る。(G)を使用する場合の使用量は、熱硬化性樹脂組成物の重量に対して、50〜1,000重量%が好ましく、さらに好ましくは70〜900重量%、特に好ましくは80〜800重量%である。
硬化反応は、必要に応じて、80〜250℃、好ましくは100〜240℃、特に好ましくは150〜230℃で行われる。
硬化時間は通常1分〜6時間、好ましくは2分〜4時間、特に好ましくは3分〜3時間である。
硬化は、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。
また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、不活性ガス中が好ましい。この時の湿度としては、相対湿度25〜90%雰囲気下が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、硬化触媒(E)を使用してもよい。
(D)がウレタン樹脂(D1)の場合、硬化触媒(E1)としては、前述のウレタンプレポリマー製造用と同じ触媒を用いることができる。
エポキシ樹脂(D2)の場合、硬化触媒(E2)としては、熱硬化触媒(E21)と光硬化触媒(E22)を用いることができる。
(E21)としては、例えば、イミダゾール触媒及び第3級アミン等の公知の触媒が使用できる。これらの具体例としては、イミダゾール触媒(2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール及び1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等)、第3級アミン(ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等)、及びオニウム塩(三新化学工業社製、サンエイドSIシリーズ等)等が挙げられる。
(E22)としては、光酸発生剤が挙げられ、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムホスフェート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロロフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロロフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロフォスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe−ヘキサフルオロホスフェート及びジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
これらの光酸発生剤は、市販品を容易に入手することができ、UVR−6974、UVR−6990(ユニオンカーバイド社製)、CI−2855(日本曹達社製)及びCD−1012(サートマー社製)等が挙げられる。
これらの硬化触媒(E)を使用する場合、この硬化触媒の添加量は、熱硬化性樹脂組成物の全重量の、0.001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.003重量%以上、特に好ましくは0.005重量%以上であり、またさらに好ましくは7重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
また熱硬化性樹脂組成物には、必要により、光増感剤及びその他の添加剤などの公知の添加剤を含有させてもよい。
光増感剤としては、ニトロ化合物(例えば、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン,ベンズアントロン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等のカルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン及び2−ニトロフルオレン等)、芳香族炭化水素(例えば、アントラセン及びクリセン等)、硫黄化合物(例えば、ジフェニルジスルフィド等)及び窒素化合物(例えば、ニトロアニリン 、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノトルエン及びテトラシアノエチレン等)等が用いられる。
光増感剤を使用する場合、光増感剤の使用量は、光酸発生剤の重量に対して、0.1〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜80重量%、特に好ましくは1〜70重量%である。
その他の添加剤としては、各種添加剤等が使用できる。例えば、無機顔料、シランカップリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防菌剤及び防かび剤溶剤等を必要に応じて使用できる。
本発明の樹脂(C)は、たとえばエポキシ接着剤として使用した場合の使用法として、被接着体に塗布し、接着したい基材を張り合わせた後、必要により溶剤を除去した後、熱もしくは光により硬化する方法が挙げられる。
被接着体及び基材としては、ガラス基板、シリコン基板、銅板、有機高分子(フィルムなど)が挙げられる。
有機高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、セロハン又はセルロイド等及びそれらからなる合成樹脂フィルムなどが挙げられる。
基材上に塗布した場合の乾燥温度としては、−10℃以上が好ましく、さらに好ましくは0℃以上、特に好ましくは10℃以上、最も好ましくは15℃以上であり、また100℃未満が好ましく、さらに好ましくは90℃以下、特に好ましくは60℃以下、最も好ましくは50℃以下である。
乾燥時間は、30秒以上が好ましく、さらに好ましくは1分以上、特に好ましくは2分以上であり、また10分以下が好ましく、さらに好ましくは8分以下、特に好ましくは5分以下である。
乾燥は、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。
また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、不活性ガス中が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂(C)は、各種接着材の硬化剤として使用できる。他にも、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴム及び木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及びシーリング材、成型材料等に使用される各種熱硬化性樹脂の硬化剤、添加剤として応用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、部は重量部を意味する。
<製造例1>
コルベンに、クレゾールノボラック樹脂(旭有機材(株)社製:EP−4020G)20部、メチルエチルケトン80部を仕込み、均一に溶解するまで攪拌した。BHT0.05部、イソシアナトエチルメタクリレート1部を加え、60℃まで加熱した。触媒としてジブチルスズラウレート0.2部を加え60℃で、3時間反応させた。その後、メチルエチルケトンを減圧下50℃で留去し、目的のキャップ化率5mol%の樹脂(A−1)を得た。
<製造例2>
製造例1のイソシアナトエチルメタクリレートの量を1部から10部に変更した以外は同様にして、目的のキャップ化率50mol%の樹脂(A−2)を得た。
<製造例3>
製造例1のイソシアナトエチルメタクリレートの量を1部から19部に変更した以外は同様にして、目的のキャップ化率95mol%の樹脂(A−3)を得た。
<比較製造例1>
コルベンに、クレゾールノボラック樹脂(旭有機材(株)社製:EP−4020G)20部、メチルエチルケトン80部を仕込み、均一に溶解するまで攪拌した。BHT0.05部を加え、その後、メチルエチルケトンを減圧下50℃で留去し、比較例のためのキャップ化率0mol%の樹脂(A‘−1)を得た。
<実施例1〜3及び比較例1>
ガラス製の容器に、製造した実施例のための樹脂(A−1)〜(A−3)及び比較例のための樹脂(A‘−1)を硬化剤とし、エポキシ化合物としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:EPICLON N−680)、硬化促進剤としてベンジルジメチルアミンを下記表1のとおりに配合し実施例1〜3、比較例1の熱硬化性樹脂組成物を得た。
得られた熱硬化性樹脂組成物を剥離紙上に移し、熱硬化性樹脂組成物を100℃で2時間、160℃で2時間、180℃で2時間硬化して、試験片とした。これをJIS K−6911に準拠して、常温での曲げ強度、引っ張り強度、85℃×85%RH条件下での吸水率を測定した。
この評価結果を表1に記載する。

比較例1は、硬化剤にキャップを施していないため、水分の吸収率が高くなっている。
本発明の熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として使用した場合、反応で生成するエポキシ基由来の水酸基はキャップ剤でキャップされるため、反応終了後に水酸基が残らない。これにより、低吸水率、寸法安定性が向上した樹脂硬化物が得られる。
また、キャップ剤に反応性基を持たせることにより、フェノール性水酸基の反応を行った後、もしくは反応中に反応性基を反応させることでより強固な硬化物を得ることが出来る。これによりより高い接着力を得ることが出来るため、積層板、複合板、接着剤、及び封止材料等に有用である。

Claims (11)

  1. キャップ剤(A)で、フェノール性水酸基を有する樹脂(B)のフェノール性水酸基をキャップして得られてなる熱硬化性樹脂(C)において、該(A)がイソシアネート基含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、及びプロペニルエーテル基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする熱硬化性樹脂。
  2. 前記(A)が、イソシアネート基含有化合物であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂。
  3. 前記(A)が、さらに(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂。
  4. 前記(A)によるフェノール性水酸基のキャップ化率が、前記(B)のフェノール性水酸基全体の2〜95mol%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂。
  5. 前記(B)が、ノボラック樹脂、クレゾール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノール樹脂、及びポリビニルフェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂。
  6. 前記(C)が、さらに、フェノール性水酸基がキャップ剤(A)でキャップされていないノボラック樹脂、クレゾール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノール樹脂、及びポリビニルフェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂。
  7. 前記(C)において、キャップされていないフェノール性水酸基の一部にカルボキシル基が導入されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂。
  8. フェノール性水酸基と酸無水物との反応により、フェノール性水酸基の一部にカルボキシル基が導入されたことを特徴とする請求項7記載の熱硬化性樹脂。
  9. 前記(C)及び付加重合型樹脂(D)とからなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  10. 前記(D)の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全体の10〜70重量%である請求項9記載の熱硬化性樹脂組成物。
  11. 前記(D)が、エポキシ樹脂及び/又はウレタン樹脂であることを特徴とする請求項9又は10に記載の熱硬化性樹脂組成物。
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