JP4301591B2 - 新規な血小板粘着凝集抑制物質、その製造法およびその用途 - Google Patents

新規な血小板粘着凝集抑制物質、その製造法およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な血小板粘着凝集抑制物質、その製造法、それを含有する医薬組成物およびそれを側鎖構造にもつ高分子、それらを用いて製造した成型物およびその成型物を部品として用いて製造した人工臓器、医療用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
血栓症は欧米および近年の日本における主要な死因のひとつであり、心筋梗塞、脳梗塞などの動脈性疾患を合計すると、癌を越える最大の死因である。血栓症には様々な要因があるが、動脈硬化などの血管の病変がその基盤となっていることが多い。正常血管は血管内皮細胞によって高度に抗血栓化されているが、動脈硬化巣などの血管病変部位では活性化している血管内皮細胞、あるいは、傷害によって露出した血管内皮下組織に血小板が粘着して病的血栓が形成されやすくなっている。病的血栓の形成を抑制する薬剤として、血小板の粘着や凝集を抑制する薬剤、いわゆる、「抗血小板剤」が注目され臨床的に広く用いられつつあるが、抗血小板剤の歴史は比較的新しく、より優れた薬剤の開発が期待されている。
【0003】
人工臓器とは、心臓、血管、心臓弁、肺、膵臓、腎臓、肝臓、皮膚、粘膜などの各種の生体組織および臓器の機能を人工的な材料を用いた成型物やそれを部品として用いた装置によって補助あるいは代行しようとするものである。人工臓器は、生体内に埋入したり、血管へのカニュレーションによって引き出した血液を接触させることによってその機能を発揮するため、それらに用いる材料は生体に害を与えることなく使用できる性質、つまり、生体適合性をもたなければならない。人工臓器の生体適合性を規定する最も重要な生体の反応は血栓形成反応である。血小板の粘着と凝集は、血液凝固系たん白質の活性化とならぶ血栓形成反応に関与する重要な生体反応のひとつであり、正常な生体防御システムに不可欠な止血機能のために存在する。しかし、血液が人工臓器に接触したときにも血小板の粘着と凝集を経た血栓形成が引き起こされる可能性がある。血栓が形成されると、人工臓器は本来の機能を果たすことができなくなる。血栓が形成されるような不都合を避けるために、血小板の粘着凝集を引き起こさない材料、すなわち、抗血栓性材料の開発が試みられてきた。さまざまな検討が盛んに行われてきたが、いまだに充分といえるものではない。優れた人工臓器の開発に不可欠であるより優れた抗血栓性材料の開発が期待されている。
【0004】
また、人工臓器以外にも、血液と接触する機会のある医療用具も接触によって血小板の粘着凝集が起こることが不都合であるため、抗血栓性をもつ材料を用いることが望ましい。これらの理由からも、より優れた抗血栓性材料の開発が期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の記述から明らかなように、優れた抗血小板剤および抗血栓性材料の提供は医療上の重要な課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた結果、一般式(1)に示される化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物が優れた血小板粘着凝集抑制作用を有することを見いだし、さらに、その化合物を側鎖構造として有する高分子が優れた血小板粘着抑制作用を有することを見いだして本発明を完成するに至った。
【0007】
[本発明の化合物]
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表される グルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物である。
式(1)
【化7】
Figure 0004301591
[式(1)中、R1は保護基または下記式(2)〜(5)を表す。式(2)〜(5)中、R10は水素原子、保護基または下記式(6)〜(8)を表し、R11は水素原子または保護基を表す。ただし、R10およびR11が水素原子または保護基である場合、R1はCOOR4に対してトランス結合あるいはシス結合のどちらであってもよい。
式(2)
−OR10
式(3)
−NHR11
式(4)
−CH2R11
式(5)
−SR11
式(6)
【化8】
Figure 0004301591
式(7)
【化9】
Figure 0004301591
式(8)
【化10】
Figure 0004301591
また、R10が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜(8)中、R13、R17およびR26を除くR12〜R28は同一または異なって水素原子または保護基を表し、R13、R17およびR26はアジド基または下記式(9)を表す。
式(9)
−NR29R30
式(9)中、R29およびR30は、同一または異なり水素原子または保護基を表す。
式(1)中、R2〜R8は同一または異なって水素原子または保護基を表す。
式(1)中、R9は、水素原子、保護基または下記式(10)または下記式(11)を表す。
式(10)
【化11】
Figure 0004301591
式(11)
【化12】
Figure 0004301591
式(10)および(11)中、R31〜R37は同一または異なって水素原子または保護基を表す。
式(1)中、nは0〜25の整数を表す。
(ただし、nが0のときは、R1は式(2)、R10は式(8)で表される基であり、R9は式(10)または式(11)で表される基である。)
式(1)、式(6)〜(8)および式(10)〜(11)中、保護基は互いに同一または異なり、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアシル、置換されていてもよい芳香族アシル、または置換されていてもよい芳香族アルキルであり、またR13、R17およびR26を除くR2〜R37の任意の保護基2つが一緒になって、置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよいベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイルを形成してもよい。
また、nが2以上の場合、R2〜R8は、繰り返し単位ごとに同一であっても異なっていてもよい。]
【0008】
すなわち、式(1)で表される本発明の化合物は、下記式(12)で表されるD-グルコサミン誘導体と式(13)で表されるD-グルクロン酸誘導体が結合した構造を有する。
式(12)
【化13】
Figure 0004301591
[式(12)中、R38〜R43は水素原子または保護基を表す。]
式(13)
【化14】
Figure 0004301591
[式(13)中、R44は水酸基または保護基を表し、R45〜R48は水素原子または保護基を表す。]
【0009】
式(1)において、nは0〜25の整数を表すが、nが0のときR1は式(2)、R10は式(8)で表される基であり、R9は式(10)または(11)で表される基である。すなわち、式(1)の化合物は下記式(14)または(15)で表される。 式(14)
【化15】
Figure 0004301591
式(15)
【化16】
Figure 0004301591
【0010】
本発明でいう保護基とは、Theodra W. Green著の“Productive Groups in Organic synthesis”;第2判;1991年刊に表されている各種の保護基を含むものである。
【0011】
上記式(1)〜(11)中で示される保護基は、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキルとしては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第三級ブチル、ペンチル、オクチル、メトキシメチル、第三級ブチルチオメチル、1-エトキシエチル、シロキシメチルまたは2-メトキシエトキシメチルなどを表し、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニルとしては、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、ブテニルまたはオクテニルなどを表し、置換されていてもよい1〜8の直鎖または分枝鎖のアシルとしては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリルまたはピバロイル、またはハロゲン化アシルなどを表し、ハロゲン化アシルとしては例えば、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルなどを表し、置換されていてもよい芳香族アシルとしては例えば、ベンゾイル、パラクロロベンゾイルなどを表し、置換されていてもよい芳香族アルキルとしては、例えば置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいジフェニルメチルまたは置換されていてもよいトリフェニルメチルなどを表し、置換されていてもよいベンジルとしては、例えば4-メトキシベンジルなどを表す。さらに、式(1)〜(11)中で示される保護基は、R13、R17およびR26を除くR2〜R37の任意の保護基2つが一緒になって、1つの保護基を表してもよく、即ち置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよいベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイルを形成してもよい。置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキリデンとしては例えば、プロピリデン、ブチリデンまたはオクチリデンなどを表し、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環状アルキリデンとしては例えば、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデンまたはシクロヘプチリデンなどを表し、さらに、置換されていてもよいベンジリデンまたは置換されていてもよいフタロイルなどを表す。水酸基の保護基としては置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖アシル、置換されていてもよい芳香族アルキル、置換されていてもよい炭素原子数2以上の直鎖または分枝鎖のアルケニルまたは置換されていてもよいベンジリデンなどが好ましく、さらに好ましくはアセチル、ベンジル、1-プロペニルまたはベンジリデンなどを表し、アミノ基の保護基としては、置換されていてもよい炭素原子数1以上の直鎖または分枝鎖のアシルまたは置換されていてもよいフタロイルなどが好ましく、さらに好ましくはアセチルまたはフタロイルなどを表し、カルボキシル基の保護基としては、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキルまたは置換されていてもよい芳香族アルキルなどが好ましく、さらに好ましくは、メトキシル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソプチル、ペンチル、イソペンチルまたはジフェニルメチルなどを表す。上記の保護基は、同一の化合物中で互いに同一でも異なっていてもよく、任意に選ばれる。
【0012】
式(1)中のnは0〜25の整数であり、好ましくは、0〜 10、特に好ましくは0〜5である。
【0013】
R9は上記の記載に合致するものであればよいが、特に、前記式(11)であること、すなわち、式(1)の化合物が下記式(16)であることが好ましい。
式(16)
【化17】
Figure 0004301591
【0014】
さらにこのとき、式(11)において、R1が前記式(6)〜(8)であること、すなわち、式(1)の化合物が下記式(17)〜(19)であることがより好ましい。
式(17)
【化18】
Figure 0004301591
式(18)
【化19】
Figure 0004301591
式(19)
【化20】
Figure 0004301591
【0015】
また、さらに前記式(17)〜(19)において、R13、R17、R26が前記式(9)であることが特に好ましい。
【0016】
本発明における薬理学的に許容される塩とは、本発明の化合物を治療に必要な量を投与する場合に、生体に対して悪影響を及ぼさない、あるいは、本発明の化合物の有効な薬理学的な性質を塩としたことで損なわない塩であることを意味する。具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩;フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などのハロゲン化水素酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩などの低級アルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などのアリールスルホン酸塩;フマル酸塩、コハク酸、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩;およびグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩などのアミノ酸塩をあげることができる。またさらに、本発明の化合物およびその塩は、薬理学的に許容される各種の溶媒、例えば水、有機溶媒、緩衝液などとの溶媒和物や結晶多形のものなども含まれる。
【0017】
本発明の化合物は置換基の種類によって不斉炭素原子を有し、不斉中心の存在に基づく光学異性体が存在する場合がある。本発明の化合物には、各々の異性体、および、それらの混合物のすべてが含まれる。例えば、ある光学異性体とその鏡像異性体(エナンチオマー)との混合物、特に、等量混合物であるラセミ体、また、あるいは、ある光学異性体とそのジアステレオマーとの混合物も含まれる。
【0018】
[本発明の化合物の製造法]
当然のことではあるが、本発明の化合物を得る方法には種々の方法がある。例えば、グルクロン酸誘導体やグルコサミン誘導体などを原料にして有機化学的手法によって中間体あるいは目的化合物を合成・修飾する方法や多糖を酸やアルカリなどを用いて分解して中間体あるいは目的化合物を得る方法などの有機化学的手法、グルクロン酸やN-アセチルグルコサミンなどを原料にして転移酵素や分解酵素の逆反応などを利用して中間体あるいは目的化合物を合成・修飾する方法や多糖を酵素を用いて分解して中間体あるいは目的化合物を得る方法などの生化学的手法、あるいは、微生物や細胞に酵素の遺伝子を導入して原料、中間体あるいは目的化合物、または合成・修飾に用いる酵素を得るなどの遺伝子工学的手法などを、単独あるいは組み合わせて用いる方法をあげることができる。もちろん、本発明の化合物はその製造法によって限定されるものではなく、目的化合物が得られるのならばどのような方法を用いても差し支えない。
【0019】
しかし、種々の製造法の中でも天然物、特に多糖やオリゴ糖など、を原料や中間体として用いて製造する方法が最も効率的な方法であり、好ましい。さらに、動物組織、あるいは、微生物の培養液から抽出および必要に応じて精製したヒアルロン酸およびその塩を原料として用い、ヒアルロン酸を解重合することによって得られた分解物を中間体あるいは目的化合物として用いる方法がより好ましい。解重合の方法としては、例えば、熱や超音波などを用いる物理的な方法、酸やアルカリなどを用いる化学的な方法、または、酵素などを用いる生化学的な方法などを単独、あるいは、組み合わせて用いる方法をあげることができる。それらの中でも、反応の特異性、効率、あるいは、安全性などの面から考えて、酵素を用いる方法が好ましい。用いる酵素はヒアルロン酸の解重合反応を触媒する活性をもつものであればよく、特に限定されず、それらを目的に応じて単独で、あるいは、複数を組み合わせて用いることができる。用いる酵素を具体的に例示すれば、動物組織由来の酵素、例えば、精巣型のヒアルロニダーゼ(EC 3.2.1.35)、ヒルのヒアルロニダーゼ(EC 3.2.1.36)、オコゼ毒液中のヒアルロニダーゼ(EC 3.2.1)、β−グルクロニダーゼ(EC 3.2.1.31)、β-N-アセチルヘキソサミニダーゼ(EC 3.2.1.52)など、や微生物由来の酵素、例えば、Streptomyces hyalurolyticus由来のヒアルロニダーゼ(EC 4.2.2.1)、ヒアルロニダーゼSD(EC 4.2.2)、コンドロイチナーゼABC(EC 4.2.2.4)、コンドロイチナーゼACI(EC 4.2.2.5)、コンドロイチナーゼACII(EC 4.2.2.5)など、をあげることができる。その中でも、安定した品質のものを安定的に供給できるなどの利点から、微生物由来の酵素が好ましく、その中でもStreptomyces hyalurolyticus由来のものが特に好ましい。
【0020】
酵素反応はそれぞれの酵素の特性に応じて温度、pHなどの諸条件を設定して行えばよいが、以後の分画・精製や修飾を行うにあたって必要になる可能性が高い脱塩操作を省くために、実質的に塩を含まない状態、あるいは、不揮発性の塩および有機溶媒不溶の塩を実質的に含まない状態で反応が行われることが好ましい。ここでいう実質的に塩を含まない状態とは、酵素反応後に脱塩操作などをせずに以後の分画・精製、あるいは、修飾操作を容易に実施可能な量を超える量の塩を含まない状態であることを意味する。好ましくは反応液中の塩含量は目的化合物の10%(w/w)以下、より好ましくは1%(w/w)以下である。本発明でいう反応液中の塩とは、イオン強度やpHの調整などのために用いられる緩衝液の成分、例えば、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどを意味する。本発明でいう不揮発性の塩とは、酢酸アンモニウムや重炭酸アンモニウムなど、減圧操作などによって比較的容易に揮発する揮発性の塩以外の塩を意味する。揮発性の塩を用いれば、中間体や目的化合物の溶液から液成分を減圧などによって除去する操作を行うときに、同時に塩を除去することが可能となる。本発明でいう有機溶媒不溶の塩とは、酢酸アンモニウムや酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウムなどのように水にも有機溶媒、例えば、エタノール、メタノール、プロパノールなどにも溶ける塩以外の塩を意味する。有機溶媒可溶の塩を用いれば、有機溶媒可溶の塩が混在している水には可溶であるが有機溶媒には不溶である中間体や目的化合物を含む混合物を適切な有機溶媒で洗浄することによって、混在する塩を容易に分離することが可能となる。
【0021】
得られた分解物は必要に応じて、常法、例えば、抽出、濃縮、ろ過、再結晶、再沈殿またはクロマトグラフ法などによって分離精製することができる。その中でも、その効率の良さからクロマトグラフ法、より好ましくはイオン交換クロマトグラフ法によって分離精製する工程を含むことが好ましく、担体として陰イオン交換体を用いることがさらに好ましい。クロマトグラフには回分式、循環式、移動床式、擬似移動床式などの方式があるが、場合に応じて最適なものを選択すればよい。クロマトグラフ法に用いる溶離液は、用いる方法に応じて最適な組成のものを用いればよいが、以後の精製や修飾を行うにあたって必要になる可能性が高い脱塩操作を省くために、不揮発性の塩および有機溶媒不溶の塩を実質的に含まない溶離液を用いることが好ましい。ここでいう「不揮発性の塩および有機溶媒不溶の塩を実質的に含まない溶離液」とは、クロマトグラフ後に脱塩操作などをせずに以後の分画・精製、あるいは、修飾操作を容易に実施可能な量を超える量の不揮発性の塩および有機溶媒不溶性の塩を含まない溶離液であることを意味する。好ましくは溶離液中の各々の塩含量は0.5M以下、より好ましくは0.1M以下である。通常、イオン交換クロマトグラフ法に用いる溶離液はイオン強度やpHの調整などのために塩を含む。塩を含む溶離液を使用する場合、塩として実質上揮発性の塩のみを含む溶離液を用いることが好ましく、揮発性の塩としては、扱いの容易さ、安全性、入手の容易さ、価格などの点から考えてアンモニウム塩が好ましく、酢酸アンモニウムであることがさらに好ましい。または、塩として実質上有機溶媒可溶性の塩のみを含む溶離液を用いることが好ましく、有機溶媒可溶性の塩としては、扱いの容易さ、安全性、入手の容易さ、価格などの点から考えて酢酸塩が好ましく、酢酸アンモニウム、あるいは、酢酸ナトリウムであることがさらに好ましい。
【0022】
得られた中間体は種々の方法、例えば、有機化学的手法や生化学的な手法など、あるいは、それらの組み合わせによって精製や修飾などを行って目的化合物とすることができる。
【0023】
[本発明の化合物の投与方法、投与量および剤形]
本発明の化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物は、通常、全身的または局所的に、経口的または非経口的に投与される。投与量は、疾患の種類、症状の程度、投与対象の年齢や体重などの諸条件をもとに総合的に判断し、最適な量を適宜決定するべきであり、特に限定されない。しかし、通常、成人では1日当たり経口投与の場合0.01〜100mg/kg、非経口投与の場合0.001〜10mg/kgである。投与は必要に応じて1日1回ないし複数回に分けて行われる。
【0024】
本発明の化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物の投与は、固体組成物、液体組成物およびその他の組成物の経口投与、注射剤、外用剤、坐剤などの非経口投与のいずれの形態であってもよく、必要に応じて最適な方法が選択される。本発明の化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物の少なくともひとつを有効成分として含有する医薬組成物は、通常の製剤化に用いられる担体、賦形剤、その他の添加剤を用いて調製することができる。製剤用の担体や賦形剤としては、例えば、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコールなどやその他常用されるものをあげることができる。
【0025】
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などが用いられる。このような固体組成物においては、少なくともひとつの活性物質(有効成分)が少なくともひとつの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどと混合される。組成物は、常法にしたがって不活性な希釈剤以外の添加物、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、グルタミン酸またはアスパラギン酸のような溶解補助剤を含んでいてもよい。錠剤または丸剤は、必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣や胃溶性または腸溶性物質のフィルムで被覆してもよいし、2つ以上の層で被覆してもよい。さらに、ゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも含まれる。
【0026】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤などを含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールなどを含んでいてもよい。この組成物は、不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤などを含んでいてもよい。
【0027】
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤が含まれる。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば、注射用水および注射用生理食塩液が含まれる。非水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録商標)などが含まれる。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、乳糖)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。これらは、例えば、精密ろ過膜によるろ過滅菌、高圧蒸気滅菌のような加熱滅菌、あるいは、殺菌剤の配合などの通常の滅菌方法によって無菌化することが可能である。また、無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0028】
非経口投与のためのその他の医薬組成物としては本発明の化合物の少なくともひとつを有効成分として含み、常法によって処方される外用液剤、軟膏剤、塗布剤、坐剤、経皮剤、点眼剤などが含まれる。
【0029】
[本発明の高分子およびその製造法]
本発明の高分子とは、本発明の化合物を側鎖構造として有する高分子化合物のことであり、抗血栓性を有する高分子材料として使用できる。本発明の高分子の製造に用いる主鎖となるポリマーは生体適合性ポリマーであることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、シリコン、ポリメチルメタクリレート、ポリ四フッ化エチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリスルホン、ABS樹脂、ポリアセタールおよびこれらの誘導体を挙げることができる。例えば、前記式(19)の化合物を原料として用い、ポリスチレン誘導体に結合した構造をもつものをあげることができる。主鎖と側鎖の間には適当なスペーサを入れることもでき、これによって抗血栓性を有する側鎖に柔軟性を付与することができる。また、本発明の化合物を側鎖構造に有する複数の高分子化合物のブロックコポリマーであってもよい。さらには、本発明の化合物に加えて、ヘパリンなどの血栓形成抑制物質やウロキナーゼなどの血栓溶解酵素などの抗血栓作用を有する物質を併せて結合してもよい。
【0030】
当然のことながら、本発明の高分子は製造法によって限定されるものではなく、目的とするものが得られるのであれば、どのような方法を用いても差し支えない。本発明の高分子を得るには種々の方法があり、それらの方法を単独あるいは組み合わせて用いることができる。これらの製造法は当業者に公知である。例えば、主鎖となるポリマーのモノマーに本発明の化合物を結合した後、重合反応を行い主鎖ポリマーを形成してもよく、あるいは主鎖ポリマーに本発明の化合物を結合してもよい。
【0031】
本発明の化合物はグルクロン酸誘導体やグルコサミン誘導体といった生体成分の誘導体をその構造中にもつことからもわかるように生体適合性が高く、生体に悪影響を及ぼすことが少なく、仮に高分子より本発明の化合物が脱落したとしても生体に悪影響を及ぼすことが少ない。
【0032】
[本発明のコーティング剤、成型物およびその製造法]
本発明はさらに、本発明の化合物の少なくともひとつを有効成分とするコーティング剤および本発明の高分子の少なくともひとつを有効成分とするコーティング剤を提供する。このようなコーティング剤は本発明の化合物または高分子を適当な溶媒に溶解、分散し、人工臓器や医療用具などに塗布、含浸、スプレーコーティングなどの方法によりコーティングすることができる。
【0033】
本発明の成型物は、本発明の化合物あるいは本発明の高分子の少なくともひとつを材料として用いて製造されるものであり、その使用目的に応じてつくられる。したがって、材料のもつ本来の性質を損ねない範囲であれば、どのような方法によってつくられても差し支えない。本発明の成型物を得るには、化合物や高分子を別に製造した成型物にコーティングする方法、化合物を別に製造した成型物と結合させる方法、化合物や高分子を含む材料から直接成型する方法など、種々の方法があり、それらの方法を単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0034】
本発明の成型物は、優れた抗血栓性を有するため、人工臓器、医療用具の部品あるいはそれ自体として用いることができる。成型物の形状は用いる材料の性質にもよるが、その使用目的に応じて、フィルム状物、膜状物、管状物、板状物、網状物、繊維状物、布状物などのいずれかの形状にすることができる。
【0035】
[本発明の人工臓器およびその製造法]
本発明の人工臓器は、本発明の化合物あるいは本発明の高分子の少なくともひとつを材料として、または、本発明の成型物の少なくともひとつを部品として用いて製造されるものであり、その使用目的に応じてつくられる。したがって、材料あるいは部品のもつ本来の性質を損ねない範囲であれば、どのような方法によってつくられても差し支えない。
【0036】
本発明の人工臓器の例としては、人工血管、人工心臓、心臓ペースメーカー、人工心臓弁、人工腎臓、人工肺、人工心肺、人工膵臓、人工骨、人工関節、人工靭帯などをあげることができる。
【0037】
[本発明の医療用具およびその製造法]
本発明の医療用具は、本発明の化合物あるいは本発明の高分子の少なくともひとつを材料として、または、本発明の成型物の少なくともひとつを部品として用いて製造されるものであり、その使用目的に応じてつくられる。したがって、材料あるいは部品のもつ本来の性質を損ねない範囲であれば、どのような方法によってつくられても差し支えない。
【0038】
本発明の医療用具の例としては、注射筒、注射針、透析用留置針、留置針、輸液セット、輸液・血液用フィルター、血液バッグ、チューブ・カテーテル(栄養用、胃・食道用、胆管用、呼吸器用、泌尿器用、血管用、心臓用、吸引・注入・排液用など)、血液透析器ハウジング、血液透析器中空糸、血液透析膜、体外循環血液回路、外シャント、人工肺膜、創傷被覆材、ステントなどをあげることができる。
【0039】
[本発明の化合物の化合物の血小板凝集抑制作用]
本発明の化合物(化合物例1〜7)の血小板凝集抑制作用を、ウサギ多血小板血漿を用いて、Born,O'Brienの方法(Born,G.,V.,R.:Nature(London),194,924(1962).,O'Brien,J.,R.:J.Clin.Pathol.,15,556(1962).)に準じて測定した。比較対照として抗血小板剤である塩酸チクロピジンについても同様の試験を行った。その結果、本発明の化合物はいずれも低濃度で顕著な血小板凝集抑制作用を示した。
【0040】
また、本発明の化合物を側鎖構造として有する高分子化合物(高分子例1〜3)の血小板粘着抑制作用を、ウサギ多血小板血漿を用いて、ミクロスフィアカラム法(Kataoka,K.,Maeda,M.,Nishimura,T.,Nitadori,Y.,Tsuruta,T.,Akaike,T.,Sakurai,Y.:J.Biomed.Mater.Res.,14,817(1980).)により評価した。その結果、本発明の高分子は顕著な血小板粘着抑制作用を示した。
【0041】
さらに、本発明の化合物をポリエチレンイミン活性化ポリエチレン管と反応させて得られる本発明の化合物を固定した成型物の血小板粘着率を測定したところ、本発明の化合物を固定しない未処理管に比べて血小板粘着が全く検出されず、優れた抗血栓性を示すことが明らかとなった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の化合物およびその薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物は、優れた血小板粘着凝集抑制作用を有し、この作用に基づく治療薬、すなわち、抗血小板剤として有用である。具体的には、血栓症の進展阻止、再発防止、血栓症の危険因子を有する患者の血栓症の二次防止、健康人の血栓症の一次防止を目的とした治療に用いることができる。さらに、具体的には、循環器疾患(急性心筋梗塞、不安定狭心症、慢性安定型狭心症、陳旧性心筋梗塞、心房細動による血栓塞栓症、汎発性血管内血液凝固症候群(DIC)、冠動脈バイパス術後のグラフト閉塞、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の冠動脈の狭窄および閉塞、人工心臓弁置換術後の血栓性合併症(血栓栓塞症、血栓弁)、肺血栓・栓塞症、体外循環血液中の血小板活性化)、脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)、末梢動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、血行再建術後の閉塞)、糸球体腎炎,ネフローゼ症候群、その他の血栓症など(本態性血小板症、血栓性血小板減少性紫斑病(TPP)、溶血性尿毒症症候群、抗リン脂質抗体症候群、川崎病、子癇、ベーチェット病)の治療および予防に対して有効である。また、本発明はこのような優れた化合物を製造するうえで有用な製造法を提供するものである。
【0043】
本発明の化合物および高分子は優れた抗血栓性を有するため、抗血栓性を必要とする成型物をつくるための材料あるいはコーティング剤として有用である。
【0044】
本発明の化合物、高分子および成型物は優れた抗血栓性を有するため、抗血栓性を必要とする人工臓器、医療用具の部品あるいはそれ自体として有用である。具体的には、人工血管、人工心臓、心臓ペースメーカー、人工心臓弁、人工腎臓、人工肺、人工心肺、人工膵臓、人工骨、人工関節、人工靭帯などの人工臓器、注射筒、注射針、透析用留置針、留置針、輸液セット、輸液・血液用フィルター、血液バッグ、チューブ・カテーテル(栄養用、胃・食道用、胆管用、呼吸器用、泌尿器用、血管用、心臓用、吸引・注入・排液用など)、血液透析器ハウジング、血液透析器中空糸、血液透析膜、体外循環血液回路、外シャント、人工肺膜、創傷被覆材、ステントなどの医療用具の材料や部品として有用である。
【0045】
【実施例】
以下の実施例において、化合物製造例、高分子製造例、成型物製造例、抗血栓作用試験および製剤製造例、をあげて本発明をさら詳しく説明する。なお、当然のことではあるが、本発明は以下の実施例に記載された物質、処方および方法に限定されるものではなく、特許の請求の範囲に含まれるすべての物質、処方および方法を含むものである。
【0046】
実施例1:化合物製造例1
4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例1)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例2)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例3)]および4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例4)]の製造
ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製;商品名「ヒアルロン酸FCH」)30gを蒸留水3Lに溶解し、40℃となるように加温した。0.1M水酸化ナトリウム水溶液で溶液のpHを6.0に調整した後、Streptomyces hyalurolyticus由来のヒアルロニダーゼ(天野製薬製;商品名「ヒアルロニダーゼ“アマノ”」)をヒアルロン酸ナトリウム1mgあたり0.5濁度減少単位となるように添加し、40℃で100時間反応を行った。反応後、公称分画分子量10kの親水性ポリエーテルスルフォン製の限外ろ過(ミリポア製)によって溶液中から酵素を除去した。凍結乾燥することによって溶媒を除去し、分解物(27.4g)を得た。
【0047】
分解物を陰イオン交換クロマトグラフ法(カラム:YMC-Pack IEC-AX,溶離液:A;水,B;0.4M NaCl;リニアグラジェント(30分),検出:UV(232nm))によって分画し(化合物例1、2、3、4の順に溶出)、化合物例1〜4を含む画分を得た。各画分をゲルろ過法(担体:セファデックスG-10,溶離液:水)によって脱塩後、凍結乾燥して化合物1〜4(白色粉末)を得た。収量は、それぞれ、化合物例1:1.7g,化合物例2:5.9g,化合物例3:3.4g,化合物例4:2.2gであった。各化合物はナトリウム塩として得られた。
【0048】
化合物例1〜4は下記式(20)で表される化合物である。式(20)において、nは1〜4の整数を示し、nが1のとき化合物例1、2のとき化合物例2、3のとき化合物例3、4のとき化合物例4を示す。
下記式(20)
【化21】
Figure 0004301591
【0049】
高速液体クロマトグラフ法(カラム:TSKgel DEAE-5PW,溶離液:A;水,B;0.3M NaCl;リニアグラジェント(20分),検出:UV(232nm);面積百分率法)によって測定した各化合物の純度は97%以上であった。化合物例1〜4の各々のウロン酸含量をグルクロノラクトンを標準品としてBitterとMuirの方法(Bitter,T.,Muir,H.:Anal.Biochem.,4,330(1962).) によって、ヘキソサミン含量を3N塩酸中100℃で16時間加水分解後、グルコサミン塩酸塩を標準品としてBoasの方法(ただし、樹脂処理なし;Boas,N.,F.:J.Biol.Chem.,204,553(1953).)によって分析したところ、各化合物例の分析値はほぼ理論値通りであった。
【0050】
実施例2:化合物製造例2
4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例1)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例2)]の製造
ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製;商品名「ヒアルロン酸FCH」)60gを蒸留水3Lに溶解し、40℃となるように加温した。0.1M水酸化ナトリウム水溶液で溶液のpHを6.0に調整した後、Streptomyces hyalurolyticus由来のヒアルロニダーゼ(天野製薬製;商品名「ヒアルロニダーゼ“アマノ”」)をヒアルロン酸ナトリウム1mgあたり1濁度減少単位となるように添加し、40℃で100時間反応を行った。反応後、公称分画分子量10kの親水性ポリエーテルスルフォン製の限外ろ過(ミリポア製)によって溶液中から酵素を除去した。凍結乾燥することによって溶媒を除去し、分解物(53.7g)を得た。
【0051】
分解物を陰イオン交換クロマトグラフ法(カラム:TSKgel DEAE-5PW,溶離液:A;水,B;0.5M 酢酸ナトリウム水溶液;リニアグラジェント(A/B(90/10)→A/B(60/40);40分),検出:UV(232nm))によって分画し(化合物例1、2の順に溶出)、化合物例1および2を含む画分を得た。各画分から凍結乾燥することによって水を除去した。凍結乾燥した各画分をエタノールで洗浄して塩を除去し、再度水に溶解した後に凍結乾燥して化合物例1、2(白色粉末)を得た。収量は、それぞれ、化合物例1:18.1g,化合物例2:29.5gであった。各化合物はナトリウム塩として得られた。
【0052】
高速液体クロマトグラフ法(カラム:TSKgel Amide-80,溶離液:アセトニトリル/水/酢酸/トリエチルアミン(65/35/2/1,v/v),流速:1.0mL/分,カラム温度:80℃,検出:UV(232nm);面積百分率法)によって測定した各化合物の純度は97%以上であった。ウロン酸含量とヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によって分析したところ、値はほぼ理論値通りであった。
【0053】
実施例3:化合物製造例3
4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラニトール[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcOH(化合物例5)]の製造
50mgの化合物例2を50mLの3mg/mL水素化ホウ素ナトリウム水溶液に溶解し、室温で1時間処理した。5mLの6M酢酸を加えて反応を停止し、50mLのメタノールを加えた後、エバポレーターを用いて乾固した。さらに、50mLのメタノールの添加および乾固を2回繰り返した。乾固によって残った固形物を5mLの水に溶解し、実施例1と同様にゲルろ過法によって脱塩後、凍結乾燥して化合物例5(白色粉末;44.7mg)を得た。
【0054】
化合物例5は式(21)で表される化合物である。
式(21)
【化22】
Figure 0004301591
【0055】
純度を実施例2に示した方法によって測定したところ、98%以上であった。ウロン酸含量とヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によって分析したところ、分析値はほぼ理論値通りであった。
【0056】
実施例4:化合物製造例4
4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロン酸[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcA(化合物例6)]の製造
化合物例2をReissigらの方法(Reissig,J.,L.,Strominger,J.L.,Leloir,L.,F.:J.Biol.Chem.,217,959(1953).)に準じてpH9のホウ酸緩衝液中で加熱した。反応液中のホウ酸を実施例3と同様にホウ酸メチルとして除去し、実施例1と同様にゲルろ過法によって脱塩後、凍結乾燥して化合物例6(白色粉末)を得た。50mgの化合物例2を原料としたとき、44.8mgの化合物例6を得た。
【0057】
化合物例6は式(22)で表される化合物である。
式(22)
【化23】
Figure 0004301591
【0058】
純度を実施例2に示した方法によって測定したところ、98%以上であった。ウロン酸含量とヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によって分析したところ、値はほぼ理論値通りであった。
【0059】
実施例5:化合物製造例5
4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロニトール[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAOH(化合物例7)]の製造
化合物例6を実施例3と同様の方法で処理して化合物例7(白色粉末)を得た。20mgの化合物例6を原料としたとき、17.8mgの化合物例7を得た。
【0060】
化合物例7は式(23)で表される化合物である。
式(23)
【化14】
Figure 0004301591
【0061】
純度を実施例2に示した方法によって測定したところ、98%以上であった。ウロン酸含量とヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によって分析したところ、値はほぼ理論値通りであった。
【0062】
実施例6:高分子化合物製造例
ポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高分子例1)、ポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高分子例2)およびポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高分子例3)の製造
10gの化合物例2を蒸留水5mLに溶解し、メタノール45mLを加えて混和した。その液を40℃に加温したヨウ素のメタノール溶液(17.1g/200mL)に加えて40℃で30分間放置した。4%水酸化カリウム/メタノール溶液をヨウ素の色が消失するまで徐々に添加した。反応液を氷冷し、析出した沈殿をろ取した。沈殿を冷エタノール、冷エーテルの順で洗浄し、エタノール/水(90/10,w/w)から再結晶することによってカリウム塩を得た。カリウム塩を蒸留水50mLに溶解し、イオン交換樹脂(アンバーライトIR-12B(H+型))を充填したカラムに通液して凍結乾燥した。凍結乾燥物にメタノールを加えて減圧濃縮して結晶を得た。結晶に少量のメタノールを加えて溶かし、さらにエタノールを加えて脱水濃縮するという操作を5回繰り返した後、減圧乾固してラクトン化した化合物例2(7.3g)を得た。
【0063】
7gのラクトン化した化合物例2をメタノール50mLに溶解し、p-アミノメチルスチレンのメタノール溶液(2.5g/0.5mL)を加熱還流下で加えた。120分間加熱還流した後、アセトン200mLを加えて結晶化した。結晶をメタノールより2回再結晶させて精製結晶(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド];3.1g)を得た。
【0064】
2gの精製結晶を水2mLに溶解し、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウム(0.2mol%)を添加した。窒素下で60℃にて24時間加熱して重合反応を行った。重合後、液をメタノール中に注入して、重合体を析出させた。メタノールをデカンテーションで除き、重合体を分離した。重合体を水に溶解し、メタノールから析出させる再沈殿法によって重合体を精製して高分子例1(1.6g)を得た。
【0065】
同様の方法で化合物例3を原料として用いて高分子例2を、化合物例4を原料として用いて高分子例3を得た。
【0066】
高分子例1〜3は下記式(24)で表される化合物である。式(24)において、nは2〜4の整数を示し、nが2のとき高分子例1、3のとき高分子例2、4のとき高分子例3を示す。
【0067】
光散乱法によって高分子例1〜3の重量平均分子量を測定したところ、約4万であった。
式(24)
【化25】
Figure 0004301591
【0068】
実施例7:成型物製造例
化合物例2〜4固定ポリエチレン管(成型物例1〜3)の製造
Larmら(Larm,O.,Lasson,R.,Olsson,P.:Biomat.Med.Dev.Art.Org.,11,161(1983).)の方法に準じて製造を行った。化合物例2とポリエチレンイミン活性化ポリエチレン管(1.8mmID×100cmL)を0.15M NaCl中、NaB(CN)H3とpH3.5,50℃で2時間反応させて化合物例2固定ポリエチレン管(成型物例1)を得た。
【0069】
同様の方法で、化合物例3を原料として成型物例2、化合物例4を原料として成型物例3を得た。
【0070】
実施例8:本発明の化合物の血小板凝集抑制作用
ウサギ大動脈から、3.8%クエン酸ナトリウム水溶液1容に対して血液9容となるように採血し、直ちに遠心分離(50×g,10分,室温)して上清として多血小板血漿(platelet-rich plasma;PRP)を得た。PRP100μLに各濃度の本発明化合物1〜7の溶液10μLを加えて37℃で1分間保持後、凝集惹起剤として10μLの10μg/mLコラーゲン(ウシ腱コラーゲン;明治薬品製)を加え、添加後7分間凝集曲線を記録した。血小板凝集能の測定は、血小板凝集計(製造:エム・シー・メディカル)を使用してBorn,O'Brienの方法(Born,G.,V.,R.:Nature(London),194,924(1962).,O'Brien,J.,R.:J.Clin.Pathol.,15,556(1962).)に準じて行った。比較対照として、代表的な抗血小板剤である塩酸チクロピジンについても試験を行った。結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0004301591
表1に示したように、本発明の化合物は優れた血小板凝集抑制作用を示した。
【0072】
実施例9:本発明の化合物の急性毒性
本発明化合物の代表例(化合物例1〜7)について、ラット(体重300〜400g,Wistar系,オス)を用いて急性毒性試験を行ってところ、LD50は500mg/kg以上であった。
【0073】
実施例10:本発明の高分子の血小板粘着抑制作用
高分子例1〜3の血小板粘着抑制作用をミクロスフィアカラム法(Kataoka,K.,Maeda,M.,Nishimura,T.,Nitadori,Y.,Tsuruta,T.,Akaike,T.,Sakurai,Y.:J.Biomed.Mater.Res.,14,817(1980).)により評価した。実施例8と同様にして得たPRPを1200G,7分間,2回遠心分離によってDulbecco PBSで洗浄し、終濃度1×105platelets/μLの血小板懸濁液を調製した。ミクロスフィアカラム(テフロンカラム(3IDmm×50mmL)にポリスチレンビーズ(直径150μm,20%ジビニルベンゼン架橋,非多孔質)を封入)に各濃度の高分子水溶液を注入し、吸着後蒸留水で充分にリンスした。このカラムに血小板懸濁液を通液した(流速0.5mL/分,室温)。通液後の液中の血小板濃度を測定し、血小板粘着率を算出した。結果を表2〜4に示す。
【0074】
【表2】
Figure 0004301591
【0075】
【表3】
Figure 0004301591
【0076】
【表4】
Figure 0004301591
表2〜4に示したように、本発明の化合物は優れた血小板粘着抑制作用を示した。
【0077】
実施例11:本発明の成型物の抗血栓性
成型物例1〜3の抗血栓性を評価した。実施例10と同様の方法で終濃度1×105platelets/μLの血小板懸濁液を調製した。成型物例1〜3および未処理のポリエチレン管(未処理管)に血小板懸濁液を循環通液した(流速0.5mL/分,1時間,室温)。
【0078】
通過後の液中の血小板数濃度を測定し、未処理管および成型物例1〜3の血小板粘着率を算出した。結果を表5に示す。
【0079】
【表5】
Figure 0004301591
表5に示したように、成型物1〜3は未処理管よりも明らかに血小板粘着率が低かった。この結果は、本発明の成型物が優れた抗血栓性をもつことを示すものである。
【0080】
実施例12:製剤製造例
錠剤の製造1
化合物例1 10g
ポリエチレングリコール6000 10g
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5g
トウモロコシデンプン 3g
乳糖 25g
ステアリン酸マグネシウム 0.5g
上記成分を秤量する。ポリエチレングリコール6000を70〜80℃に加熱し、そこに化合物例1、ラウリル硫酸ナトリウム、トウモロコシデンプンおよび乳糖を混合した後、冷却する。固化した混合物を粉砕器にかけ造粒し、顆粒を得る。顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合後、圧縮打錠して重量250mgの錠剤とする。
【0081】
錠剤の製造2
化合物例2 30g
乳糖 55g
ジャガイモデンプン 12g
ポリビニルアルコール 1.5g
ステアリン酸マグネシウム 1.5g
上記の成分を秤量する。化合物例2、乳糖、ジャガイモデンプンを均一に混合する。混合物にポリビニルアルコールの水溶液を加え、湿式顆粒造粒法により顆粒を調製する。顆粒を乾燥し、ステアリン酸マグネシウムを混合後、圧縮打錠して重量200mgの錠剤とする。
【0082】
カプセル剤の製造
化合物例3 10g
乳糖 25g
トウモロコシデンプン 5g
微結晶セルロース 9.5g
ステアリン酸マグネシウム 0.5g
上記の成分を秤量する。ステアリン酸マグネシウム以外の4成分を均一に混合する。ステアリン酸マグネシウムを加えた後、さらに数分間混合する。混合物をNo.1のハードカプセルに200mgずつ充填し、カプセル剤とする。
【0083】
散剤の製造
化合物例4 20g
乳糖 79g
ステアリン酸マグネシウム 1g
上記成分を秤量する。すべての成分を均一に混合して20%散剤とする。
【0084】
坐剤の製造
化合物例2 10g
ポリエチレングリコール1500 18g
ポリエチレングリコール4000 72g
化合物例2を乳鉢でよく研磨して微細な粉末とした後、熔融法によって1gの直腸坐剤とする。
【0085】
注射剤の製造
化合物例6 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g
水酸化ナトリウム 適量
注射用水 100mL
上記成分を秤量する。3成分を注射用水に溶解、ろ過滅菌後、10mLアンプルに5mLずつ分注し、熔封して注射剤とする。

Claims (11)

  1. 下記一般式(16)で表されるグルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物から選ばれる少なくともひとつを有効成分とする抗血小板剤
    式(16)
    Figure 0004301591
    [式(16)中、Rは保護基または下記式(2)〜(5)を表す。式(2)〜(5)中、R10は水素原子、保護基または下記式(6)〜(8)を表し、R11は水素原子または保護基を表す。ただし、R10およびR11が水素原子または保護基である場合、RはCOORに対してトランス結合あるいはシス結合のどちらであってもよい。
    式(2)
    −OR10
    式(3)
    −NHR11
    式(4)
    −CHR11
    式(5)
    −SR11
    式(6)
    Figure 0004301591
    式(7)
    Figure 0004301591
    式(8)
    Figure 0004301591
    また、R10が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜(8)中、R13、R17およびR26を除くR12〜R28は同一または異なって水素原子または保護基を表し、R13、R17およびR26はアジド基または下記式(9)を表す。
    式(9)
    −NR29R30
    式(9)中、R29およびR30は、同一または異なり水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、R〜Rは同一または異なって水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、R35〜R37は同一または異なって水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、nは0〜25の整数を表す。
    (ただし、nが0のときは、Rは式(2)、R10は式(8)で表される基である。)
    式(16)および式(6)〜(8)中、保護基は互いに同一または異なり、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアシル、置換されていてもよい芳香族アシル、または置換されていてもよい芳香族アルキルであり、またR13、R17およびR26を除くR〜R37の任意の保護基2つが一緒になって、置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよいベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイルを形成してもよい。
    また、nが2以上の場合、R〜Rは、繰り返し単位ごとに同一であっても異なっていてもよい。]
  2. 下記一般式(16)で表されるグルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物から選ばれる少なくともひとつを有効成分とする血栓症治療薬および予防薬、循環器疾患治療薬および予防薬、脳血管障害治療薬および予防薬、末梢血管障害治療薬および予防薬から成る群より選択される治療薬および予防薬
    式(16)
    Figure 0004301591
    [式(16)中、Rは保護基または下記式(2)〜(5)を表す。式(2)〜(5)中、R10は水素原子、保護基または下記式(6)〜(8)を表し、R11は水素原子または保護基を表す。ただし、R10およびR11が水素原子または保護基である場合、RはCOORに対してトランス結合あるいはシス結合のどちらであってもよい。
    式(2)
    −OR10
    式(3)
    −NHR11
    式(4)
    −CHR11
    式(5)
    −SR11
    式(6)
    Figure 0004301591
    式(7)
    Figure 0004301591
    式(8)
    Figure 0004301591
    また、R10が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜(8)中、R13、R17およびR26を除くR12〜R28は同一または異なって水素原子または保護基を表し、R13、R17およびR26はアジド基または下記式(9)を表す。
    式(9)
    −NR29R30
    式(9)中、R29およびR30は、同一または異なり水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、R〜Rは同一または異なって水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、R35〜R37は同一または異なって水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、nは0〜25の整数を表す。
    (ただし、nが0のときは、Rは式(2)、R10は式(8)で表される基である。)
    式(16)および式(6)〜(8)中、保護基は互いに同一または異なり、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアシル、置換されていてもよい芳香族アシル、または置換されていてもよい芳香族アルキルであり、またR13、R17およびR26を除くR〜R37の任意の保護基2つが一緒になって、置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよいベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイルを形成してもよい。
    また、nが2以上の場合、R〜Rは、繰り返し単位ごとに同一であっても異なっていてもよい。]
  3. 下記一般式(16)で表されるグルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物から選ばれる少なくともひとつを側鎖構造として有する高分子
    式(16)
    Figure 0004301591
    [式(16)中、Rは保護基または下記式(2)〜(5)を表す。式(2)〜(5)中、R10は水素原子、保護基または下記式(6)〜(8)を表し、R11は水素原子または保護基を表す。ただし、R10およびR11が水素原子または保護基である場合、RはCOORに対してトランス結合あるいはシス結合のどちらであってもよい。
    式(2)
    −OR10
    式(3)
    −NHR11
    式(4)
    −CHR11
    式(5)
    −SR11
    式(6)
    Figure 0004301591
    式(7)
    Figure 0004301591
    式(8)
    Figure 0004301591
    また、R10が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜(8)中、R13、R17およびR26を除くR12〜R28は同一または異なって水素原子または保護基を表し、R13、R17およびR26はアジド基または下記式(9)を表す。
    式(9)
    −NR29R30
    式(9)中、R29およびR30は、同一または異なり水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、R〜Rは同一または異なって水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、R35〜R37は同一または異なって水素原子または保護基を表す。
    式(16)中、nは0〜25の整数を表す。
    (ただし、nが0のときは、Rは式(2)、R10は式(8)で表される基である。)
    式(16)および式(6)〜(8)中、保護基は互いに同一または異なり、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアシル、置換されていてもよい芳香族アシル、または置換されていてもよい芳香族アルキルであり、またR13、R17およびR26を除くR〜R37の任意の保護基2つが一緒になって、置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよいベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイルを形成してもよい。
    また、nが2以上の場合、R〜Rは、繰り返し単位ごとに同一であっても異なっていてもよい。]
  4. 式(16)の化合物、あるいは、請求項3記載の高分子の少なくともひとつを有効成分とするコーティング剤。
  5. 請求項3記載の高分子の少なくともひとつを材料として用いた成型物。
  6. 請求項4記載のコーティング剤の少なくともひとつを使用して製造した成型物。
  7. 請求項5または6記載の成型物の少なくともひとつを部品として用いた人工臓器。
  8. 体外循環型人工臓器、または、体内埋込み型人工臓器である請求項7記載の人工臓器。
  9. 請求項5または6記載の成型物の少なくともひとつを部品として用いた医療用具。
  10. 体外用医療用具、体内と連結する体外用医療用具、または、体内埋込み用医療用具である請求項9記載の医療用具。
  11. 以下の式で表される化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物。
    Figure 0004301591
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