JP4303853B2 - 間仕切パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両側部にガラス等の透光性パネルを配設した間仕切パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
間仕切には、見通しをよくしたり、または採光のために、間仕切パネルに透光部を形成したものがある。
従来の透光部を有する間仕切パネルには、透光部の厚さ方向のほぼ中央に1枚のガラス板を嵌め込んだものと、透光部の両側面に、2枚のガラス板を他の間仕切パネルの側面と整合するように張設した、いわゆる2重ガラス構造のものとがある。
【0003】
1枚ガラスのものは、透光部が凹入しているので、他の間仕切パネルと異質な感じを与えるのに対し、2重ガラスのものは、他の間仕切パネルとの連結性を保つことができる点で優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の2重ガラス構造のものでは、2枚のガラスの間が中空であるので、広い範囲にわたって透光部を形成しようとすると、間仕切パネル自体の強度が低下するとともに、それに伴ってガラスの重量が増大し、益々強度不足を招くおそれがある。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、透光部の面積を大としても十分な強度を維持することができるとともに、体裁がよく、しかも組立が容易な間仕切パネルを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1) 左右1対の縦枠材の上下部に、左右方向を向く横枠材を架設して方形の間仕切枠を形成し、かつ両横枠材の中間部間、または両縦枠材の中間部間に、上下方向を向く複数の縦桟または左右方向を向く複数の横桟を、間隔を置いて架設し、縦桟または横桟を両側方より覆うように、1対の透光性パネルを間仕切枠の両側面に張設し、かつ透光性パネル面に、縦桟または横桟と交差する複数の疑似横桟または疑似縦桟を間隔を置いて設けることにより、縦桟と疑似横桟、または横桟と疑似縦桟が、正面から見て格子状をなすようにする。
【0007】
(2) 上記(1)項において、透光性パネルを、縦方向または横方向に複数に分割し、分割された各単位パネルの上下縁または両側縁に設けた左右方向を向く縁材また上下方向を向く縁材により、疑似横桟または疑似縦桟を形成する。
【0008】
(3) 上記(1)または(2)項において、上下の横枠材の対向部、または左右の縦枠材の対向部のいずれか一方に、縦桟または横桟の一端部を嵌合しうるスリットを設け、かつ他方の対向部に、縦桟または横桟の他端部を嵌合しうる凹部を設け、この凹部内に、縦桟または横桟をスリットに向かって付勢するとともに、その逆方向に弾性変形可能な弾性体を設ける。
【0009】
(4) 上記(3)項において、横枠材または縦枠材の対向部に、縦桟または横桟の他端部を嵌合しうる凹部を有する受材を固着し、前記凹部の底壁部に、対向するスリットに向かってハ字状に拡開する弾性舌片を有する弾性体の基部を止着する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
この間仕切パネルは、左右1対の角管状の縦枠材(2)の上下部に、左右方向を向く上下の横枠材(3)(4)を架設して形成した方形の間仕切枠(1)を備えている。
なお、図示の例では、両縦枠材(2)を、下部の横枠材(4)よりさらに下方に延出して、その両側面に、腰板パネル(5)及び幅木(6)を架設してある。
【0011】
上部の横枠材(3)は、ほぼ角管状をなすが、下端部の断面形状が、中央に上方に向かって凹入する溝(7)を有するほぼW字状をなしている。
【0012】
横枠材(3)の下面における長手方向に適宜の間隔、好ましくは等間隔を置いた複数の個所(図示の例では3個所)には、溝(7)の前後よりほぼ放物線状をなして垂下する下向き膨出部(3a)の下端から溝(7)の底に相当する水平片(7a)の下面またはそれに近い部分まで至る前後方向を向くスリット(8)が切設されている。
【0013】
下部の横枠材(4)は、水平な基片(4a)の前後部より、腰板パネル(5)の上部内面に当接する前後1対の垂下片(4b)が連設されて、ほぼπ字状の断面形状をなしている。
【0014】
基片(4a)における上部の横枠材(3)のスリット(8)に対向する部分には、前後方向に長い方形の囲壁状の受材(9)が溶接等により固着されている。受材(9)の内部に形成された凹部(10)の底の中央に相当する基片(4a)の部分は、方形の嵌合孔(11)が穿設され、ここに、合成樹脂製の弾性体(12)の直方形状の基部(12a)が嵌着されている。基部(12a)の前後の上縁部には、対向するスリット(8)に向かってハ字状に拡開する1対の弾性舌片(12b)が連設されている。
【0015】
上下方向を向く縦桟(13)は、前後方向を向く基片(13a)の前後の端部に、左右方向を向く側片(13b)の中央部を連設したものよりなり、横断面形がH字状をなしている。
【0016】
この縦桟(13)は、前後または左右方向に若干傾斜させた状態で、その下端を、受材(9)の凹部(10)に斜め上方から嵌合し、弾性体(12)の弾性舌片(12b)を、図4に示すようにほぼ水平になるように弾性変形させつつ押し下げ、次いで上端の基片(13a)をスリット(8)に嵌合させることにより、上下の横枠材(3)(4)間に簡単に装着することができる。
【0017】
縦桟(13)の上端をスリット(8)に嵌合した後、縦桟(13)から手を離すと、縦桟(13)は、弾性舌片(12b)の復元力により、上向きに付勢され、縦桟(13)の上端がスリット(8)から外れることはなくなる。
【0018】
なお、弾性体(12)は、上述のものの他、例えばZ字状に折り曲げた板ばね、または直方体状のゴム等とすることができる。
【0019】
3本の縦桟(13)を上下の横枠材(3)(4)間にすべて装着した後、間仕切枠(1)の両側面に、透光性パネルであるガラスパネル(14)が装着される。
各ガラスパネル(14)は、上下方向に分割された4枚の単位パネル(15)からなっている。
【0020】
各単位パネル(15)は、その両側縁と上下の縁とに縁材(16)が固着され、両側縁の縁材(16)の後面に設けられた下向き鈎形の上下1対のフック(17)を、縦枠材(2)の両側面に設けられた係合孔(18)に嵌合して係止させることにより、下段のものから順に間仕切枠(1)に装着される。装着された各単位パネル(15)は、縁材(16)が必要に応じてゴム板等の緩衝材(図示略)を介して、縦桟(13)の前後面に当接して、内方への撓みが阻止される。
【0021】
最下段の単位パネル(15)の下縁の縁材(16)は腰板パネル(5)の上端に載り、それより上方の単位パネル(15)の下縁の縁材(16)は、その直下の単位パネル(15)の上縁の縁材(16)上に乗り、それらの上下に当接し合った縁材(16)により、疑似横桟(19)が形成され、間仕切を前方または後方から見たとき、この疑似横桟(19)と縦桟(13)とにより、あたかも格子があるように見える。
【0022】
(20)は、上部の横枠材(3)と最上位の単位パネル(15)の上端とを覆う上部カバー、(21)は、縦枠材(2)、単位パネル(15)、腰板パネル(5)及び幅木(6)等の外側面を覆う側部カバーである。
【0023】
なお、ガラスパネル(14)を1枚のパネルとして、その中間部に、左右方向を向く金属板またはテープ等を貼着するか、または単に着色する等の手段により、疑似横桟(17)を形成してもよい。この場合、ガラスパネル(14)の内面を、緩衝材を介して縦桟(13)の前後面に当接させるようにするのがよい。
【0024】
ガラスパネル(14)に代えて、アクリルパネルやその他のパネルを透光性パネルとして用いることもある。
【0025】
上述の実施形態では、縦桟(13)を両ガラスパネル(14)間の空間内に配設するようにしたが、図1に示した間仕切を、90度側方に倒した状態で用いることもできる。そのときは、縦桟(13)は横桟となり、疑似横桟(17)は疑似縦桟となる。
【0026】
さらに、スリット(8)を下部の横枠材(4)の上面に設け、受材(9)及び弾性体(12)を上部の横枠材(3)の下面に設けて実施してもよい。この場合、縦桟(13)の荷重が常時弾性体(12)にかからなくなるので、弾性体(12)の耐久性が増すという利点がある。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0028】
(a) 請求項1記載の発明によると、2枚の透光性パネル間に形成される中空部内に縦桟または横桟を設けたので、間仕切パネル自体の強度を高めることができるとともに、両透光性パネルが内方へ撓むのを阻止し、透光性パネルを安定して支持することができる。
【0029】
また、縦桟と横桟とを格子状に組立てる場合のような面倒な組立て作業が不要であり、しかも、正面から見たとき、縦桟と疑似横桟、または、横桟と疑似縦桟が、あたかも格子状に組付けたように見えるので体裁がよく、組立てが容易である。
【0030】
(b) 請求項記載の発明によると、透光性パネルの支持強度をさらに高めることができるとともに、単位パネルの縁材が疑似横桟または疑似縦桟となるので好都合である。
【0031】
(c) 請求項記載の発明によると、縦桟または横桟の一方の端部を先に凹部に押し込み、次いで他方の端部をスリットに嵌合するだけで、後は弾性体が縦桟または横桟をスリットに向かって押圧し、それらが横枠材または縦枠材から外れるのを防止するので、組立が容易である。
【0032】
(d) 請求項記載の発明によると、枠材への加工を最小限に止め、安価に製造できるとともに、弾性体の1対の弾性舌片により、縦桟または横桟を安定してスリットに向かって押圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の間仕切の斜視図である。
【図2】 同じく、要部の分解斜視図である。
【図3】 同じく、縦枠材の取付要領を示す要部の斜視図である。
【図4】 同じく、縦枠材の取付要領を示す要部の拡大縦断側面図である。
【図5】 同じく、縦枠材と受材との関係を示す要部の拡大縦断側面図である。
【図6】 同じく、ガラスパネルを装着した状態の要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
(1)間仕切枠
(2)縦枠材
(3)(4)横枠材
(3a)下向き膨出部
(4a)基片
(4b)垂下片
(5)腰板パネル
(6)幅木
(7)溝
(7a)水平片
(8)スリット
(9)受材
(10)凹部
(11)嵌合孔
(12)弾性体
(12a)基部
(12b)弾性舌片
(13)縦桟
(13a)基片
(13b)側片
(14)ガラスパネル(透光性パネル)
(15)単位パネル
(16)縁材
(17)フック
(18)係合孔
(19)疑似横桟
(20)上部カバー
(21)側部カバー

Claims (4)

  1. 左右1対の縦枠材の上下部に、左右方向を向く横枠材を架設して方形の間仕切枠を形成し、かつ両横枠材の中間部間、または両縦枠材の中間部間に、上下方向を向く複数の縦桟または左右方向を向く複数の横桟を、間隔を置いて架設し、縦桟または横桟を両側方より覆うように、1対の透光性パネルを間仕切枠の両側面に張設し、かつ透光性パネル面に、縦桟または横桟と交差する複数の疑似横桟または疑似縦桟を間隔を置いて設けることにより、縦桟と疑似横桟、または横桟と疑似縦桟が、正面から見て格子状をなすようにしたことを特徴とする間仕切パネル。
  2. 透光性パネルを、縦方向または横方向に複数に分割し、分割された各単位パネルの上下縁または両側縁に設けた左右方向を向く縁材また上下方向を向く縁材により、疑似横桟または疑似縦桟を形成した請求項記載の間仕切パネル。
  3. 上下の横枠材の対向部、または左右の縦枠材の対向部のいずれか一方に、縦桟または横桟の一端部を嵌合しうるスリットを設け、かつ他方の対向部に、縦桟または横桟の他端部を嵌合しうる凹部を設け、この凹部内に、縦桟または横桟をスリットに向かって付勢するとともに、その逆方向に弾性変形可能な弾性体を設けた請求項1または2記載の間仕切パネル。
  4. 横枠材または縦枠材の対向部に、縦桟または横桟の他端部を嵌合しうる凹部を有する受材を固着し、前記凹部の底壁部に、対向するスリットに向かってハ字状に拡開する弾性舌片を有する弾性体の基部を止着した請求項記載の間仕切パネル。
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