JPH11310588A - 新規な血小板粘着凝集抑制物質、その製造法およびその用途 - Google Patents
新規な血小板粘着凝集抑制物質、その製造法およびその用途Info
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- JPH11310588A JPH11310588A JP10120425A JP12042598A JPH11310588A JP H11310588 A JPH11310588 A JP H11310588A JP 10120425 A JP10120425 A JP 10120425A JP 12042598 A JP12042598 A JP 12042598A JP H11310588 A JPH11310588 A JP H11310588A
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Abstract
する機会のある医療用具に使用しうる優れた抗血栓性材
料を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるグルクロン
酸誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化
合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物また
は塩の溶媒和、前記の化合物の少なくともひとつを
側鎖構造として有する高分子、前記の化合物を少な
くともひとつの有効成分とするコーティング剤、前記
の高分子を少なくともひとつの有効成分とするコーテ
ィング剤。式(1) 【化1】
Description
凝集抑制物質、その製造法、それを含有する医薬組成物
およびそれを側鎖構造にもつ高分子、それらを用いて製
造した成型物およびその成型物を部品として用いて製造
した人工臓器、医療用具に関する。
主要な死因のひとつであり、心筋梗塞、脳梗塞などの動
脈性疾患を合計すると、癌を越える最大の死因である。
血栓症には様々な要因があるが、動脈硬化などの血管の
病変がその基盤となっていることが多い。正常血管は血
管内皮細胞によって高度に抗血栓化されているが、動脈
硬化巣などの血管病変部位では活性化している血管内皮
細胞、あるいは、傷害によって露出した血管内皮下組織
に血小板が粘着して病的血栓が形成されやすくなってい
る。病的血栓の形成を抑制する薬剤として、血小板の粘
着や凝集を抑制する薬剤、いわゆる、「抗血小板剤」が
注目され臨床的に広く用いられつつあるが、抗血小板剤
の歴史は比較的新しく、より優れた薬剤の開発が期待さ
れている。
膵臓、腎臓、肝臓、皮膚、粘膜などの各種の生体組織お
よび臓器の機能を人工的な材料を用いた成型物やそれを
部品として用いた装置によって補助あるいは代行しよう
とするものである。人工臓器は、生体内に埋入したり、
血管へのカニュレーションによって引き出した血液を接
触させることによってその機能を発揮するため、それら
に用いる材料は生体に害を与えることなく使用できる性
質、つまり、生体適合性をもたなければならない。人工
臓器の生体適合性を規定する最も重要な生体の反応は血
栓形成反応である。血小板の粘着と凝集は、血液凝固系
たん白質の活性化とならぶ血栓形成反応に関与する重要
な生体反応のひとつであり、正常な生体防御システムに
不可欠な止血機能のために存在する。しかし、血液が人
工臓器に接触したときにも血小板の粘着と凝集を経た血
栓形成が引き起こされる可能性がある。血栓が形成され
ると、人工臓器は本来の機能を果たすことができなくな
る。血栓が形成されるような不都合を避けるために、血
小板の粘着凝集を引き起こさない材料、すなわち、抗血
栓性材料の開発が試みられてきた。さまざまな検討が盛
んに行われてきたが、いまだに充分といえるものではな
い。優れた人工臓器の開発に不可欠であるより優れた抗
血栓性材料の開発が期待されている。
機会のある医療用具も接触によって血小板の粘着凝集が
起こることが不都合であるため、抗血栓性をもつ材料を
用いることが望ましい。これらの理由からも、より優れ
た抗血栓性材料の開発が期待されている。
なように、優れた抗血小板剤および抗血栓性材料の提供
は医療上の重要な課題である。
題を解決するために鋭意研究を重ねてきた結果、一般式
(1)に示される化合物、その薬理学的に許容される塩
および溶媒和物または塩の溶媒和物が優れた血小板粘着
凝集抑制作用を有することを見いだし、さらに、その化
合物を側鎖構造として有する高分子が優れた血小板粘着
抑制作用を有することを見いだして本発明を完成するに
至った。
記一般式(1)で表される グルクロン酸誘導体および
グルコサミン誘導体を構造中に有する化合物、その薬理
学的に許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物
である。式(1)
を表す。式(2)〜(5)中、R10は水素原子、保護基
または下記式(6)〜(8)を表し、R11は水素原子ま
たは保護基を表す。ただし、R10およびR11が水素原子ま
たは保護基である場合、R1はCOOR4に対してトランス結
合あるいはシス結合のどちらであってもよい。 式(2) −OR10 式(3) −NHR11 式(4) −CH2R11 式(5) −SR11 式(6)
(8)中、R13、R17およびR26を除くR12〜R28は同一ま
たは異なって水素原子または保護基を表し、R13、R17お
よびR26はアジド基または下記式(9)を表す。 式(9) −NR29R30 式(9)中、R29およびR30は、同一または異なり水素原
子または保護基を表す。式(1)中、R2〜R8は同一また
は異なって水素原子または保護基を表す。式(1)中、
R9は、水素原子、保護基または下記式(10)または下記
式(11)を表す。 式(10)
て水素原子または保護基を表す。式(1)中、nは0〜
25の整数を表す。(ただし、nが0のときは、R1は式
(2)、R10は式(8)で表される基であり、R9は式(1
0)または式(11)で表される基である。) 式(1)、式(6)〜(8)および式(10)〜(11)
中、保護基は互いに同一または異なり、置換されていて
もよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキ
ル、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖また
は分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭素原子
数1〜8のアシル、置換されていてもよい芳香族アシ
ル、または置換されていてもよい芳香族アルキルであ
り、またR13、R17およびR26を除くR2〜R37の任意の保護
基2つが一緒になって、置換されていてもよい炭素原子
数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原
子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよい
ベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイ
ルを形成してもよい。また、nが2以上の場合、R2〜R8
は、繰り返し単位ごとに同一であっても異なっていても
よい。]
合物は、下記式(12)で表されるD-グルコサミン誘導体
と式(13)で表されるD-グルクロン酸誘導体が結合した
構造を有する。 式(12)
す。] 式(13)
R48は水素原子または保護基を表す。]
表すが、nが0のときR1は式(2)、R10は式(8)で表
される基であり、R9は式(10)または(11)で表される
基である。すなわち、式(1)の化合物は下記式(14)
または(15)で表される。 式(14)
en著の“Productive Groups in Organic synthesis”;
第2判;1991年刊に表されている各種の保護基を含むも
のである。
は、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖また
は分枝鎖のアルキルとしては例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、第三級ブチル、ペン
チル、オクチル、メトキシメチル、第三級ブチルチオメ
チル、1-エトキシエチル、シロキシメチルまたは2-メト
キシエトキシメチルなどを表し、置換されていてもよい
炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニルとし
ては、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニ
ル、ブテニルまたはオクテニルなどを表し、置換されて
いてもよい1〜8の直鎖または分枝鎖のアシルとして
は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バ
レリルまたはピバロイル、またはハロゲン化アシルなど
を表し、ハロゲン化アシルとしては例えば、クロロアセ
チル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフ
ルオロアセチルなどを表し、置換されていてもよい芳香
族アシルとしては例えば、ベンゾイル、パラクロロベン
ゾイルなどを表し、置換されていてもよい芳香族アルキ
ルとしては、例えば置換されていてもよいベンジル、置
換されていてもよいジフェニルメチルまたは置換されて
いてもよいトリフェニルメチルなどを表し、置換されて
いてもよいベンジルとしては、例えば4-メトキシベンジ
ルなどを表す。さらに、式(1)〜(11)中で示される
保護基は、R13、R17およびR26を除くR2〜R37の任意の保
護基2つが一緒になって、1つの保護基を表してもよ
く、即ち置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアル
キリデン、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環
状アルキリデン、置換されていてもよいベンジリデン、
または、置換されていてもよいフタロイルを形成しても
よい。置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキ
リデンとしては例えば、プロピリデン、ブチリデンまた
はオクチリデンなどを表し、置換されていてもよい炭素
原子数3〜8の環状アルキリデンとしては例えば、シク
ロペンチリデン、シクロヘキシリデンまたはシクロヘプ
チリデンなどを表し、さらに、置換されていてもよいベ
ンジリデンまたは置換されていてもよいフタロイルなど
を表す。水酸基の保護基としては置換されていてもよい
炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖アシル、置換され
ていてもよい芳香族アルキル、置換されていてもよい炭
素原子数2以上の直鎖または分枝鎖のアルケニルまたは
置換されていてもよいベンジリデンなどが好ましく、さ
らに好ましくはアセチル、ベンジル、1-プロペニルまた
はベンジリデンなどを表し、アミノ基の保護基として
は、置換されていてもよい炭素原子数1以上の直鎖また
は分枝鎖のアシルまたは置換されていてもよいフタロイ
ルなどが好ましく、さらに好ましくはアセチルまたはフ
タロイルなどを表し、カルボキシル基の保護基として
は、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖また
は分枝鎖のアルキルまたは置換されていてもよい芳香族
アルキルなどが好ましく、さらに好ましくは、メトキシ
ル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソプチル、ペンチル、イソペンチルまたはジフェ
ニルメチルなどを表す。上記の保護基は、同一の化合物
中で互いに同一でも異なっていてもよく、任意に選ばれ
る。
好ましくは、0〜 10、特に好ましくは0〜5であ
る。
いが、特に、前記式(11)であること、すなわち、式
(1)の化合物が下記式(16)であることが好ましい。 式(16)
前記式(6)〜(8)であること、すなわち、式(1)
の化合物が下記式(17)〜(19)であることがより好ま
しい。 式(17)
て、R13、R17、R26が前記式(9)であることが特に好
ましい。
は、本発明の化合物を治療に必要な量を投与する場合
に、生体に対して悪影響を及ぼさない、あるいは、本発
明の化合物の有効な薬理学的な性質を塩としたことで損
なわない塩であることを意味する。具体例としては、ナ
トリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩などのアル
カリ金属またはアルカリ土類金属の塩;フッ化水素酸
塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などのハロ
ゲン化水素酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメ
タンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩などの低級アル
キルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエン
スルホン酸塩などのアリールスルホン酸塩;フマル酸
塩、コハク酸、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マ
レイン酸塩などの有機酸塩;およびグルタミン酸塩、ア
スパラギン酸塩などのアミノ酸塩をあげることができ
る。またさらに、本発明の化合物およびその塩は、薬理
学的に許容される各種の溶媒、例えば水、有機溶媒、緩
衝液などとの溶媒和物や結晶多形のものなども含まれ
る。
斉炭素原子を有し、不斉中心の存在に基づく光学異性体
が存在する場合がある。本発明の化合物には、各々の異
性体、および、それらの混合物のすべてが含まれる。例
えば、ある光学異性体とその鏡像異性体(エナンチオマ
ー)との混合物、特に、等量混合物であるラセミ体、ま
た、あるいは、ある光学異性体とそのジアステレオマー
との混合物も含まれる。
はあるが、本発明の化合物を得る方法には種々の方法が
ある。例えば、グルクロン酸誘導体やグルコサミン誘導
体などを原料にして有機化学的手法によって中間体ある
いは目的化合物を合成・修飾する方法や多糖を酸やアル
カリなどを用いて分解して中間体あるいは目的化合物を
得る方法などの有機化学的手法、グルクロン酸やN-アセ
チルグルコサミンなどを原料にして転移酵素や分解酵素
の逆反応などを利用して中間体あるいは目的化合物を合
成・修飾する方法や多糖を酵素を用いて分解して中間体
あるいは目的化合物を得る方法などの生化学的手法、あ
るいは、微生物や細胞に酵素の遺伝子を導入して原料、
中間体あるいは目的化合物、または合成・修飾に用いる
酵素を得るなどの遺伝子工学的手法などを、単独あるい
は組み合わせて用いる方法をあげることができる。もち
ろん、本発明の化合物はその製造法によって限定される
ものではなく、目的化合物が得られるのならばどのよう
な方法を用いても差し支えない。
に多糖やオリゴ糖など、を原料や中間体として用いて製
造する方法が最も効率的な方法であり、好ましい。さら
に、動物組織、あるいは、微生物の培養液から抽出およ
び必要に応じて精製したヒアルロン酸およびその塩を原
料として用い、ヒアルロン酸を解重合することによって
得られた分解物を中間体あるいは目的化合物として用い
る方法がより好ましい。解重合の方法としては、例え
ば、熱や超音波などを用いる物理的な方法、酸やアルカ
リなどを用いる化学的な方法、または、酵素などを用い
る生化学的な方法などを単独、あるいは、組み合わせて
用いる方法をあげることができる。それらの中でも、反
応の特異性、効率、あるいは、安全性などの面から考え
て、酵素を用いる方法が好ましい。用いる酵素はヒアル
ロン酸の解重合反応を触媒する活性をもつものであれば
よく、特に限定されず、それらを目的に応じて単独で、
あるいは、複数を組み合わせて用いることができる。用
いる酵素を具体的に例示すれば、動物組織由来の酵素、
例えば、精巣型のヒアルロニダーゼ(EC 3.2.1.35)、ヒ
ルのヒアルロニダーゼ(EC 3.2.1.36)、オコゼ毒液中の
ヒアルロニダーゼ(EC 3.2.1)、β−グルクロニダーゼ(E
C 3.2.1.31)、β-N-アセチルヘキソサミニダーゼ(EC 3.
2.1.52)など、や微生物由来の酵素、例えば、Streptomy
ces hyalurolyticus由来のヒアルロニダーゼ(EC 4.2.2.
1)、ヒアルロニダーゼSD(EC 4.2.2)、コンドロイチナー
ゼABC(EC 4.2.2.4)、コンドロイチナーゼACI(EC 4.2.2.
5)、コンドロイチナーゼACII(EC 4.2.2.5)など、をあげ
ることができる。その中でも、安定した品質のものを安
定的に供給できるなどの利点から、微生物由来の酵素が
好ましく、その中でもStreptomyces hyalurolyticus由
来のものが特に好ましい。
温度、pHなどの諸条件を設定して行えばよいが、以後の
分画・精製や修飾を行うにあたって必要になる可能性が
高い脱塩操作を省くために、実質的に塩を含まない状
態、あるいは、不揮発性の塩および有機溶媒不溶の塩を
実質的に含まない状態で反応が行われることが好まし
い。ここでいう実質的に塩を含まない状態とは、酵素反
応後に脱塩操作などをせずに以後の分画・精製、あるい
は、修飾操作を容易に実施可能な量を超える量の塩を含
まない状態であることを意味する。好ましくは反応液中
の塩含量は目的化合物の10%(w/w)以下、より好ましく
は1%(w/w)以下である。本発明でいう反応液中の塩と
は、イオン強度やpHの調整などのために用いられる緩衝
液の成分、例えば、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム、クエン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウムなどを意味する。本発明でいう不揮
発性の塩とは、酢酸アンモニウムや重炭酸アンモニウム
など、減圧操作などによって比較的容易に揮発する揮発
性の塩以外の塩を意味する。揮発性の塩を用いれば、中
間体や目的化合物の溶液から液成分を減圧などによって
除去する操作を行うときに、同時に塩を除去することが
可能となる。本発明でいう有機溶媒不溶の塩とは、酢酸
アンモニウムや酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カ
ルシウムなどのように水にも有機溶媒、例えば、エタノ
ール、メタノール、プロパノールなどにも溶ける塩以外
の塩を意味する。有機溶媒可溶の塩を用いれば、有機溶
媒可溶の塩が混在している水には可溶であるが有機溶媒
には不溶である中間体や目的化合物を含む混合物を適切
な有機溶媒で洗浄することによって、混在する塩を容易
に分離することが可能となる。
えば、抽出、濃縮、ろ過、再結晶、再沈殿またはクロマ
トグラフ法などによって分離精製することができる。そ
の中でも、その効率の良さからクロマトグラフ法、より
好ましくはイオン交換クロマトグラフ法によって分離精
製する工程を含むことが好ましく、担体として陰イオン
交換体を用いることがさらに好ましい。クロマトグラフ
には回分式、循環式、移動床式、擬似移動床式などの方
式があるが、場合に応じて最適なものを選択すればよ
い。クロマトグラフ法に用いる溶離液は、用いる方法に
応じて最適な組成のものを用いればよいが、以後の精製
や修飾を行うにあたって必要になる可能性が高い脱塩操
作を省くために、不揮発性の塩および有機溶媒不溶の塩
を実質的に含まない溶離液を用いることが好ましい。こ
こでいう「不揮発性の塩および有機溶媒不溶の塩を実質
的に含まない溶離液」とは、クロマトグラフ後に脱塩操
作などをせずに以後の分画・精製、あるいは、修飾操作
を容易に実施可能な量を超える量の不揮発性の塩および
有機溶媒不溶性の塩を含まない溶離液であることを意味
する。好ましくは溶離液中の各々の塩含量は0.5M以下、
より好ましくは0.1M以下である。通常、イオン交換クロ
マトグラフ法に用いる溶離液はイオン強度やpHの調整
などのために塩を含む。塩を含む溶離液を使用する場
合、塩として実質上揮発性の塩のみを含む溶離液を用い
ることが好ましく、揮発性の塩としては、扱いの容易
さ、安全性、入手の容易さ、価格などの点から考えてア
ンモニウム塩が好ましく、酢酸アンモニウムであること
がさらに好ましい。または、塩として実質上有機溶媒可
溶性の塩のみを含む溶離液を用いることが好ましく、有
機溶媒可溶性の塩としては、扱いの容易さ、安全性、入
手の容易さ、価格などの点から考えて酢酸塩が好まし
く、酢酸アンモニウム、あるいは、酢酸ナトリウムであ
ることがさらに好ましい。
機化学的手法や生化学的な手法など、あるいは、それら
の組み合わせによって精製や修飾などを行って目的化合
物とすることができる。
び剤形]本発明の化合物、その薬理学的に許容される塩
および溶媒和物または塩の溶媒和物は、通常、全身的ま
たは局所的に、経口的または非経口的に投与される。投
与量は、疾患の種類、症状の程度、投与対象の年齢や体
重などの諸条件をもとに総合的に判断し、最適な量を適
宜決定するべきであり、特に限定されない。しかし、通
常、成人では1日当たり経口投与の場合0.01〜100mg/k
g、非経口投与の場合0.001〜10mg/kgである。投与は必
要に応じて1日1回ないし複数回に分けて行われる。
る塩および溶媒和物または塩の溶媒和物の投与は、固体
組成物、液体組成物およびその他の組成物の経口投与、
注射剤、外用剤、坐剤などの非経口投与のいずれの形態
であってもよく、必要に応じて最適な方法が選択され
る。本発明の化合物、その薬理学的に許容される塩およ
び溶媒和物または塩の溶媒和物の少なくともひとつを有
効成分として含有する医薬組成物は、通常の製剤化に用
いられる担体、賦形剤、その他の添加剤を用いて調製す
ることができる。製剤用の担体や賦形剤としては、例え
ば、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、タル
ク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリー
ブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコールなど
やその他常用されるものをあげることができる。
剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などが用いられ
る。このような固体組成物においては、少なくともひと
つの活性物質(有効成分)が少なくともひとつの不活性
な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、デ
ンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウムなどと混合される。組成物は、常法にした
がって不活性な希釈剤以外の添加物、例えば、ステアリ
ン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸
カルシウムのような崩壊剤、グルタミン酸またはアスパ
ラギン酸のような溶解補助剤を含んでいてもよい。錠剤
または丸剤は、必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣や胃
溶性または腸溶性物質のフィルムで被覆してもよいし、
2つ以上の層で被覆してもよい。さらに、ゼラチンのよ
うな吸収されうる物質のカプセルも含まれる。
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤などを含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールなどを含んでいてもよ
い。この組成物は、不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁
剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤な
どを含んでいてもよい。
の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤が含まれ
る。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば、注射用水
および注射用生理食塩液が含まれる。非水性の溶液剤、
懸濁剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタ
ノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録
商標)などが含まれる。このような組成物は、さらに防
腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、乳
糖)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。これらは、
例えば、精密ろ過膜によるろ過滅菌、高圧蒸気滅菌のよ
うな加熱滅菌、あるいは、殺菌剤の配合などの通常の滅
菌方法によって無菌化することが可能である。また、無
菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の
注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
しては本発明の化合物の少なくともひとつを有効成分と
して含み、常法によって処方される外用液剤、軟膏剤、
塗布剤、坐剤、経皮剤、点眼剤などが含まれる。
明の高分子とは、本発明の化合物を側鎖構造として有す
る高分子化合物のことであり、抗血栓性を有する高分子
材料として使用できる。本発明の高分子の製造に用いる
主鎖となるポリマーは生体適合性ポリマーであることが
好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
ウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリ
プロピレン、ポリカーボネイト、シリコン、ポリメチル
メタクリレート、ポリ四フッ化エチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリスルホン、ABS樹
脂、ポリアセタールおよびこれらの誘導体を挙げること
ができる。例えば、前記式(19)の化合物を原料として
用い、ポリスチレン誘導体に結合した構造をもつものを
あげることができる。主鎖と側鎖の間には適当なスペー
サを入れることもでき、これによって抗血栓性を有する
側鎖に柔軟性を付与することができる。また、本発明の
化合物を側鎖構造に有する複数の高分子化合物のブロッ
クコポリマーであってもよい。さらには、本発明の化合
物に加えて、ヘパリンなどの血栓形成抑制物質やウロキ
ナーゼなどの血栓溶解酵素などの抗血栓作用を有する物
質を併せて結合してもよい。
法によって限定されるものではなく、目的とするものが
得られるのであれば、どのような方法を用いても差し支
えない。本発明の高分子を得るには種々の方法があり、
それらの方法を単独あるいは組み合わせて用いることが
できる。これらの製造法は当業者に公知である。例え
ば、主鎖となるポリマーのモノマーに本発明の化合物を
結合した後、重合反応を行い主鎖ポリマーを形成しても
よく、あるいは主鎖ポリマーに本発明の化合物を結合し
てもよい。
ルコサミン誘導体といった生体成分の誘導体をその構造
中にもつことからもわかるように生体適合性が高く、生
体に悪影響を及ぼすことが少なく、仮に高分子より本発
明の化合物が脱落したとしても生体に悪影響を及ぼすこ
とが少ない。
その製造法]本発明はさらに、本発明の化合物の少なく
ともひとつを有効成分とするコーティング剤および本発
明の高分子の少なくともひとつを有効成分とするコーテ
ィング剤を提供する。このようなコーティング剤は本発
明の化合物または高分子を適当な溶媒に溶解、分散し、
人工臓器や医療用具などに塗布、含浸、スプレーコーテ
ィングなどの方法によりコーティングすることができ
る。
は本発明の高分子の少なくともひとつを材料として用い
て製造されるものであり、その使用目的に応じてつくら
れる。したがって、材料のもつ本来の性質を損ねない範
囲であれば、どのような方法によってつくられても差し
支えない。本発明の成型物を得るには、化合物や高分子
を別に製造した成型物にコーティングする方法、化合物
を別に製造した成型物と結合させる方法、化合物や高分
子を含む材料から直接成型する方法など、種々の方法が
あり、それらの方法を単独あるいは組み合わせて用いる
ことができる。
るため、人工臓器、医療用具の部品あるいはそれ自体と
して用いることができる。成型物の形状は用いる材料の
性質にもよるが、その使用目的に応じて、フィルム状
物、膜状物、管状物、板状物、網状物、繊維状物、布状
物などのいずれかの形状にすることができる。
発明の人工臓器は、本発明の化合物あるいは本発明の高
分子の少なくともひとつを材料として、または、本発明
の成型物の少なくともひとつを部品として用いて製造さ
れるものであり、その使用目的に応じてつくられる。し
たがって、材料あるいは部品のもつ本来の性質を損ねな
い範囲であれば、どのような方法によってつくられても
差し支えない。
管、人工心臓、心臓ペースメーカー、人工心臓弁、人工
腎臓、人工肺、人工心肺、人工膵臓、人工骨、人工関
節、人工靭帯などをあげることができる。
発明の医療用具は、本発明の化合物あるいは本発明の高
分子の少なくともひとつを材料として、または、本発明
の成型物の少なくともひとつを部品として用いて製造さ
れるものであり、その使用目的に応じてつくられる。し
たがって、材料あるいは部品のもつ本来の性質を損ねな
い範囲であれば、どのような方法によってつくられても
差し支えない。
注射針、透析用留置針、留置針、輸液セット、輸液・血
液用フィルター、血液バッグ、チューブ・カテーテル
(栄養用、胃・食道用、胆管用、呼吸器用、泌尿器用、
血管用、心臓用、吸引・注入・排液用など)、血液透析
器ハウジング、血液透析器中空糸、血液透析膜、体外循
環血液回路、外シャント、人工肺膜、創傷被覆材、ステ
ントなどをあげることができる。
制作用]本発明の化合物(化合物例1〜7)の血小板凝
集抑制作用を、ウサギ多血小板血漿を用いて、Born,O'B
rienの方法(Born,G.,V.,R.:Nature(London),194,924(1
962).,O'Brien,J.,R.:J.Clin.Pathol.,15,556(1962).)
に準じて測定した。比較対照として抗血小板剤である塩
酸チクロピジンについても同様の試験を行った。その結
果、本発明の化合物はいずれも低濃度で顕著な血小板凝
集抑制作用を示した。
する高分子化合物(高分子例1〜3)の血小板粘着抑制
作用を、ウサギ多血小板血漿を用いて、ミクロスフィア
カラム法(Kataoka,K.,Maeda,M.,Nishimura,T.,Nitador
i,Y.,Tsuruta,T.,Akaike,T.,Sakurai,Y.:J.Biomed.Mate
r.Res.,14,817(1980).)により評価した。その結果、本
発明の高分子は顕著な血小板粘着抑制作用を示した。
ミン活性化ポリエチレン管と反応させて得られる本発明
の化合物を固定した成型物の血小板粘着率を測定したと
ころ、本発明の化合物を固定しない未処理管に比べて血
小板粘着が全く検出されず、優れた抗血栓性を示すこと
が明らかとなった。
容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物は、優れ
た血小板粘着凝集抑制作用を有し、この作用に基づく治
療薬、すなわち、抗血小板剤として有用である。具体的
には、血栓症の進展阻止、再発防止、血栓症の危険因子
を有する患者の血栓症の二次防止、健康人の血栓症の一
次防止を目的とした治療に用いることができる。さら
に、具体的には、循環器疾患(急性心筋梗塞、不安定狭
心症、慢性安定型狭心症、陳旧性心筋梗塞、心房細動に
よる血栓塞栓症、汎発性血管内血液凝固症候群(DI
C)、冠動脈バイパス術後のグラフト閉塞、経皮的冠動
脈形成術(PTCA)後の冠動脈の狭窄および閉塞、人工心
臓弁置換術後の血栓性合併症(血栓栓塞症、血栓弁)、
肺血栓・栓塞症、体外循環血液中の血小板活性化)、脳
血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)、末梢
動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、血
行再建術後の閉塞)、糸球体腎炎,ネフローゼ症候群、
その他の血栓症など(本態性血小板症、血栓性血小板減
少性紫斑病(TPP)、溶血性尿毒症症候群、抗リン脂質
抗体症候群、川崎病、子癇、ベーチェット病)の治療お
よび予防に対して有効である。また、本発明はこのよう
な優れた化合物を製造するうえで有用な製造法を提供す
るものである。
栓性を有するため、抗血栓性を必要とする成型物をつく
るための材料あるいはコーティング剤として有用であ
る。
れた抗血栓性を有するため、抗血栓性を必要とする人工
臓器、医療用具の部品あるいはそれ自体として有用であ
る。具体的には、人工血管、人工心臓、心臓ペースメー
カー、人工心臓弁、人工腎臓、人工肺、人工心肺、人工
膵臓、人工骨、人工関節、人工靭帯などの人工臓器、注
射筒、注射針、透析用留置針、留置針、輸液セット、輸
液・血液用フィルター、血液バッグ、チューブ・カテー
テル(栄養用、胃・食道用、胆管用、呼吸器用、泌尿器
用、血管用、心臓用、吸引・注入・排液用など)、血液
透析器ハウジング、血液透析器中空糸、血液透析膜、体
外循環血液回路、外シャント、人工肺膜、創傷被覆材、
ステントなどの医療用具の材料や部品として有用であ
る。
子製造例、成型物製造例、抗血栓作用試験および製剤製
造例、をあげて本発明をさら詳しく説明する。なお、当
然のことではあるが、本発明は以下の実施例に記載され
た物質、処方および方法に限定されるものではなく、特
許の請求の範囲に含まれるすべての物質、処方および方
法を含むものである。
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-
(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc
(化合物例1)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-
エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グル
コピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオ
キシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコ
ピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキ
シ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4
GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例
2)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピラン
ウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-
D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウ
ロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-
グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロ
ノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グ
ルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノ
シル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グル
コピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3Gl
cNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc
(化合物例3)]および4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキ
サ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-
2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-
グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-
デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グ
ルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グル
コピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオ
キシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコ
ピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキ
シ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4
GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ
1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例4)]の
製造 ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製;商品
名「ヒアルロン酸FCH」)30gを蒸留水3Lに溶解し、40
℃となるように加温した。0.1M水酸化ナトリウム水溶液
で溶液のpHを6.0に調整した後、Streptomyces hyalurol
yticus由来のヒアルロニダーゼ(天野製薬製;商品名
「ヒアルロニダーゼ“アマノ”」)をヒアルロン酸ナト
リウム1mgあたり0.5濁度減少単位となるように添加
し、40℃で100時間反応を行った。反応後、公称分画分
子量10kの親水性ポリエーテルスルフォン製の限外ろ過
(ミリポア製)によって溶液中から酵素を除去した。凍
結乾燥することによって溶媒を除去し、分解物(27.4
g)を得た。
(カラム:YMC-Pack IEC-AX,溶離液:A;水,B;0.4M NaC
l;リニアグラジェント(30分),検出:UV(232nm))によ
って分画し(化合物例1、2、3、4の順に溶出)、化
合物例1〜4を含む画分を得た。各画分をゲルろ過法
(担体:セファデックスG-10,溶離液:水)によって脱
塩後、凍結乾燥して化合物1〜4(白色粉末)を得た。
収量は、それぞれ、化合物例1:1.7g,化合物例2:5.9g,
化合物例3:3.4g,化合物例4:2.2gであった。各化合物
はナトリウム塩として得られた。
化合物である。式(20)において、nは1〜4の整数を
示し、nが1のとき化合物例1、2のとき化合物例2、
3のとき化合物例3、4のとき化合物例4を示す。 下記式(20)
l DEAE-5PW,溶離液:A;水,B;0.3MNaCl;リニアグラジェ
ント(20分),検出:UV(232nm);面積百分率法)によっ
て測定した各化合物の純度は97%以上であった。化合物
例1〜4の各々のウロン酸含量をグルクロノラクトンを
標準品としてBitterとMuirの方法(Bitter,T.,Muir,H.:
Anal.Biochem.,4,330(1962).) によって、ヘキソサミ
ン含量を3N塩酸中100℃で16時間加水分解後、グルコサ
ミン塩酸塩を標準品としてBoasの方法(ただし、樹脂処
理なし;Boas,N.,F.:J.Biol.Chem.,204,553(1953).)に
よって分析したところ、各化合物例の分析値はほぼ理論
値通りであった。
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-
(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc
(化合物例1)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-
エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グル
コピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオ
キシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコ
ピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキ
シ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4
GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例
2)]の製造 ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製;商品
名「ヒアルロン酸FCH」)60gを蒸留水3Lに溶解し、40
℃となるように加温した。0.1M水酸化ナトリウム水溶液
で溶液のpHを6.0に調整した後、Streptomyces hyalurol
yticus由来のヒアルロニダーゼ(天野製薬製;商品名
「ヒアルロニダーゼ“アマノ”」)をヒアルロン酸ナト
リウム1mgあたり1濁度減少単位となるように添加し、
40℃で100時間反応を行った。反応後、公称分画分子量1
0kの親水性ポリエーテルスルフォン製の限外ろ過(ミ
リポア製)によって溶液中から酵素を除去した。凍結乾
燥することによって溶媒を除去し、分解物(53.7g)を
得た。
(カラム:TSKgel DEAE-5PW,溶離液:A;水,B;0.5M 酢
酸ナトリウム水溶液;リニアグラジェント(A/B(90/10)
→A/B(60/40);40分),検出:UV(232nm))によって分画
し(化合物例1、2の順に溶出)、化合物例1および2
を含む画分を得た。各画分から凍結乾燥することによっ
て水を除去した。凍結乾燥した各画分をエタノールで洗
浄して塩を除去し、再度水に溶解した後に凍結乾燥して
化合物例1、2(白色粉末)を得た。収量は、それぞ
れ、化合物例1:18.1g,化合物例2:29.5gであった。各
化合物はナトリウム塩として得られた。
l Amide-80,溶離液:アセトニトリル/水/酢酸/トリエ
チルアミン(65/35/2/1,v/v),流速:1.0mL/分,カラム
温度:80℃,検出:UV(232nm);面積百分率法)によって
測定した各化合物の純度は97%以上であった。ウロン酸
含量とヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によっ
て分析したところ、値はほぼ理論値通りであった。
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-
(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1
→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラ
ニトール[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc
β1→4GlcAβ1→3GlcNAcOH(化合物例5)]の製造 50mgの化合物例2を50mLの3mg/mL水素化ホウ素ナトリ
ウム水溶液に溶解し、室温で1時間処理した。5mLの6
M酢酸を加えて反応を停止し、50mLのメタノールを加え
た後、エバポレーターを用いて乾固した。さらに、50mL
のメタノールの添加および乾固を2回繰り返した。乾固
によって残った固形物を5mLの水に溶解し、実施例1と
同様にゲルろ過法によって脱塩後、凍結乾燥して化合物
例5(白色粉末;44.7mg)を得た。
ある。 式(21)
したところ、98%以上であった。ウロン酸含量とヘキソ
サミン含量を実施例1に示した方法によって分析したと
ころ、分析値はほぼ理論値通りであった。
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-
(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロン酸[ΔH
exAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcA
(化合物例6)]の製造 化合物例2をReissigらの方法(Reissig,J.,L.,Stromin
ger,J.L.,Leloir,L.,F.:J.Biol.Chem.,217,959(195
3).)に準じてpH9のホウ酸緩衝液中で加熱した。反応
液中のホウ酸を実施例3と同様にホウ酸メチルとして除
去し、実施例1と同様にゲルろ過法によって脱塩後、凍
結乾燥して化合物例6(白色粉末)を得た。50mgの化合
物例2を原料としたとき、44.8mgの化合物例6を得た。
ある。 式(22)
したところ、98%以上であった。ウロン酸含量とヘキソ
サミン含量を実施例1に示した方法によって分析したと
ころ、値はほぼ理論値通りであった。
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-
(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロニトール
[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4Gl
cAOH(化合物例7)]の製造 化合物例6を実施例3と同様の方法で処理して化合物例
7(白色粉末)を得た。20mgの化合物例6を原料とした
とき、17.8mgの化合物例7を得た。
ある。 式(23)
したところ、98%以上であった。ウロン酸含量とヘキソ
サミン含量を実施例1に示した方法によって分析したと
ころ、値はほぼ理論値通りであった。
オ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセト
アミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-
O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトア
ミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-
β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミ
ド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高分子例
1)、ポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L
-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-
アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1
→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-ア
セトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→
4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセ
トアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-
3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセト
アミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高分子
例2)およびポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキ
シ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→
3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノ
シル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)
-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシ
ル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O
-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-
(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-
アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1
→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-ア
セトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高
分子例3)の製造 10gの化合物例2を蒸留水5mLに溶解し、メタノール45
mLを加えて混和した。その液を40℃に加温したヨウ素の
メタノール溶液(17.1g/200mL)に加えて40℃で30分間
放置した。4%水酸化カリウム/メタノール溶液をヨウ
素の色が消失するまで徐々に添加した。反応液を氷冷
し、析出した沈殿をろ取した。沈殿を冷エタノール、冷
エーテルの順で洗浄し、エタノール/水(90/10,w/w)か
ら再結晶することによってカリウム塩を得た。カリウム
塩を蒸留水50mLに溶解し、イオン交換樹脂(アンバーラ
イトIR-12B(H+型))を充填したカラムに通液して凍結
乾燥した。凍結乾燥物にメタノールを加えて減圧濃縮し
て結晶を得た。結晶に少量のメタノールを加えて溶か
し、さらにエタノールを加えて脱水濃縮するという操作
を5回繰り返した後、減圧乾固してラクトン化した化合
物例2(7.3g)を得た。
ール50mLに溶解し、p-アミノメチルスチレンのメタノー
ル溶液(2.5g/0.5mL)を加熱還流下で加えた。120分間
加熱還流した後、アセトン200mLを加えて結晶化した。
結晶をメタノールより2回再結晶させて精製結晶(N-p-
ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4
-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-
デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グ
ルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グル
コピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオ
キシ-β-D-グルコンアミド];3.1g)を得た。
始剤としてペルオキソ二硫酸カリウム(0.2mol%)を添
加した。窒素下で60℃にて24時間加熱して重合反応を行
った。重合後、液をメタノール中に注入して、重合体を
析出させた。メタノールをデカンテーションで除き、重
合体を分離した。重合体を水に溶解し、メタノールから
析出させる再沈殿法によって重合体を精製して高分子例
1(1.6g)を得た。
て高分子例2を、化合物例4を原料として用いて高分子
例3を得た。
化合物である。式(24)において、nは2〜4の整数を
示し、nが2のとき高分子例1、3のとき高分子例2、
4のとき高分子例3を示す。
均分子量を測定したところ、約4万であった。 式(24)
の製造 Larmら(Larm,O.,Lasson,R.,Olsson,P.:Biomat.Med.De
v.Art.Org.,11,161(1983).)の方法に準じて製造を行っ
た。化合物例2とポリエチレンイミン活性化ポリエチレ
ン管(1.8mmID×100cmL)を0.15M NaCl中、NaB(CN)H3と
pH3.5,50℃で2時間反応させて化合物例2固定ポリエ
チレン管(成型物例1)を得た。
型物例2、化合物例4を原料として成型物例3を得た。
制作用 ウサギ大動脈から、3.8%クエン酸ナトリウム水溶液1
容に対して血液9容となるように採血し、直ちに遠心分
離(50×g,10分,室温)して上清として多血小板血漿
(platelet-rich plasma;PRP)を得た。PRP100μLに各
濃度の本発明化合物1〜7の溶液10μLを加えて37℃で
1分間保持後、凝集惹起剤として10μLの10μg/mLコ
ラーゲン(ウシ腱コラーゲン;明治薬品製)を加え、添
加後7分間凝集曲線を記録した。血小板凝集能の測定
は、血小板凝集計(製造:エム・シー・メディカル)を
使用してBorn,O'Brienの方法(Born,G.,V.,R.:Nature(L
ondon),194,924(1962).,O'Brien,J.,R.:J.Clin.Patho
l.,15,556(1962).)に準じて行った。比較対照として、
代表的な抗血小板剤である塩酸チクロピジンについても
試験を行った。結果を表1に示す。
集抑制作用を示した。
ット(体重300〜400g,Wistar系,オス)を用いて急性
毒性試験を行ってところ、LD50は500mg/kg以上であっ
た。
抑制作用 高分子例1〜3の血小板粘着抑制作用をミクロスフィア
カラム法(Kataoka,K.,Maeda,M.,Nishimura,T.,Nitador
i,Y.,Tsuruta,T.,Akaike,T.,Sakurai,Y.:J.Biomed.Mate
r.Res.,14,817(1980).)により評価した。実施例8と同
様にして得たPRPを1200G,7分間,2回遠心分離によっ
てDulbecco PBSで洗浄し、終濃度1×105platelets/μL
の血小板懸濁液を調製した。ミクロスフィアカラム(テ
フロンカラム(3IDmm×50mmL)にポリスチレンビーズ
(直径150μm,20%ジビニルベンゼン架橋,非多孔質)
を封入)に各濃度の高分子水溶液を注入し、吸着後蒸留
水で充分にリンスした。このカラムに血小板懸濁液を通
液した(流速0.5mL/分,室温)。通液後の液中の血小板
濃度を測定し、血小板粘着率を算出した。結果を表2〜
4に示す。
板粘着抑制作用を示した。
様の方法で終濃度1×105platelets/μLの血小板懸濁液
を調製した。成型物例1〜3および未処理のポリエチレ
ン管(未処理管)に血小板懸濁液を循環通液した(流速
0.5mL/分,1時間,室温)。
処理管および成型物例1〜3の血小板粘着率を算出し
た。結果を表5に示す。
らかに血小板粘着率が低かった。この結果は、本発明の
成型物が優れた抗血栓性をもつことを示すものである。
〜80℃に加熱し、そこに化合物例1、ラウリル硫酸ナト
リウム、トウモロコシデンプンおよび乳糖を混合した
後、冷却する。固化した混合物を粉砕器にかけ造粒し、
顆粒を得る。顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合
後、圧縮打錠して重量250mgの錠剤とする。
デンプンを均一に混合する。混合物にポリビニルアルコ
ールの水溶液を加え、湿式顆粒造粒法により顆粒を調製
する。顆粒を乾燥し、ステアリン酸マグネシウムを混合
後、圧縮打錠して重量200mgの錠剤とする。
の4成分を均一に混合する。ステアリン酸マグネシウム
を加えた後、さらに数分間混合する。混合物をNo.1の
ハードカプセルに200mgずつ充填し、カプセル剤とす
る。
%散剤とする。
熔融法によって1gの直腸坐剤とする。
菌後、10mLアンプルに5mLずつ分注し、熔封して注射剤
とする。
Claims (32)
- 【請求項1】下記一般式(1)で表されるグルクロン酸
誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合
物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または
塩の溶媒和物。 式(1) 【化1】 [式(1)中、R1は保護基または下記式(2)〜(5)
を表す。式(2)〜(5)中、R10は水素原子、保護基
または下記式(6)〜(8)を表し、R11は水素原子ま
たは保護基を表す。ただし、R10およびR11が水素原子ま
たは保護基である場合、R1はCOOR4に対してトランス結
合あるいはシス結合のどちらであってもよい。 式(2) −OR10 式(3) −NHR11 式(4) −CH2R11 式(5) −SR11 式(6) 【化2】 式(7) 【化3】 式(8) 【化4】 また、R10が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜
(8)中、R13、R17およびR26を除くR12〜R28は同一ま
たは異なって水素原子または保護基を表し、R13、R17お
よびR26はアジド基または下記式(9)を表す。 式(9) −NR29R30 式(9)中、R29およびR30は、同一または異なり水素原
子または保護基を表す。式(1)中、R2〜R8は同一また
は異なって水素原子または保護基を表す。式(1)中、
R9は、水素原子、保護基または下記式(10)または下記
式(11)を表す。式(10) 【化5】 式(11) 【化6】 式(10)および(11)中、R31〜R37は同一または異なっ
て水素原子または保護基を表す。式(1)中、nは0〜
25の整数を表す。(ただし、nが0のときは、R1は式
(2)、R10は式(8)で表される基であり、R9は式(1
0)または式(11)で表される基である。) 式(1)、式(6)〜(8)および式(10)〜(11)
中、保護基は互いに同一または異なり、置換されていて
もよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキ
ル、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖また
は分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭素原子
数1〜8のアシル、置換されていてもよい芳香族アシ
ル、または置換されていてもよい芳香族アルキルであ
り、またR13、R17およびR26を除くR2〜R37の任意の保護
基2つが一緒になって、置換されていてもよい炭素原子
数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原
子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよい
ベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイ
ルを形成してもよい。また、nが2以上の場合、R2〜R8
は、繰り返し単位ごとに同一であっても異なっていても
よい。] - 【請求項2】n=0〜10である請求項1記載のグルク
ロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を有する化合
物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または
塩の溶媒和物。 - 【請求項3】R9が前記式(11)である請求項2記載のグ
ルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を有する化
合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物また
は塩の溶媒和物。 - 【請求項4】R1が前記式(2)であり、R10が前記式
(6)である請求項3記載のグルクロン酸誘導体および
グルコサミン誘導体を有する化合物、その薬理学的に許
容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物。 - 【請求項5】R1が前記式(2)であり、R10が前記式
(7)である請求項3記載のグルクロン酸誘導体および
グルコサミン誘導体を有する化合物、その薬理学的に許
容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物。 - 【請求項6】R1が前記式(2)であり、R10が前記式
(8)である請求項3記載のグルクロン酸誘導体および
グルコサミン誘導体を有する化合物、その薬理学的に許
容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物。 - 【請求項7】R13が前記式(9)である請求項4記載の
グルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を有する
化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物ま
たは塩の溶媒和物。 - 【請求項8】R17が前記式(9)である請求項5記載の
グルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を有する
化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物ま
たは塩の溶媒和物。 - 【請求項9】R26が前記式(9)である請求項6記載の
グルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を有する
化合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物ま
たは塩の溶媒和物。 - 【請求項10】ヒアルロン酸またはその塩を解重合する
工程を含むことを特徴とする請求項1の化合物を製造す
る方法。 - 【請求項11】解重合のために酵素を用いることを特徴
とする請求項10記載の方法。 - 【請求項12】酵素が微生物由来であることを特徴とす
る請求項11記載の方法。 - 【請求項13】微生物がStreptomyces hyalurolyticus
であることを特徴とする請求項12記載の方法。 - 【請求項14】解重合を実質上塩を含まない溶液中、実
質上不揮発性の塩を含まない溶液中、あるいは、実質上
有機溶媒不溶性の塩を含まない溶液中で行うことを特徴
とする請求項10〜13のいずれかに記載の方法。 - 【請求項15】解重合した物質を陰イオン交換クロマト
グラフ法によって分画精製する工程を含むことを特徴と
する請求項10〜14のいずれかに記載の方法。 - 【請求項16】塩として実質上揮発性の塩のみを含む溶
離液を用いることを特徴とする請求項15記載の方法。 - 【請求項17】塩がアンモニウム塩であることを特徴と
する請求項16記載の方法。 - 【請求項18】アンモニウム塩が酢酸アンモニウムであ
ることを特徴とする請求項17記載の方法。 - 【請求項19】塩として実質上有機溶媒可溶性の塩のみ
含む溶離液を用いることを特徴とする請求項15記載の方
法。 - 【請求項20】塩が酢酸塩であることを特徴とする請求
項19記載の方法。 - 【請求項21】酢酸塩が酢酸アンモニウム または酢酸
ナトリウムであることを特徴とする請求項20記載の方
法。 - 【請求項22】請求項1記載の化合物の少なくともひと
つを有効成分とする医薬組成物。 - 【請求項23】請求項1記載の化合物の少なくともひと
つを有効成分とする抗血小板剤。 - 【請求項24】請求項1記載の化合物の少なくともひと
つを有効成分とする血栓症治療薬および予防薬、循環器
疾患治療薬および予防薬、脳血管障害治療薬および予防
薬、末梢血管障害治療薬および予防薬から成る群より選
択される治療薬および予防薬として使用される請求項22
記載の医薬組成物。 - 【請求項25】請求項1記載の化合物の少なくともひと
つを側鎖構造として有する高分子。 - 【請求項26】請求項1記載の化合物、あるいは、請求
項25記載の高分子の少なくともひとつを有効成分とする
コーティング剤。 - 【請求項27】請求項25記載の高分子の少なくともひと
つを材料として用いた成型物。 - 【請求項28】請求項26記載のコーティング剤の少なく
ともひとつを使用して製造した成型物。 - 【請求項29】請求項27または28記載の成型物の少なく
ともひとつを部品として用いた人工臓器。 - 【請求項30】体外循環型人工臓器、または、体内埋込
み型人工臓器である請求項記載29の人工臓器。 - 【請求項31】請求項27または28記載の成型物の少なく
ともひとつを部品として用いた医療用具。 - 【請求項32】体外用医療用具、体内と連結する体外用
医療用具、または、体内埋込み用医療用具である請求項
31記載の医療用具。
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-
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