JP4293572B2 - ロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤に係り、更に詳細には、ロキソプロフェン・ナトリウムの有する強付着性を簡易な方法で低減し、且つ製剤後における安定性に優れるロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロキソプロフェン・ナトリウムは、結晶又は結晶性の粉末で、薬物同士の付着性が強いだけでなく、機器や容器に対する付着性も強いため、従来から、ロキソプロフェン・ナトリウム含有製剤を製造する場合には、特に配慮した処方による特別な製剤技術を用いなければ、製剤化が困難であるという問題がある。
【0003】
このような付着性薬物に対する改善処方としては、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤を大量に使用する方法や薬物を含む粒子をコーティングする等の方法が考えられる。
ところが、ロキソプロフェン・ナトリウムに滑沢剤を大量に使用すると、その製剤の崩壊性や溶出性、更には、生物学的利用能を損い、錠剤とした場合には、その硬度が著しく低下してしまうという欠点を生ずる。
また、薬物を含む粒子をコーティングする等の方法では、溶媒の使用やコーティング工程の追加等により製剤費用が高くなり、使用するコーティング剤によっては、生物学的利用能も低下してしまうことがあった。
【0004】
このような状況下において、上記問題を解決する技術としては、例えば、特公平7−74153号公報、特開平9−169641号公報、特開平9−255569号公報に記載の技術が挙げられる。
【0005】
特公平7−74153号公報には、製剤基材の総吸水能を1.7以上、好ましくは、2.0以上であるロキソプロフェン・ナトリウム製剤が開示されている。
また、特開平9−169641号公報には、ロキソプロフェン・ナトリウムと高粘度ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸及びステアリン酸マグネシウム等を含み、その総吸水能が1.4以上1.7未満であるロキソプロフェン・ナトリウム製剤が開示されている。
更に、特開平9−255569号公報には、(a)ロキソプロフェン・ナトリウム、(b)乳糖及び/又はトウモロシ澱粉である充填剤、(c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(d)ステアリン酸マグネシウムである滑沢剤、(e)三二酸化鉄からなり、製剤全重量に対して、無水ロキソプロフェン・ナトリウムを20%含有するロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤製剤が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者が、このような従来のロキソプロフェン・ナトリウム含有製剤について種々検討を加えた結果、製剤化後に製剤自体が吸湿し易く、錠剤硬度の維持が難しいなど、安定性の面が未だ十分とは言えないという知見を得た。
【0007】
本発明は、このような技術の有する課題に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、ロキソプロフェン・ナトリウムの有する強付着性を簡易な方法で低減して製剤化を容易にし、且つ製剤化後において製剤自体が吸湿しにくく、錠剤硬度の経時変化が少ないロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定のセルロース系製剤原料用いた特定処理を行うことにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤は、ロキソプロフェン・ナトリウムと、糖類と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースカルシウムから成る群より選ばれた少なくとも1種のものから成るセルロース系製剤原料とを含むロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤であって、
上記ロキソプロフェン・ナトリウムと糖類を含む粒状物に、上記セルロース系製剤原料を含有し当該セルロース系製剤原料が水及び/又はアルコール類から成る溶媒に分散・膨潤した状態の噴霧溶液を噴霧し、乾燥して造粒物を得、この造粒物を打錠して得られることを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明では、セルロース系製剤原料を含有する溶液を、ロキソプロフェン・ナトリウムや乳糖を含む粒状物に噴霧し、乾燥することにした。
従って、ロキソプロフェン・ナトリウムを含む造粒物は、セルロース系製剤原料で被覆されることになる。かかる被覆によって、上記粒状物に含まれるロキソプロフェン・ナトリウムの吸湿性が抑制されるので、粒状物相互の付着のみならず、打錠時における成形器具や装置等への粒状物の付着が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤に関連するロキソプロフェン・ナトリウム含有固形製剤について詳細に説明する。
このロキソプロフェン・ナトリウム含有固形製剤は、ロキソプロフェン・ナトリウムと、糖類と、セルロース系製剤原料とを含む固形製剤である。
【0014】
ここで、ロキソプロフェン・ナトリウムは、化学名:2−[4−(2−オキソシクロペンタン−1−イルメチル)フェニル]プロピオン酸ナトリウム塩であり、フェニルプロピオン酸系の非ステロイド性の鎮痛・抗炎症剤で、慢性関節リウマチ、変形性関節症及び腰痛症等の治療に使用される。
【0015】
また、「固形製剤」とは、散剤、顆粒剤、錠剤及びカプセル剤などの固形状をなす全ての薬剤を意味するものとする。
【0016】
上記糖類は、上述の固形製剤において賦形剤として機能する。中性の糖類であることが好ましく、例えば、D−マンニトール、白糖及び乳糖等を挙げることができるが、これらのうちでも乳糖を特に好ましく用いることができる。
また、添加する乳糖の平均粒径は、30〜100μmであることが好ましく、40〜100μmであることが更に好ましい。平均粒径がこの範囲を逸脱すると、放出性に影響が出ることがあり、好ましくない。
【0017】
上記セルロース系製剤原料は、上記の固形製剤において崩壊剤や結合剤としても機能するが、最も重要な機能は、ロキソプロフェン・ナトリウムやこれを含有する粒状物を被覆する機能である。
【0018】
かかるセルロース系製剤原料としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はカルボキシメチルセルロースカルシウム(CMCカルシウム)及びこれらの任意の混合物を例示できる。
【0019】
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、日本薬局方に製剤原料として収載されているセルロース誘導体であり、固形製剤の結合剤兼崩壊剤として広く用いられている。顆粒剤の圧縮法による造粒や直打法などの幅広い分野に適用され、キャッピング防止、摩損防止、崩壊性の向上及び薬物の溶出改善などに役立つ他、カプセル剤の充填時の粉体流動性の改善などにも利用されている。
市販品としては、粉末状の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース[商品名LH−21](信越化学(株)製)等が挙げられる。
【0020】
また、結晶セルロースは、日本薬局方に製剤原料として収載されているセルロースの結晶部分であり、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤の三者を兼ね備えた賦形剤として汎用されている。水中でその結合が破壊して速やかに崩壊するなどの理由により、直接打錠用賦形剤として優れている。
【0021】
カルボキシメチルセルロース(CMC)(日本薬局方には、「カルメロール」の名称で記載されている。)は、日本薬局方に製剤原料として収載されているセルロースの多価カルボキシメチルエーテルであり、成型性、崩壊性、供給性、安定性及び吸着性を持ち、基体セルロース粒子間相互の絡み合いによる弾性変形により、圧縮成型性に優れているので、キャッピングやスティッキングが防止される。CMCを配合した固形製剤マトリックスは、水中で速やかに崩壊して一次粒子に拡散するので、主薬の利用性を高め、臼への充填性が良く、圧縮成型後は薬剤が杵面に付着しないという利点を有する。
【0022】
CMCカルシウム(日本薬局方には、「カルメロールカルシウム」の名称で記載されている。)は、日本薬局方に製剤原料として収載されているセルロースの誘導体であり、セルロースの水中での膨潤性を高めるために、極性基のカルボキシメチル化を行い、中性域近くでの吸湿性や安定性を良好にすべく、カルシウム塩とされたものである。
一般には、錠剤、顆粒剤、固形又は粒状食品などの消化管中での崩壊、分散及び溶解を速める目的で広く用いられ、主薬の溶出を促進し、バイオアベイラビリティを高める機能を有する。
【0023】
本発明の錠剤は、上述のロキソプロフェン・ナトリウムと糖類を含む粒状物に、上記セルロース系製剤原料を含有する溶液を噴霧し、乾燥して得られた造粒物を打錠して得られるものである。
ここで、上記粒状物は、ロキソプロフェン・ナトリウムと糖類を混合し、造粒することによって得られ、造粒法は特に限定されるものではなく、いわゆる乾式造粒及び湿式造粒のいずれでもよいが、流動層造粒乾燥機による造粒を好ましく適用できる。この粒状物の粒径は、特に限定されるものではないが、代表的に数μm〜1000μmとすることが好ましい。
【0024】
上記粒状物には、ロキソプロフェン・ナトリウム及び糖類以外にも医薬品としての特性を損なわない限り各種添加剤を加えることが可能であり、例えば、三二酸化鉄のような着色剤を配合してもよい。この三二酸化鉄は、極微量添加されるものであり、本発明の効果に大きな影響を及ぼすものではない。
また特に、上記粒状物には、賦形剤及び崩壊剤としての機能から、上述のセルロース系製剤原料を添加することが好ましく、この場合、添加するセルロース系製剤原料は、後に噴霧するセルロース系製剤原料と同一種でも、異種でもよく、具体的には、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加して粒状物を得、その後に結晶セルロースを噴霧してもよい。
【0025】
一方、上記セルロース系製剤原料を含有する溶液(以下、「噴霧溶液」という。)は、上述のセルロース系製剤原料を溶媒たる水及び/又はアルコール類に添加・攪拌することによって得られ、この際、当該セルロース系製剤は当該溶媒中に分散・膨潤した状態になっている。
噴霧溶液の溶媒として使用可能なアルコール類は、特に限定されず、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等であるが、この固形製剤の医薬品としての性質上、エタノールが最も良い。
【0026】
また、上記噴霧溶液の粘度は、溶媒に対するセルロース系製剤原料の分散状態などに応じて変動するが、ノズル等の噴霧器を用いて噴霧を行う関係上、1〜200cPに調整することが好ましく、1cP未満では、着色剤等が液搬送時に残留するおそれがあり、200cPを超えると、ノズル及び液搬送時に液の固着が起こり易くなって噴霧に影響がでることがあり、好ましくない。
【0027】
代表的に、噴霧溶液の分散状態や粘度を挙げると、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、水に対して膨潤し、その好適粘度は50〜180cPであり、エタノールに対しては分散し、その好適粘度は1〜40cPである。結晶セルロースは、水及びエタノールの双方について分散し、その好適粘度は水では1〜60cP、エタノールでは1〜120cPである。また、CMCは、水に対して膨潤し、その好適粘度は1〜50cPであり、エタノールに対しては分散し、その好適粘度は1〜70cPである。更に、CMCカルシウムも、水に対して膨潤し、その好適粘度は1〜80cPであり、エタノールに対しては分散し、その好適粘度は1〜10cPである。
【0028】
なお、噴霧溶液中におけるセルロース系製剤原料の平均粒径は、50μm以下に制御することが好ましく、平均粒径が50μmを超えると、分散状態が不良になったり、噴霧時にノズルが詰まることがあり、好ましくない。
【0029】
また、セルロース系製剤原料の噴霧量は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いる場合、上記ロキソプロフェン・ナトリウムや糖類を含有する粒状物100重量部に対し、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが6〜10重量部の割合になる量とすることが好ましい。
同様に、上記粒状物100重量部に対し、結晶セルロースが4〜10重量部、CMCが6〜10重量部、又はCMCカルシウムが6〜10重量部の割合になる量を、それぞれの場合の噴霧量とすることが好ましい。
噴霧量が、上述の範囲を逸脱すると、放出性に影響が出ることがあり、噴霧量が少なすぎるとスティッキング、多すぎるとノズルの詰まりが起こり易くなるなど、作業効率上も好ましくない。
【0030】
本発明においては、上記ロキソプロフェン・ナトリウム等を含有する粒状物に、上記セルロース系製剤原料を含有する噴霧溶液を噴霧し、次いで、乾燥し、所要に応じて整粒することにより、ロキソプロフェン・ナトリウムの有する吸湿性や強付着性が、噴霧したセルロース系製剤原料に起因する被覆によって低減された所望の固形製剤を得ることができ、更にこの固形製剤を打錠することにより、錠剤を得ることができる。
【0031】
上記乾燥は、従来公知の方法によって行うことができ、具体的には、送風乾燥機や流動層造粒乾燥機を用いて、減圧乾燥、高温乾燥及び真空乾燥などを行えばよく、代表的には、40〜80℃で送風乾燥すればよい。
【0032】
また、上記整粒は、振動ふるいなどによって行うことができ、これによって、本固形製剤(この場合、粒状製剤)の粒径は、代表的に数μm〜1000μmに調整される。なお、この粒径は、剤型や患者等に応じて適宜変更することができるが、通常、散剤では数μm〜500μm、顆粒剤では、350μm〜1400μm、カプセル剤では、数μm〜500μmとすることが好ましい。
このように、この粒状製剤は、そのままでも服用可能であるが、以下に説明するロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤の原料〜前駆体としても用いることができる。
【0033】
次に、本発明のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤について説明する。
この錠剤は、上述のようにして得られた固形製剤のうちの粒状製剤、特に粒径が数μm〜1000μmの粒状製剤に、滑沢剤を添加して混合し、この混合物を常法に従って打錠することによって得ることができる。
ここで、滑沢剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の滑沢剤を用いることができるが、具体的には、ステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムを用いることができる。
【0034】
また、滑沢剤の添加量は、上記粒状製剤の粒径や打錠圧、用いる滑沢剤の種類などに応じて適宜選定することができるが、ステアリン酸マグネシウムを用いる場合には、当該粒状製剤の0.5〜3重量%とすることが好ましい。
この範囲を逸脱すると、錠剤の崩壊性や溶出性等を損うことがあるため、好ましくない。
【0035】
打錠は、単発打錠機やロータリー打錠機などの公知の打錠機で行うことができ、代表的に打錠圧は、2900N〜14000Nである。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を若干の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
(実施例1)
ロキソプロフェン・ナトリウム68.1g、乳糖91.1g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5.4g及び三二酸化鉄0.1gを流動層造粒乾燥機で混合・造粒した後、乾燥し、ロキソプロフェン・ナトリウム含有粒状物を得た。一方、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース12.6g(ロキソプロフェン・ナトリウム含有粒状物100重量部に対して7.7重量部)を精製水中に膨潤させた噴霧溶液を調製した。
【0038】
得られた噴霧溶液全量を流動層造粒乾燥機内で上記ロキソプロフェン・ナトリウム含有粒状物に噴霧して乾燥した後、篩い分けして製粒し、セルロース被覆粒状物である本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有粒状製剤を得た。
得られた粒状製剤に、ステアリン酸マグネシウムを2.7gを混合し、8.0mmφの杵を用いてロータリー打錠機で打錠し、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。1錠当たりの処方を表1に示す。なお、上記打錠時に杵付着が発生することはなく、良好な付着抑制性を示した。
【0039】
【表1】
【0040】
[総吸水能の測定]
「総吸水能」は、特公平7−74153号公報や特開平9−169641号公報に記載されており、無水物としてのロキソプロフェン・ナトリウム1g当たりの製剤全体の吸水量を示すものであり、具体的には、次式によって定義される。
【0041】
【数1】
【0042】
上記数1中の「aiの適度な練合状態」とは、湿式造粒時の造粒に適した含水練合状態をいい、本発明で使用する粉末基剤についてのai値は、以下の通りである。
【0043】
(粉末基剤名) (ai値)
乳糖 0.18
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 2.0
結晶セルロース 1.0
カルボキシメチルセルロース 2.0
カルボキシメチルセルロースカルシウム 2.0
ステアリン酸マグネシウム 0
【0044】
参考のため、本例の錠剤について、総吸水能を測定したところ、0.87であった。この結果及び適用したai値を表1に併記する。
この結果から、本例の錠剤の総吸水能は、上記各公報に記載のロキソプロフェン・ナトリウム製剤の総吸水能から大きくかけ離れており、著しく小さいことが分かる。
なお、かかる総吸水能の小ささから、本発明のロキソプロフェン・ナトリウム含有固形製剤は、乾燥が極めて容易である。
【0045】
(実施例2)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの粒状物製造のための添加量を3.6g、噴霧溶液中の含有量を14.4g(粒状物100重量部に対して8.8重量部)とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
打錠時に杵付着は発生せず、総吸水能は、0.87であった。
【0046】
(実施例3)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの粒状物製造ための添加量を1.8g、噴霧溶液中の含有量を16.2g(粒状物100重量部に対して10.0重量部)とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
打錠時に杵付着は発生せず、総吸水能は、0.87であった。
【0047】
(実施例4)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの代わりに結晶セルロースを用い、粒状物製造ための添加量を9g、噴霧溶液中の含有量を9g(粒状物100重量部に対して5.3重量部)とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
本錠剤1錠の処方、ai値及び総吸水能を表2に示す。打錠時に杵付着は発生しなかった。
【0048】
【表2】
【0049】
(実施例5)
結晶セルロースの粒状物製造ための添加量を5.4g、噴霧溶液中の含有量を12.6g(粒状物100重量部に対して7.7重量部)とした以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
打錠時に杵付着は発生せず、総吸水能は、0.57であった。
【0050】
(実施例6)
結晶セルロースの粒状物製造ための添加量を1.8g、噴霧溶液中の含有量を16.2g(粒状物100重量部に対して10.0重量部)とした以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
打錠時に杵付着は発生せず、総吸水能は、0.57であった。
【0051】
(実施例7)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの代わりにCMCを用い、粒状物製造ための添加量を5.4g、噴霧溶液中の含有量を12.6g(粒状物100重量部に対して7.7重量部)とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
本錠剤1錠の処方、ai値及び総吸水能を表3に示す。打錠時に杵付着は発生しなかった。
【0052】
【表3】
【0053】
(実施例8)
CMCの粒状物製造ための添加量を3.6g、噴霧溶液中の含有量を14.4g(粒状物100重量部に対して8.8重量部)とした以外は、実施例7と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
打錠時に杵付着は発生せず、総吸水能は、0.87であった。
【0054】
(実施例9)
CMCの粒状物製造ための添加量を1.8g、噴霧溶液中の含有量を16.2g(粒状物100重量部に対して10.0重量部)とした以外は、実施例7と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
打錠時に杵付着は発生せず、総吸水能は、0.87であった。
【0055】
(実施例10)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの代わりにCMCカルシウムを用い、粒状物製造ための添加量を12.6g、噴霧溶液中の含有量を5.4g(粒状物100重量部に対して3.1重量部)とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。本錠剤1錠の処方、ai値及び総吸水能を表4に示す。打錠時に若干の杵付着が発生した。
【0056】
【表4】
【0057】
(実施例11)
CMCカルシウムの粒状物製造ための添加量を3.6g、噴霧溶液中の含有量を14.4g(粒状物100重量部に対して8.8重量部)とした以外は、実施例10と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
打錠時に杵付着は発生せず、総吸水能は、0.87であった。
【0058】
(実施例12)
CMCカルシウムの粒状物製造ための添加量を1.8g、噴霧溶液中の含有量を16.2g(粒状物100重量部に対して10.0重量部)とした以外は、実施例10と同様の操作を繰り返し、粒状製剤を経て、本例のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を得た。
打錠時に杵付着は発生せず、総吸水能は、0.87であった。
【0059】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、所定のセルロース系製剤原料用いた特定処理を行うこととしたため、ロキソプロフェン・ナトリウムの有する強付着性を簡易な方法で低減して製剤化を容易にし、且つ製剤化後において製剤自体が吸湿しにくく、錠剤硬度の経時変化が少ないロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤を提供することができる。
Claims (5)
- ロキソプロフェン・ナトリウムと、糖類と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースカルシウムから成る群より選ばれた少なくとも1種のものから成るセルロース系製剤原料とを含むロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤であって、
上記ロキソプロフェン・ナトリウムと糖類を含む粒状物に、上記セルロース系製剤原料を含有し当該セルロース系製剤原料が水及び/又はアルコール類から成る溶媒に分散・膨潤した状態の噴霧溶液を噴霧し、乾燥して造粒物を得、この造粒物を打錠して得られることを特徴とするロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤。 - 上記噴霧溶液の粘度が、1〜200cPであることを特徴とする請求項1記載のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤。
- 上記噴霧溶液に含まれるセルロース系製剤原料の粒径が、100μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤。
- 上記粒状物がセルロース系製剤原料を含有し、このセルロース系製剤原料が上記噴霧溶液に含まれるセルロース系製剤原料と同一又は異なるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤。
- 上記粒状物100重量部に対し、上記セルロース系製剤原料として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース6〜10重量部、結晶セルロース4〜10重量部、カルボキシメチルセルロース6〜10重量部又はカルボキシメチルセルロースカルシウム6〜10重量部を噴霧することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のロキソプロフェン・ナトリウム含有錠剤。
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