JP4299914B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料に関し、更に詳しくは、発色感度及び耐熱保存安定性に優れた感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報の多様化やニーズの拡大に伴い、情報記録分野において各種の記録材料が研究・開発され実用化されているが、中でも感熱記録材料は▲1▼加熱プロセスのみによる簡易な画像の記録が可能なこと、▲2▼必要な装置のメカニズムが簡単でコンパクト化が容易になり、記録材料が取り扱い易く、安価であること、等の利点を有するため、情報処理分野(卓上計算機、コンピューター等のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低高速ファクシミリ分野、自動券売機分野(乗車券、入場券等)、感熱複写機分野、POSシステムのラベル分野等、多岐にわたり用いられている。これらの記録材料としては、高感度(高速)、高濃度に発色し、発色した画像及び地肌濃度の耐熱保存性の高いものが要望されている。
【0003】
高感度、高濃度発色を得るため、増感剤として低融点材料や、ロイコ染料または顕色剤と共融し、融点降下を起こす材料の添加が行なわれているが、低融点化すると、40〜100℃の環境下での保存時に地肌かぶりが発生し、耐熱保存性が低下するという問題がある。
そこで、特開昭53−48751号公報、特開平3−16787号公報等には、ロイコ染料と増感剤を予め加熱溶融して混合することで、高感度な感熱記録材料を得る提案がなされているが、耐熱保存性が低下するという点では不充分である。
また、特公平4−37797号公報、特公平5−63315号公報、特開平4−101885号公報等には、ロイコ染料をポリウレアやポリウレタンを壁材として内包したマイクロカプセルを用いた感熱記録材料が提案されているが、耐熱保存性は向上するものの、感度が低下するという問題点がある。
また、特開昭57−51490号公報には、50〜150℃の温度で溶融する物質を壁材として染料や顕色剤を内包したマイクロカプセルが提案されているが、壁材を薄く均一にすることが難しく、粒子径を微細化できないため、感熱記録材料として用いた場合、低感度であったり、発色濃度が不充分であるという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を改良し、高感度で耐熱保存性の優れた感熱記録材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討の結果、上記課題は、本発明の(1)「支持体上にロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を有する感熱記録材料において、該ロイコ染料又は顕色剤を主成分とする材料が、60〜150℃の温度で溶融する熱溶融性材料中にマイクロカプセル以外の方法で含有されており、しかも該熱溶融性材料とそれに含有されるロイコ染料又は顕色剤とは相溶性がないことを特徴とする感熱記録材料」、(2)「前記熱溶融性材料がワックスであることを特徴とする前記(1)項に記載の感熱記録材料」、(3)「前記ロイコ染料又は顕色剤が感度向上剤と共に、前記熱溶融性材料中に含まれていることを特徴とする前記(1)又は(2)項に記載の感熱記録材料」、(4)「前記支持体上に中空樹脂粒子をフィラーとしたアンダーコート層を設けたことを特徴とする前記(1)乃至(3)項のいずれかに記載の感熱記録材料」によって達成されることを見い出した。
【0006】
つまり、上記課題は本発明の、支持体上にロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を有する感熱記録材料において、該ロイコ染料又は顕色剤を主成分とする材料が、60〜150℃の融点を有するワックス中に含有されており、しかも該熱溶融性材料とそれに含有されるロイコ染料又は顕色剤とは相溶性がないことを特徴とする感熱記録材料により解決される。
【0007】
保存安定性がよくなるのは、60〜150℃の温度で溶融する熱溶融性材料が染料または顕色剤の周りを全て囲んでおり、バリアーを形成しているためと考えられる。
【0008】
本発明の感熱発色層において用いるロイコ染料は、単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用される。
例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば以下に示すようなものが挙げられる。
【0009】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、
3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、
3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
2−{N−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−N−メチル−N,n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、
6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、
3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロル−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−N−ブチルアニリノ)フルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−(−2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、
3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、
3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、
3,3−ビス{2−p−ジメチルアミノフェニル)−2−p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタン、
等である。
【0010】
本発明において用いられる顕色剤としては、
4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、
4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリブチルフェノール)、
4,4’−メチレンビス(オキシエチレンチオ)ジフェノール、
p−ニトロ安息香酸亜鉛、
1,3,5−トリス(4−ターシャリブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、
4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、
1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、
フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリブチル−2−メチル)フェノール、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
4,4’−チオビス(6−ターシャリブチル−2−メチル)フェノール、
4,4’−ジフェノールスルホン、
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジフェノールスルホキシド、
p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、
p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
プロトカテキュ酸ベンジル、
没食子酸ステアリル、
没食子酸ラウリル、
没食子酸オクチル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)プロパン、
N,N’−ジフェニルチオ尿素、
N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、
サリチルアニリド、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
2,4’−ジフェノールスルホン、
2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、
3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、
1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、
2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、
2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、
α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、
チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、
テトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールS、
4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、
4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)等であり、顕色剤は発色剤1部に対して1〜20部、好ましくは2〜10部である。
【0011】
本発明に使用される熱溶融性材料、即ち60〜150℃で溶融する材料としては以下のものが挙げられる。
カルナウバワックス、キャンデリラワックス、木ろう、蜜蝋、セレシンワックス、モンタンワックス及びその誘導体、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィシャートロプッシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、脂肪酸エステル化合物、脂肪酸アミド化合物、ロジンエステル、低分子量ポリスチレン、水添石油樹脂、アクリル樹脂及びアクリル共重合体、ポリエステル樹脂等である。
【0012】
染料や顕色剤を主成分とする材料を上記60〜150℃で溶融する材料中に含有させる方法としては、公知の乳化方式、造粒方式によればよく、例えば、染料や顕色剤と上記60〜150℃で溶融する材料と共に非水溶性の溶媒に溶解し、分散剤や乳化剤の水溶液中で分散・乳化した後、溶媒を除去する方法、溶媒に溶解した混合物を噴霧造粒する方法、染料や顕色剤と上記60〜150℃で溶融する材料を混合し、60℃以上で熱溶融した後、転相乳化する方法、染料や顕色剤と上記60〜150℃で溶融する材料を混合し、高圧ジェット流により分散させる方法、染料や顕色剤と上記60〜150℃で溶融する材料を混合し、溶融混練、粉砕、分級する方法等があり、材料の種類や粒子径等により適宜方法を選択すれば良い。
【0013】
染料や顕色剤を主成分とする材料と60〜150℃で溶融する材料との割合は、重量比で5:1〜1:10程度が好ましい。染料や顕色剤と60〜150℃で溶融する材料とは相溶性がなく、それにより地肌かぶりが少ない。また、染料や顕色剤と共に感度向上剤を併用させることで高感度化することが可能である。
【0014】
感度向上剤として通常に使用される増感剤の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)等。
【0015】
また、通常使用される染料と顕色剤等を結合させる結合剤を用いることができ、その具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス等。
また、フィラー材料として、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化けい素、水酸化アルミニウムを用いることができ、また、架橋材料も使用することができる。
【0016】
塗工方式は、特に限定されない。発色層の膜厚は発色層の組成や感熱記録材料の用途にもよるが、1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。また、発色層塗布液には必要に応じて塗工性の向上或いは記録特性の向上を目的に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添加剤を加えることもできる。
【0017】
本発明における支持体として酸性紙、中性紙のいずれも用いることができる。また、上記中性紙支持体及び中性紙からなる剥離紙に関しては、カルシウム量の少ないものが好ましい。このように、カルシウム量が少ない中性紙及び中性紙からなる剥離紙は、抄造に用いる古紙の割合を少なくすることによって得られる。また、通常中性紙の抄造には内添として炭酸カルシウムが用いられ、サイズ剤としてアルキルケタンダイマー又は無水アルケニルコハク酸が用いられているのに対し、内添剤をタルクやクレーに代え、中性ロジンサイズ剤と組み合わせることによって得られる。
【0018】
また、支持体を感熱記録層との間のアンダーコート層や感熱記録層上にオーバーコート層を設けてもよい。アンダーコート層やオーバーコート層を形成する材料は、前述した感熱記録層に使用した結合剤、フィラー、架橋剤等が使用できる。アンダーコート層には、中空樹脂粒子をフィラーとして用いると、その断熱性により感度を向上させることができるため特に好ましい。
本発明の感熱記録材料の記録方法は、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等、特に限定されない。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、実施例中の部及び%はいずれも重量基準である。
<ロイコ染料を含む混合粒子液の作成(1)>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン10部、ロジンエステル10部、酢酸エチル100部に溶解し、2%ポリビニルアルコール水溶液200部中に加え、ホモミキサーで5000回転で5分間分散し、乳化液を得た。この乳化液を減圧下で撹拌しながら、酢酸エチルを除き、平均粒径2.8μmの3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオランとロジンエステルの水の中に混合分散液を得た。
【0020】
<顕色剤を含む混合粒子液の作成(3)>
4,4’−メチレンビス(オキシエチレンチオ)ジフェノール5部、マイクロワックス10部、トルエン100部を熱溶解し、スプレードライヤーで噴霧造粒し、平均粒径3.7μmの混合粒子を得た。この粒子を2%ポリビニルアルコール水溶液35部中に超音波分散した。
【0021】
<ロイコ染料を含む混合粒子液の作成(2)>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン10部、カルナウバワックス15部、トルエン10部を熱溶融し、ジェット流乳化・分散装置を用いて、0.05%のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを添加した2%ポリビニルアルコール水溶液75部中に直接注入し、平均粒径0.3μmの混合粒子エマルジョンを作成した。
【0022】
<ロイコ染料と増感剤を含む混合粒子液の作成(4)>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン5部、p−ベンジルビフェニール5部、マイクロワックス20部を溶融混練し、粉砕、分級して平均粒径3.5μmの混合粒子を得た。この粉砕粒子30部を2%ポリビニルアルコール70部中に超音波分散した。
【0023】
<コート液の調整>
下記のアンダーコート層形成液、感熱発色層形成液、オーバーコート層形成液及びバックコート層形成液を用意する。
(I)アンダーコート層形成液の調整(A液)
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径3.5μm) 10部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス 10部
(固形分濃度47.5%)
水 80部
上記混合物を撹拌分散して、アンダーコート層形成液を調整した。
(II)感熱発色層形成液の調整
<ロイコ染料分散液(B液)>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20部
水 60部
の混合物をボールミルで24時間分散し、(B液)を調整した。
<顕色剤分散液(C液)>
4,4’−メチレンビス(オキシエチレンチオ)ジフェノール 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20部
水 60部
の混合物をボールミルで24時間分散し、(C液)を調整した。
<フィラー分散液(D液)>
シリカ 20部
5%メチルセルロース水溶液 20部
水 60部
の混合物をボールミルで24時間分散し、(D液)を調整した。
(III)オーバーコート層形成液(E液)の調整
水酸化アルミニウム 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20部
水 60部
の混合物をボールミルで24時間分散し、(E液)を調整した。
【0024】
[実施例1]
坪量60g/m2の上質紙上に前記アンダーコート液(A液)を用い、乾燥塗布量が3.0g/m2になるように塗工し、乾燥した。
ロイコ染料を含む混合粒子液(1)20部、顕色剤分散液(C液)10部、フィラー分散液(D液)を均一に混合し、上記アンダーコート層上に染料付着量が0.50g/m2になるように塗工、乾燥し、感熱発色層を形成した。次いで、この感熱発色層上にオーバーコート層形成液(E液)を3.0g/m2になるように塗工、乾燥した。その後、スーパーキャレンダーにて表面処理し、本発明の感熱記録材料を得た。
【0025】
[実施例2]
実施例1の顕色剤分散液(C液)10部の代りに顕色剤を含む混合粒子液(3)、ロイコ染料分散液(B液)を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0026】
[実施例3]
実施例1のロイコ染料を含む混合粒子液(1)の代りにロイコ染料を含む混合粒子液(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0027】
[実施例4]
実施例1のロイコ染料を含む混合粒子液(1)の代りにロイコ染料と増感剤を含む混合粒子液(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0028】
[比較例1]
実施例1のロイコ染料を含む混合粒子液(1)の代りにロイコ染料分散液(B液)を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0029】
[比較例2]
実施例2の顕色剤を含む混合粒子液(3)の代りに顕色剤分散液(C液)を用いた以外は、実施例2と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0030】
[比較例3]
実施例4のロイコ染料と増感剤を含む混合粒子液(4)の代りに、ロイコ染料分散液(B液)及びp−ベンジルビフェニール2部、10%ポリビニルアルコール水溶液20部、水60部の分散液を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0031】
<評価方法>
画像濃度:キャレンダー済品を松下電器部品(株)製、薄膜ヘッドを有する感熱印字実験装置にて、ヘッド電力0.45W/ドット、1ライン記録時間20msec/L、走査密度8×385ドット/mm条件下で、パルス巾0.5mmsecに印字し、印字濃度及び地肌濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した。
耐熱性:上記の条件で印字したサンプルをそれぞれ80℃、90℃、100℃で15時間放置した後、画像部、地肌部の濃度を測定した。
高速性:初期画像濃度の高さで判断した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明の感熱記録材料は高速性(高感度)、耐熱性に優れた効果を発揮する。
Claims (4)
- 支持体上にロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を有する感熱記録材料において、該ロイコ染料又は顕色剤を主成分とする材料が、60〜150℃の温度で溶融する熱溶融性材料中にマイクロカプセル以外の方法で含有されており、しかも該熱溶融性材料とそれに含有されるロイコ染料又は顕色剤とは相溶性がないことを特徴とする感熱記録材料。
- 前記熱溶融性材料がワックスであることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- 前記ロイコ染料又は顕色剤が感度向上剤と共に、前記熱溶融性材料中に含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
- 前記支持体上に中空樹脂粒子をフィラーとしたアンダーコート層を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の感熱記録材料。
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