JP4300439B2 - テスト露光ドットラインの濃度値を決定する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発光素子を主走査方向に沿って配置して成るプリントヘッドと、感光材料とを前記主走査方向に直交する副走査方向に相対移動させることにより前記感光材料に露光形成された各発光素子毎のテスト露光ドットラインの濃度値を決定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光材料に画像を形成するプリントヘッドの代表的なものとして、例えば特開平11−216903号公報に開示されている蛍光プリントヘッドを挙げることができるが、そこでは、プリントヘッドを構成する各蛍光発光素子は熱電子を放出するフィラメント状の陰極と、制御電極と、所定のピッチと大きさでもって蛍光体が被覆している帯状陽極などからなり、列状に並んで配置されたこれら蛍光発光素子が真空容器の中に封入されることで1つの蛍光プリントヘッドが構築される。制御電極へ画像データの露光階調値に基づく制御信号を付与ことするにより、蛍光体への熱電子の衝突、つまり蛍光体の発光が制御される。1つの蛍光体、つまり1つの蛍光発光素子が画像データを構成する1つのピクセル、つまり、露光画像における1露光ドットに対応しており、複数の蛍光発光素子を主走査方向に並べてリニアアレイ型のプリントヘッドを構成するが、高い解像度を得るためには蛍光体の配設ピッチをミクロンオーダまで細かくしなければならないので、通常は、主走査方向に延びる蛍光発光素子を千鳥状複列とし、各列の蛍光発光素子の発光タイミングを感光材料との間の副走査方向の相対移動と適切にあわせることにより、複列の蛍光発光素子によって露光されるドットが副走査方向(主走査方向に直交する方向)に一直線上に並ぶように構成されている。このようなプリントヘッドが3本用意されており、それぞれがR(赤)、G(緑)、B(青)光を放射するためにR(赤)、G(緑)、B(青)のフィルタが装着されている。
【0003】
画像データを構成する各色(R、G、B)の階調値は蛍光発光素子に与えられる露光階調値となり、これに基づいて変調された駆動信号を各色のプリントヘッドに与えることで蛍光発光素子を所望の光量で発光するので、この3つのプリントヘッドの特定の蛍光発光素子が感光材料上の同じ箇所を照射することで所望のカラーの露光ドットを作り出すことができる。その際、プリントヘッドが副走査方向に蛍光発光素子による1露光ドット分の距離だけ進む時間を単位とし、この時間内の蛍光発光素子の発光、非発光の時間比を変化させることにより階調をつけている。
【0004】
このような時間制御方式で、良好な画像を得るためには、同じ露光階調値を与えられた場合全ての蛍光発光素子の輝度が一様であること、つまり各蛍光発光素子が同じ濃度値をもった露光ドットを作り出すことが必要である。このため、各蛍光発光素子が持つ固有の発光特性の違い、いわゆる輝度むらは、テストプリントとして全ての蛍光発光素子に同じ露光階調値を与えてテスト露光ドットを作り、このテスト露光ドットの測定濃度値から、各蛍光発光素子が作り出すテスト露光ドットの濃度値がそろうように、露光階調値を変更する補正係数を算出する。この補正係数を補正テーブルに格納しておき、実際のプリント時に、送られてきた画像データの露光階調値をこの補正係数により補正して、補正された露光階調値で蛍光発光素子を駆動する。例えば、今測定した各テスト露光ドットの濃度をD(n)、但し、nは蛍光発光素子の番号を表し、n=0,1,2,…であり、その測定濃度の最小値をDmin とすると、各蛍光発光素子のための補正係数は、Dmin /D(n)とすることができる。つまり、送られてきた画像データの露光階調値がDin(n)であれば、該当する蛍光発光素子を実際に駆動する補正された露光階調値:Dout (n)は、
Din(n)× Dmin /D(n)
となる。これによって、輝度むらの補正が行われたことになる。
このように輝度むら補正のための正確な補正係数を求めるには、テストプリントによって形成されたテスト露光ドットの濃度値を正確に測定しなければならない。このため、従来では、テストプリントシートとして各蛍光発光素子毎に1つのテスト露光ドットだけを形成するのではなく、各蛍光発光素子によるテスト露光ドットが副走査方向でライン状となるように連続的にテスト露光する。これによって確実に各蛍光発光素子の露光ドットを計測することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドットラインの濃度を計測するため、フラットベッドスキャナ等のスキャナにテストプリントシートをセットした際に、スキャニング方向とドットラインとの方向が一致せず、予め設定されたドットラインと異なるラインの濃度を計測することも考えられる。特に、このような計測を行う際には、ドットラインの複数箇所を計測ポイントに設定して濃度を計測を行い、誤検出や異常値を排除する処理を行う場合が多いが、複数箇所の計測ポイントをドットライン上に精度高く設定することに困難を伴い正確な輝度むら補正ができないといった不都合があった。
上記実状に鑑み、本発明の課題は、上述したようなプリントヘッドの輝度むら補正を正確なものにするため、テスト露光ドットの測定濃度値を正確に行うための方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
複数の発光素子を主走査方向に沿って配置して成るプリントヘッドと、感光材料とを前記主走査方向に直交する副走査方向に相対移動させることにより前記感光材料に露光形成された各発光素子毎のテスト露光ドットラインの濃度値を決定する方法において、感光材料の濃度分布を2次元的な画像データとして取得するスキャニングステップと、この2次元的な画像データにおける前記テスト露光ドットラインの傾斜角度を判別する判別ステップと、この判別ステップで求めた傾斜角度に基づいて画像データのテスト露光ドットライン上に複数の計測ポイントを設定して濃度値を決定する計測ステップとから成ると共に、前記スキャニングステップでは、ラインセンサを備えたスキャナに前記感光材料をセットし、前記ラインセンサにて取得されるラインイメージを該ラインイメージの長手方向と直交するスキャニング方向に連続的に取り込むことにより前記画像データを取得し、前記判別ステップでは、前記画像データに含まれるテスト露光ドットラインを、前記画像データにおける2次元座標で特定可能な座標群として取り出し、この座標群から前記テスト露光ドットラインの傾斜角度を判別する(請求項1)。
この方法では、テスト露光された感光材料の画像情報をスキャナで2次元的な画像データとして取得した場合に、画像データにおけるテスト露光ドットライン方向が位置特定の基準となる軸に対して傾斜状態にある場合でも、判別ステップにおいてテスト露光ドットラインを2次元座標で特定可能な座標群として取り出した傾斜角度に基づいて画像データにおけるテスト露光ドットライン上に計測ポイントを設定して濃度値を決定できるものとなる。つまり、感光材料の濃度分布を画像データとして取得する際に、感光材料のテスト露光ドットラインの方向と画像データの基準となる方向とを精度高く一致させなくとも、計測ポイントを露光ドットライン上に設定して計測を行えるものとなり、結果として、感光材料の姿勢に拘わりなく自動的な処理によって露光むらを精度高く判定できるものとなる。
【0008】
前記2次元座標が、前記ラインイメージの長手方向での位置を表す数値と、前記スキャニング方向での位置を表す数値とで示されるものであり、前記画像データは、前記2次元座標によって計測ポイントの位置を特定できるものであり、前記判別ステップでは、前記感光材料に露光によって形成された参照ラインの座標群を画像データから取り出し、その座標群が示す参照ラインの姿勢からスキャニング方向とテスト露光ドットラインとの傾斜角度を判別する(請求項2)。
この方法では、取り込まれた画像データにおける露光ドットライン上の計測ポイントの濃度値を求める際にも2次元座標を設定することだけで済み、画像データから感光材料に形成された参照ラインに対応する座標群を求める処理も画像の輪郭や形状を求めるものと同様の処理で済み、しかも、テスト露光時には寸法的に長く形成できる参照ラインを用いるので、露光ドットラインの傾斜角度を直接求めるものと比較して、傾斜角度を精度高く判別できるものとなる。その結果、この傾斜角度に基づいて画像データから露光ドットラインの位置を求め、露光むらの判定に有効に利用できるものとなる。
【0009】
前記計測ステップでは、前記判別ステップで判別される傾斜角度が傾斜のない理想状態においては、ラインイメージの長手方向でドットライン位置を示す数値と、スキャニング方向での位置を示す数値とで表される座標を計測ポイントに設定する処理を行う共に、前記判別ステップで判別される傾斜角度が補正処理を必要とする角度である場合には、前記理想状態における計測ポイントの座標を、傾斜角度に基づいて変換し、この変換によって得られる座標を計測ポイントに設定する(請求項3)。
この方法では、スキャニング時の感光材料の傾斜角度が補正を必要とする角度である場合でも、補正処理によって画像データのテスト露光ドットライン上に計測ポイントを精度高く設定して濃度値を計測できる。その結果、誤った濃度値を取り込む不都合を解消して適正な計測ポイントでの濃度値を求めて露光むらの判定に有効に利用できるものとなる。
【0010】
前記計測ステップでは、複数の計測ポイント夫々の濃度値を基本濃度値に設定し、この基本濃度値から異常値を除く処理によって求めた代表濃度値を露光ドットラインの濃度値に決定する(請求項4)。
この方法によると、露光時の感光材料の表面に塵埃等が付着していた場合や、スキャニング時に感光材料の表面に塵埃等が付着していた場合のように、基本濃度値に異常な値のものを含む場合でも、このような異常な値の基本濃度値を除く処理により露光により得られた正確な代表濃度値を決定できる。その結果、誤った判定を行うことなく、露光むらの判定を精度高く行えるものとなる。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施例の説明により明らかになるだろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明によるデジタル光プリンタに用いられているプリントヘッドの一例であるリニアアレイ型蛍光プリントヘッド30が図1、図2、図3に模式的示されている。この蛍光プリントヘッド30は、実際には、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つのプリントヘッド30R、30G、30Bから構成されるが、図1と図2ではRのプリントヘッドだけを示しているが、他の2つのプリントヘッドも同様な構成となっている。
【0012】
透光性材料からなる基板61の上面には、アルミニウム薄膜からなる第1陽極62と第2陽極63が形成されている。この両陽極62、63には、所定のピッチで矩形の透過孔62a、63aが設けられており、この透過孔62a、63aを覆うように蛍光体64が被覆されている。このように第1陽極62と第2陽極63に設けられた蛍光体は、図2から明らかなように、2列千鳥状に配置されており、この列の延び方向は、主走査方向と呼ばれるが、蛍光プリントヘッド30によって露光される感光材料としての印画紙3の搬送方向(これは副走査方向と呼ばれる)に対して直交する姿勢となっている。
【0013】
陽極62、63の蛍光体64を被覆している箇所の周辺領域には、制御電極65が設けられている。各蛍光体64に対応する制御電極65に制御電圧が印加されることにより。各蛍光体64は発光する。さらに第1陽極62と第2陽極63のそれぞれの情報にはフィラメントとしての線状陰極67が主走査方向に沿って張設されている。66は安定した電場を維持する遮蔽電極である。蛍光体64と、第1陽極62又は第2陽極63と、制御電極65と、遮蔽電極66が各蛍光発光素子60を構成しており、この1つの蛍光発光素子60によって照射される光が印画紙3に1つの露光ドットを形成する。
【0014】
以上述べた、基板61上に2列千鳥状に形成された蛍光発光素子60全体は内部に真空空間を作り出すようにカバー体68によって覆われている。ここで、蛍光発光素子60に対して列状に並んだ順に番号をつけると、第1陽極62側の蛍光発光素子60は奇数番号を、第2陽極63側の蛍光発光素子60は偶数番号を持つことになるので、そのように区別する必要のあるときは、奇数番号をもつ蛍光発光素子60をオッド蛍光発光素子、偶数番号をもつ蛍光発光素子60をイーブン蛍光発光素子と名付ける。また、オッド蛍光発光素子の列はオッド列であり、イーブン蛍光発光素子の列はイーブン列である。
【0015】
図3に示すように、3本のプリントヘッド30R,30G,30Bは、所定の間隔で互いに平行にケース31に内装されている。各プリントヘッドの蛍光発光素子60から照射される光は、透光性の基板61を透過して印画紙紙面に平行に照射される。各プリントヘッドの基板61の前面側には光路を鉛直下向きに変更するプリズム71とセルフォックレンズ(円柱ロッドレンズ)アレイ72からなる結像光学系70とが設けられている。結像光学系70は、蛍光発光素子60の透過孔62a、63aを焦点位置とし、印画紙3の感光面を投影像位置としており、正立等倍実像を形成する。プリントヘッド30から陽極基板2の前方へ向けて照射されたドット状の光は、直角に光路を変更して鉛直下方に導かれる。さらに、各プリントヘッドのセルフォックレンズアレイ72の下にはそれぞれ対応する赤,緑,青のカラーフィルタ69が設けられている。
【0016】
露光時には、プリントヘッド30からの光に対して印画紙3を副走査方向について相対的に移動させるとともに、この相対移動に同期して、画像データを構成するRGBの各色の露光階調値に応じたプリント制御信号を各プリントヘッド30R、30G、30Bに与え、所定の露光時間でもってプリントヘッド30の蛍光発光素子60を発光させ、印画紙3に各蛍光発光素子60毎に1つの露光ドットを形成する。その際、オッド蛍光発光素子60とイーブン蛍光発光素子60が副走査方向で所定時間タイミングをずらせて光を放射した場合、この2列千鳥状の蛍光発光素子60によって、印画紙3は1露光ドット幅で一直線上に露光される。同様に、各プリントヘッド30R、30G、30Bの対応する蛍光発光素子60による露光ドットが重なるように制御することによりフルカラーの露光ドットが印画紙3に形成される。
【0017】
印画紙3に対するこのようなライン露光を、このプリントヘッド30を副走査方向に移動させながら行うことにより、印画紙3のプリントエリアにプリントすべき画像に対応する潜像が全て形成されることになる。
各蛍光発光素子60の発光特性は、蛍光体64自身の発光特性や蛍光体64の発光面積や各電極間の距離などにばらつきによる輝度むら(同一の露光階調値に基づいて発光動作させても各蛍光発光素子60の光量が同じでないこと、結果的に露光ドットの濃度も異なることになる)を補償するため、各プリントヘッド30に与える駆動信号の時間幅を調整しなければならない。また、プリントヘッド30を数百時間レベルの長期にわたって動作させていると、蛍光発光素子60の経時的発光特性のばらつきからも輝度むらが生じる。
【0018】
このため、本発明によるデジタル光プリンタでは、印画紙3に対する露光により以下に説明するようなテストプリントシートを作成し、各蛍光発光素子60によるテスト露光ドットラインの複数ポイントを測定し、このテスト露光ドットラインを代表する濃度値を決定して、前述したように各蛍光発光素子60の輝度むらを吸収するための輝度補正係数を算定している。
【0019】
既に述べたように、オッド蛍光発光素子60によるオッド露光ドットと、イーブン蛍光発光素子60によるイーブン露光ドットとは、図4(イ)のように、一列のライン状の露光ドットパターンを作り出す。ここで、白抜き四角はオッド露光ドットを示し、黒塗り四角はイーブン露光ドットを示している。()で囲んだ数字は蛍光発光素子60の素子番号を示している。
【0020】
このライン状の露光ドットパターンを拡大視すると、図4(ロ)のように、主走査方向で隣接する露光ドットどうしが互いにその最も外側の領域で部分的に重なり合っており、スキャナ等で露光ドット単位の濃度を読み取って各蛍光発光素子の発光状態を検査する際に、隣接する別の露光ドットの影響を受けてしまう。これを避けるため、オッド蛍光発光素子60によって形成される露光ドットとイーブン蛍光発光素子60によって形成される露光ドットが露光用プリントヘッド60の主走査方向において互いに隣接しない露光ドットパターンが得られるように、以下のような露光操作が行われる。
【0021】
先ず、オッド蛍光発光素子60だけを露光動作させ、オッド露光ドットを形成し、これより十分に副走査方向に間隔をあけて、次はイーブン蛍光発光素子60だけを露光動作させ、イーブン露光ドットを形成し、図5(イ)に示されるように、オッド露光ドット列と、イーブン露光ドット列からなる、全体として露光ドットが二列で千鳥状に並ぶドットパターンを感光材料としての印画紙3上に露光形成する。これを現像処理することにより、テストプリントシートが出来上がる。このようなテストプリントシートでは、図5(イ)の一部を拡大した図5(ロ)から判るように、オッド露光ドットとイーブン露光ドットとは、互いに重複する部分が生じず、しかも、オッド露光ドットどうしも、イーブン露光ドットどうしも、互いに重複する部分が生じない。
【0022】
図6に示すように実際のテストプリントシート作成時には、主走査方向に沿って黒(K)の複数の参照ラインReが露光によって形成されると共に、この参照ラインReに挟まれる夫々の位置の露光エリアExに対して3本のプリントヘッド30R,30G,30Bの露光に対応してR(赤)、G(緑)、B(青)の3色のテスト露光ドットラインが露光によって形成される(この露光によって形成されれる露光ドットラインはこれらの3色の露光に対応してシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に発色する)。また、夫々の参照ラインReの主走査方向での中間位置にはプリントヘッド30の各素子を特定するための基準となる基準点Spが副走査方向に沿った姿勢のライン状に露光ドットラインと同じ色相となるよう露光によって形成され、露光エリアExを挟む一対の参照ラインReの一方には露光ヘッドを特定するため識別ラインiLが、R(赤)の露光ヘッドに対応して1本、G(緑)の露光ヘッドに対応して2本、B(青)の露光ヘッドに対応して3本形成されている。
【0023】
図7、図8に示すように、露光エリアExには夫々の各蛍光発光素子60による露光ドットが副走査方向で設定濃度のライン状となるようにイーブン蛍光発光素子60、あるいは、オッド蛍光発光素子60を連続的に駆動して櫛歯状にテスト露光ドットラインを形成するとともに、テスト露光ドットラインの読み取り時にテスト露光ドットライン同士の間の白地が測定に及ぼす悪影響を避ける目的で他の蛍光発光素子60(テスト露光ドットラインがイーブン蛍光発光素子で形成された場合にはオッド蛍光発光素子、これとは逆に、テスト露光ドットラインがオッド蛍光発光素子で形成された場合には、イーブン蛍光発光素子)を駆動して櫛歯状に形成されるテスト露光ドットラインの間が薄い濃度のラインを形成するよう夫々の蛍光発光素子60を駆動制御する。
【0024】
このようにして形成されたテスト露光ドットラインの濃度値を測定するため、後述するように通常フラットベットスキャナ91(図15を参照・以下、単にスキャナと略称する)が使用される。このスキャナ91はラインセンサにて取り込まれるラインイメージを、そのラインイメージの長手方向(以下、「ラインイメージ方向」という)と直交するスキャニング方向に連続的に取り込むものであり、測定時には、ラインイメージ方向における濃度値を、スキャニング方向に移動させながら連続的に取り込んで2次元的な画像データとして取得することにより、ラインイメージ方向での位置を示す数値と、スキャニング方向での位置を示す数値とで示される2次元座標によってピクセルの位置を特定できる形態で画像データが保存される。尚、図7には、テストプリントシートにおける主走査方向、副走査方向を示すと同時に、夫々の方向に対して傾斜角度θだけ傾斜した状態の画像データが取り込まれた際におけるラインイメージ方向、スキャニング方向を示しており、仮想線で示した矩形の領域は画像データの一部を表している。
【0025】
又、スキャナ91は、プリントヘッド30に較べてラインイメージ方向の分解能とスキャニング方向の分解能とが3倍の持つ性能のものが用いられている。このことからスキャナ91のスキャニング方向とプリントヘッド30の主走査方向とが平行姿勢となる理想的な状態では、取得された画像データを構成するピクセルは、1つのテスト露光ドット当たり9個となる(ここでは読取ピッチと露光ドットピッチがちょうど合ったと仮定する)。このことを、例えば、素子番号001の蛍光発光素子60によるテスト露光ドットラインTLに適用すると、図10に示すように模式的な図が得られる。このテスト露光ドットラインTLを構成するピクセルの内、主走査方向で真ん中のピクセルから、任意に又は所定のルールに従ってn個(ここでは10個)のピクセルを測定ポイントとして選択し、各ピクセルがもつ濃度値を基本濃度値とする。
【0026】
しかしながら、テスト露光ドットラインTLの濃度値を測定する場合には、露光ヘッド30の主走査方向とスキャナ91のスキャニング方向とを高い精度で平行状態に設定することが困難であり、夫々の間に多少の傾斜角度を生ずるのが普通である。そこで、本発明では、この傾斜角度θを画像データから求める処理と、この処理によって求めた傾斜角度θが無視できるほど小さい場合には補正を行わず基準点Spを基に設定した素子番号に対応するテスト露光ドットの幅方向 (主走査方向)の中央位置のピクセルを示す座標に対して、参照ラインReから設定された距離に対応する座標となる各測定ポイント1〜10の濃度値を計測する処理を行い、又、露光ヘッド30の主走査方向とスキャナ91のスキャニング方向との傾斜角度θが設定値より大きい場合(補正を必要とするほど大きい場合)には補正処理を行うことで正確に計測ポイントを設定して、各測定ポイントの計測を行うよう処理形態が設定されている。その結果得られた、各測定ポイント1〜10の測定濃度値を表にしたのが図11である(この表に基づいた計測値の処理は後述する)。
【0027】
補正処理を具体的に説明すると、テストプリントシート(印画紙3)のテスト露光ドットラインTLの濃度を計測する場合には、テスト露光ドットラインTLが形成された方向とスキャナ91のラインイメージ方向とをできるだけ一致させる姿勢にセットして画像データの取り込みを行う。尚、これにより取り込まれた画像データは、メモリ等の記憶手段に対し、前述のようにラインイメージ方向での位置を示す数値と、スキャニング方向での位置を示す数値とで示される2次元座標によってピクセルの位置を特定できる形態で保存される。
【0028】
次に、このように取り込まれた画像データから、略スキャニング方向に沿う姿勢となる黒(K)の領域を判別して、その領域と白色との境界の座標群から参照ラインReと、スキャニング方向との傾斜角度θを求める処理を行うと共に、R(赤)、G(緑)、B(青)の何れの露光ヘッド30であるか識別ラインiLの数から求めておき、傾斜角度θが補正を必要とする角度である場合には、補正テーブルをセットし(補正パラメータや補正を行う演算式をセットしても良い)、次に、図9に示すように、前記基準点Spを基点としてテスト露光ドットラインTLを特定する情報の設定(素子番号を附する処理)と、テスト露光ドットラインTLの端部位置(背景が白色となる側の端部)の幅方向(主走査方向)の中央位置の基準ピクセルP0を設定する処理とを行い、この端部位置を基準にして補正テーブルに基づき計測ポイントの座標を指定して、そのピクセルの濃度値を取り込むことになる。尚、補正を必要とする傾斜角度θとは、各テスト露光ドットラインTLの幅方向の中央に対応するスキャニング方向での座標の値に対して、ラインイメージ方向への座標の値を計測ポイントに対応するピクセルを指定できない場合である。
【0029】
又、基準ピクセルP0は、前記傾斜角度θと、前記基準点Spと、前記参照ラインReとの相対位置関係に基づいて求める、あるいは、テスト露光ドットラインTLを画像処理することで直接的に求められるものとなっている。傾斜角度θが補正を必要とする角度である場合の補正テーブルは、基準ピクセルP0の2次元座標をセットするだけで、テスト露光ドットラインTLの幅方向の中心位置に設定した仮想中心ラインCL上に存在する10箇所の計測ポイントの全ての2次元座標を求め得るよう予めセットされたデータ群であり、例えば、図9に示すように、前記基準ピクセルP0に基づいてP1,P2,P3,P4の計測ポイントを求める際には(説明を簡略化するため4つのポイントだけを例に挙げた)、この仮想中心ラインCL上に存在し、基準ピクセルP0から仮想中心ラインCL方向に距離L1,L2,L3,L4だけ離間した点が通過するピクセルが補正テーブルに基づいて計測ポイントにセットされている。つまり、同図に示す傾斜角度θの場合には基準点P0のピクセルの座標が決まるとP1の座標は、この基準点P0の座標とスキャニング方向での座標の値が等しくラインイメージ方向での座標が2だけ増大した値となり、P2の座標は基準点P0の座標からスキャニング方向での座標の値が等しく、ラインイメージ方向での座標が5だけ増大した座標となり、P3の座標は基準点P0の座標からスキャニング方向での座標の値が1だけ増大し、ラインイメージ方向での座標が8だけ増大した座標となり、P4の座標は基準点P0の座標からスキャニング方向での座標の値が1だけ増大し、ラインイメージ方向での座標が11だけ増大した座標となる。
【0030】
このような処理から、計測を行う素子番号に対応させて、1つのテスト露光ドットラインTLに設定した10箇所の計測ポイントの濃度値を計測するものとなっている。そして、測定濃度値から、この素子番号001の蛍光発光素子60によるテスト露光ドットラインTLを代表する代表濃度値を決定するいくつかの方法のアルゴリズムを以下に説明する。
【0031】
〔第1の方法〕
10個の測定濃度値を全て基本濃度値とみなし、図12(イ)に示すように、10個の基本濃度値を濃度を単位として濃度軸上に並べ、これらの中での最低値と最高値との間の濃度間隔より狭い幅を持つチェック窓を設定する。このチェック窓とは、所定の領域を濃度軸上に当てはめてその領域内に入る基本濃度値を探し出す作業において用いられる、領域指定を示す概念である。図9で示した例では、最低値は90で最高値は148なので、その間の濃度間隔より狭い幅として50を選択したとする。この場合、図12(イ)から明らかなように最低値である基本濃度値(3)を外したチェック窓の位置でその他の全ての基本濃度値が窓内に入ることになる。これにより、基本濃度値(3)以外の全ての基本濃度値の平均、ここでは139が代表濃度値となる。
これによって最低値もつ基本濃度値を外すことはできるが、基本濃度値のばらつき状態によっては、正確なテスト露光ドットラインTLの濃度値を表すとは言えなくなるので、通常、図12(ロ)に示すように、チェック窓は幅はもっと小さい値、最低値と最高値の差の約3分の1、ここでは16を設定する。図から明らかなように、この幅をもったチェック窓を濃度軸上で移動していくと、位置:A1 と位置:A2 において、その窓内に最大頻度値として7が得られる。最大頻度値が2つの位置で得られるので、さらにチェック窓の幅を8に減少させて、再度ェック窓を濃度軸上で移動していくと、順次、位置:B1 で頻度値:4が、位置:B2 で頻度値:3が得られ、最終的に最大頻度値を得る最大頻度位置として位置:B1 が決定される。次に、この最大頻度位置:Cでのチェック窓に入る、4個の基本濃度値(4)、(5)、(6)、(9)の平均値を演算し、
(138+140+136+136)/4=136
を得て、これを代表濃度とする。
【0032】
〔第2の方法〕
まず、前記各測定ポイントでの測定濃度値のうち、前設定された下限濃度値、ここでは100とする、を下回るものや、前設定された上限濃度値、ここでは160とする、を上回るものを除外することとし、ここでは、測定濃度値(3)が該当するので除外される。残りの9個の測定濃度値を基本濃度値とする。この方法の特徴は、チェック窓を最小幅で前述した最大頻度位置を決定する作業をスタートして、前記最大頻度位置でのチェック窓内に入る前記基本濃度値の個数が所定値以上になるまで前記チェック窓の幅を広げながらこれを続けていくことである。ここでは、所定値を基本濃度値の半分以上である5とする。
図13(イ)には、まず、チェック窓の幅が4の時と、8の時、そして10の時が示されている。チェック窓の幅が4の時では、位置:C1 で頻度値3が得られるが所定値:5より小さいので、さらにチェック窓の幅を広げられる。チェック窓の幅が8の時では、位置:C2 で頻度値:5が得られるので、この時のチェック窓に入る、5個の基本濃度値(4)、(5)、(6)、(7)、(9)の平均値を演算し、
(138+140+136+142+136)/5=138
を得て、これを代表濃度とする。
図13(ロ)には、基本濃度値(1)が基本濃度値(8)と同じ値、つまり130であった場合での、この第2の方法を用いた例を示している。上述と異なる点は、チェック窓の幅が8の時では、位置:C3 で頻度値:5が得られるが、位置:C3でも頻度値:5が得られるので、さらにチェック窓の幅が広げられる。チェック窓の幅が10の時では、位置:C5のみで頻度値:6が得られるので、この時のチェック窓に入る、6個の基本濃度値(1)、(2)、(4)、(8)、(6)、(9)の平均値を演算し、
(130+132+138+130+136+136)/6=134
を得て、これを代表濃度とする。
いずれにしても、蛍光発光素子60によるテスト露光ドットラインを代表する代表濃度値を決定するアルゴリズムは、測定濃度値が密集している領域に注目して、その領域に入っている測定濃度値だけの平均で、代表濃度値を決定するという考えに即したものであり、使用するアルゴリズムは対象となるプリントヘッド30の特性に応じて選択するとよい。
【0033】
次に、上述した蛍光プリントヘッド30を印画紙3に対して副走査させる機構について図14を用いて説明する。
R・G・Bの3つの蛍光プリントヘッド30R、30G、30Bをハウジング31に組み込むことにより一体化された蛍光プリントヘッド30を副走査方向に移動させる往復移動機構50は、ペーパーマスク40の基台45に取り付けられており、その基本的な構成要素は、蛍光プリントヘッド30の両側端部に設けられたガイド部材51、ガイド部材51に設けられたガイド孔に挿通されるガイドレール52、一方のガイド部材51に設けらたワイヤー留め具53、端部をワイヤー留め具53に固定されたワイヤー54、ワイヤー54を掛け回しているとともに基台45の両端に配置されているスプロケット55、一方のスプロケット55を回転させるパルスモータ56である。パルスモータ56を回転させると、ワイヤー54の動きを通じて蛍光プリントヘッド30をガイドレール52に沿って移動させ、所定位置に搬送された印画紙3をライン露光していく。露光された印画紙3は、図示されていない現像処理部で現像処理され、乾燥されることにより、最終的な写真プリントとなる。
【0034】
さらに、図15を用いて、上述したデジタル光プリンタの制御系の構成を説明する。
この制御系は、デジタルカメラやスキャナなどを通じて入力されたデジタル画像データを処理してプリントデータを生成するとともにこのプリントデータによって蛍光プリントヘッド30を制御するコントローラ8と、往復移動機構50の制御を行うサブコントローラ108と、濃度値測定ユニット90とから構成されている。コントローラ8とサブコントローラ108は通信可能に接続されている。コントローラ8やサブコントローラ108は、CPU、ROM、RAM、I/F回路などからなるマイクロコンピュータシステムを中核部材として構成され、この蛍光ビーム式画像形成装置に必要な各種機能をハードウエア又はソフトウエア或いはその両方で実現させている。つまり、上述した蛍光プリントヘッド30の制御や蛍光発光素子60の輝度むら補正を行うため、このコントローラ8には、同図に示すように、入出力インターフェース81を介して送り込まれた画像データを所定のアルゴリズムで処理する画像処理部82と、蛍光プリントヘッド30の駆動条件を設定するプリンター制御部83と、輝度補正係数を管理する輝度補正係数管理部85と、この輝度補正係数管理部85の管理の下で輝度補正係数を格納している補正テーブル86と、前述した輝度むら補正作業時に適切な濃度値をもったテスト露光ドットが作り出されるように適切な露光階調値をもったテストプリントデータを生成するテストプリント生成部87とが構築されている。画像処理部82は、デジタルカメラ、スキャナ、CDなどデジタル画像を取得する外部機器からのデジタル画像データや操作卓を通じて入力されてビットマップ展開された文字データを画像処理して、蛍光プリントヘッド30に最適な、各色ピクセル(ドット)単位で256段階(8ビット)に区分された露光階調度を作り出す。この露光階調度に基づいて蛍光プリントヘッド30を駆動するプリンター制御部83は、陰極電圧を制御する陰極制御部83aと制御電極電圧を制御する制御電極制御部83bと陽極電圧を制御する陽極制御部83cを備えている。
【0035】
蛍光プリントヘッド30を用いた露光の要請があれば、プリンター制御部83は輝度補正係数管理部85に指令を与えることで補正テーブル86から、各蛍光発光素子60のための輝度補正係数を参照し、各蛍光発光素子60を発光駆動させるために送られてきた露光階調値をこの輝度補正係数でもって補正し、この補正された値をプリントヘッドドライバー84へ送る。このようにして補正されて、プリントヘッドドライバー84へ送られた各色の露光階調値はそこで駆動パルス幅に変換され、R・G・Bの蛍光プリントヘッド30R、30G、30Bに送られる。
【0036】
さらにコントローラ8の入出力インターフェース81にはサブコントローラ108の通信ポート108aが接続されている。サブコントローラ108には蛍光プリントヘッド30の走査速度とタイミングに関する制御信号を生成する走査制御部108bが備えられており、サブコントローラ108はコントローラ8と連係して、出力ポート108cとモータドライバー108dを介してパルスモータ56に制御信号を送る。このコントローラ8とサブコントローラ108の連係により、印画紙3の所定位置に蛍光プリントヘッド30による露光が行われる。
少なくとも定期的に行われる輝度むら補正作業時には、作成されたテストプリントシートのテスト露光ドットの濃度値を測定するための濃度値測定ユニット90が利用される。濃度測定ユニット90は、基本的には、前述したテストプリントシートに形成された各蛍光発光素子60の露光ドットを読み込むスキャナ91、このスキャナ91の制御を行うスキャナ制御部92、このスキャナ91から読み込まれた各テスト露光ドットラインの濃度値を代表する代表濃度値を前述した方法で算出する濃度算出部93を含んでいる。
【0037】
この濃度値測定ユニット90では、作成されたテストプリントシートをスキャナ91によって読み取ると、濃度値算出部93が、このように読取った画像データを処理することによってテスト露光ラインの傾斜角度を求めると共に、夫々の蛍光発光素子に素子番号を附して識別可能な状態に設定し、また、傾斜角度θが補正を必要とする角度である場合でも前述した補正処理を行うことで夫々のテスト露光ラインに10箇所の計測ポイントに対応するピクセルを設定して、夫々のピクセルの濃度を計測し、この濃度値に基づいて各テスト露光ドットラインの代表濃度値を求める。その際、ドットの座標位置を手がかりにして、算出した代表濃度値と対応する蛍光発光素子60の素子番号とを関係づけておく。蛍光発光素子60の素子番号によって関係づけられた代表濃度値を輝度補正係数管理部85に送り込むと、輝度補正係数管理部85は、公知の修正輝度補正係数の算定方法に基づいたアルゴリズムで各蛍光発光素子60のための輝度補正係数を算定し、これを補正テーブル86に格納するものとなっている。
【0038】
このように、本発明では、テストプリントシートをスキャナ91によって読み取る際の相対的な姿勢に拘わりなく、この傾斜角度とR(赤)、G(緑)、B (青)の3つのプリントヘッド30R、30G、30Bの何れのものによる露光であるかを自動的に判別し、しかも、テストプリントシートにおける主走査方向と、副走査方向に対して、スキャナ91で画像データを取り込んだ際の、ラインイメージ方向とスキャニング方向との傾斜角度θを自動的に求め、この傾斜角度θが補正を必要とする角度である場合でも、傾斜角度θに基づく補正を行うことによってプリントヘッド夫々によるテスト露光ドットラインTLを特定した状態で、そのテスト露光ドットラインTL上の複数箇所の計測ポイントの濃度値データを取り込めるばかりでなく、このように計測した濃度値データに異常な値が含まれる場合でも、その異常な値を除く処理を行うことで誤った判定を回避しながら、露光むらの判定を精度高く行い、プリント時の露光むらの発生を回避できるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍光発光素子の構造を示す断面模式図
【図2】蛍光発光素子の配置を示す平面模式図
【図3】蛍光プリントヘッドの構造を示す断面模式図
【図4】蛍光発光素子によるドットパターンの形成を説明する説明図
【図5】蛍光発光素子によるドットパターンの形成を説明する説明図
【図6】テストプリントシートの露光内容を示す図
【図7】テストプリントシートと画像データとを説明する説明図
【図8】蛍光発光素子によるテスト露光ドットラインの一部を示す説明図
【図9】計測ポイントの設定時の処理ステップを示す模式図
【図10】読み取られたテスト露光ドットラインのビットマップ状態を示す模式図
【図11】テスト露光ドットラインの各測定ポイントにおける濃度値を表に示した図
【図12】代表濃度値を決定するアルゴリズムを説明する説明図
【図13】代表濃度値を決定するアルゴリズムを説明する説明図
【図14】蛍光プリントヘッドの往復移動機構を示す概略斜視図
【図15】デジタル光プリンタの制御系を模式的に説明する機能ブロック図
【符号の説明】
3 感光材料
30 プリントヘッド
60 発光素子
Re 参照ライン
TL テスト露光ドットライン
θ 傾斜角度
Claims (4)
- 複数の発光素子を主走査方向に沿って配置して成るプリントヘッドと、感光材料とを前記主走査方向に直交する副走査方向に相対移動させることにより前記感光材料に露光形成された各発光素子毎のテスト露光ドットラインの濃度値を決定する方法において、
感光材料の濃度分布を2次元的な画像データとして取得するスキャニングステップと、
この2次元的な画像データにおける前記テスト露光ドットラインの傾斜角度を判別する判別ステップと、
この判別ステップで求めた傾斜角度に基づいて画像データのテスト露光ドットライン上に複数の計測ポイントを設定して濃度値を決定する計測ステップとから成ると共に、
前記スキャニングステップでは、ラインセンサを備えたスキャナに前記感光材料をセットし、前記ラインセンサにて取得されるラインイメージを該ラインイメージの長手方向と直交するスキャニング方向に連続的に取り込むことにより前記画像データを取得し、
前記判別ステップでは、前記画像データに含まれるテスト露光ドットラインを、前記画像データにおける2次元座標で特定可能な座標群として取り出し、この座標群から前記テスト露光ドットラインの傾斜角度を判別することを特徴とするテスト露光ドットラインの濃度値を決定する方法。 - 前記2次元座標が、前記ラインイメージの長手方向での位置を表す数値と、前記スキャニング方向での位置を表す数値とで示されるものであり、前記画像データは、前記2次元座標によって計測ポイントの位置を特定できるものであり、前記判別ステップでは、前記感光材料に露光によって形成された参照ラインの座標群を画像データから取り出し、その座標群が示す参照ラインの姿勢からスキャニング方向とテスト露光ドットラインとの傾斜角度を判別することを特徴とする請求項1記載のテスト露光ドットラインの濃度値を決定する方法。
- 前記計測ステップでは、前記判別ステップで判別される傾斜角度が傾斜のない理想状態においては、ラインイメージの長手方向でドットライン位置を示す数値と、スキャニング方向での位置を示す数値とで表される座標を計測ポイントに設定する処理を行う共に、前記判別ステップで判別される傾斜角度が補正処理を必要とする角度である場合には、前記理想状態における計測ポイントの座標を、傾斜角度に基づいて変換し、この変換によって得られる座標を計測ポイントに設定することを特徴とする請求項1又は2記載のテスト露光ドットラインの濃度値を決定する方法。
- 前記計測ステップでは、複数の計測ポイント夫々の濃度値を基本濃度値に設定し、この基本濃度値から異常値を除く処理によって求めた代表濃度値を露光ドットラインの濃度値に決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテスト露光ドットラインの濃度値を決定する方法。
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