JP2004299109A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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学 中花田
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Abstract

【課題】アレイ状プリントヘッドにおける濃度ムラを効率よく低減させる。
【解決手段】各プリントヘッド30が同一箇所に記録を行ったグレイ色の補正用画像を出力する(ステップS1)。補正用画像の濃度測定場所のスキャンを行い、各位置における各基本色RGBに対応した濃度データを出力する(ステップS2)。次に、スキャンした画像の傾きを判定する(ステップS3)。そして、各プリントヘッド30の各記録素子に対応する濃度データを特定する(ステップS4)。プリントヘッド30の記録素子iに対応する濃度データをDの記録素子の配列方向の平均値Dを算出し(ステップS5)、平均値Dと、記録素子iの濃度データDを比較して(ステップS6)、記録素子iの補正量C=D/Dを算出する(ステップS7)。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の記録素子をアレイ状に配列したアレイ状プリントヘッドの各記録素子の記録特性のバラツキを補正して画像を記録する画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、デジタルカメラの普及により、デジタル出力装置としてデジタルミニラボ機のプリント能力、画質等の性能向上が大きく望まれている。特に大判のプリントの要望が高く、これに適している複数の記録素子をアレイ状に配列したプリントヘッドを用いた露光エンジンの開発が進んでいる。
【0003】
一般的に、アレイ状プリントヘッドを構成する発光記録素子は、個々の発光特性に20%から40%程度のバラツキを有している。このバラツキの補正が不十分な場合、バラツキが画像の濃淡のムラとしてプリント作成時にそのまま記録されてしまう。写真等を連続階調で再現する場合、バラツキを最低でも2%以下、より高品質を求めるためには1%以下に補正する必要がある。
【0004】
この補正に関する技術として、記録素子の複数個を駆動した状態で、記録素子毎の光量データを求め、該光量データに基づいて各記録素子の露光量の補正量を求める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、各記録素子の位置を特定するために、記録素子の配列方向に少なくとも1記録素子以上間をあけて記録された画像の濃度を測定して、各記録素子の記録特性の補正量を求める方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−230235号公報
【特許文献2】
特開平10−811号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の補正方法は、RGB(Red・Green・Blue)単色で出力した画像に基づいて、プリントヘッド毎に別々に補正を行うものであった。これらの方法では、各色単独の濃度ムラは低減可能であるが、RGBの3色が重なって構成される画像、例えばグレイ色のベタ状のチャートでは、濃度ムラが完全に解消されるわけではなく、特に、低周波成分の濃度ムラが目立っていた。
【0007】
ベタ状とは、画像を形成する部分の全ての記録素子が記録を行っている画像をいい、記録素子の露光量を調整することによって、さまざまな濃度のベタ状画像を実現することができる。また、画像において、低周波成分は、例えば、頬のように信号強度の変化の緩やかな構造を示す成分であり、高周波成分は、例えば、髪の毛やまつ毛のような微細な構造を表現する成分である。低周波成分の濃度ムラとは、比較的広い範囲でなだらかに変化する濃度ムラを指す。
【0008】
実際に出力される画像は、単色で構成される部分は少なく、通常、グレイ等、RGBの3色で構成されているため、上記の補正では不十分であった。
【0009】
また、一般的に、補正用の画像を読み込む際には、フラットベッドスキャナ等の画像読取装置を用いてスキャンが行われる。画像読取装置の光源の形態と画像のセット位置、方向の組み合わせが好ましくない場合、ペーパーのエッジ部分では、光の照射状態が他の部分と異なり、迷光が生じ、フレアーや陰が発生して、エッジ部の画像を安定して読み取ることができない場合がある。従来の補正方法のように、RGB単色で別々に補正を行う場合には、各色によってエッジ部の判定が異なる場合があり、エッジ部の画像に乱れが生じるという不具合があった。
【0010】
さらに、従来の補正方法では、RGB単色で別々に補正を行うことから、補正用の画像が大きく、画像の枚数が多いため、ロスペーパーが多く、また、補正に要する時間も長かった。
【0011】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、効率よく濃度ムラを低減させることが可能な画像形成方法及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドを用いて感光材料に補正用画像を記録し、画像読取装置を用いて前記補正用画像の読取情報を取得することにより、各記録素子の記録特性の補正量を求め、当該補正量を用いて画像を記録する画像形成方法において、前記補正用画像は、前記感光材料の同一箇所に前記複数のプリントヘッドにより記録された画像であることを特徴とする画像形成方法である。
【0013】
ここで、複数のプリントヘッドとは、異なる色のプリントヘッドが複数存在してもよく、同一色のプリントヘッドが複数存在してもよい。また、RGBの各基本色のプリントヘッドが存在することとしてもよい。
【0014】
また、本発明における読取情報とは、任意の濃度測定手段、画像読取装置により読み込まれた光学的濃度を示す情報、又は光学的濃度に基づいて算出された数値的な情報のことを意味し、光学的濃度自体でもよいが、反射率、透過率、光吸収率等でもよいし、これらと一対一に対応する関数値、例えば対数値等であってもよく、これらの平均値等の統計量であってもよい。また、フラットベッドスキャナ等の画像読取装置で画像の読み込みを行った場合、画像読取装置により測定された信号値であってもよく、この信号値と一対一に対応する関数値、例えば対数値等であってもよく、これらの相対値であってもよい。
【0015】
また、補正量とは、アレイ状プリントヘッドの各記録素子が均一な露光量で感光材料に記録を行えるように各記録素子の露光量を調整するための係数をいう。
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、補正用画像から読み取った各基本色の読取情報に他色の濃度ムラの影響が含まれているため、効率よく濃度ムラ、特に低周波成分の濃度ムラを低減させることができる。
【0017】
また、各基本色が同時にエッジ部を形成するため、安定したエッジの判定を実現することができる。各基本色について別々の画像を用いて補正を行う場合、色によってエッジの位置判定が異なることが懸念されるが、3色同時に補正を行うことにより、誤判定の可能性が低下する。
【0018】
さらに、基本色毎に補正用の画像を作成する場合と比較して、補正用画像の小型化が可能となり、補正を行う際に、読み込みを行う範囲を比較的小さくすることができるため、補正計算時間を短縮することができる。また、ロスペーパーを低減させ、生産性を向上させることができる。
【0019】
なお、画像読取装置を用いて補正用画像の読取情報を取得する際には、アレイ状プリントヘッドを用いて感光材料に記録を行う解像度よりも高解像度で補正用画像の読み込みを行うことが好ましい。また、画像読取装置はライン状のCCDを有し、ライン状のCCDが走査することにより画像を読み込む装置が好ましく、フラットベッドスキャナ、ドラムスキャナ等、各種スキャナが挙げられる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドを用いて感光材料に補正用画像を記録し、画像読取装置を用いて前記補正用画像の読取情報を取得することにより、各記録素子の記録特性の補正量を求め、当該補正量を用いて画像を記録する画像形成方法において、前記補正用画像は、イエロー色素、マゼンタ色素、シアン色素のうち少なくとも2以上の色素が混色した画像であることを特徴とする画像形成方法である。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、補正用画像から読み取った各基本色の読取情報に他色の濃度ムラの影響が含まれているため、効率よく濃度ムラ、特に低周波成分の濃度ムラを低減させることができる。
【0022】
また、各基本色が同時にエッジ部を形成するため、誤判定の可能性が低下し、安定したエッジの判定を実現することができる。
【0023】
さらに、基本色毎に補正用の画像を作成する場合と比較して、補正用画像の小型化が可能となり、補正を行う際に、読み込みを行う範囲を比較的小さくすることができるため、補正計算時間を短縮することができる。また、ロスペーパーを低減させ、生産性を向上させることができる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドを用いて感光材料に補正用画像を記録し、画像読取装置を用いて前記補正用画像の読取情報を取得することにより、各記録素子の記録特性の補正量を求め、当該補正量を用いて画像を記録する画像形成方法において、前記補正用画像は、R濃度が0.3以上1.5以下、G濃度が0.2以上1.5以下又はB濃度が0.15以上1.5以下の範囲であることを特徴とする画像形成方法である。
【0025】
ここで、R濃度、G濃度、B濃度とは、それぞれ画像の赤色(Red)成分の濃度、緑色(Green)成分の濃度、青色(Blue)成分の濃度をいう。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、他色に対して極端に高濃度とならないため、感光材料の発色色素が形成する副吸収の影響を低減させることができる。また、色にごり等の影響を排除することができるため、取得する読取情報がより正確になり、高精度の補正を行うことができる。
【0027】
なお、補正用画像の濃度範囲は、R濃度で0.3以上1.5以下が好ましく、0.4以上1.0以下がより好ましく、0.5以上0.7以下が最も好ましい。また、G濃度で0.2以上1.5以下が好ましく、0.3以上0.8以下がより好ましく、0.4以上0.6以下が最も好ましい。また、B濃度で0.15以上1.5以下が好ましく、0.3以上1.0以下がより好ましく、0.4以上0.6以下が最も好ましい。
【0028】
請求項4に記載の発明は、前記補正用画像の読取情報を取得した後、色変換を行い、各記録素子の記録特性の補正量を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0029】
請求項5に記載の発明は、前記取得された読取情報が積分濃度の場合、前記色変換は、前記積分濃度に基づいて解析濃度を算出することを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法である。
【0030】
感光材料は通常、色素で画像を形成しているが、それぞれの色素の吸収曲線が重なっていることや、副吸収帯の存在等により、他色の成分を少なからず含んでいる。主成分色の濃度ムラが良好であっても、他色の濃度ムラが非常に劣悪な場合、他色のプリントヘッドにフィードバックを行うべき補正を、主成分のプリントヘッドに対して行ってしまう場合がある。このため、補正をかけるに従い濃度ムラが発生し、濃度ムラがない状態へ収束するまでの補正回数が増加する可能性がある。
【0031】
しかし、請求項4、5に記載の発明によれば、色変換を行うことで、他色の濃度ムラが劣悪な場合においても、他色の濃度ムラの影響を排除することができ、正確で高精度な補正を実現することができる。また、濃度ムラが発生した場合でも、少ない補正回数で濃度ムラのない状態に回復させることが可能となる。
【0032】
ここで、色変換とは、RGBの3色が混色している状態で取得された読取情報に基づいて、RGBの各成分を抽出する操作のことをいう。
色変換はどのような方法でも構わないが、色変換を行うにあたり、変換前の読取濃度、すなわち積分濃度をRorg,Gorg,Borgとし、変換後の濃度、すなわち解析濃度をR’,G’,B’として、下記の変換式を用いることが好ましい。
R’= ar・(Rorg)br + cr・(Gorg)dr + er・(Borg)fr + gr
G’= ag・(Rorg)bg + cg・(Gorg)dg + eg・(Borg)fg + gg (1)
B’= ab・(Rorg)bb + cb・(Gorg)db + eb・(Borg)fb + gb
ただし、ar,br,・・・,gbは定数である。感光材料の記録条件や現像処理条件、画像読取装置の諸条件等に対応して、これらの定数が変更可能であることが好ましい。
【0033】
請求項6に記載の発明は、前記色変換は、1次変換式を用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成方法である。
【0034】
請求項6に記載の発明によれば、比較的簡単な方法により、他色の濃度ムラの影響を排除することができ、短時間で高精度な補正を実現することができる。
【0035】
1次変換式とは、前記変換式(1)において、定数br,dr,fr,bg,dg,fg,bb,db,fbが1である式をいう。また、下記式(2)のように、定数項gr,gg,gbが0であることが好ましい。
R’= ar・Rorg + cr・Gorg + er・Borg
G’= ag・Rorg + cg・Gorg + eg・Borg (2)
B’= ab・Rorg + cb・Gorg + eb・Borg
変換式を簡単な形にしても、定数ar,cr,・・・,ebの調整を行うことにより、計算時間の短縮化と正確で高精度な補正を同時に実現することができる。
【0036】
請求項7に記載の発明は、カラーバランスのセットアップが完了した後に、前記補正用画像を記録することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0037】
ここで、カラーバランスのセットアップとは、各基本色の画像データに対して所望の濃度になるように、各プリントヘッドの記録量、若しくは露光量の平均値を調整する等して、各プリントヘッド間のカラーバランスを調整することをいい、基本色毎に調整できることが好ましい。
【0038】
請求項7に記載の発明によれば、各基本色のカラーバランスが合い、極端に他色の影響を受けないため、補正精度がさらに向上する。
【0039】
請求項8に記載の発明は、前記補正用画像の読取情報を取得する部分は、前記複数のプリントヘッドで感光材料に記録された像が重なっている状態で構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0040】
ここで、像が重なっている状態とは、異なるプリントヘッドにより形成される1ドット毎の発色領域同士が重なっている状態をいう。図14に、複数のプリントヘッドで感光材料に記録された像が重なっている状態の例を示す。プリントヘッドF(図示せず)によって600dpiで形成された発色領域f1,f2,f3,f4,・・・と、プリントヘッドG(図示せず)によって300dpiで形成された発色領域g1,g2,・・・が重なっている状態を示している。
【0041】
請求項8に記載の発明によれば、各プリントヘッドが感光材料に記録した像構造の差がもたらす読取情報のバラツキを低減させることができるため、補正の精度が向上する。
【0042】
請求項9に記載の発明は、前記補正用画像を、押圧部材を用いて前記画像読取装置に固定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0043】
ここで、押圧部材とは、補正用画像を押さえるための部材をいう。この押圧部材は、例えば、黒等のほぼ均一の濃度であることが好ましい。また、押圧部材は、例えば、ゴムやスポンジ等の容易に曲げられるような柔らかい材質であることが好ましい。また、帯電性が低く、ほこりが付着しにくい材質であることが好ましい。
【0044】
請求項9に記載の発明によれば、画像のエッジの判定を正確に行うことができるようになり、補正の精度が向上する。また、補正用画像の浮きを抑えることにより、低周波成分の濃度ムラを低減させることができる。
【0045】
請求項10に記載の発明は、前記補正用画像は、記録されるライン数が50以上1000以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0046】
請求項10に記載の発明によれば、ライン数を50以上とすることにより、データ数を確保し、読取情報のデータの平均を安定させることができるため、高周波成分の濃度ムラを低減させることができる。また、データ数を多くしすぎても、読取情報のデータの平均は収束してしまうため、ライン数を1000以下とすることにより、使用しない部分を減らし、計算時間を短くすることができる。
【0047】
請求項11に記載の発明は、前記補正用画像に記録されたライン数の10%以上を前記読取情報の取得に用いることを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法である。
【0048】
請求項11に記載の発明によれば、記録されたライン数の10%以上を読取情報の取得に用いることによって、補正用画像を小さくすることができ、画像読取装置の小型化が可能となる。
【0049】
請求項12に記載の発明は、前記感光材料は、ハロゲン化銀感光材料であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0050】
請求項12に記載の発明によれば、感光材料としてハロゲン化銀感光材料を用いるので、濃度ムラ低減に効果的である。
【0051】
請求項13に記載の発明は、前記感光材料は、反射支持体を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0052】
請求項13に記載の発明によれば、感光材料が反射支持体を有するので、濃度ムラ低減に効果的である。
【0053】
請求項14に記載の発明は、前記補正用画像の濃度は、前記感光材料の特性曲線の直線部分に設定されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0054】
図11に、感光材料の特性曲線を示す。横軸は露光量の対数、縦軸はその露光量に対する画像の濃度を示す。特性曲線の直線部分とは、図11のc部に示すような露光量の対数の変化に対する濃度の変化(グラフの傾き)が一定であるような部分をいう。
【0055】
請求項14に記載の発明によれば、高濃度、又は低濃度の部分を使用して補正を行った場合と比較して、階調特性が硬調に変化する部分、すなわち、露光量の変化に対する画像濃度の変化が大きい部分を用いるため、補正の精度を向上させることができる。
【0056】
請求項15に記載の発明は、前記補正用画像は、対応する記録素子を決定させるための位置決定用マーカーを有し、前記位置決定用マーカーを用いて前記対応する記録素子を決定することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像形成方法である。
【0057】
補正用画像においてプリントヘッドの各記録素子の位置を特定するために、例えば、記録素子の配列方向に数画素おきに記録した部分(マーカー段)が設けられている場合がある。しかし、記録素子の間隔を特定することができても、画像上に記録されたマーカーがどの記録素子に対応するか、すなわち、マーカーの絶対位置を特定することは困難である。
【0058】
しかし、請求項15に記載の発明によれば、位置決定用マーカーを用いて対応する記録素子を決定することができるので、取得した読取情報から求める補正量により、各記録素子に対して、正確なフィードバックを行うことが可能となる。
【0059】
請求項16に記載の発明は、感光材料に補正用画像を記録可能な複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドと、前記補正用画像の読取情報を取得する画像読取装置と、前記取得された読取情報に基づいて各記録素子の記録特性の補正量を求める補正処理部と、を備える画像形成装置において、前記複数のプリントヘッドに、前記感光材料の同一箇所に対して補正用画像を記録させるよう制御する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0060】
請求項16に記載の発明によれば、補正用画像から読み取った各基本色の読取情報に他色の濃度ムラの影響が含まれているため、効率よく濃度ムラ、特に低周波成分の濃度ムラを低減させることができる。
【0061】
また、各基本色が同時にエッジ部を形成するため、誤判定の可能性が低下し、安定したエッジの判定を実現することができる。
【0062】
さらに、基本色毎に補正用の画像を作成する場合と比較して、補正用画像の小型化が可能となり、補正を行う際に、読み込みを行う範囲を比較的小さくすることができるため、補正計算時間を短縮することができる。また、ロスペーパーを低減させ、生産性を向上させることができる。
【0063】
請求項17に記載の発明は、感光材料に補正用画像を記録可能な複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドと、前記補正用画像の読取情報を取得する画像読取装置と、前記取得された読取情報に基づいて各記録素子の記録特性の補正量を求める補正処理部と、を備える画像形成装置において、前記複数のプリントヘッドに、イエロー色素、マゼンタ色素、シアン色素のうち少なくとも2以上の色素が混色した補正用画像を記録させるよう制御する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0064】
請求項17に記載の発明によれば、補正用画像から読み取った各基本色の読取情報に他色の濃度ムラの影響が含まれているため、効率よく濃度ムラ、特に低周波成分の濃度ムラを低減させることができる。
【0065】
また、各基本色が同時にエッジ部を形成するため、誤判定の可能性が低下し、安定したエッジの判定を実現することができる。
【0066】
さらに、基本色毎に補正用の画像を作成する場合と比較して、補正用画像の小型化が可能となり、補正を行う際に、読み込みを行う範囲を比較的小さくすることができるため、補正計算時間を短縮することができる。また、ロスペーパーを低減させ、生産性を向上させることができる。
【0067】
請求項18に記載の発明は、感光材料に補正用画像を記録可能な複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドと、前記補正用画像の読取情報を取得する画像読取装置と、前記取得された読取情報に基づいて各記録素子の記録特性の補正量を求める補正処理部と、を備える画像形成装置において、前記複数のプリントヘッドに、R濃度が0.3以上1.5以下、G濃度が0.2以上1.5以下又はB濃度が0.15以上1.5以下の範囲になるように補正用画像を記録させるよう制御する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0068】
請求項18に記載の発明によれば、他色に対して極端に高濃度とならないため、感光材料の発色色素が形成する副吸収の影響を低減させることができる。また、色にごり等の影響を排除することができるため、取得する読取情報がより正確になり、高精度の補正を行うことができる。
【0069】
請求項19に記載の発明は、前記補正用画像の読取情報を取得した後、色変換を行い、各記録素子の記録特性の補正量を求めることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0070】
請求項20に記載の発明は、前記取得された読取情報が積分濃度の場合、前記色変換は、前記積分濃度に基づいて解析濃度を算出することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置である。
【0071】
請求項19、20に記載の発明によれば、色変換を行うことで、他色の濃度ムラが劣悪な場合においても、他色の濃度ムラの影響を排除することができ、正確で高精度な補正を実現することができる。また、濃度ムラが発生した場合でも、少ない補正回数で濃度ムラのない状態に回復させることが可能となる。
【0072】
請求項21に記載の発明は、前記色変換は、1次変換式を用いることを特徴とする請求項19又は20に記載の画像形成装置である。
【0073】
請求項21に記載の発明によれば、比較的簡単な方法により、他色の濃度ムラの影響を排除することができ、短時間で高精度な補正を実現することができる。
【0074】
請求項22に記載の発明は、カラーバランスのセットアップが完了した後に、前記補正用画像を記録することを特徴とする請求項16〜21のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0075】
請求項22に記載の発明によれば、各基本色のカラーバランスが合い、極端に他色の影響を受けないため、補正精度がさらに向上する。
【0076】
請求項23に記載の発明は、前記補正用画像の読取情報を取得する部分は、前記複数のプリントヘッドで感光材料に記録された像が重なっている状態で構成されていることを特徴とする請求項16〜22のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0077】
請求項23に記載の発明によれば、各プリントヘッドが感光材料に記録した像構造の差がもたらす読取情報のバラツキを低減させることができるため、補正の精度が向上する。
【0078】
請求項24に記載の発明は、前記補正用画像を、押圧部材を用いて前記画像読取装置に固定することを特徴とする請求項16〜23のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0079】
請求項24に記載の発明によれば、画像のエッジの判定を正確に行うことができるようになり、補正の精度が向上する。また、補正用画像の浮きを抑えることにより、低周波成分の濃度ムラを低減させることができる。
【0080】
請求項25に記載の発明は、前記補正用画像は、記録されるライン数が50以上1000以下の範囲であることを特徴とする請求項16〜24のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0081】
請求項25に記載の発明によれば、ライン数を50以上とすることにより、データ数を確保し、読取情報のデータの平均を安定させることができるため、高周波成分の濃度ムラを低減させることができる。また、データ数を多くしすぎても、読取情報のデータの平均は収束してしまうため、ライン数を1000以下とすることにより、使用しない部分を減らし、計算時間を短くすることができる。
【0082】
請求項26に記載の発明は、前記補正用画像に記録されたライン数の10%以上を前記読取情報の取得に用いることを特徴とする請求項25に記載の画像形成装置である。
【0083】
請求項26に記載の発明によれば、記録されたライン数の10%以上を読取情報の取得に用いることによって、補正用画像を小さくすることができ、画像読取装置の小型化が可能となる。
【0084】
請求項27に記載の発明は、前記感光材料は、ハロゲン化銀感光材料であることを特徴とする請求項16〜26のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0085】
請求項27に記載の発明によれば、感光材料としてハロゲン化銀感光材料を用いるので、濃度ムラ低減に効果的である。
【0086】
請求項28に記載の発明は、前記感光材料は、反射支持体を有することを特徴とする請求項16〜27のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0087】
請求項28に記載の発明によれば、感光材料が反射支持体を有するので、濃度ムラ低減に効果的である。
【0088】
請求項29に記載の発明は、前記補正用画像の濃度は、前記感光材料の特性曲線の直線部分に設定されていることを特徴とする請求項16〜28のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0089】
請求項29に記載の発明によれば、高濃度、又は低濃度の部分を使用して補正を行った場合と比較して、階調特性が硬調に変化する部分、すなわち、露光量の変化に対する画像濃度の変化が大きい部分を用いるため、補正の精度を向上させることができる。
【0090】
請求項30に記載の発明は、前記補正用画像は、対応する記録素子を決定させるための位置決定用マーカーを有し、前記位置決定用マーカーを用いて前記対応する記録素子を決定することを特徴とする請求項16〜29のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0091】
請求項30に記載の発明によれば、位置決定用マーカーを用いて対応する記録素子を決定することができるので、取得した読取情報から求める補正量により、各記録素子に対して、正確なフィードバックを行うことが可能となる。
【0092】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0093】
図1に、実施の形態における画像形成装置10の概略構成を示す。図1に示すように、画像形成装置10は、支持ドラム1、赤色プリントヘッド30a、緑色プリントヘッド30b、青色プリントヘッド30c、プリントヘッド制御部40、補正処理部60、フラットベッドスキャナ70等を備えて構成されている。
【0094】
支持ドラム1は、図示しない駆動源によって回転する搬送手段である。図示しないロールから繰り出されるハロゲン化銀感光材料であるカラー写真用印画紙(以下、印画紙という。)2を矢印方向へ搬送する。
【0095】
赤色プリントヘッド30a、緑色プリントヘッド30b、青色プリントヘッド30cは、それぞれ複数の記録素子をアレイ状に配列したプリントヘッドである。
ここで、アレイ状とは、図2(a)に示すような直線状だけではなく、図2(b)のような千鳥配列や、図2(c)のような配列も含む。また、それぞれにおいて、各記録素子に図示したような番号をふり、記録素子配列方向の隣接素子とは番号のとなりの素子を指す。
【0096】
赤色プリントヘッド30aには、LED(Light Emitting Diode)光源が用いられている。また、緑色プリントヘッド30b及び青色プリントヘッド30cには、比較的高輝度、高速応答でカラーフィルタにより容易に色分解できる真空蛍光プリントヘッド(Vacuum Fluorescent Print Head:VFPH)が採用される。
【0097】
プリントヘッド制御部40は、RGB各色の画像データを、印画紙2の所定位置に記録するように、赤色プリントヘッド30a、緑色プリントヘッド30b及び青色プリントヘッド30cに対して色毎にタイミングを順次ずらしながら記録制御を行う。
【0098】
補正処理部60は、赤色プリントヘッド30a、緑色プリントヘッド30b及び青色プリントヘッド30cの各記録素子の発光特性の補正を行わせるための補正量を濃度データから算出してプリントヘッド制御部40に出力する。
【0099】
フラットベッドスキャナ70は、光源、CCD(Charge Coupled Device)、A/Dコンバータ等により構成される画像読取装置である。フラットベッドスキャナ70は、原稿台に載置された原稿に光源からの光を照射し、その反射光をCCDにより電気信号(アナログ信号)に変換することにより読取情報を取得する。取得した読取情報は、A/Dコンバータにより、デジタルデータに変換される。このデジタルデータは、RGB3つの色成分毎の濃度を示す測定データ(以下、濃度データという。)として、補正処理部60へ送られる。
【0100】
図1に示すように、支持ドラム1により、ロールから繰り出される印画紙2が矢印方向へ搬送されると、赤色プリントヘッド30a、緑色プリントヘッド30b及び青色プリントヘッド30cがプリントヘッド制御部40によって画像データに応じて露光制御されて、印画紙2の所定位置に色毎に順次露光され、印画紙2にカラー画像の潜像が形成される。その露光プロセスが終了すると、印画紙2は支持ドラム1によって次の処理工程の現像プロセスへ搬送される。印画紙2はロール状に限らず、カット紙であってもよい。印画紙2の搬送手段はベルトにのせて搬送する等、他の手段であってもよい。
【0101】
図3に、1色分のプリントヘッド30の画像データ書き込み動作を説明する駆動制御回路ブロック図を示す。図3に示すように、プリントヘッド制御部40は、各色毎に8ビットのデジタル値で階調を表した画像データが入力されると、補正処理部60により生成される補正量に基づいて、画像データに対して補正処理を行い、個々の記録素子に対する1ライン分のシリアルのデジタル画像データに変換するとともに、画像ビットデータをラッチ回路32への転送するためのセットパルス信号と、発光時間を制御するためのイネーブル信号を生成して1色分のプリントヘッド30に出力する。ここで、画像ビットデータとは、画像データのうちの特定ビットのデータをいう。
【0102】
プリントヘッド30において、プリントヘッド制御部40から1ライン分の画像ビットデータとして、まずMSB(Most Significant Bit:最上位ビット)のデータがシフトレジスタ31に転送される。セットパルス信号がラッチ回路32に入力されると、そのセットパルス信号に同期してMSBのデータがラッチ回路32に1ライン分まとめてラッチされる。そして、階調に応じたイネーブル信号がドライバ回路33に入力されることにより、イネーブル信号の時間幅の区間に、プリントヘッド30の各記録素子毎に駆動制御され、ラッチされた画像データに応じた発光が行われる。すなわち、ドライバ回路33が、記録素子アレイ34に対して、ラッチされたデータが”1”である素子に選択的に駆動信号を送出し、イネーブル信号の時間幅だけ発光させる。照射光はセルフォックレンズアレイ35を介して印画紙2に結像し、潜像を形成する。このような処理をMSBからLSB(Least Significant Bit:最下位ビット)まで順次全ビットに対して行う。ビットの順番はLSBから処理を始めても他の順番でもよく、限定されない。なお、以上1色について説明したが、3色とも同様の制御が行われる。
【0103】
なお、緑色プリントヘッド30b及び青色プリントヘッド30cには、セルフォックレンズアレイ35の下部に図示しないそれぞれ緑色、青色の色分解フィルタが配置されている。
【0104】
次に、プリントヘッド30の各記録素子の記録特性のバラツキを補正する方法について説明する。この補正は、プリントヘッド30の個々の記録素子の発光バラツキを低減させ、均一な露光量を得るために行われる。
【0105】
まず、補正用画像について説明する。補正用画像が記録された印画紙を以下、チャートという。
【0106】
図4(a)に示すように、本実施の形態では、補正用画像として、赤色プリントヘッド30a、緑色プリントヘッド30b、青色プリントヘッド30cが同一箇所に記録を行い、各基本色の色素であるシアン色素、マゼンタ色素、イエロー色素が発色した画像、すなわち、グレイ色の画像を用いる。なお、補正用画像は、異なる基本色間で1ドット毎の発色領域同士が重なっていることとするが、各プリントヘッド30の記録素子の発色領域の違いにより、全ての領域が重なっていなくてもよい。
【0107】
補正用画像は、記録素子の配列方向に少なくとも1記録素子以上の間隔をあけたもの等、記録素子の配列方向にとびとびに記録を行った画像でも良いが、間隔があいていないベタ状の画像であることが好ましい。また、記録素子の配列方向において、できる限り同一の濃度であることが好ましい。したがって、補正用画像は、ほぼ均一なグレイ色のベタ状の画像であることが望ましい。また、一般の画像ではなく、主にプリントヘッド30の濃度ムラ補正のために使用されるものが好ましい。
【0108】
感光材料がロール状ではなく、カット搬送等のシート状である場合には、現像処理液による汚れを防ぐために、補正用画像は、搬送方向においてチャートの中央部に記録されることが好ましく、先頭方向側に画像が記録されていない部分を有することが好ましい。また、フラットベッドスキャナ70において画像を読み取る際に、先頭部分にはバラツキがあるため、チャートの先頭方向側に画像が記録されていないことが好ましい。
【0109】
また、補正用画像は、チャートの複数の場所に、複数の画像データ、すなわち、複数の濃度で感光材料に記録されることが好ましい。また、より低い濃度で記録された部分が先に処理を行われるように現像処理機へ搬送されることが現像性の点から好ましい。
【0110】
濃度測定を行う範囲はできる限り広範囲であり、多数の場所であることが好ましい。ただし、補正用画像が大きくなるほど、画像の形成や読み取りに時間を要し、また、ロスペーパーも増加するため、補正処理に十分なサイズ以上の大きさでは、印画紙や時間を余分に要することになる。また、データ数がある値以上になると、結果は収束してしまうため、データを多く取っても無駄になってしまう。
【0111】
そこで、記録されるライン数が50以上1000以下の範囲であることが好ましく、50以上200以下であることがより好ましく、60以上100以下の範囲であることがさらに好ましい。ここで、ライン数とは、記録素子の配列方向に対する垂直方向における画素数をいう。また、記録されたライン数の10%以上90%以下が補正量を求めるために濃度測定を行われることが好ましく、記録されたライン数の20%以上80%以下が補正量を求めるために濃度測定を行われることがより好ましい。
【0112】
補正用画像は、フラットベッドスキャナ70等の画像読取装置や濃度測定装置により測定される濃度範囲が、R濃度で0.3以上1.5以下が好ましく、0.4以上1.0以下がより好ましく、0.5以上0.7以下が最も好ましい。また、G濃度で0.2以上1.5以下が好ましく、0.3以上0.8以下がより好ましく、0.4以上0.6以下が最も好ましい。また、B濃度で0.15以上1.5以下が好ましく、0.3以上1.0以下がより好ましく、0.4以上0.6以下が最も好ましい。
【0113】
チャートの大きさに関しては、例えば、印画紙がカット後に記録される場合には、プリントヘッド30の記録素子配列方向に対する垂直方向の長さ(LV)は、プリントヘッド30の記録素子配列方向の長さ(LH)に対してあまり長くないことが好ましく、感光材料の搬送性、ロスペーパー低減、現像処理に及ぼす影響等の観点から、LV/LHが2.0倍以内が好ましく、1.2倍以内がより好ましく、0.9倍以内がさらに好ましい。
【0114】
図4(a)に示すように、チャートは、各プリントヘッド30の各記録素子の位置を特定するために使用するマーカー段を有することが好ましい。記録素子配列方向のマーカーの間隔は、細かい方がよい。例えば、マーカーの間隔は10画素以内であることが好ましく、5画素以内がより好ましく、さらには1画素間隔であることが最も好ましい。1画素間隔とは記録素子の配列方向に、ON、OFF、ON、OFFを繰り返していることを意味している。
【0115】
また、プリントヘッド30の取り付け位置に多少の誤差を含むことが懸念されるため、プリントヘッド30毎に単色のマーカーを有することが好ましい。図4(b)にマーカー段の拡大図を示す。図4(b)に示すように、赤色プリントヘッド30aの各記録素子の位置を特定するためのマーカー(シアン)、緑色プリントヘッド30bの各記録素子の位置を特定するためのマーカー(マゼンタ)、青色プリントヘッド30cの各記録素子の位置を特定するためのマーカー(イエロー)が記録されている。
【0116】
チャートにおいて、補正用の濃度測定場所が複数箇所に記録されて構成されている場合には、濃度測定場所の近傍にマーカー段を存在させることが好ましい。
また、図4(a)のように、ベタ画像とベタ画像の間に存在させることが好ましい。また、図4(a)のチャートでは、マーカー段は1か所のみであるが、複数箇所に存在してもよい。複数のマーカー段が存在する場合には、計算を簡易化するため、同一の記録素子番号の記録素子がマーカーを記録することが好ましい。
【0117】
また、チャートは、対応する記録素子を決定するための位置決定用マーカーを有することが好ましい。位置決定用マーカーは、通常のマーカーと明確に異なる状態であればどのようなものでもよく、例えば、通常のマーカーと大きく異なる濃度で感光材料に記録されているものでもよい。
【0118】
図5(a)に、図4(a)のE部を拡大した模式図を示す。位置決定用マーカーを中心として、記録素子の配列方向に4画素ずつ取った範囲が示されている。
ここでは、図5(a)に示すように、位置決定用マーカーの濃度がほぼ0に近い状態で構成された場合を説明する。補正用画像上のマーカー段において、通常のマーカーが1画素おきに構成されているのに対し(ON、OFF、ON、OFF、・・・)、位置決定用マーカーとして、3画素あいた部分が存在している。この画素の絶対位置、つまり、位置決定用マーカーが対応する記録素子番号を特定する。
【0119】
図5(b)に、フラットベッドスキャナ70により取得された図5(a)の補正用画像に対応する濃度データを示す。なお、補正用画像は300dpiで印画紙に記録されているのに対し、フラットベッドスキャナ70により600dpiで濃度測定が行われている。位置決定用マーカーの部分では、低濃度の部分が連続するため、位置決定用マーカーの位置を特定することができる。マーカーの絶対位置を決定することができるため、前後の画素に対して記録素子番号を決定することができる。したがって、測定した濃度から求める補正量により、各記録素子に対して、正確なフィードバックを行うことができる。
【0120】
次に、画像形成装置10が行う記録素子の補正処理の手順について説明する。図6に示すように、まず、補正用画像が記録されたチャートが出力される(ステップS1)。チャートがフラットベッドスキャナ70にセットされ、補正用画像の濃度測定場所のスキャンが行われ、濃度が測定される(ステップS2)。具体的には、濃度測定場所の各位置における各基本色RGBに対応した濃度データが出力される。各記録素子に対応する補正用画像の濃度を精度よく得るために、フラットベッドスキャナ70は、プリントヘッド30が記録を行う解像度よりも高解像度で補正用画像の読み込みを行うことが好ましい。
【0121】
チャートが長方形である場合、フラットベッドスキャナ70にセットする際の傾きに対する許容度の点から、チャートの長い方の辺をフラットベッドスキャナ70のCCDの配列方向と同一にすることが好ましい。
【0122】
次に、スキャンした画像の傾きが判定される(ステップS3)。
そして、マーカー段の濃度データの連続する低濃度部分から位置決定用マーカー(3画素あいた部分)の位置が特定され、前後の記録素子番号が決定される。こうして、赤色プリントヘッド30a、緑色プリントヘッド30b、青色プリントヘッド30cの各記録素子に対応する濃度データが特定される(ステップS4)。
【0123】
補正量の算出はプリントヘッド30毎に行われる。プリントヘッド30の記録素子iに対応する濃度データをDとおく。記録素子iに対する同一の画像データの濃度データが複数ある場合は、平均をとることとしてもよいし、中央値等の代表値を用いてもよい。
【0124】
次に、濃度データDの記録素子の配列方向の平均値Dが算出される(ステップS5)。そして、平均値Dと、記録素子iの濃度データDが比較され(ステップS6)、記録素子iの補正量C=D/Dが算出される(ステップS7)。
【0125】
画像形成装置10により画像が形成される際には、プリントヘッド制御部40によって、画像データと、補正処理部60により算出された補正量Cと、が乗算され、プリントヘッド30へ出力される。
【0126】
なお、記録素子の補正処理が行われる前に、カラーバランスのセットアップが完了していることが望ましい。各基本色の画像データに対して所望の濃度になるように、各プリントヘッド30の記録量、若しくは露光量の平均値を調整する等して、各プリントヘッド30間のカラーバランスを調整しておく。また、RGBそれぞれで調整できることが好ましい。
【0127】
以下、画像形成装置10を用いて画像出力を行った種々の実験結果を示す。
【0128】
(実験例1)
実験例1では、補正の状態が比較的良好な状態で、▲1▼RGB単色の補正用画像を用いた場合(図7参照)と、▲2▼混色(グレイ色)の補正用画像を用いた場合(図4参照)で補正を行い、補正後、濃度ムラの比較評価を行った。図7に示すRGB単色の補正用画像は、赤色プリントヘッド30aにより記録されたR濃度測定場所(シアン)と、緑色プリントヘッド30bにより記録されたG濃度測定場所(マゼンタ)と、青色プリントヘッド30cにより記録されたB濃度測定場所(イエロー)を有している。評価用画像として、グレイのグラデーションを含む人物画像を用い、目視評価を行った。以下の実験例においても、濃度ムラの評価には、この評価用画像を用いた。
【0129】
図8に、実験例1の評価結果を示す。評価結果は、
◎:濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質である。
○:低周波成分の濃度ムラが部分的に確認されるものの、非常に良好な画質である。
△:低周波成分の濃度ムラがわずかに確認されるものの、良好な画質である。
×:濃度ムラが確認され、好ましくない画質である。
××:濃度ムラが明らかに確認され、劣悪な画質である。
の5段階で示す。以下の実験結果においても同様とする。
【0130】
図8に示すように、濃度ムラ、特に、低周波成分の濃度ムラの評価において、▲2▼グレイ色の補正用画像では、濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質であったが(◎)、▲1▼RGB単色の補正用画像では、濃度ムラが確認され、好ましくない画質であった(×)。また、エッジ部の濃度ムラの評価において、▲2▼グレイ色の補正用画像では、濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質であったが(◎)、▲1▼RGB単色の補正用画像では、濃度ムラが明らかに確認され、劣悪な画質であった(××)。さらに、▲2▼グレイ色の補正用画像を用いた場合には、画像の大きさが小さくてすむので、補正時間は、▲1▼RGB単色の補正用画像を用いた場合の70%程度に低減した。
【0131】
実験例1の結果に示されるように、グレイ色の補正用画像を用いることによって、補正用画像から読み取った各基本色の濃度に他色の濃度ムラの影響が含まれているため、効率よく濃度ムラ、特に低周波成分の濃度ムラを低減させることができた。また、RGBの3色が同時にエッジ部を形成するため、安定したエッジの判定を実現することができた。
【0132】
また、RGBの像が重なっているベタ状の補正用画像を用いることにより、各プリントヘッドが感光材料に記録した像構造の差がもたらす濃度の測定のバラツキを低減させることができ、補正の精度が向上した。
【0133】
また、グレイ色の補正用画像は、RGB3色別々に補正用の画像を作成する場合と比較して、補正用画像の小型化が可能となり、補正を行う際に、読み込みを行う範囲を比較的小さくすることができるため、補正計算時間を短縮することができた。
【0134】
(実験例2)
実験例2では、補正の状態が非常に劣悪な状態で、グレイ色の補正用画像を用い、測定した濃度に対して▲1▼色変換を行った場合と、▲2▼色変換を行わなかった場合で、目視評価において濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数を求めた。また、比較例として、▲3▼RGB単色の補正用画像を用いた場合の実験を行った。
【0135】
色変換には、変換前の読取濃度(積分濃度)をRorg,Gorg,Borg、変換後の濃度(解析濃度)をR’,G’,B’として、下記の変換式(1)を用いた。
R’= ar・(Rorg)br + cr・(Gorg)dr + er・(Borg)fr + gr
G’= ag・(Rorg)bg + cg・(Gorg)dg + eg・(Borg)fg + gg (1)
B’= ab・(Rorg)bb + cb・(Gorg)db + eb・(Borg)fb + gb
ただし、ar,br,・・・,gbは定数である。本実験例2においては、下記の値を用いた。
ar=1.10, br=0.98, cr=−0.25, dr=1.03, er=0.02, fr=1.02, gr=0.02,ag=−0.30, bg=0.99, cg=1.02, dg=1.00, eg=−0.20, fg=1.01, gg=0.01,ab=0.05, bb=1.00, cb=−0.25, db=1.02, eb=1.08, fb=0.99, gb=−0.02さらに、必要な回数、補正を行った後、実験例1と同様の濃度ムラの評価を行った。
【0136】
図9に、実験例2の評価結果を示す。濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数は、▲1▼色変換を行った場合は3回、▲2▼色変換を行わなかった場合は5回であった。▲3▼RGB単色の補正用画像を用いた場合は、補正を9回行っても、それ以上濃度ムラの改善が見られなかったため、実験を打ち切った。
【0137】
濃度ムラの評価において、▲1▼色変換を行った場合には、濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質(◎)、▲2▼色変換を行わなかった場合には、低周波成分の濃度ムラが部分的に確認されるものの、非常に良好な画質(○)、▲3▼RGB単色の補正用画像を用いた場合には、濃度ムラが確認され、好ましくない画質であった(×)。積分濃度から解析濃度を算出すること、すなわち、色変換を行うことにより、効率よく補正を行うことができた。
【0138】
実験例2の結果に示されるように、色変換を行うことで、補正の状態が非常に劣悪な状態であっても、他色の濃度ムラの影響を排除することができ、正確で高精度な補正を実現することができた。また、濃度ムラが発生した場合でも、少ない補正回数で濃度ムラのない状態に回復させることが可能となった。
【0139】
(実験例3)
実験例3では、下記の変換式(2)を用いて、実験例2と同様の実験を行った。つまり、補正の状態が非常に劣悪な状態で、グレイ色の補正用画像を用い、測定した濃度に対して▲1▼色変換を行った場合と、▲2▼色変換を行わなかった場合で、目視評価において濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数を求め、濃度ムラの評価を行った。また、比較例として、▲3▼RGB単色の補正用画像を用いた場合の実験を行った。
【0140】
Rorg,Gorg,Borgは積分濃度、R’,G’,B’は解析濃度、ar,cr,er,ag,cg,eg,ab,cb,ebは定数である。
R’= ar・Rorg + cr・Gorg + er・Borg
G’= ag・Rorg + cg・Gorg + eg・Borg (2)
B’= ab・Rorg + cb・Gorg + eb・Borg
本実験例3においては、下記の値を用いた。
ar=1.05, cr=−0.30, er=0.05,
ag=−0.25, cg=1.00, eg=−0.15,
ab=0.05, cb=−0.30, eb=1.05
【0141】
実験例3における必要な補正回数及び濃度ムラの評価は、実験例2の結果と同じであったが、上記式(2)の1次変換式を用いて色変換を行った場合には、実験例2の式(1)の変換式を用いて色変換を行った場合と比較して、計算時間が70%程度に低減した。
【0142】
したがって、上記の変換式(2)を用いることによって、比較的簡単な方法により、他色の濃度ムラの影響を排除することができ、短時間で高精度な補正を実現することができた。
【0143】
(実験例4)
実験例4では、フラットベッドスキャナ70により補正用画像を読み取る際の押圧部材の効果を評価した。押圧部材として、帯電性が低く、ほぼ均一の濃度の黒いゴムを用い、補正用画像を読み取る際に黒いゴムでチャートを押さえてセットした。
【0144】
押圧部材を用いることにより、画像のエッジの判定を正確に行うことができるようになり、ペーパーの浮き、曲がりが減少するため、低周波成分のムラが低減し、補正の精度が向上した。
【0145】
(実験例5)
実験例5では、補正用画像のライン数と、濃度測定に使用するライン数の割合を図10に示すような条件で変化させて、目視評価において濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数を求め、高周波成分の濃度ムラに着目して実験例1と同様な評価基準で補正後の濃度ムラの評価を行った。
【0146】
図10に、実験例5の評価結果を示す。濃度測定に使用するライン数の割合が75%の場合において、ライン数が40のときよりもライン数が50のときのほうが、濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数が少なく、濃度ムラも少なかった。さらに、ライン数が60のときのほうが、必要な補正回数がより少なく、濃度ムラの評価においても濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質であった。
【0147】
また、ライン数が1050のときよりもライン数が1000のときのほうが、濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数が少なく、濃度ムラも少なかった。
さらに、ライン数が200のときのほうが、必要な補正回数がより少なかった。
さらに、ライン数が100のときのほうが、必要な補正回数がより少なく、濃度ムラの評価においても濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質であった。
【0148】
ライン数が50の場合、濃度測定に使用するライン数の割合が5%のときよりも10%のときのほうが必要な補正の回数が少なく、濃度ムラも少なかった。さらに、使用率が20%のときのほうが、必要な補正回数がより少なく、濃度ムラの評価においても濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質であった。
【0149】
また、ライン数が1000の場合、濃度測定に使用するライン数の割合が95%のときよりも90%のときのほうが必要な補正の回数が少なく、濃度ムラも少なかった。さらに、使用率が80%のときのほうが、必要な補正回数がより少なく、濃度ムラの評価においても濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質であった。
【0150】
実験例5の結果に示されるように、補正用画像のライン数を50以上とし、幅を広くすることにより、データ数を確保し、濃度のデータの平均を安定させることができるため、高周波成分の濃度ムラを低減させることができた。また、ライン数を1000以下とすることにより、使用しない部分を減らし、計算時間を短くすることができた。
【0151】
また、記録されたライン数の10%以上を濃度測定に用いることによって、補正用画像を小さくすることができた。そのため、計算時間が短縮され、ロスペーパーを低減させることができた。
【0152】
(実験例6)
実験例6では、補正用画像の濃度の違いによる濃度ムラの評価を行った。図11の感光材料の特性曲線に示すように、露光量がある値(A点)以上になるまでは、光が作用してもその効果が濃度増加となって現れない(a部)。ある露光量に達すると、露光量が増すにつれて濃度が増加し始める。A点からB点までは、特性曲線が下に凸の曲線となる(b部)。B点からC点までは、特性曲線は直線状となり、露光量の対数の変化に対する濃度の変化が一定となる(c部)。露光量がC点以上になると、露光量の対数の増加に対する濃度増加が少なくなり、特性曲線が上に凸の曲線となる(d部)。つまり、c部(中間濃度)では、b部(低濃度)やd部(高濃度)と比較して、露光量の変化に対する画像濃度の変化が大きい。
【0153】
実験例6では、補正用画像の濃度が▲1▼低濃度(b部)の場合、▲2▼中間濃度(c部;直線部)の場合、▲3▼高濃度(d部)の場合、の3種類で比較を行った。
【0154】
図12に、実験例6の評価結果を示す。▲1▼低濃度(b部)の場合、低周波成分の濃度ムラが部分的に確認された(○)。▲2▼中間濃度(c部;直線部)の場合、濃度ムラは全くなく、極めて良好な画質であった(◎)。▲3▼高濃度(d部)の場合、低周波成分の濃度ムラがわずかに確認された(△)。
【0155】
したがって、補正用画像の濃度を感光材料の特性曲線の直線部分に設定することにより、階調特性が硬調に変化する部分、すなわち、露光量の変化に対する画像濃度の変化が大きい部分を用いることができるため、補正の精度が向上した。
【0156】
(実験例7)
実験例7では、補正用画像の各色成分の濃度(R濃度、G濃度、B濃度)の範囲を変化させて、目視評価において濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数を求め、補正後の濃度ムラの評価を行った。
【0157】
図13に、実験例7の評価結果を示す。G濃度を0.45、B濃度を0.45として、R濃度を変化させた場合、R濃度が0.20、0.30、0.40、0.50と高くなるにつれて濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数はより少なく、濃度ムラの評価においてもより良好な画像になっていった。また、R濃度が1.60、1.50、1.00、0.70と低くなるにつれて必要な補正回数はより少なく、濃度ムラの評価においてもより良好な画像になっていった。
【0158】
また、R濃度を0.65、B濃度を0.45として、G濃度を変化させた場合、G濃度が0.10、0.20、0.30、0.40と高くなるにつれて濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数はより少なく、濃度ムラの評価においてもより良好な画像になっていった。また、G濃度が1.60、1.50、0.80、0.60と低くなるにつれて必要な補正回数はより少なく、濃度ムラの評価においてもより良好な画像になっていった。
【0159】
また、R濃度を0.65、G濃度を0.45として、B濃度を変化させた場合、B濃度が0.10、0.15、0.30、0.40と高くなるにつれて濃度ムラがなくなるまでに必要な補正の回数はより少なく、濃度ムラの評価においてもより良好な画像になっていった。また、B濃度が1.60、1.50、1.00、0.60と低くなるにつれて必要な補正回数はより少なく、濃度ムラの評価においてもより良好な画像になっていった。
【0160】
実験例7の結果に示されるように、補正用画像のR濃度を0.3以上1.5以下、G濃度を0.2以上1.5以下又はB濃度を0.15以上1.5以下の範囲に設定することにより、他色に対して極端に高濃度とならないため、感光材料の発色色素が形成する副吸収の影響を低減させることができ、また、色にごり等の影響を排除することができるため、測定した濃度がより正確になり、高精度の補正を行うことができることがわかった。
【0161】
(実験例8)
実験例8では、各記録素子のバラツキを低減させる補正を行う前に、カラーバランスのセットアップを行った場合と行わなかった場合を比較評価した。
【0162】
実験例8の結果、カラーバランスのセットアップを完了した後に補正を行うことにより、RGB3色のカラーバランスが合い、極端に他色の影響を受けないため、補正精度がさらに向上することが判明した。
【0163】
なお、以上の実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の実施の形態における画像形成装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0164】
例えば、記録素子をアレイ状に配列したプリントヘッドは、所望の解像度を得るために複数の記録素子を所定間隔で1列または複数列に配列したものであればよい。アレイ状に配列したプリントヘッドの好ましい例として、LED発光素子や真空蛍光管を配列したものの他に、適当なバックライトを用いたPLZTプリントヘッド、液晶シャッターアレイプリントヘッド等の光シャッターアレイ、半導体レーザーをアレイ状に配列したもの、サーマルヘッド、有機EL材料等のエレクトロルミネッセンス現象を利用した発光素子等が挙げられる。
【0165】
また、画像形成装置としては、ハロゲン化銀感光材料に各種記録素子アレイで記録を行う装置の他、昇華性インクを用いてサーマルヘッドで記録する装置等、複数階調の画像を形成できる装置が好ましい。
【0166】
また、上記の実施の形態においては、通常のマーカーと並列して位置決定用マーカーが構成された例を示したが、補正画像上のどこに存在してもよい。また、位置決定用マーカーは、1つのみでもよいが、複数個存在することとしてもよく、プリントヘッド毎に存在することが好ましい。
【0167】
また、上記の実施の形態においては、画像から取得する読取情報として、RGB各色の濃度データを用いたが、読取情報は濃度に限定されず、反射率、透過率、光吸収率等であってもよいし、これらに対応する関数値であってもよい。
【0168】
【発明の効果】
請求項1、2、16、17に記載の発明によれば、補正用画像から読み取った各基本色の読取情報に他色の濃度ムラの影響が含まれているため、効率よく濃度ムラ、特に低周波成分の濃度ムラを低減させることができる。
【0169】
また、各基本色が同時にエッジ部を形成するため、誤判定の可能性が低下し、安定したエッジの判定を実現することができる。
【0170】
さらに、基本色毎に補正用の画像を作成する場合と比較して、補正用画像の小型化が可能となり、補正を行う際に、読み込みを行う範囲を比較的小さくすることができるため、補正計算時間を短縮することができる。また、ロスペーパーを低減させ、生産性を向上させることができる。
【0171】
請求項3、18に記載の発明によれば、他色に対して極端に高濃度とならないため、感光材料の発色色素が形成する副吸収の影響を低減させることができる。また、色にごり等の影響を排除することができるため、取得する読取情報がより正確になり、高精度の補正を行うことができる。
【0172】
請求項4、5、19、20に記載の発明によれば、色変換を行うことで、他色の濃度ムラが劣悪な場合においても、他色の濃度ムラの影響を排除することができ、正確で高精度な補正を実現することができる。また、濃度ムラが発生した場合でも、少ない補正回数で濃度ムラのない状態に回復させることが可能となる。
【0173】
請求項6、21に記載の発明によれば、比較的簡単な方法により、他色の濃度ムラの影響を排除することができ、短時間で高精度な補正を実現することができる。
【0174】
請求項7、22に記載の発明によれば、各基本色のカラーバランスが合い、極端に他色の影響を受けないため、補正精度がさらに向上する。
【0175】
請求項8、23に記載の発明によれば、各プリントヘッドが感光材料に記録した像構造の差がもたらす読取情報のバラツキを低減させることができるため、補正の精度が向上する。
【0176】
請求項9、24に記載の発明によれば、画像のエッジの判定を正確に行うことができるようになり、補正の精度が向上する。また、補正用画像の浮きを抑えることにより、低周波成分の濃度ムラを低減させることができる。
【0177】
請求項10、25に記載の発明によれば、ライン数を50以上とすることにより、データ数を確保し、読取情報のデータの平均を安定させることができるため、高周波成分の濃度ムラを低減させることができる。また、データ数を多くしすぎても、読取情報のデータの平均は収束してしまうため、ライン数を1000以下とすることにより、使用しない部分を減らし、計算時間を短くすることができる。
【0178】
請求項11、26に記載の発明によれば、記録されたライン数の10%以上を読取情報の取得に用いることによって、補正用画像を小さくすることができ、画像読取装置の小型化が可能となる。
【0179】
請求項12、27に記載の発明によれば、感光材料としてハロゲン化銀感光材料を用いるので、濃度ムラ低減に効果的である。
【0180】
請求項13、28に記載の発明によれば、感光材料が反射支持体を有するので、濃度ムラ低減に効果的である。
【0181】
請求項14、29に記載の発明によれば、高濃度、又は低濃度の部分を使用して補正を行った場合と比較して、階調特性が硬調に変化する部分、すなわち、露光量の変化に対する画像濃度の変化が大きい部分を用いるため、補正の精度を向上させることができる。
【0182】
請求項15、30に記載の発明によれば、位置決定用マーカーを用いて対応する記録素子を決定することができるので、取得した読取情報から求める補正量により、各記録素子に対して、正確なフィードバックを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置10の概略構成図である。
【図2】アレイ状プリントヘッドの記録素子の配列を説明するための図である。
【図3】画像形成装置10のプリントヘッド30の画像データ書き込み動作を説明する駆動制御回路ブロック図である。
【図4】グレイ色の補正用画像が記録されたチャートの模式図である。
【図5】図4(a)のE部を拡大した模式図と濃度データを示す図である。
【図6】画像形成装置10が行う記録素子の補正処理を説明するフローチャートである。
【図7】比較用のRGB単色の補正用画像が記録されたチャートの模式図である。
【図8】実験例1の評価結果を示す図である。
【図9】実験例2の評価結果を示す図である。
【図10】実験例5の評価結果を示す図である。
【図11】感光材料の特性曲線を示す図である。
【図12】実験例6の評価結果を示す図である。
【図13】実験例7の評価結果を示す図である。
【図14】複数のプリントヘッドで感光材料に記録された像が重なっている状態の例を示す図である。
【符号の説明】
1 支持ドラム
2 印画紙
10 画像形成装置
30 プリントヘッド
30a 赤色プリントヘッド
30b 緑色プリントヘッド
30c 青色プリントヘッド
31 シフトレジスタ
32 ラッチ回路
33 ドライバ回路
34 記録素子アレイ
35 セルフォックレンズアレイ
40 プリントヘッド制御部
60 補正処理部
70 フラットベッドスキャナ

Claims (30)

  1. 複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドを用いて感光材料に補正用画像を記録し、画像読取装置を用いて前記補正用画像の読取情報を取得することにより、各記録素子の記録特性の補正量を求め、当該補正量を用いて画像を記録する画像形成方法において、
    前記補正用画像は、前記感光材料の同一箇所に前記複数のプリントヘッドにより記録された画像であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドを用いて感光材料に補正用画像を記録し、画像読取装置を用いて前記補正用画像の読取情報を取得することにより、各記録素子の記録特性の補正量を求め、当該補正量を用いて画像を記録する画像形成方法において、
    前記補正用画像は、イエロー色素、マゼンタ色素、シアン色素のうち少なくとも2以上の色素が混色した画像であることを特徴とする画像形成方法。
  3. 複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドを用いて感光材料に補正用画像を記録し、画像読取装置を用いて前記補正用画像の読取情報を取得することにより、各記録素子の記録特性の補正量を求め、当該補正量を用いて画像を記録する画像形成方法において、
    前記補正用画像は、R濃度が0.3以上1.5以下、G濃度が0.2以上1.5以下又はB濃度が0.15以上1.5以下の範囲であることを特徴とする画像形成方法。
  4. 前記補正用画像の読取情報を取得した後、色変換を行い、各記録素子の記録特性の補正量を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記取得された読取情報が積分濃度の場合、
    前記色変換は、前記積分濃度に基づいて解析濃度を算出することを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記色変換は、1次変換式を用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成方法。
  7. カラーバランスのセットアップが完了した後に、前記補正用画像を記録することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 前記補正用画像の読取情報を取得する部分は、前記複数のプリントヘッドで感光材料に記録された像が重なっている状態で構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記補正用画像を、押圧部材を用いて前記画像読取装置に固定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 前記補正用画像は、記録されるライン数が50以上1000以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  11. 前記補正用画像に記録されたライン数の10%以上を前記読取情報の取得に用いることを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  12. 前記感光材料は、ハロゲン化銀感光材料であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  13. 前記感光材料は、反射支持体を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  14. 前記補正用画像の濃度は、前記感光材料の特性曲線の直線部分に設定されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  15. 前記補正用画像は、対応する記録素子を決定させるための位置決定用マーカーを有し、
    前記位置決定用マーカーを用いて前記対応する記録素子を決定することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  16. 感光材料に補正用画像を記録可能な複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドと、
    前記補正用画像の読取情報を取得する画像読取装置と、
    前記取得された読取情報に基づいて各記録素子の記録特性の補正量を求める補正処理部と、を備える画像形成装置において、
    前記複数のプリントヘッドに、前記感光材料の同一箇所に対して補正用画像を記録させるよう制御する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  17. 感光材料に補正用画像を記録可能な複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドと、
    前記補正用画像の読取情報を取得する画像読取装置と、
    前記取得された読取情報に基づいて各記録素子の記録特性の補正量を求める補正処理部と、を備える画像形成装置において、
    前記複数のプリントヘッドに、イエロー色素、マゼンタ色素、シアン色素のうち少なくとも2以上の色素が混色した補正用画像を記録させるよう制御する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  18. 感光材料に補正用画像を記録可能な複数の記録素子をアレイ状に配列した複数のプリントヘッドと、
    前記補正用画像の読取情報を取得する画像読取装置と、
    前記取得された読取情報に基づいて各記録素子の記録特性の補正量を求める補正処理部と、を備える画像形成装置において、
    前記複数のプリントヘッドに、R濃度が0.3以上1.5以下、G濃度が0.2以上1.5以下又はB濃度が0.15以上1.5以下の範囲になるように補正用画像を記録させるよう制御する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  19. 前記補正用画像の読取情報を取得した後、色変換を行い、各記録素子の記録特性の補正量を求めることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  20. 前記取得された読取情報が積分濃度の場合、
    前記色変換は、前記積分濃度に基づいて解析濃度を算出することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  21. 前記色変換は、1次変換式を用いることを特徴とする請求項19又は20に記載の画像形成装置。
  22. カラーバランスのセットアップが完了した後に、前記補正用画像を記録することを特徴とする請求項16〜21のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  23. 前記補正用画像の読取情報を取得する部分は、前記複数のプリントヘッドで感光材料に記録された像が重なっている状態で構成されていることを特徴とする請求項16〜22のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  24. 前記補正用画像を、押圧部材を用いて前記画像読取装置に固定することを特徴とする請求項16〜23のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  25. 前記補正用画像は、記録されるライン数が50以上1000以下の範囲であることを特徴とする請求項16〜24のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  26. 前記補正用画像に記録されたライン数の10%以上を前記読取情報の取得に用いることを特徴とする請求項25に記載の画像形成装置。
  27. 前記感光材料は、ハロゲン化銀感光材料であることを特徴とする請求項16〜26のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  28. 前記感光材料は、反射支持体を有することを特徴とする請求項16〜27のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  29. 前記補正用画像の濃度は、前記感光材料の特性曲線の直線部分に設定されていることを特徴とする請求項16〜28のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  30. 前記補正用画像は、対応する記録素子を決定させるための位置決定用マーカーを有し、
    前記位置決定用マーカーを用いて前記対応する記録素子を決定することを特徴とする請求項16〜29のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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