JP4297409B2 - 投射レンズシフト装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を液晶やDMD(R)(デジタル・マイクロミラー・デバイス)で変調し、投射レンズでスクリーン上に像を投射するプロジェクタ等に用いるシフト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタの設置場所の制約などでプロジェクタを傾けて配置することにより生じる像面の歪みを防止するために、投射レンズを像面と平行に移動させるシフト手段を備えたビデオプロジェクタ装置が提案されている(特許文献1)。そのシフト手段は、投射レンズの左右にリードスクリュとガイド棒とを平行に設け、投射レンズを支持する板をこれらリードスクリュとガイド棒とに係合させて投射レンズを一方向に移動させている。
【0003】
また、投射レンズを自在に移動させるようにした画像投射装置が提案されている(特許文献2)。この装置には、投射レンズを支持する板を磁石やバネの力を利用して半固定に設け、投射レンズを保持する鏡筒を掴んで移動させている。また、別に、投射レンズの中心軸に垂直な一方向に投射レンズを平行移動させる第1機構とその中心軸に平行な軸の周りに回転させる第2の機構とを設けた例も提案されている。
【0004】
【特許文献1】
実開平3−56925号公報
【特許文献2】
特開平5−249409号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、後者公報記載の装置の前述した例では、重い投射レンズを任意の位置に維持させる分の力が磁石やバネに必要となる。このため、移動操作にかなりの力が必要となり、さらには正確な位置に移動させることも困難となる。また、鏡筒を掴んで移動操作するため、鏡筒が変形するおそれがある。さらに、鏡筒にはフォーカスリングやズームリングなどが露呈しているため、移動操作のときにこれらを回転してしまい、移動操作終了後に再びフォーカス調節や変倍調節をやり直す必要が生じる。
【0006】
後者公報記載の装置の後述した例では、第1機構を構成するアリ溝と第2機構を構成する回転板との嵌め合わせをきつくすることで任意の位置に鏡筒を保持させているため、調節操作に力が必要となり、また微調節がし難い。さらには、鏡筒を掴んで一方向に移動させ、その後に回転させる2段階の手順が必要になり、操作が面倒である。
【0007】
本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、シフト調節操作を簡便に行え、また微調節も正確に行え、しかも操作によって鏡筒が変形することのないように工夫した投射レンズシフト装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の投射レンズシフト装置では、基準光軸に直交する基準面を有するメインフレームと;投射レンズを保持したスライドフレームと;前記メインフレームとの間に前記スライドフレ−ムを前記基準面に沿って移動自在に保持するとともに、スライドフレームを基準光軸方向で位置決めするフレ−ムカバーと;前記メインフレーム又はフレームカバーとのいずれか一方で支点が支持され、外部に露呈した一端を力点にして揺動操作したときに作用点に生じる押圧力で前記スライドフレームを前記基準面に沿って移動させる操作レバーと;前記メインフレーム又はフレームカバーとのいずれか一方とスライドフレームとの間に前記基準面に沿って移動自在に設けられ、スライドフレームとの間の係合により、前記操作レバーの操作に伴うスライドフレームの移動を前記基準面と平行な一方向にガイドする第1ガイドが設けられたガイドフレームとを有し;前記ガイドフレームに、前記メインフレーム又はフレームカバーのいずれか一方との間の係合により前記操作レバーの操作に伴うスライドフレームの移動を前記一方向に交差する他方向にガイドする第2ガイドを設けたものである。
【0009】
投射レンズを取り付けたスライドフレームは、メインフレームとフレームカバーとで挟装されている。操作レバーの一端を揺動自在に操作すると、支点を中心として移動する作用点でスライドフレームを移動する。スライドフレームの移動は、第1及び第2ガイドにより一方向への移動とこれに交差する他方向への移動とに分解されてガイドされる。第1ガイドは、ガイドフレームがスライドフレームを一方向にガイドする。第2ガイドは、メインフレーム又はフレームカバーがガイドフレームを他方向にガイドする。このときガイドフレームはスライドフレームとともに移動して、結果スライドフレームを他方向にガイドすることになる。
【0010】
投射レンズが移動すると、光軸が基準光軸に対して平行移動し、基準光軸に対して投射光軸が傾いて投影像が移動する。ここで、投射光軸は、投影画像の表示面の中心とレンズ主点とを結ぶ軸である。基準光軸は、投射光軸がスクリーン(像面)に直交するときの光軸である。
【0011】
第1ガイドとしては、前記ガイドフレームとスライドフレームとの対向する面にそれぞれ設けた、互いに係合する一方向用の凹凸の相対的な移動によりスライドフレームの移動をガイドフレームに対して前記一方向にガイドし;また、第2ガイドとしては、前記ガイドフレームと前記メインフレーム又はフレームカバーとのいずれか一方との対向する面にそれぞれ設けた、互いに係合する他方向用の凹凸の相対的な移動により前記メインフレーム又はフレームカバーに対して前記スライドフレームの移動を前記ガイドフレームとともに前記他方向にガイドするようにしてもよい。
【0012】
一方向用の凹は、前記一方向用の凸の前記一方向への移動を許容し、かつ前記他方向への移動を阻止するとともに、他方向用の凹は、前記他方向用の凸の前記他方向への移動を許容し、かつ前記一方向への移動を阻止する。これら凹凸は、基準光軸を中心とする周方向の等分割位置に設けるのが望ましい。
【0013】
これによれば、操作レバーの操作だけで投影レンズを簡単に移動させることができるので操作が簡便に行える。しかもガイド手段を備えているから、操作レバーの操作方向にスライドフレームを確実に案内することができる。このため、微調節が確実に行える。また、投射レンズを保持する鏡筒を持って操作をしないのでフォーカスリングを動かしたり、鏡筒が変形するような不都合が生じるおそれもない。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を採用した液晶プロジェクタ7は、図1に示すように、投射レンズ8、投射レンズシフト機構9、及び合成画像形成部10で構成されている。合成画像形成部10は、光源11、ダイクロイックミラー12,13、液晶パネル14a〜14c、ダイクロイッククロスプリズム15、反射鏡17とから構成されており、光源11から放出された白色光をダイクロイックミラー12,13で赤色光,青色光,緑色光の3つの色光に分解し、各色光を3つの透過型液晶パネル14a〜14cに各々入射させて対応する色の画像を表示させるとともに、これら3つの画像の色光を反射鏡17及びダイクロイッククロスプリズム15で光学的に合成する。合成画像は、ダイクロイッククロスプリズム15の射出面15aから投射レンズ8に射出され、投射レンズ8でスクリーン18の上に投影される。なお、合成画像形成部10としては、液晶の代わりに、DMD(R)(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いたものを採用してもよい。
【0015】
投射レンズ8を保持する鏡筒19は、プロジェクタ7の本体カバー20の前面から外部に露呈している。鏡筒19には、フォーカス調節つまみ21が設けられている。フォーカス調節つまみ21を回転操作することでスクリーン18に投影される像のピントを調節することができる。また、鏡筒19の周りには、投射レンズ8をシフトするためのレバーボタン22が配されている。レバーボタン22は、投射レンズ8の光軸Oとほぼ平行に突出しており、先端が本体カバー20の前面から外部に露呈している。投射レンズ8のシフトはロックされており、レバーボタン22を押すことでそのロックが解除され、そのままレバーボタン22を上下左右のあらゆる方向に操作することで投射レンズ8を像面(スクリーン18面)と平行に移動することができる。なお、図に示す光軸Oは基準光軸となっている。
【0016】
投射レンズシフト機構9は、図2及び図3に示すように、フレームカバー25、ガイドフレーム26、スライドフレーム27、メインフレーム28、レバー29、ブレーキフレーム30、及びレバーボタン22などで構成されている。フレ−ムカバー25、ガイドフレーム26、スライドフレーム27、及びメインフレーム28は、板状となっており、各々の面を光軸Oに直交する向きでスクリーン18の側から順に並べて配されている。これにより、メインフレーム28のスクリーン18の側の面28aも光軸Oに直交する面となっている。
【0017】
メインフレーム28は、プロジェクタ7に固定されている。このメインフレーム28には、フレームカバー25が固定される。ガイドフレ−ム26及びスライドフレーム27は、フレームカバー25とメインフレーム28との間で光軸Oに交差する方向に各々スライド自在となるように挟装されている。
【0018】
メインフレーム28には、光軸O上に鏡筒19を挿通する開口31が形成されており、また開口31を挟んだ一方側にレバー29が取り付けられている。レバー29は、根元部32がボールジョイントを介してメインフレーム28に固定されている。
【0019】
スライドフレーム27には、光軸O上に形成した鏡筒19を挿通する開口33と、その開口33の周りで鏡筒19を保持する鏡筒取り付け部34と、レバー29を挿通するレバー用開口35とが設けられている。レバー用開口35は、縁がレバー29の先端と根元部との間に設けた当接部36に当接する。鏡筒取り付け部34は、鏡筒19の外周に設けた凸部にバヨネット結合する凹部となっている。なお、バヨネット結合の構造に限らず、ネジ式で取り付ける構造でもよい。このスライドフレーム27には、一対のガイド突起37,38がガイドフレーム26に向けて突出して設けられている。一対のガイド突起37,38は、開口33を挟んだ両側にそれぞれ配されている。
【0020】
ガイドフレーム26には、鏡筒19を挿通する開口39、及び、4個のガイド開口40〜43とが設けられている。4個のガイド開口40〜43は、光軸Oに直交する面と平行な一方向に向けて長く形成した一対の一方向ガイド開口40,41と、一方向に交差する他方向に向けて長く形成した一対の他方向ガイド開口42,43とで構成されており、これらは光軸Oに直交する面内で交差する方向に配されている。なお、光軸Oを中心とする交差線上に配してもよい。
【0021】
詳しくは図4に示すように、一対の一方向ガイド開口40,41には、前記一対のガイド突起37,38が各々係合している。これにより、ガイドフレーム26は、スライドフレーム27の移動を前記一方向にガイドし、そして、他方向への移動を阻止している。なお、ガイド開口40〜43の代わりにガイド溝としてもよい。また、ガイド突起の代わりに、ベアリングやベアリングローラ等を用いたカムフォロアーを使用してもよい。
【0022】
フレームカバー25は、メインフレーム28との間での光軸Oの方向でスライドフレーム27を位置決めしている。フレ−ムカバー25には、鏡筒19を露呈する開口45、一対のガイド突起46,47、及びレバー29の先端を露呈する規制用開口48とが設けられている。一対のガイド突起46,47は、ガイドフレーム26に向けて各々突出しており、前記一対の他方向ガイド開口42,43に各々係合している。これにより、フレームカバー25は、ガイドフレーム26の移動を前記他方向にガイドし、一方向への移動を阻止している。
【0023】
フレームカバー25には、スライドフレーム27の前面27aをメインフレーム28に向けて押し付ける複数の付勢手段49が設けられている。各付勢手段49は、バネ50とブッシュ51とで構成されている。これにより、スライドフレーム27が前記面28aに常に押し当てられているから投射レンズ8の光軸が基準光軸Oに対して傾くことを確実に防止することができる。なお、付勢手段49は、複数に限らず1個でもよい。
【0024】
スライドフレーム27が移動すると、投射光軸がスクリーンに直交する投影レンズ8の位置、すなわち、移動範囲の中心となる位置がわからなくなる。そこで、レバー29を基準位置に位置決めするためのクリック機構を設けている。クリック機構は、水平方向用クリック機構と垂直方向用クリック機構とで構成されており、これらは各ブッシュ51の先端に設けた突起55と、突起55が係合する水平及び垂直方向溝56,57とで構成されている。水平及び垂直方向溝56,57は、スライドフレーム27に一段突出して設けた複数の座面58に形成されている。各座面58には、ブッシュ51が各々当接する。レバー29が移動範囲の中心に位置したときには、ブッシュ51の突起55が水平及び垂直方向溝56,57に同時に入り込み、このときのクリック感でレバー29を介してレバーボタン22に操作範囲の中心に位置したことを知らせる。
【0025】
レバー29は、本発明の操作レバーを構成している。図5に示すように、レバー29のボールジョイントは、根元部32の端部に形成したボール部62と、ボール部62をメインフレーム28に自在に取り付けるキャップ部とから構成されている。キャップ部は、球帯部63、メインフレーム28に形成した凹部64、及び保持部材65とで構成されている。凹部64には、ボール部62が自由に回るように係合し、レバー29の先端29aの移動をガイドする。球帯部63は、ボール部62の上に形成されており、断面カサ状となっている。保持部材65は、レバー29の先端29a及び当接部36を挿通するための開口66を有し、球帯部63の外面を覆うようにメインフレーム28に固定され、レバー29の移動を許容しながらレバー29が凹部64から抜け出さないように保持する。
【0026】
レバー29は、ボール部62を支点、先端29aを力点として作用点となる当接部36がスライドフレーム27に設けたレバー用開口35の内壁を押圧し、レバー29の揺動操作に応じてスライドフレーム27を移動させる。そして、当接部36とレバー用開口35とは、スライドフレーム27の移動量を長くとるためにボール部52から離れた位置に形成されている。
【0027】
当接部36と先端29aとの間には、球状に膨出した規制用当接部67が形成されている。規制用当接部67の周りにはフレームカバー25に設けた規制用開口48の内壁が対面しており、この規制用開口48はレバー29の移動範囲を規制する大きさで形成されている。
【0028】
スライドフレーム27には、鏡筒19の重さが加わる。これにより振動などの要因により簡単に移動するおそれがある。そこでシフト操作を行っていないときにスライドフレーム27の移動をロックするブレーキ機構が設けられている。ブレーキ機構は、図6にも示すように、レバーボタン22、ブレーキフレーム30、及びバネ60で構成されている。
【0029】
レバーボタン22は、レバー29の先端29aに取り付けられ、先端29aから突出する突出位置と根元部32に向けて押し込まれる押込位置との間でレバー29の軸方向に移動自在となっている。レバーボタン22の根元には、断面傘状の押圧用球帯部22aが設けられている。
【0030】
ブレーキフレーム30は、一端30aが押圧用球帯部22aとフレームカバー25との間に入り込み、また他端30bにはブレーキシュー70が取り付けられている。ブレーキシュー70は、鏡筒19を挟んだ両側に一対設けられており(図3参照)、各々フレームカバー25及びガイドフレーム26に設けた開口75,76を通してスライドフレーム27の前面(スクリーン側の面)27aに臨んでいる。
【0031】
一端30aと他端30bとの間には、垂直方向に沿って突出した軸部71,72が設けられている。軸部71,72は、フレームカバー25に設けた軸受け部73,74に軸受けされ、軸受け部73,74は、ブレーキフレーム30を回転自在に支持する。ブレーキフレーム30は、ロック位置とロック解除位置との間で回転し、バネ60によりロック位置に向けて常に付勢されている。ロック位置では、ブレーキシュー70がスライドフレーム27の前面27aに当接してスライドフレーム27の移動をロックする。ロック解除位置では、ブレーキシュー70がスライドフレーム27の前面27aから離れてスライドフレーム27の移動を許容する。
【0032】
ブレーキフレーム30には、一端30aに被球帯部77が設けられている。被球帯部77には、レバーボタン22を押込位置に移動したときに押圧用球帯部22aの裏面が当接する。ブレーキフレーム30は、レバーボタン22を押込位置に移動すると被球帯部77が押圧用球帯部22aで押されてロック解除位置に向けてバネ60の付勢に抗して回転する。
【0033】
被球帯部77には、レバー29の移動を許容するための開口78が設けられている。押圧用球帯部22aの裏面及び被球帯部77の前面は、ボール部62を中心として移動する軌跡に沿う球面となっている。レバーボタン22は、シフト操作時に押圧用球帯部22aの裏面が被球帯部77の前面のうちの開口78の周りに摺動するため、レバー29の軸を倒す方向に移動することができる。
【0034】
上記構成の作用を説明する。シフト機構9の初期状態は、図3に示すように、ブレーキフレーム30がバネ60の付勢により軸部71,72を中心として時計方向(ロック位置の方向)に向けて付勢されており、この付勢をレバーボタン22が突出位置で受け止めている。よってレバーボタン22が突出位置のときには、ブレーキフレーム30がロック位置となっている。ブレーキフレーム30がロック位置のときには、図6に示すように、バネ60の付勢によりブレーキシュー70がスライドフレーム27の面80に押圧され、ブレーキシュー70とメインフレーム28との間でスライドフレーム27が挟圧される。このためスライドフレ−ム27の移動がロックされる。
【0035】
ロック解除操作は、レバーボタン22を押込位置に押し込む。レバーボタン22を押込位置に押すと、レバー29に対してレバーボタン22が軸方向に移動して押圧用球帯部22aが被球帯部77を軸方向に押して、ブレーキフレーム30がバネ60の付勢に抗してロック解除位置に回転する。これにより、図7に示すように、ブレーキシュー70がスライドフレーム27の面80から離れ、スライドフレーム27の移動が許容される。
【0036】
シフト操作はロック解除操作を保ったまま行う。この操作は、レバーボタン22を押し込んだままレバーボタン22を上下左右を含むあらゆる方向、すなわち、レバー29の軸を倒す方向に操作する。すると、その力がレバー29に伝達されてレバー29がボール部62を中心にしてレバーボタン22と同じ操作方向に移動する。この移動は当接部36からレバー用開口35の内壁に伝達され、スライドフレーム27が移動する。ところで、単にレバー29の移動だけでは、スライドフレーム27が投射レンズ8の光軸Oに直交する面内で回転するだけでレバー29の操作通りにスライドフレーム27が移動しない。そこで、ガイド手段が設けられている。
【0037】
ガイド手段は、図4で説明したように、ガイドフレーム26、4個のガイド突起37,38,46,47、4個のガイド開口40〜43などで構成されている。レバーボタン22を操作してレバー29の当接部36が移動範囲の基準位置P0から位置P1に移動した場合、位置P1までの直線距離は、投射レンズ8の光軸Oに直交する面内において、前記面内で直交する二方向のうちの一方向に沿った距離X1と他方向に沿った距離Y1とに分解することができる。
【0038】
スライドフレ−ム27の距離X1への移動は、スライドフレーム27のガイド突起37,38がガイドフレーム26の一方向ガイド開口40,41に沿って移動する。このとき、フレームカバー25のガイド突起46,47がガイドフレーム26の他方向ガイド開口42,43の幅方向の縁に当接してフレームカバー25がガイドフレーム26の移動を止めている。よって、距離X1に移動するときには、スライドフレーム27のみが移動する。
【0039】
また、スライドフレ−ム27の距離Y1への移動は、ガイド突起37,38が一方向ガイド開口40,41の幅方向の縁を押すため、スライドフレーム27がガイドフレーム26を他方向に向けて押す。ガイドフレーム26は、一対のガイド突起46,47が他方向ガイド開口42,43に沿って移動するため、フレームカバー25に対して他方向に移動される。これにより、距離Y1に移動するときには、スライドフレーム27とともにガイドフレーム26も一緒に移動する。
【0040】
上記では、スライドフレーム27の移動を、光軸Oに直交する面内で互い交差する二方向のうちの一方向及び他方向への移動とにそれぞれ分解して説明しているが、実際にはこれら一方向及び他方向への移動がほぼ同時に行われるため、スライドフレーム27をレバーボタン22の操作と同じ方向に移動させることができる。これにより、合成画像形成部10の表示面に対して投射レンズ8が平行に移動し、それによって投射レンズ8のシフト量に応じて表示面の中心と投射レンズ8のレンズ主点とを結ぶ投射光軸が光軸Oに対して傾き、よって、スクリーン18へ投射された像がレバーボタン22の操作と同じ方向に移動する。
【0041】
レバーボタン22でのシフト操作が完了した後には、レバーボタン22から手を離す。すると、レバーボタン22の押込位置への押圧が開放されるため、バネ60の付勢によりブレーキフレーム30がロック位置に回転し、そしてその回転に連動してレバーボタン22が突出位置に移動する。
【0042】
なお、本実施形態では、一方向ガイド開口40,41を正面(スクリーン側の面)から見た水平方向に対して反時計方向に45度傾けた直線上に沿って配し、この方向を一方向としている。スライドフレーム27の移動範囲が近似になるように考慮すると、例えば一方向ガイド開口40,41を水平方向に沿って形成したものと比較すると、45度傾けた方が一方向及び他方向に沿ったガイド開口の長さを短くすることができ、よってコンパクト化を図ることができる。
【0043】
また、スライドフレーム27の移動範囲の輪郭は、ガイド手段のガイドにより45度傾けた略矩形状になる。よって、規制用開口48の輪郭もそれに相似の形状となる。しかし、投射レンズ8の投影輪郭は通常円形であり、また3つの透過型液晶パネル14a〜14cの表示範囲は矩形であるため、ガイド手段がガイドする最大移動範囲に合わせて規制用開口48を作ると、スクリーン18へ投射される投影輪郭から合成画像の輪郭がはみ出るおそれがある。そこで、規制用開口48を合成画像の輪郭が投影輪郭からはみ出ない軌跡に沿って作るのが望ましい。この場合、規制用開口48の輪郭を構成する辺が各々中心位置が異なる円弧となる。
【0044】
上記実施形態では、ガイドフレーム26をフレームカバー25とスライドフレーム27との間に配しているが、代わりにスライドフレーム27とメインフレーム28との間に配しても良い。この場合、ガイド突起46,47をメインフレーム28に設け、また、スライドフレーム27の前面に設けたガイド突起37,38を背面に設ければよい。
【0045】
また、上記実施形態では、ガイド開口40〜43とガイド突起37,38,46,47との係合でガイド手段を構成しているが、開口と突起とを逆に設けても良い。また、これらガイド開口40〜43とガイド突起37,38,46,47を一方向及び他方向のガイド用として一対ずつ設けているが、3個以上ずつ設けても良い。ガイド開口及びガイド突起を複数設ける場合には、正面から見て光軸Oを中心とする周方向の等分割位置にそれぞれ設けるのがスムーズな移動が得られるから望ましい。
【0046】
上記実施形態では、レバー29の根元になるボール部62を支点、先端29aを力点として先端29aと根元部32との間に設けた当接部36を作用点としている。しかし本発明ではこのような構造に限らず、例えば、レバー29の中間を支点にして作用点を根元部としてこの根元部でスライドフレーム27を移動させるように構成してもよい。この場合も支点の位置が違うだけでテコの原理を用いるから操作が容易となる。また、支点をメインフレーム28に取り付けているが、代わりにフレームカバー25に取り付けてもよい。
【0047】
また、レバー29の移動を規制する規制用開口としは、フレームカバー25に設けることに限らず、例えばブレーキフレーム30に設けた開口78を規制用開口として良い。
【0048】
さらに、レバーボタン22を設ける位置としては、投射レンズ8が露呈するプロジェクタ7の前面に限らず、操作し易いようにプロジェクタ7の上面に設けても良い。また、上記実施形態では、スライドフレーム27をメインフレーム28に向けて押し付ける4個の付勢手段49を備えているため、スライドフレームの移動をロックするロック機構を省略してもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明の投射レンズシフト装置では、ジョイステック(コントロールレバー)式の操作レバーを設けたから、操作が簡便に行える。また、操作レバーの操作でスライドフレームを移動させる構成はテコの原理を利用しているので操作が容易に行える。さらに、ガイド手段で操作レバーの移動方向と同じにスライドフレームをガイドするから、操作レバーの揺動操作をスライドフレームに確実に伝達することができる。このため、微調節も正確に行える。また、操作レバーを設けているから鏡筒を触ることがなく、よって従来技術で説明した例と比較して鏡筒の変形を防止でき、また不用意にフォーカスリングを回してピントが狂うことを確実に防止することができる。さらに、ガイド手段を、メインフレームとフレームカバーとの間に挟装されるガイドフレームと、メインフレーム又はフレームカバー、ガイドフレーム、及びスライドフレームとの間に設けた第1及び第2ガイドとの構成にしたから、シフト装置の投射光軸方向の厚みをコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロジェクタの概略を示す説明図である。
【図2】投射レンズシフト機構を示す斜視図である。
【図3】投射レンズシフト機構を示す分解斜視図である。
【図4】投射レンズシフト機構を示す断面図であり、光軸に対して上側を一方向に、下側を他方向に沿って切断している。
【図5】投射レンズシフト機構を示す正面中央横断面図である。
【図6】ブレーキシューの位置で切断した投射レンズシフト機構を示す横断面図であり、スライドフレームの移動をロックした状態を示している。
【図7】ブレーキシューの位置で切断した投射レンズシフト機構を示す横断面図であり、スライドフレームの移動をロック解除した状態を示している。
【符号の説明】
8 投射レンズ
9 シフト機構
19 鏡筒
22 レバーボタン
25 フレームカバー
26 ガイドフレーム
27 スライドフレーム
28 メインフレーム
29 レバー
37,38、46,47 ガイド突起
40,41 一方向ガイド開口
42,43 他方向ガイド開口
Claims (3)
- 投射レンズを基準光軸に直交する方向にシフトする投射レンズシフト装置において、
前記基準光軸に直交する基準面を有するメインフレームと、
前記投射レンズを保持したスライドフレームと、
前記メインフレームとの間に前記スライドフレ−ムを前記基準面に沿って移動自在に保持するとともに、スライドフレームを基準光軸方向で位置決めするフレ−ムカバーと、
前記メインフレーム又はフレームカバーといずれか一方で支点が支持され、外部に露呈した一端を力点にして揺動操作したときに作用点に生じる押圧力で前記スライドフレームを前記基準面に沿って移動させる操作レバーと、
前記メインフレーム又はフレームカバーとのいずれか一方とスライドフレームとの間に前記基準面に沿って移動自在に設けられ、前記スライドフレームとの間の係合により、前記操作レバーの操作に伴うスライドフレームの移動を前記基準面と平行な一方向にガイドする第1ガイドが設けられたガイドフレームとを有し、
前記ガイドフレームには、前記メインフレーム又はフレームカバーのいずれか一方との間の係合により、前記操作レバーの操作に伴うスライドフレームの移動を前記一方向に交差する他方向にガイドする第2ガイドが設けられていることを特徴とする投射レンズシフト装置。 - 前記第1ガイドは、前記ガイドフレームとスライドフレームとの対向する面にそれぞれ設けた、互いに係合する一方向用の凹凸の相対的な移動により前記スライドフレームの移動をガイドフレームに対して前記一方向にガイドし、
また、第2ガイドは、前記ガイドフレームと前記メインフレーム又はフレームカバーとのいずれか一方との対向する面にそれぞれ設けた、互いに係合する他方向用の凹凸の相対的な移動により前記メインフレーム又はフレームカバーに対して前記スライドフレームの移動をガイドフレームとともに前記他方向にガイドすることを特徴とする請求項1記載の投射レンズシフト装置。 - 前記一方向用の凹は、前記一方向用の凸の前記一方向への移動を許容し、かつ前記他方向への移動を阻止するとともに、
前記他方向用の凹は、前記他方向用の凸の前記他方向への移動を許容し、かつ前記一方向への移動を阻止することを特徴とする請求項1又は2記載の投射レンズシフト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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