JP4302365B2 - 水剥離型活性エネルギー線硬化性接着剤 - Google Patents

水剥離型活性エネルギー線硬化性接着剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線などの活性エネルギー線によって硬化する一液型接着剤に関するものであり、さらに詳しくは接着させたい物体(以下、被接着物という)が透明、不透明の如何を問わず接着することができ、かつ一度接着させた後でも水や温水で容易に剥離することができる接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在接着剤は家庭から宇宙産業に至るまで様々な用途で使用されている。その使用目的としては恒久的に二つの基材を接着させる場合が多いが、このほか所定の加工をするときのみ二つの基材を接着させ、その後適当な手段により剥がすという一時的な接着を目的として使用される場合もある。例えば、眼用レンズ、時計の文字盤あるいは指針や水晶振動子等は、粗形状の材料を接着剤により被接着物と支持体とを仮固定させた後、切削または研磨等の機械加工を施すことにより所望の形状を作成し、その後被接着物と支持体を剥がすことにより製造されている。
【0003】
これらの用途すなわち一時的に接着させることを目的とする接着剤には、切削または研磨等の加工には被接着物と支持体が剥がれない接着力が必要であり、加工が終了した後には被接着物と支持体を容易に剥がすことができ、かつ被接着物と支持体共に接着剤が残存しないという相反する性能が要求される。
【0004】
このため、従来から多くの試みがなされており、例えば特開平10−195391にはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびアクリロイルオキシ化物にラジカル重合開始剤を含有させた紫外線硬化型接着剤が示されている。これは、眼用レンズに接着剤を塗布し、支持体を貼り合わせた後にレンズ越しに紫外線照射を行って接着剤を硬化させる方法により接着させている。このように、一般的にラジカル重合による活性エネルギー線硬化は、酸素による重合阻害があるため被接着物を接着剤で貼り合わせて酸素を遮断した後に、被接着物越しに紫外線を接着剤に照射する必要がある。
【0005】
しかし、上記の光ラジカル重合性接着剤は、酸素を遮断して活性エネルギー線を照射する必要があるために被接着物等が透明であっても厚い物の場合には、充分に接着剤を硬化させるために多くの活性エネルギー線を照射する必要があり、被接着物等が劣化することが懸念される。また、UVカットレンズ、着色物、金属、不透明なプラスチックなどの活性エネルギー線硬化性樹脂に重要な紫外線すなわち波長が200〜400nmの紫外線を透過しない素材に対しての使用が不向きな樹脂である。このような経緯で、不透明な被接着物に酸素存在下でも活性エネルギー線による硬化が行えかつ接着後容易に剥離できる樹脂が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記理由により、本発明は、被接着物が透明または不透明に関わらず仮止め用接着剤として十分な接着強度を持ちながら、水または温水に浸漬すると容易に剥離でき被接着物に接着剤が残存しない活性エネルギー線硬化性接着剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
1分子に少なくとも2つ以上、好ましくは2〜12の水酸基を有するポリオール化合物を含有することを特長とする樹脂組成物、すなわち(A)光カチオン重合性をもったオキシラン環を有する水溶性樹脂、(B)1分子に少なくとも2つ以上、好ましくは2〜12の水酸基を有するポリオール化合物、(C)酸発生剤を含む樹脂組成物を用いる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる光カチオン重合性をもったオキシラン環を有する水溶性樹脂<(A)成分>とは、光酸発生剤の存在下で光照射することにより重合反応や架橋反応を起こすオキシラン環を有する水溶性の有機化合物である。
【0009】
(A)成分として使用することのできる樹脂としては、少なくとも1つ、好ましくは2つ以上のオキシラン環を有する水溶性のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0010】
水溶性のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールなどのポリグリシジルエーテル、およびグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールなどのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルなどが挙げられ、好ましくはポリグリセリンのポリグリシジルエーテルが用いられる。
【0011】
上記の化合物は、モノマーに限らずオリゴマー化物でも良く、1種単独でまたは2種以上のものを組み合わせて(A)成分を構成することができる。本発明の樹脂成分中における(A)成分の割合は、通常は50〜95重量%とされ、好ましくは65〜92重量%とされる。(A)成分が過少の場合には、活性エネルギー線により組成物が硬化しないため基材を接着できない。また、過剰の場合には、接着後の水剥離性が悪くなる。
【0012】
本発明で用いるポリオール化合物<(B)成分>とは、1分子に少なくとも2つ以上、好ましくは2〜12の水酸基を有するポリオール化合物で、基材に残存接着剤を残さず早く剥離させるために含有する必須成分である。
【0013】
(B)成分として使用することのできる樹脂としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリグリセリンなどの2価以上の多価アルコール、または上記多価アルコールをエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)などの化合物で変性することにより得られるポリエーテルポリオールを挙げることができ、具体的にはEO変性エチレングリコール、PO変性エチレングリコール、EO変性プロピレングリコール、PO変性プロピレングリコール、EO変性トリメチロールプロパン、PO変性トリメチロールプロパン、EO変性グリセリン、PO変性グリセリン、EO変性ジグリセリン、PO変性ジグリセリン、EO変性ペンタエリスリトール、PO変性ペンタエリスリトール、EO変性ソルビトール、PO変性ソルビトール、EO変性ポリグリセリン、PO変性ポリグリセリンが挙げられ、これらのうち、PO変性グリセリン、PO変性ジグリセリン、PO変性ポリグリセリンが好ましい。また、使用するポリオールの分子量は40〜2000であることが好ましく、さらに好ましくは90〜1700とされる。
【0014】
上記の化合物は、1種単独でまたは2種以上のものを組み合わせて(B)成分を構成することができる。本発明の樹脂成分中における(B)成分の割合は、通常5〜50重量%とされ、好ましくは8〜35重量%とされる。(B)成分が過少の場合は基材に接着剤が部分的に残存し綺麗に剥がれない。また、過剰の場合には樹脂組成物が硬化しないため接着できない。
【0015】
本発明で用いる酸発生剤<(C)成分>とは、活性エネルギー線を照射することにより、または70〜250℃の温度範囲加熱することにより分解し、カチオン種を発生し前記(A)成分および(B)成分をカチオン重合させる化合物であり、特に限定されるものではないが、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩や、鉄−アレン錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。光酸発生剤は一般式(2)で表される。
(R Z)+m(MXn−m−m(2)式中、カチオンはオニウム塩であり、ZはS,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,ClまたはN≡Nであり、R、R、RおよびRは同一または異なる有機基である。a,b,c,dは、それぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はZの価数に等しい。Mはハロゲン化物錯体の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えばB,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,Mn,Coなどである。Xはハロゲン原子である。mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはハロゲン化物錯体イオン中の原子の数である。
【0016】
上記一般式(2)における陽イオン(R Z)の具体例としては芳香族スルホニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族アンモニウム、[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄カチオンなどが挙げられる。陰イオン(MXn−m)の具体例としてはテトラフルオロボレート(BF)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF)、ヘキサフルオロホスフェート(PF)、ヘキサフルオロアーセネート(AsF)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl)などが挙げられる。
【0017】
また、一般式[MX(OH)]で表される陰イオンを有するオニウム塩を使用することもできる。さらに、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート[B(C) ]、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、フルオロスルホン酸イオン(FSO )、トルエンスルホン酸イオンなどの他の陰イオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
【0018】
このようなオニウム塩のうち、(C)成分として有用なオニウム塩は以下のものである。すなわち、芳香族スルホニウム塩には、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスへキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスへキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムへキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムへキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスへキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等;芳香族ヨードニウム塩には、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムへキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムへキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムへキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムへキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムへキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等;芳香族ジアゾニウム塩には、フェニルジアゾニウムへキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等;芳香族アンモニウム塩には、1−べンジル−2−シアノピリジニウムへキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムへキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−べンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムへキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等;(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)べンゼン]−Fe塩には、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)へキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等、が挙げられる。
【0019】
上記の化合物は、1種単独でまたは2種以上のものを組み合わせて(C)成分を構成することができる。本発明の樹脂成分における(C)成分の割合は、通常は0.1〜10重量%とされ、好ましくは0.2〜5重量%とされる。
【0020】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、光硬化性を損なわない範囲において、上記の(A)〜(C)の必須成分以外の任意の成分を含有させることができる。
【0021】
係る任意成分としては、硬化性を向上させるためにアクリレート、メタクリレートなどのラジカル重合性樹脂、アセトフェノンベンジルケタールなどのラジカル重合開始剤、基材との密着性を向上させるためにビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの非水溶性のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエンなどの脂環式エポキシ樹脂、ビニルエーテル、オキセタン樹脂などが挙げられる。
【0022】
さらに用途に応じて、アミン類、チオキサントン類、アントラセン類、フェノチアジン類、カルバゾール類からなる光増感剤、分解してp−トルエンスルホン酸などの酸を発生する酸増殖剤、水酸化アルカリ金属・炭酸アルカリ土類金属・リン酸アルカリ土類金属などの酸補足剤、着色剤、老化防止剤、レベリング剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、無機充填剤、樹脂粒子、濡れ性改良剤などを加えることができる。
【0023】
本発明における活性エネルギー線とは特に限定されるものではないが、例えばマイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線、電子線等が挙げられ、好ましくはその中でも簡便に使用でき、比較的エネルギーの大きい紫外線が使用される。
【0024】
上記の紫外線は、光源として水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、気体レーザー、固体レーザーなどが挙げられ特に限定されるものではないが、好ましくは水銀灯が使用される。
【0025】
以下、本発明の詳細を合成例及び実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0026】
【実施例】
<実施例1>
表1に示す処方配合に従って、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル「SR−4GL」(阪本薬品工業(株)製)78.4重量%、ジグリセリンのプロピレンオキサイド付加物「SC−P400」(阪本薬品工業(株)製)19.6重量%、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩混合物「UVI−6990」(ユニオン・カーバイド日本(株)製)2.0重量%を攪拌容器内に仕込み、50℃で1時間攪拌し、無色透明な液状組成物(本発明の樹脂組成物)を得た。
得られた樹脂組成物をガラス板、PBT樹脂板(ポリブチレンテレフタレート樹脂を成型し板状にしたもの)、ABS樹脂板(ABS樹脂を成型し板状にしたもの)、アクリル板(市販品)等の基板上に、膜厚約20μmで塗布した。続いて、常温下高圧水銀灯にて500mJ/cm照射し、その後に接着剤を塗布していない基板(接着剤を塗布している基材と同種のもの)を貼り合わせた。その後、温度23℃、湿度45%の恒温高湿下で1時間静置後、試験片とした。
得られた接着剤評価を下記の評価方法で行い、その結果を表2〜5に示した。
【0027】
<実施例2〜3>
表1に示す処方配合に従って、(A)〜(C)成分および任意成分を攪拌混合したこと以外は実施例1と同様にして、液状組成物(本発明の樹脂組成物)を得た後、接着した基材を作成し、物性評価を行った。その結果を表2〜5に示した。
【0028】
<比較例1〜4>
表1に示す処方配合に従って、各構成成分を攪拌混合したこと以外は実施例1と同様にして液状組成物を得た後、接着した基材を作成し、物性評価を行った。その結果を表2〜5に示した。
【0029】
以下に、上述の実施例等における評価方法を説明する。
(硬化性)
実施例1に示した方法で接着した基材が完全に固定されるまでの時間が20分未満の場合を○、基材が固定されるまで20分以上要する場合を△、固定できない場合を×とした。
(引張せん断強度)
(株)島津製作所製のAUTO GRAPH S-2000を用いて、JIS K 6850に準じた方法で、得られた接着基材を引張速度5mm/min、標線間距離60mmの条件で測定した。
(水剥離性)
水温を60℃に保つことができるウォーターバス中に得られた接着基材を浸漬し、その接着基材が剥がれるまでに要した時間を測定した。
(剥離後の残存接着剤の有無)
水剥離性試験後、基材に接着剤が付着しているかどうかを目視にて確認し、残存物が全く無い場合を○、部分的に残存している場合を△、ほとんど残存している場合を×とした。また、水剥離性試験で剥がれなかった試験片については引張せん断強度試験で使用した基材を用い、60℃温水中に30分浸漬後の状態を目視にて行い、上記と同じく評価した。
【0030】
【表1】
Figure 0004302365
【0031】
【表2】
Figure 0004302365
【0032】
【表3】
Figure 0004302365
【0033】
【表4】
Figure 0004302365
【0034】
【表5】
Figure 0004302365
【0035】
本試験では、二つの基材を接着させた後、常温にて静置したが、基材に影響しない範囲で加熱することにより接着させる時間を短くでき、生産性を向上させることができる。また、基材に影響しない範囲で剥離時には水ではなくアルコールやアセトンなどの有機溶剤を使用することもできる。
【0036】
本発明の接着剤は、活性エネルギー線による硬化後は固形物となり二つの基板を接着させるもので、硬化後の接着剤は水に溶解するものではない。それゆえ、基板より剥離した接着剤は容易に除去することができ、剥離するために用いた水も特に化学的処理をすることなく廃棄またはリサイクルできるので作業環境上、地球環境上好ましいものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明の水剥離型活性エネルギー線硬化性接着剤は、活性エネルギー線による硬化後に、十分な接着強度を有しながら水や温水により容易に剥がすことができる性質を持つことから、仮止め接着剤として使用できる。特に、透明または不透明基材に関わらず微細加工を要する分野などの微細な切削に耐えうる強度を持ち、かつ加工後水または温水浸漬などの簡単な条件で容易に剥離することを必要とする分野に利用できる。

Claims (2)

  1. (A)光カチオン重合性をもったオキシラン環を有する水溶性樹脂、(B)1分子内に2〜12個の水酸基を有するポリオール化合物、(C)酸発生剤の各々の成分からなり、配合割合が(A):(B):(C)=50〜95重量%:5〜50重量%:0.1〜10重量%である水剥離型活性エネルギー線硬化性接着剤
  2. 請求項1で示した(B)成分が、一般式(1)
    Figure 0004302365
    (式中、Rは水素またはメチル基を表す。m、n、oは各々0以上の整数でありかつm+n+o≧1を表し、pは1〜10の整数を表す。)で示されるグリセリンまたはポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物である請求項1記載の水剥離型活性エネルギー線硬化性接着剤
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