JP2010179347A - ホットプレス成形部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホットプレス成形部品10は、ホットプレスで成形され、位置決め孔32,33を設ける部位に位置決め孔より大きなガイド孔27,28を有するプレス成形部材12と、プレス成形プレート14,16に設けられ、ガイド孔27,28内の所望位置に位置決めされた位置決め孔32,33を有するプレス成形プレート14,16とを備えている。
【選択図】図1
Description
このホットプレス成形方法によれば、素板材を加熱し、加熱した素板材を熱間状態において金型でプレス成形することで素板材に焼入れ処理を施して高張力鋼の成形部材を得ることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、ホットプレス成形方法で素板材をプレス成形する場合、素板材は通常800〜1200℃程度に加熱されている。このため、素板材が柔らかくなり、ホットプレス成形の際に位置決め孔を穿設(形成)することは難しい。
しかし、ホットプレス成形前の素板材に位置決め孔を形成した場合、素板材をホットプレス成形する際に位置決め孔が変形する虞があり、位置決め孔の精度を確保することが難しい。
しかし、ホットプレス成形されたプレス成形部材は成形時に焼入れ処理が施されている。このため、焼入れ処理が施されたプレス成形部材にプレス金型で位置決め孔を穿設(形成)すると、位置決め孔の成形面(加工面)において残留応力が高くなり、成形面(加工面)に遅れ破壊が発生することが考えられる。
一方、焼入れ処理が施されたプレス成形部材にレーザで位置決め孔を加工(形成)すると、位置決め孔の加工時間が長くなりプレス成形部材のコストを抑える妨げになる。
これにより、ホットプレス成形部品の位置決め孔を所望位置に精度よく設けることができる。
よって、プレス成形部材をホットプレス成形する前に、プレス成形部材の素板材にガイド孔を予め形成することが可能になる。
これにより、ガイド孔の成形面(加工面)の残留応力を小さく抑えることができ、加工面に遅れ破壊が発生することを防止できる。
よって、レーザでガイド孔を形成するために必要な比較的長い加工時間を不要にできる。これにより、ガイド孔を時間をかけないで形成でき、ホットプレス成形部品のコストを抑えることができる。
素板材にガイド孔を形成することで、焼入れ処理が施されたプレス成形部材にプレス金型でガイド孔を形成する必要がない。
これにより、ガイド孔の成形面(加工面)の残留応力を小さく抑えることができ、加工面に遅れ破壊が発生することを防止できる。
よって、レーザでガイド孔を形成するために必要な比較的長い加工時間を不要にできる。これにより、ガイド孔を時間をかけないで形成でき、ホットプレス成形部品のコストを抑えることができる。
これにより、ホットプレス成形部品の位置決め孔を所望位置に精度よく設けることができる。
図1に示すように、ホットプレス成形部品10は、ホットプレスで成形されたプレス成形部材12と、プレス成形部材12に設けられた左右の位置決めプレート(位置決め部材)14,16とを備えている。
このプレス成形部材12は、例えば、自動車に備えるサイドシルのインナパネルに用いられる。
また、壁部21の左端部21dのうち、後述する左位置決め孔33を設ける部位に左ガイド孔(ガイド孔)28が形成されている。
左ガイド孔28は、右ガイド孔27と左右対称の孔であり、右ガイド孔27と同様に孔径D1で形成されている。
この右位置決めプレート16は、例えば、略矩形状にプレス形成(プレス加工)される際に、左端部16bに右位置決め孔(位置決め孔)32が、孔径D2(図2(b)参照)で穿設(形成)されている。
よって、右位置決めプレート16のコストを抑えるとともに、生産性を高めることができる。
換言すれば、右ガイド孔27は、右位置決め孔32と比較して大きな孔に形成されている。
よって、右位置決め孔32の位置を、右ガイド孔27内において調整するように移動することが可能である。
このように、右ガイド孔27内において右位置決め孔32の位置を調整することで、右位置決め孔32を所望位置に精度よく位置決めすることができる。
左ガイド孔28内において左位置決め孔33の位置を調整するように移動することで、左位置決め孔33を所望位置に精度よく位置決めすることができる。
例えば、右位置決め孔32および左位置決め孔33を係止部材(図示せず)に嵌合することで、ホットプレス成形部品10を所定位置に精度よく位置決めすることができる。
図4(a)において、素板材18に右ガイド孔27および左ガイド孔28を形成する。
さらに、素板材18に、軽量化を図るために複数の孔29を形成する。
同様に、左ガイド孔28は、素板材18の左端部18cのうち、左位置決め孔33を設ける部位18dに合わせて形成される。
具体的には、右ガイド孔27、左ガイド孔28および複数の孔29を形成した素板材18を加熱し、加熱した素板材18を熱間状態において金型でプレス成形する。
このように、加熱した素板材18を熱間状態においてプレス成形することで、素板材18に焼入れ処理を施して高張力鋼のプレス成形部材12が得られる。
これにより、左右のガイド孔28,27の成形面(加工面)の残留応力を小さく抑えることができ、加工面に遅れ破壊が発生することを防止できる。
よって、レーザで左右のガイド孔28,27を形成するために必要な比較的長い加工時間を不要にできる。
これにより、左右のガイド孔28,27を時間をかけないで形成でき、ホットプレス成形部品10のコストを抑えることができる。
そして、ピン外径D3、孔径D2および孔径D1は、ピン外径D3<孔径D2<孔径D1の関係が成立する。
同様に、孔径D1およびピン外径D3は、左ピン43に左ガイド孔28を嵌合した状態で、左ピン43と左ガイド孔28との間に比較的大きな隙間が生じるように設定されている。
これにより、右ピン44に右ガイド孔27を嵌合させるとともに、左ピン43に左ガイド孔28を嵌合させることができる。
同様に、左ピン43に左位置決め孔33を嵌合させて、左位置決めプレート14をプレス成形部材12(具体的には、壁部21の左端部21dのうち外側面21f)に載せる。
このように、右ガイド孔27内において右位置決め孔32の位置を調整することで、右位置決め孔32を所望位置に位置決めすることができる。
このように、左ガイド孔28内において左位置決め孔33の位置を調整することで、左位置決め孔33を所望位置に位置決めすることができる。
これにより、左位置決め孔33および右位置決め孔32を所望位置に精度よく位置決めすることができる。
図7(a)において、ホットプレス成形部品10の右位置決め孔32にインナパネル50の左位置決め孔52を位置決めした状態で、ホットプレス成形部品10の右端部10aおよびインナパネル50の左端部50aを重ね合わせる。
よって、インナパネル50を金型でプレス成形する際に、インナパネル50の左端部50aに左位置決め孔52を直接形成し、インナパネル50の右端部50bに右位置決め孔53を直接形成することが可能である。
すなわち、ホットプレス成形部品10のように左右の位置決めプレート14,16を用いることなく、インナパネル50に左位置決め孔52および右位置決め孔53が形成されている。
この状態で、ホットプレス成形部品10の右位置決め孔32にインナパネル50の左位置決め孔52が位置決めされている。
よって、ホットプレス成形部品10の左位置決め孔33およびインナパネル50の右位置決め孔53を所望位置に精度よく設けることができる。
したがって、左位置決め孔33および右位置決め孔53を係止部材(図示せず)に嵌合することで、ホットプレス成形部品10およびインナパネル50を所定位置に精度よく位置決めすることができる。
例えば、前記実施例では、右ガイド孔27および左ガイド孔28を孔径D1の円形に形成する例について説明したが、これに限らないで、右ガイド孔27および左ガイド孔28を楕円形や長孔などの他の形状に形成することも可能である。
プレス成形部材12の左右の端部に樹脂製の部材を射出成形(インサート成形)などで設けることで、左右の位置決め孔をレーザなどで加工する場合と比較して時間をかけないで簡単に形成することができ、コストを抑えるとともに、生産性を高めることができる。
Claims (2)
- ホットプレス成形部品を所定位置に位置決めするための位置決め孔を備えたホットプレス成形部品において、
ホットプレスで成形され、前記位置決め孔を設ける部位に前記位置決め孔より大きなガイド孔を有するプレス成形部材と、
前記プレス成形部材に設けられ、前記ガイド孔内の所望位置に位置決めされた前記位置決め孔を有する位置決め部材と、
を備えたことを特徴とするホットプレス成形部品。 - ホットプレス成形部品を所定位置に位置決めするための位置決め孔を備えたホットプレス成形部品の製造方法において、
ホットプレス成形前の素板材において、前記位置決め孔を設ける部位に前記位置決め孔より大きなガイド孔を形成する工程と、
前記ガイド孔を形成した前記素板材をホットプレスでプレス成形部材に成形する工程と、
前記プレス成形部材に前記位置決め孔を有する位置決め部材を設け、前記位置決め孔を前記ガイド孔内の所望位置に位置決めする工程と、
を備えたことを特徴とするホットプレス成形部品の製造方法。
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