JP4293908B2 - 組換えヒトエリスロポエチンのクロマトグラフィー精製 - Google Patents

組換えヒトエリスロポエチンのクロマトグラフィー精製 Download PDF

Info

Publication number
JP4293908B2
JP4293908B2 JP2003547445A JP2003547445A JP4293908B2 JP 4293908 B2 JP4293908 B2 JP 4293908B2 JP 2003547445 A JP2003547445 A JP 2003547445A JP 2003547445 A JP2003547445 A JP 2003547445A JP 4293908 B2 JP4293908 B2 JP 4293908B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rhepo
medium
column
fraction
epo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003547445A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005518196A (ja
Inventor
アリガー,ペーター
パルマ,ノルベルト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sandoz AG
Original Assignee
Sandoz AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sandoz AG filed Critical Sandoz AG
Publication of JP2005518196A publication Critical patent/JP2005518196A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4293908B2 publication Critical patent/JP4293908B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/18Ion-exchange chromatography
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/20Partition-, reverse-phase or hydrophobic interaction chromatography
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/505Erythropoietin [EPO]
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y5/00Nanobiotechnology or nanomedicine, e.g. protein engineering or drug delivery

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は、規定された組成のグリコフォームを有する組換えヒトエリスロポエチン(Epo)を高純度形態で、すなわち宿主細胞タンパク質を低量しか含まずに産生する方法に関する。これは、特定の一連の精製ステップと分離したアイソフォームを定量するための分析ツールを組合せることにより達成される。
エリスロポエチンは、赤血球前駆細胞の増殖及び分化並びに循環赤血球の生理学的レベルの維持を調節する主要ホルモンである。胎児では、Epoは主に肝臓で産生され、その産生の約90%は生後腎臓に変わる。慢性または急性の腎不全のためにEpoレベルが下がったときには、立ち上がり貧血(rising anemia)を防止するために外部からEpoを投与しなければならない。Epo遺伝子が発見され、げっ歯類細胞で該遺伝子が発現されて以来、治療上活性なヒトエリスロポエチンが利用可能となった。
ヒトEpo遺伝子は、27アミノ酸シグナルペプチド及び18396ダルトンの算出分子量を有する166アミノ酸タンパク質をコードする。成熟タンパク質は通常1つのアミノ酸N末端欠失を有し、165アミノ酸長である。シグナル配列により、ペプチドは3つのN−グリコシル化部位及び1つのO−グリコシル化部位を有する成熟タンパク質をもたらす適正なグリコシル化に関与する細胞コンパートメントに指向する。全分子量の約40%を構成する糖部分はEpoの完全生物活性にとって必須である。幾つかの研究で、末端シアル酸残基の数がインビボ半減期に対してポジティブな効果を有するものの、インビトロ活性、すなわち受容体に対する結合はグリコシル化が全くまたは部分的にしかされていない形態の場合に最高であることが判明した(Takeuchi及びKobata,Glycobiology,1(4):337−346(1991))。シアリル化度は半減期に直接比例し、シアル酸の少ないアイソフォームは生体から非常に速く取り除かれ、よって低い活性しか示さない。
高活性の組換えエリスロポエチンを作成する際の目的は、十分に最適化した発酵技術及び選択的精製プロトコルにより多くの末端シアル酸残基を有する産物を作成することである。
多数の刊行物にEpoの各種ソースからの精製についての記載がある。エリスロポエチンのクローニング及び組換えDNA技術の使用以前に公表された精製方法の多くは天然ソースとしてヒト尿を使用していた。Epo精製についての以下のプロトコルはいずれも純粋な産物を生ずるが、規定されたアイソフォームの蓄積については言及していない。T.Miyakeら,J.Biol.Chem.,252(15):5558−5564(1977)には、尿Epoをイオン交換クロマトグラフィー、エタノール沈殿、ゲル濾過及び吸着クロマトグラフィーを含めた複数ステップ手順により精製することが記載されている。N.Inoueら,Biol.Phar,.Bull,17(2):180−184(1994)に記載されている別の手順では、ヒト尿からEpoを精製するためにアニオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、レクチンクロマトグラフィー及び逆相クロマトグラフィーを使用している。G.Krystal.,Blood.67(1):71−79(1986)に記載されているAffi−Blue、等電点クロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー及び分取SDS−PAGEの5ステップ精製のソースも尿である。上記した精製ステップの別の組合せはH.Yianagiら,J.Chromatogra.,417:178−182(1987)に記載されている。下流プロセシング(DSP)プロトコルでは、尿をエタノール沈殿、2つのレクチンクロマトグラフィーステップ、ヒドロキシアパタイト及び逆相クロマトグラフィーにより精製している。
V.Broudyら,Arch.Biochem.Biophys.,265(2):329−336(1988)では、エリスロポエチンをAffi−Gelブルークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー及び逆相クロマトグラフィーにより精製するためにトランスフェクトしたBHK細胞株を使用した。精製されたEpoは特定のアイソフォームを多く含んでいない。
A.B.Ghanem,Prep.Biochem.,24(2):127−142(1994)及びA.Gokanaら,J.Chromatogra.,791:109−118(1997)では、B−リンパ芽球腫細胞株で生成したエリスロポエチンのアイソフォームを分離するために、アフィニティークロマトグラフィーステップ後DEAE−Sephacelを使用した。彼らは精製産物を等電点電気泳動により分析したが、規定アイソフォームを含むフラクションをプールしなかった。
J.Burgらの国際特許出願公開第99/28346号パンフレットは、炭水化物構造中のN−アセチルラクトサミン単位及び/またはテトラアンテナ分枝についてEpoを高度に精製した。DSPシーケンスは細胞培養上清から始め、この上清にアフィニティークロマトグラフィーにより捕捉し、疎水性相互作用クロマトグラフィーによる精製し、ヒドロキシフパタイト及び逆相クロマトグラフィーを適用した。この方法の欠点は、ブルー−セファロース捕捉マトリックスのCibacron Blue 3G色素−リガンドが漏出する恐れがあること、宿主細胞タンパク質がHICステップにより十分に分離されないこと及びシリカを主成分とするPRC樹脂がNaOHによる衛生に対して安定でないことである。
本発明は、宿主細胞を含む細胞培養培地からの組換えヒトエリスロポエチン(rhEpo)の回収及び精製方法を提供し、その方法は、
(a)(i)遠心後のデプス濾過ステップ、(ii)デプス濾過ステップ及び(iii)遠心からなる群から選択される手順を実施して細胞培養培地から宿主細胞、細胞成分及び破片を除去して、清澄化培地上清を得るステップ、
(b)前記上清の伝導率を5mS/cm以下、pHを約7.0〜8.0に調節するステップ、
(c)ステップ(b)からの上清をアニオン交換クロマトグラフィー媒体を含むカラムに適用し、前記カラムを洗浄し、前記カラムからrhEpoを溶離し、1つ以上のrhEpo含有ピークフラクションを収集するステップ、
(d)ステップ(c)からの合わせたピークフラクションに、中圧(<10バール)で操作可能であり且つ高濃度のNaOHに対して耐性である樹脂を用いる逆相クロマトグラフィーステップを施し、有機溶媒の直線勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
(e)ステップ(d)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをアニオン交換クロマトグラフィー媒体を含むカラムに適用し、前記カラムを洗浄し、直線塩勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
(f)ステップ(e)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをrhEpoのシアリル化度に基づいて選択するステップ、及び
(g)ステップ(f)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションにゲル濾過媒体を用いるサイズ排除クロマトグラフィーステップを1回以上施して存在し得る二量体以上の多量体凝集物を除去し、rhEpo含有溶離物を収集するステップ
を含む
剛性であり且つ1M NaOHまたは酢酸を含めた過酷な清浄現場手順に耐える新しいポリマー樹脂を使用する新規な精製プロトコルが開発された。更に、前記樹脂は高い結合能力を有し、生産規模で効率的プロセスのための高流速を可能とする。患者にとって問題となる恐れがある潜在的に漏出可能なリガンド(例えば、レクチンまたは色素)を有する樹脂を使用しない。
実行される精製ステップは異なる選択性を有し、これにより宿主細胞由来のタンパク質またはDNAを低量しか含まない非常に純粋な産物が得られる。更に、本明細書に概説した本発明の精製方法では、幾つかの(好ましくは、少なくとも3つの)クロマトグラフィーステップにより各アイソフォームを分離することができる。特に、第2のアニオン交換クロマトグラフィーステップ(すなわち、下記するステップ(e))のフラクションをプールし、最終ゲル濾過クロマトグラフィーにより更にプロセシングする前にCZE(細管ゾーン電気泳動)により分析してもよい。代替または追加的に、逆相クロマトグラフィーステップ(すなわち、下記するステップ(d))のフラクションをCZEにより分析し、処理してもよい。別の可能性は、(代替または追加的に)第1アニオン交換クロマトグラフィー(すなわち、下記するステップ(c))を実施して得たフラクションにCZEを実施することである。CZEを用いることにより、分析しようとするフラクション中にアイソフォームの混合物または組成物として含まれるグリコシル化タンパク質またはポリペプチドが特定アイソフォームに分離される。公知のアイソフォーム標準物質、特にグリコシル化パターン(例えば、シアリル化パターン)に関する標準物質と比較することにより、特定構造をCZEにより分離された各アイソフォームに帰属させることが可能である。本発明によると、これによりソースの品質に関係なく高度にグリコシル化されたアイソフォームの規定組成を有するフラクションプールが生ずる。より一般的には、CZEはタンパク質またはポリペプチドそれ自体の種類に関係なくタンパク質またはポリペプチドのグリコシル化アイソフォームを含むタンパク質組成物を産生するための貴重な道具である。従って、本発明はグリコシル化タンパク質またはポリペプチドのアイソフォームの規定組成物を産生する際の分析ツールとしてのCZEの使用を提供する。特に、前記使用は組換えヒトエリスロポエチンの規定アイソフォーム組成物を産生する際に有利な使用され得る。よって、本発明はグリコシル化タンパク質またはポリペプチド、特に組換えヒトエリスロポエチンの規定アイソフォーム組成物の産生方法を含み、その方法は、グリコシル化タンパク質またはポリペプチドのアイソフォームを1つ以上含むサンプル(クロマトグラフィー精製ステップのフラクションであり得る)をCZEを用いて分析し、所望により、特に前記グリコシル化タンパク質またはポリペプチドのアイソフォームが組換えヒトエリスロポエチンのアイソフォームである場合に前記グリコシル化タンパク質またはポリペプチドの所望アイソフォームを含むサンプルをプールすることを含む。
更に、前記方法は、剪断応力及び細胞溶解を減じ、残留プロテアーゼが不活性で産物に対して有害でない条件を用いることにより一次分離中に非常に低量の細胞プロテアーゼのみを遊離するように設計されている。これは、まず細胞を無傷に保つように気密的に設計されたディスクスタック遠心機を用いて細胞分離し、次いで中性pHで作動するアニオン交換クロマトグラフィーを用いる捕捉ステップにより達成される。pHが6以下ならば、内因性低pH活性プロテアーゼにより開裂が生ずるであろう。
最後に、下流プロセシング(DSP)における幾つかのステップはウイルス除去及び/または不活化においてロバストである。これは、ウイルス汚染は妨げられ得ないので哺乳動物細胞由来治療薬にとって重要な要件である。ナノ濾過はパルボウイルスのような非常に小さな非外被ウイルスを除去するのに特に役立つ。逆相クロマトグラフィー中及び/またはその後に溶媒に暴露させることも別のロバストなステップであり、これにより外被ウイルスが不活化される。
従って、本発明は、宿主細胞を含む細胞培養培地から組換えヒトエリスロポエチン(rhEpo)を回収及び精製する方法を提供し、その方法は、
(a)(i)遠心後デプス濾過ステップ、(ii)デプス濾過ステップ及び(iii)遠心からなる群から選択される手順を実施して、細胞培養培地から宿主細胞、細胞成分及び破片を除去し清澄化培地上清を得るステップ、
(b)前記上清の伝導率を5mS/cm以下、pHを約7.0〜8.0に調節するステップ、
(c)ステップ(b)からの上清をアニオン交換クロマトグラフィー媒体を含むカラムに適用し、前記カラムを洗浄し、前記カラムからrhEpoを溶離し、1つ以上のrhEpo含有ピークフラクションを収集するステップ、
(d)ステップ(c)からの合わせたピークフラクションに、中圧(<10バール)で操作可能であり且つ高濃度のNaOHに対して耐性である樹脂を用いる逆相クロマトグラフィーステップを施し、有機溶媒の直線勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
(e)ステップ(d)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをアニオン交換クロマトグラフィー媒体を含むカラムに適用し、前記カラムを洗浄し、直線塩勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
(f)ステップ(e)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをrhEpoのシアリル化度に基づいて選択するステップ、及び
(g)ステップ(f)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションにゲル濾過媒体を用いるサイズ排除クロマトグラフィーステップを1回以上施して存在し得る二量体以上の多量体凝集物を除去し、rhEpo含有溶離物を収集するステップ
を含む。
ステップ(a)における遠心をディスクスタック分離機を用いて実施することが好ましい。
好ましい実施態様では、ステップ(b)の伝導率を2〜5mS/cm、好ましくは約3mS/cmに調節する。
有利には、ステップ(c)で用いるアニオン交換媒体はBioSepraから入手可能なセラミックを主成分とするイオン交換媒体Q−HyperD F(商標)である。ステップ(d)で用いる樹脂は有利には約0.5MのNaOH濃度に耐性の樹脂である。ポリスチレン樹脂が好ましく、有利にはAmersham Biosciencesから入手可能なSource 30ROC(商標)である。一方、ステップ(e)で用いるアニオン交換媒体としてはセファロースアニオン交換クロマトグラフィー媒体が好ましく、有利にはAmersham Biosciencesから入手可能なQ Sepharose High Performance(商標)である。ステップ(g)で用いるゲル濾過媒体としてはAmersham Biosciencesから入手可能なSuperdex 75 prep grade(商標)が好ましい。
好ましい実施態様では、ステップ(d)の前に、ステップ(c)からのピークフラクションを好ましくは組み合わせてもよいが、このピークフラクションに硫酸アンモニウムステップを施して汚染宿主細胞タンパク質を沈殿させる。次いで、上清の硫酸フンモニウム濃度をステップ(d)に適合する濃度に調節する。ステップ(d)の逆相カラムに充填する前の前記硫酸アンモニウム濃度は好ましくは0.24M未満である。
典型的には、pHをステップ(b)で約pH7.5に調節する。好ましくは、ステップ(c)の洗浄はNaClのような塩を含む適当な水性緩衝液(例えば、トリス緩衝液)を用いて実施する。好ましい実施態様では、50mM NaClを含む20mM トリス緩衝液(pH7.5)を用いる。同様に、溶離はNaClのような塩を含む適当な水性緩衝液(例えば、トリス緩衝液)を用いて実施する。ステップ(c)の溶離ステップは通常100mM〜1M、特に125mM以上、好ましくは150mMの塩濃度を有する緩衝液を用いて実施する。好ましい実施態様では、この溶離ステップで150mM NaClを含む20mM トリス緩衝液(pH7.5)を用いる。ステップ(d)の有機溶媒は、好ましくはアセトニトリル、エタノール及びヘキシレングリコール(すなわち、2−メチル−2,4−ペンタンジオール)からなる群から選択され、アセトニトリルが最も好ましい。エリスロポエチン含有フラクションを逆相クロマトグラフィーにかける前に、前記フラクションを有機溶媒、好ましくはアセトニトリルを含む水性緩衝液(例えば、20mM トリス/HCl(pH7.0))で希釈する。希釈したフラクションを逆相カラムにかけた後、カラムを有機溶媒、好ましくはアセトニトリルを含む水性緩衝液(例えば、20mM トリス/HCl(pH7.0))で洗浄することが好ましい。ステップ(d)では、Epoポリペプチドを有機溶媒濃度を約10%から約100%へ直線勾配させて溶離させることが好ましい。特に好ましい実施態様では、ステップ(d)でアセトニトリル濃度を通常約25%から50%へ直線勾配させて溶離させる。ステップ(e)での直線塩勾配は通常0mMから300mMである。好ましくは、ステップ(c)及び(e)の塩はNaClである。
本発明の1実施態様では、ステップ(d)で溶離した、有機溶媒、好ましくはアセトニトリルを含むフラクションを以下のアニオン交換クロマトグラフィーステップと適合する適当な水性緩衝液で希釈する。ウイルス汚染物を不活化するために、ステップ(e)の前に希釈したフラクションをウイルス汚染物を所望通り不活化するのに十分な適当な時間放置する。例えば、前記フラクションをその容量の半分の水性緩衝液、特に20mM トリス/HCl(pH7.0)で希釈し、少なくとも約20分〜約40分間またはそれ以上の時間インキュベートし、その後更にフラクションの元の容量の3.5倍容量の水性緩衝液で希釈し得る。
本発明の好ましい実施態様では、ステップ(a)において手順(i)、(ii)または(iii)の後に滅菌濾過ステップを実施する。典型的には、これは0.2μm濾過ユニットを用いて実施する。
本発明の更なる実施態様では、本発明の方法中クロマトグラフィーカラム由来のフラクションを特に濃縮するために限外濾過ステップにかけてもよい。従って、好ましい実施態様では、ステップ(g)において前記フラクションを限外濾過ステップにかけた後サイズ排除クロマトグラフィーステップにかける。別の好ましい実施態様では、ステップ(d)では前記フラクションを限外濾過ステップにかけた後逆相クロマトグラフィーにかける。同様の好ましい実施態様では、本発明の方法が上記した硫酸アンモニウム沈殿ステップを含むならば、ステップ(c)からのピークフラクションを単独でまたは合わせて限外濾過ステップにかけた後硫酸アンモニウム沈殿ステップにかける。好ましくは、本明細書に記載した3つの限外濾過ステップのすべてを本発明の方法で用いる。例えば、5〜10kDa(例えば、10kDa)、好ましくは5kDaのカットオフを有する膜を限外濾過方法で用いる。
好ましい実施態様では、ステップ(g)の前または後、好ましくはステップ(g)の後にウイルスを除去するために全量ナノ濾過ステップを含める。ユニットとしては、Planova 15N(Asahi)、PALL Ultipor VF Grade DV20またはMillipore Viresolve NFPカートリッジまたはカプセルが例示される。
上記したように、精製ステップ中に好ましいアイソフォームを選択できることが望ましく、これは本発明の精製方法を用いて達成され得る。特に、各種アイソフォームが逆相クロマトグラフィーステップ及び第2アニオン交換クロマトグラフィーステップの間に分離されるので達成され得る。各種フラクションの含量はインプロセスコントロールとして細管ゾーン電気泳動により測定され、適当ならば選択したフラクションを合わせたり、捨ててもよい。本発明の好ましい実施態様では、上記したステップ(f)の選択手順、またはステップ(d)とステップ(e)の間の選択手順の1つ以上を上に概説した細管ゾーン電気泳動を用いて実施する。
本発明では、本明細書に記載した好ましいまたは特に好ましい実施態様は相互に組み合わせることができ、これにより更なる好ましい実施態様が構成される。
よって、好ましい実施態様では、本発明は収集した細胞培養物から組換えヒトエリスロポエチン(rhEpo)を回収及び精製するための方法を提供し、その方法は、
(a)(i)ディスクスタック分離機を用いる遠心後デプス濾過ステップ、(ii)デプス濾過ステップ及び(iii)ディスクスタック分離機を用いる遠心からなる群から選択される手順を実施して細胞培養培地から細胞培養物を収集し、宿主細胞、細胞成分及び破片を除去し、その後0.2μm濾過ステップを実施して、清澄化培地上清を得るステップ、
(b)前記上清の伝導率を5mS/cm以下、pHを約7.0〜8.0に調節するステップ、
(c)ステップ(b)からの上清をQ−HyperD Fを充填したアニオン交換カラムに適用し、前記カラムを洗浄し、前記カラムからrhEpoを溶離させ、1つ以上のrhEpo含有ピークフラクションを収集するステップ、
(d)ステップ(c)からの合わせたピークフラクションに、中圧(<10バール)で操作可能であり且つNaOH CIP条件に対して耐性であるポリスチレン樹脂、例えばSource 30RPCを用いる逆相クロマトグラフィーステップを施し、直線勾配のアセトニトリルを用いてrhEpoを溶離させるステップ、
(e)ステップ(d)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをrhEpoのシアリル化度に基づいて選択し、前記フラクションをQ Sepharose HPを充填したアニオン交換カラムに適用し、前記カラムを洗浄し、直線塩勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
(f)ステップ(e)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをrhEpoのシアリル化度に基づいて選択し、存在し得る二量体以上の多量体凝集物を除去するために前記フラクションをSuperdex 75 prep gradeを用いるサイズ排除クロマトグラフィーにかけ、rhEpo含有溶離物を収集するステップ
を含む。
好ましくは、ステップ(d)及びステップ(e)で得られた1つ以上のフラクションが更なるクロマトグラフィー精製のためにそれぞれステップ(e)及び/またはステップ(f)で選択すべきかの決定は細管ゾーン電気泳動により実施する。ガイダンスとして、rhEpoの高グリコシル化形態はRPCステップの溶離ピークの前半部分に存在するのに対して、Q Sepharose HPステップでは、高度にグリコシル化/シアリル化したアイソフォームは溶離ピークの後半部分に存在することが判明した。上に概説したように、好ましい実施態様では、ステップ(d)の前に、ステップ(c)からの合わせたピークフラクションを硫酸アンモニウム沈殿ステップにかけて、汚染宿主細胞タンパク質を沈殿させ、その後上清の硫酸アンモニウム濃度をステップ(d)に適合する濃度に調節する。好ましくは、前記硫酸アンモニウム濃度は0.24M未満である。また、本発明の好ましい方法が更にステップ(f)の前または後、好ましくはステップ(f)の後にウイルスを除去するためにデッドエンド(dead−end)ナノ濾過ステップを含むことが好ましい。
精製手順に対するソース材料に関して、宿主細胞を無血清培地で培養することが好ましい。宿主細胞を非連続流加発酵方法を用いて培養することも好ましい。特に、宿主細胞は組換えヒトエリスロポエチンを発現し、このエリスロポエチンを培地に分泌させ得る。宿主細胞は通常哺乳動物細胞である。好ましい宿主細胞はCHO細胞である。
また、本発明は、本発明の方法により産生された精製組換えヒトエリスロポエチンを含む組成物も提供する。更に、本発明は本発明の方法により得られ得る精製組換えヒトエリスロポエチン及び前記精製エリスロポエチンを含む組成物、特に医薬組成物も提供する。
好ましくは、前記組成物はrhEpoのグリコシル化/シアリル化アイソフォームを規定量含む。これは、逆相クロマトグラフィーステップ及び第2アニオン交換クロマトグラフィーステップ中に各種形態が分離されることから達成され得る。各種フラクションの含量はインプロセスコントロールとして細管ゾーン電気泳動により測定され得、適当ならば選択したフラクションを組合せても捨ててもよい。特に、溶離ピークの前半部分をRPCステップからプールする。なぜならば、この部分に高グリコシル化形態が存在するからである。対照的に、Q Sepharose HPステップの溶離ピークの後半部分は通常高度にグリコシル化/シアリル化されたアイソフォームを含む。
発現され、本発明の方法を用いて精製される組換えポリペプチド、特にEpoを含む組成物において、前記組換えポリペプチドは少なくとも90%、95%、99%または99.5%の純度を有するように実質的に純粋であることが好ましい。
精製タンパク質の生物活性はインビトロ及び/またはインビボで測定され得る。適当なインビトロ試験はHammerlingら,J.Pharm.Biomed.Anal.,14(11):1455−69(1996)に記載されており、この試験は赤血球細胞株の増殖刺激について調べることを含む。適当なインビボ試験は上掲のGhanemらに記載されており、この試験は赤血球増加症マウスの赤血球への59Feの取り込みを測定することを含む。
好ましい態様で、本発明は、(a)(i)当該組換えポリペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列及び(ii)選択マーカーをコードし、宿主細胞を選択剤と接触させたときに増幅される第2ヌクレオチド配列を含む第1ポリヌクレオチドベクターと(b)第2ヌクレオチド配列が異なる選択マーカーをコードする第3ヌクレオチド配列で置換されている以外は本質的に第1ポリヌクレオチドベクターと同一のヌクレオチド配列を有する第2ポリヌクレオチドベクターとが宿主細胞のゲノムに取り込まれている宿主細胞と核酸ベクターを用いて実施され得る。
宿主細胞は、好ましくは哺乳動物細胞であり、より好ましくはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
好ましくは、第2ヌクレオチド配列はジヒドロ葉酸還元酵素ポリペプチドをコードし、選択剤はメトトレキサートである。好ましくは、当該組換えポリペプチドはヒトエリスロポエチンである。前記系は本明細書の実施例の欄に記載されている。
有利には、細胞は、(a)当該組換えポリペプチドをコードし且つ宿主細胞において前記組換えポリペプチドを発現させるヌクレオチド配列を含む宿主細胞を用意し、(b)(i)水、植物由来ペプトン、浸透圧調節剤、緩衝剤、エネルギー源、アミノ酸、脂質源または前駆体、鉄源、非鉄金属イオン、及び1つ以上のビタミン及びコファクターを含み且つ(ii)完全長ポリペプチドを含まない無血清培養培地を用意し、(c)前記宿主細胞を前記培地において当該組換えポリペプチドを発現させる条件下で培養することにより培養される。
好ましくは、当該組換えポリペプチドはヒトエリスロポエチンである。宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であり得る。前記方法は本明細書の実施例の欄に記載されている。
特記しない限り、本明細書で使用した技術及び科学用語はすべて(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、ハイブリダイゼーション技術及び生化学の)当業者が通常理解しているのと同じ意味を有する。分子、遺伝子及び生化学的方法(一般的には、援用により本明細書に含まれるとする、Sambrookら,「分子クローニング:実験マニユアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」,第2版,ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバーに所在のCold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)発行;Ausubelら,「分子生物学におけるショートプロトコール(Short Protocols in Molecular Biology)」,第4版,John Wiley & Sons,Inc.(1999年)発行の「分子生物学における現在のプロトコル」と題する完全バージョン参照)及び化学的方法に対して一般的方法が使用される。
本発明を下記実施例を参照して更に説明する。これらの実施例は例示にすぎず、非限定的である。特に、実施例は本発明の好ましい実施態様に関する。
(実施例)
材料
[宿主細胞株]
ジヒドロ葉酸還元酵素欠乏チャイニーズハムスター卵巣(CHO)(ATCC CRL−9096)。ブダペスト条約に基づいて米国メリーランド州ロックビルに所在のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に2001年8月29日にATCC PTA−3672で寄託されている。
[細胞培養培地]
培養培地:4mM L−グルタミン,10% FCS及び1× HT(ヒポキサンチンチミジン)を補充したDMEM。
選択培地:4mM L−グルタミン,10% 透析FCS及び0.5mg/ml G418を補充したDMEM。
増幅培地:4mM L−グルタミン,10% 透析FCS,0.5mg/ml G418及び4.8×10−8M〜1.54×10−6M MTX(メトトレキサート)を補充したDMEM。
凍結培地:4mM L−グルタミン,10% FCS及び10% DMSOを補充したDMEM。
組換え細胞株のための無血清適応培地:6mM L−グルタミン,0.25% 大豆ペプトン/UF,1× ハイブリドーマ補充物,0.1% Pluronic−F68、0.5mg/ml G418及び1.54×10−6M MTXを補充したDMEM/Ham’s F12(1:1)。
無血清産生培地:0.25% 大豆ペプトン/UF,1× ハイブリドーマ補充物,0.1% ルトロール,1.54×10−6M MTX,1g/L グルコース及び2.5g/L NaHCOを補充したDMEM/Ham’s F12(1:1)。
組換え細胞株のための無血清凍結培地:PBS,20% PVP−10,5% DMSO。
ハイブリドーマ補充物:100× 2.5×10−3M エタノールアミン,2.5×10−2M クエン酸第二鉄,2.0×10−3M L−アスコルビン酸、5.0×10−6M 亜セレン酸ナトリウム。
[プラスミド構築物]
pEpo/neo:このプラスミドは、それぞれSV40初期プロモーター/ターミネーター配列の制御下で2つの異なる発現カセットとしてEpoのコード領域及びネオマイシン耐性遺伝子をコードする。構築の詳細は実施例1に示す。
pEpo/dhfr:このプラスミドは、それぞれSV40初期プロモーター/ターミネーター配列の制御下で2つの異なる発現カセットとしてEpoのコード領域及びdhfrをコードする。構築の詳細は実施例2に示す。
細胞培養方法
[CHO−dhfrの増殖]
ジヒドロ葉酸還元酵素欠乏CHO細胞(Urlaubら,PNAS,77(7):4216−4220(1980))(CHO dhfrと称する)をDMEM培養培地において1週間に2回1:10の分裂比で培養する。
[CHO細胞のトランスフェクション]
リポフェクチントランスフェクションを実施する前日に25cm容量のTフラスコボトルまたは96ウェルプレートに1〜5×10細胞/cmを接種する。対応プラスミドを適当な比で混合し、0.5〜1μl/cmのリポフェクチン試薬(GIBCO/BRL)を製造業者のプロトコルに従って添加する。次いで、無血清DMEMにおいて細胞にトランスフェクションカクテルを4〜16時間載せた後DNA含有培地を培養培地と交換する。血清含有培地において24〜48時間培養した後、細胞を選択培地に移す。トランスフェクトした細胞プールをまず選択培地において集密まで培養し、次いで増幅培地(4.8×10−8M MTX)において培養した後細胞培養上清をELISAによりEpo産生についてスクリーニングする。最高手順を決定し、MTX濃度を2倍に上昇させ、最良の手順を更なる培養のために使用する。
分析方法
各種マトリックスにおけるEpoを検出するELISA
(抗体)
ポリクローナル血清:家兎抗Epoビオチニル化(R&D Systems;カタログ番号AB−286−NA);
モノクローナル抗体:マウス抗Epo(Genezyme;カタログコードAE7A5)。
(ELISA緩衝液)
コーティング緩衝液:8.4g/L NaHCO,4.2g/L NaCO,pH9.6−9.8;
洗浄緩衝液:0.2g/L KCl,1.15g/L NaHPO・2HO,0.2g/L KHPO,8g/L NaCl,0.1% ツイーン20;
希釈緩衝液:洗浄緩衝液中2% PVP(Sigmaカタログ番号PVP−4OT);
サンプル緩衝液:希釈緩衝液中0.5% α−モノチオグリセロール;
染色緩衝液:7.3g/L クエン酸・2HO,11.86g/L NaHPO・2HO,pH4.8−5.0;
染色溶液:100μl OPD溶液/10ml 染色緩衝液、5μl H/10ml 染色緩衝液;
OPDストック溶液:PP:L0017。
(方法)
使用したELISA方法はng/ml濃度範囲でEpoを、特に約10ng/mlの範囲の検出限界で、500ng/mlから始めて8回倍数希釈で検出する。Epoの最初の26アミノ酸に対する1つのモノクローナル抗体はEpoを結合するコーティング層として機能する。次のステップで、Epoは捕捉抗体に特異的に結合する。ビオチニル化Epo認識家兎抗血清を用いて検出する。ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼをプレートにカップリングした後OPDで染色することにより可視化する。
イムノフルオレッセンス
Epo発現CHO細胞を6ウェルプレートのカバーガラス上に5×10細胞/200μlで接種し、24〜72時間インキュベートする。付着細胞をPBSで2回洗浄し、−20℃メタノールで5分間固定し、風乾した後PBS中に再び浸す。PBS中20% FCSと15分間インキュベートすることにより非特異的タンパク質を飽和した後、抗−Epoを1時間インキュベートする。反応物をコンジュゲートした抗−マウスIgG FITCを用いて可視化する。フルオレッセンスを488nmの励起波長及び515nm以上の発光波長で共焦点顕微鏡により検出する。
核サイズ測定
(材料)
Coulter Counter(登録商標)モデルZM(Coulter Electronics Inc.);
Coulter Channelyzer(登録商標)モデル256;
インキュベーション溶液;0.1M クエン酸,2% トリトンX 100;
Electrolyte Isoton II(カタログ番号844 8011;Coulter Euro Diagnostic GmbH)。
Coulter Counterは電導性流体中に懸濁されている粒子をサイズ及び数の点で定量する。前記流体は両側に電極を有している毛細管を介して真空により吸着される。抵抗の変化により、Coulter Channelizerによりデジタル化され得る電圧インパルスが誘導される。核サイズは細胞のDNA含量に相関し、染色体の二倍体及び多倍体を区別することができる。
(方法)
約1×10CHO細胞をPBSで1回洗浄し、インキュベーション溶液(2ml)中に再懸濁し、4〜5時間放置する。以下のステップはCoulter Counterに特有である。
SDSポリアクリルアミド−電気泳動及びウェスタンブロッティング
(材料)
SDSゲル:4〜20% Novexトリス−グリシン;
サンプル緩衝液:トリスグリシンSDS 2×(Novex LC2676);
ランニング緩衝液:トリスグリシンSDS(Novex LC2675);
ブロッティング緩衝液:50mM Na・10HO,0.1% SDS,20% メタノール;
ブロッティングマトリックス:PVDF Immobilon P 0.45μM(Millipore,K8JM8238H);
洗浄緩衝液:ELISA洗浄緩衝液参照;
希釈緩衝液:洗浄緩衝液中1% 粉乳;
検出緩衝液:0.1M NaCl,0.1M トリス−HCl(pH9.5)。
(方法)
Epoを含むサンプルを1% α−MTG含有1×サンプル緩衝液中で30ng/20μlに調節し、SDSゲルに適用する。ランニング後、タンパク質をPVDF Immobilon膜に2時間ブロッティングし、Epoの最初の26アミノ酸を検出するモノクローナル抗体を用いてEpoを特異的に染色する。アルカリホスファターゼにコンジュゲートした抗−マウスIgG及びNBT/BCIP染色により可視化する。
等電点電気泳動
(材料)
システム:Multiphor II(Amersham Biosciences);
IPGゲル:pH2.5−7;
再膨潤緩衝液:9g 尿素,0.5g CHAPS,0.04g DTE,0.5ml resolytes(pH3.5−10),10μl ブロモフェノールブルー(0.1%)、HOで25mlに調節;
サンプル緩衝液:625μl HO中25μl IPGサンプル緩衝液(pH3−10);
ブロッティング緩衝液:2.93g グリシン,5.81g トリス,20ml メタノール,0.375g SDS、HOで1000mlに調節;
ブロッティングマトリックス:PVDF Immobilon P 0.45μM(Millipore,K8JM8238H);
洗浄緩衝液:ELISA洗浄緩衝液参照;
希釈緩衝液:洗浄緩衝液中1% 粉乳;
検出緩衝液:0.1M NaCl,0.1M トリス−HCl(pH9.5)。
(方法)
Epoを含有するサンプルを500〜1000mg/50μlに調節し、脱塩し、サンプル緩衝液で1:1希釈し、再膨潤IPGゲルに適用する。ランニング条件は最初300Vで1分間、その後3500Vまで直線的に上昇させ、最後に3500Vで1時間とする。全電気泳動中、10mA及び10Wの限界を設定する。その後、タンパク質を一晩拡散するかまたはエレクトロブロッティングすることによりPVDF Immobilon膜にブロッティングし、その後Epoの最初の26アミノ酸を検出するモノクローナル抗体を用いてEpoを特異的に染色する。コンジュゲートした抗−マウスIgG Ap及びNBT/BCIP染色により可視化する。
DNA含量の測定
組換え細胞株のDNA含量をFACS分析によりCHO−dhfr宿主細胞株と比較する。
(材料)
洗浄緩衝液:0.1M トリス−HCl(pH7.4),2mM MgCl,0.1% トリトン X100;
染色緩衝液:洗浄緩衝液中0.3μg/ml DAPI(Hoechst)。
(方法)
5×10細胞をPBSで洗浄し、氷冷70% エタノールで固定する。次いで、細胞を洗浄緩衝液で2回洗浄した後室温において染色緩衝液中で30分間インキュベートする。DNA含量をFACS Vantage(Becton and Dickinson)を用いて359nmの励起波長及び450nmの発光波長で測定する。
インビトロ特異性試験
ヒト赤白血病細胞株TF−1(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)をIL3またはhGM−CSF依存的に増殖させる。前記サイトカインは増殖に対して相乗的効果を示したのに対して、Epoは一時生存度を維持し得る。前記細胞をGM−CSF及びEpoを含有する培養培地において通常通り培養する。
(試験補充物)
培養培地:4mM Gln,10% FCS,20μg/ml トランスフェリン,10μM β−メルカプトエタノール,12ng/ml rhGM−CSF,3U/ml rhEpoを補充したRPMI 1640;
試験培地:4mM Gln,100μg/ml トランスフェリン,2mg/ml BSAを補充したRPMI 1640。
(方法)
機能性試験を96ウェルプレートにおいてMTT生存度として実施する(Hammerlingら,J.Pharm.Biomed.Anal.,14(11):1455−69(1996))。サンプルを試験培地1ml中100ng Epoから始めて8回倍数希釈する。50μlの各サンプル希釈物、標準希釈物またはブランクを96ウェル試験プレートに移す。TF−1細胞を冷PBSで3回洗浄し、試験培地1ml中2×10細胞に調節する。96ウェル試験プレートの各ウェルに細胞懸濁液(50μl)を載せ、前記細胞をCOインキュベータにおいて72時間放置する。次いで、10μlのMTT溶液(PBS1ml中6mg)を添加し、37℃において4時間インキュベートする。暗所において色素をSDS/HCl(0.1M HCl中10% SDS)(100μl)で更に4時間溶解し、Epo依存性生存度を550/690nmで光度計にて測定する。
プラスミドEpo/neoの構築
1. p2−neoの構築
(1.1) SV40初期プロモーターを含むpSV2neoからのベクター断片の作成
ベクター構築の土台はpSV2neo中に含まれるpBR322プラスミド骨格である。より小さいEcoRI−PvuII制限断片はこのpBR322骨格を含み、SV40由来の隣接PvuII−HindIII断片はSV40初期プロモーターの関連断片を有している。
プラスミドpSV2neo(ATCC 37419)を制限酵素EcoRI及びHindIIIで切断する。生じた2つの断片は3092bp及び2637bpのサイズを有している。2637bp断片は、pBR322骨格を含むEcoRI−PvuII制限断片及びSV40初期プロモーターの断片を含む隣接PvuII−HindIII断片からなる。2637bpを作成し、ゲル電気泳動により精製する。
(1.2) ネオマイシン耐性遺伝子の作成
neo遺伝子をpSV2neoのトランスポゾンTn5から得る。この遺伝子を遺伝子のコード領域のみを含む断片として増幅させる。クローニング戦略の一部として、制限エンドヌクレアーゼに対する認識部位を両末端に導入する。HindIII部位は上流増幅プライマー中に構築し、EcoRI及びSpeI部位は下流プライマー中に構築する。増幅領域はpSV2neo(Genbank受託番号U02434)の配列中のヌクレオチド2846〜1938に対応する。このオリゴヌクレオチドを以下のように設計する。
Figure 0004293908
プライマー2004−01及び2004−02の増幅産物をPwoポリメラーゼ(Roche Diagnostics)を用いるPCRにより作成する。このプロセスのパラメーターは、供給された緩衝液中20ngのpSV2neo、10pmolの各プライマー、10ミリモルのdNTPs及び2.5UのPwoポリメラーゼ、総容量は50μlとし、温度プロフィールは5分×95℃、35回(30秒×95℃,20秒×65℃,90秒×72℃)、3分×72℃、次の使用まで4℃に冷却する。
生じた935bpのDNA断片をDNA単離カラム(Mini,Wizard Promega GmbH)により精製し、EcoRI及びHindIIIで消化し、アガロースゲルにより精製し、Spinカラム(Supelco)を用いて溶離させる。
(1.3) p1−neoの構築
増幅したEcoRI−HindIII neo遺伝子断片をpSV2−neo由来のEcoRI−HindIIIベクター断片にLigation Express(Clontech)を用いてライゲートし、大腸菌宿主(大腸菌SURE(Stratagene))に形質転換する。形質転換体を50mg/L アンピシリンを補充したLB培地で増殖させることにより選択する。
プラスミドDNAをクローンから単離し、EcoRI及びNcoI(それぞれ2527bp、780bp及び251bpの3断片)を用いる制限酵素分析によりチェックする。予想断片を示すプラスミドDNAを構築物の該当部分の配列を決定することにより更にチェックする。実証されたSV40初期プロモーター及びネオマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドDNAをp1−neoと呼称する。
(1.4) SVS終止領域SV40LTpolyA/IVSの作成
pSV2neo中に存在するSV40終止領域の断片(ヌクレオチド751〜1598)を増幅させるようにPCRプライマーを設計する。上流プライマーはSpeIに対する制限部位をも含む。pSV2−neoの751位に既に含まれるBamHI部位に加えて、EcoRI部位をBamHIから6ヌクレオチドスペース領域だけ離れた下流プライマーに導入する。2つのプライマーの配列は以下の通りである。
Figure 0004293908
プライマー2004−05+2004−06の増幅産物は上記したようにPwoポリメラーゼ(Roche Diagnostics)を用いるPCRにより作成する。生じた873bpのDNA断片をDNA単離カラムを用いて精製し、EcoRI及びSpeIで消化し、ゲル精製する。
(1.5) p2−neoの作成
p1−neoプラスミドDNAをEcoRI+SpeIで消化する。生じた直線化断片を精製し、SV40LTpolyA/IVSを含む増幅断片とライゲートし、大腸菌宿主に形質転換する。形質転換体を50mg/L アンピシリンを補充したLB培地で増殖させることにより選択する。
プラスミドDNAをクローンから単離し、EcoRI(4411bpの1断片)、NcoI(3631bp及び780bpのサイズの2断片)及びSpeI(3499bp、840bp及び72bpのサイズの3断片)を用いる制限酵素分析によりチェックする。構築物の関連部分の配列を決定することにより予想断片を示すプラスミドDNAを更にチェックする。実証されたSV40LTpolyA/IVSを含むプラスミドDNAをp2−neoと呼称する。
2. プラスミドp3の構築
(2.1) SV40初期プロモーター断片の作成
プラスミドpSV2neoをSV40初期プロモーター断片のソースとして使用する。この断片のサイズはp2プラスミドを構築する際に使用したものとほぼ同一である。しかしながら、前記断片の末端はBamHI及びNotIに対する認識部位を導入するように修飾されている。プロモーターを増幅するために使用したオリゴヌクレオチドプライマーは以下のように設計する。
Figure 0004293908
プライマー2004−07+2004−08の増幅産物は上記したようにPwoポリメラーゼ(Roche Diagnostics)を用いるPCRにより作成する。生じた365bpのDNA断片をDNA単離カラムを用いて精製し、BamHI及びNotIで消化し、ゲル精製する。
(2.2) pBluescriptベクター部分の作成
pBluescript II SK+DNAをBamHI及びNotIを用いて順次制限する。DNAをアルカリホスファターゼを用いて脱リン酸化する。BamHI/NotI断片を小断片からアガロースゲル電気泳動により精製した後、ライゲートする。
(2.3) プラスミドp3の作成及び検証
SV40初期プロモーターを含む増幅BamHI−NotI断片を、作成したpBluescript II SK+ベクターにT4 DNAリガーゼ(Promega GmbH)を用いてライゲートする。大腸菌SURE(Stratagene)形質転換体由来のプラスミドDNAを単離し、100mg/L アンピシリンを補充したLB培地を用いてコロニーから精製する。
生じたDNAをEcoRI+NcoI(3039bp及び253bpのサイズの2断片)を用いる制限酵素分析によりチェックする。
予想断片を示す2つのプラスミドDNAを更に配列決定によりチェックする。各位置を実証できるようにSV40初期プロモーターの2つの鎖を配列決定する。このプラスミドをp3と呼称する。
3. ヒトEpo cDNAの単離
(3.1) TRIzol(登録商標)試薬を用いる総RNAの単離
Lainzer Krankenhaus病院から得たヒト腎臓組織からEpo RNAを単離するために使用するTRIzol(登録商標)試薬はフェノールとグアニジンイソチアシネートの単相溶液である。細胞溶解中、グアニジンイソチアシネートはRNAと水溶性複合体を形成するが、その間に細胞は破壊される。クロロホルムを添加した後遠心すると、溶液をRNA含有水性相及び有機相に分離する。水性相を分離した後、RNAをイソプロピルアルコールで沈殿させ、エタノールで洗浄し、風乾し、RNAase非含有水中に再懸濁する。
ヒト腎臓組織断片を小片に切断し、100μm細胞ストレーナに通し、179×gで10分間遠心し、生じたペレットをPBSで3回洗浄する。次いで、ペレットをPBS中に再懸濁し、滅菌チューブに分取し、−196℃に凍結し、次に使用するまで−80℃で保存する。
凍結した組織をTRIzol(登録商標)試薬(1ml)を添加することにより溶解し、ホモジナイズし、完全に解離させるために15〜30℃において5分間インキュベートする。クロロホルム(200μl)を添加し、チューブを振とうし、15〜30℃において2〜3分間インキュベートした後、チューブを12000×gで10分間遠心する。遠心後、上部水性相を新しいチューブに注意深く移し、イソプロピルアルコール(500μl)と混合し、15〜30℃において10分間インキュベートする。沈殿したRNAを12000×gで10分間遠心し、ペレットをエタノールで洗浄し、再び遠心し、風乾し、RNAse非含有DPEC水に溶解させる。総RNA含量を260nmで光度計にて測定する。
1OD260nm=40μg RNA/ml
OD260nm及びOD280nm(タンパク質の最大吸光度)の比を調べることにより、RNA単離物の純度を推定することができる。その範囲は1.6〜1.8の間でなければならない。
(3.2) Dynabeads Oligo(dT)25を用いるmRNA単離
Dynabeads Oligo(dT)25mRNA DIRECTキットを用いて、真核mRNAのポリアデノシン尾RNAを表面に共有結合させたデオキシチミジレートの25ヌクレオチド長鎖を含む超磁性ポリスチレン粒子にハイダリダイズする。磁気粒子に結合したmRNAはDynal磁気粒子濃縮機(Dynal MPC(登録商標))を用いて分離することができる。
洗浄緩衝液:10mM トリス−HCl(pH8.0),0.15mM LiCl,1mM EDTA;
2×結合緩衝液:20mM トリス−HCl(pH7.5),1mM LiCl,2mM EDTA。
10μgの総RNAにつき、Dynabeads Oligo(dT)25(100μl)をDynal MPC(登録商標)において分離し、2×洗浄緩衝液で2回洗浄する。その間、総RNAを1×洗浄緩衝液を用いて200μlの容量に調節し、65℃において4分間インキュベートすることにより変性させる。次いで、RNAをビーズと混合し、室温において5分間インキュベートし、Dynal MPC(登録商標)において分離する。ビーズを1×洗浄緩衝液で2回洗浄する。ポリアデニル化RNAを、65℃において溶離緩衝液(2×10μl)と4分間インキュベートすることによりDynabeads Oligo(dT)25から溶離させる。DynabeadsをDynal MPC(登録商標)において分離し、上清を直ちに新しいRNAse非含有遠心管に移す。溶離液を直接逆転写のために使用する。
(3.3) 逆転写
Epoの特異的プライマーは80℃において4分間インキュベートすることにより変性し、mRNAは65℃において5分間インキュベートすることにより変性する。以下の成分を氷上で滅菌した1.5ml容量の微量遠心管に添加する。
Figure 0004293908
インキュベーション:37℃において60分間;
不活化:100℃において5分間。
(3.4) ポリメラーゼ連鎖反応
以下の成分を4℃において滅菌した1.5ml容量の微量遠心管に添加する。PCR条件も以下にリストする。
Figure 0004293908
PCR増幅産物をアガロースゲル電気泳動により分析する。
(3.5) アガロースゲル電気泳動
6×BX緩衝液:0.25%プロモフェノールブルー,0.25% キシレンシアノール,30% グリセロール;
TAE緩衝液:242g トリス塩基,57.1ml 氷酢酸,100ml 0.5M EDTA(pH8.0)、HOで1000mlに調節;
Lamda−Marker III:10μg バクテリオファージラムダ−野生型−Dann(2.5μl HindIII+2.5μl EcoRI+20μl 緩衝液R(Fermentas)、HOで200μlまで充填;37℃で1時間消化、65℃で20分間不活化、40μl BX充填緩衝液を補充)。
アガロース(1g)及び1×TAE緩衝液(99g)を電子レンジで溶融し、約60℃に冷却し、10mg/ml 臭化エチジウムストック溶液(3μl)を補充する。ゲルを1×TAE緩衝液を用い、分離しようとするDNA断片の長さに応じて100〜300Vで約30分間流す。各レーンは6×BX緩衝液(2μl)と混合したサンプル(10μl)を含む。Lamda/HindIII消化分子量標準物質との比較に基づいてDNA断片を同定する。
(3.6) PCR産物及びライゲーション用ベクターの作成
(3.6.1) 粘着末端クローニングのためのベクターDNA及びインサートの制限
制限酵素(10ul)及び適当な制限緩衝液を製造業者の指示に従ってベクターDNA(1μg)及びインサートと混合する。混合物を37℃(Smalの場合には30℃)で使用した酵素、ベクター及びインサートに応じて30〜60分間インキュベートする。次いで、酵素を65℃まで10分間加熱することにより不活化し、反応化合物をアガロースゲル電気泳動により分析する。
(3.6.2) ライゲーション
pIRESneoSV40ベクター
pIRESneoベクター(Clontech laboratories)は、1つのメッセンジャーRNAから2つのオープンリーディングフレームの翻訳を可能とする脳心筋炎ウイルス(ECMV)の内部リボソーム進入部位(IRES)を含む。pIRESneの発現カセットはヒトサイトメガロウイルス(CMV)主要前初期プロモーター/エンハンサの後に複クローニング部位(MCS)、ECMV IRESの後にネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子及びウシ成長ホルモンのポリアデニル化シグナルを含む。このベクターでは、CMVプロモーターがSV40初期プロモーターで置換されている。
ベクター及びPCR産物をT4 DNAリガーゼを用いてライゲートする。最適ライゲーションのために、(長さに応じて)約20ngのベクター及び200ngのインサートを約1:10のモル比で使用し、総容量10μlのHO中で以下の試薬を混合する。15℃で一晩、室温で3時間インキュベースする。次いで、65℃で10分間インキュベートすることによりリガーゼを熱不活化する。
Figure 0004293908
(3.6.3) 細菌及び培地
JM109:(米国のPromega);
LB培地:カゼイン由来のペプトン(10g),酵母抽出物(5g),NaCl(10g)、HOで1000mlに調節し、5M NaOHでpH7.0に設定;
LB寒天:LB培地(1000ml)中寒天(15g);
LB−Amp:LB培地(1000ml)中100mg/ml アンピシリン(100);
SOC培地:バクトトリプトン(20g),酵母抽出物(5g),10mM NaCl,3mM KCl,100mM MgCl,20mM グルコース,10mM MgSO
(3.6.4) CaClを用いる形質転換
コンピテント細菌(JM109)の作成
LB培地(10ml)に大腸菌(JM109)を接種し、37℃で一晩増殖させる。細菌培養物(4ml)をLB培地で1:100希釈し、OD260nmが0.8になるまで増殖させる。細菌を4℃において4500rpmで10分間遠心し、細胞ペレットを0.1MCaCl(4℃)(10ml)/使用した細菌懸濁液(50ml)中に再懸濁する。細胞を遠心し、ペレットを0.1M CaCl(2ml)中に再懸濁し、100μlの総容量まで分取し、液体窒素中で凍結し、−80℃で保存する。
形質転換
予冷した17×100mmポリプロピレン培養チューブにおいて、JM109コンピテント細菌にプラスミドDNA(5〜10ng)を添加し、やさしく混合し、氷上に30分間置く。次いで、細胞を正確に42℃の水浴中で振とうせずに45秒間熱ショックを加え、直ちに氷上に2分間置く。次いで、SOC培地(900μl)をチューブに添加し、37℃において30分間インキュベートした後LB−Ampプレートにおいて細菌懸濁液(100μl)を平板培養する。
(3.6.5) グリセリン培養物のスクリーニング及び定着
アンピシリン耐性コロニーをPCR技術を用いて挿入したDNA断片についてスクリーニングする。アンピシリン耐性コロニーの一部をPCR反応混合物及びクローン化DNA断片(以下参照)に対する特定プライマーと混合する。ポジティブコロニーはアガロースゲル電気泳動においてPCR増幅DNAバンドを示す。次いで、更なる分析及びプラスミド精製のために前記コロニーをLB−Amp培地において増殖させる。更なる使用及び保存のために、所望の細菌培養物(1ml)を87% グリセリン(500μl)と混合し、−80℃で保存する。
(3.6.6) Wizard(登録商標) Plus SV Minipreps DNA精製系
細胞再懸濁溶液:50mM トリス−HCl(pH7.5),10mM EDTA,100μg/ml RNAse A;
細胞溶解溶液:0.2M NaOH,1% SDS;
中和溶液:4.09mM グアニジン塩酸塩,0.759M 酢酸カリウム,2.12M 氷酢酸(pH4.2);
カラム洗浄溶液:60mM 酢酸カリウム,10mM トリス−HCl(pH7.5),60% エタノール。
LB−Amp培地(2〜3ml)に単一コロニーを接種し、37℃において一晩インキュベートする。溶液を12000×gで5分間遠心し、生じたペレットを順次懸濁溶液(250μl)及び細胞溶解溶液(250μl)中に十分に再懸濁し、チューブを4回反転させることにより混合し、室温において1〜5分間インキュベートする。その後、(室温で5分間インキュベートした)アルカリプロテアーゼ溶液(10μl)及び中和溶液(350μl)を添加する。直ちにチューブを4回反転することにより混合し、細菌ライゼートを室温において12000×gで10分間遠心する。清澄化したライゼートをSpinカラムに移し、12000×gで5分間遠心し、カラムを洗浄溶液(750μl/250μl)で2回洗浄する。DNAをヌクレアーゼ非含有水(100μl)で溶離させる。
(3.6.7) プラスミドの配列決定
挿入された配列を特定プライマーとIBL(オーストリアのGerasdorf)及びGenXpress(オーストリアのMaria Worth)を用いて配列決定する。Epo及びSV40初期プロモーターの増幅のため及び配列分析のためのオリゴヌクレオチドプライマーを以下にリストする。
Figure 0004293908
Figure 0004293908
4. プラスミドp5の構築
(4.1) Epo遺伝子断片の作成
Epo(ヒトエリスロポエチン)の構造遺伝子を鋳型DNAとしてpSVGPIRNEOを用いてPCRにより増幅する。Epoの配列はGenBank受託番号M11319.1で寄託されている。NotI及びKspIの認識部位をそれぞれ上流及び下流プライマーに導入する。プライマーは以下のように設計する:
Figure 0004293908
プライマー2004−09+2004−10の増幅産物は上記したようにPwoポリメラーゼ(Roche Diagnostics)を用いるPCRにより作成する。生じた604bpのDNA断片をDNA単離カラムを用いて精製し、KspI及びNotIで消化し、ゲル精製する。生じた592bp KspI/NotI断片を下記するトリプルライゲーションに使用する。
(4.2) 終止領域SV40LTpolyA/IVSの作成
SV40LTpolyA/IVSの終止領域を、p2−neoの構築についてセクション1.4に上記した方法と同様にしてpSV2neoからPCRにより再クローン化する。ただし、プライマーを異なる制限エンドヌクレアーゼ認識部位を用いて設計する。Kspに対する部位(=SacII)を上流プライマーに導入し、SacI及びEcoRIに対する部位を下流プライマーに導入する。
Figure 0004293908
プライマー2004−11+2004−12の増幅産物は上記したようにPwoポリメラーゼ(Roche Diagnostics)を用いるPCRにより作成する。生じた873bpのDNA断片をDNA単離カラムを用いて精製し、KspI及びSacIで消化する。次いで、生じた858bpのDNAをゲル精製する。
(4.3) p3ベクター部分の作成
p3プラスミドDNAをNotI及びSacIで順次消化する。DNAをアルカリホスファターゼで処理し、ベクター断片をゲル精製する。
(4.4) プラスミドp5のトリプルライゲーション及び単離
プラスミドp3のNotI/SacIベクター部分、KspI/NotI Epo遺伝子及びKsp/SacI終止領域SV40LTPolyA/IVSを1つのライゲーション反応(Ligation Express,Clontech)でライゲートする。形質転換体を100mg/L アンピシリンを補充したLB培地において選択する。
挿入した両断片を含むポジティブ形質転換体を、標識プローブとして増幅断片2004−09/2004−10及び2004−11/2004−12を用いてコロニーハイブリダイゼーションすることによりスクリーニングする。両プローブでポジティブハイブリダイゼーションシグナルを与える10クローンを“中間”規模プラスミド作成(Qiagen)のために選択する。
制限分析を酵素BamHI(4723bpの1断片)、EcoRI(2913bp及び1810bpの2断片)及びPvuI(2513bp、1204bp、903bp及び103bpの4断片)を用いて実施する。適正な制限断片を示す2つのコロニーを選択し、配列決定によりチェックする。pBluescript II SK+にクローン化した全カセットを配列決定し、予想ヌクレオチド配列と比較する。単一ヌクレオチドはそれぞれうまく実証することができる。このプラスミドをp5と呼称する。
5. pEpo/neoの構築
(5.1) pEpo/neo 12−1の構築
p5プラスミドDNAをBamHI及びEcoRIで消化し、SV40プロモーター/Epo遺伝子−SVターミネーターのカセットを表す生じた1792bp断片をゲル精製する。
プラスミドp2−neoもBamHI及びEcoRIで消化し、直線化ベクターをゲル精製する。更に、DNAをアルカリホスファターゼを用いて脱リン酸化し、Amicon Micropure酵素リムーバーを用いて精製する。
4411bp p2−neoベクター及びp5由来の1792bp カセットの両断片をライゲートし(Ligation Express,Clontech)、大腸菌SUREに形質転換する。プラスミドDNAを70mg/L アンピシリンを補充したLB培地で増殖させた各種形質転換体から単離し、制限エンドヌクレアーゼPvuII、EcoRI及びNcoIを用いる消化により分析する。
予想断片(EcoRI:6191bp、NcoI:4085bp,1326bp及び780bp、PvuII:3273bp,2130bp,685bp及び103bp)を示すクローンを選択し、pEpo/neo−12と呼称する。
追加精製のために、DNAを大腸菌SURE(上記参照)に再形質転換し、プラスミドDNAを単一コロニー(pEpo/neo−12−1)を接種した培養物から“Midi−prep”手順(Qiagen)を用いて作成する。酵素BamHI、HindIII、EcoRI、NcoII、NotI、PstI、SpeI、SphI、PvuII及びNarIを用いて制限分析を実施する。予想される断片及びサイズを見つけることができ、このクローンが適正なpEpo/neoクローンであることが実証される。
(5.2) pEpo/neoの最終構築
pEpo/neo−12−1中のEpo遺伝子の上流領域をスタートATGから−3位で変化させる。追加ヌクレオチドAを導入すると、スタートATGから−3位にプリン塩基Gが生ずる。この位置のプリンは遺伝子の発現レベルを向上させ得る。このために、Epo遺伝子を適応上流プライマー2004−09aを用いて再増幅させる:
オリゴ2004−09−a: 長さ 46量体
5’−gggggcggccgcaatgggggtgcacgaatgtcctgcctggctgtgg−3’ 配列番号32。
プライマー2004−09_a+2004−10の増幅産物は上記したようにPwoポリメラーゼ(Roche Diagnostics)を用いるPCRにより作成する。生じた605bpのDNA断片をDNA単離カラムを用いて精製し、KspI及びNotIで消化する。次いで、生じた593bpのDNAをゲル精製する。
pEpo/neo−12−1プラスミドDNAをKspI及びNotIで消化して、Epo遺伝子を除去する。次いで、5599bp断片をゲル精製する。作成した両DNAを相互にライゲートする(Ligation Express,Clontech)。形質転換体由来のプラスミドDNAを単離し、70mg/L アンピシリンを補充したLB培地においてコロニーから精製する。DNAを第1スクリーニングにおいてNcoIを用いる制限により分析する。
“Midi−prep”手順(Qiagen)を用いてDNAを分離するためにポジティブクローンを選択する。BamHI、HindIII、EcoRI、NcoI、NtoI、PstI、SpeI、SphI、PvuII、NarIを用いて延長制限分析を実施する。予想される断片及び大きさを見つけることができ、クローンが適正なEpo/neoとして実証される。pBR322ベクター部分に挿入された全カセット(SV初期_プロモーター−neo遺伝子−SV40LTpolyA/IVS−SV40初期_プロモーター−Epo遺伝子−SV40LTpolyA/IVS)の単一ヌクレオチドも配列決定により確認する。
プラスミドEpo/dhfrの構築
1. p2−dhfr−CDSの構築
(1.1) dhfr遺伝子の作成
ベクター構築のために使用されるdhfr遺伝子はプラスミドpLTRdhrf26(ATCC 37295)中に存在するマウスcDNAから採取する。マウスdhfr cDNAのヌクレオチド配列(MUSDHFR)はGenBank受託番号L26316として入手可能である。
dhfrをNo.56のスタートコドンATGからNo.619のストップコドンTAAのコード領域を含む断片を生ずるように設計したプライマーを用いてpLTRdhfr26から増幅させる。上記したネオマイシン耐性遺伝子の増幅のように、HindIII部位及びSpeI部位をそれぞれ上流及び下流増幅プライマーに導入する。EcoRI部位もSpeI部位のそばに逆プライマーに導入する。オリゴヌクレオチド配列は次の通りである:
Figure 0004293908
プライマー2004−13+2004−14の増幅産物は上記したようにPwoポリメラーゼ(Roche Diagnostics)を用いるPCRにより作成する。生じた588bpのDNA断片をDNA単離カラムを用いて精製し、HindIII及びEcoRIで消化し、ゲル精製する。
(1.2) p1−dhfr−CDSの作成
増幅させたEcoRI−HindIII dhfr遺伝子断片をLigation Express(Clontech)を用いてpSV2−neo由来のEcoRI−HindIIIベクター断片にライゲートし、大腸菌宿主に形質転換する。形質転換体を50mg/L アンピシリンを補充したLB培地で増殖させることにより選択する。形質転換体由来のプラスミドDNAを単離し、50mg/L アンピシリンを補充したLB培地でコロニーから精製する。
プラスミドDNAをクローンから単離し、EcoRI+ScaIを用いる制限分析によりチェックする(2225bp、514bp及び473bpのサイズの3断片)。
予想断片を示すプラスミドDNAを更に構築物の関連部分を配列決定することによりチェックする。実証されたSV40初期プロモーター及びジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子を含むプラスミドDNAをp1−dhfr−CDSと呼称する。配列の分析から、MUSDHFRの公開された配列からdhfr遺伝子内の1つの偏位、特にMUSDHFR配列のNo.451でのTのCへの変化が分かった。その後の配列決定で、この変化がソースプラスミド中にも存在することが判明した。しかしながら、CTT及びCTCがいずれもロイシンをコードするので生じた変化はヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列に変化を生じさせない。
(1.3) p2−dhfr−CDSの作成
p1−dhfr−CDSプラスミドDNAをEcoRI+SpeIで消化する。生じた直線化断片を精製し、(上記した)SV40LTpolyA/IVSを含む増幅断片とライゲートする。形質転換及び選択後、生じた断片をAccIを用いる制限分析により分析する(2994bp、855bp及び216bpの3断片)。少数を選択し、更にHincII(それぞれ3466bp及び599bpの2断片)、AflIII(それぞれ2872bp及び1193bpの2断片)及びBglI(それぞれ2371bp及び1694bpの2断片)を用いて分析する。
適正なサイズで予想断片を示すプラスミドDNAを配列決定することにより更にチェックする。実証されたプラスミドをp2−dhfr−CDSと呼称する。
2. pEpo/dhfrの構築
(2.1) pEpo/dhfr 21の作成
p5プラスミドDNAをBamHI及びEcoRIで消化し、SV40プロモーター−Epo遺伝子−SV40ターミネーターのカセットを表す生じた1792bp断片をゲル精製する。
プラスミドp2−dhfr−CDSもBamHI及びEcoRIで消化し、直線化ベクターをゲル精製し、Supelcoスピンカラムを用いて溶離させる。更に、DNAをアルカリホスファターゼを用いて脱リン酸化し、Amicon Micropure酵素リムーバーを用いて精製する。
4053bp p2−dhfr−CDSベクターとp5由来の1792bpカセットの両断片をライゲートし(Ligation Express;Clontech)、大腸菌SUREに形質転換する。70mg/L アンピシリンを補充したLB培地で増殖させた形質転換体コロニーをEpo遺伝子(PCR産物)をプローブとして用いてハイブリダイズする。プラスミドDNAを各種ポジティブクローンから単離し、制限エンドヌクレアーゼNcoIを用いて消化することにより分析する。
予想断片(NcoI:4085bp及び1760bp)を示すクローン選択し、Epo/dhfr−21と呼称する。更なる精製のために、DNAを(上記した)大腸菌SUREに形質転換し、単一コロニー(pEpo/dhfr−21−1)を接種した培養物から“Midi−prep”手順(Qiagen)を用いてプラスミドDNAを作成する。
制限分析を酵素BamHI、HindIII、EcoRI、NcoI、NtoI、PstI、SpeI、SphI、PvuII、NarIを用いて実施する。予想される全ての断片及びサイズを見つけることができ、前記クローンが適正なpEpo/dhfr−21として実証される。
(2.2) pEpo/dhfrの最終構築
pEpo/neoと同様にして、Epo/dhfr−21中のEpo遺伝子の上流領域をスタートATGから−3の位置で変化させる。追加のヌクレオチドAを導入するとスタートATGから−3の位置にプリン塩基Gが生ずる。Epo遺伝子を実施例1のセクション4.2に記載されているように再増幅させる。
pEpo/dhfr−21プラスミドDNAをKspI及びNotIで消化してEpo遺伝子を除去する。次いで、5259bp断片をゲル精製する。
作成した両DNAを相互にライゲートする(Ligation Express;Clontech)。形質転換体由来のプラスミドDNAを単離し、70mg/L アンピシリンを補充したLB培地でコロニーから精製する。DNAを第1スクリーニングにおいてNcoIを用いる制限により分析する。
“Midi−prep”手順(Qiagen)を用いてDNAを単離するためにポジティブクローンを選択する。延長制限分析をBamHI、HindIII、EcoRI、NcoI、NotI、PstI、SpeI、SphI、PvuII、NarIを用いて実施する。予想される断片及びサイズを見つけることができ、前記クローンが適正なpEpo/dhfrとして実証される。
pBR322ベクター−部分に挿入した全カセット(SV40初期プロモーター−dhfr遺伝子−SV40L TPolyA/IVS−SV40初期プロモーター−Epo遺伝子−SV40L TPolyA/IVS)の単一ヌクレオチドもすべて配列決定により確認する。
pEpo/neo及びpEpo/dhfrから作成した組換えCHO細胞
1〜5×10/cmの細胞を25cm容量のTフラスコまたは96ウェルプレートに接種した後リポフェクチントランスフェクションを実施する。2つのプラスミドを50:1=Epo/neo:Epo/dhfrの比で混合し、リポフェクチン試薬(GIBCO/BRL)に製造業者のプロトコルに従って吸着させる。
簡単に説明すると、0.25μg/cmのDNA及び1.5μl/cmのリポフェクチン試薬を用い、このDNA/脂質カクテルを200μl/cm−細胞層に調節する。次いで、無血清DMEM中で細胞にトランスフェクションカクテルを4時間載せた後、DNA含有培地を培養培地で交換する。血清含有培地で24時間培養した後、選択培地に交換する。トランスフェクトした細胞プールをまず選択培地において集密まで、次いで増幅培地(4.8×10−8M MTX)において培養した後、細胞培養上清をELISAによりEpo産生についてスクリーニングする。最高の手順を決定し、MTX濃度を2倍に増加させ、最良の手順を更なる培養のために使用する。7個の組換え細胞プールを選択し、増殖性、Epo生産性、タンパク質パターン(ウェスタンブロット分析により)、Epo機能性及び染色体安定性を比較する。
T25フラスコでのトランスフェクションは、1つのT25フラスコあたり2.5μg pEpo/neo、0.05μg pEpo/dhfr及び15μl リポフェクチンを用い(09/T25/1及び09/T25/2)、1つのT25フラスコあたり2μg pEpo/neo、0.4μg pEpo/dhfr及び15μl リポフェクチンを用いて実施する(09/T25/3及び09/T25/4)。
更に、5プレートにそれぞれ1プレートあたり10μg pEpo/neo、0.2μg pEpo/dhfr及び60μl リポフェクチンをトランスフェクトし(09/96/1−09/96/5)、5プレートにそれぞれ1プレートあたり8μg pEpo/neo、1.6μg pEpo/dhfr及び60μl リポフェクチンをトランスフェクトする(09/96/1−09/96/5)。プレート11及び12にはそれぞれ6.25μg pEpo/neo、0.08μg pEpo/dhfr及び37.5μl リポフェクチンをトランスフェクトする。
簡単に説明すると、0.25μg/cm DNA及び1.5μl/cm リポフェクチン試薬を用い、このDNA/脂質カクテルを200μl/cm−細胞層に調節する。 一連のトランスフェクションは主に微量測定プレートにおいて実施する。なぜならば、以前の実験で1つの培養ユニットでのクローン数が多くとも3〜5であるからである。このことは、Tフラスコにおいて数百のクローンから単離するよりもモノクローナルトランスフェクタントがより簡単に単離されることを意味する。表1に、96ウェルプレートあたりのクローンの数及び増幅圧の存在または非存在下でのELISA力価を示す。トランスフェクトした細胞プールをまず選択培地において集密まで、次いで増殖培地(4.8×10−8M MTX)において培養した後、細胞培養上清をELISAによりEpo産生についてスクリーニングする。約1000個の増殖ウェルをスクリーニングし、50個の培養物をMTX濃度を漸増させて特異的Epo産生力について試験する。最高の手順を決定し、MTX濃度を2倍に増加し、最良の手順を更なる培養のために使用する。
選択ステップ及び第1回増幅ステップを96ウェルプレートで実施し、4.8×10−8M MTXで増殖させた全てのクローンをスクリーニングした後、7つのクローンを選択し、それぞれ09/96/1F5、09/96/3D5、09/96/3H5、09/96/5D4、09/96/5H1、09/96/6C5及び96/96/7E6と呼称し、その増殖性、Epo生産力、ウェスタンブロットにおけるタンパク質パターン、Epo機能性試験及び染色体安定性を比較する。
細胞倍化時間は全てのクローンで同一のようであり、1週間に2回1:2〜1:5分裂され得る。MTX濃度を9.6×10−8Mから1.9×10−7Mに増加させても生産性が向上するが、MTX濃度を更に倍化してもELISA値に変化はない。そこで、サブクローニングを3.8×10−7M MTXで実施する。イムノフルオレッセンスを、単一培養物に有意な差がない1.9×10−7M MTXで分析する。
細胞形態を光学顕微鏡及びCoulter Counter核DNA分析により比較する。クローン09/96/7E9、09/96/6C5、09/96/5H1、09/96/5D4及び09/96/3D5は宿主細胞株CHO−DHFRと同じ核サイズ分布
を示す。対照的に、細胞株09/96/1F5及び09/96/3H5は大きな核を有している。以前の実験から、これは染色体の数が増えた結果生ずることは公知である。従って、更なる安定性のためにクローン09/96/3D5を使用することに決めた。
EpoのTF−1細胞に対する機能性試験は組換え医薬産物に比較して7つ全ての培養上清で同じ勾配を示す。
組換えタンパク質を各MTX濃度でSDS PAGE及びウェスタンブロッティングにより試験し、全ての組換え培養上清で僅かの変化しか見られない。このクローンはEpoを産生する。
要約及び検討:
真核発現ベクターの構築から哺乳動物細胞のトランスフェクションまでの組換えEpo発現CHO細胞株の選択及びポリクローナルEpo発現細胞プールの単離を記載している。分析は主にELISA、イムノフルオレッセンス、ウェスタンブロッティング及びインビトロ機能性試験に基づく。これらの方法は全て、ng/ml量で低産生細胞プール培養上清及びより安定な組換え細胞をスクリーニングし得る濃度範囲で確立されている。
遺伝子コピー数を最高3.8×10−7M MTXで段階的に増幅させた組換えCHOプールを作成する。これらの細胞は1週間に2回1:3〜1:4分裂され得、毎回高レベルのEpoがELISAで検出される。
組換え細胞株の更なる選択
更なる安定化のために組換え細胞プール09/96/3D5を使用する。MTX濃度を段階的に0.38μM MTXまで増加させる。この増幅レベルで、組換え3D5細胞を10及び20細胞/ウェルでサブクローニングする。ウェルの培養上清の単一クローンでのスクリーニングはELISAにより実施する。表2に、サブクローニング条件及び0.38μM MTXの存在下での組換え細胞プール3D5の効率を示す。単一クローンの300上清を試験する。継代から4日後高いEpo力価を有するクローンを24ウェルプレートにおいて0.77μM MTXを用いて選択する。
前記クローンのうち7個のクローンを液体窒素中で保存し、MTX濃度を1.54μMまで増加させることにより遺伝子コピー数を更に増幅させるために選択する。
表3は、平板培養条件及び第2回安定化の効率を示す。ここで、クローン09/96/3D5/1H9及び09/96/3D5/18E5を1.54μM MTXで最後にサブクローン化する。1ウェルあたりの細胞数を4細胞に減ずる。260単一クローンをスクリーニングし、そのうち各サブ培養の20以上のクローンをTフラスコに移し、特異的生産性についてスクリーニングする。最終産生クローンを特異的発現率、増殖条件及び核サイズ分布のような基準により決定する。四倍性を示すクローンは経験からバイオリアクターにおいて複雑な増殖パターンを示す傾向にあるので、このような細胞は捨てる。スクリーニング後、6つのサブクローン(4つの1H9サブクローン及び2つの18E5サブクローン)、すなわち09/96/3D5/1H9/4C2、09/96/3D5/1H9/6C2、09/96/3D5/1H9/6D4、09/96/3D5/1H9/15B4、09/96/3D5/18E5/7A6及び09/96/3D5/18E5/15C3を選択し、液体窒素中で凍結する。
無血清培養培地への適応
実施例4からの最終6個の組換え細胞株を最後のサブクローニングステップ後無血清培養条件への適応のために選択する。
細胞をT25フラスコに約5×10/cmの細胞でサブクローニングから7〜12継代で接種し、集密まで3〜4日培養する。この時点で培地を無血清適応培地で完全に交換し、その後培地の80%を毎日新しくする。全ての懸濁細胞を培養物に戻す。ほぼすべての細胞が懸濁増殖する適応時間後、クローンを1週間に2回継代し、懸濁液培養として培養する。
クローンを無血清適応培地で11〜13継代培養した後、凍結保存する。それぞれ5×10細胞を含む6本のアンプルを液体窒素中無血清凍結培地と一緒に細胞株毎に凍結させる。融解後、クローンを無血清産生培地において培養する。産生クローンを選択するための分析特性付けは融解後第2または第3継代の上清で実施する。
分析試験には、
特異的増殖率[μ]−(μ=In(X/X)/日数)、
特異的生産性[q]−(Qp=産物産生×10/(細胞数×日数))、
ウェスタンブロット、
等電点電気泳動、
DNA含量及び安定性、
クローン安定性
が含まれる。
6つ全ての細胞株を無血清増殖培地で増殖させることができ、1週間に2回分裂させる。血清なしでも凍結保存し、融解後培養培地を無血清産生培地に交換する。この処方物は高いグルコース及びアミノ酸濃度を有する。
5継代後、異なるタンパク質及び細胞パラメーターを測定し、1つの産生クローン(09/96/3D5/1H9/6C2;6C2と略記)及び1つのバックアップクローン(09/96/3D5/1H9/4C2;4C2と略記)を選択する。
組換え細胞株の比較
実施例4及び5からの6個の細胞株の増殖特性を、培養物中の細胞数及び継代中の分裂比を測定することにより数週間にわたり調べる。Epo生産性をELISAにより試験する。これらのデータから、上記した特異的生産性及び特異的増殖率を計算する。
表4に、3日の培養後1:3の分裂比で標準培養条件下で得たデータが要約されている。
分裂後及び更に3日後の細胞数(Coulter Counterで測定)を示す。
還元条件下でのSDS−PAGE
6個の細胞株の上清をSDS−PAGEにより分離し、分子量の違いについて比較する。6個の上清は、通常高度にグリコシル化したタンパク質中に見られるスミアと同一のSDSパターンを示す(データ示さず)。
類似の市販品は、多分下流プロセシング中に分離するばらばらのバンドから生ずるより明確なバンドとして移動する。
IEF−ウェスタンブロット
IEF−ウェスタンブロット分析は糖タンパク質の可能性あるタンパク質ミクロ不均質性を反映しなければならない。ゲルに充填されるタンパク質の量に従って14個のバンドが目に見えるようになる。ゲルのほぼ真ん中にウェスタンブロットで見られる1つの特徴的な二重バンドが存在する。この二重バンドの下の次のバンドはバンド番号1として規定され、9〜10バンドがゲルの酸性部分で肉眼で観察可能である。類似の市販品は異質産物中のバンド番号6〜9に相当する4つの主要バンドを与える。
組換え細胞のDNA含量
DNA含量は細胞株の染色体の数に比例する。組換え細胞株の安定性は部分的に染色体数に影響され、DNA含量の同一性は宿主細胞株(CHO dhfr)と比較することにより証明される。
要約及び検討:
組換えEpo発現CHO細胞株の単離について記載する。2回のサブクローニング後、6個の細胞株を1つの最終産生クローンの呼称の基礎として諸特性について比較する。分析の基準は主にELISA、ウェスタンブロッティング及びIEF試験、並びにFACS分析によるDNA測定である。
組換え培養上清のウェスタンブロットパターンは、市販の精製タンパク質に比較して幾つかの追加低分子量バンドを示す。1つの説明は、これらの追加バンドは比較の市販物につながる下流プロセシング中に除去されるアイソフォームを示すことである。別の可能性は、SDSの不完全取り込みのために人為的バンドが検出されることである。等電点電気泳動はそのQpに関係なくすべての細胞培養上清で同一のアイソフォーム分布を示す。
最良の産生クローン及び最も簡単なハンドリングは産生クローンとして選択されるクローン6C2である。バックアップとしてクローン4C2を選択する。両クローンはローラーボトルにおいて増殖され得る。
TフラスコにおけるCHO細胞の培養
組換えヒトエリスロポエチンをTフラスコ中無血清条件下でチャイニーズハムスター卵巣細胞株(CHO)において産生させる。培養物に2.67×10/mlの細胞を接種する。3日のインキュベーション期間後、最終細胞密度は9.35×10細胞/mlに達する(=>μ=0.42日−1)。
実施例1〜6はEpoを発現する多数のCHOクローンの作成を記載している。実施例4及び5で得た6クローンのうち、クローンCHO 6C2を優れた高い細胞特異的生産性及び高い特異的増殖率を有するために選択する。
バイオリアクターにおけるCJO細胞の培養
CHO細胞株6C2を150L容量のバイオリアクター中フェッド−バッチ(T43C6C2)モードで培養する。アミノ酸補充した50:50 DMEM/Hams F12から構成され、0.25% 植物ペプチド、0.1% ルトロール、1.54μM メトトレキサート(MTX)、4g/L グルコース、2.5g/L NaHCO、エタノールアミン、クエン酸第二鉄、アスコルビン酸及び亜セレン酸ナトリウムを含有する細胞培養培地を用いる。この培地は高価な機能性タンパク質(組換えまたは天然源由来のもの)を含んでいない。動物起源の成分を存在させる。細胞を56L培地に約5×10細胞/mlで接種する。pOを50%空気飽和、温度を37℃、pH7.0に設定し、発酵中一定に保つ。
グルコース濃度を1g/L以上に保つ。4日後、リアクターに新鮮な培地を150Lまで充填する。9日後に1875mlのアミノ酸、炭水化物及び植物由来ペプトンを含有する栄養濃縮物を添加することによりバッチを延長させる。10日後、更に1875mlの栄養濃縮物を添加する。2日後(12日目)にエリスロポエチンを含む上清を収集する。
メトトレキサートの非存在下でのバイオリアクターにおけるエリスロポエチンの産生
CHO細胞株6C2を5L容量のバイオリアクター中フェッド−バッチ(Kamp 4 B5−1及び2)モードで培養する。培地は実施例9と同じである。第1バイオリアクター(Kamp 4 B5−1)には培地中に1.54μm MTXを存在させ、第2バイオリアクター(Kamp 4 B5−2)にはMTXを存在させない。
グルコース濃度を1g/L以上に保つ。細胞を1250mL培地に約5×10細胞/mlで接種する。pOを50%空気飽和、温度を37℃、pHを7.0に設定し、発酵中一定に保つ。2日後、リアクターに新鮮培地を5Lまで充填する。6、7、8、9及び10日後50〜122mlのアミノ酸、炭水化物及び植物由来ペプトンを含有する栄養濃縮物を添加することによりバッチを延長させる。11日目にエリスロポエチンを含む上清を収集する。
メトトレキサートなしの培養はより優れたグリコシル化パターンのために優れていることが判明する。
富化培地を含むバイオリアクターにおけるエリスロポエチンの産生
CHO細胞株6C2を5L容量のバイオリアクター中フェッド−バッチ(Kamp 11 B5−1及び2)モードで培養する。バイオリアクター1は実施例10(Kamp 4 B5−2)と同様に操作し、バイオリアクター2では富化アミノ酸を補充した50:50 DMEM/Hams F−12から構成され、0.325% 植物ペプチド、0.1% ルトロール、6.4g/L グルコース、2.5g/L NaHCO、エタノールアミン、クエン酸第二鉄、アスコルビン酸及び亜セレン酸ナトリウム及び0.6g/L ホスフェートを含有する細胞培養培地を用いる。pOを50%空気飽和、温度を37℃、pHを最初7.0に設定する。発酵中pHを段階的に6.9に低下する。
培養中、バイオリアクター2中のグルコース濃度を3〜4g/Lに保つ。2.5日後、リアクターに新鮮培地を5Lまで充填する。6、7、8、9及び10日後、アミノ酸、炭水化物及び植物由来ペプトンを含有する富化栄養濃縮物を添加することによりバッチを延長させる。11日目にEpoを含む上清を収集する。
栄養富化培地(アミノ酸、グルコース、植物ペプトン及びホスフェート)を用いる培養及び7から6.9へのpH変化が同様のグリコシル化プロフィールで最終Epo濃度を2倍以上とすることが分かる。
動物由来成分を含まないバイオリアクターにおけるエリスロポエチンの産生
CHO細胞株6C2を5L容量のバイオリアクター中フェッド−バッチ(Kamp 17 B5−1及び3)モードで培養する。パラメーターはすべて特記しない限り実施例10(Kamp 4 B5−2)のように設定する。バイオリアクター2では、動物由来の成分を全く含まない細胞培養培地を用いる。例えば、通常(サケまたはヒト毛髪のような)動物由来のアミノ酸チロシンまたはシステインを合成アミノ酸で置換する。
2.5日後、リアクターに新鮮培地を5Lまで充填する。6、7、8、9及び10日後、アミノ酸、炭水化物及び植物由来ペプトンを含有する栄養濃縮物を添加することによりバッチを延長させる。9〜10日目にエリスロポエチンを含む上清を収集する。
動物起源の成分を含まない培地は同様の最終Epo濃度を生ずることが分かる。しかしながら、培養物はよりゆっくり増殖し、追加の栄養濃縮物の添加が必要である。
富化培地(ビタミン、微量元素)を含むバイオリアクターにおけるエリスロポエチンの産生
CHO細胞株6C2を10L容量のバイオリアクター中フェッド−バッチ(Kamp 12C)モードで培養する。バイオリアクターを以下の例外を除き実施例11(Kamp 11 B5−2)のように操作する。
富化アミノ酸を補充した50:50 DMEM/Hams F12から構成され、0.325% 植物ペプチド、0.1% ルトロール、6.4g/L グルコース、2.5g/L NaHCO、エタノールアミン、クエン酸第二鉄、ビタミン、微量元素及び亜セレン酸ナトリウム及び0.6g/L ホスフェートを含有する細胞培養培地を用いる。濃縮物中の濃度を倍とし、ビタミンで富化する。
細胞を4500ml培地に約5×10細胞/mlで接種する。pOを50%空気飽和、温度を37℃に設定する。pHを最初7.1に設定する。発酵中pHは段階的に6.9に低下する。
培養中、バイオリアクター中のグルコース濃度を3〜4g/Lに保つ。3日後、リアクターに新鮮培地を10Lまで充填する。6、7、8、9、10、11及び12日後、富化栄養濃縮物を添加することによりバッチを延長させる。13日目にエリスロポエチンを含む上清を収集する。
Epoの分離
細胞分離
組換えヒトエリスロポエチンを不連続フェッド−バッチ発酵により無血清条件下でチャイニーズハムスター卵巣細胞株(CHO)において産生させる。発酵(2つの異なるバイオリアクターにおいて4×約1+2バッチモード延長ステージ)後、約200〜300mg/LのrhEpoを含む収集ブロスを2〜8℃に冷却し、暫定保存期間を置かずにまずディスクスタッグ分離機を用いて遠心し、次いでデプス(PP Polygard 0.1μm,Seitz Bio 10またはCuno A90M08,処理量約300L/m濾過面積)及び0.2μ 濾過(Sartobran P,SartoriusまたはDuropore 0.22μ,Millipore)により清澄化する。高い細胞溶解及びその結果のHCP(宿主細胞タンパク質)による高い産物汚染を避けるために、まず最適時点(主培養において約12日,酸素消費滞留)で収集し、次いで脆い真核細胞を分離するように特別設計された細胞分離装置、例えば水密性供給入口を有するCSC6(6000m ECA,15500×g,約200L/時,Westfalia)または一般的なディスク入口及び転針出口を有するBTPX 250(11000m ECA,13000×g,300L/時,Alfa Laval)を用いることが重要である。接線流濾過及び遠心を含めた各種分離方法の比較から、剪断応力(細胞内マーカー酵素LDHの放出により測定)による細胞溶解の違いが示される。遠心が最も穏和な分離(<3U LDH/mg rhEpo)を与え、好ましい。
或いは、上記したディスクスタック分離機を用いる遠心のみ(デプス濾過ステップなし)を細胞分離ステップで用いる。或いは、上記したデプス濾過ステップ(遠心ステップなし)を用いる。
アニオン交換(AEX)クロマトグラフィーによる捕捉
清澄後、粗な上清を5mS/cm以下の最終伝導率に達するように約3容量の水で希釈し、トリス塩基でpH7.5に調節した後、AEX−捕捉樹脂にかける。
使用したAEXカラムは約10〜20cmベッド高を有し、良好な流動性を有するQ Ceramic HyperD F(Biosepra)が充填されている。20mM トリス(pH7.5)及び50mM NaClで平衡化されている。次いで、希釈した細胞上清をカラムに4〜8cm/分の流速で充填し(10〜15mg rhEpo/ml樹脂)、カラムを10〜15カラム容量(CV)の平衡緩衝液で洗浄する。産物を、150mM NaClを含む20mM トリス(pH7.5)の高伝導度緩衝液に交換することにより達成される段階溶離により溶離させる。ピークフラクションをプールし、約50〜60%の収率を得る。
或いは、中間容量に減量し、次の沈殿条件を標準化するためにフラクションプールを限外濾過により濃縮する。好ましくは、5〜10kDaカットオフ膜を使用し、標的産物濃度を約20mg/mlに調節する。
硫酸アンモニウム沈殿
前ステップからの捕捉プールは、典型的には汚染宿主細胞タンパク質を2.4M (NHSOで沈降させることにより更に精製される。このAS濃度では、沈殿中に殆ど産物は認められず、純粋なHCP非含有上清が残る。この上清は以下のRPC精製の前にRPC充填物中<240mM (NHSOに希釈しなければならない。
1容量の捕捉プールに対して1.5容量の硫酸アンモニウムストック溶液(4M NHSO,20mM トリス(pH7.5))を添加して沈殿させ、10〜15℃において30分間インキュベートし、沈殿をデプス(Seitz Bio 10またはCuno A90M08)及び0.2μ濾過(Sartobran P,SartoriusまたはDuropore 0.22μ,Millipore)により分離する。高溶離容量=希rhEpo溶離プール(<5mg rhEpo/ml)の場合、HCP沈殿は任意のUF濃縮ステップ(10kDaカットオフ)により改善され得る。
硫酸アンモニウム沈殿は疎水性相互作用クロマトグラフィーより有効である。
前沈殿ステップからの硫酸アンモニウム含量を低減させるために、産物を含む上清を上記したように希釈しなければならない。代替方法は限外濾過/デプス濾過ステップである。好ましくは、5〜10kDaカットオフ膜を使用し、標的硫酸アンモニウム濃度を240mM未満、産物濃度を約30mg/mlに調節する。ダイアフィルトレーションステップのために使用した緩衝液は20mM トリス/HCl(pH7.0)である。
逆相クロマトグラフィー
次の精製ステップは逆相クロマトグラフィーである。この逆相クロマトグラフィーは、a)異なるアイソフォームがその糖骨格(高度にグリコシル化/シアリル化した溶離物の後に低度にグリコシル化/シアリル化した形態)に従って分離される;b)残留宿主細胞タンパク質がこの高速クロマトグラフィーにより除去される;及びc)クロマトグラフィーがウイルス除去及び有機溶媒によるウイルス不活化のためのロバストなステップである点で有用である。Source 30RPC(Amersham Biosciences)は、a)中圧(<10バール)で操作可能であり且つb)高濃度NaOHで衛生処理され得るポリマー樹脂である。好ましいベッド高は10〜15cmであり、推奨される負荷物は充填樹脂1mlあたり8〜12mgのrhEpoである。
RPCステップの前に、産物を含む上清を0.24M未満の硫酸アンモニウムの最終濃度に調節しなければならない。このコンディショニングは、RPC充填中にその後のオンライン希釈ステップ(20mM トリス/HCl(pH7.0)中1容量のrhEpo−上清+4容量の20mM トリス/HCl(pH7.0)+5容量の50vv% ACN)により、または高価な有機溶媒を節約するために充填ステップの前に優先的に再度の20mM トリス/HCl(pH7.0)に対するダイフィルトレーション/濃縮(10kDaカットオフのUF)ステップにより実施し得る。カラムを予め平衡化し、20mM トリス(pH7.0)中25vv% アセトニトリル(ACN)を充填後洗浄する。産物をACN濃度を25%から50%へ直線勾配させて溶離し、凝集を誘導する恐れがあり、次のAEXクロマトグラフィーを害する溶媒濃度を直ちに減ずるために4容量の希釈緩衝液(50mM トリス(pH7.0))を予め充填した小フラクション(特に、約0.2CV、或いは約0.3〜0.5CV)で集める。溶離ピークのほぼ前半部分のフラクションをプールして、RPCプールを得、これは更にプロセシングする。このプールは好ましい高度のグリコシル化を有するアイソフォームを含む。Ser126でO−グリカンを欠く脱−O−グリコシル化rhEpo産物は細胞培養物中に最高20%のレベルで存在するが、この産物は上記分画レジメにより除去される。
代替方法では、有機溶媒に曝すことによりウイルス不活化を誘導するために、フラクションに4容量の上記したと同じ緩衝液の代わりに0.5容量の20mM トリス(pH7.0)を予備充填し、20〜40分間またはそれ以上インキュベートする。このインキュベーションステップ後、元の非希釈フラクションを指す別の3.5容量の20mM トリス(pH7.0)を添加し、よってウイルス不活化を停止する。
ウイルス不活化を伴うまたは伴わないフラクションを更なる精製のためにプールする。プーリングは通常上行部位では最大ODの50〜100%で始め、下行部位では70〜80%以上でほぼ終わらす。最初に溶離するフラクションは宿主細胞タンパク質を含む可能性があるのに対して、後から溶離するフラクションは低シアリル化で低活性のアイソフォームを含む。更に、CZE分析をあるアイソフォームのプーリングを裏付けるために実施し得る。
アニオン交換クロマトグラフィー
次いで、希釈したRPCプールを、特定アイソフォームを選択し、宿主細胞タンパク質を除去するのを助ける高速AEXカラムに充填する。この時、アイソフォームは等電点に従って、すなわちグリコシル化のグレードに比例するシアル酸の数に従って分離される。優れた分離効率を示すQ−Separose HP(Amersham Biosciences)の高性能樹脂を使用する。ベッド高は15〜20cmである。充填、勾配及びベッド高のような全ての条件はかなり低い産物濃度を保つように規定される。さもなければ、溶離中産物の溶媒誘導凝集により有意なポスト−ピークが生ずる。
RPCプールに、20mM トリス(pH7.0)で平衡化したQ Sepharose HPに対して2〜4mg/mlのEpoを充填する。平衡緩衝液での洗浄ステップ後、産物を平衡緩衝液中0から300mM NaClの10CV直線塩勾配で溶離させる。溶離ピークを0.1CVまたは0.25CVフラクションで集め、分析プールをCZEにより分析して、所望エリスロポエチンアイソフォームを含む適正なフラクションプールを見つける。AEXプールは典型的には溶離ピークの後半部分から構成され、ここに高度にグリコシル化及びシリル化されたアイソフォームが溶離されている。
インプロセスコントロールとして細管ゾーン電気泳動(CZE)を用いることにより、異なる発酵条件及び宿主系のためにソースが高シリル化アイソフォームを僅かに含んでいるとしてもエリスロポエチンアイソフォームの正確に規定された混合物を産生することができる。
CZEは異なる電荷を有するアイソフォームを分離することができる高分離法である。各フラクションで1つのアイソフォーム毎に定量的な結果を与える。この情報により、バッチ毎に一定のアイソフォームプロフィールをもたらす特定フラクションをプールすることができる。典型的には、遅れて溶離するフラクションをプールすることにより最初に溶離する低シアリル化アイソフォームが排除される。
サイズ排除クロマトグラフィー
最後のクロマトグラフィーステップでは、存在する恐れがある二量体以上の多量体凝集物を除去し、最終処方物のために緩衝液交換を実施するサイズ排除によりAEXプールを研磨する。このステップで使用するSuperdex 75 prep grade(Amersham Biosciences)はカラム容量の15%までの高い充填容量でも良好な分離を有する。好ましいベッド高さは60〜80cmである。
AEXプール中の産物濃度を高めるように前ステップのAEXクロマトグラフィーを実施することは不可能であるので、前記プールを濃縮した後ゲル濾過しなければならない。これは5〜10kDa UF膜を用いる限外濾過ステップにより実施され、これにより約10mg/mlのエリスロポエチンを含む約10倍濃縮されたUF保持物が得られる。
UF保持物の約3〜7CV%を直接、予め20mM Na−ホスフェート(pH7.0)、75mM NaClで平衡化したSuperdex 75pgカラムに充填する。約1〜1.5CV後、産物がカラムから溶離し始め、溶離ピークを集めてSECプールを得る。
ナノ濾過
可能性あるウイルス負荷物を除去するために、追加のデッドエンド(dead−end)ウイルス濾過ステップを実行する。この濾過は、15nmくらいの小さい粒子を除去するように設計された特定膜、例えばPlanova 15N(Asahi)を用いて実施する。或いは、デッドエンドナノ濾過ユニットはPALL Ultipor VF Grade DV20またはMillipore Viresolve NFPカットリッジまたはカプセルである。特にパルボウイルスのような小さい非外被ウイルスの場合には、ウイルス除去または不活化の別の道具はほとんどない。
滅菌濾過したSPEプールを適当な膜を有する全量フィルターに通し、濾液は最終バルク状薬物である。或いは、ナノ濾過をUF濃縮とサイズ排除クロマトグラフィーの間に挿入してもよい。
Figure 0004293908
Figure 0004293908
Figure 0004293908
Figure 0004293908
Figure 0004293908
本明細書において言及した刊行物はすべて援用により本明細書に含まれるとする。本明細書に記載した本発明の方法及びシステムに本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく各種修飾及び変更を加えることは当業者に自明である。本発明を特定の好ましい実施態様に関連して説明してきたが、本発明はこれらの実施態様に不当に限定されるべきではないと理解されたい。実際、分子生物学または関連分野の当業者に自明の本発明を実施するための本発明の各種修飾は請求の範囲の範囲内であると意図される。
Figure 0004293908

Claims (25)

  1. (a)(i)遠心後デプス濾過ステップ、(ii)デプス濾過ステップ及び(iii)遠心からなる群から選択される手順を実施して、細胞培養培地から宿主細胞、細胞成分及び破片を除去し、清澄化培地上清を得るステップ、
    (b)前記上清の伝導率を5mS/cm以下、pHを7.0から8.0に調節するステップ、
    (c)ステップ(b)からの上清をアニオン交換クロマトグラフィー媒体を含むカラムに適用し、前記カラムを洗浄し、前記カラムからrhEpoを溶離させ、1つ以上のrhEpo含有ピークフラクションを収集するステップ、
    (d)ステップ(c)からの合わせたピークフラクションに、中圧(<10バール)で操作可能であり且つ高濃度のNaOHに対して耐性である樹脂を用いる逆相クロマトグラフィーステップを施し、有機溶媒の直線勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
    (e)ステップ(d)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをアニオン交換クロマトグラフィー媒体を含むカラムに適用し、前記カラムを洗浄し、直線塩勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
    (f)ステップ(e)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをrhEpoのシアリル化度に基づいて選択するステップ、及び
    (g)ステップ(f)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションにゲル濾過媒体を用いるサイズ排除クロマトグラフィーステップを1回以上施して存在し得る二量体以上の多量体凝集物を除去し、rhEpo含有溶離物を収集するステップ
    を含む、宿主細胞を含む細胞培養培地からの組換えヒトエリスロポエチン(rhEpo)の回収及び精製方法。
  2. ステップ(a)における遠心をディスクスタック分離機を用いて実施することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(d)とステップ(e)の間に、更にステップ(d)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをrhEpoのシアリル化度に基づいて選択する追加ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. ステップ(d)の前に、ステップ(c)からのピークフラクションに硫酸アンモニウム沈殿ステップを施して汚染宿主細胞タンパク質を沈殿させ、その後上清の硫酸アンモニウム濃度をステップ(d)に適合する濃度に調節することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 硫酸アンモニウム濃度が0.24M未満であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. ステップ(b)におけるpHがpH7.5であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. ステップ(c)における溶離ステップを125mM以上の塩濃度を有する緩衝液を用いて実施することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. ステップ(d)における有機溶媒をアセトニトリル、エタノール及びヘキシレングリコールからなる群から選択することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. ステップ(d)においてEpoポリペプチドを有機溶媒の10%から100%への直線勾配を用いて溶離させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. ステップ(d)における有機溶媒はアセトニトリルであり、Epoポリペプチドを25%から50%への勾配を用いて溶離させることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  11. ステップ(e)の前に、ステップ(d)で溶離したフラクションを適当な水性緩衝液で希釈することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. ステップ(e)の前に、希釈したフラクションをウイルス汚染物質を不活化するのに十分な適当な時間放置することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. ステップ(g)において、サイズ排除クロマトグラフィーステップの前にフラクションに限外濾過ステップを施すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. ステップ(d)において、逆相クロマトグラフィーの前にフラクションに限外濾過ステップを施すことを特徴とする請求項1または4に記載の方法。
  15. 硫酸アンモニウム沈殿ステップの前にステップ(c)からの合わせたピークフラクションに限外濾過ステップを施すことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  16. ステップ(g)の前またはその後に、更にウイルスを除去するためにデッドエンドナノ濾過ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. ステップ(a)において、手順(i)、(ii)または(iii)の後に0.2μm濾過ステップを実施することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. ステップ(f)におけるまたはステップ(d)とステップ(e)の間の1つ以上の選択手順を細管ゾーン電気泳動を用いて実施することを特徴とする請求項1または3に記載の方法。
  19. (a)(i)ディスクスタック分離機を用いる遠心後デプス濾過ステップ、(ii)デプス濾過ステップ及び(iii)ディスクスタック分離機を用いる遠心からなる群から選択される手順を実施して、細胞培養培地から宿主細胞、細胞成分及び破片を除去し、清澄化培地上清を得るステップ、
    (b)前記上清の伝導率を5mS/cm以下、pHを7.0から8.0に調節するステップ、
    (c)ステップ(b)からの上清をQ−HyperD F(BioSepra)アニオン交換クロマトグラフィー媒体を含むカラムに適用し、前記カラムを洗浄し、前記カラムからrhEpoを溶離させ、1つ以上のrhEpo含有ピークフラクションを収集するステップ、
    (d)ステップ(c)からの合わせたピークフラクションに、中圧(<10バール)で操作可能であり且つ高濃度のNaOHに対して耐性であるポリスチレン樹脂を用いる逆相クロマトグラフィーステップを施し、アセトニトリルの直線勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
    (e)ステップ(d)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをrhEpoのシアリル化度に基づいて選択し、前記フラクションをQ−Seph HP(Amersham Biosciences)アニオン交換クロマトグラフィー媒体を含むカラムに適用し、前記カラムを洗浄し、直線塩勾配を用いてrhEpoを溶離させるステップ、
    (f)ステップ(e)で溶離した1つ以上のrhEpo含有フラクションをrhEpoのシアリル化度に基づいて選択し、存在し得る二量体以上の多量体凝集物を除去するために前記フラクションにSuperdex 75 prep grade(Amersham Biosciences)を用いるサイズ排除クロマトグラフィーを施し、rhEpo含有溶離物を収集するステップ
    を含む、宿主細胞を含む細胞培養培地からの組換えヒトエリスロポエチン(rhEpo)の回収及び精製方法。
  20. ステップ(d)において、ポリスチレン樹脂がSource 30RPC(Amersham Biosciences)であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. ステップ(e)及び/またはステップ(f)において1つ以上のフラクションを細管ゾーン電気泳動により選択することを特徴とする請求項19に記載の方法。
  22. ステップ(d)の前に、ステップ(c)からの合わせたピークフラクションに硫酸アンモニウム沈殿ステップを施して汚染宿主細胞タンパク質を沈殿させ、その後上清の硫酸アンモニウム濃度をステップ(d)に適合する濃度に調節することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 硫酸アンモニウム濃度が0.24M未満であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. ステップ(f)の前またはその後に、更にウイルスを除去するためにデッドエンドナノ濾過ステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  25. 培養培地が無血清であり、宿主細胞を不連続流加発酵プロセスを用いて培養することを特徴とする請求項19に記載の方法。
JP2003547445A 2001-11-28 2002-11-26 組換えヒトエリスロポエチンのクロマトグラフィー精製 Expired - Lifetime JP4293908B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US33383901P 2001-11-28 2001-11-28
PCT/EP2002/013299 WO2003045996A1 (en) 2001-11-28 2002-11-26 Chromatographic purification of recombinant human erythropoietin

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005518196A JP2005518196A (ja) 2005-06-23
JP4293908B2 true JP4293908B2 (ja) 2009-07-08

Family

ID=23304479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003547445A Expired - Lifetime JP4293908B2 (ja) 2001-11-28 2002-11-26 組換えヒトエリスロポエチンのクロマトグラフィー精製

Country Status (20)

Country Link
US (1) US20060099674A1 (ja)
EP (1) EP1453857B1 (ja)
JP (1) JP4293908B2 (ja)
KR (1) KR20040065567A (ja)
CN (1) CN1596268A (ja)
AU (1) AU2002356733A1 (ja)
BR (1) BR0214568A (ja)
CA (1) CA2466627A1 (ja)
ES (1) ES2525945T3 (ja)
HR (1) HRP20040476A2 (ja)
HU (1) HUP0500061A2 (ja)
IL (1) IL161855A0 (ja)
MX (1) MXPA04005189A (ja)
NO (1) NO20042185L (ja)
NZ (1) NZ533083A (ja)
PL (1) PL368755A1 (ja)
RU (1) RU2004119818A (ja)
SI (1) SI1453857T1 (ja)
WO (1) WO2003045996A1 (ja)
ZA (1) ZA200403461B (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2002247896A1 (en) * 2002-03-26 2003-10-08 Lek Pharmaceutical And Chemical Company D.D. Process for the preparation of a desired erythropoietin glyco-isoform profile
SI1428878T1 (sl) * 2002-12-13 2009-02-28 Bioceuticals Arzneimittel Ag Postopek za proizvodnjo in čiščenje eritropoietina
US7157276B2 (en) 2003-06-20 2007-01-02 Biogen Idec Inc. Use of depth filtration in series with continuous centrifugation to clarify mammalian cell cultures
KR100567448B1 (ko) * 2003-11-05 2006-04-04 주식회사 인투젠 형질전환 동물의 유즙 전처리방법 및 이를 통한 인체단백질의 정제방법
DE102004027816A1 (de) * 2004-06-08 2006-01-05 Bioceuticals Arzneimittel Ag Verfahren zur Reinigung von Erythropoietin
JP4742042B2 (ja) * 2004-06-30 2011-08-10 テルモ株式会社 ウィルス不活化ヘモグロビンおよびその製造方法
US7531632B2 (en) * 2006-02-16 2009-05-12 Gtc Biotherapeutics, Inc. Clarification of transgenic milk using depth filtration
KR100988706B1 (ko) * 2007-03-07 2010-10-18 한미홀딩스 주식회사 재조합 에리트로포이에틴의 신규한 정제방법
KR100900033B1 (ko) * 2007-11-21 2009-06-01 한국생명공학연구원 인간 에리스로포이에틴의 정제방법
DE102008002209A1 (de) 2008-06-04 2009-12-10 Evonik Degussa Gmbh Verfahren zur Aufreinigung von Erythropoietin
MX2010014180A (es) 2008-06-24 2011-02-15 Reddys Lab Inc Dr Purificacion de citocinas modificadas.
CN102203113A (zh) * 2008-10-17 2011-09-28 佩尔希维亚有限责任公司 澄清方法
DE102008054716A1 (de) * 2008-12-16 2010-06-17 Evonik Degussa Gmbh Inprozesskontrolle in einem Verfahren zur Herstellung von EPO
CA2775012A1 (en) 2009-09-23 2011-03-31 Biogenerix Ag Process for the purification of recombinant human erythropoietin (epo), epo thus purified and pharmaceutical compositions comprising same
WO2011063195A2 (en) * 2009-11-20 2011-05-26 Dr. Reddy's Laboratories Ltd. Purification of modified cytokines
CN102453087B (zh) * 2010-10-22 2013-12-25 广东赛保尔生物医药技术有限公司 一种单取代peg-epo的纯化及制备方法
JP2014503495A (ja) * 2010-11-15 2014-02-13 バイオジェン アイデック インコーポレイテッド 過負荷結合および溶出クロマトグラフィによる選択生成物アイソフォームの富化および濃縮
WO2012069474A2 (en) * 2010-11-24 2012-05-31 H. Lundbeck A/S A method for reducing potential virus burden in a sample by cyanate treatment
KR101443257B1 (ko) 2011-10-18 2014-09-19 주식회사 종근당 낮은 등전점을 갖는 에리스로포이에틴 유사체의 정제방법
EP2970420A4 (en) * 2013-03-15 2016-08-17 Apotex Inc STABILITY OF THE ENHANCED LIQUID FORMULATION OF ERYTHROPOIETIN ALPHA VIA A PURIFICATION TREATMENT
CA2916566A1 (fr) 2013-07-05 2015-01-08 Laboratoire Francais Du Fractionnement Et Des Biotechnologies Matrice de chromatographie d'affinite
KR101414897B1 (ko) 2013-11-29 2014-07-04 씨제이헬스케어 주식회사 다베포에틴 알파의 정제 방법
WO2015134640A1 (en) * 2014-03-05 2015-09-11 GlycoScientific LLC Isotopically labeled glycans and methods for producing the same
WO2016096071A1 (en) 2014-12-15 2016-06-23 Merck Patent Gmbh Target molecule capture from crude solutions
EP3153522A1 (en) 2015-10-09 2017-04-12 Hetero Drugs Limited Process for the purification of erythropoietin and darbepoetin alfa
CN106770597A (zh) * 2017-03-01 2017-05-31 上海博威生物医药有限公司 用于检测组合物中促红细胞生成素电荷异质体的cze检测方法
CN112940101A (zh) * 2019-12-11 2021-06-11 深圳赛保尔生物药业有限公司 重组人促红细胞生成素的纯化方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4677195A (en) * 1985-01-11 1987-06-30 Genetics Institute, Inc. Method for the purification of erythropoietin and erythropoietin compositions
US5856298A (en) * 1989-10-13 1999-01-05 Amgen Inc. Erythropoietin isoforms
EP0443724B1 (en) 1990-02-20 1999-03-17 Baxter International Inc. Viral-safe purified human thrombin
DE19504211A1 (de) 1995-02-09 1996-08-14 Behringwerke Ag Entfernen von Viren durch Ultrafiltration aus Proteinlösungen
TW442492B (en) * 1995-07-26 2001-06-23 Novartis Ag Process for the enrichment of interferon
CA2242323C (en) * 1996-03-13 2002-09-10 Delta Biotechnology Limited Fermentation control
BR9917606A (pt) 1998-11-06 2002-12-31 Bio Sidus S A Procedimento para a purificação de eritropoetina humana recombinante a partir de sobrenadantes de cultivo de células e eritropoetina humana recombinante obtida com tal procedimento

Also Published As

Publication number Publication date
US20060099674A1 (en) 2006-05-11
RU2004119818A (ru) 2006-01-10
WO2003045996A1 (en) 2003-06-05
NO20042185L (no) 2004-08-23
MXPA04005189A (es) 2005-02-17
IL161855A0 (en) 2005-11-20
AU2002356733A1 (en) 2003-06-10
EP1453857B1 (en) 2014-08-13
BR0214568A (pt) 2004-11-03
ES2525945T3 (es) 2015-01-02
KR20040065567A (ko) 2004-07-22
NZ533083A (en) 2006-09-29
HRP20040476A2 (en) 2005-10-31
ZA200403461B (en) 2006-05-31
CN1596268A (zh) 2005-03-16
EP1453857A1 (en) 2004-09-08
SI1453857T1 (sl) 2015-01-30
HUP0500061A2 (hu) 2005-04-28
JP2005518196A (ja) 2005-06-23
PL368755A1 (en) 2005-04-04
CA2466627A1 (en) 2003-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4293908B2 (ja) 組換えヒトエリスロポエチンのクロマトグラフィー精製
JP2005517391A (ja) 細胞培養方法
JP4723185B2 (ja) 組換えポリペプチドの生産方法
US8957196B2 (en) Vector and expression cell line for mass production of recombinant protein and a process of producing recombinant protein using same
JP2010263903A (ja) 哺乳動物細胞中で分泌型組換えタンパク質を高生産させるための分子シャペロンの使用方法
EP3088527B1 (en) Expression vector having improved ability to express gene
JP2010213699A (ja) 組換えヒトエリスロポイエチンを発現する宿主細胞
JP2002524083A (ja) ヒトエリスロポエチンの生産
CN116648258A (zh) 生产rsv f蛋白的细胞培养方法
US20120129770A1 (en) Novel polynucleotide molecules for enhanced gene expression
JPH09504175A (ja) 組換えdnaからの高タンパク質産生のための方法および組成物
KR20110078038A (ko) 인간 과립구 콜로니 자극인자의 생물학적 활성 증가 변이체

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081125

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090324

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090407

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4293908

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140417

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term