JP4298385B2 - エレベータ調速機の作動速度試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ調速機の作動速度試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレベータ調速機本体に取付けられる取付金具と、この取付金具に一端が回転自在に取付けられ、他端側に取付台を回動自在に支持する支持板と、取付台に取付けられ、エレベータ調速機のプーリにそれぞれ接触する各プーリを有する駆動装置および回転速度測定装置と、前記の各プーリがエレベータ調速機のプーリに当接するように支持板を付勢する付勢手段とを備えたエレベータ調速機の作動速度試験装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6‐305653号公報
(段落番号0012、0013、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来技術にあっては、エレベータ調速機の作動速度を試験する際に駆動装置でエレベータ調速機のプーリを駆動し加速するため、駆動装置の駆動力に起因する振動が発生し、この駆動装置とともに支持板に設置される回転速度測定装置も振動するので、正確なエレベータ調速機の作動速度試験が行なえないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術における実状を鑑みてなされたもので、その目的は、エレベータ調速機のプーリを駆動する駆動装置の振動の影響を受けることなく、エレベータ調速機の作動速度試験を行なうことのできるエレベータ調速機の作動速度試験装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、調速機本体と、この調速機本体に回転自在に取付けられ、ワイヤロープが掛け渡されるプーリと、過速スイッチと、ロープキャッチを備えたエレベータ調速機の作動速度試験装置において、前記調速機本体に取付けられる取付金具と、この取付金具に一端が回転自在に取付けられる支持アームと、この支持アームの他端側に設けられる支持板に固定され、前記プーリに測定回転子を接触させて前記プーリの回転速度を測定する速度測定体とを有し、前記測定回転子が、前記速度測定体および支持アームの自重により付勢され、前記プーリの回転中心を通る水平線より20度以上でかつ40度以下の位置で前記プーリの外周面に接触するように構成したことを特徴とする。
【0007】
このように構成した請求項1に係わる発明では、速度測定体の回動軌跡に沿って測定回転子がプーリの回転中心を通る水平線から上方の位置でエレベータ調速機のプーリの外周面に当接するので、支持アームと速度測定体の自重が測定回転子をプーリの外周面に押付ける力となる。これにより、エレベータ調速機のプーリを駆動する駆動装置の振動の影響を受けることなく、エレベータ調速機の作動速度試験を行なうことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベータ調速機の作動速度試験装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態に係る作動速度試験装置を備えたエレベータ調速機の正面図、図2は本実施形態の作動速度試験装置を備えたエレベータ調速機の側面図、図3は本実施形態の作動速度試験装置を示す正面図、図4は本実施形態の作動速度試験装置を示す側面図、図5は本実施形態の作動速度試験装置をプーリ直径が大きいエレベータ調速機に対して取付けた状態を示す正面図である。
【0012】
図1に示すエレベータ調速機1は、調速機本体2と、この調速機本体2に回転自在に取付けられ、図示しないワイヤロープが掛け渡されるプーリ3と、図示しない過速スイッチおよびロープキャッチとを備えている。
【0013】
そして、本実施形態の作動速度試験装置4は、調速機本体2の上部に装着される固定部5と、この固定部5よび調速機本体2を把持する2個の取付金具6と、これらの取付金具6を調速機本体2に締付け固定するビス7と、取付金具6に形成された第1の支持点8を中心に回動自在に取付けられる支持アーム9と、この支持アーム9の他端側の支持板10に固定され、プーリ3にローラ(すなわち測定回転子)11を接触させて回転速度を測定する速度測定体12とからなっている。
【0014】
支持アーム9に設けられる第1の支持点8は、速度測定体12の重心より高い位置に配置されるとともに、プーリ3の大きさに合わせて支持アーム9を支持する位置を変更可能とする第2の支持点8Aを備えている。
【0015】
速度測定体12のローラ11は、支持アーム9および速度測定体12の自重でプーリ3に押付けられるとともに、支持アーム9の支持板10に固定された速度測定体12の回動軌跡がプーリ3に対して直角に近い所定角度で交差している。また、速度測定体12の回転軌跡がプーリ3の外周面と交差する位置は、プーリ3の回転中心を通る水平線とのなす角度α(図1参照)が20度以上に、望ましくは20度以上でかつ40度以下の範囲内に設定されている。
【0016】
このように構成した実施形態では、支持アーム9で支持する速度測定体12の回動軌跡に沿ってローラ11がプーリ3の外周面に対して直角に近い所定角度で当接するので、プーリ3を図示しない駆動装置で駆動し加速しても、速度測定体12を回転方向に動かす力が発生せず、ローラ11がプーリ3の外周面から浮き上がることが防止される。さらに、速度測定体12の回動軌跡に沿ってローラ11がプーリ3の回転中心を通る水平線からかなり20度以上上方でプーリ3の外周面に当接するので、支持アーム9と速度測定体12の自重がローラ11をプーリ3の外周面に押付ける力となる。
【0017】
また、図5に示すようにプーリ3Aの直径が比較的大きい場合に、このプーリ3Aの大きさに合わせて第2の支持点8Aを使用して支持アーム9を取付ける。これにより、エレベータ調速機1の作動速度試験の際に、支持アーム9がプーリ3の回転方向(図5の矢印Aで示す方向)とほぼ同一の方向に回動するので、回転抵抗F1および抗力F2が発生し,これらの2つの力で合成力F3が生じるため、速度測定体12がプーリ3に押付けられる方向へ付勢される。
【0018】
このように構成した実施形態では、エレベータ調速機1のプーリ3を駆動する駆動装置の振動の影響を受けることなく、エレベータ調速機1の作動速度試験を行なうことができる。
【0019】
また、本実施形態では、図5に示すようにプーリ3Aの直径が比較的大きい場合でも、作動速度試験装置4を取付けてエレベータ調速機1の作動速度試験を行なうことができ、その際に、回転抵抗F1および抗力F2による合成力F3で速度測定体12がプーリ3に押付けられる方向へ付勢されるので、ローラ11の滑りや飛び跳ねが防止できる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、エレベータ調速機のプーリを駆動する駆動装置の振動の影響を受けることなく、エレベータ調速機の作動速度を試験することができる。したがって、正確にエレベータ調速機の作動速度試験を行なうことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る作動速度試験装置を備えたエレベータ調速機の正面図である。
【図2】本実施形態の作動速度試験装置を備えたエレベータ調速機の側面図である。
【図3】本実施形態の作動速度試験装置を示す正面図である。
【図4】本実施形態の作動速度試験装置を示す側面図である。
【図5】本実施形態の作動速度試験装置をプーリ直径が大きいエレベータ調速機に対して取付けた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 エレベータ調速機
2 調速機本体
3 プーリ
3A プーリ
4 作動速度試験装置
5 固定部
6 取付金具
7 ビス
8 第1の支持点
8A 第2の支持点
9 支持アーム
10 支持板
11 ローラ(測定回転子)
12 速度測定体

Claims (1)

  1. 調速機本体と、この調速機本体に回転自在に取付けられ、ワイヤロープが掛け渡されるプーリと、過速スイッチと、ロープキャッチを備えたエレベータ調速機の作動速度試験装置において、
    前記調速機本体に取付けられる取付金具と、この取付金具に一端が回転自在に取付けられる支持アームと、この支持アームの他端側に設けられる支持板に固定され、前記プーリに測定回転子を接触させて前記プーリの回転速度を測定する速度測定体とを有し、前記測定回転子が、前記速度測定体および支持アームの自重により付勢され、前記プーリの回転中心を通る水平線より20度以上でかつ40度以下の位置で前記プーリの外周面に接触するように構成したことを特徴とするエレベータ調速機の作動速度試験装置。
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