JP4294081B2 - 鉄鋼部材の接合方法、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法、鉄鋼製品の製造方法及びダイカスト製品の製造方法 - Google Patents

鉄鋼部材の接合方法、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法、鉄鋼製品の製造方法及びダイカスト製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼部材の接合方法、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法、鉄鋼製品の製造方法及びダイカスト製品の製造方法に関する。
図7は、従来の鉄鋼部材の接合方法を説明するために示すフローチャートである。図8は、従来の鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。
従来の鉄鋼部材の接合方法は、図7及び図8に示すように、複数の鉄鋼部材における接合予定面を突き合わせた状態で、複数の鉄鋼部材を所定の圧力条件で押圧しながら複数の鉄鋼部材を接合可能な温度に加熱することにより複数の鉄鋼部材を接合して接合体を形成する接合体形成工程S910と、接合体を所定の温度条件の下で熱処理することにより接合体における接合力を強化する接合力強化工程S920とを有する(例えば、特許文献1参照。)。
このため、従来の鉄鋼部材の接合方法によれば、溶接補助材を全く使用せずに複数の鉄鋼部材を接合することが可能となる。また、従来の鉄鋼部材の接合方法によれば、接合体を形成した後に接合力強化工程S920を行うことにより、接合体における接合力を強化することが可能となる。
その結果、従来の鉄鋼部材の接合方法によれば、プラスチックギアなどの樹脂金型に適した接合体を製造することが可能となる。
特開2002−59270号公報
しかしながら、従来の鉄鋼部材の接合方法の接合方法においては、Crを含有する鉄鋼材料(例えばSKD61などの金型用鋼。)からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合に十分に高い接合力を得ることできないという問題があることがわかった。
そこで、本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合にも十分に高い接合力を得ることが可能な鉄鋼部材の接合方法を提供することを目的とする。また、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合にも十分に高い接合力を得ることが可能な、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法を提供することを目的とする。また、このような鉄鋼部材の接合方法により接合された接合体又は鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法により接合力が強化された接合体を用いて製造された鉄鋼製品を提供することを目的とする。さらにまた、鉄鋼製品がダイカスト金型である場合に当該ダイカスト金型を用いて製造されたダイカスト製品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、従来の鉄鋼部材の接合方法において、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合に十分に高い接合力を得ることできない原因を調査した結果、その原因は、接合面にCr含有不動態層が存在することにあるという知見を得た。そこで、本発明者は、この知見に基づき、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させれば接合力を十分に高くすることが可能となり上記問題を解決することができることに想到し、本発明を完成させるに至った。
(1)すなわち、本発明の鉄鋼部材の接合方法は、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合する鉄鋼部材の接合方法であって、前記複数の鉄鋼部材における接合予定面を突き合わせ、前記複数の鉄鋼部材を所定の圧力条件で押圧しながら前記複数の鉄鋼部材を接合可能な第1温度に加熱することにより、前記複数の鉄鋼部材を接合して接合体を形成する接合体形成工程と、前記接合体を、前記鉄鋼材料におけるA変態点以上の第2温度に加熱し、次いで前記A変態点から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で600℃以下の第3温度に徐冷することで、前記接合体の接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて前記接合体における接合力を強化する接合力強化工程とをこの順に含むことを特徴とする。
このため、本発明の鉄鋼部材の接合方法によれば、接合体形成工程の後に上記した接合力強化工程を行うことにより、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合力を十分に高くすることが可能となる。その結果、本発明の鉄鋼部材の接合方法は、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合にも、十分に高い接合力を得ることが可能な鉄鋼部材の接合方法となる。
本発明の鉄鋼部材の接合方法において、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合力を十分に高くするには、接合体を、鉄鋼材料のA変態点以上の第2温度に加熱し、次いでA変態点から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で600℃以下の3温度に徐冷することが必要である。すなわち、A変態点から600℃の範囲において接合体を極めてゆっくりとした条件で徐冷することが必要である。
このような方法とすることにより、接合面におけるCr含有不動態層は、徐冷に伴って組織が変態する過程で母相の鉄鋼材料中に溶け込んでいき最終的には消散することとなり、接合力を十分に高くすることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記第2温度は、前記A変態点よりも100℃高い温度以下の範囲内にあることが好ましい。
このような方法とすることにより、接合面に存在するCr含有不動態層をさらに十分に消散させて接合力をさらに十分に高くすることが可能となる。
(3)上記(1)又は(2)に記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記A変態点から600℃に降温するのに15時間以上かける条件で前記第3温度に徐冷することが好ましい。
このような方法とすることにより、接合面に存在するCr含有不動態層をさらに十分に消散させて接合力をさらに十分に高くすることが可能となる。
この観点から言えば、前記A変態点から600℃に降温するのに20時間以上かける条件で前記第3温度に徐冷することがさらに好ましい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記第3温度は、550℃以下であることが好ましい。
このような方法とすることにより、接合体の均質性を高めるとともに、接合体の硬度を低くして加工性を高めることが可能となる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記接合力強化工程終了後に、不活性ガス雰囲気下で前記接合体を冷却することが好ましい。
このような方法とすることにより、冷却過程で接合体の表面が酸化して品質が劣化するのを抑制することが可能となる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記第1温度は、1000℃〜1100℃の範囲内にあることが好ましい。
このような方法とすることにより、所定の圧力条件で押圧しながら複数の鉄鋼部材を接合して接合体を形成することが可能となる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記接合体形成工程終了後に、前記接合体を徐冷することが好ましい。
このような方法とすることにより、加圧により生じる接合体の応力歪みの発生を抑制して均質性の高い接合体を形成することが可能となる。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記接合体形成工程と前記接合力強化工程との間に、前記接合体を、前記接合体の組織をより均一にすることが可能な第4温度に加熱する均一化工程をさらに含むことが好ましい。
このような方法とすることにより、接合体形成工程と接合力強化工程との間に均一化工程を行うことにより、接合体形成工程を経て不均一な状態となっている組織をより均一にすることが可能となるため、さらに均質性の高い接合体を形成することが可能となる。
(9)上記(8)に記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記第4温度は、1000℃〜1100℃の範囲内にあることが好ましい。
このような方法とすることにより、接合体形成工程を経て不均一な状態となっている組織をさらに均一にすることが可能になるため、さらに均質性の高い接合体を形成することが可能となる。
(10)上記(8)又は(9)に記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記均一化工程終了後に、前記接合体をMs点まで急冷し、その後前記接合体を徐冷することが好ましい。
このような方法とすることにより、焼入れ効果により、接合体の硬度を高くすることで、強度が高く高品質の接合体を形成することが可能となる。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記複数の鉄鋼部材における前記接合予定面は、平面であることが好ましい。
このような方法とすることにより、接合予定面を高精度に加工することで複数の鉄鋼部材を突き当てたときの鉄鋼部材間の密着度を高めて、十分に高い接合力を得ることが可能な鉄鋼部材の接合方法となる。
(12)上記(11)に記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記接合予定面における算術平均粗さRaは、0.2μm以下であることが好ましい。
このような方法とすることにより、複数の鉄鋼部材における接合予定面同士の間隔を平均で0.4μm以下とした状態で複数の鉄鋼部材を接合することが可能となるため、十分に高い接合力を得ることが可能となる。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記接合体形成工程工程及び前記接合力強化工程を、真空中又は不活性ガス雰囲気中において行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、各熱処理工程における酸素等の活性ガスの存在に起因して発生する悪影響を抑制することが可能となる。
(14)上記(1)〜(13)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法においては、前記鉄鋼材料が、熱間金型用鋼、冷間金型用鋼、又はマルテンサイト系ステンレス鋼である場合に、特に大きな効果が得られる。
熱間金型用鋼、冷間金型用鋼、又はマルテンサイト系ステンレス鋼は、Crを含有する鉄鋼であるため、このような鉄鋼材料からなる鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造する場合には、十分に高い接合力を得ることが困難となる場合があるからである。これに対して、本発明の鉄鋼部材の接合方法によれば、このような鉄鋼材料からなる鉄鋼部材であっても、十分に高い接合力で接合することが可能となる。
(15)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、前記接合体形成工程においては、磁気加熱により前記複数の鉄鋼部材を加熱することが好ましい。
なお、本発明の鉄鋼部材の接合方法においては、接合体形成工程を外部加熱又は通電加熱によって行うこともできるが、このように接合体形成工程を磁気加熱によって行うことにより、複数の鉄鋼部材を高速かつ均一に加熱することが可能となり、結果として応力歪みの小さい高品質の接合体を生産性よく製造することが可能となる。
(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、前記接合体形成工程においては、サーボモータを用いて前記複数の鉄鋼部材を押圧することが好ましい。
このような方法とすることにより、複数の鉄鋼部材を一定の圧力条件で押圧することが可能となり、結果として応力歪みの小さい高品質の接合体を製造することが可能となる。
(17)本発明の鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法は、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材が互いに接合された接合体を、前記鉄鋼材料のA変態点以上の温度に加熱し、次いで前記A変態点から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で600℃以下の温度に徐冷することで、前記接合体の接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて前記接合体における接合力を強化することを特徴とする。
このため、本発明の鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法によれば、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合力を十分に高くすることで、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材が互いに接合された接合体であっても、十分に高い接合力を得ることが可能な、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法となる。
(18)本発明の鉄鋼製品は、上記(1)〜(16)のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法により接合された接合体又は上記(17)に記載の鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法により接合力が強化された接合体を用いて製造された鉄鋼製品である。
このため、本発明の鉄鋼製品は、十分に高い接合力で接合された鉄鋼製品となり、様々な用途に用いることが可能となる。
鉄鋼製品としては、各種成形金型、各種工具、各種構造材などを例示することができる。
(19)上記(18)に記載の鉄鋼製品においては、前記接合体における外方に露出する前記接合面から少なくとも2mmの部分は、除去されていることが好ましい。
このように構成することにより、相対的に接合力が低い周辺部分が除去された高品質な鉄鋼製品となる。
(20)上記(18)又は(19)に記載の鉄鋼製品は、ダイカスト金型である場合に特に効果がある。
本発明のダイカスト金型は、接合体を用いて製造されたダイカスト金型であるため、熱交換媒体流路を内部に含むダイカスト金型にように複雑な構造のダイカスト金型を容易に製造することが可能なダイカスト金型となる。また、本発明のダイカスト金型は、十分な高い接合力で接合されているため、高信頼性かつ長寿命なダイカスト金型となる。
(21)上記(20)に記載のダイカスト製品は、本発明のダイカスト金型を用いて製造されたダイカスト製品である。
このため、本発明のダイカスト製品は、上記のように複雑な構造のダイカスト金型を容易に製造することが可能、高信頼性かつ長寿命のダイカスト金型を用いて製造されたダイカスト製品であるため、高品質で製造コストの安価なダイカスト製品となる。
(22)本発明の鉄鋼部材の接合方法は、鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合する鉄鋼部材の接合方法であって、前記複数の鉄鋼部材における接合予定面を突き合わせ、前記複数の鉄鋼部材を所定の圧力条件で押圧しながら磁気加熱により前記複数の鉄鋼部材を接合可能な温度に加熱することにより、前記複数の鉄鋼部材を接合して接合体を形成する接合体形成工程を含むことを特徴とする。
このため、本発明の鉄鋼部材の接合方法は、接合体形成工程においては磁気加熱により複数の鉄鋼部材を加熱することとしているため、複数の鉄鋼部材を高速かつ均一に加熱することが可能となり、結果として応力歪みの小さい高品質の接合体を生産性よく製造することが可能となる。
(23)本発明の鉄鋼部材の接合方法は、鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合する鉄鋼部材の接合方法であって、前記複数の鉄鋼部材における接合予定面を突き合わせ、サーボモータを用いて前記複数の鉄鋼部材を所定の圧力条件で押圧しながら前記複数の鉄鋼部材を接合可能な温度に加熱することにより、前記複数の鉄鋼部材を接合して接合体を形成する接合体形成工程を含むことを特徴とする。
このため、本発明の鉄鋼部材の接合方法は、接合体形成工程においてはサーボモータを用いて複数の鉄鋼部材を押圧することとしているため、複数の鉄鋼部材を一定の圧力条件で押圧することが可能となり、結果として応力歪みの小さい高品質の接合体を製造することが可能となる。
実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示すフローチャートである。 実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。 実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。 接合体における接合部分の断面電子顕微鏡写真である。 実施形態2に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。 実施形態3に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。 従来の鉄鋼部材の接合方法を説明するために示すフローチャートである。 従来の鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。
以下、本発明の鉄鋼部材の接合方法、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法、鉄鋼製品及びダイカスト製品について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
実施形態1は、本発明の鉄鋼部材の接合方法を説明するための実施形態である。
図1は、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示すフローチャートである。図2は、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために図である。図2中、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。図3は、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。図3(a)は接合予定の鉄鋼部材12,16を示す図であり、図3(b)は接合体形成工程(S10)中における鉄鋼部材12,16を示す図であり、図3(c)は均一化工程(S20)終了後における接合体10を示す図であり、図3(d)は接合力強化工程(S30)終了後における接合体10を示す図である。
実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法は、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合する鉄鋼部材の接合方法であって、図1に示すように、接合体形成工程(S10)と、均一化工程(S20)と、接合力強化工程(S30)とをこの順に含む。
接合体形成工程(S10)は、図2及び図3(b)に示すように、2つの鉄鋼部材12,16における接合予定面14,18を突き合わせ、2つの鉄鋼部材12,16を所定の圧力条件で押圧しながら2つの鉄鋼部材12,16を接合可能な第1温度T(例えば、1000〜1100℃(図2においては1070℃。)。)に加熱することにより、2つの鉄鋼部材12,16を接合して接合体10を形成する工程である。
接合体形成工程(S10)においては、押圧は、油圧により行い、例えば10MPaの圧力で行う。接合体形成工程(S10)においては、加熱は、真空炉中で行い、第1温度Tにおける保持時間は30分間(図2におけるt参照。)とする。接合体形成工程(S10)終了後には、接合体10を室温まで徐冷する。
均一化工程(S20)は、図2に示すように、接合体10を、接合体10の組織をより均一にすることが可能な第4温度T(例えば、1000〜1100℃(図2においては1040℃。)。)に加熱する工程である。
第4温度Tにおける保持時間は1時間(図2におけるt参照。)とする。均一化工程(S20)終了後には、接合体10をMs点まで急冷し、その後接合体10を徐冷する。
接合力強化工程S30は、図2に示すように、接合体10を、鉄鋼材料におけるA変態点TA1以上の第2温度(図2においては850℃。)に加熱し、次いでA変態点TA1から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で600℃以下の第3温度T(図2においては500℃。)に徐冷することで、接合体10の接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合体10における接合力を強化する工程である。
接合力強化工程(S30)においては、加熱は、真空炉中で行い、第2温度Tにおける保持時間は2時間(図2におけるt参照。)とする。接合力強化工程(S30)終了後には、不活性ガス雰囲気下(例えば、Nガス雰囲気下。)で接合体10を冷却する。
実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法においては、鉄鋼部材として、熱間金用型鋼(SDK61)からなる鉄鋼部材12,16を用いた。鉄鋼部材12,16は、図3(a)に示すように、円柱形状(φ20mm×20mm)をしている。鉄鋼部材12,16における接合予定面14,18は、平面である。また、鉄鋼部材12,16における接合予定面14,18における算術平均粗さRaは、0.1μmである。
以上のような工程を含む実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、接合体形成工程(S10)の後に上記した接合力強化工程(S30)を行うことにより、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合力を十分に高くすることが可能となる。その結果、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法は、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合にも、十分に高い接合力を得ることが可能な鉄鋼部材の接合方法となる。
実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法においては、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合力を十分に高くするために、接合体10を、鉄鋼材料のA変態点TA1以上の第2温度に加熱し、次いでA変態点TA1から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で600℃以下の第3温度Tに徐冷することとしている。すなわち、A変態点TA1から600℃の範囲において接合体を極めてゆっくりとした条件で徐冷することとしている。
このため、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、接合面におけるCr含有不動態層は、徐冷に伴って組織が変態する過程で母相の鉄鋼材料中に溶け込んでいき最終的には消散することとなり、接合力を十分に高くすることが可能となる。
また、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、接合力強化工程(S30)終了後に、不活性ガス雰囲気下(例えば、Nガス雰囲気下)で接合体10を冷却することとしているため、冷却過程で接合体10の表面が酸化して品質が劣化するのを抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、接合体形成工程(S10)終了後に、接合体10を徐冷することとしているため、加圧により生じる接合体10の応力歪みの発生を抑制して均質性の高い接合体を形成することが可能となる。
また、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、接合体形成工程(S10)と接合力強化工程(S30)との間に、接合体10を、接合体の組織をより均一にすることが可能な第4温度Tに加熱する均一化工程(S20)をさらに含むこととしているため、接合体形成工程(S10)を経て不均一な状態となっている組織をより均一にすることが可能となるため、さらに均質性の高い接合体を形成することが可能となる。
また、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、均一化工程(S20)終了後に、接合体10をMs点まで急冷し、その後接合体10を徐冷することとしているため、焼入れ効果により、接合体の硬度を高くすることで、強度が高く高品質の接合体を形成することが可能となる。
また、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、鉄鋼部材12,16における接合予定面14,18は平面であるため、接合予定面を高精度に加工することで鉄鋼部材を突き当てたときの鉄鋼部材間の密着度を高めて、十分に高い接合力を得ることが可能となる。
また、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、接合予定面14,18における算術平均粗さRaは、0.2μm以下であるため、鉄鋼部材12,16における接合予定面14,18同士の間隔を平均で0.4μm以下とした状態で鉄鋼部材12,16を接合することが可能となるため、十分に高い接合力を得ることが可能となる。
また、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、接合体形成工程(S10)及び接合力強化工程(S30)を、真空中において行うため、各熱処理工程における酸素等の活性ガスの存在に起因して発生する悪影響を抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法においては、Crを含有する鉄鋼材料である熱間金型用鋼(SKD61)からなる鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造しているが、このような場合にも、十分に高い接合力で接合することが可能となる。
図4は、接合体における接合部分の断面電子顕微鏡写真である。図4(a)は実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法により接合された接合体10における接合部分の断面電子顕微鏡写真であり、図4(b)は比較例1に係る鉄鋼部材の接合方法により接合された接合体(図示せず。)における接合部分の断面電子顕微鏡写真である。
比較例1に係る鉄鋼部材の接合方法は、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法と基本的には同じ鉄鋼部材の接合方法であるが、接合体形成工程(S10)(及び均一化工程(S20))の後に接合力強化工程(S30)を含まない点で実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合と異なっている。
図4にからも明らかなように、比較例に係る鉄鋼部材の接合方法により接合された接合体においては接合面が明瞭に観察されるが、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法により接合された接合体10においては接合面が全く観察されない。
このように、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法によれば、接合体形成工程(S10)の後に上記した接合力強化工程(S30)を行うことにより、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合力を十分に高くすることが可能となる。その結果、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法は、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合にも、十分に高い接合力を得ることが可能な鉄鋼部材の接合方法となる。
[実施形態2]
実施形態2は、本発明の鉄鋼部材の接合方法及びそれによって製造される鉄鋼製品を説明するための実施形態である。鉄鋼製品として、ダイカスト金型製造に用いる加圧ピンを例にとって説明する。
図5は、実施形態2に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。図5(a)は接合予定の鉄鋼部材22,26を示す図であり、図5(b)は接合体形成工程(S10)中における鉄鋼部材22,26を示す図であり、図5(c)は均一化工程(S20)終了後における接合体20を示す図であり、図5(d)は接合力強化工程(S30)終了後における接合体20を示す図である。
実施形態2に係る鉄鋼部材の接合方法は、基本的には実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法と同様の方法であるが、接合対象が実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る鉄鋼部材の接合方法においては、図5(a)に示すように、接合対象として、NC切削加工により所定の形状に切削した鉄鋼部材22,26を用いている。鉄鋼部材としては、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合と同様に、熱間金型用鋼(SDK61)を用いている。
このように、実施形態2に係る鉄鋼部材の接合方法は、接合対象が実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合と同様に、接合体形成工程(S10)の後に上記した接合力強化工程(S30)を行うこととしているため、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合力を十分に高くすることが可能となる。その結果、実施形態2に係る鉄鋼部材の接合方法は、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合にも、十分に高い接合力を得ることが可能な鉄鋼部材の接合方法となる。
このため、加圧ピンのような比較的複雑な形状の鉄鋼製品を容易に製造するために(単一の鉄鋼部材を出発原料として加工するのは容易ではない。)、複数の鉄鋼部材を互いに接合する接合体形成工程を用いて鉄鋼製品を製造したとしても、十分に高い接合力を得ることが可能となるため、様々な用途に適用可能な鉄鋼製品を製造することが可能となる。
[実施形態3]
実施形態3は、本発明の鉄鋼部材の接合方法及びそれによって製造される鉄鋼製品を説明するための実施形態である。鉄鋼製品として、ダイカスト金型を例にとって説明する。
図6は、実施形態3に係る鉄鋼部材の接合方法を説明するために示す図である。図6(a)は接合予定の鉄鋼部材32,36を示す図であり、図6(b)は接合体形成工程(S10)中における鉄鋼部材32,36を示す図であり、図6(c)は均一化工程(S20)終了後における接合体30を示す図であり、図6(d)は接合力強化工程(S30)終了後における接合体30を示す図であり、図6(e)は接合力強化工程(S30)終了後における切削工程を示す図である。
実施形態3に係る鉄鋼部材の接合方法は、基本的には実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法と同様の方法であるが、接合対象が実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係る鉄鋼部材の接合方法においては、図6(a)に示すように、接合対象として、接合予定面内に熱交換用媒体流路形成用溝42,44が形成された鉄鋼部材32,36を用いている。鉄鋼部材としては、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合と同様に、熱間金型用鋼(SDK61)を用いている。
このように、実施形態3に係る鉄鋼部材の接合方法は、接合対象が実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る鉄鋼部材の接合方法の場合と同様に、接合体形成工程(S10)の後に上記した接合力強化工程(S30)を行うこととしているため、接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合力を十分に高くすることが可能となる。その結果、実施形態3に係る鉄鋼部材の接合方法は、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合にも、十分に高い接合力を得ることが可能な鉄鋼部材の接合方法となる。
このため、ダイカスト金型のような比較的複雑な形状の鉄鋼製品を容易に製造するために(単一の鉄鋼部材を出発原料として加工するのはまず不可能。)、複数の鉄鋼部材を互いに接合する接合体形成工程を用いて鉄鋼製品を製造したとしても、十分に高い接合力を得ることが可能となるため、様々な用途に適用可能なダイカスト金型を製造することが可能となる。
実施形態3に係る鉄鋼部材の接合方法においては、図6(e)に示すように、接合された接合体30に切削加工を施して所望の形状になるよう加工する。このようにして、内部に熱交換媒体用流路40を有するダイカスト金型50を製造することができる。
このように、実施形態3に係るダイカスト金型50は、十分に高い接合力で接合されているため、高信頼性かつ長寿命なダイカスト金型となる(実験では寿命が100倍以上に延びることが確認されている。)。このため、ダイカスト金型50を用いて製造されたダイカスト製品は、高品質で製造コストの安価なダイカスト製品となる。
なお、実施形態3に係る鉄鋼部材の接合方法においては、接合体30における外方に露出する接合面から少なくとも2mmの部分を除去している。このような方法とすることにより、相対的に接合力が低い周辺部分が除去された高品質なダイカスト金型となる。
以上、本発明の鉄鋼部材の接合方法、鉄鋼製品及びダイカスト製品を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態は、接合体形成工程(S10)と、均一化工程(S20)と、接合力強化工程(S30)をこの順に含む鉄鋼部材の接合方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材が互いに接合された接合体を、鉄鋼材料のA変態点TA1以上の温度に加熱し、次いで前記A変態点TA1から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で600℃以下の温度に徐冷することで、接合体の接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて接合体における接合力を強化する、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法をも含むものである。この場合にも、Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合して接合体を製造した場合に十分に高い接合力を得ることが可能となる。
(2)上記各実施形態においては、接合体形成工程(S10)、均一化工程(S20)及び接合力強化工程(S30)を、真空中において行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、これらの工程をNガス、Arガス等の不活性ガス雰囲気中において行うこともできる。このような方法によっても、各熱処理工程(S10〜S30)において、酸素等の反応性ガスによる悪影響を抑制することが可能となる。
(3)上記各実施形態においては、接合体形成工程(S10)を真空炉を用いた外部加熱により行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、真空炉以外の加熱炉を用いた外部加熱、通電加熱、又は磁気加熱により行うこともできる。このうち、磁気加熱の場合には、複数の鉄鋼部材を高速かつ均一に加熱することが可能となり、結果として応力歪みの小さい高品質の接合体を生産性よく製造することが可能となる。
なお、接合体形成工程(S10)を磁気加熱により行う方法は、Crを含有しない鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合する鉄鋼部材の接合方法にも適用可能なものである。
(4)上記各実施形態においては、油圧により複数の鉄鋼部材を押圧しながら複数の鉄鋼部材を加熱することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、サーボモータを用いて複数の鉄鋼部材を所定の圧力条件で押圧しながら複数の鉄鋼部材を加熱することもできる。これにより、複数の鉄鋼部材を一定の圧力条件で押圧することが可能となり、結果として応力歪みの小さい高品質の接合体を製造することが可能となる。
なお、接合体形成工程(S10)をサーボモータを用いて鉄鋼部材を押圧する方法は、Crを含有しない鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合する鉄鋼部材の接合方法にも適用可能なものである。
(5)上記各実施形態においては、接合力強化工程(S30)においてA変態点TA1から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で徐冷することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、A変態点TA1から600℃に降温するのに15時間以上又は20時間以上かける条件で徐冷することとしてもよい。これにより、接合面に存在するCr含有不動態層をさらに十分に消散させて接合力をさらに十分に高くすることが可能となる。
(6)上記各実施形態ににおいては、接合予定面14,18,24,28,34,38が平面である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。接合予定面が互いに密着可能であれば、接合予定面は曲面であったり段差を有していたりしてもよい。
(7)上記各実施形態においては、鉄鋼材料として、熱間金型用鋼(SKD61)を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、SKD61以外の熱間金型用鋼、冷間金型鋼、高速工具鋼又はマルテンサイト系ステンレス鋼を用いることもできる。このような鉄鋼材料からなる鉄鋼部材であっても、十分に高い接合力で接合することが可能となる。
(8)上記各実施形態においては、鉄鋼製品として、円柱状の接合体、加圧ピン又はダイカスト金型を製造することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。鉄鋼製品としては、各種成形金型、各種工具、各種構造材などを例示することができる。
符号の説明
10,20,30…接合体、12,16,22,26,32,36…鉄鋼部材、14,18,24,28,34,38…接合予定面、40…熱交換用媒体流路、42,44…熱交換用媒体流路形成用溝、50…ダイカスト金型、S10,S910…接合体形成工程、S20…均一化工程、S30,S920…接合力強化工程、T…第1温度、T…第2温度、T…第3温度、T…第4温度、TA1…A変態点、t…第1熱処理時間、t…第2熱処理時間、t…第3熱処理時間、t…第4熱処理時間

Claims (21)

  1. Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材を互いに接合する鉄鋼部材の接合方法であって、
    前記複数の鉄鋼部材における接合予定面を突き合わせ、前記複数の鉄鋼部材を所定の圧力条件で押圧しながら前記複数の鉄鋼部材を接合可能な第1温度に加熱することにより、前記複数の鉄鋼部材を接合して接合体を形成する接合体形成工程と、
    前記接合体形成工程終了後に前記接合体を室温まで徐冷する工程と、
    前記接合体を、前記鉄鋼材料におけるA変態点以上の第2温度に加熱し、次いで前記A変態点から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で600℃以下の第3温度に徐冷することで、前記接合体の接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて前記接合体における接合力を強化する接合力強化工程とをこの順に含むことを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  2. 請求項1に記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記第2温度は、前記A変態点よりも100℃高い温度以下の範囲内にあることを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  3. 請求項1又は2に記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記A変態点から600℃に降温するのに15時間以上かける条件で前記第3温度に徐冷することを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記第3温度は、550℃以下であることを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記接合力強化工程終了後に、不活性ガス雰囲気下で前記接合体を冷却することを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記第1温度は、1000℃〜1100℃の範囲内にあることを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記接合体形成工程終了後に、前記接合体を徐冷することを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記接合体形成工程と前記接合力強化工程との間に、前記接合体を、前記接合体の組織をより均一にすることが可能な第4温度に加熱する均一化工程と、
    前記均一化工程終了後に前記接合体を室温まで冷却する工程とをさらに含むことを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  9. 請求項8に記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記第4温度は、1000℃〜1100℃の範囲内にあることを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  10. 請求項8又は9に記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記均一化工程終了後に、前記接合体をMs点まで急冷し、その後前記接合体を徐冷することを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記複数の鉄鋼部材における前記接合予定面は、平面であることを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  12. 請求項11に記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記接合予定面における算術平均粗さRaは、0.2μm以下であることを特徴とする鉄鋼部材の接合方法
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記接合体形成工程及び前記接合力強化工程を、真空中又は不活性ガス雰囲気中において行うことを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記鉄鋼材料は、熱間金型用鋼、冷間金型用鋼又はマルテンサイト系ステンレス鋼であることを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記接合体形成工程においては、磁気加熱により前記複数の鉄鋼部材を加熱することを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法において、
    前記接合体形成工程においては、サーボモータを用いて前記複数の鉄鋼部材を押圧することを特徴とする鉄鋼部材の接合方法。
  17. Crを含有する鉄鋼材料からなる複数の鉄鋼部材が互いに接合された接合体を、前記鉄鋼材料のA変態点以上の温度に加熱し、次いで前記A変態点から600℃に降温するのに10時間以上かける条件で600℃以下の温度に徐冷することで、前記接合体の接合面に存在するCr含有不動態層を消散させて前記接合体における接合力を強化することを特徴とする、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法。
  18. 請求項1〜16のいずれかに記載の鉄鋼部材の接合方法により接合された接合体又は請求項17に記載の鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法により接合力が強化された接合体を用いて鉄鋼製品を製造することを特徴とする鉄鋼製品の製造方法
  19. 請求項18に記載の鉄鋼製品の製造方法において、
    前記接合体における外方に露出する前記接合面から少なくとも2mmの部分を除去することを特徴とする鉄鋼製品の製造方法
  20. 請求項18又は19に記載の鉄鋼製品の製造方法において、
    前記鉄鋼製品は、ダイカスト金型であることを特徴とする鉄鋼製品の製造方法
  21. 請求項20に記載の鉄鋼製品の製造方法によって製造されたダイカスト金型を用いてダイカスト製品を製造することを特徴とするダイカスト製品の製造方法
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