JP3556747B2 - 画像形成方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は銀塩写真等のハロゲン化銀感材へ連続階調記録を行なう画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高画質の画像を再現する上で階調性が重要とされ、具体的には人物のアップの肌の陰影や空などの緩やかなグラデーションといった均一濃度に近い部分の連続した階調のつながり(特に、低濃度の階調再現)が重要である。デジタル画像で、良好な階調性を実現するには、最低でも200 レベル以上の階調制御要求されている。一方、小型な装置で低コストで高速な画像形成を可能とするアレイ光源を用いて連続階調画像を記録する技術が知られている。例えば、
▲1▼ディザ法のように複数の二値画素を組み合わせて多階調画像を擬似的に表現する方法。
【0003】
▲2▼アレイ光源の各素子の光強度自体や1回の発光時間幅を階調レベル数分独立に変化させる方法。
のような手法が知られている。
ところが、▲1▼のような方法によれば解像度を犠牲にした疑似的な表現方法ゆえ高解像度記録は期待できず、▲2▼の方法では各記録素子に対応してD/Aコンバータ、比較器等が必要で、記録素子のドライバ回路の複雑化、高コスト化を招く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、2値或いは複数レベルのアレイ光源を用いて複数回露光を行い多階調記録を行なう方法が考えられる。この方法は解像度を損なうことなく、装置の複雑化、高コスト化を招くことのない階調性の良い方法であるが、その一方で階調性が良くなると、各記録素子の発光特性のバラツキに起因する濃度ムラが目立つようになるという問題がある。
【0005】
これに対して、1記録素子づつ順次発光させて各素子の発光輝度を測光して上記記録素子の発光特性のバラツキの補正量を求め補正することが考えられる。例えば、WO90/09890に開示されている方法では硬調な階調特性の記録媒体に対して記録を行なうため、基本的に面積変調による階調表現しかできないので十分な連続階調画像を得にくい。これに対し、1ライン当たりの記録幅を小さくするような線状光源を用いて階調の連続性を向上させることが考えられるが、その反面、露光量の不足から最高濃度を得ることが困難となる新たな問題が発生してしまう。また、軟調な記録媒体であるハロゲン化銀感光材料へ適用した場合は、濃度変調的になり連続階調性は良いが、濃度ムラを取りきれず複雑なシーンの部分に比べて、特に階調性の再現に重要な均一濃度に近い部分のムラが目立つようになるという問題が生じてしまう。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、装置の複雑化・高コスト化を招くことなく高解像度の連続階調画像を記録でき、且つ濃度ムラが目立たない高画質な画像をハロゲン化銀感光材料上に形成できる画像形成方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、上記従来の問題点を解決するものであって、請求項1記載の発明は、一列又は複数列のアレイ状に配列され独立してオン・オフ可能な複数の記録素子が、画像データに応じて同一又は異なる時間幅の組み合わせにより複数回のオン・オフ駆動を行なうことにより、ハロゲン化銀感光材料に露光を行なう画像形成方法において、前記記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データと、を用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求める構成としたものである。
【0008】
また、請求項記載の発明は一列又は複数列のアレイ状に配列され独立してオン・オフ可能な複数の記録素子が、画像データに応じて同一又は異なる時間幅の組み合わせにより複数回のオン・オフ駆動を行ない、ハロゲン化銀感光材料に露光を行なうことにより画像を形成する画像形成装置において、前記記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データと、を用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求め、求めた前記各記録素子の露光量の補正量により前記記録素子を補正する制御手段を有する構成としたものである。
【0009】
これら請求項1及び請求項記載の発明によれば、より実際の画像記録の状態に近い複数の記録素子が駆動した状態で光量を求め補正を行なうことにより、実際の画像記録の状態とかけ離れた各素子を一点づつ発光させた状態で光量を求め補正を行なった場合に比して素子の発光特性のバラツキによる濃度ムラの少ない良好な画像とすることが可能となり、装置の複雑化・高コスト化を招くことなく高解像度連続階調画像が得られ高画質の画像を形成できる。ここで、露光量を測定することにより光量データを求める構成としたので光量データを直接得ることができ制御が簡便となるほか、前記記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を1記録素子のみ単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データとを用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求める構成としたことにより、大きなピッチムラだけでなく、1画素毎の細かいムラをも軽減することができ、高画質となる。なお、アレイ状に配列された複数の記録素子には、千鳥状に配列されている場合も含む。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、一列又は複数列のアレイ状に配列され独立してオン・オフ可能な複数の記録素子が、画像データに応じて同一又は異なる時間幅の組み合わせにより複数回のオン・オフ駆動を行なうことにより、ハロゲン化銀感光材料に露光を行なう画像形成方法において、前記記録素子と同じ種類の記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データと、を用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求める構成とし、又、請求項記載の発明は、一列又は複数列のアレイ状に配列され独立してオン・オフ可能な複数の記録素子が、画像データに応じて同一又は異なる時間幅の組み合わせにより複数回のオン・オフ駆動を行ない、ハロゲン化銀感光材料に露光を行なうことにより画像を形成する画像形成装置において、前記記録素子と同じ種類の記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データと、を用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求め、求めた前記各記録素子の露光量の補正量により前記記録素子を補正する制御手段を有する構成としたものである。
【0011】
これによれば、画像形成に用いる記録素子と同じ種類の記録素子、すなわち、図13の(a)と(b)に示すように、各記録素子の発光特性パターンが類似している場合は、画像形成に用いる記録素子と同じ種類の記録素子を用いて補正量を求めることができる。
【0030】
これによれば、移動しながら露光することによって、各画素領域の濃度が均一化されるとともに、階調制御の応答性を改善することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について以下に図面を参照しながら説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1は、画像形成方法の概略構成図であり、図示しない搬送駆動源によって回転駆動する銀塩写真感光材料の移動制御手段である支持ドラム1によってロールから繰り出される銀塩写真感光材料であるカラー写真用印画紙2(以後、単に印画紙と称する。)が矢印方向へ搬送されると、一列又は複数列のアレイ状に配列された記録素子が設けられている赤色光源プリントヘッド30a、緑色光源プリントヘッド30b及び青色光源プリントヘッド30cがプリントヘッド制御部40によって画像データに応じて露光制御されて、印画紙2の所定位置に色毎に順次露光し、カラー画像の潜像を形成している。こうした露光プロセスが終了すると、印画紙2は支持ドラム1によって次なる処理のために現像プロセスへ搬送される。
【0032】
なお、各プリントヘッドには一列または複数列のアレイ状光源が使用されており、赤色光源プリントヘッド30aには従来から一般的に採用されているLED光源が、また、緑色光源プリントヘッド30b及び青色光源プリントヘッド30cには、比較的に高輝度、高速応答でカラーフィルタで容易に色分解できる真空蛍光プリントヘッド(Vacuum Fluorescent Print Headのことで、以後単にVFPHと称する。)が採用されている。また、印画紙2はロール状としたがカット紙であってもかまわない。また、印画紙の移動手段はベルトに乗せて搬送するなど、他の方法でも良い。
【0033】
プリントヘッド下方には支持ドラム1を介して受光センサ55が配されており、記録前に各プリントヘッド30a,30b,30cからの照射光を受光し、その強度を内部の光電変換素子によって電気信号に変換した後、補正処理部60に出力する。補正処理部60では該電気信号を入力すると各プリントヘッド30a,30b,30cの発光特性の補正を行なうようにプリントヘッド制御部40に補正データを出力すると、プリントヘッド制御部40は該補正データに基づいて各プリントヘッド30a,30b,30cの発光特性を調整している。
【0034】
図2は1色分のプリントヘッドへの画像データの書込み動作を説明する図である。
図においてプリントヘッド制御部40は、各色毎に8ビットのデジタル値で階調を表した画像データが入力されると、前述した補正データに基づいて画像データに対して補正処理を行ない、個々の記録素子に対する1ライン画素分のシリアルのデジタル画像データに変換するとともに、画像ビットデータをラッチ回路32への転送のためのセットパルス信号と、発光時間を制御すためのイネーブル信号を生成して1色分のプリントヘッド30に出力する。ここで、画像ビットデータとは、画像データのうちの特定ビットのデータのことである。
【0035】
まず、プリントヘッド30においてプリントヘッド制御部40から1ライン分の画像ビットデータとしてMSB(最上位ビット)のデータがシフトレジスタ31に転送されると、セットパルス信号がラッチ回路32に入力し、該セットパルス信号に同期してMSBのデータがラッチ回路32に1ライン分まとめてラッチされる。
そして、階調に応じたイネーブル信号がドライバ回路33に入力することで、イネーブル信号の時間幅の区間に一列または複数列のアレイ状に配列された記録素子の各記録素子毎に駆動制御してラッチされた画像データに応じた発光を行なわせる。すなわち、ラッチされたデータが”1”である素子を、選択的にドライバ回路33が記録素子アレイ34に対して駆動信号を送出し、イネーブル信号の時間幅だけ発光させる。照射光はセルフォックレンズアレイ35を介して印画紙2に結像し、潜像を形成する。このような処理をMSBからLSB(最下位ビット)まで順次全8ビットに対して行なうことで1ライン分の記録を終了する。なお、上記1色について説明したが、3色とも同様の制御が行なわれる。なお、ビットの順番はLSBから処理するなど、他の順番でもよく、限定されない。
【0036】
緑色、青色成分に発光特性を持つVFPHにはセルフォックレンズアレイ35下部に図示していない各々緑色、青色の各色分解フィルタが配されており、プリントヘッド制御部40は、各色毎に転送されてくる画像データを搬送されてくる印画紙2の所定位置に記録するように、3つのプリントヘッド30が順次露光タイミングをずらしながら記録制御を行なっているために、適性なカラー画像の記録を行なうことができる。緑色光源用のフィルターとしては緑色フィルターのかわりに黄フィルターを用いても良い。また、プリントヘッド制御部40は、支持ドラム1によって印画紙2が移動中に1ライン分の記録が50%以上が行なわれるように、プリントヘッド30に対して記録制御を行なうことでライン間における記録画像が連続し、その結果ムラの発生を防止し、濃度変調による滑らかな連続階調を実現することができる。
【0037】
なお、本実施形態には記録素子アレイ34としてLEDアレイとVFPHを採用しているが、発光体+シャッターアレイ(液晶シャッターアレイ、PLZTシャッターアレイ等)、レーザーを並べたレーザーアレイ(LDレーザーアレイ等)を適宜組み合わせても良い。また、露光用感材として塩化銀を含むカラー写真用印画紙2としたが、画像濃度を面積変調で制御できる所謂軟調なハロゲン化銀カラー感光材料であれば適用できるものである。さらに、アレイは感光材料の感色性に合うものならよく、カラーの場合は、1本に3色分の光源を配した3色制御でも良い。
【0038】
LEDアレイの中ではGaAlAsやGaAsPを材料としたものが発光効率が高い素子であり、特に650 〜 680nmに急峻な発光波長ピークを有するものがハロゲン化銀カラー感光材料の赤色感光層を選択的に効率よく感光させることが可能である。また、数nsecオーダーでの高速のオン・オフ制御が可能であり、厳密な露光時間制御に特に適している。
【0039】
VFPHは、ここでは酸化亜鉛蛍光体(ZnO:Zn)を用いており青色〜緑色にわたる広いスペクトル領域での発光が生じるため、色フィルタとの組み合わせでハロゲン化銀カラー感光材料の青色感光層及び緑色感光層をそれぞれ選択的に発光させることができる。また、発光効率が比較的高く、発光時の温度変化も小さいので、温度変化に起因する発光ピーク波遷移も小さく、波長選択性の高いハロゲン化銀感光材料への露光効率も安定している。
【0040】
記録素子アレイ34として、液晶シャッタ+発光体を使用した場合は、アレイの他2次元化の可能性が高く、記録の高速化および画像の大型化に特に適している。また、2次元化の場合は、各素子の露光時間を長くとっても画像出力全体の速度は遅くならないようにすることが可能であり、複数回露光により生じる階調の不連続性は小さく、良好な階調となる。また、LEDアレイ、VFPH、強誘電性液晶シャッターは高速なスイッチング特性であり、複数回露光により生じる階調に不連続性は小さく良好な階調となる。
【0041】
また、本実施形態はハロゲン化銀感材などの軟調な階調特性の感光材料へ適用することで最も高い効果が得られ、発光時間制御の効果が微小領域の濃度制御となる忠実な濃度変調画像となるため、滑らかでピクトリアルな画質を得ることができる。
図3はプリントヘッド制御部40の詳細ブロック図を示すもので、以下その動作説明を行なう。
【0042】
まず、乗算器41は上述した補正処理部60で得られた発光特性の補正を行なうべく画像データと補正データを乗算することで該画像データを補正して、インターフェース42に出力する。
CPU43はインターフェース42を介してカウンタ44に1ライン分の画素をカウントするカウント初期値をセットしてカウンタ44を起動するとともに、入力切換用のデマルチプレクサ45を制御する。これを受けてカウンタ44はカウントを開始してカウント値をデマルチプレクサ45に出力すると、該カウンタ値に基づいて画像データの8ビット×1ライン分の画像データをラインメモリ46に書き込む。
【0043】
1ライン目の画像データのラインメモリ46への書込みが終了すると、ラインメモリ46からマルチプレクサ48に1ライン目の画像ビットデータがMSBからLSBまで順次出力されプリントヘッド30へ転送される。一方、2ライン目の画像データはデマルチプレクサ45によって出力経路を切り換えられてラインメモリ47の方へ書き込まれる。このように、現ラインの画像ビットデータをプリントヘッド30へ転送している間には、次ラインの画像データが他方のラインメモリに書き込む処理を繰り返して行なっているために、ライン毎の画像データは時間的に停滞することなく継続して出力することができる。
【0044】
カウンタ49はCPU43の制御をもとに画像ビットデータのマルチプレクサ48への転送時間をカウントしてカウントアップ信号をセットパルス信号発生回路50に出力すると、該セットパルス信号発生回路50は画像ビットデータがプリントヘッド30に転送終了したタイミングでセットパルス信号を発生してプリントヘッド30に出力するとともに、イネーブル信号発生回路52にもセットパルス信号を出力する。
【0045】
一方、カウンタ51はCPU43の制御をもとに予め8ビットの各ビット毎に割り付けられた濃度値に対応するイネーブル時間をカウントしてイネーブル信号発生回路52に出力すると、該イネーブル信号発生回路52は濃度値を表す8ビットのMSBから、そのビットに対応するイネーブル時間を持つイネーブル信号をセットパルス信号の発生を受けて発生し、プリントヘッド30に出力するとともに、CPU43にも出力する。そして、CPU43はこれを受けて次なるセットパルス信号を発生すべくカウンタ49を制御する。こうした一連の動作を繰り返すことでセットパルス信号、イネーブル信号及び画像ビットデータは1ライン毎にMSBからLSBまで順次相互にタイミングがとられてプリントヘッド30へ出力される。
【0046】
図4は補正データ処理部の概略ブロック図を示している。
受光センサ駆動系62は受光センサ制御部61の制御のもとに受光センサ55の受光制御を行なう。すなわち、印画紙2の記録が開始される前に受光センサ55を色毎に設けられた3つのプリントヘッド30の結像位置に移動して受光を行なう。この際、支持ドラム1には受光センサ55が読み取りを行なうための微小間隔のスリットが設けられており、このスリットを介して順次、色毎の照射光を受光している。
【0047】
受光センサ55から出力されたアナログ電気信号は増幅回路64で増幅され、続いてA/D変換器でデジタル電気信号に変換されメモリ67に記憶される。次に、補正データ演算部68にて必要に応じた演算処理が施され、補正データを算出し、補正メモリ66にルックアップテーブルとして入力して記憶させる。または、外部より補正メモリ66に補正データをルックアップテーブルとして入力して記憶させても良い。ルックアップテーブルにより、受光強度に対応した補正データが出力されるようになっている。
【0048】
図5はプリントヘッド制御部40からプリントヘッド30bに出力される出力信号のタイミングチャートを示している。各画素について8ビットで構成される濃度値に展開処理された画像データのうち、まず1ライン分のMSBが300 μsecかけて出力されてプリントヘッド30bに転送された後、セットパルス信号とイネーブル信号が出力される。イネーブル信号間のインターバル時間は300 μsecに設定している。
【0049】
この時、各色毎のイネーブル信号の期間は
Figure 0003556747
そして、この場合であれば、ある1素子に対してMSBからLSBまでの全てのイネーブル信号に対してラッチデータすなわちビット値が”1”であって、発光が生じることになれば最大濃度を示すことになる。プリントヘッド30a,30cも同様の制御が行なわれる。
【0050】
このように、青色、緑色、赤色の各ビットのイネーブル信号をハロゲン化銀カラー感光材料の各感光層の感度、階調特性に合わせて設定できるので、これに応じて各記録素子を個別に複数回のオン・オフ記録駆動することにより、より一層装置の複雑化・高コスト化を招くことなくハロゲン化銀カラー感光材料の特性を生かした高解像度の連続階調画像をハロゲン化銀カラー感光材料上に記録することができる。
【0051】
ハロゲン化銀カラー感光材料の特性である間欠露光効果により、高感度と低感度の差が大きくなって、露光時の色にごりが小さくなり、色分離が良くなる。例えば、カラー印画紙の高濃度域について言えば、緑色露光により青色露光もわずかに露光されので、現像後マゼンタにイエローが入り、イエローのにごりとなるが、複数回のオン・オフ露光によって青色感光層によるイエローのにごりが減少し、高画質とすることができる。
【0052】
また、電子写真方式のような硬調な記録媒体やハロゲン化銀感光材料でもモノクロ感材のように銀像を形成する、所謂銀現像方式のものは画素の広がりが少ないので面積変調的になり、画素単位のザラツキ感があって画質が良くない。さらに、各画素が広がらずはっきりしているため、カラー画像の場合は例えばイエロー、マゼンタ、シアンの各画素の位置のずれがモアレとなって画質の劣化を起こしやすいため、各色の位置合わせに高精度を要する。
【0053】
これに対し、ハロゲン化銀カラー感光材料のように現像により色素像を形成する所謂発色現像方式のものは、複数回のオン・オフによる画素の広がりがさらに広くなり、各画素領域の濃度が均一化の方向となり、画素単位のザラツキ感が小さくなり高画質となる。また、各色の位置合わせの高精度化のための装置の複雑化、高コスト化を招くことがない。このように、本実施形態では、装置の複雑化・高コスト化を招くことなく印画紙2の露光特性を生かした高解像度の連続階調記録を行なうことができる。
【0054】
この装置を用いて画像出力を行なった種々の実施形態を以下に示す。
実施形態1
赤色光源プリントヘッド30aであるLEDアレイにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像の出力を行なった。なお、評価画像は、以下の2種を用いた。
画像A:低濃度〜中濃度の5段階の濃度の均一ベタ画像。
画像B:グレーのグラデーションをバックに人のアップを含む画像。
1)印画紙2上の濃度値が約1.0 となる画像データ値で全記録素子を発光させ、印画紙2に露光、現像処理を行い補正用の画像を得る。
2)上記操作で得られた補正用画像を濃度測定装置(コニカマイクロデンシトメータPDM−5 TYPE BR :コニカ株式会社製)を用いて、プリントヘッド30aの配列方向に濃度測定を行い、濃度データを得る。
3)図11は、この様にして得られた濃度データの一例である。
【0055】
該データは、各記録素子の位置に対して濃度データがピークを示す形状となっており、これに基づき全記録素子についてそれぞれ、濃度ピーク位置(i)を検出する。
4)上記で得られたピーク位置(i)の前後に位置する数データ(ここでは前後5データ)をピーク濃度データと合わせて積算し、積算濃度(D)算出する。全記録素子についても同様に行なう。
5)得られた積算濃度(D)と基準積算濃度(D)(全積算濃度値の平均値)との濃度比より、補正値(C)を算出し、補正メモリ66に保存する。
【0056】
=D/D
6)乗算器41において評価用画像データと補正データを乗算し、該画像データを補正して印画紙2に露光を行なう。
7)露光した印画紙2を所定の現像処理を行い、評価用画像を得る。
実施形態2
赤色光源プリントヘッド30aであるLEDアレイにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像の出力を行なった。なお、評価画像は実施形態1と同様である。
1)濃度値が異なる複数の画像データ値で全記録素子を発光させ、印画紙2に露光、現像処理を行い補正用の画像を得る。
2)上記操作で得られた補正用画像を実施態様1と同様に濃度測定を行い、各記録素子ごとに画像データ値の異なる複数の積算濃度値を得る。
3)全記録素子について、画像データ値(記録素子の光量に比例)と濃度値との関係を求め、目標特定濃度(例えば濃度1.0 )となる時の画像データ値を光量(P)として、前記関係より算出する。
4)得られた光量(P)と基準光量(P)(全光量値の平均値)との光量比より、補正値(C)を算出し、補正メモリ66に保存する。
【0057】
=P/P
5)得られた補正値(C)に基づき、実施形態1と同様の方法で補正を行い、評価画像を得る。
比較例1
赤色光源プリントヘッド30aであるLEDアレイにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像の出力を行なった。なお、評価画像は実施形態1と同様である。
1)1記録素子(i番目の素子)を発光させた状態で、受光センサ55で輝度(E)を測定する。
2)上記測定を、受光センサ制御部61に基づく受光センサ駆動系61の制御により、各素子について順次行なう。
3)補正データ演算部68において、得られた輝度(E)と基準輝度(E)との輝度比より、補正値(C)を算出し、補正メモリ66に保存する。
【0058】
=E/E
4)乗算器41において評価用画像データと補正データを乗算し、該画像データを補正して印画紙2に露光を行なう。
5)露光した印画紙2を所定の現像処理を行い、評価用画像を得る。
比較例2
赤色光源プリントヘッド30aであるLEDアレイにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像A,Bの出力を行なった。なお、評価画像は実施形態1と同様である。
1)特定の画像データ値で1記録素子(i番目の素子)を発光させると、図5のタイミングチャートのように画像データ値に応じて複数回発光が行なわれる。
【0059】
この状態で、受光センサ55ですべての発光の積算光量(I)を測定する。
2)上記測定を、受光センサ制御部61に基づく受光センサ駆動系61の制御により、各素子について順次行なう。
3)補正データ演算部68において、得られた輝度(I)と基準輝度(I)との輝度比より、補正値(C)を算出し、補正メモリ66に保存する。
【0060】
=I/I (Iとして測定した全素子の平均光量を用いた)
4)得られた補正値(C)に基づき、比較例1と同様の方法で補正を行い、評価画像を出力する。
これら得られた画像について、画像Aについては濃度ムラ、画像Bについては濃度ムラと階調性を、各々目視評価した。
【0061】
実施形態1は、評価画像Aについては、比較例1、2に比べて、各濃度において、ムラが少なく均一な画像であった。また、評価画像Bについては、実施形態1は比較例1、2に比べて、バックのグラデーションや人物の肌の部分において、ムラが少なく、階調のつながりが良い高画質な画像であった。
また、実施形態2は、評価画像Aについては、実施形態1に比べて、補正の精度が向上しており、よりムラの少ない、より均一な画像であった。評価画像Bについては、実施形態2は実施形態1に比べて、よりムラの少なく、より階調につながりの良い高画質な画像であった。
【0062】
実施形態1、2では、濃度測定のための装置として、コニカマイクロデンシトメータPDM−5 TYPE BR :コニカ株式会社製を用いたが、市販のフラットベットスキャナー、ドラムスキャナー等の各種スキャナーを用いて同様の評価を行なったところ、ほぼ同様の効果を得ることができた。
また、基準積算濃度(D)、基準積算光量(P)として、全記録素子の平均値を用いたが全記録素子中の最大値又は最小値を基準として同様の評価を行なったところ、ほぼ同様の効果を得ることができた。
【0063】
また、補正用画像及び評価画像として印画紙(ハロゲン化銀写真感光材料用ペーパー)を用いたが、ハロゲン化銀感光材料としては、としては、透明、半透明の印画紙、ネガフィルム、リバーサルフィルム、リバーサルペーパー、可視〜赤外の波長に感光するもの、モノクロ感光材料、自己処理液を有する感光材料(インスタント感光材料)等の感光材料についても同様の効果を得ることができる。
【0064】
特に、塩化銀感光材料に場合は濃度ムラ補正の効果が大きく、好ましい。
また、補正用画像の感光材料と実際に画像形成に用いる感光材料は異なっていても良いが、感光材料の特性を含んで補正が可能となるなどの点で、同じ感光材料を用いることが好ましい。
また、必要に応じて、得られた補正値を用いて補正を行なって補正用画像を出力し、同様の方法で補正値を求めることを繰り返しても良い。
【0065】
実施形態3
赤色光源プリントヘッド30aであるLEDアレイにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像A,Bの出力を行なった。
1)隣接2記録素子(i番目とi+1番目の記録素子)を発光させた状態で、受光センサ55で2記録素子の合計輝度(E2)を測定する。センサは2記録素子の輝度を同時に測定できるだけ充分大きなものを用いた。
2)上記測定を、受光センサ制御部61に基づく受光センサ駆動系61の制御により、各記録素子について順次行なう。
3)補正データ演算部68において、測定値(E2)に下記の平均処理を行い、各記録素子の輝度(E)を求める。
【0066】
={E2+(E2i+1 )}/4
4)得られた輝度(E)に基づき、実施形態1と同様の方法で補正を行い、 評価画像を出力する。
得られた画像について、実施形態1と同様の評価を行なった。
評価画像Aについては、実施形態3は比較例1に比べて、各濃度において、大きなピッチのムラが少なく、均一な画像であった。
【0067】
また、評価画像Bについては、実施形態3は、比較例1に比べて、バックのグラデーションや人物の肌の部分において、大きなピッチのムラが少なく、階調のつながりの良い高画質な画像であった。
実施形態3では、1つのセンサをアレイにそって移動させながら、各記録素子の測定を行なったが、複数のセンサを用いてもほぼ同様の効果を得ることができる。また、リニアCCDなどのようなセンサアレイを用いて、センサの移動をさせずに測定しても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、各素子の輝度(E)を平均処理により求めたが、演算処理はこれに限定されるものではない。中央値など他の演算処理でも、各記録素子の輝度(E)を求めることにより、ほぼ同様の効果を得ることができる。
さらに、2記録素子同時発光の例で示したが、測定数はこれに限定されるものではない。複数記録素子同時発光であれば、適切な演算処理により各記録素子の輝度(E)を求めることにより、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0069】
実施形態4
赤色光源プリントヘッド30aであるLEDアレイにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像A,Bの出力を行なった。
1)LEDアレイを構成するチップ(本実施形態では128 画素)において、受光センサ55で下記に示す条件での輝度(E1(j),E2(j),E3(j),E4(j))を測定する。
(j:チップ内記録素子番号)
E1(j) 1記録素子(j番目の素子)を発光させた状態で測定した輝度。
E2(j) 隣接2記録素子(j番目とj+1の記録素子)を発光させた状態で測定した2記録素子の合計輝度。
E3(j) 隣接3記録素子(j−1番目とj+1番目の記録素子)を発光させた状態で測定した3記録素子の合計輝度。
E4(j) 隣接4記録素子(j−1番目とj番目とj+1番目とj+2番目の記録素子)を発光させた状態で測定した4記録素子の合計輝度。
【0070】
なお、センサは4記録素子の輝度を同時に測定できるだけ充分大きなものを用いた。
2)上記測定を、受光センサ制御部61に基づく受光センサ駆動系61の制御により、各記録素子について順次行なう。
3)補正データ演算部68において、測定値(E1(j),E2(j),E3(j),E4(j))をもとに演算処理を行い、チップ内の全記録素子での1記録素子の輝度(E128 (j))を求める。
【0071】
本実施形態では、下記の演算処理を行なった。
・E1(j)を基準に、光量変化率R2(j),R3(j),R4(j)を求める(図12参照)
Figure 0003556747
・各光量変化率R2(j),R3(j),R4(j)を2次関数で回帰し、
R2(X)=A(2)×X+B(2)×X+C(2)
R3(X)=A(3)×X+B(3)×X+C(3)
R2(X)=A(4)×X+B(4)×X+C(4)
A(2)、A(3)、A(4)を求める。
【0072】
・A(y)=d×ln(y)で回帰し、A(128 )を求める。
・チップ内の全記録素子発光状態での光量変化率R128 (X)=A(128 )×X+B(128 )×X+C(128 )、及びその傾きS128 (X)=2×A(128 )×X+B(128 )において、チップの中心付近(X=63)でそれぞれ、0になると仮定して、B(128 )、C(128 )を求める。
【0073】
・得られた光量変化率R128 (X)=A(128 )×X+B(128 )×X+C(128 )を用い、画素ばらつきの補正値(C(i))を算出する。
(j:チップ内記録素子番号)
j=1〜32 C(i)=1/E1(j)×R128 k(32)
j=33〜96 C(i)=1/E1(j)×R128 k(j)
j=97〜128 C(i)=1/E1(j)×R128 k(97)
4)各チップごとに上記補正値求めることにより、各記録素子の補正値(C)を算出し、補正メモリ66に保存する。
5)得られた補正値(C)に基づき、実施形態1と同様の方法で補正を行い、評価画像を出力した。
【0074】
得られた画像について実施形態1と同様の評価を行なった。
評価画像Aについては、実施形態4は、実施形態3に比べて、各濃度において、さらに、細かいピッチのムラも少なく、より均一な画像であった。
また、評価画像Bについては、実施形態4は、実施形態3に比べて、さらに、細かいピッチのムラも少なく、より階調のつながりの良い高画質な画像であった。
【0075】
実施形態4では、演算処理により、チップ内の全記録素子同時発光状態での1記録素子の輝度を求めたが、実際の画像出力するのにより近い状態(複数記録素子同時発光状態)での1記録素子の輝度を求めれば良く、ほぼ同様の効果得ることができる。
また、演算処理の方法は本実施形態に限定されない。用いるアレイ光源の特性に応じた適切な演算処理により、複数記録素子同時発光状態での1記録素子の輝度を求めることにより、ほぼ同様の効果を得ることができる。例えば、2次関数やln関数で回帰する部分は、用いるアレイ光源の特性に応じて適切な関数を用いれば良い。
【0076】
実施形態4では、1記録素子を発光させた状態での測定値を用いて、隣接2,3,4記録素子同時発光状態での測定値を演算処理することにより、各記録素子の補正値(C)を求めたが、1記録素子を発光させた状態での測定値を用いて、複数記録素子同時発光状態での測定値を適切な演算処理し、各記録素子の補正値(C)を求めることにより、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0077】
実施形態5
緑色光源プリントヘッド30bである黄色フィルターを配したVFPHにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像A,Bの出力を行なった。
1)全記録素子を発光させた状態で、受光センサ55で1記録素子(i番目の記録素子)の輝度(E)を測定する。受光センサ55は他の素子からの光を受けないようにアパーチャで遮光し、測定すべき1画素からの光のみを測定することが可能なセンサを用いた。
2)上記測定を、受光センサ制御部61に基づく受光センサ駆動系61の制御により、各記録素子について順次行なう。
3)得られた輝度(E)に基づき、実施形態1と同様の方法で補正を行い、評価画像を出力する。
【0078】
比較例3
緑色光源プリントヘッド30bである黄色フィルターを配したVFPHにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像A,Bの出力を行なった。
1)1記録素子(i番目の記録素子)のみ発光させた状態で、受光センサ55で輝度(E)を測定する。
2)上記測定を、受光センサ制御部61に基づく受光センサ駆動系61の制御により、各記録素子について順次行なう。
3)得られた輝度(E)に基づき、比較例1と同様の方法で補正を行い、評価画像を出力する。
【0079】
得られた画像について、実施形態1と同様の評価を行なった。
評価画像A,Bともに実施形態5は比較例3に比べて、ムラが少なく均一で階調のつながりの良い高画質な画像であった。
実施形態5では、アパーチャで遮光したセンサを用いたが、指向性の高いセンサを用いたり、レンズを用いて集光したり、光ファイバーを用いて特定画素の光のみ導くことなどにより、他の素子からの光を受けない測定方法を用いれば、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0080】
実施形態6
赤色光源プリントヘッド30aであるLEDアレイ、緑色光源プリントヘッド30bである黄色フィルターを配したVFPH、青色光源プリントヘッド30cである青色フィルターを配したVFPHにおいて、以下の手順で補正を行い、評価画像Bの出力を行なった。
【0081】
プリントヘッド30a,30b,30cとも実施形態2と同様の方法で補正を行い、評価画像を出力した。
比較例4
プリントヘッド30a,30b,30cとも比較例2と同様の方法で補正を行い、評価画像を出力した。
【0082】
得られたカラー画像について、濃度ムラと階調性を、目視評価した。
実施形態6は比較例4に比べてバックのグラデーションや人物の肌の部分において、ムラが少なく、階調のつながりが良い高画質な画像であった。
実施形態7
プリントヘッド30aは実施形態5と同様の方法で補正を行い、プリントヘッド30b,30cは実施形態4と同様の方法で補正を行い、評価画像を出力した。
【0083】
比較例5
プリントヘッド30a,30b,30cとも比較例3と同様の方法で補正を行い、評価画像を出力した。
得られたカラー画像について、濃度ムラと階調性を目視評価した。実施形態7は比較例5に比べてバックのグラデーションや人物の肌の部分において、ムラが少なく、階調のつながりが良い高画質な画像であった。
【0084】
実施形態6、7では、濃度測定と輝度測定の例をあげたが、濃度測定と輝度測定を組み合わせて用いても良い。また、濃度測定手段や輝度測定手段を画像形成装置に組み込んでも良いし、組み込まなくても良い。
上述実施形態では、補正を行なうアレイそのものを用いて、補正値を得る手段の例をあげたが、例えば、同じ種類のアレイにおいて、アレイ内の各記録素子の発光特性のバラツキがほぼ同じ特性である場合は、予め同じ種類の別アレイにおいて補正値を求めておき、この補正値を用いて補正を行なうというように、補正を行なうアレイと補正値を得るアレイが異なっても良い。
【0085】
上述実施形態では、補正は補正値のい乗算によるものであったが、補正方法はこれに限定されず、加算、減算、除算による補正でも同様の効果を得ることができる。
また、記録素子が一列に並んだアレイを用いたが、記録素子が複数列並んだアレイにおいても各プリントヘッドの結像位置と感光材料上の記録位置とをタイミングを適切にとり露光制御を行なうことで、同様の効果を得ることができる。
【0086】
なお、本実施形態では、2値の光源を用いて、画像データを2進数で表した時の各桁の重みに応じてイネーブル信号を設定したが、多値制御の光源を用いてそれに応じたイネーブル信号の設定でも良い、例えば各記録素子16レベル(4ビット)の制御可能な光源を用いて2回露光のイネーブル信号を設定することにより、256 階調を制御するという方法などである。また、多値制御の光源としては発光時間だけでなしに、発光光度を変えることができる光源を用いて適切なイネーブル信号を設定しても良い。
【0087】
ここで、各イネーブル信号間のインターバル時間を2μs以上に設定しているため、直前のイネーブル信号によって生ずる発光の履歴の影響を減じることができるので、イネーブル信号の時間幅で階調特性を制御することが可能となる。
もし、インターバル時間が2μsより短い場合は、前回の発光と次の発光との間の記録素子あるいは感光材料の物理的状態がその特性によりオン・オフに完全に追従せず、連続的に発光している場合に近い状態になったり、記録素子の発光立ち上がりが前回の発光による物理的変化(温度変化などを含む)の影響を受けて通常の場合と異なった効果になったり、制御不可能な露光効果の変動が現れる恐れがあるが、2μs以上とすれば上記影響が極めて小さくなる。
【0088】
図6は印画紙上に記録される画素のサイズを示した図である。
記録素子アレイ34の各素子から照射された光はセルフォックレンズアレイ35を介して印画紙2上に結像する。ここで、記録素子アレイ34の配列方向で1画素の照射サイズをa、記録ピッチをbとし、該配列方向とは垂直方向(走査方向)で1画素の照射サイズをA、記録ピッチをBとした場合に、照射サイズ及び記録ピッチの画質に対する影響について実験を行なった。各記録素子の露光量の補正量は、実施形態1〜7のような方法で行なう。
【0089】
まず、各色の記録素子アレイ34の照射サイズと記録ピッチを以下のようにし、図5で説明した方式で各色階調が0 〜255 のウェッジパターンを露光出力した。
Figure 0003556747
その結果、図8に示すように緑色露光によるマゼンタ発色のウェッジ、赤色露光によるシアン発色のウェッジ、青色露光によるイエロー発色のウェッジについての濃度特性は同等の滑らかな連続階調を再現した実験結果を得られた。
【0090】
また、
Figure 0003556747
に変更し、走査方向については上記と同様の条件とした場合には低濃度部分での階調が不連続で、最高飽和濃度も白抜けが存在し、ベタ黒より幾分低濃度になる実験結果となった。
【0091】
また、
Figure 0003556747
に変更し、走査方向については上記と同様の条件とした場合には、1素子の露光域が大きく、微細パターンの描写性が低下した鮮鋭性の低い実験結果になった。
【0092】
さらに、
Figure 0003556747
に変更した場合には高濃度部分で白抜けが生じ、最高飽和濃度がやや低下する実験結果となった。
【0093】
また、
Figure 0003556747
に変更した場合には画素の重なりが生じ、1ライン毎にオン・オフ交互に記録を繰り返した際に目視した濃度がやや上昇する実験結果となった。
【0094】
以上の実験結果から明らかなように、記録素子の配列方向の記録ピッチに対する記録素子配列方向の照射サイズの比率は0.7 以上1.1 以下の範囲、記録素子配列の垂直方向の記録ピッチに対する記録素子垂直方向の照射サイズの比率は0.3 以上1.0 以下の範囲にあるときに、連続的な階調特性を得ることができる。
また、
Figure 0003556747
の条件で、1ライン分の発光開始から発光終了までに要する時間の該1ライン分記録時間サイクルに対する比率Cを以下のとおり変化させ、実験を行なった。
【0095】
▲1▼C=0.18、▲2▼C=0.3 、▲3▼C=0.68、▲4▼C=0.8
▲1▼は高濃度部分で白抜けが生じ、最高飽和濃度がやや低下し、▲4▼は微細パターンの描写性が低下したのに対し、▲2▼、▲3▼はこれらの問題もなく滑らかな連続階調となる実験結果になった。
このように、0.8 ≦A/B+C≦1.3 の関係を満たす記録を行なうと、より連続的な階調特性を得ることができる。
【0096】
また、各色毎のイネーブル信号の発生区間を
Figure 0003556747
のようにイネーブル信号を2T+t(nは0,1,2,・・7でイネールブル信号の各時間幅を画像データの階調に応じたデジタル値とした際のデジタル値の桁、Tは単位時間、tは正または負の一定時間で本実施形態では5μsとした)と変更したものでは、図9の緑色露光によるマゼンタ発色のウェッジ濃度特性が示すようにイネーブル信号の時間幅を各カウンタ値に対する信号毎に個別に調整することができるため、各測定ポイントが連続的すなわち均等になってさらに滑らかな階調記録を行なうことができる。なお、赤色露光によるシアン発色のウェッジ、青色露光によるイエロー発色のウェッジについても同等な結果が得られている。
【0097】
このように、従来にあっては各色ごとの記録素子の応答特性や、感材の特性による階調の不連続のため、ニュートラルにおいて濃度によって、微妙な色バランスの変化があったが、本実施形態においては階調が連続的になり、滑らかな階調となる結果、ニュートラル性が改善され、画質が向上する。
図7はプリントヘッド制御部40からの出力信号の他の実施形態を示すタイミングチャートである。
【0098】
これは、各画素の濃度に応じた回数だけ記録素子を駆動するn進(例えば256階調の場合はn=256)カウンタを設け、カウンタ値と各画素の濃度値を比較して、濃度値の方が大きい時にはシフトレジスタ31に1を転送し続けるのでその間は駆動信号がアクティブ状態となる。そして、濃度値の方が小さくなった時には0を転送してアクティブ状態を終了するので画素の濃度に応じた駆動信号だけが許可状態になる。そして、駆動信号がアクティブになる単位時間を毎回青色は12μs、緑色は20μs、赤色は40μsとして発光制御を行なうものである。すなわち、256階調の場合、1画素について256回のイネーブル信号が発生して階調を表現することになる。この方法によっても図8と同様な緑色露光によるマゼンタ発色のウェッジ濃度特性を得られることが確認できた。なお、赤色露光によるシアン発色のウェッジ、青色露光によるイエロー発色のウェッジについても同等な結果が得られている。このように、本実施形態によれば、ビットごとにイネーブル信号を設定する必要がなく、簡単な構成で良好な階調を得ることができる。
【0099】
また、イネーブル信号の発生期間を緑色については
Figure 0003556747
青色については
Figure 0003556747
また、赤色については
Figure 0003556747
と変更した場合には低濃度が階調レベルが連続的となり、その結果、図10の緑色露光によるマゼンタ発色のウェッジ濃度特性が示すように滑らかな連続階調を再現した実験結果を得られた。なお、赤色露光によるシアン発色のウェッジ、青色露光によるイエロー発色のウェッジについても同等な結果が得られている。このように、この実施形態によればイネーブル信号の幅を自由に可変できるので装置の出力特性や感材の特性に応じて階調特性を調整することが可能となる。
【0100】
また、印画紙の移動と停止を繰り返しながら露光を行い、1ライン分の発光開始から発光終了までに要する時間の中で移動中である時間の比率rを50%と30%に変えて実験を行なった。
=30%では画像にザラツキ感があるのに対し、r=50%では各画素領域の濃度が均一化されザラツキ感もなく、また、小さい画像信号レベルから各画素領域の中で飽和濃度に達することがなく、階調応答性が良く良好な階調となる実験結果になった。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4記載の発明によれば、より実際の画像記録の状態に近い複数の記録素子が駆動した状態で光量を求め補正を行なうことにより、装置の複雑化・高コスト化を招くことなく各記録素子の発光特性のバラツキによる濃度ムラを減少でき、高解像度連続階調画像が得られ高画質の画像を形成できる。ここで、実際の画像記録の状態での光量データを直接得ることにより制御が簡便となり、また、1記録素子の発光状態での測定値を合わせて用いることにより大きなピッチムラだけでなく、1画素毎の細かい濃度ムラをも軽減することができ、高画質となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における画像形成方法の概略構成図
【図2】本発明の実施形態におけるプリントヘッドへの画像データの書込み動作を説明する図
【図3】本発明の実施形態におけるプリントヘッド制御部の詳細ブロック図
【図4】本発明の実施形態における補正データ処理部の概略ブロック図
【図5】本発明の実施形態におけるプリントヘッド制御部からの出力信号のタイミングチャート
【図6】本発明の実施形態における印画紙上に記録される画素のサイズを示した図
【図7】本発明の他の実施形態におけるプリントヘッド制御部からの出力信号を示すタイミングチャート
【図8】本発明の実施形態における濃度特性を示す図
【図9】本発明の実施形態における濃度特性を示す図
【図10】本発明の実施形態における濃度特性を示す図
【図11】本発明の実施形態における濃度データの一例を示す図
【図12】本発明の実施形態における光量変化率を示す図
【図13】本発明の実施形態における記録素子の発光特性パターンを示す図
【符号の説明】
1 支持ドラム
2 印画紙
30 プリントヘッド
40 プリントヘッド制御部
55 受光センサ
60 補正処理部

Claims (4)

  1. 一列又は複数列のアレイ状に配列され独立してオン・オフ可能な複数の記録素子が、画像データに応じて同一又は異なる時間幅の組み合わせにより複数回のオン・オフ駆動を行なうことにより、ハロゲン化銀感光材料に露光を行なう画像形成方法において、
    前記記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データと、を用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求めることを特徴とする画像形成方法。
  2. 一列又は複数列のアレイ状に配列され独立してオン・オフ可能な複数の記録素子が、画像データに応じて同一又は異なる時間幅の組み合わせにより複数回のオン・オフ駆動を行なうことにより、ハロゲン化銀感光材料に露光を行なう画像形成方法において、
    前記記録素子と同じ種類の記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データと、を用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求めることを特徴とする画像形成方法。
  3. 一列又は複数列のアレイ状に配列され独立してオン・オフ可能な複数の記録素子が、画像データに応じて同一又は異なる時間幅の組み合わせにより複数回のオン・オフ駆動を行ない、ハロゲン化銀感光材料に露光を行なうことにより画像を形成する画像形成装置において、
    前記記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データと、を用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求め、求めた前記各記録素子の露光量の補正量により前記記録素子を補正する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 一列又は複数列のアレイ状に配列され独立してオン・オフ可能な複数の記録素子が、画像データに応じて同一又は異なる時間幅の組み合わせにより複数回のオン・オフ駆動を行ない、ハロゲン化銀感光材料に露光を行なうことにより画像を形成する画像形成装置において、
    前記記録素子と同じ種類の記録素子の複数個を同時に駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた光量データと、前記記録素子を単独で駆動発光させ、露光量を測定することにより求めた単独光量データと、を用いて前記各記録素子の露光量の補正量を求め、求めた前記各記録素子の露光量の補正量により前記記録素子を補正する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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