JP3882164B2 - 間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具と、それを使用する間仕切りパネル - Google Patents

間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具と、それを使用する間仕切りパネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、支持フレームに対し、パネル板を片面側から容易に確実に固定することができる間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具と、それを使用する間仕切りパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
事務所などの室内を任意に仕切るために、ブロックパネル式の間仕切りパネルが広く使用されている。
【0003】
このものは、床面に立設する支持パネルの両面または片面に対し、適当な表面装飾を施したパネル板を取り付けて構成されている。なお、パネル板は、ねじ止めの他、裏面に立設するフックを支持フレームの係合スリットに挿入して係合させるフック止めによって固定するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、ねじ止めは、作業手数が過大となりがちである上、止めねじの頭部がパネル板の表面に露出するので、外観体裁がよくないという問題がある。また、フック止めは、パネル板の裏面側に複数のフックをあらかじめ立設しなければならないので、パネル板の製作コストがかさむ上、パネル板の取扱いが面倒であり、輸送効率を悪くしがちであるという問題が避けられない。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、支持フレームに弾発的に係合する取付脚付きの取付具をパネル板に後付け装着することによって、パネル板の形状を最も単純にし、従来の問題を一掃することができる間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具と、それを使用する間仕切りパネルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明の構成は、縦長の本体板と、本体板の裏面側に形成する互いに平行な上下一対の横向きの係合溝と、本体板の裏面側に形成する上下一対の取付脚とを備えてなり、本体板は、パネル板の裏面側の上下のフックを各係合溝の一端から挿入してパネル板の裏面側に収納するようにして装着可能であり、取付脚は、パネル板の裏面側に突出して支持フレームの上下の横材に弾発的に係合可能であることをその要旨とする。
【0007】
なお、本体板の片側には、各係合溝の一端を閉じる縦方向の補強板を形成することができる。
【0008】
また、補強板には、切欠きを設けてもよく、各取付脚には、補強リブを形成してもよい。
【0009】
第2発明の構成は、複数の横材を有する支持フレームと、第1発明に係る取付具を両端に装着するパネル板とを備えてなり、パネル板は、取付具を介して支持フレームに固定することをその要旨とする。
【0010】
なお、取付具は、上下対称に形成することができ、パネル板は、上辺、下辺を各3回裏面側に折り曲げて上下のフックを形成することができる。
【0011】
【作用】
かかる第1発明の構成によるときは、本体板は、パネル板の上下のフックを利用して、パネル板の裏面側に収納するようにしてパネル板に装着可能であり、このとき、パネル板の裏面側に突出する取付脚は、支持フレームの上下の横材に弾発的に係合させることにより、パネル板を支持フレームの片面側から簡単に取り付けて固定することができる。なお、取付具は、パネル板の左右両端に装着するものとし、上下対称に形成することにより、パネル板の左右に共用可能とすることが好ましい。また、取付具は、適当な強度を有するプラスチック材料により一体成形するものとする。
【0012】
本体板に形成する補強板は、本体板が長くても、本体板を有効に補強することができる上、係合溝の一端を閉じることにより、パネル板に対する本体板の装着深さを一定に規制することができる。なお、本体板の裏面側には、片側の補強板に加えて、任意の長さの縦方向の補強リブや、変形防止用の突部などを必要に応じて追加形成することができる。
【0013】
補強板に切欠きを設ければ、切欠きを介してパネル板の裏面側に任意の電気配線ケーブルを通すことができる。
【0014】
各取付脚は、補強リブを形成することにより、支持フレームの横材に対する係合強度を十分に大きくすることができ、パネル板が不用意に脱落したりする危険がない。
【0015】
第2発明の構成によるときは、パネル板は、第1発明に係る取付具を介し、支持フレームの上下の横材の間に片面側から簡単に取り付けて固定することが可能である。なお、支持フレームの横材は、取付具の取付脚を係合させるための係合リブを十分な高精度に製作するために、アルミニウム材による押出形材を使用することが好ましい。また、横材を連結する左右の縦材も、同材による押出形材とすることにより、全体重量の軽量化を図ることができる。
【0016】
取付具は、上下対称に形成することによって、同一形状のものを上下に反転させ、パネル板の左右に共用することができる。
【0017】
パネル板は、上辺、下辺を折り曲げて上下のフックを形成し、左右の折曲げ加工を省略することによって、たとえばロールフォーミングによる高速連続成形が可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0019】
間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具10は、縦長の本体板11と、本体板11の裏面側に形成する上下一対の係合溝12、12、取付脚13、13とを備えてなる(図1)。ただし、図1(B)〜(D)は、それぞれ同図のX1 矢視相当図、X2 −X2 線、X3 −X3 線矢視相当拡大断面図である。
【0020】
各係合溝12は、両側の突条12a、12bを介し、本体板11の裏面側の上端部、下端部において、互いに平行に横向きに形成されている。ただし、本体板11の先端側の突条12aは、他側の突条12bより低く、両者の頂部は、前者の係合溝12側、後者の両側がそれぞれ斜めに形成されている。突条12a、係合溝12、突条12bは、ほぼ同形の凹溝12c、突条12d、凹溝12eとして本体板11の表面側に表われており、凹溝12c、突条12d、凹溝12eには、それらを共通に横切る補強リブ12f、12fが形成されている。なお、突条12aの外側の一辺12a1 は、先端縁部分が本体板11の表面側に向けて滑らかに丸められている。
【0021】
本体板11の片側には、係合溝12、12の一端を閉じるようにして、縦方向の補強板14、14が形成されている。なお、補強板14、14には、本体板11の裏面側に通じる大きな切欠き14aが設けられている。各補強板14は、本体板11の裏面側に各係合溝12用の突条12bと同一高さに突出しており、本体板11の表面側に僅かに突出して連続するとともに、本体板11の両端に僅かに突出している。また、各補強板14と本体板11との接続部分は、本体板11を裏面側に軽く丸めることにより、本体板11の表面側に変形V字状の小溝14bが形成されており、小溝14bは、補強リブ14c、14cによって仕切られている。
【0022】
取付脚13、13は、本体板11の裏面側の上部、下部において、補強板14、14と反対側に偏移して、互いに背向するようにして高く突出している。各取付脚13の先端部外面側には、断面山形の横向きの係合突部13aが形成され、各取付脚13の内面側には、本体板11の裏面に連続する三角形の補強リブ13b、13bが形成されている。
【0023】
本体板11の裏面側には、取付脚13、13の中間位置に横向きの突部15が形成され、突部15は、係合溝12、12用の突条12b、12bと同一高さとなっている。また、突部15には、本体板11の一辺に沿って縦方向の補強リブ16、16が付設されており、補強リブ16、16は、突部15より低く形成されている。なお、突部15、各補強リブ16は、本体板11の表面側において、それぞれ突部15とほぼ同形の凹部15a、補強リブ16b、16b付きの断面変形台形状の凹溝16aとして表われている。
【0024】
取付具10は、全体として上下対称に形成されており、たとえばABS樹脂のようなプラスチック材料により一体成形されている。なお、取付具10は、産業廃棄物を利用する再生プラスチック材料製であってもよい。
【0025】
かかる取付具10は、パネル板Pの左右両端に後付けして装着することができる(図2)。ただし、図2(B)は、同図(A)の要部拡大斜視図である。
【0026】
パネル板Pは、鋼板P1 の上辺、下辺を各3回裏面側に直角に折り曲げ、上辺、下辺に沿って短い外向きのフックP2 、P2 が形成されている。なお、鋼板P1 の表面側には、装飾用のクロスP3 が全面に貼着されており、クロスP3 は、鋼板P1 のすべての切断端面を覆うように、鋼板P1 の裏面側に折り返されている。そこで、取付具10は、係合溝12、12の一端からパネル板PのフックP2 、P2 を横向きに挿入することにより、係合溝12、12用の突条12a、12aをフックP2 、P2 内に収納し、本体板11をパネル板Pの裏面側に収納するようにして、パネル板Pの左右に装着することができる(図3、図4)。なお、このとき、パネル板Pに対する各取付具10の装着深さは、各係合溝12の一端を閉じる補強板14、14によって規制され、補強板14、14は、パネル板Pの表面と同一高さとなってパネル板Pの先端を閉じることができる(図5)。
【0027】
そこで、このようにして取付具10、10を左右の両端に装着したパネル板P、P…は、支持フレーム20の両面に取り付けて固定することにより、ブロックパネル式の間仕切りパネルの各ブロックを構築することができる(図3、図5)。ただし、支持フレーム20は、左右の縦材21、21を介し、止めねじ23を使用して複数の横材22、22…を梯子状にねじ連結して構成されており、各縦材21に添わせるフック金具24を介して柱材25にフック止めされている。また、支持フレーム20の下端の横材22には、幅木26、26が付設されており、柱材25の下端には、レベル調節用のアジャストボルト25aが付設されている。
【0028】
各パネル板Pは、たとえば左右の取付具10、10の下側の取付脚13、13を下側の横材22に掛けて斜めに保持し(図6の二点鎖線)、そのまま垂直に起こすことにより(同図の矢印方向)、支持フレーム20の片面側から上下の横材22、22の間に簡単に取り付けて固定することができる(同図の実線)。パネル板Pは、上下の取付脚13、13…がそれぞれの係合突部13aを介して上下の横材22、22の係合リブ22a、22aに弾発的に係合して固定されるからである(図4)。ただし、図4には、上部の横材22の一部、上部の取付脚13、13の一方のみが図示されている。
【0029】
なお、このときのパネル板Pは、上下のフックP2 、P2 を形成する平行部分P2a、P2aに加えて、各取付具10の裏面側に突出する突条12b、12b、突部15の各頂面が縦材21の外面に当接して位置決めされるとともに(図5)、裏面側から効果的に補強され、不用意に変形したりするおそれがない。すなわち、突部15は、突条12b、12bとともに、パネル板Pの変形防止用となっている。
【0030】
また、以上のようにして構築する間仕切りパネルは、両面のパネル板P、Pの間に電気配線ケーブルCを通すことができる(図7)。電気配線ケーブルCは、横材22の係合リブ22a、22aを利用して装着する止め具22bと、止め具22bに掛ける結束材22b1 とを介して支持し、支持フレーム20の縦材21、柱材25の箇所において、取付具10の切欠き14aを左右に貫通させることができる。なお、図7において、電気配線ケーブルCは、複数本であってもよく、光通信用の光ファイバケーブルであってもよい。また、止め具22bは、支持フレーム20を組み立てるに際し、適切な高さの横材22に対してあらかじめ1〜2個以上を装着しておくものとする。
【0031】
以上の説明において、取付具10の縦方向の長さは、パネル板Pの縦幅に適合させるものとし、支持フレーム20の横材22、22の間隔も、同様である。そこで、縦幅が異なる複数種類のパネル板P、P…を混用するときは、それに合わせて、縦方向の長さが異なる取付具10、10…を使用し、横材22、22…の間隔も、パネル板Pの縦幅に合わせて設定するものとする。また、横材22、22…は、支持フレーム20の上端のものの下面、中間のものの上下面、下端のものの上面にそれぞれ係合リブ22a、22aが精度よく形成されている(図4、図6、図7(A))。そこで、横材22、22…は、それぞれ適切な断面形状の押出形材を使用することが好ましい。なお、パネル板P、P…は、支持フレーム20の片面にのみ取り付けてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この出願に係る第1発明によれば、上下一対の横向きの係合溝と、上下一対の取付脚とを縦長の本体板の裏面側に形成することによって、本体板は、パネル板の裏面側のフックを利用してパネル板に収納するように後付けして装着可能であり、取付脚は、支持フレームの上下の横材に弾発的に係合させ、パネル板を支持フレームの片面側から簡単に取り付けて固定することができるから、パネル板の形状を最も単純に形成し、組立時の作業性を大きく向上させ、製作コストを低下させるとともに、外観体裁も極めて良好な間仕切りパネルを構築することができるという優れた効果がある。
【0033】
第2発明によれば、第1発明に係る取付具を使用することによって、第1発明の効果を全部実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成説明図
【図2】 使用状態説明図
【図3】 間仕切りパネルの全体分解斜視図
【図4】 図3の要部拡大断面図(1)
【図5】 図3の要部拡大断面図(2)
【図6】 間仕切りパネルの組立説明図
【図7】 間仕切りパネルの使用状態説明図
【符号の説明】
P…パネル板
P2 …フック
10…取付具
11…本体板
12…係合溝
13…取付脚
13b…補強リブ
14…補強板
14a…切欠き
20…支持フレーム
22…横材

Claims (7)

  1. 縦長の本体板と、該本体板の裏面側に形成する互いに平行な上下一対の横向きの係合溝と、前記本体板の裏面側に形成する上下一対の取付脚とを備えてなり、前記本体板は、パネル板の裏面側の上下のフックを前記各係合溝の一端から挿入してパネル板の裏面側に収納するようにして装着可能であり、前記取付脚は、パネル板の裏面側に突出して支持フレームの上下の横材に弾発的に係合可能であることを特徴とする間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具。
  2. 前記本体板の片側には、前記各係合溝の一端を閉じる縦方向の補強板を形成することを特徴とする請求項1記載の間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具。
  3. 前記補強板には、切欠きを設けることを特徴とする請求項2記載の間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具。
  4. 前記各取付脚には、補強リブを形成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の間仕切りパネルにおけるパネル板の取付具。
  5. 複数の横材を有する支持フレームと、請求項1ないし請求項4のいずれか記載の取付具を両端に装着するパネル板とを備えてなり、該パネル板は、前記取付具を介して前記支持フレームに固定することを特徴とする間仕切りパネル。
  6. 前記取付具は、上下対称に形成することを特徴とする請求項5記載の間仕切りパネル。
  7. 前記パネル板は、上辺、下辺を各3回裏面側に折り曲げて上下のフックを形成することを特徴とする請求項5または請求項6記載の間仕切りパネル。
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