JP4301476B2 - バックル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車その他の交通機関の座席に装備されるシートベルト装置等の安全ベルト装置に用いられているバックルの技術分野に属し、特に、タングとバックルとのラッチによって切替作動するバックルスイッチを備えているバックルの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術分野】
現在、自動車を始めとする各種交通機関の座席には、衝突等の緊急時に乗員を保護するためにシートベルト装置が取付けられている。この種のシートベルト装置を簡易に着脱するために、通常はバックルが設けられており、一般にこのバックルはタングをラッチするラッチ部材をタングへのラッチ方向にばね付勢するとともに、ロック部材によりラッチ部材をタングとバックルとのラッチ状態に保持するようにして構成されている。
【0003】
ところで、このようなバックルにおいては、タングとバックルとのラッチ状態を表示したり、タングとバックルとのラッチ状態によりリトラクタ等のシートベルト装置の他の装置やシートベルト装置の作動に関係する車載の他の装置を作動制御したりするために、ラッチ状態を検出するバックルスイッチが設けられている。
【0004】
従来のバックルスイッチとしては、一般に、基板タイプスイッチやマイクロスイッチ等の接触方式のスイッチが用いられているが、この接触方式のスイッチでは、タングとバックルとがラッチしたり、ラッチが解除したりする度に、バックルスイッチの接点部の切替が繰り返されるので、接点部が摩耗すること等により、接触不良を発生するおそれがり、耐久性が必ずしも良好であるとはいえない。
【0005】
そこで、非接触方式のスイッチを用いたバックルスイッチが、特開平10−155521号公報において提案されている。この公開公報に開示されている非接触方式のバックルスイッチは、タングにラッチするラッチ部材に光反射装置のフィールド供給源装置から発射された光をラッチ部材の反射面に照射し、この反射面で反射した反射光を光反射装置のフィールドエッフェクト装置で検知することで、タングとバックルとのラッチおよび非ラッチを検出している。
この非接触方式のバックルスイッチによれば、接点部がないので、接点部の摩耗等による接触不良が発生するおそれはなく、耐久性が良好なものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光反射装置による非接触方式のバックルスイッチでは、ラッチ部材と光反射装置との取付誤差による影響や、水やジュース等の液状物あるいはほこり等の異物の影響、あるいは液状物による錆の影響を受け易く、光反射装置により反射光を受光し難くなり、確実に作動することが困難になるおそれが考えられる。なお、接触方式のスイッチでも、水やジュース等の液状物あるいはほこり等の異物の影響、あるいは液状物による錆の影響を受け易いという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久性を向上させながら、しかも、より一層確実に作動することができるバックルスイッチを備えたバックルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明は、両側壁を有するベースと、前記ベースに、タングとバックルとの非ラッチ時に位置する非作動位置とタングとバックルとのラッチ時に位置する作動位置との間で長手方向に摺動可能に設けられ、タングの挿入によってその作動位置へ移動するとともに、タングとバックルとのラッチ解除時にその非作動位置へ移動しかつタングをバックルから脱出させるエジェクタと、前記両側壁に、タングとバックルとの非ラッチ時に位置する非作動位置とタングとバックルとのラッチ時に位置する作動位置との間で回動可能に支持されるとともにその作動位置の方へ付勢され、タングが所定位置に挿入されたときその作動位置に回動してこのタングとラッチするラッチ部材と、ラッチ状態にある前記タングと前記ラッチ部材とを解離するための操作部材と、前記両側壁に、タングとラッチ部材との非ラッチ時に位置する非作動位置とタングとラッチ部材とのラッチ時に位置する作動位置との間で移動可能に設けられ、前記タングと前記ラッチ部材とのラッチ時にその作動位置に設定されて前記ラッチ部材を前記ラッチ部材の作動位置に保持させるとともに、前記タングと前記ラッチ部材とのラッチ解除時に前記操作部材によってその非作動位置に移動されるようになっているロック部材とを少なくとも備えているバックルにおいて、更に、前記エジェクタ、前記ラッチ部材、および前記ロック部材のいずれか1つのバックル可動構成部材が移動することで切り替えられる非接触方式のバックルスイッチを備えており、このバックルスイッチはマグネットとこのマグネットの磁界が加えられることにより起電力を発生するホール素子とからなるとともに、前記バックル可動構成部材が磁性体からなり、前記マグネットおよび前記ホール素子が、前記バックル可動構成部材のその作動位置への進入方向と同方向に、かつ前記バックル可動構成部材が作動位置に設定されたときに前記ホール素子に加えられる前記マグネットの磁界が前記バックル可動構成部材の非作動位置のときに比べて変化する位置に並設されており、前記ホール素子に加えられる前記マグネットの磁界が前記バックル可動構成部材により前記バックル可動構成部材の作動位置と非作動位置とで変化するようににされているとともに、この磁界が変化することで前記バックルスイッチが切り替えられることを特徴としている。
【0010】
【作用】
このように構成された本発明に係るバックルにおいては、マグネットとホール素子とを用いてホール効果によりスイッチの切替が非接触方式で行われるようになる。したがって、接点部での摩耗等による接触不良が発生するおそれがなく、基板タイプスイッチやマイクロスイッチ等の接触方式のスイッチに比べて耐久性がきわめて向上する。
また、前述の公開公報の光反射装置によるバックルスイッチに比べて、取付誤差による影響や、水やジュース等の液状物あるいはほこり等の異物の影響、あるいは液状物による錆の影響を受け難く、より一層確実に作動するようになる。
【0011】
特に、バックル可動構成部材によりホール素子に加えられるマグネットの磁界を直接変化するようにしているので、バックル可動構成部材とバックルスイッチのマグネットおよびホール素子とが直接的にも間接的にも何ら機械的に接触しないようになる。これにより、バックルスイッチの耐久性が更に一層向上するとともに、バックルスイッチの作動がより一層確実なものになる。したがって、バックルスイッチの信頼性がより一層向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るバックルの実施の形態の一例を示す分解斜視図、図2はこの例のバックルの、タングとの非ラッチ状態を示す断面図、図3はこの例のバックルの、タングとのラッチ状態を示す断面図、図4は、この例のベースの側壁に設けられたガイド孔、支持溝、およびガイド溝を示す図である。なお、以下の説明に使用されている右、左は、図面において右、左を表している。
【0013】
図1ないし図4に示すように、この例のバックル1は、両側壁2a,2bと底部2cとを有するU字状フレームからなるベース2と、ベース2の両側壁2a,2bに回動可能に支架され、タング3にラッチ可能なラッチ部材4と、ベース2の両側壁2a,2bに移動可能に設けられ、タング3とラッチ部材4とのラッチ時にラッチ部材4のラッチ解除方向の移動を阻止するロックピン5と、ベース2の両側壁2a,2bに長手方向に移動可能に設けられた操作ボタン6と、ベース2の底部2cにベース2の長手方向に摺動可能に設けられ、タングをバックル1から離脱させる方向に付勢可能なエジェクタ7と、ロックピン5を保持するロックピン保持部8aを有するスライダ8と、このスライダ8とラッチ部材4との間に縮設されてロックピン5がラッチ部材4の方へ押圧されるようにスライダ8を常時付勢するスライダスプリング9と、操作ボタン6を常時付勢するボタンスプリング10と、エジェクタ7を常時付勢するエジェクタスプリング11と、ベース2の両側壁2a,2bに回動可能にかつベース2の長手方向移動可能に支架され、タング3とラッチ部材4とのラッチ時にロックピン5がこのラッチの解除位置に慣性移動するのを阻止する慣性レバー部材12と、ベース2の両側壁2a,2bに支架されて固定されたスプリングホルダ13と、慣性レバー部材12とスプリングホルダ13との間に張設されたレバースプリング14と、これらの構成部品が組み付けられたベース2を上下方向から覆って互いに係合するアッパーカバー15およびロアカバー16と、ベース2の側壁2bに取り付けられたバックルスイッチ17とから構成されている。
【0014】
ベース2の両側壁2a,2bには、それぞれ、ラッチ部材4の回動軸4a,4bを回動可能に支持する支持溝2d,2eと、ロックピン5の両端部5a,5bを支持しかつ案内する凸状のガイド孔2f,2gと、エジェクタ7のガイド溝7a,7bが摺動可能に嵌合されてエジェクタ7を長手方向に案内するガイドレール2h(他の1つはガイドレール2hと長手方向軸に関して対称に設けられているが不図示)と、一方の側壁2bに設けられた、ボタンスプリング10の一端を支持するスプリング支持部2iと、エジェクタスプリング11の一端を支持するスプリング支持部2jと、慣性レバー部材12の回転軸12a,12bを回動可能にかつ長手方向に移動可能に支持するとともに、操作6ボタンに押圧されることで慣性レバー部材12を作動位置から非作動位置へ戻すための被押圧部12c,12dを収容するガイド溝2k,2mと、スプリングホルダ13の取付部13a,13bが嵌合されて着脱可能に取り付けられる取付部2n,2oと、タング3の挿入時にこのタング3を案内するガイド部2p,2qとを備えている。
【0015】
側壁2bに形成された支持溝2e、凸状のガイド孔2g、およびガイド溝2mは、図4に示す形状とされている。すなわち、支持溝2eはラッチ部材4の回動軸4a,4bを回動可能に支持する軸支持部2e1を有している。また、凸状のガイド孔2gは、長手方向に延びる長手方向孔部2g1と、この長手方向孔部2g1の中間から上下方向に延びる上下方向孔部2g2とからなっている。長手方向孔部2g1の左端部の上部は、後述するようにロックピン5がロック位置(図4に二点差線で示す位置;本発明のロックピンの作動位置に相当)にあるとき、このロックピン5を上方から抑えてロックピン5の上方移動を阻止するロックピン抑え部2g3となっている。また、上下方向孔部2g2の左端部は、後述するようにロックピン5が非ロック位置(図4に一点差線で示す位置;本発明のロックピンの非作動位置に相当)からロック位置の方へ移動するとき、あるいはその逆方向へ移動するときに、このロックピン5を案内するガイド部2g4となっている。このガイド部2g4は長手方向孔部2g1から右方に傾斜する傾斜面に形成されている。ロックピン抑え部2g3とガイド部2g4との接続部は円弧状のR部2g5とされており、後述するようにこのR部2g5の径はできるだけ小さい方が望ましい。
【0016】
更に、ガイド溝2mは、慣性レバー部材12の回動軸12a,12bを支持する回動軸支持部2m1と、非作動位置と作動位置のとの間の慣性レバー部材12の回動時、図4に一点鎖線で示すようにその被押圧部12dが通過可能な開口部2m2と、慣性レバー部材12が慣性移動したとき、図4に二点鎖線で示すように被押圧部12dが当接し、慣性レバー部材12の非作動位置方向への回動を阻止する回動阻止部2m3とからなっている。
【0017】
なお、図4には示されていないが、側壁2aに形成された支持溝2d、ガイド孔2f、およびガイド溝2kも、それぞれ支持溝2e、ガイド孔2g、およびガイド溝2mと同じ形状に形成されており、以後の説明においては、各符号を図面には用いないが、長手方向孔部2f1、上下方向孔部2f2、ロックピン抑え部2f3、ガイド部2f4、およびR部2f5と記載する。
【0018】
ラッチ部材4は、タング3とラッチするジョグル部4cと、操作ボタン6によるタング3とバックル1とのラッチ解除時に、操作ボタン6の操作端と反対側の端部が当接してラッチ部材4がラッチ解除方向に押圧される解除操作力支持部4d,4eと、スライダスプリング9の一端を支持するスプリング支持部4fとを更に備えている。このラッチ部材4は、タング3とラッチしない非ラッチ位置(本発明のラッチ部材の非作動位置に相当)とタング3とラッチするラッチ位置(本発明のラッチ部材の作動位置に相当)とが設定されているとともに、この非ラッチ位置とラッチ位置との間で、回動軸4a,4bを中心に回動可能とされている。
【0019】
ロックピン5は磁性体で構成されている。このロックピン5は、その下端が常時ラッチ部材4の上面に当接されており、スライダスプリング9のばね力で設定されて、凸状のガイド孔2f,2gの長手方向孔部2f1,2g1側に位置し、タング3とラッチ部材4とのラッチ時にラッチ部材4をラッチ状態にロックする前述のロック位置と、操作ボタン6の解除操作力で設定されて、凸状のガイド孔2f,2gの上下方向孔部2f2,2g2側に位置し、ラッチ部材4をタング3とのラッチ解除状態にする、ロック位置より右方にある前述の非ロック位置とが設定されている。また、このロックピン5はその断面形状がほぼ矩形かまたは下辺が短いほぼ逆台形状に形成されている。そして、ロックピン5の1つの角部5aが凸状のガイド孔2f,2gの各ガイド部2f4,2g4および各R部2f5,2g5に常時当接しながら移動し、また、ロックピン5の上面5bが抑え部2f3,2g3に当接しながら移動するようになっている。角部5aはR部とされている。
【0020】
更に、ロックピン5は、両側壁2a,2bのガイド孔2f,2g間に架設されたときは、その両端部がそれぞれこれらのガイド孔2f,2gを貫通して両側壁2a,2bの外側に所定量突出するようになっている。その場合、側壁2bから外側に突出するロックピン5の突出端部5aは、後述するようにこの側壁2bに取り付けられているバックルスイッチ17のマグネット18およびICホール素子19から更に外側に突出しており、この突出端部5aに後述する操作ボタン6のロックピン作動部6eが当接可能となっている。
【0021】
操作ボタン6は、長手方向かつ幅方向に延設された平板状部6aと、この平板状部6aの両側縁に平板状部6aから折り曲げられて形成された両側壁6b(他の1つは側壁6bと同様に設けられるが、不図示。以下、説明の便宜上、符号6bで両側壁を表す)と、長手方向中心から一側縁側寄りに偏心して設けられ、ボタンスプリング10の他端を支持するスプリング支持部6cを備えている。その場合、図2および図3に示すように、操作ボタン6の平板状部6aおよび両側壁6bは横断面がほぼコ字状に形成されていて、いずれも、慣性レバー部材12の回転軸12a,12bの位置より右方へ延びて設けられている。更に、操作ボタン6の両側壁6bには、慣性レバー部材12の被押圧部12c,12dを押圧して慣性レバー部材12を作動位置から非作動位置へ回動させる、傾斜面からなる慣性レバー部材作動部が設けられている(図1に一側の側壁6bに設けられた慣性レバー部材作動部6dが点線で示されているとともに、図4にこの慣性レバー部材作動部6dが模式的に示されている)。同様に図1ないし図3には示されていないが、操作ボタン6の両側壁6bには、ロックピン5の両端部を押圧してこのロックピン5をロック位置から非ロック位置へ移動させる、垂直面からなるロックピン作動部が設けられている(図1に一側の側壁6bに設けられたロックピン作動部6eが点線で示されているとともに、図4にこのロックピン作動部6eが模式的に示されている)。
【0022】
そして、この例では、タング3とバックル1とのラッチ状態からラッチ解除操作のために操作ボタン6が解除操作されて右方へ移動したとき、まず、慣性レバー部材作動部6dが慣性レバー部材12の被押圧部12c,12dに当接してこれらの被押圧部12c,12dを慣性レバー部材12の非作動位置の方へ押し上げ、次いでロックピン作動部6eがロックピン5の両端部に当接してこのロックピン5をその非ロック位置の方へ移動するようになっている。
【0023】
エジェクタ7はタング3とバックル1とがラッチしない図2に示す非作動位置と、タング3とバックル1とがラッチする図3に示す作動位置との間で移動可能となっている。このエジェクタ7は、長手方向中心に設けられてラッチ部材4のジョグル部4cの底部が当接するときにほぼ点接触する突条7cと、エジェクタスプリング11の他端を支持するスプリング支持部7dとを更に備えている。
スライダ8は、スライダスプリング9の他端を支持するスプリング支持部8bを更に備えている。
【0024】
慣性レバー部材12は、タング3とバックル1とのラッチ時に、慣性によるロックピン5および操作ボタン6のラッチ解除位置への移動を阻止するショックプルーフシステムを構成している。この慣性レバー部材12は、レバー12e,12fと、重心Gがこれらのレバー12e,12fとほぼ直交する位置に設定された質量体12g,12hと、レバースプリング14の一端を支持するスプリング支持部12iとを更に備えている。その場合、質量体12g,12hの質量は、慣性により質量体12g,12hの重心Gに作用する慣性力による回動軸12a,12bまわりのモーメントが操作ボタン6がラッチ解除方向に移動してその慣性レバー部材作動部6dが慣性レバー部材12の被押圧部12c,12dを慣性レバー部材12の非作動位置の方へ押し上げる力による回動軸12a,12bまわりのモーメントより大きくなるように設定されている。
スプリングホルダ13は、レバースプリング14の他端を支持するスプリング支持部13cを更に備えている。
【0025】
バックルスイッチ17は、図1に示すように少なくともマグネット18およびICホール素子19を備えた、ホール効果を利用した非接触方式のスイッチとして構成されている。図5(a)および(b)に拡大して示すように、マグネット18は側壁2bに穿設されたガイド孔2gのロックピン抑え部2g3の直上に位置してこの側壁2bに固定されているとともに、ICホール素子19はガイド孔2gのロックピン抑え部2g3の直下に位置して側壁2bに固定されている。すなわち、マグネット18およびICホール素子19は、本発明のバックル可動部材であるロックピン5のロック位置への進入方向と直交する方向に配設されている。
したがって、ロックピン5は、ロック位置にあるときはマグネット18とICホール素子19との間に位置し、また非ロック位置にあるときはマグネット18とICホール素子19との間から完全に脱出するようになっている。
【0026】
マグネット18は、ICホール素子19の方へ向かう磁界を発生する磁石とされている。また、ICホール素子19は、一様な電流が流れている状態でこの電流と垂直に磁界を加えると、これらの電流と磁界に垂直な方向に起電力を発生し、その起電力による電流を出力するものである。そして、ICホール素子19から出力される電流量の変化を検出することで、ロックピン5のロック位置を検出するようになっている。
【0027】
図6は、ICホール素子19から出力される電流量の変化を検出する回路の一例を示す図である。
図6に示すように、ICホール素子19は導線20を介して中央処理装置(以下、CPUともいう)21に電気的に接続されている。このCPU21はICホール素子19からの電流量の変化を検出することでロックピン5がロック位置に設定されか否かを判断し、ロックピン5がロック位置に設定されたと判断したとき表示ランプ等の表示装置22を作動し、表示装置22に表示動作を行わせるようになっている。
【0028】
そして、このように構成されたバックルスイッチ17は、図5(a)に示すロックピン5が非ロック位置にあってマグネット18とICホール素子19との間に位置していない状態では、マグネット18とICホール素子19とが直接対向する。したがって、ICホール素子19はマグネット18の矢印の方向の磁界が加えられて、マグネット部材の磁界の方向に対応した方向の起電力を発生し、この起電力によって流れる電流が導線20を介してCPU21に送られる。
【0029】
また、図5(b)に示すようにロックピン5がロック位置にあってマグネット18とICホール素子19との間に位置している状態では、マグネット18とICホール素子19とが直接対向しない。このため、マグネット18の矢印の方向の磁界が磁性体であるロックピン5に遮られるので、マグネット18からICホール素子19に加えられる磁界がロックピン5の非ロック位置の場合と比べて変化する。したがって、ロックピン5のロック位置にある状態にICホール素子19が発生する起電力もロックピン5の非ロック位置の場合と比べて変化し、この変化した起電力によって流れる電流が導線20を介してCPU21に送られる。
【0030】
CPU21は、ロックピン5がロック位置になる前後のICホール素子19から出力される電流量の変化を検知してロックピン5がロック位置に設定されたか否かを判断する。そして、CPU21はロックピン5がロック位置に設定されたと判断すると表示装置22を作動して、この表示装置22にタング3とバックル1とが確実にラッチしたことを表示させ、またロックピン5がロック位置に設定されていないと判断すると表示装置22を作動しなく、この表示装置22にタング3とバックル1とのラッチの表示をさせない。
【0031】
更に、バックル1のベース2には、図示しないが公知のバックルプリテンショナーが連結されており、このバックルプリテンショナーは、車両衝突時等の緊急時に作動してベース2を右方に急速に引き込きみ、乗員をシートベルトによって迅速に拘束するようになっている。
【0032】
次に、このような構成をしたこの例のバックル1のタング3とのラッチ作動およびバックルスイッチ17の作動について説明する。
図7は、この例のバックルのタングとのラッチ作動およびラッチ状態での慣性抜け防止作動を説明し、(a)はタングがラッチされない非ラッチ状態を示す図、(b)はタングがバックルにラッチされたラッチ状態を示す図である。なお、作動の説明の便宜上、図7においては、変則的に断面をとってあるとともに、説明の直接関係ない構成要素は一部図示を省略してある。
【0033】
タング3がラッチされないバックル1の非ラッチ状態では、図2および図7(a)に示すようにエジェクタ7がエジェクタスプリング11のばね力で左限位置に設定される。エジェクタ7のこの左限位置では、エジェクタ7はラッチ部材4のジョグル部4cを上方に押し上げ、ラッチ部材4のジョグル部4cの底部4c1が、エジェクタ7の上面の突条7cにほぼ点接触で載った状態となる。この状態では、ラッチ部材4はタング3の挿入通路上からはずれ、タング3とラッチしない非ラッチ位置に設定される。
【0034】
また、このとき、ロックピン5はラッチ部材4の上面に当接してこのラッチ部材4によって押し上げられ、凸状のガイド孔2f,2gの上下方向孔部2f2,2g2の非ロック位置に設定されている。更に、バックル1の非ラッチ状態では、慣性レバー部材12のレバー12e,12fがロックピン5の上に載った状態となっており、したがってロックピン5が非ロック位置に押し上げられることで、慣性レバー部材12はそのレバー12e,12fが図7(a)に点線で示す非作動位置となるように設定されている。また、レバースプリング14のばね力により右方へ引っ張られることで、慣性レバー部材12の回動軸12a,12bが2m1に当接した状態となっている。
更に、ロックピン5が非ロック位置にあるときには、図5(a)に示すようにバックルスイッチ17のマグネット18とICホール素子19とが互いに直接対向している。したがって、CPU21は表示装置22を作動しなく、表示装置22は表示動作を行っていない。
【0035】
この図2および図5(a)に示すバックル1の非ラッチ状態から、バックル1の左端部のタング挿入口1aからタング3が挿入されると、タング3の右端がエジェクタ7の左端に当接し、エジェクタ7が右方へ押圧される。すると、エジェクタ7は、タングの挿入に応じてエジェクタスプリング11を縮小させながら右方へ移動するため、エジェクタ7の突条7cに載っていたラッチ部材4のジョグル部4cがエジェクタ7から外れる。すると、スライダスプリング9のばね力によりスライダ8を介してロックピン5が下方に押圧されていて、このロックピン5がラッチ部材4のジョグル部4cを押圧しているので、ラッチ部材4が回動軸4a,4bを中心に図において反時計方向に回動する。このため、ラッチ部材4のジョグル部4cがタング3の移動通路上に進入してタング3の係止孔3aに嵌入し、ラッチ部材4はラッチ位置となる。そして、タング3の挿入力を解除すると、エジェクタスプリング11のばね力でエジェクタ7がタング3の右端を押圧し、タング3の係止孔3aの右端部がジョグル部4cに係合してタング3がバックル1にラッチされ、タング3とバックル1は図3および図7(b)に示すラッチ状態となる。
【0036】
このとき、スライダスプリング9のばね力により、ロックピン5は傾斜面のガイド部2g4に案内されて上下方向孔2g2を下方へ移動した後、長手方向孔2g1に進入して左方へ移動しロック位置となる。このロックピン5のロック位置では、ロックピン5の上面が抑え部2g3によって上方から抑えられるので、ロックピン5の上方移動が阻止される。これにより、ロックピン5はラッチ部材4をラッチ位置に保持するので、ラッチ部材4はタング3の係止孔3aから抜け出ることはなく、タング3とバックル1とのラッチが堅固に保持される。
【0037】
更に、このタング3とバックル1とのラッチ状態では、レバースプリング14のばね力で慣性レバー部材12のスプリング支持部12iが引っ張られているので、慣性レバー部材12が回動軸支持部2m1に支持された回動軸12a,12bを中心に反時計方向に回動する。このため、図7(b)に示すようにレバー12e,12fの先端がロックピン5の非ロック位置への移動通路上に位置するとともに、被押圧部12c,12dが開口部2k2,2m2を通過可能な位置となっていて、慣性レバー部材12は作動位置となっている。この慣性レバー部材12の作動位置では、ロックピン5が非ロック位置へ移動しようとしてもレバー12e,12fに当接するので、ロックピン5は非ロック位置への移動が阻止される。
【0038】
更に、ロックピン5のロック位置では、図5(b)に示すようにロックピン5がバックルスイッチ17のマグネット18とICホール素子19との間に位置している。このため、ICホール素子19に加えられるマグネット18の磁界がロックピン5の非ロック位置と比べて変化し、ICホール素子19が出力する電流量が変化する。つまり、バックルスイッチ17が切り替えられる。CPU21は、この電流量の変化を検知して表示装置22を作動し、表示装置22は表示動作を行う。このように、ロックピン5がロック位置になったときはマグネット18とICホール素子19との間に自動的に位置するので、マグネット18とICホール素子19とからなる非接触方式のバックルスイッチ17が安定かつ確実に作動してバックル1のラッチ状態を検出するようになる。
こうして、タング3はバックル1に確実にラッチされるとともに、バックル1とタング3との解離が確実に防止され、更に、タング3とバックル1とが確実にラッチされたことが表示装置22によって表示される。
【0039】
タング3とバックル1とのラッチを解除するために、操作ボタン6を右方へ押すと、操作ボタン6が右方へ移動して、前述のように、まずその慣性レバー部材作動部6dが慣性レバー部材12の被押圧部12c,12dを非作動位置の方へ押し上げるので、慣性レバー部材12は被押圧部12c,12dが開口部2k2,2m2を通るようにしてその回動軸12a、12bを中心に時計方向に回動する。このため、レバー12e,12fの先端がロックピン5の長手方向移動通路より上方に移動する。
【0040】
この状態で、更に操作ボタン6が右方へ移動すると、ロックピン作動部6eがロックピン5を右方へ移動する。ロックピン5が上下方向孔2g2へ移動可能な位置までくると、ロックピン5は抑え部2g3によって抑えられなくなるので、ラッチ部材4は回動軸4a,4bを中心として時計方向へ回動可能となる。このとき、ロックピン5はレバー12e,12fの直下に位置している。ロックピン5が抑え部2g3によって抑えられなくなることで、そして、エジェクタスプリング11のばね力でエジェクタ7がラッチ解除方向に付勢されているので、エジェクタ7はラッチ部材4を上方にはね上げ、ラッチ部材4は回動軸4a,4bを中心として時計方向に回動し、ジョグル部4cがタング3の係止孔3aから脱出すると同時に、タング3を左方向にプッシュアウトする。このとき、ロックピン5は、ラッチ部材4の時計まわりの回動とともにこのラッチ部材4におり押し上げられて上下方向孔2f,2g内に進入する。更に、ロックピン5はレバー12e,12fを押し上げるので、慣性レバー12は回動軸12a、12bを中心に時計方向に回動する。
【0041】
そして、ラッチ部材4のジョグル部4cの底部4c1がエジェクタ7の突条7cに載置し、最終的に、エジェクタ7が左限位置となり、またラッチ部材4が非ラッチ位置となり、更にロックピン5が非ロック位置となり、更に慣性レバー部材12が非作動位置となって、バックル1はタング3が解離した図2および図7(a)に示す非ラッチ状態となる。
また、ロックピン5が非ロック位置になったことで、バックルスイッチ17のマグネット18とICホール素子19とが再び直接対向するので、マグネット18の磁界が再び初期状態に変わる。これにより、CPU21がこの磁界の変化を検知して表示装置22の作動を停止し、表示装置22は表示動作を行わない。
【0042】
なお、バックルスイッチ17のマグネットの磁界の方向の変化を検知して表示装置22の作動を制御するCPU21は、磁界の方向の変化を検知したとき、リトラクタ等のシートベルト装置の他の装置や、シートベルト装置の作動に関係する車載の他の装置を作動制御するようにすることもできる。
【0043】
このように、この例のバックルスイッチ17によれば、非接触方式によるバックルスイッチを用いているので、摩耗等による接触不良が発生するおそれがなく、基板タイプスイッチやマイクロスイッチ等の接触方式のスイッチに比べて耐久性がきわめて向上する。
また、この非接触方式のバックルスイッチ17をマグネット18とICホール素子19とを用いてホール効果を利用しているので、前述の公開公報の発光素子および受光素子によるバックルスイッチに比べて、取付誤差による影響や、水やジュース等の液状物あるいはほこり等の異物の影響、あるいは液状物による錆の影響を受け難く、作動をより一層確実なものにすることができる。
【0044】
特に、ロックピン5とバックルスイッチ17のマグネット18およびICホール素子19とが直接的にも間接的にも何ら機械的に接触しないので、バックルスイッチ17の耐久性が更に一層向上するとともに、バックルスイッチ17の作動をより一層確実なものにでき、バックルスイッチ17の信頼性が向上する。
更に、前述のように機械的接触がないことから、バックルスイッチ17の構造をより簡単にでき、かつバックルスイッチ17のコストを安価にできる。
【0045】
図8は、本発明の実施の形態の他の例を部分的に示し、(a)はロックピンの非ロック位置の状態を模式的に示す図、(b)はロックピンのロック位置の状態を模式的に示す図である。
前述の例では、マグネット18およびICホール素子19がガイド孔2gのロックピン抑え部2g3を挟んで図において上下に設けているが、この例のバックル1では、図8(a)および(b)に示すように、マグネット18およびICホール素子19がガイド孔2gの長手方向孔部2g1のロックピン抑え部2g3に対向する部分に沿って並設されている。すなわち、マグネット18およびICホール素子19は、ロックピン5のロック位置への進入方向と同方向に並設されている。
この例のバックル1の他の構成は前述の例と同じである。
【0046】
次に、この例のバックルスイッチ17の作動について説明する。
図8(a)に示すロックピン5の非ロック位置では、マグネット18の磁界はその方向が矢印で示す方向となり、ICホール素子19にはほとんど加えられない。したがって、ICホール素子19が出力する電流量も少ない。一方、図8(b)に示すロックピン5のロック位置では、このロックピン5によりICホール素子19へ加えられるマグネット18の磁界が変化するようになっている。すなわち、マグネット18の磁界はその方向が矢印で示す方向となり、ICホール素子19にロックピン5の非ロック位置の場合と比べて多く加えられるようになる。したがって、ICホール素子19が出力する電流量もロックピン5の非ロック位置の場合と比べて多くなる。CPU21はこの電流量の変化を検知して、ロックピン5がロック位置に設定されたことを検知して表示装置22を作動する。
この例のバックル1の他の作動および作用効果は前述の例と同じである。
【0047】
図9は、本発明の実施の形態の更に他の例を部分的に示し、(a)はロックピンの非ロック位置の状態を模式的に示す図、(b)はロックピンのロック位置の状態を模式的に示す図である。
前述の図5に示す例では、マグネット18およびICホール素子19がガイド孔2gのロックピン抑え部2g3を挟んで図において上下に設けているが、この例のバックル1では、図9(a)および(b)に示すように、ガイド孔2gのロックピン抑え部2g3の真下にICホール素子19を設けるとともに、ICホール素子19の真下にマグネット18を設けている。したがって、ロックピン5がロック位置にあるとき、ロックピン5、ICホール素子19およびマグネット18が上下方向つまりロックピン5がロック位置に進入する方向と直交する方向に上からこれらの順に位置するようになっている。
この例のバックル1の他の構成は前述の例と同じである。
【0048】
次に、この例のバックルスイッチ17の作動について説明する。
図9(a)に示すロックピン5の非ロック位置では、マグネット18の磁力線の一部の方向が矢印で示すように曲がった方向となり、ICホール素子19に入る磁束密度は少ない。したがって、ICホール素子19が出力する電流量も少ない。一方、図9(b)に示すロックピン5のロック位置では、この磁性体のロックピン5によりICホール素子19へ加えられるマグネット18の磁界が変化するようになっている。すなわち、マグネット18の磁力線の方向が磁性体であるロックピン5の影響で矢印で示す真っ直ぐな方向となり、ICホール素子19に入る磁束密度はロックピン5の非ロック位置の場合と比べて多くなる。したがって、ICホール素子18が出力する電流量もロックピン5の非ロック位置の場合と比べて多くなる。CPU21はこの電流量の変化を検知して、ロックピン5がロック位置に設定されたことを検知して表示装置22を作動する。
この例のバックル1の他の作動および作用効果は前述の各例と同じである。
【0049】
なお、前述の例ではバックル可動部材であるロックピン5のロック位置を検出することでタング3とバックル1とのラッチを検知し、バックルスイッチ17の切替を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、非ラッチ位置とラッチ位置とが設定されているラッチ部材4やエジェクタ7等のバックル1の構成部材のうち、非ラッチ位置とラッチ位置とが設定されているバックル可動部材のラッチ位置を検出することでタング3とバックル1とのラッチを検知し、バックルスイッチ17の切替を行うようにすることもできる。その場合は、例えば構成部材のラッチ位置に応じてマグネット18およびICホール素子19をラッチ位置を確実に検知できるように適宜取り付けるようにすればよい。
【0050】
更に、前述の各例におけるマグネット18およびICホール素子19の各位置を、それぞれ互いに逆に設定することもできる。また、図8に示す例においてマグネット18およびICホール素子19をガイド孔2gのロックピン抑え部2g3の直上に位置して設けることもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のバックルによれば、マグネットとホール素子とを用いてホール効果によりスイッチの切替を非接触方式で行うようにしているので、接点部での摩耗等による接触不良の発生が解消でき、基板タイプスイッチやマイクロスイッチ等の接触方式のスイッチに比べて耐久性をきわめて向上させることができる。
また、前述の公開公報の光反射装置によるバックルスイッチに比べて、取付誤差による影響や、水やジュース等の液状物あるいはほこり等の異物の影響、あるいは液状物による錆の影響を受け難く、作動をより一層確実にすることができる。
【0052】
特に、バックル可動構成部材によりホール素子に加えられるマグネットの磁界を直接変化するようにしているので、バックル可動構成部材とバックルスイッチのマグネットおよびホール素子とを直接的にも間接的にも何ら機械的に接触させないようにできる。これにより、バックルスイッチの耐久性を更に一層向上できるとともに、バックルスイッチの作動をより一層確実なものにできる。したがって、バックルスイッチの信頼性をより一層向上できる。
更に、前述のように機械的接触がないことから、バックルスイッチの構造をより簡単にでき、かつバックルスイッチのコストを安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバックルの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。
【図2】 この例のバックルの、タングとの非ラッチ状態を示す断面図である。
【図3】 この例のバックルの、タングとのラッチ状態を示す断面図である。
【図4】 この例のベースの側壁に設けられたガイド孔、支持溝、およびガイド溝を示す図である。
【図5】 図1に示すバックルに用いられているバックルスイッチを説明し、(a)はロックピンの非ロック位置の状態を示す図、(b)はロックピンのロック位置の状態を示す図である。
【図6】 バックルスイッチのICホール素子から出力される電流量の変化を検出する回路の一例を示す図である。
【図7】 この例のバックルのタングとのラッチ作動およびラッチ状態での慣性抜け防止作動を説明し、(a)はタングとの非ラッチ状態を示す図、(b)はタングとのラッチ状態を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態の他の例を部分的に示し、(a)はロックピンの非ロック位置の状態を模式的に示す図、(b)はロックピンのロック位置の状態を模式的に示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態の更に他の例を部分的に示し、(a)はロックピンの非ロック位置の状態を模式的に示す図、(b)はロックピンのロック位置の状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…バックル、2…ベース、2a,2b…側壁、2c…底部、2d,2e…支持溝、2f,2g…ガイド孔、2r…バックルスイッチ取付孔、3…タング、3a…係止孔、4…ラッチ部材、5…ロックピン、5a…突出端部、6…操作ボタン、7…エジェクタ、8…スライダ、12…慣性レバー部材、15…アッパーカバー、16…ロアカバー、17…バックルスイッチ、18…マグネット、19…ICホール素子、20…導線、21…中央処理装置(CPU)、22…表示装置
Claims (1)
- 両側壁を有するベースと、
前記ベースに、タングとバックルとの非ラッチ時に位置する非作動位置とタングとバックルとのラッチ時に位置する作動位置との間で長手方向に摺動可能に設けられ、タングの挿入によってその作動位置へ移動するとともに、タングとバックルとのラッチ解除時にその非作動位置へ移動しかつタングをバックルから脱出させるエジェクタと、
前記両側壁に、タングとバックルとの非ラッチ時に位置する非作動位置とタングとバックルとのラッチ時に位置する作動位置との間で回動可能に支持されるとともにその作動位置の方へ付勢され、タングが所定位置に挿入されたときその作動位置に回動してこのタングとラッチするラッチ部材と、
ラッチ状態にある前記タングと前記ラッチ部材とを解離するための操作部材と、
前記両側壁に、タングとラッチ部材との非ラッチ時に位置する非作動位置とタングとラッチ部材とのラッチ時に位置する作動位置との間で移動可能に設けられ、前記タングと前記ラッチ部材とのラッチ時にその作動位置に設定されて前記ラッチ部材を前記ラッチ部材の作動位置に保持させるとともに、前記タングと前記ラッチ部材とのラッチ解除時に前記操作部材によってその非作動位置に移動されるようになっているロック部材とを少なくとも備えているバックルにおいて、
更に、前記エジェクタ、前記ラッチ部材、および前記ロック部材のいずれか1つのバックル可動構成部材が移動することで切り替えられる非接触方式のバックルスイッチを備えており、
このバックルスイッチはマグネットとこのマグネットの磁界が加えられることにより起電力を発生するホール素子とからなるとともに、前記バックル可動構成部材が磁性体からなり、
前記マグネットおよび前記ホール素子は、前記バックル可動構成部材のその作動位置への進入方向と同方向に、かつ前記バックル可動構成部材が作動位置に設定されたときに前記ホール素子に加えられる前記マグネットの磁界が前記バックル可動構成部材の非作動位置のときに比べて変化する位置に並設されており、
前記ホール素子に加えられる前記マグネットの磁界が前記バックル可動構成部材により前記バックル可動構成部材の作動位置と非作動位置とで変化するようににされているとともに、この磁界が変化することで前記バックルスイッチが切り替えられることを特徴とするバックル。
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