JP4300161B2 - 加工米飯、加工米飯調理物および加工米飯の製法 - Google Patents
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Description
この米飯を食す場合は、耐熱容器の蓋を少し開けるなどして電子レンジなどで短時間加熱することにより、ホクホクの食感を有するご飯が得られ美味しく食することができる。
また、水洗せず、その後の水使用も禁じ、完全な炊飯を行わずに半煮状態でその後の加熱調理に供するようにした加熱調理用加工米が市販されているが、一般には調理困難であるという問題があった。
本発明の第2の目的は、そのような加工米飯を用いて湯や調味液を添加して加熱調理して得られる加工米飯調理物であって、米粒が原形を留めており、澱粉質が流出してベトついたりせず、ドロドロになったりせず、湯や調味液が濁ったりせず、軟らかくなり過ぎて糊のような食感にならず、食すると適度な歯応えを有する安価で食味・食感に優れる加工米飯調理物を提供することであり、
本発明の第3の目的は、そのような加工米飯を容易に低コストで製造する方法を提供することである。
(1)精白米を常温の水で洗米して表面の糠を除去する洗米工程。
(2)洗米後、浸漬水に浸漬することなく、水切り容器に充填し、米粒の水分含量が当初の10〜24質量%を維持し増加しないように、かつ米粒の膨潤が生じないように常温の水を米粒の周囲に通過させて残りの糠を洗いながし、水切りする水切り工程。
(3)次いで炊飯直前に米に対して0.7〜1.5倍量の炊き水を添加して常圧炊飯する炊飯工程。
(4)炊飯後、無菌設備中でガスバリヤー性耐熱容器中に充填し、完全に密封する包装工程。
(1)精白米を常温の水で洗米して表面の糠を除去する洗米工程。
(2)洗米後、浸漬水に浸漬することなく、水切り容器に充填し、米粒の水分含量が当初の10〜24質量%を維持し増加しないように、かつ米粒の膨潤が生じないように常温の水を米粒の周囲に通過させて残りの糠を洗いながし、水切りする水切り工程。
(3)次いで炊飯直前に米に対して0.7〜1.5倍量の炊き水を添加して常圧炊飯する炊飯工程。
(4)炊飯後、無菌設備中でガスバリヤー性耐熱容器中に充填し、完全に密封する包装工程。
図1は、本発明の加工米飯の断面を模式的に説明する説明図である。
図2は、図1に示した本発明の加工米飯の製造工程の1例を説明する説明図である。
図1に示したように本発明の加工米飯1は、図示しないガスバリヤー性耐熱容器中に充填し、完全に密封した加工米飯であって、米飯の表面近傍2は澱粉のα化が大いに進行しているが、米飯の中心部3は澱粉のα化があまり進行していない。米飯の表面近傍2の澱粉のα化度をA、米飯の中心部3の澱粉のα化度をBとすると、A>Bの関係がある。α化度はジアスターゼ法に準じて測定するものとする。
例えば、所定量の精白米を水切り容器6に充填し、常温の流水で水洗いしながら、攪拌することを数回、約1時間行う。
そして水切り後、米粒の表面が濡れたまま約1時間放置して表面を少し乾燥させる。
この水切り工程(2)においては、米粒の当初の水分含量約10〜24質量%を維持して増加しないように、かつ米粒の膨潤が生じないように行うことが肝要である。
そして排出された米粒を次の貯留タンクに入れたり、次の工程へ移動させる時は、ステンレスメッシュベルトなどを用いるのが好ましい。ステンレスメッシュベルトなどで残留する水をよく切ることができる。
例えば、米国航空宇宙局(NASA)の規格でクラス100〜クラス10000のクリーンルームやクリーンブース内等で無菌充填を行なう。無菌充填を行なう際には使用する設備・包材・容器・脱酸素剤等は充分に滅菌されたものを使用する。
例えば、耐熱容器は、塩化ビニリデンフィルムを中間層とし、上下層には、ポリプロピレンを積層しこれを容器状に成形したものと上蓋フィルム(PET/Kナイロン/ポリエチレン系シーラント)などが使用できる。
またそのままの状態で電子レンジ加熱調理しない場合は、金属箔のラミネート材からなるトレーなどの耐熱容器か、金属箔のラミネート材からなる耐熱プラスチック袋を使用することもできる。
例えば本発明の加工米飯には、米粒の粘着・固着抑制、流動性向上などのためにキサンタンガム、グアガム、タマリンドシードガム、澱粉、ヘミセルロースなどを少量、例えば、加工米飯に対して0.1〜3質量%程度添加することができる。
図3および図4に示したように、10は包装体であり、本発明の加工米飯を充填し密封したガスバリヤー性耐熱容器11の上に、調味液などを充填し密封した包装袋12を載せて、底部側からその上部側を経て底部側にわたるように縦巻き状にするスリーブ型カートン13にて包装してなるものである。
耐熱容器11の内部には、前記のように電子レンジ加熱調理を行なえるように前加工された本発明の加工米飯が充填され、上面開口を柔軟で耐熱性のある樹脂シートからなる蓋材14で覆って、開口周縁をヒートシールして閉じて完全に密封してあるが、蓋材14は必要時に手操作で剥ぎ取ることができるシール強度でヒートシールしてある。
次に、蓋材14を戻して開口を閉じるとともに、カバー部15を戻してそのカバー部15の係止爪16を座部17における係止部18に係止させる。こうすることによりカバー部15は蓋材14を覆うように被せ付けられた状態が維持される。そして、スリーブ型カートン13と耐熱容器11との組み合わせとなった包装体10を前記カバー部15が被せ付けられた形態のまま電子レンジの庫内に入れ、電子レンジ加熱調理を短時間行なう。
加熱が終了したら、包装体10を電子レンジ庫内から取り出し、カバー部15を開き、蓋材14を取り除くことにより、本発明の加工米飯調理物を食することができる。
電子レンジ加熱調理されて熱くなった耐熱容器11に直接触れることなく取り扱うことができるので火傷を防ぐことができる。
引き続き、炊飯直前に米に対して1.0倍量(質量比)の炊き水を添加し、常法に従って水蒸気を用いて常圧炊飯を行った。
炊飯した後、米飯が比較的温かい約60℃以上のうちに、無菌設備中でバリヤー性耐熱容器中に脱酸素剤と共に充填しヒートシールして完全に密封し、本発明の加工米飯を得た。
本発明の加工米飯を常温で約12ケ月間保存した後、同様にして評価したが、保存前と同等の結果が得られた。
得られた加工米飯調理物は、米粒が原形を留めており、澱粉質が流出してベトついたりせず、ドロドロになったりせず、湯や調味液が濁ったりせず、軟らかくなり過ぎて糊のような食感にならず、食すると適度な歯応えを有しており、食味・食感ともに極めて良好であった。
本発明の加工米飯を常温で約12ケ月間保存した後、同様にして評価したが、保存前と同等の結果が得られた。
得られた加工米飯調理物は、米粒が原形を留めており、澱粉質が流出してベトついたりせず、ドロドロになったりせず、湯や調味液が濁ったりせず、軟らかくなり過ぎて糊のような食感にならず、食すると適度な歯応えを有しており、食味・食感ともに極めて良好であった。
本発明の加工米飯を常温で約12ケ月間保存した後、同様にして評価したが、保存前と同等の結果が得られた。
2 米飯の表面近傍
3 米飯の中心部
4 洗米後の精白米
5 ステンレスメッシュ
6 水切り容器
11 ガスバリヤー性耐熱容器
Claims (4)
- 精白米を常温の水で洗米後、浸漬水に浸漬することなく、常温の水を米粒の周囲に通過させ水切りし、次いで米に対して0.7〜1.5倍量の炊き水を添加して常圧炊飯後、ガスバリヤー性耐熱容器中に充填し、完全に密封した前記炊き水を含有する加工米飯であって、米飯の表面近傍は澱粉のα化が大いに進行しているが、米飯の中心部は澱粉のα化があまり進行しておらず、米飯の表面近傍の澱粉のα化度をA、米飯の中心部の澱粉のα化度をBとすると、A>Bの関係があり、そして湯や調味液とともに加熱して調理した後においても米粒が原形を留めており、食すると米飯の中心部に適度な歯応えを有することを特徴とする加工米飯。
- 請求項1記載の加工米飯に湯や調味液を添加し、加熱して調理したことを特徴とする加工米飯調理物。
- 雑炊、茶漬け、五目ご飯、炊き込みご飯、クッパ、ドリア、チャーハン、ライスサラダ、ピラフ、パエリア、リゾットのいずれかであることを特徴とする請求項2記載の加工米飯調理物。
- 下記の(1)〜(4)工程により製造することを特徴とする請求項1記載の加工米飯の製法。
(1)精白米を常温の水で洗米して表面の糠を除去する洗米工程。
(2)洗米後、浸漬水に浸漬することなく、水切り容器に充填し、米粒の水分含量が当初の10〜24質量%を維持し増加しないように、かつ米粒の膨潤が生じないように常温の水を米粒の周囲に通過させて残りの糠を洗いながし、水切りする水切り工程。
(3)次いで炊飯直前に米に対して0.7〜1.5倍量の炊き水を添加して常圧炊飯する炊飯工程。
(4)炊飯後、無菌設備中でガスバリヤー性耐熱容器中に充填し、完全に密封する包装工程。
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JP5020291B2 (ja) * | 2009-06-30 | 2012-09-05 | 三菱電機株式会社 | 加熱調理器及び炊飯器 |
JP5173950B2 (ja) * | 2009-07-01 | 2013-04-03 | 三菱電機株式会社 | 加熱調理器及び炊飯器 |
WO2014136875A1 (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-12 | 大塚製薬株式会社 | 穀類を含むレトルト用食品組成物 |
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