JP4298626B2 - ケーブルコネクタ - Google Patents

Description

本発明は、例えば、極細線の同軸ケーブルを接続するケーブルコネクタに関するものである。

従来、例えば、携帯電話等の電機機器においてプリント基板上の回路と電子部品とを接続するケーブルは、ノイズ対策のために、極細線の同軸ケーブルを使用している。そして、複数本の同軸ケーブルをケーブルコネクタに接続すると共に、合成樹脂製のハウジング本体を金属製シェルで被覆し該シェルに同軸ケーブルの外部導体をハンダ付けしてシールドしている。

このケーブルコネクタをプリント基板上に固定された基板側コネクタに嵌合させ、前記ケーブルコネクタのコンタクトと基板側コネクタのコンタクトとを当接させて、同軸ケーブルとプリント基板上回路との電気的接続が図られている。そして、前記ケーブルコネクタ側のシェルが、基板側コネクタのシェルと接触し、プリント基板の回路におけるアース用のグランドに落とされるようにした構造のものが知られている（特許文献１参照）。

前記ケーブルコネクタとプリント基板上のコネクタとの嵌合構造においては、プリント基板面に直交する方向には、高密度実装のために厚さを極力薄くするようにされ、前記雄雌のコンタクトは前記直交する方向に沿って摺接するようにされている。また、この厚さが薄いことにより、前記直交方向におけるコネクタ同士の有効嵌合長が短くなるので、嵌合外れ防止のために、嵌合時のロック機構が必要となり、これには、ケーブルコネクタと基板側コネクタとのシェル同士において、突部と凹部とを設けてこれを嵌合させて、ロック機構としている。
特開２００２−１５８１８号公報

従来のケーブルコネクタでは、図９に示すように、基板側コネクタ２１の絶縁ハウジング２３をカバーするシェル２２に例えば突起２２ａを設け、ケーブルコネクタ２４側の上シェル２５に前記突起２２ａに対応する位置と大きさにして凹部２５ａが形成されていて、このコネクタの左右両端部に設けられる前記突起２２ａと凹部２５ａとが嵌合してケーブルコネクタ２４がロックされるようになっている。前記ケーブルコネクタ２４側のロック用嵌合部が、前記上シェル２５の側壁面に設けられるのは、下シェル２６がケーブルコネクタ２４のハウジングにインサート成形される関係で金型に容易に設置できるように平板状にされ、そのハウジング及び下シェルを上シェル２５で覆うようにカバーしてシェル同士を接触させるようにしているためである。

しかしながら、かかるシェルの構造において、図９に示すように、ケーブルコネクタ２４をプリント基板２０に実装された基板側コネクタ２１に嵌合させると、左右方向において、前記上シェル２５が圧縮されて、このシェルの中央部分が上に膨出して、他の電子部品を圧迫することがある。電子機器の小型化及び高密度実装のために、コネクタの薄型化が一層必要となる現状で、このようなシェルの膨らみは、薄型化の障害となる。本発明はこのような課題を解決するために提案されたものである。

本発明に係るケーブルコネクタの上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、
同軸ケーブルがコンタクトに接続されるとともに、該同軸ケーブルのシールド用の外部導体がコネクタハウジングを上下から囲繞する金属製の上シェルと下シェルとに導通されるケーブルコネクタにおいて、前記下シェルの左右方向の両端部に上方向に立設した起立部から水平に延設された係合ロック部が設けられ、この係合ロック部が嵌合相手の基板側コネクタのシェルの嵌合用の突起と係合して内側に押圧さてれ左右方向において着脱自在に位置固定され、前記上シェルの左右方向の両端部における側壁には切欠き部が設けられ、該切欠き部が基板側コネクタのシェルの嵌合用の突起と、同軸ケーブルの軸芯方向と直交する方向の上下方向において係合し、前記基板側コネクタとの嵌合状態においてケーブルコネクタの上方向への抜け出しを防止していることである。

前記上シェルはその平板状のシェル本体部が嵌合状態において内側への押圧によってコネクタの外側に膨出しないように、基板側コネクタのシェルの嵌合用突起に左右方向において係合しないように形成され、該上シェルによって上方向への抜け出しが防止され、且つ、下シェルによって左右方向における位置固定がなされることで、コネクタ嵌合状態におけるケーブルコネクタの位置固定と抜け出し防止との役割が前記上シェルと前記下シェルとで分担されていることを含むものである。

本発明のケーブルコネクタによれば、ケーブルコネクタが基板側コネクタに嵌合された状態において、上シェルが左右方向に圧縮等の変形作用を受けないので、当該上シェルの平板状のシェル本体部が外側に膨らむことがない。よって、高密度に実装配設された他の電子部品を圧迫する等の不都合が発生せず、電子機器の薄型化に対応する好適なコネクタとなる。

前記上シェルに切欠き部を設けて、基板側コネクタとの嵌合状態においてケーブルコネクタの上方向への抜け出しを防止しているので、前記下シェルにより左右方向における位置固定がなされ、上シェルによって上方向への抜け出しも防止されて、上シェルと下シェルとに、嵌合状態における位置固定と抜け出し防止との役割を分担させることが可能となる。

本発明に係るケーブルコネクタ（以下、単にコネクタ）１は、図１に示すように、極細線（例えば、外径０．３ｍｍ程度）の同軸ケーブル２がコンタクト３に接続されるとともに、該同軸ケーブル２のシールド用の外部導体がコネクタハウジング１ａを上下から囲繞してシールドする金属製の上シェル４と下シェル５とに導通されている。

図２に示すように、合成樹脂製の前記コネクタハウジング１ａとコンタクト３とは金型で一体成形され、それに、前記下シェル５が圧入して組み立てられる。上シェル４は、コネクタ１の添付品にされる。そして、同軸ケーブル２の端部の心線２ａがコンタクト３にハンダ６付けされ、複数本の同軸ケーブル２の外部導体を横架して半田付けされている板状のグランドバー７が、下シェル５に載置され半田付けして固定される。その後に、前記上シェル４がコネクタハウジング１ａに装着される。この上シェル４の一部と前記グランドバー７の一部とが半田付けされ、当該上シェル４がコネクタ１に固定される。

前記上シェル４と下シェル５とを、図３乃至図４と、図５乃至図６とに示す。この上シェル４の、左右方向の両端部には、前記コネクタハウジング１ａの側壁部を下面にまで廻って囲繞する側壁部４ａ，４ｂが形成されており、該側壁部４ａ，４ｂには切欠き部がありその前後方向の端面４ｃ，４ｄが位置決めされている。

また、図３（Ａ），（Ｂ）に示すように、前記上シェル４の側壁部４ａ，４ｂの下端部から延設して底板部４ｆと、後方側の側壁部４ｇの下端部から延設して底板部４ｈとがあり、前記コネクタハウジング１ａの左右側壁部を囲繞するようにされている。前記底板部４ｈの端部に設けた係止突起４ｉは、下シェル５に係合させてロックさせるためのものである。また、図３（Ｂ）に示すように、シェル本体部４ｅには、コネクタハウジング側に傾斜させたハンダ付け部４ｊが設けられ、同軸ケーブル２のグランドバー７に半田付けされる。

前記下シェル５には、図５に示すように、平板状のシェル本体部５ａの左右方向の両側壁部に、コネクタハウジング１ａの圧入孔に圧入される係合片５ｂが立設され、更に、この側壁部の前方に立設した起立部５ｃから水平に延設された係合ロック部５ｄがある。この係合ロック部５ｄが、嵌合相手の基板側コネクタ側のシェルの一部と係合して、当該コネクタ同士が前記同軸ケーブル２の軸芯方向と直交する方向の左右方向において嵌合し、当該ケーブルコネクタ１が前記基板側コネクタから抜け出さないように着脱自在に位置固定される。

また、図６（Ｂ）に示すように、シェル本体部５ａには、コネクタハウジング側に傾斜させたハンダ付け部５ｆが設けられ、同軸ケーブル２のグランドバー７に半田付けされる。

このようなケーブルコネクタ１を組み立てて、図７に示すように、基板側コネクタ２１に嵌合させると、シェル２２の突起２２ａが、ケーブルコネクタ１の左右両端部の係合ロック部５ｄに当接する。これにより、当該ケーブルコネクタ１が、左右方向において位置固定される。前記係合ロック部５ｄは、前記左右方向において、内側に押圧され変形作用を受けるが、上シェル４のシェル本体部４ｅには左右方向における変形作用が働かない。よって、前記上シェル４はその平板状のシェル本体部４ｅが前記嵌合状態におけるコネクタの外側に膨出しないものである。

また、上シェル４の左右方向の両端部における側壁部４ａ，４ｂの切欠き部における端面４ｃ，４ｄが、前記基板側コネクタ２１のシェル２２の突起２２ａと、同軸ケーブル２の軸芯方向と直交する方向の上下方向において係合する。よって、前記ケーブルコネクタ１と基板側コネクタ２１との嵌合状態においてケーブルコネクタ１の上方向への抜け出しが防止される。同様に、かかる状態で、前記側壁部４ａ，４ｂは、コネクタにおける左右方向の押圧等による変形作用を受けないので、上下方向の係合が確実になされるものである。

本発明に係るケーブルコネクタ１の、平面図（Ａ）と正面図（Ｂ）と側面図（Ｃ）とである。 同本発明のケーブルコネクタ１の断面図である。 同ケーブルコネクタ１の上シェル４に係る、正面図（Ａ）と平面図（Ｂ）と底面図（Ｃ）と側面図（Ｄ）とである。 図３におけるＸ−Ｘ線に沿った断面図（Ａ）、Ｙ−Ｙ線に沿った断面図（Ｂ）である。 同ケーブルコネクタ１の下シェル５に係る、正面図（Ａ）と底面図（Ｂ）と側面図（Ｃ）と、Ｚ−Ｚ線に沿った断面図（Ｄ）とである。 同下シェル５の背面図（Ａ）と平面図（Ｂ）とである。 ケーブルコネクタ１と基板側コネクタ２１とを嵌合させる様子を示す説明図である。 同ケーブルコネクタ１と基板側コネクタ２１とを嵌合させた状態の左右端部の拡大詳細断面図である。 従来例に係るコネクタの嵌合状態における左右端部の拡大詳細断面図である。

符号の説明

１ ケーブルコネクタ、 １ａ コネクタハウジング、
２ 同軸ケーブル、 ２ａ 心線、
３ コンタクト、
４ 上シェル、 ４ａ，４ｂ 側壁部、
４ｃ，４ｄ 端面、 ４ｅ シェル本体部、
４ｆ 底板部、 ４ｇ 側壁部、
４ｈ 底板部、 ４ｉ 係止突起、
４ｊ ハンダ付け部、
５ 下シェル、 ５ａ シェル本体部、
５ｂ 係合片、 ５ｃ 起立部、
５ｄ 係合ロック部、 ５ｅ 係合突起、
５ｆ ハンダ付け部、
６ ハンダ、
７ グランドバー、
２１ 基板側コネクタ、
２２ シェル、 ２２ａ 突起、
２３ 絶縁ハウジング、
２４ ケーブルコネクタ、
２５ 上シェル、 ２５ａ 凹部、
２６ 下シェル。

Claims (2)

1. 同軸ケーブルがコンタクトに接続されるとともに、該同軸ケーブルのシールド用の外部導体がコネクタハウジングを上下から囲繞する金属製の上シェルと下シェルとに導通されるケーブルコネクタにおいて、
   前記下シェルの左右方向の両端部に上方向に立設した起立部から水平に延設された係合ロック部が設けられ、この係合ロック部が嵌合相手の基板側コネクタのシェルの嵌合用の突起と係合して内側に押圧さてれ左右方向において着脱自在に位置固定され、
   前記上シェルの左右方向の両端部における側壁には切欠き部が設けられ、該切欠き部が基板側コネクタのシェルの嵌合用の突起と、同軸ケーブルの軸芯方向と直交する方向の上下方向において係合し、前記基板側コネクタとの嵌合状態においてケーブルコネクタの上方向への抜け出しを防止していること、
   を特徴とするケーブルコネクタ。
2. 上シェルはその平板状のシェル本体部が嵌合状態において内側への押圧によってコネクタの外側に膨出しないように、基板側コネクタのシェルの嵌合用突起に左右方向において係合しないように形成され、該上シェルによって上方向への抜け出しが防止され、且つ、下シェルによって左右方向における位置固定がなされることで、コネクタ嵌合状態におけるケーブルコネクタの位置固定と抜け出し防止との役割が前記上シェルと前記下シェルとで分担されていること、
   を特徴とする請求項１に記載のケーブルコネクタ。

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