JP4301537B2 - 移動体用ナビゲーションシステム及び方法並びにコンピュータプログラム - Google Patents

移動体用ナビゲーションシステム及び方法並びにコンピュータプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用ナビゲーションシステム等の移動体用ナビゲーションシステム及び方法、並びにコンピュータプログラムの技術分野に属し、特に、ACC(Adaptive Cruise Control)装置や生体情報を検出する装置などの電子制御化された移動体において好適に用いられる移動体用ナビゲーションシステム及び方法、並びにコンピュータプログラムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近時、自動車の走行を制御する電子制御の研究開発や、運転を支援するナビゲーションシステムの普及が著しい。
【0003】
この自動車走行の電子制御化の例としてACCと称するものがある。これはミリ波レーダにより先行車を検出し、アクセルとブレーキとの制御を行い、車速や車間距離を維持し、渋滞路では先行車の動きに合わせて減速或いは停止まで自動的に行うものである。また、車間距離が所定の距離より短くなった場合には警告音を発生し、又は警告を表示する機能を有すものもある。即ち、ACC機能が先行車の走行状況を判断し、車速や車間距離に関して自動走行を行わせることでドライバーの操作負荷を軽減している。また、先行車がない場合はドライバーが設定した快適な走行条件でドライブすることを可能にしている。
【0004】
また、運転を支援するナビゲーションシステムでは、表示装置に地図データ、現在位置データ、目的地までの経路データ、各種案内データ等を表示し、或いは車内に搭載したスピーカによりナビゲーション用の案内メッセージ、警告メッセージ等を音声出力するように構成されている。現在位置データは車に搭載されている位置情報を得るための速度、加速度、角速度センサ等の自立測位装置(即ち、伝統的な自立航法(SCN:Self-Contained Navigation)用の各種測位装置)により、或いはGPS(Global Positioning System)装置により得られる。更には現在開発が進められている通信ナビゲーションシステムは、無線通信手段を有しており、外部情報源と交信し、目的とする情報をキャッチして表示し、または音声出力して運転を支援するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動制御される車両挙動が、ドライバーが期待する走行状態と一致しない場合がある。例えば、山道等の見通しの悪い路上で、速度の遅い先行車の後ろについた場合、ACCによって車間距離が保持されていても、いつ先行車を追い越せるかが分からないためにドライバーに心理的なストレスを与える。
【0006】
また、交通渋滞に遭遇した場合にドライバーは肉体的或いは精神的にストレスを受けるものである。このような場合ドライバーは交通渋滞から脱出することを願望するわけであるが、それを支援する手段、即ち周囲の状況を判断して、追い越しが可能であるか否か、また追い越し可能な地点があればその地点が何処であるのか、その地点に到達するまでにどのくらい時間がかかるのか等の追い越し可能情報を自動的に提示するようなシステムはない。
【0007】
このように従来のACCやナビゲーションシステムによれば、ドライバーが低速の先行車に対してストレスを感じている場合等に、道路法規或いは実際の道路状況等に鑑みて安全な追い越しが可能であっても、その旨を提示することはできないという問題点がある。
【0008】
従って本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、例えば現に走行している道路の混雑状態、道路の法律的又は地形的条件、ドライバーの生体状態、車の走行状態等の走行に関連する諸情報から総合的に判断して、適時にドライバーに対して追い越し可能である旨の情報を提示可能な移動体用ナビゲーションシステム及び方法、並びにコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムは上記課題を解決するために、移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、該検出された現在位置に対応する地図情報を提示する地図情報提示手段と、当該移動体が走行している経路についての現在状況を示す経路状況情報を提示する経路状況情報提示手段と、前記提示された地図情報及び経路状況情報に基づいて、前記経路上における当該移動体の追い越しが可能である場合には、追い越し可能である旨の提示を行う操縦路提示手段とを備え、前記経路状況情報提示手段は、当該移動体の操縦者の生体情報を検出して検出結果を前記経路状況情報の一つとして出力する生体情報検出手段を含み、該生体情報検出手段により予め設定された追い越しを推奨すべき生体情報が検出されたことを一条件に、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれる。
【0010】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムによれば、自動車等の移動体が走行している際に、例えばGPS装置、自立測位装置等の現在位置検出手段によって、当該移動体の現在位置を検出する。すると、地図情報提示手段によって、この検出された現在位置に対応する地図情報が提示され、経路状況情報提示手段によって、この移動体が走行している経路についての現在状況を示す経路状況情報が提示される。
【0011】
ここに、地図情報提示手段は、例えばドライブマップ等のドライブに必要な道路環境やドライブ条件、例えば制限速度、車線数、追い越し可能区域等の情報が記録されていて、指定された位置を中心として所定の範囲について提示されるものである。位置の指定はドライバーによる指示と、これに替り上述した現在位置検出手段によって測定された現在の自動車の位置が自動的に入力されてもよい。
【0012】
他方、経路状況情報提示手段は、現に走行している道路の渋滞状況、走行速度、渋滞の経過時間、渋滞の解消見込み時間、追い越し可能地域であるか否かの情報を提示するもので、例えば、ACCの作動状態、車両に搭載した撮影装置の画像分析、或いは道路管理者が発するVICS(Vehicle Information Communication System)情報などの無線情報等などの経路状況情報が提示される。
【0013】
そして、このように提示された現在走行中の経路に係る地図情報及び経路状況情報に基づいて、この経路上における当該移動体の追い越しが可能である場合には、操縦路提示手段によって、追い越し可能である旨の提示を行う。従って、経路状況情報により示される例えば先行車の存在や渋滞状況などの経路状況と、地図情報により示される追い越し禁止区域等の法律的条件や道路の曲がり等の地理的条件などの道路データ等を含む地図情報とに応じて、実際に追い越しが可能であれば、操縦路提示手段による提示に従って、ドライバー等の操縦者は、追越を安全且つ快適に行うことが可能となる。逆に、現に走行中の道路等の経路に係る経路状況情報と地図情報とに応じて、実際に追い越しが不可能であれば、ドライバー等の操縦者は無理な追い越しを行わないで済む。操縦路提示手段によって、例えば、追い越しが可能であれば追い越し車線を提示し、不可能であれば現に走行中の車線を提示してもよい。或いは所定時間が経過した後に追い越し可能となるのであれば、この条件付でドライバーに追い越し可能である旨を知らせてもよい。この際、追い越し可能な旨の具体的な提示は、例えば車両に搭載されているAVシステムのスピーカやディスプレイを介して追い越し可能な旨の画像情報や音声情報を出力してもよい。
【0014】
このように渋滞に遭遇した場合や低速車の後ろにつけた場合などに、追い越し情報がドライバーに適時に伝達されるので、心理的余裕をもって安全に運転することのサポートができる。また、現に走行している道路が追い越し可能であるか否かが不明の場合でも、これを確認するために極めて有効なシステムが構築される。
【0015】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの一態様では、前記経路状況情報提示手段は、当該移動体の前方に存在する他の移動体を検知して検知結果を前記経路状況情報の一つとして出力する前方検知手段を含み、該前方検知手段により前記他の移動体の存在が検知されたことを一条件として、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれる。
【0016】
この態様によれば、例えば先行車である、移動体の前方に他の移動体が存在すると、前方検知手段によって、この他の移動体を検知して検知結果を経路状況情報の一つとして出力する。そして、操縦路提示手段によって、このように他の移動体の存在が検知されたことを一条件として、地図情報提示手段及び経路状況情報提示手段による提示が行われ、更に地図情報及び経路状況情報に基づいて操縦路提示手段による提示が行なわれる。即ち、他の移動体が検知されなければ、追い越す必要はないので、地図情報提示手段、経路状況情報提示手段及び操縦路提示手段による提示は行われない。
【0017】
この態様では、前記前方検知手段は、前記前方を映し出すカメラを含んでもよい。
【0018】
このように構成すれば、例えばCCDカメラ、小型カメラ等のカメラによって、当該移動体の前方を映し出すことにより、先行車等の他の移動体を検知できる。
【0019】
或いはこの態様では、当該移動体の走行状態を検知する走行状態検知手段と、前記検知された走行状態に基づいて当該移動体の走行を制御するACC装置とを更に備えており、前記前方検知手段は、前記ACC装置に含まれてもよい。
【0020】
このように構成すれば、ACC装置により、当該移動体の走行を自動制御しつつ、ACC装置に含まれるミリ波レーダ等の前方検知手段によって、先行車等の他の移動体を検知できる。
【0021】
尚、ACC装置は、ミリ波レーダにより先行車を検出し、車速や車間距離を維持するためにアクセルとブレーキの制御を行い、渋滞路では先行車の動きに合わせて減速、停止まで自動的に行うものである。また、車間距離が所定の距離より短くなった場合には警告音を発生し、その警告を表示して、ドライバーの運転負荷を低減させ、効率的で安全性の高い車の走行を図るものである。これら基本的な機能のほかにドライバーの運転をアシストする他の機能が付加されていてもよい。
【0022】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、当該移動体の走行状態を検知する走行状態検知手段と、該検知された走行状態に基づいて当該移動体の走行を制御するACC装置とを更に備えており、前記走行状態検知手段により予め設定された追い越しを推奨すべき走行状態が検出されたことを一条件に、前記操縦路提示手段による提示が行なわれる。
【0023】
この態様によれば、ACC装置により、当該移動体の走行を自動制御しつつ、例えば、車速センサ、ミリ波レーダ等の走行状態検知手段によって、先行車の車速が極端に低い場合や法定速度と比べて低い場合にこの先行車の後について走行している走行状態など、予め設定された追い越しを推奨すべき走行状態が検出されると、地図情報及び経路状況情報に基づいて、操縦路提示手段による提示が行なわれる。
【0024】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、前記経路状況情報提示手段は、当該移動体の操縦者の生体情報を検出して検出結果を前記経路状況情報の一つとして出力する生体情報検出手段を含み、該生体情報検出手段により予め設定された追い越しを推奨すべき生体情報が検出されたことを一条件に、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれる。
【0025】
この態様によれば、生体情報検出手段によって、肉体的或いは精神的な操縦者の生体情報を検出して検出結果を経路状況情報の一つとして出力する。
【0026】
ここに本発明に係る生体情報検出手段とは、車両運転中のドライバーの肉体的、及び精神的生理状態を検出する構成を有するものでものである。例えば、車両運転中に道路渋滞に遭遇し、その状態で長時間、例えばACC制御の下で運転を余儀なくされた場合、そのドライバーは肉体的にも精神的にも多大なストレスを被ることになる。この状態で運転を続けることは安全上問題があり、条件が許せば追い越し動作を行い、その車両を前方に進めることが好ましい。
【0027】
このために操縦者の肉体的或いは精神的な生体状態を知り、所定の基準以上となれば追い越しを推奨すべきである。係る生体情報としては、脈拍、発汗、皮膚抵抗、呼吸、心拍数、心拍変動成分等が用いられ、操縦者の「イライラ度」が高くなる際のこのような生体情報の変化を、追い越しを推奨すべき生体情報であるとして予め設定しておく。このような設定は、実験的、経験的、理論的、シミュレーション等によって行われ、追い越しを推奨すべき生体情報は、固定としてもよいし、デフォールトバリューを固定として可変としてもよい。
【0028】
そして、操縦路提示手段によって、このように追い越しを推奨すべき生体情報が検出されたことを一条件として、地図情報提示手段及び経路状況情報提示手段による提示が行われ、更に地図情報及び経路状況情報に基づいて操縦路提示手段による提示が行なわれる。即ち、追い越しを推奨すべき生体情報が検出されなければ、追い越す必要性は低いので、地図情報提示手段、経路状況情報提示手段及び操縦路提示手段による提示は行われない。
【0029】
この態様では、前記生体情報検出手段は、脈拍、発汗、皮膚抵抗、呼吸、心拍数及び心拍変動成分のうち少なくとも一つによる前記操縦者の肉体的及び精神的生理状態を検出するものである。
【0030】
このように構成すれば、脈拍、発汗、皮膚抵抗、呼吸、心拍数又は心拍変動成分、若しくはこれらのうち任意の二つ以上の組み合わせによって、移動体内にあっても或いは操縦中であっても、比較的容易に操縦者の肉体的及び精神的生理状態を検出可能となる。
【0031】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、前記地図情報は、当該移動体が走行する道路の地理的特徴の情報を含む。
【0032】
この態様によれば、例えば道路の曲がり方や、上り下りの別、傾斜などの地理的特徴の情報に基づいて追い越し可能である場合に、操縦路提示手段によって追い越し可能である旨の提示を行うようにできる。従って、地理的特徴に応じた安全且つ確実な追い越し操作が可能となる。
【0033】
この態様では、前記地理的特徴の情報は、当該移動体が走行する道路の前方の曲率半径及び道路勾配の情報を含んでもよい。
【0034】
このように構成すれば、車の追い越し動作に適するか否かを判別する重要な情報である、道路の前方の曲率半径の情報(即ち、これから車両が進行する位置のカーブの状態を示す情報)と道路勾配の情報(即ち、上りであるか下りであるか、またその傾斜程度はどのようなものであるかを示す情報)とに基づいて、追い越し可能である場合に、操縦路提示手段によって追い越し可能である旨の提示を行うようにできる。例えばカーブが急であり、また、勾配が大きければその地点での追い越し動作は不適であると判断される。
【0035】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、前記地図情報は、当該移動体が走行する道路の追い越し可能地域の情報を含む。
【0036】
この態様によれば、道路法規によって或いは道路管理上等、現在その地域が追い越し可能となっているか否かという、決定的な情報に基づいて、追い越し可能である場合に、操縦路提示手段によって追い越し可能である旨の提示を行うようにできる。
【0037】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、前記地図情報は、当該移動体が走行する道路の法定速度の情報を含む。
【0038】
この態様によれば、道路法規によって現在その道路における法定速度を守っているか或いは法定速度内で先行車を追い越し可能であるかという、決定的な情報に基づいて、追い越し可能である場合に、操縦路提示手段によって追い越し可能である旨の提示を行うようにできる。
【0039】
この態様では、前記法定速度以下で追い越し可能であることを一条件として、前記操縦路提示手段による提示が行なわれるように構成してもよい。
【0040】
このように構成すれば、制限速度以下で追い越し可能であれば、地図情報及び経路状況情報に基づいて操縦路提示手段による提示が行なわれる。即ち、制限速度以下で追い越し不可能であれば、操縦路提示手段による追い越し可能である旨の提示は行われない。
【0041】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、当該移動体の操縦者からの追い越しを要求する旨の要求情報を入力可能な入力手段を更に備えており、前記入力手段により前記要求情報が入力されたことを一条件として、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれる。
【0042】
この態様によれば、例えばボタン操作、キー操作、音声入力操作等により、入力手段を介して追越を要求する旨の要求情報が入力されると、地図情報提示手段及び経路状況情報提示手段による提示が行われ、更に地図情報及び経路状況情報に基づいて操縦路提示手段による提示が行なわれる。即ち、操縦者からの積極的な意思表示がなければ、追い越す必要はないので、地図情報提示手段、経路状況情報提示手段及び操縦路提示手段による提示は行われない。
【0043】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、前記操縦路提示手段は、追い越し可能地点、追い越し可能地点までの距離、追い越し可能地点までの予想時間及び追い越し可能地点を通過する予想時刻のうち少なくとも一つを含めて、前記追い越し可能である旨の提示を行う。
【0044】
この態様によれば、地図情報及び経路状況情報に基づいて、追い越し可能であれば、操縦路提示手段によって、追い越し可能地点、追い越し可能地点までの距離、追い越し可能地点までの予想時間及び追い越し可能地点を通過する予想時刻のうち少なくとも一つを含めた形で追い越し可能である旨の提示を行う。ここに、予想時間や予想時刻は、車速と追い越し可能地点までの距離等の情報から容易に算出できる。また、交通事故、道路工事等で追い越しが禁止されている場合、道路管理者が発する禁止解除情報をキャッチしてその解除されるまでの時間、或いは時刻をドライバーに提示することも可能である。いずれにせよ、追い越し情報がドライバーに前もって伝達されるので、追い越しまでの間、心理的余裕をもって安全に運転することのサポートができる。
【0045】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、前記操縦路提示手段は、前記地図情報及び前記経路状況情報に基づいて当該移動体が前記経路上で追い越し可能であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により追い越し可能であると判定された場合に前記追い越し可能である旨の情報を外部出力する出力手段とを含む。
【0046】
この態様によれば、地図情報及び経路状況情報が提示されると、これらに基づいて、判定手段によって、移動体が経路上で追い越し可能であるか否かを判定する。そして、追い越し可能であると判定された場合には、追い越し可能である旨の情報を、表示装置や音声出力装置等の出力手段によって外部出力する。このような出力手段としては車両に搭載されているAVシステムのスピーカやディスプレイを用いることも可能である。
【0047】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、目的地を入力可能な入力手段と、前記提示された地図情報及び前記検出された現在位置に基づいて、前記移動体の前方における前記目的地への経路を探索する経路探索手段とを更に備える。
【0048】
この態様によれば、入力手段を介して、目的地を入力すると、経路探索手段によって、地図情報及び現在位置に基づいて、移動体の前方における目的地への経路を探索する。従って、本発明の操縦路提示手段による追い越し可能である旨の提示を、このように探索された経路について行うことも可能となる。
【0049】
この態様では、前記操縦路提示手段は、前記探索された経路に係る地図情報に基づいて、前記追い越し可能である旨の提示を行うように構成してもよい。
【0050】
このように構成すれば、探索された経路にかかる地図情報に基づいて、無駄なく追い越し可能である旨の提示を行える。特に、追い越し可能な位置が比較的遠くに位置しており、分岐より前方に位置している場合や、分岐を曲がった後に位置している場合などに有利である。
【0051】
本発明の移動体用ナビゲーションシステムの他の態様では、当該移動体ナビゲーションシステムは、通信手段を介して相互に接続される、当該移動体に搭載される移動体ユニットと当該移動体に搭載されない固定ユニットとからなり、前記地図情報提示手段、前記経路状況情報提示手段及び前記操縦路提示手段は少なくとも部分的に、前記固定ユニット内に設けられている。
【0052】
この態様によれば、移動体ユニット側に、現在位置を検出したり、経路状況情報を検出したり、追い越し可能である旨の提示を画像表示或いは音声出力したりする部分を設けると共に、この移動ユニットと通信手段を介して接続される、例えばサーバ装置等を備えてなる固定ユニット側に残りの部分を設けるようにして、当該移動体移動体用ナビゲーションシステムを構築できる。このため、地図情報のデータベースや、追い越し可能であるか否かの判定処理等に係る負担を、固定ユニット側に負わせることができ、よって、各移動体に設けられる移動体ユニットにおける装置構成を単純化し、処理負担を低減できる。
【0053】
本発明の移動体用ナビゲーション方法は上記課題を解決するために、移動体の現在位置を検出する現在位置検出工程と、該検出された現在位置に対応する地図情報を提示する地図情報提示工程と、当該移動体が走行している経路についての現在状況を示す経路状況情報を提示する経路状況情報提示工程と、前記提示された地図情報及び経路状況情報に基づいて、前記経路上における当該移動体の追い越しが可能である場合には、追い越し可能である旨の提示を行う操縦路提示工程とを備え、前記経路状況情報提示工程は、当該移動体の操縦者の生体情報を検出して検出結果を前記経路状況情報の一つとして出力する生体情報検出工程を含み、該生体情報検出工程により予め設定された追い越しを推奨すべき生体情報が検出されたことを一条件に、前記地図情報提示工程による提示、前記経路状況情報提示工程による提示及び前記操縦路提示工程による提示が行なわれる。
【0054】
本発明の移動体用ナビゲーション方法によれば、上述した本発明の移動体用ナビゲーションと同様に、渋滞に遭遇した場合や低速車の後ろにつけた場合などに、追い越し情報がドライバーに適時に伝達されるので、心理的余裕をもって安全に運転することのサポートができる。また、現に走行している道路が追い越し可能であるか否かが不明の場合でも、これを確認するために極めて有効な方法が構築される。
【0055】
本発明のコンピュータプログラムは上記課題を解決するために、コンピュータを、移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段により検出された前記現在位置に対応する地図情報を提示する地図情報提示手段と、当該移動体が走行している経路についての現在状況を示す経路状況情報を提示する経路状況情報提示手段と、前記経路状況情報提示手段に含まれ、前記移動体の操縦者の生体情報を検出して検出結果を前記経路状況情報の一つとして出力する生体情報検出手段と、前記提示された地図情報及び経路状況情報に基づいて、前記経路上における当該移動体の追い越しが可能である場合には、追い越し可能である旨の提示を行う操縦路提示手段として機能させ、前記生体情報検出手段により予め設定された追い越しを推奨すべき生体情報が検出されたことを一条件に、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれるよう前記コンピュータを機能させる。
【0056】
本発明のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、DVD−ROM(DVD−Read Only Memory)、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させる、或いは、当該コンピュータプログラムを通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させることにより、上述した本発明の移動体用ナビゲーションシステムを構成する地図情報提示手段、経路状況情報提示手段及び操縦路提示手段を比較的簡単に実現できる。特に、このようなコンピュータプログラムは、当該移動体に搭載されるコンピュータによって実行されてもよいし、当該移動体に搭載されずに通信手段を介して移動体に接続されるコンピュータよって実行されてもよい。
【0057】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に説明する各実施の形態は、本発明の移動体用ナビゲーションシステムを車載用ナビゲーションシステムに適用したものである。
【0059】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の移動体用ナビゲーションシステムについて図1乃至図5を参照して説明する。ここで図1は移動体用ナビゲーションシステムのブロック図であり、図2は構成手段とその具体的技術要素の概略を示した図であり、図3はACC装置のブロック図であり、図4は動作の流れを示すフローチャートであり、図5はシステム要素の相互の関係を経時的に示すシーケンスチャートである。尚、図1に示される「生体状態センサ15」は後段で説明する第2実施形態において用いられるものであり、第1実施形態の説明においては用いない。
【0060】
図1に示すように、本実施形態の移動体用ナビゲーションシステムは、自立測位装置10、カメラ14、GPS受信装置18、システムコントローラ20、CD−ROMドライブ31、DVD−ROMドライブ32、ハードディスクユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50、入力装置60及びACC装置70を備えて構成されている。
【0061】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び速度センサ13を含んで構成されている。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。速度センサ13は、機械的、磁気的又は光学的に車両の車軸の回転を検出し、車軸における所定角度の回転毎に、パルス信号たる車速パルスを発生する車速センサからなる。
【0062】
カメラ14は車両の前方など、車両の周囲を撮影して、その車両が置かれている周囲の状況を認識するためのものであり、CCD撮像素子を用いたCCDカメラが小型であり好適である。また、ACC装置70に装着されている撮像装置を共用することも可能である。
【0063】
GPS受信装置18は、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられるためのもので、複数のGPS衛星からの測位用のデータを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する部分である。自立測位装置10と同様に車両の現在地を知るために用いられる。
【0064】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(CentralProcessing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23、及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、システム全体の制御を行うように構成されている。
【0065】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12、速度センサ13、カメラ14及びGPS受信装置18とのインタフェース動作を行う。これらからの車速データ、加速度データ、角速度データ、相対方位データ、GPS測位データ、絶対方位データ、周囲の画像データ等をシステムコントローラ20に入力する。
【0066】
CPU22は、システムコントローラ20全体を制御すると共に、ドライバーに提示する情報を、入力される各種データに基づいて判断し、作成し、提示する機能を有する。
【0067】
ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0068】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ31、DVD−ROMドライブ32、ハードディスクユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50、入力装置60及びACC装置70は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0069】
CD−ROMドライブ31及びDVD−ROMドライブ32は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROM33及びDVD−ROM34から各々、車線数、道幅、追い越し車線の有無、法定速度等を含む道路データ等の各種データ及び実施形態に対応する制御プログラムを読み出し、出力する。
【0070】
さらに、CD−ROMドライブ31及びDVD−ROMドライブ32は、システムコントローラ20の制御の下、CD―ROM33及びDVD―ROM34から各々、コンテンツ情報としての音声データや映像データを読み出す機能を持たせておいてもよい。
【0071】
尚、CD−ROMドライブ31及びDVD−ROMドライブ32は、いずれか一方だけを設けてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブを設けてもよい。
【0072】
ハードディスクユニット36は、例えば、CD−ROMドライブ31或いはDVD−ROMドライブ32から読み込まれた、GPS18装置等で測定された走行中の位置情報に対応する地図データを不定期的又は定期的に格納したり、或いはCD−ROMドライブ31或いはDVD−ROMドライブ32から読み込まれた、コンテンツ情報としての音声データや映像データを格納する。これにより、ハードディスクユニット36に格納された地図情報を読み出しながら、CD−ROM33又はDVD−ROM34に格納されたコンテンツを読み出して再生出力することが可能となる。或いは、ハードディスクユニット36に格納されたコンテンツ情報を読み出して再生出力しながら、CD−ROM33又はDVD−ROM34に格納された地図情報を読み出すことが可能となる。また、カメラ14からの映像情報も同時にハードディスクユニット36に格納して、必要に応じて後述の如く追い越し可能である旨のアシスト情報や各種ナビゲーション用の情報を提供するために読み出し出力することも可能である。更に、通信装置38により受信した道路管理者からの道路情報をハードディスクユニット36に不定期的又は定期的に格納して、必要に応じて後述の如く追い越し可能である旨のアシスト情報や各種ナビゲーション用の情報を提供するために読み出し出力することも可能である。
【0073】
通信装置38は、例えば携帯電話からなり、モデム等を構成する通信用インタフェース37を介して、音声データや映像データ、或いは地図データ等、若しくはこれらに関する所定種類のデータをダウンロードできる機能を有して構成されている。
【0074】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、前述した各種表示データを表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、小型のLCD(Liquid Crystal)、EL(Electro−Luminescece)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備えて構成されている。ディスプレイ44は、例えば対角5ないし10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。このディスプレイ44にCPU22で判断され作成されたドライバーへの画像によるアシスト情報を表示する。
【0075】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31、DVD−ROMドライブ32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅されたアナログ信号を音声に変換して車内に出力するとスピーカ53を備えて構成されている。このスピーカ53からCPU22で判断され作成されたドライバーへの音声によるアシスト情報が出力される。
【0076】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。
【0077】
本実施形態では特に、ドライバーが道路の渋滞状態や追い越しが可能か否かを調べる旨の要求指示を、入力装置60を操作して入力する。
【0078】
入力装置60は、操作勝手上、車内に搭載されたディスプレイ44の周囲に配置されるのが好ましい。
【0079】
後述するACC装置70の作動状況はバスライン30を介してCPU22に送られ、また、そのデータはRAM24に記録される。このACC装置70からのデータもドライバーへ提示するアシスト情報の重要な判断材料として供される。
【0080】
第1実施形態の構成手段とその具体的技術要素は図2に示すように、走行制御手段1として、図1に示したACC装置70等を用いることができる。現在位置検出手段2として、自立測位装置10、GPS受信装置18等を用いることができる。地図情報提示手段3として、DVD−ROM34、CD−ROM33、ハードディスクユニット36等内に格納されたナビゲーションライブラリ、或いは通信装置38を介してアクセス可能なナビゲーションライブラリ等を用いることができる。経路状況情報提示手段4として、ACC装置70、カメラ14、道路管理者情報を受信する通信装置38等を用いることができる。操縦路提示手段6のうち各種情報に基づきアシスト情報等を生成する手段として、CPU22を用いることができ、更に操縦路提示手段6のうちアシスト情報等を外部に提示する手段として、スピーカ53、ディスプレイ44等を用いることができる。他に適切な技術要素があればそれらを適宜用いることができることは当然である。
【0081】
次に、ACC装置70について図3を参照して説明する。ACC装置とはアダプティブ・クルーズ・コントロール(Adaptive Cruise Control)装置の略であり、高度道路交通システム(ITS)技術の自動車側の受け皿となる技術の1つである。ACC装置70の中央処理部としてECU(Electronic Control Unit)71があり、その中に例えば車間距離算出部71a、車速検出部71b、車間制御部71c等がある。
【0082】
ECU71への情報入力手段として例えばミリ波レーダ72、車速センサ73、操作スイッチ74、CCDカメラ75等がある。一方、出力側にはアクセルアクチュエータ76、ブレーキアクチュエータ77、電動パワーステアリングシステム(EPS)78、インフォメーションユニット79等がある。
【0083】
本実施形態では特に、ACC装置70は、図1に示したように移動体用ナビゲーションシステムの一部として構築されており、ECU71がバスライン30に接続されて、先行者の有無を示す情報等を出力するように構成されている。
【0084】
上述した機能を有するACC装置70の動作として、例えば次のようなものがある。ミリ波レーダ72により先行車を検出した場合、車速センサ73で得られた情報等から車間距離算出部71aで先行車との車間距離を算出し、車速検出部71bで双方の車速を求め、それらのデータに基づいて車間制御部71cで車間距離を一定に保つ制御を行う。この走行制御を行うためECU71からの出力はアクセルアクチュエータ76、ブレーキアクチュエータ77、EPS78等に伝えられる。走行状態、操作状態、ドライバーへの指示等の情報をインフォメーションユニット79に出力する。
【0085】
また、特定の操作指示、動作解除等、ドライバーによる入力は操作スイッチ74で行うことができる。さらに入力として前方の画像情報が必要な場合はCCDカメラ75で撮影した画像を用いることができる。
【0086】
一方、前方に車がいない場合、即ちミリ波レーダ72で先行車の検出がない場合は、ドライバーがセットした快適な速度で自動走行にすることが可能である。この設定は操作スイッチ74で行える。
【0087】
尚、図3に示した車速センサ73と図1に示した自立測位装置10を構成する車速センサ13とは共用可能であり、図3に示した操作スイッチ74と図1に示した入力装置60とは共用可能であり、図3に示したCCDカメラ75と図1に示したカメラ14とは共用可能である。
【0088】
以上のように構成された第1実施形態及び後述する第2実施形態におけるデータ処理は、主として図1に示したCPU22において実行されるものである。より具体的には、地図表示、現在位置表示、経路表示等のナビゲーションシステムにおける基本処理の制御用コンピュータプログラムの他に、ACC装置70や後に詳述する生体情報検出回路等の出力に応じて追い越し可能な旨のアシスト情報の提示を行うためのコンピュータプログラムは、主にCPU22において実行されるものである。特に、このような追い越し可能な旨のアシスト情報の提示にかかるデータ処理は、メインナビゲーションプログラムの一部として割り込み処理等により定期的に又は不定期に実行されるものである。
【0089】
次に第1本実施形態における、主に追い越し可能な旨のアシスト情報の提示に係る動作の流れを図4のフローチャートを参照して説明する。尚、図4に示す制御はその内容を記述したコンピュータプログラムを、主として図1に示すCPU22において実行することにより行われる。このようなコンピュータプログラムはROM23、CD−ROM33又はDVD−ROM34に格納されていてもよく、通信装置38を介してRAM42、ハードディスクユニット36等にダウンロードされたものでもよい。以下の説明では移動体用ナビゲーションシステムの使用場面として、ACC装置70を装備した車両が高速道路等で走行する状態を想定している。
【0090】
図4において、先ずドライバーによって操作スイッチ74等を介して追い越しを希望する旨の入力が行なわれるか、又は各種センサによって渋滞が検出される(ステップS11)。すると、ACC装置70が作動中か否かを確認する(ステップS12)。ACC装置70が作動中でなければ(ステップS12:No)、そのまま処理を終える。ACC装置70が作動中であれば(ステップS12:Yes)、予め設定された車速、車間距離等を遵守してドライブされていることになる。ドライバーはこれを解除しない限り、ACC装置70の制御に拘束されることになる。
【0091】
次に、車間距離保持モードで走行されているか否かを確認する(ステップS13)。車間距離保持モードでなければ(ステップS13:No)、そのまま処理を終える。車間距離保持モードであれば(ステップS13:Yes)、前方に車両が存在しており、所定の車間距離を確保してドライブされている。
【0092】
次に、その道路環境において追い越し動作を行うことが可能かどうか判断するため検討を行う(ステップS14)。
【0093】
検討の項目、手段等は次のようなものが想定される。まず、その車両の現在位置を知る必要があり、GPS受信装置18等で現在位地を測定する。次にハードディスクユニット36等に格納されている地図ライブラリと照らし合わせ、その地点の地形の状態を知る。その中には現に走行している道路の地理的特徴の情報が含まれているものであって、より具体的には例えば道路の前方の曲率半径、道路勾配の情報等が含まれている。
【0094】
道路の前方の曲率半径とは、これから車両が進行する位置のカーブの状態を示すものであり、一方、道路勾配とは、上りであるか下りであるか、またその傾斜程度はどのようなものであるかを示すものであって、車の追い越し動作に適するか否かを判別する重要な情報である。所定基準に従って、カーブが急であり、また、勾配が大きければその地点での追い越し動作は不適であり、他の情報と共に追い越し動作の判断の材料とされる。また、このまま走行していくといつの時点で追い越しに適した道路形状になるという情報も重要であり、収集される。
【0095】
また、地図ライブラリには、道路法規による追い越し禁止区間の情報も含んでいるものとし、そもそも現在位置が追い越しを許可されている区間であるか否か、また、許可されていなければ、この先どの位置に追い越しできる区間があるかを検索する。
【0096】
また、地図ライブラリには、各区間の法定速度の情報も含んでいるものとし、その法定速度以上を出さなければ追い越せない状態であれば、システムは追い越し不可能と判断して、それをドライバーに伝えることが望ましい。
【0097】
また、その時点、その区間特有の事情により地図ライブラリに登録されている情報とは異なる状態になっている場合がよくある。例えば交通事故による交通制限、工事による交通制限等である。ここでは、例えば道路管理者が発する、VICS(Vehicle Information Communication System)情報等の無線情報をキャッチして判断情報として活用してもよい。交通事故や工事によるものは通常、その解除時期や解除区間が想定できたり、知らされる場合が多い。これらの情報も判断材料として重要である。即ちいつ追い越しが可能になるかを知ることができるからである。
【0098】
上述したような調査検索結果に基づき、追い越し可能であるか否かを判定する(ステップS15)。この判定には今はできないが何時からどの区間で行えるという形で判定を提示することも含まれる。種々の条件を検討した結果、追い越しはできないという判定をドライバーに提示することは当然ありうるものである。しかしながら、この場合、即ちステップS15で追い越し不可能と判定された場合(ステップS15:No)、追い越しができない理由をドライバーに提示する(ステップS16)。
【0099】
他方、ステップS15で追い越し可能と判定された場合(ステップS15:Yes)、追い越し場所、車線、スピード等、追い越しの条件を調べ確認して(ステップS17)、ドライバーに提示する(ステップS18)。より具体的には、表示ユニット40や音声出力ユニット50を介して、ドライバーに画像や音声によって、このような条件を含めた形で、追い越し可能な旨のアシスト情報を提示する。そして、提示された条件での追い越しを了解すればドライバーは追い越し操作を開始することになる。より具体的には、アクセル等の操作により作動中であるACCの停止等を行なう(ステップS19)。尚、追い越しのために所定時間の経過が必要であれば、その時間経過後に行う。
【0100】
次に以上説明した第1実施形態における一連の動作を図5のシーケンスチャートを参照して更に説明する。シーケンスチャートは4つの構成要素、即ちドライバーの動作、各種センサ、CPUを含む制御部及び機構要素の間について、相互の関係を時間の流れを追って示している。横のラインは相互の関係、上から下に向かう縦のラインは時間の経過である。尚、ステップの番号は図4に示したフローチャートと共通であり、図4のフローチャートと対比してみることができる。
【0101】
図5において、ドライバーが追い越しを望んでいる場合、或いは渋滞を各種センサが検知した場合(ステップS11)、制御部から所定の機構要素に対してACCが作動中であるか(ステップS12)、また車間距離保持モードであるかを調べる(ステップS13)。ACCが作動していなければドライバーはACCに制限されることなく運転可能である。
【0102】
ACCが作動している場合、各種センサ及び機構要素から情報を収集し、追い越しの環境を検討する(ステップS14)。制御部ではこれらの情報に基づいて追い越しが可能か否かを判定し(ステップS15)、不可能であればその旨を理由をつけてドライバーに提示する(ステップS16)。また、可能であれば検討した情報に基づき、追い越しの条件、例えば追い越し場所、追い越し速度、車線等を定め、所定の時間の経過が必要であれば、その条件も定めて(ステップS17)、ドライバーに提示することになる(ステップS18)。ドライバーはその条件に納得すれば、その条件に従って追い越し操作を開始することになる(ステップS19)。
【0103】
上述したように本発明の第1実施形態である移動体用ナビゲーションシステムによれば、例えば高速道路でACCに従って走行中に渋滞に遭遇した場合や、山道で低速先行車の後についた場合などに、ドライバーはそこから早急に脱出するために追い越しを望むわけであるが、これらの要求を安全で速やかに応じることができる。また、追い越しがすぐにできない場合でも、可能となる情報を提示できるのでドライバーを納得させ、危ない操作をすることを予防できる。さらにできない場合でもその理由を提示するのでドライバーを納得させ、気持ちを落ち着かせる効果がある。
【0104】
尚、上述した第1実施形態の移動体用ナビゲーションシステムに関し、ACC機能を装備した車両が走行する状態を想定しているが、これに限定するものではなく、ACC機能が装備されていない移動体用ナビゲーションシステムとして構成することも容易である。即ち図4及び図5を参照しての説明において、ステップS12及びステップS13がない場合も本発明は十分に機能するものである。例えば、図1に示したカメラ14により前方を撮像し、システムコントローラ20等により先行車の存在を検知した上で、ステップS14以降を同様に行なってもよい。更に、ドライバーの目視により先行車を確認し、先行車が存在する旨の情報を入力装置60等を介して入力した上で、ステップS14以降を同様に行なってもよい。
【0105】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の移動体用ナビゲーションシステムについて図1、及び図6乃至図9を参照して説明する。ここで図1は移動体用ナビゲーションシステムのブロック図であり、図6は構成手段とその具体的技術要素の概略を示した図であり、図7は生体情報を得るための測定構成の1例であり、図8は動作の流れを示すフローチャートであり、図9はシステム要素の相互の関係を経時的に示すシーケンスチャートである。
【0106】
尚、図1に示される「生体状態センサ15」は第2実施形態において特徴的に用いられるものであり、本実施形態の基本構成要素である。従って生体状態に係わることを重点的に説明し、他の関連する装置は必要に応じて第1実施形態での説明を参照することとし、ここでの再度の説明は適宜省略する。
【0107】
図1に示すように、第2実施形態の移動体用ナビゲーションシステムは、自立測位装置10、カメラ14、生体状態センサ15、GPS受信装置18、システムコントローラ20、CD−ROMドライブ31、DVD−ROMドライブ32、ハードディスクユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50、入力装置60及びACC装置70を備えて構成されている。
【0108】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12、速度センサ13、カメラ14及びGPS受信装置18に加えて、生体状態センサ15とのインタフェース動作を行う。これらからの車速データ、加速度データ、角速度データ、相対方位データ、GPS測位データ、絶対方位データ、周囲の画像データ等に加えて生体状態データをシステムコントローラ20に入力する。
【0109】
生体状態データはインタフェース21を介してハードディスクユニット36に格納される。さらにハードディスクユニット36には、CD−ROMドライブ31或いはDVD−ROMドライブ32から読み込まれた、GPS18装置等で測定された現に走行中の位置情報に対応する地図データ等を格納する。また、カメラ14からの映像情報も同時に記録される。
【0110】
これら格納された各種データは、必要に応じてドライバーの運転を支援するための、例えば周辺地図上での現在位置マークの表示、目的地への経路表示等のナビゲーション情報を提供するためや、特に追い越し可能である旨のアシスト情報を提供するために読み出される。このとき通信装置38により受信した道路管理者からの道路情報を、同様に順次ハードディスクユニット36に格納して、上述したナビゲーション情報やアシスト情報の作成時に用いることも可能である。
【0111】
第2実施形態の構成手段とその具体的技術要素は図6に示すように、走行制御手段1として、図1に示したACC装置70等を用いることができる。現在位置検出手段2として、自立測位装置10、GPS受信装置18等を用いることができる。地図情報提示手段3として、DVD−ROM34、CD−ROM33、ハードディスクユニット36等内に格納されたナビゲーションライブラリ、或いは通信装置38を介してアクセス可能なナビゲーションライブラリ等を用いることができる。経路状況情報提示手段4として、ACC装置70、カメラ14、道路管理者情報を受信する通信装置38等を用いることができる。生体情報検知手段5として、後述の脈拍センサ或いは発汗センサなどの生体状態センサ15等を用いることができる。操縦路提示手段6のうち各種情報に基づきアシスト情報等を生成する手段として、CPU22を用いることができ、更に操縦路提示手段6のうちアシスト情報等を外部に提示する手段として、スピーカ53、ディスプレイ44等を用いることができる。他に適切な技術要素があればそれらを適宜用いることができることは当然である。
【0112】
次に、生体情報について説明する。図7は生体情報を得るための装置の一例であって、ハンドルを握ることによる電極間の導通状態や電位差等を検出して行う。
【0113】
まず、生体情報検出回路100の構成と動作を説明する。ここに、生体情報検出回路100は、図1における生体状態センサ15として構築されてもよい。或いは、図1における生体状態センサ15及びその出力信号が入力されるシステムコントローラ20等における当該出力信号を分析する一部として、構築されてもよい。
【0114】
図7において、ハンドル101に、ドライバーが手を添える左右の部位に、それぞれ外側と内側に分離した電極102a及び102bと、103a及び103bとを設ける。ここを握ることで左手用電極102を構成する電極102a及び102b間には左手の皮膚抵抗104が、右手用電極103を構成する電極103a及び103b間には右手の皮膚抵抗105が挿入されることになる。電極102a及び103aにおける電位はそれぞれ差動増幅器107に入力される。そして、差動増幅器107により、両電極間の電位差を増幅し、周波数帯域制限することで、心電図信号が出力される。この心電図信号は、心拍算出部108に入力される。この出力に基づいて、心拍数が得られる。
【0115】
尚、心電図の検出は、ハンドル部に設置した光学式センサによって、ハンドルに添えられた手の中の抹消血流量を検出する、いわゆる脈波を用いたり、或いはシートベルト等に設置した高周波回路によって微弱なマイクロ波を心臓に照射し、照射信号とその戻り信号との位相差を分析することで心拍を計測する構成をとってもよい。
【0116】
緊張状態やイライラした状態では心拍数が上昇するものであり、この心電図からその状態の変化を判断することでドライバーの精神状態を評価することが可能となる。また、心拍間隔の変動成分のスペクトル変化を解析して評価する方法を用いてもよい。更に、皮膚電気抵抗による、発汗や左右の手の間における(心電図とは異なる)皮膚電気反応を調べることでも生体状態を知ることができる。一時的な緊張を示す皮膚電気反応を併用することで一層正確なドライバーの生体状態を把握することが可能となる。その他、上述した以外に生体情報を得ることができる技術が適宜用いられることは当然である。
【0117】
次に以上の如く構成された第2実施形態における動作の流れを図8のフローチャートを参照して説明する。図8に示す制御はその内容を記述したコンピュータプログラムを、主として図1に示すCPU22において実行することにより行われる。このようなコンピュータプログラムはROM23、CD−ROM31又はDVD−ROM32に格納されていてもよく、通信装置38を介してRAM42、ハードディスクユニット36等にダウンロードされたものでもよい。尚、図8では、図4に示した第1実施形態と同一ステップには、同一番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0118】
図8において、先ずステップS12及びS13が行なわれる。但し、第2実施形態では、第1実施形態におけるステップS11は行なわれることはなく、ドライバーの追い越し希望や渋滞検出と無関係に、一連の動作が開始される。
【0119】
ステップS13の判定の結果、車間距離保持モードであれば(ステップS13:Yes)、前方に車両が存在しており、所定の車間距離を確保してドライブされているので、上述の如くこのような状態での運転はドライバーに肉体的或いは心理的に悪影響を及ぼし、その運転動作に悪影響を与える虞があるものである。
【0120】
そこで次に、ドライバーの肉体的或いは心理的な生体状態を調べ、ドライバーがイライラしていないか等の生体的不安定度の確認を行う(ステップS23)。より具体的には、図7で説明した生体情報の検出値、或いは、その検出値から得られる2次的な指標値が、所定閾値を超えたか否か等を判定する。そして、所定閾値に達していなければ、現状の走行でドライバーには特段の不満はないものとして(ステップS23:No)、そのまま処理を終える。尚、このような判定を行うための所定閾値は、実験的、経験的、理論的、シミュレーション等によって予め設定可能であり、固定としてもよいし、デフォールトバリューを固定として可変としてもよい。
【0121】
生体的不安定度が所定のレベル以上であれば(ステップS23:Yes)、運転の安全性が危惧されるため、次に、その道路環境において追い越し動作を行うことが可能かどうかの検討に移り(ステップS14)、以下、第1実施形態と同様にステップS15〜S19が行なわれる。
【0122】
尚、ステップS16における追い越し不可の理由を提示する際に、加えてドライバーに生体的状況を提示して、注意を促すようにしてもよい。例えば、「イライラするのは止めましょう。」等のメッセージを、音声出力ユニット50で音声出力してもよい。
【0123】
次に以上説明した第2実施形態における一連の動作を、図9のシーケンスチャートを参照して説明する。シーケンスチャートは4つの構成要素、即ちドライバーの動作、各種センサ、CPUを含む制御部及び機構要素の間について、相互の関係を時間の流れを追って示している。横のラインは相互の関係、上から下に向かう縦のラインは時間の経過である。尚、ステップの番号は図8に示したフローチャートと共通であり、図8のフローチャートと対比してみることができる。
【0124】
図9において、制御部から所定の機構要素に対してACC作動中であるか、また車間距離保持モードであるかを調べる(ステップS12、ステップS13)。ACCが作動中でドライバーの運転が拘束されている場合、生体情報センサの情報に基づき、ドライバーの肉体的、心理的な生体状態を調べ、ドライバーがイライラしていないか等の生体的不安定度の確認を行う(ステップS23)。制御部では生体的不安定度が所定のレベル以上であると判断し他場合、各種センサ、機構要素から情報を収集し追い越し環境の検討をする(ステップS14)。
【0125】
制御部ではこれらの情報に基づいて追い越し可能か否かを判断し(ステップS15)、不可能であればドライバーにその状況を示して(ステップS16)そのままの走行を続けさせる。一方、可能であれば検討した結果に基づき、追い越しの条件、例えば追い越し場所、追い越し速度、車線等を定め、所定の時間が必要であれば、その条件も定めて(ステップS17)、ドライバーに提示することになる(ステップS18)。ドライバーはその条件に納得すれば、その条件に従って追い越し操作を開始する(ステップS19)。
【0126】
上述したように本発明の第2実施形態である移動体用ナビゲーションシステムによれば、例えば高速道路でACCシステムに従って走行中に渋滞に遭遇した場合や、山道で低速先行車の後についた場合などに、ドライバーは肉体的、精神的に不安程度が増し、その運転において安全性に危惧を及ぼす虞が生じるが、自動的に追い越しの可能性を検討し、その追い越し条件を含めてドライバーに提示することができ、運転の安全性を確保することが可能となる。また、追い越しがすぐにはできない場合でも、可能となる情報を提示できるのでドライバーを納得させ、危ない操作をすることを予防できる。さらに追い越しができない場合でもその理由を提示するのでドライバーを納得させ、気持ちを落ち着かせる効果がある。
【0127】
尚、上述した第2実施形態の移動体用ナビゲーションシステムでは、ACC機能を装備した車両が走行する状態を想定しているが、これに限定するものではなく、ACC機能が装備されていない移動体用ナビゲーションシステムとして構成することも容易である。即ち図8及び図9を参照しての説明において、ステップS12及びステップS13がない場合も本発明は十分に機能するものである。例えば、図1に示したカメラ14により前方を撮像し、システムコントローラ20等により先行車の存在を検知した上で、ステップS23以降を同様に行なってもよい。更に、ドライバーの目視により先行車を確認し、先行車が存在する旨の情報を入力装置60等を介して入力した上で、ステップS23以降を同様に行なってもよい。
【0128】
上述の各実施形態では、車載用ナビゲーションシステム内で、追い越し可能である旨のアシスト情報の提示に係る処理を実行しているが、車載用ナビゲーションシステム内の通信装置38を活用し、インターネットなどのサーバと通信して、このような処理を実行することも可能である。即ち、所謂通信ナビゲーションシステムとしても構築可能である。その場合、例えば、図2又は図6に示した車載用ナビゲーションシステム内に構築される、地図情報提示手段3、経路状況情報提示手段4、操縦路提示手段6等の少なくとも一部をインターネットのサーバ上に構築してもよい。例えば、現在位置情報、経路状況情報、生体情報等を通信装置38を通じてサーバ側へ送信し、これに応じて上述の各種判定、検討処理等を行ったサーバ側から、当該車の現在位置に対応する道路上或いは前方の予定経路上において、追い越し可能な旨を示すアシスト情報(即ち、追い越し可能な個所或いは追い越し可能となるまでの時間を示す情報、或いは追い越し不可能の理由を示す情報等を含むアシスト情報)を送信する。これを通信装置38により受信した車載用ナビゲーションシステム側では、表示ユニット40又は音声出力ユニット50により、これら受信したアシスト情報の出力が行なわれる。加えて、基本的なナビゲーション処理たる、現在位置の周辺の地図提示や、目的地が入力された後の経路探索や経路案内等にかかるナビゲーション機能等についても、通信装置38を利用してサーバと通信しつつ実行することも可能である。
【0129】
更に本発明の移動体用ナビゲーションシステムは、上述の各実施形態の如く車載用ではなく、航空機、船舶、二輪車等の各種の移動体用や更に携帯情報端末や携帯電話等を利用した歩行者用のナビゲーション装置に適用することも可能である。
【0130】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う移動体用ナビゲーションシステム及び制御方法、並びにコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、移動体による移動中に、その道路等の混雑に遭遇しても、追い越し可能な位置等が適切に提示されるので、安全で快適な走行が可能となる。更に、ACCに係る本発明の各種態様によれば、ACCの作動中に低速車の後ろにつくなどの状況が生じても、追い越し可能な位置等を提示するので、安全で快適な走行が可能となる。加えて、生体情報の検出に係る本発明の各種態様によれば、移動体操縦者の心理的或いは肉体的な生体情報に応じて適時に追い越し可能な位置等を提示するので、安全で快適な走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態に係る移動体用ナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の構成手段とその具体的技術要素の概略を示した図である。
【図3】第1実施形態に係るACCシステムの構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態のシステム要素の相互の関係を経時的に示すシーケンスチャートである。
【図6】第2実施形態の構成手段とその具体的技術要素の概略を示した図である。
【図7】第2実施形態で用いる生体情報を得るための測定構成の1例である。
【図8】第2実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態のシステム要素の相互の関係を経時的に示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
10・・・自立測位装置
11・・・加速度センサ
12・・・角速度センサ
13・・・速度センサ
14・・・カメラ
15・・・生体状態センサ
18・・・GPS受信装置
20・・・システムコントローラ
21・・・インタフェース
22・・・CPU
23・・・ROM
24・・・RAM
30・・・バス
31・・・CD−ROMドライブ
32・・・DVD−ROMドライブ
36・・・ハードディスクユニット
37・・・通信用インタフェース
38・・・通信装置
40・・・表示ユニット
50・・・音声出力ユニット
60・・・入力装置
70・・・ACC装置
100・・・生体情報検出回路

Claims (19)

  1. 移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
    該検出された現在位置に対応する地図情報を提示する地図情報提示手段と、
    当該移動体が走行している経路についての現在状況を示す経路状況情報を提示する経路状況情報提示手段と、
    前記提示された地図情報及び経路状況情報に基づいて、前記経路上における当該移動体の追い越しが可能である場合には、追い越し可能である旨の提示を行う操縦路提示手段と
    を備え
    前記経路状況情報提示手段は、当該移動体の操縦者の生体情報を検出して検出結果を前記経路状況情報の一つとして出力する生体情報検出手段を含み、
    該生体情報検出手段により予め設定された追い越しを推奨すべき生体情報が検出されたことを一条件に、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれることを特徴とする移動体用ナビゲーションシステム。
  2. 前記経路状況情報提示手段は、当該移動体の前方に存在する他の移動体を検知して検知結果を前記経路状況情報の一つとして出力する前方検知手段を含み、
    該前方検知手段により前記他の移動体の存在が検知されたことを一条件として、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれることを特徴とする請求項1に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  3. 前記前方検知手段は、前記前方を映し出すカメラを含むことを特徴とする請求項2に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  4. 当該移動体の走行状態を検知する走行状態検知手段と、
    前記検知された走行状態に基づいて当該移動体の走行を制御するACC(Adaptive Cruise Control)装置と
    を更に備えており、
    前記前方検知手段は、前記ACC装置に含まれることを特徴とする請求項2に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  5. 当該移動体の走行状態を検知する走行状態検知手段と、
    該検知された走行状態に基づいて当該移動体の走行を制御するACC装置と
    を更に備えており、
    前記走行状態検知手段により予め設定された追い越しを推奨すべき走行状態が検出されたことを一条件に、前記操縦路提示手段による提示が行なわれることを特徴とする請求項1に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  6. 前記生体情報検出手段は、脈拍、発汗、皮膚抵抗、呼吸、
    心拍数及び心拍変動成分のうち少なくとも一つによる前記操縦者の肉体的及び精神的生理状態を検出するものであること
    を特徴とする請求項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  7. 前記地図情報は、当該移動体が走行する道路の地理的特徴の情報を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  8. 前記地理的特徴の情報は、当該移動体が走行する道路の前方の曲率半径及び道路勾配の情報を含むことを特徴とする請求項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  9. 前記地図情報は、当該移動体が走行する道路の追い越し可能地域の情報を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  10. 前記地図情報は、当該移動体が走行する道路の法定速度の情報を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  11. 前記法定速度以下で追い越し可能であることを一条件として、前記操縦路提示手段による提示が行なわれることを特徴とする請求項10に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  12. 当該移動体の操縦者からの追い越しを要求する旨の要求情報を入力可能な入力手段を更に備えており、
    前記入力手段により前記要求情報が入力されたことを一条件として、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  13. 前記操縦路提示手段は、追い越し可能地点、追い越し可能地点までの距離、追い越し可能地点までの予想時間及び追い越し可能地点を通過する予想時刻のうち少なくとも一つを含めて、前記追い越し可能である旨の提示を行うことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  14. 前記操縦路提示手段は、前記地図情報及び前記経路状況情報に基づいて当該移動体が前記経路上で追い越し可能であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により追い越し可能であると判定された場合に前記追い越し可能である旨の情報を外部出力する出力手段とを含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  15. 目的地を入力可能な入力手段と、
    前記提示された地図情報及び前記検出された現在位置に基づいて、前記移動体の前方における前記目的地への経路を探索する経路探索手段と
    を更に備えたことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  16. 前記操縦路提示手段は、前記探索された経路に係る地図情報に基づいて、前記追い越し可能である旨の提示を行うことを特徴とする請求項15に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  17. 当該移動体ナビゲーションシステムは、通信手段を介して相互に接続される、当該移動体に搭載される移動体ユニットと当該移動体に搭載されない固定ユニットとからなり、
    前記地図情報提示手段、前記経路状況情報提示手段及び前記操縦路提示手段は少なくとも部分的に、前記固定ユニット内に設けられていることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の移動体用ナビゲーションシステム。
  18. 移動体の現在位置を検出する現在位置検出工程と、
    該検出された現在位置に対応する地図情報を提示する地図情報提示工程と、
    当該移動体が走行している経路についての現在状況を示す経路状況情報を提示する経路状況情報提示工程と、
    前記提示された地図情報及び経路状況情報に基づいて、前記経路上における当該移動体の追い越しが可能である場合には、追い越し可能である旨の提示を行う操縦路提示工程と
    を備え
    前記経路状況情報提示工程は、当該移動体の操縦者の生体情報を検出して検出結果を前記経路状況情報の一つとして出力する生体情報検出工程を含み、
    該生体情報検出工程により予め設定された追い越しを推奨すべき生体情報が検出されたことを一条件に、前記地図情報提示工程による提示、前記経路状況情報提示工程による提示及び前記操縦路提示工程による提示が行なわれることを特徴とする移動体用ナビゲーション方法。
  19. コンピュータを、
    移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段により検出された前記現在位置に対応する地図情報を提示する地図情報提示手段と、
    当該移動体が走行している経路についての現在状況を示す経路状況情報を提示する経路状況情報提示手段と、
    前記経路状況情報提示手段に含まれ前記移動体の操縦者の生体情報を検出して検出結果を前記経路状況情報の一つとして出力する生体情報検出手段と、
    前記提示された地図情報及び経路状況情報に基づいて、前記経路上における当該移動体の追い越しが可能である場合には、追い越し可能である旨の提示を行う操縦路提示手段
    として機能させ
    前記生体情報検出手段により予め設定された追い越しを推奨すべき生体情報が検出されたことを一条件に、前記地図情報提示手段による提示、前記経路状況情報提示手段による提示及び前記操縦路提示手段による提示が行なわれるよう前記コンピュータを機能させるコンピュータプログラム。
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