JP2647338B2 - 素錠およびその製造方法 - Google Patents

素錠およびその製造方法

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JP2647338B2
JP2647338B2 JP6023269A JP2326994A JP2647338B2 JP 2647338 B2 JP2647338 B2 JP 2647338B2 JP 6023269 A JP6023269 A JP 6023269A JP 2326994 A JP2326994 A JP 2326994A JP 2647338 B2 JP2647338 B2 JP 2647338B2
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博 的場
博義 小山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、医薬などの分野
で使用され、耐摩耗性が改善された素錠およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】錠剤の種類は、細粒、顆粒や混合末を打
錠した素錠と、この素錠にフィルムや糖衣を被覆したコ
ーティング錠とに大別される。なお、前記素錠は、曲面
形の錠剤とすると、成形性に問題を生じる場合があるた
め、製造性、取り扱い易さを考慮して、一般に平面形に
形成されている。
【0003】コーティング錠はその表面が平滑で強度も
大きいため、摩損による粉末の発生はなく、外観検査機
における作業性や包装充填性、さらには病院薬局などで
の自動調剤機での作業性が高いという利点がある。しか
し、前記コーティング被膜は錠剤の崩壊や薬効成分の溶
解を抑制するので、早い崩壊や溶解が必要とされる製剤
には不適である。また、製造工程数が多いため、コーテ
ィング錠のコストが高くなる。
【0004】一方、前記素錠は、簡便で製造コストが低
いという利点があるものの、製造工程中や輸送時に表面
が摩損し、粉末が素錠表面に付着したり包装容器内に残
存して商品価値を低下させる。また、粉末の付着により
外観検査機での作業性や包装充填性を著しく低下させ
る。さらには、自動調剤機での作業性にも難点がある。
【0005】素錠の摩損による粉末の発生(粉立ち)を
抑制する方法として、特公平4−25926号公報に
は、70℃以上の高融点の高級脂肪酸エステルと親水性
溶媒に可溶なセルロース誘導体とを親水性溶媒に懸濁又
は分散させた処理液を用い、固形分換算で0.02〜
0.8重量%の処理液で素錠の表面をコーティングする
方法が開示されている。
【0006】しかし、この方法は、打錠により予め素錠
を調製する工程、必要に応じて界面活性剤を用い、高級
脂肪酸エステルを親水性溶媒に分散又は懸濁させる処理
液調製工程、および素錠の表面を前記処理液でコーティ
ングするコーティング工程を必要とし、製造工程数が多
い。しかも、素錠の表面をコーティングする一種のコー
ティング法であるため、製造工程が複雑になり、素錠の
製造ラインに、コーティング用の新たな設備を設ける必
要がある。
【0007】なお、前記先行技術文献にも記載のよう
に、一般に、滑沢成分を配合して打錠しても、実用的な
耐摩耗性を有する素錠が得られないと考えられている。
【0008】ヨーロッパ特許出願公開番号EP−546
358A2には、加圧などによる活性成分としてのベン
ズイミダゾール化合物の結晶の歪による分解を抑制する
ため、ベンズイミダゾール化合物と低融点油脂状物質を
含む組成物を打錠することにより得られた、安定化した
経口用医薬組成物が開示されている。
【0009】特開平1−308231号公報及びそれに
対応する米国特許5,055,304号明細書には、ア
デノシン三リン酸2ナトリウムの分解を抑制するため、
アデノシン三リン酸2ナトリウムと低融点油脂状物質と
を含む組成物を加圧成形することにより得られた、安定
化された医薬組成物が開示されている。
【0010】これらの先行文献は、いずれも活性成分の
安定化のために低融点油脂状物質を使用しており、素錠
の耐摩耗性を改善することについては何ら教示を与えて
いない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、被覆剤で被覆しなくても十分耐摩耗性の高い素錠お
よびその製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、添加剤の添加量が極
めて少量であるにも拘らず、高い耐摩耗性を有するとと
もに、摩損による粉立ちを抑制できる素錠およびその製
造方法を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、徐放性を奏す
ることなく、耐摩耗性が高められた素錠およびその製造
方法を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、複雑な工程を経るこ
となく、簡便な操作で高い耐摩耗性を有する素錠を効率
よく製造できる方法を提供することにある。
【0015】本発明のさらに別の目的は、素錠に高い耐
摩耗性を付与できる耐摩耗性の改善方法を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記素錠
とコーティング錠の双方の利点を併せもつ素錠を得るた
め鋭意検討の結果、被覆処理することなく、打錠用組成
物に低融点油脂状物質を添加して打錠すると、低融点油
脂錠物質が少量であっても、素錠の耐摩耗性が著しく向
上することを見いだし、本発明を完成した。
【0017】すなわち、耐摩耗性が改善された本発明の
素錠は、有効成分と賦形剤と微粉末化可能な低融点油脂
状物質とを含んでいる。低融点油脂状物質には、親水性
又は水溶性物質および脂溶性又は水不溶性物質が含ま
れ、その融点は20〜90℃程度である。前記油脂状物
質の含有量は、素錠全量に対して0.1重量%以上でか
つ0.5重量%未満であり、このような少量であって
も、素錠の耐摩耗性を格段に改善できる。
【0018】本発明の方法では、前記低融点油脂状物質
を、素錠全量に対して0.1重量%以上でかつ0.5重
量%未満の量で、打錠用組成物に配合することにより、
耐摩耗性が改善された素錠を製造する。この方法には、
(1)有効成分および賦形剤を含む造粒末と、低融点油
脂状物質とを含む打錠用組成物を打錠する方法、(2)
有効成分、賦形剤および低融点油脂状物質を含む造粒末
を含有する打錠用組成物を打錠する方法などが含まれ
る。前記(1)の方法において、粉粒状の低融点油脂状
物質を添加してもよい。前記造粒末は、湿式造粒法など
により得ることができる。
【0019】さらに、本発明は、前記低融点油脂状物質
を、素錠全量に対して0.1重量%以上でかつ0.5重
量%未満の量で、有効成分に配合し、素錠の耐摩耗性を
改善する方法も提供する。
【0020】なお、本明細書において、「造粒末」と
は、細粒末および顆粒末などの造粒物を粉砕、分級など
の慣用の方法で整粒した整粒末をも含む意味に用いる。
また、油脂状物質が単一の化合物でなく混合物である場
合には、明瞭な融点を示さず、特定の温度範囲で軟化す
る場合がある。本明細書において、「融点」とは、この
ような軟化温度をも含む意味に用いる。
【0021】低融点油脂状物質は、微粉末化可能な物質
であって、安全性の高い物質、例えば、通常、医薬用添
加剤として認められている化合物であればよいが、油脂
状を呈し、かつ低融点で塑性変形し易い物質が好まし
い。
【0022】低融点油脂状物質の融点は、通常、20〜
90℃、好ましくは20〜80℃、さらに好ましくは2
0〜60℃程度である。油脂状物質の融点は40〜75
℃程度である場合が多い。融点が20℃未満であると、
添加量によっては素錠の強度が低下する場合があり、9
0℃を越えると、通常の打錠圧では耐摩耗性がさほど向
上しない場合がある。
【0023】低融点油脂状物質は、後述するアルキレン
オキサイドの重合体やポリアルキレンオキサイド誘導体
などのように親水性又は水溶性であってもよく、炭化水
素、ロウ類や脂肪酸エステルなどのように脂溶性又は水
不溶性であってもよい。
【0024】低融点油脂状物質としては、例えば、炭化
水素、高級脂肪酸とその塩、高級アルコール、ロウ類、
硬化油、脂肪酸エステル、多価アルコールの高級アルコ
ールエーテルおよびアルキレンオキサイドの単独又は共
重合体などが挙げられる。
【0025】炭化水素としては、炭素数17〜60程度
の脂肪族炭化水素、例えば、n−ヘプタデカン、n−オ
クタデカン、n−ノナデカン、n−エイコサン、n−ヘ
ンエイコサン、n−ドコサン、n−トリコサン、n−テ
トラコサン、n−ペンタコサン、n−トリアコンタン、
n−テトラコンタン、n−ペンタコンタン、n−ヘキサ
コンタンなどの直鎖又は分岐鎖状炭化水素、およびこれ
らの混合物などが挙げられる。
【0026】高級脂肪酸としては、飽和脂肪酸および不
飽和脂肪酸のいずれであってもよく、例えば、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロ
チン酸、モンタン酸などの飽和脂肪酸、エライジン酸、
イソオレイン酸、エルカ酸などの不飽和脂肪酸、天然油
脂から採取される高級脂肪酸およびそれらの混合物など
が挙げられる。高級脂肪酸の炭素数は、例えば、10〜
40、好ましくは10〜30程度であり、炭素数12〜
22程度の飽和高級脂肪酸が繁用される。高級脂肪酸
は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ
金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩などの
塩としても使用できる。
【0027】高級アルコールは、飽和アルコール及び不
飽和アルコールのいずれであってもよく、例えば、ラウ
リルアルコール、テトラデシルアルコール、ミリスチル
アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、アラキルアルコール、天然油脂から採取される高級
アルコールおよびそれらの混合物などが含まれる。高級
アルコールの炭素数は、例えば、10〜35程度であ
り、炭素数16〜22程度の飽和高級アルコールが繁用
される。
【0028】ロウ類としては、パラフィンワックス、カ
ルナウバロウ、カンデリラロウ、ミツロウ、モンタンワ
ックス、鯨ロウ、セラックロウ、マイクロクリスタリン
ワクッス、ペトロラタムなどが挙げられる。
【0029】硬化油としては、例えば、ヒマシ油、ナタ
ネ油、綿実油、大豆油、ヤシ油、パーム核油、パーム油
などの硬化植物油や、牛脂、鯨油などの硬化動物油など
が挙げられる。
【0030】脂肪酸エステルは、パルミチン酸セチル、
パルミチン酸セリル、パルミチン酸ミリシル、セロチン
酸セリル、メリシン酸メリシルなどの一価の高級アルコ
ールと脂肪酸とのエステル(ロウエステル)であっても
よい。脂肪酸エステルは、通常、1分子内に2以上のヒ
ドロキシル基を有する多価アルコールと脂肪酸とのエス
テルである場合が多い。前記多価アルコールとしては、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールな
どのアルキレングリコール;ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、これらの共重合体などのポリア
ルキレングリコール;グリセリン、ポリグリセリン、ペ
ンタエリスリトールなどの多価アルコール;ソルビトー
ル、ショ糖、ラフィノースなどの糖類;1,5−ソルビ
タン、1,4−ソルビトール、3,6−ソルビタンなど
のソルビトールの分子内脱水化合物;ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどのジ又はトリアルカノー
ルアミンなどが例示される。前記脂肪酸としては、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペラルゴン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、ウンデシレン
酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸、ソルビタン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアロール酸な
どの不飽和脂肪酸が挙げられる。
【0031】多価アルコールの脂肪酸エステルの具体例
としては、例えば、分子量400〜900程度のソルビ
タン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノステアレ
ート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオ
レート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモ
ノパルミテートなど);分子量1000〜1500程度
のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル(例
えば、ポリオキシエチレンソルビタントリパルミテート
など);ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エス
テル(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサ
ステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサ
オレエート、ポリオキシエチレンソルビトールトリステ
アレート、ポリオキシエチレンソルビトールテトララウ
レートなど);ポリオキシアルキレンソルビトール密ロ
ウ誘導体(例えば、ポリオキシエチレンソルビトール密
ロウ誘導体など);ポリオキシアルキレンラノリン誘導
体(例えば、ポリオキシエチレンラノリン誘導体な
ど);アルキレングリコール脂肪酸エステル、例えば、
分子量200〜700程度のプロピレングリコール脂肪
酸エステル(例えば、プロピレングリコールモノパルミ
テート、プロピレングリコールモノステアレート、プロ
ピレングリコールジラウレート、プロピレングリコール
ジミリステート、プロピレングリコールジパルミテー
ト、プロピレングリコールジステアレートなど)、分子
量500〜1200程度のエチレングリコール脂肪酸エ
ステル(例えば、エチレングリコールモノラウレート、
エチレングリコールモノパルミテート、エチレングリコ
ールモノマーガレット、エチレングリコールモノステア
レート、エチレングリコールジラウレート、エチレング
リコールジミリステート、エチレングリコールジパルミ
テート、エチレングリコールジマーガレットなど);分
子量3500〜4000程度のポリオキシアルキレンヒ
マシ油誘導体(例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油誘
導体など);分子量1900〜2200程度のポリオキ
シアルキレン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチ
レンステアレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポ
リオキシエチレンパルミテート、ポリオキシエチレンリ
ノレートなど);分子量300〜600程度のグリセリ
ン脂肪酸エステル(例えば、グリセリンモノアセテー
ト、グリセリンモノプロピオネート、グリセリンモノカ
プリレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモ
ノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセ
リンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、グ
リセリンモノリノレートなどのグリセリンモノ脂肪酸エ
ステル、グリセリンジカプリレート、グリセリンジラウ
レート、グリセリンジミリステート、グリセリンジパル
ミテート、グリセリンジステアレートなどのグリセリン
ジ脂肪酸エステル、グリセリントリカプリレート、グリ
セリントリラウレート、グリセリントリミリステート、
グリセリントリパルミテート、グリセリントリステアレ
ートなどのグリセリントリ脂肪酸エステル);ポリグリ
セリン脂肪酸エステル;分子量400〜1300程度の
ショ糖脂肪酸エステル(例えば、ショ糖モノラウレー
ト、ショ糖モノミリステート、ショ糖モノパルミテー
ト、ショ糖モノステアレート、ショ糖ジステアレート、
ショ糖トリミリステート、ショ糖トリパルミテート、シ
ョ糖トリステアレートなど)などが挙げられる。
【0032】多価アルコールの高級アルコールエーテル
には、前記例示の多価アルコールと高級アルコール(例
えば、前記例示の高級アルコールの他、オレイルアルコ
ール、オクチルアルコール、デシルアルコールなど)と
のエーテルが含まれる。
【0033】前記エーテルの具体例としては、例えば、
ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(例えば、
ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテル、ポリ
オキシエチレンセチルアルコールエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルアルコールエーテル、ポリオキシエ
チレンオレイルアルコールエーテル、ポリオキシエチレ
ンオクチルアルコールエーテル、ポリオキシエチレンデ
シルアルコールエーテルなど);ポリオキシプロピレン
ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(例えば、
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンセチルアルコ
ールエーテル、ポリオキシプロピレンオキシエチレンス
テアリルアルコールエーテル、ポリオキシプロピレンポ
リオキシエチレンオレイルアルコールエーテル、ポリオ
キシプロピレンポリオキシエチレンオクチルアルコール
エーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンラ
ウリルアルコールエーテルなど)が挙げられる。
【0034】アルキレンオキサイドの重合体は、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリ
メチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどのアルキ
レンオキサイドの単独重合体であってもよく、共重合体
であってもよい。好ましいアルキレンオキサイドには、
エチレンオキサイドが含まれる。
【0035】アルキレンオキサイドの単独重合体として
は、分子量1000〜50000、好ましくは1500
〜30000程度のポリアルキレンオキサイド(例え
ば、ポリエチレングリコール6000)などが挙げられ
る。
【0036】アルキレンオキサイドの共重合体として
は、上記2以上のアルキレンオキサイドの共重合体が含
まれ、分子量は1000〜50000程度である。共重
合体はランダム共重合体であってもよくブロック共重合
体であってもよい。共重合体としては、エチレンオキサ
イドと他のアルキレンオキサイドとの共重合により得ら
れるオキシエチレン単位を含む共重合体、特にエチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体が繁用
される。前記共重合体としては、例えば、ポリ(エチレ
ンオキサイド−プロピレンオキサイド)共重合体(例え
ば、フロイント産業(株)製PEP−101、旭電化
(株)製プルロニックF68)などが挙げられる。共重
合体におけるオキシエチレン単位の含量は、例えば、5
0〜95重量%、好ましくは60〜90重量%程度であ
る。
【0037】好ましいアルキレンオキサイドの重合体に
は、エチレンオキサイドの単独又は共重合体、特にポリ
エチレングリコールが含まれる。
【0038】これらの低融点油脂状物質は単独で又は二
種以上併用してもよい。なお、二種以上の低融点油脂状
物質を混合物として使用する場合、前記20〜90℃の
温度で固形である限り、1種以上の油脂状物質の融点は
20℃未満であってもよく、90℃を越えてもよい。
【0039】これらの低融点油脂状物質のなかで、高級
脂肪酸、ロウ類、脂肪酸エステル、多価アルコールの高
級アルコールエーテル、アルキレンオキサイドの単独又
は共重合体、特にアルキレンオキサイドの単独又は共重
合体が繁用される。
【0040】なお、水不溶性又は脂溶性油脂状物質を用
いると、有効成分の徐放性が発現し易い。一方、親水性
油脂状物質又は水溶性油脂状物質は、使用量が少量であ
っても、素錠の耐摩耗性を顕著に改善できるとともに、
素錠の崩壊性や溶解性を損うことなく、徐放性を奏する
ことなく、有効成分の作用を早期に発現させることがで
きる。従って、崩壊性および溶解性が高く、速効性が要
求される素錠は、親水性油脂状物質、特に水溶性油脂状
物質を含むのが好ましい。
【0041】親水性油脂状物質および水溶性油脂状物質
には、例えば、多価アルコールの高級アルコールエーテ
ル、1又は2以上のヒドロキシル基を有する脂肪酸エス
テルとアルキレンオキサイド(特に、エチレンオキサイ
ド)との反応物、アルキレンオキサイドの単独又は共重
合体などが含まれる。好ましい油脂状物質には、オキシ
エチレン単位などのオキシアルキレン単位を有する油脂
状物質、特に水溶性油脂状物質、例えば、オキシアルキ
レン単位を含む多価アルコール、なかでもオキシエチレ
ン単位を有するアルキレンオキサイドの単独又は共重合
体が含まれる。水溶性油脂状物質としては、ポリエチレ
ングリコールが繁用される。
【0042】素錠中の低融点油脂状物質の含有量は、有
効成分や添加剤の性質により若干異なるが、0.1重量
%以上であって0.5重量%未満程度である。油脂状物
質の含有量が0.1重量%未満であると、素錠の耐摩耗
性がさほど改善されず、0.5重量%以上であると、素
錠の物理化学特性および有効成分の溶出特性が変化する
場合がある。
【0043】なお、従来、徐放性を高めるため、脂肪酸
エステルなどの脂質を多量に含む錠剤が知られている
が、本発明の素錠は、少量の低融点油脂状物質の添加に
より高い耐摩耗性を示すという特色がある。すなわち、
素錠全量に対する低融点油脂状物質の含有量が、前記の
ような極めて少量(好ましくは0.1〜0.45重量
%、さらに好ましくは0.2〜0.4重量%程度)であ
っても、高い耐摩耗性を示し粉立ちのない素錠を得るこ
とができる。さらに、少量の親水性又は水溶性油脂状物
質を用いると、素錠の崩壊性および有効成分の溶解性は
損われない。
【0044】本発明は、医薬品、医薬部外品などのヒト
用医薬;動物薬;殺菌剤、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤、忌
避剤、植物成長調整剤などを有効成分として含む農薬;
アミノ酸、ペプチド、核酸、有機酸などを有効成分とし
て含む食品などの広範囲の素錠に適用でき、その有効成
分は特に制限されない。
【0045】医薬品としては、例えば、解熱鎮痛消炎
剤、催眠鎮静剤、精神神経用剤、末梢神経用剤などの中
枢神経用薬;骨格筋弛緩剤、自律神経剤などの末梢神経
用薬;強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血管拡張剤などの
循環器用薬;気管支拡張剤、鎮咳剤などの呼吸器官用
薬;消化剤、整腸剤、制酸剤などの消化器官用薬;ホル
モン剤;抗ヒスタミン剤;ビタミン剤などの代謝性医
薬;抗潰瘍剤;抗生物質;化学療法剤などが挙げられ
る。特に、医家向医薬品のうち、光などの外的環境に対
して安定で、また矯味剤等を必要としないものは素錠と
して投与されることが多いので、本発明はこのような医
薬品に好適に適用される。
【0046】前記医薬品などにおける有効成分を例示す
ると、例えば、塩酸デラプリル、イプリフラボン、塩酸
マニジピン、デキサメタゾン、アルプラゾラム、ジアゼ
パム、アンレキサノクス、リオチロニンナトリウム、ペ
ルラピン、プレドニゾロン、グリセオフルビン、エスタ
ゾラム、ビンポセチン、塩酸ラベタロール、イデベノ
ン、フルスルチアミン、クロルジアゼポキシド、リン酸
ピリドキサール、塩酸ラニチジン、ニフェジピン、ロバ
スタチン、セファクロール、シメチジン、塩酸フルオキ
セチン、マレイン酸エナラプリル、ナプロキセン、カプ
トブリル、テルフェナジン、アテノロール、塩酸ベラパ
ミル、塩酸シプロフロキサシン、ジクロフェナックナト
リウム、ピロキシカム、ブラバスタチンナトリウム、フ
ァモチジン、塩酸ニカルジピン、塩酸チクロピジン、テ
ブレノン、オフロキサシン、フマル酸ケトチフェン、オ
キサトミド、アズレン、メコバラミン、セフィキシム、
塩酸インデロキサジン、ニセルゴリン、ロキソプロフェ
ンナトリウム、アルファカルシドール、塩酸ジルチアゼ
ム、塩酸ビフェメラン、塩酸アゼラスチン、ドンペリド
ン、フルコナゾール、ノルフロキサシン、(±)−7−
(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−2
−イル)−7−フェニルヘプタン酸、(E)−7−フェ
ニル−7−(3−ピリジル)−6−ヘプテン酸、2−
(7−クロロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)−3
−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デシ
−8−イル)カルボニルメチルイソインドリ−1−ノン
(以下、単に化合物Aと略記する)、(+)−1L−
[1(OH),2,4,5/3]−5−[2−ヒドロキ
シ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ−1−C
−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキ
サントロールすなわちN−(1,3−ジヒドロキシ−2
−プロピル)バリオールアミン(ボグリボース、以下、
単に化合物Bと略記する)、(±)−3,4−ジヒドロ
−2,8−ジイソプロピル−3−チオキソ−2H−1,
4−ベンゾキサジン−4−酢酸、5−[4−[2−(5
−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,
4−チアゾリジンジオン塩酸、3−[1−(フェニルメ
チル)ピペリジン−4−イル]−1−(2,3,4,5
−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−8−イ
ル)−1−プロパノンフマル酸、2−(6−ブロモ−7
−クロロ−2,2−ジメチル−2H−1,3−ベンゾキ
サジン−4−イル)ピリジン 1−オキシド、2−
[[[3−メチル−4−(2,2,3,3−テトラフル
オロプロポキシ)−2−ピリジル]−メチル]チオ]ベ
ンズイミダゾール、N−[4−(2−クロロフェニル)
−7,8−ジヒドロ−6H−シクロペンタ[g]キノリ
ン−3−イル]−N′−(2,4−ジクロロフェニル)
ウレア、1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)エチ
リジンビスフォスフォン酸1ナトリウム塩、2−エチル
−2−[(7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ
[1,5−b]ピリダジン−6−イル)−オキシメチ
ル]ブタンスルホンアミド、インドメタシン、サリチル
酸、トレピブトン、アモキサノクス、アスピリン、バル
プロ酸、ケトプロフェン、イブプロフェン、プロベネシ
ド、硝酸イソソルバイド、キニジン、モルフィン、リン
酸ジヒドロコディン、エフェドリン、スコポラミン、ク
ロルプロマジン、塩酸フェニルプロパノールアミン、マ
レイン酸クロルフェニラミン、スルファニルアミド、モ
ルシドミン、スルファダイアジン、キニジン、アセトア
ミノフェン、テオフィリン、カフェイン、セファレキシ
ン、アンピシリン、スルフィソキサゾール、塩酸セフォ
チアムヘキセチル、シクランデレート、プロプラノロー
ル、ハロペリドール、クロロサイアザイド、ハイドロク
ロロサイアザイド、スクラルファート、リボフラビンや
アスコルビン酸などの各種ビタミン類、ミネラル類、ア
ミノ酸類、ペプタイドやタンパク質(例えば、インスリ
ン、バソプレッシン、インターフェロン、IL−2、ウ
ロキナーゼ、セラチオペプチダーゼ、ソマトスタチン、
バソプレッシン、成長ホルモン、成長因子)などが挙げ
られる。
【0047】本発明の素錠中の有効成分の含有量は、有
効成分の種類などに応じて広い範囲、例えば、0.00
1〜90重量%、好ましくは0.01〜50重量%、さ
らに好ましくは0.1〜25重量%程度の範囲内で適当
に選択できる。
【0048】本発明の素錠は、通常、前記低融点油脂状
物質、有効成分に加えて、賦形剤を含んでいる。賦形剤
には、例えば、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶
セルロース(旭化成(株)製、アビセルPH101な
ど)、粉糖、グラニュウ糖、マンニトール、軽質無水ケ
イ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システ
インなどが含まれる。これらの賦形剤は一種又は二種以
上使用できる。賦形剤の含有量は、素錠全量に対して、
例えば、25〜99.5重量%、好ましくは40〜99
重量%、さらに好ましくは50〜96重量%程度であ
る。
【0049】本発明の素錠は、固形製剤の慣用の添加剤
を含んでいてもよい。このような添加剤としては、結合
剤(例えば、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ
ビニルピロリドン、プルラン、デキストリンなど);崩
壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、クロスカルメロースナトリウム(例えば、旭化成
(株)製、アクジゾル)、クロスリンクドインソルブル
ポリビニルピロリドン(例えば、BASF社製、コリド
ンCL)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部
分アルファ化デンプンなど);腸溶性ポリマー(例え
ば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、
セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエ
チルセルロースなど);水不溶性ポリマー(例えば、ア
ミノアルキルメタアクリレートコポリマー、メタクリル
酸コポリマーなど);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マ
グネシウム、タルクなど);界面活性剤(例えば、アル
キル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマ
シ油誘導体等の非イオン系界面活性剤など);着色剤
(例えば、タール色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタ
ン、リボフラビン類);矯味剤(例えば、甘味剤、香料
など);吸着剤;防腐剤;湿潤剤;帯電防止剤;崩壊延
長剤などが挙げられる。
【0050】本発明の素錠は、結合剤を含む場合が多
く、その量は、例えば、素錠全体の0.5〜30重量
%、好ましくは1〜10重量%程度である。
【0051】本発明の素錠において、前記低融点油脂状
物質は、素錠中に分散し、かつ素錠の少なくとも表面で
展延していると考えられる。この場合、低融点油脂状物
質は、独立して分散していてもよく、有効成分、賦形剤
などの他の成分と一体化して分散していてもよい。な
お、素錠の表面の油脂状物質に限らず、素錠内の表面近
傍を含めて全体に亘り油脂状物質が展延していてもよ
い。また、低融点油脂状物質は、素錠内に粉粒状で分散
している場合が多い。この場合、素錠の少なくとも表面
の粉粒状の油脂状物質が、打錠圧(成形圧)により展延
すると推測される。
【0052】本発明の素錠は、被覆剤により被膜を施さ
なくても耐摩耗性が高いという大きな特徴を有する。す
なわち、本発明の素錠は、油脂状物質により、外力によ
る摩擦力が軽減され、耐摩耗性が改善され、摩損と粉立
ちが少なくなる。さらに、打錠により低融点油脂状物質
が塑性変形し、周囲の粒子を固定化するためか、強度が
低下することもない。従って、内服後、崩壊および溶出
が阻害されることがないので、速効性の錠剤も得ること
ができる。また、病院薬局などでの自動調剤機による作
業性が高く、流通過程でも粉立ちがなく、高い商品価値
を有する。
【0053】本発明の素錠は、後述する実施例の耐摩耗
性試験から明らかなように、白色瓶(内容積80ml)
内の素錠50gを、振盪速度220回/分、振幅40m
m、振盪時間30分間の条件で振盪し、生成した粉末に
よる白色瓶の底部の曇りの程度を、波長500nmでの
反射率を測定したとき、反射率が0.01〜0.3、好
ましくは0.01〜0.2、さらに好しくは0.03〜
0.1程度である。これに対して、低融点油脂状物質を
含まない従来の素錠では前記反射率が0.4以上であ
る。
【0054】耐摩耗性が改善された本発明の素錠は、低
融点油脂状物質を、混合、混和、造粒などの配合手段に
より、有効成分、特に有効成分を含む打錠用組成物に配
合することにより製造でき、通常、前記有効成分、賦形
剤、低融点油脂状物質、及び必要に応じて前記添加剤を
含む打錠用組成物を打錠して成形することにより製造で
きる。このように、有効成分に低融点油脂状物質を配合
すると、素錠の耐摩耗性が改善される。
【0055】素錠は、低融点油脂状物質を含む前記打錠
用組成物を、直接加圧成形(打錠)することにより得る
こともできる。このような方法において、低融点油脂状
物質は液状で添加してもよく、固形状で添加してもよ
い。低融点油脂状物質は、粉粒状、例えば、平均粒径が
1000μm以下、好ましくは0.1〜750μm、さ
らに好ましくは1〜500μm程度の粉粒状で添加する
場合が多い。粉粒状の低融点油脂状物質を用いると、混
合、打錠という簡便な操作で、前記のような優れた素錠
を円滑かつ効率よく製造できる。
【0056】本発明の方法において、有効成分および賦
形剤を含む造粒末と、低融点油脂状物質(好ましくは粉
粒状の低融点油脂状物質)とを含む打錠用組成物を打錠
してもよい。この方法は、低融点油脂状物質を造粒時に
使用するのではなく、造粒末に低融点油脂状物質を添加
して打錠する点に特色がある。なお、従来、錠剤成分と
して脂肪酸エステルやロウ類などの脂質が使用されてい
るが、これらの脂質は、通常、造粒時に使用されてい
る。
【0057】前記造粒末は、結合剤を用い、慣用の湿式
造粒法および乾式造粒法などの方法で調製できる。好ま
しい造粒末は、低融点油脂状物質を用いることなく、ま
たは用いたとしても少量の低融点油脂状物質で造粒でき
る湿式造粒法、例えば、攪拌造粒法、流動造粒法などに
よる得られる。造粒末は、通常、細粒末および顆粒末
や、造粒物から得られる整粒末である場合が多い。造粒
末の平均粒径は、例えば、0.1〜10000μm、好
ましくは10〜2000μm、さらに好ましくは74〜
1400μm程度である。
【0058】このような造粒末と低融点油脂状物質とを
含む組成物は、混合、混和などの慣用の方法で得ること
ができ、得られた打錠用組成物を打錠することにより、
素錠が得られる。
【0059】なお、低融点油脂状物質が、水、親水性溶
媒(例えば、エタノール、イソプロパノールなどのアル
コール、アセトンなど)、疎水性溶媒(例えば、ヘキサ
ン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチルな
どのエステル類など)などの溶媒に可溶又は分散可能で
ある場合には、前記油脂状物質を含む溶液又は分散液と
して用いてもよい。好ましい溶媒には、親水性溶媒、特
に水が含まれる。また、油脂状物質には、前記好ましい
溶媒により可溶化又は分散可能な親水性油脂状物質、特
に水溶性油脂状物質が含まれる。
【0060】低融点油脂状物質を含む溶液又は分散液を
用いる場合、攪拌造粒法、流動造粒法などの湿式造粒法
により、有効成分、賦形剤および低融点油脂状物質を含
む造粒末を得ることができる。
【0061】前記打錠用組成物は、前記成分に加えて、
崩壊剤、滑沢剤などの他の添加剤を含んでいてもよい。
【0062】成形圧(打錠圧)は、素錠の耐摩耗性を損
わない範囲で適当に選択でき、通常、100〜5000
kg/cm2 、好ましくは500〜3000kg/cm
2 程度である。
【0063】本発明の好ましい方法には、(1)有効成
分、賦形剤などを含む造粒末と、粉粒状の低融点油脂状
物質とを含む打錠用組成物を加圧成形する方法、(2)
有効成分、賦形剤および低融点油脂状物質を用いて調製
した造粒末を含む打錠用組成物を加圧成形する方法など
が含まれる。これらの方法において、打錠用組成物、特
に造粒末は結合剤を含んでいる場合が多い。
【0064】本発明の素錠は、耐摩耗性が改善され、粉
立ちを抑制できるので、外観検査機および自動調剤機で
の作業性や包装充填性を著しく改善できる。
【0065】
【発明の効果】本発明の素錠は、被覆剤で被覆しなくて
も、少量の低融点油脂状物質の添加により高い耐摩耗性
を示し、製造工程、輸送過程や調剤時などに、摩擦力や
衝撃力が作用しても、摩損による微粉の発生を抑制でき
る。また、強度、崩壊性および溶解性などの錠剤特性に
も優れる。さらに、低融点油脂状物質の含有量が極めて
少量であっても高い耐摩耗性を有するとともに、摩損に
よる粉立ちを抑制できる。油脂状物質として水溶性油脂
状物質を用いると、崩壊性や溶解性も高めることができ
る。
【0066】本発明の方法によれば、素錠を被覆剤で被
覆したり、複雑な工程を経ることなく、打錠という簡単
な操作で、前記の如き優れた特性を有する素錠を効率よ
く製造できる。また、少量の低融点油脂状物質を配合す
ることにより、素錠に高い耐摩耗性を付与できる。
【0067】
【実施例】以下に、実施例および比較例に基づいて本発
明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に
より限定されるものではない。
【0068】実施例1〜3及び比較例1〜3 2−(7−クロロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)
−3−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]
デシ−8−イル)カルボニルメチルイソインドリ−1−
ノン(化合物A)32.0g、乳糖756.8g、およ
びコーンスターチ144.0gを流動造粒機(パウレッ
ク(株)製、FD−3S型)に仕込み、給気温度70
℃、スプレー圧1.0Kg/cm2 、噴霧速度10g/
分の条件で、6重量%のヒドロキシプロピルセルロース
水溶液451.2gを噴霧しながら流動造粒した。造粒
後、品温45℃まで乾燥し、この乾燥物をパワーミル
(昭和化学(株)製、1.2mmφスクリーン)で粉砕
して整粒末とした。また、上記と同様の方法により、6
バッチの整粒末を得た。
【0069】次いで、これら整粒末を用いて、ポリエチ
レングリコール6000添加量の異なる混合末を調製し
た。すなわち、ステアリン酸マグネシウム2.8g、ポ
リエチレングリコール6000(融点:56〜61℃)
の粉砕物(不二パウダル(株)製アトマイザー、スクリ
ーンサイズ1mmφ)およびコーンスターチを混合し、
30号丸篩(目開き:500μm)で篩過し、これに上
記整粒末840.0gを加えて、タンブラー混合機(昭
和化学(株)製、TM−15型)で5分間混合し、混合
末910gを得た。
【0070】なお、ポリエチレングリコール6000の
添加量は、0.9g(実施例1、全量中0.1重量
%)、1.8g(実施例2、0.2重量%)、3.6g
(実施例3、0.4重量%)、5.5g(比較例1、
0.6重量%)、9.1g(比較例2、1.0重量
%)、27.3g(比較例3、3.0重量%)とし、過
不足分をコーンスターチで調整し全体量を910gとし
た。
【0071】これらの混合末をロータリー打錠機(菊水
製作所(株)製、クリーンプレスコレクト19K)を用
いて、杵径7mmφ、重量130mg/錠、圧縮圧10
00Kg/杵、錠剤厚み約2.5mmの条件で打錠し、
素錠を得た。
【0072】なお、素錠1錠当りの組成は、整粒末12
0.0mg(化合物A 4.0mg、乳糖94.6m
g、コーンスターチ18.0mg、ヒドロキシプロピル
セルロース3.4mg)、ステアリン酸マグネシウム
0.4mg、ポリエチレングリコール6000約0.1
3〜3.9mg、コーンスターチ9.5〜5.7mgで
ある。
【0073】比較例4 ポリエチレングリコール6000に代えてコーンスター
チを用いる以外、実施例1と同様にして素錠を得た。こ
の素錠は、1錠(130.0mg)当り、実施例1と同
様にして得られた整粒末120.0mg、コーンスター
チ9.6mgおよびステアリン酸マグネシウム0.4m
gを含んでいる。
【0074】比較例5 実施例1の有効成分に代えて、乳糖を用いる以外、実施
例1と同様にして、整粒末を調製した。すなわち、乳糖
788.8g、コーンスターチ144.0gおよび6重
量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液451.2
gを用い、実施例1と同様にして流動造粒して乾燥し、
乾燥物を粉砕して整粒末とした。
【0075】この整粒末840.0gに、コーンスター
チ67.2g、ステアリン酸マグネシウム2.8gを添
加し、実施例1と同様にして、混合末910gを用いて
打錠し素錠を得た。
【0076】この素錠は、1錠(130.0mg)当
り、整粒末120.0mg(乳糖98.6mg、コーン
スターチ18.0mg及びヒドロキシプロピルセルロー
ス3.4mg)、コーンスターチ9.6mg、ステアリ
ン酸マグネシウム0.4mgを含んでいる。
【0077】実施例4 乳糖820.8g、コーンスターチ160.0gを、実
施例1で用いた流動造粒機に仕込み、(+)−1L−
[1(OH),2,4,5/3]−5−[2−ヒドロキ
シ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ−1−C
−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキ
サントロールすなわちN−(1,3−ジヒドロキシ−2
−プロピル)バリオールアミン(ボグリボース、化合物
B)1.6gを溶解した6重量%のヒドロキシプロピル
セルロース水溶液510.4gを給気温度70.0℃、
スプレー圧1.0Kg/cm2 、噴霧速度10g/分の
条件で、噴霧しながら流動造粒した。造粒後、品温45
℃まで乾燥し、この乾燥物を実施例1で用いたパワーミ
ルで粉砕して整粒末とした。
【0078】この整粒末886.2gに、コーンスター
チ17.5g、ステアリン酸マグネシウム2.8gおよ
び実施例1のアトマイザーで粉砕したポリエチレングリ
コール6000 3.5g(全量中、約0.38重量
%)を添加し、実施例1と同様にして、混合末910g
を得た。この混合末を実施例1と同様にして打錠し、素
錠を得た。
【0079】この素錠は、1錠(130.0mg)当
り、整粒末126.6mg(化合物B0.2mg、乳糖
102.6mg、コーンスターチ20.0mg及びヒド
ロキシプロピルセルロース3.8mg)、コーンスター
チ2.5mg、ステアリン酸マグネシウム0.4mg及
びポリエチレングリコール6000 0.5mgを含ん
でいる。
【0080】比較例6 実施例4の整粒末に、コーンスターチ21.0g、およ
びステアリン酸マグネシウム2.8gを添加し、実施例
1と同様にして、混合末910gを得た。この混合末を
実施例1と同様にして打錠し素錠を得た。
【0081】この素錠は、1錠(130.0mg)当
り、実施例4の整粒末126.6mg、コーンスターチ
3.0mgおよびステアリン酸マグネシウム0.4mg
を含んでいる。
【0082】比較例7 実施例1と同様にして得られた化合物Aを含む整粒末8
40gに、コーンスターチ58.1g、ステアリン酸マ
グネシウム2.8gおよび低融点油脂状物質としてのス
テアリン酸(融点:56〜72℃)9.1g(全量中、
1.0重量%)を添加し、実施例1と同様にして、混合
末910gを得た。なお、ステアリン酸は、乳鉢で粉砕
した後、100号丸篩を篩過した粉体を用いた。
【0083】この混合末を実施例1と同様にして打錠し
素錠を得た。この素錠は、1錠(130.0mg)当
り、実施例1の整粒末120.0mg、コーンスターチ
8.3mg、ステアリン酸マグネシウム0.4mgおよ
びステアリン酸1.3mgを含んでいる。
【0084】比較例8 ステアリン酸に代えて、カルナウバロウ(フロイント産
業(株)製、ポリッシングワックス−103、融点:8
0〜86℃)9.1g(全量中、1.0重量%)を低融
点油脂状物質として用いる以外、比較例7と同様にし
て、素錠を得た。
【0085】比較例9 ステアリン酸に代えて、乳鉢で粉砕した後、100号丸
篩で篩過した酸化エチレン・酸化プロピレン共重合物
(フロイント産業(株)製、PEP−101、融点:5
0〜54℃)9.1g(全量中、1.0重量%)を低融
点油脂状物質として用いる以外、比較例7と同様にして
素錠を得た。
【0086】比較例10 ステアリン酸に代えて、乳鉢で粉砕した後、100号丸
篩で篩過したポリオキシエチレン[160]ポリオキシ
プロピレン[30](旭電化(株)製、プルロニックF
68、融点:46〜56℃)9.1g(全量中、1.0
重量%)を低融点油脂状物質として用いる以外、比較例
7と同様にして素錠を得た。
【0087】実施例5 実施例1と同様にして得た化合物Aを含む整粒末840
gと、コーンスターチ63.7g、ステアリン酸マグネ
シウム2.8gおよび実施例1のアトマイザーで粉砕し
た低融点油脂状物質としてのポリエチレングリコール4
000(融点:53〜57℃)3.5g(全量中、約
0.38重量%)とから、実施例1と同様にして混合末
910gを得た。この混合末を、実施例1と同様にして
打錠した。
【0088】この素錠は、1錠(130.0mg)当
り、実施例1の整粒末120.0mg、コーンスターチ
9.1mg、ステアリン酸マグネシウム0.4mgおよ
びポリエチレングリコール4000 0.5mgを含ん
でいる。
【0089】実施例6 実施例1と同様にして得た化合物Aを含む整粒末840
g、コーンスターチ63.7g、ステアリン酸マグネシ
ウム2.8gおよび実施例1のアトマイザーで粉砕した
ポリエチレングリコール20000(融点:56〜64
℃)3.5g(全量中、約0.38重量%)とから、実
施例1と同様にして、混合末910gを得た。この混合
末を、実施例1と同様にして打錠し素錠を得た。
【0090】この素錠は、1錠(130.0mg)当
り、実施例1の整粒末120.0mg、コーンスターチ
9.1mg、ステアリン酸マグネシウム0.4mgおよ
びポリエチレングリコール20000 0.5mgを含
んでいる。
【0091】比較例11 乳糖800.0g、コーンスターチ160.0gを実施
例1で用いた流動造粒機に仕込み、実施例1と同様にし
て、化合物B 1.6gおよびアトマイザーで粉砕した
ポリエチレングリコール6000 20.8gを溶解し
た6重量%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液51
0.4gを噴霧しながら流動造粒して乾燥し、この乾燥
物を粉砕して整粒末とした。
【0092】この整粒末886.2g、コーンスターチ
21.0gおよびステアリン酸マグネシウム2.8gと
から、実施例1と同様にして、混合末910gを得た。
この混合末を実施例1と同様にして打錠し素錠を得た。
【0093】この素錠は、1錠(130.0mg)当
り、整粒末126.6mg(化合物B0.2mg、乳糖
100.0mg、コーンスターチ20.0mg、ポリエ
チレングリコール6000 2.6mg(2.0重量
%)およびヒドロキシプロピルセルロース3.8m
g)、コーンスターチ3.0mgおよびステアリン酸マ
グネシウム0.4mgを含んでいる。
【0094】そして、前記実施例および比較例で得られ
た素錠の耐摩耗性、比較例3及び比較例4の素錠から摩
損した粉体中の薬物量を次のようにして評価した。
【0095】(1)耐摩耗性の評価方法 素錠50gを白色瓶(内容積80ml)に入れて密封
し、振盪機(太陽科学(株)製、レシプロシェイカー)
に縦方向にセットした後、振盪速度220回/分、振幅
40mmの条件で30分間振盪した。
【0096】振盪の後、素錠を注意深く取り出し、摩耗
によって生じた表面上の粉末の付着状態を観察し、下記
の基準で評価すると共に、素錠を取り出した後、摩擦に
よって生じた粉末による白色瓶内部(瓶底部)の曇りの
程度を、分光光度計を用い、吸光度法(波長500nm
での反射率)で測定した。なお、吸光度の値は、予め測
定した白色瓶のみの吸光度に基づいて補正した。
【0097】予備試験の結果、肉眼による曇の判定基準
と吸光度法との間には、下記のような対応関係が認めら
れた。
【0098】 (2)瓶内部に付着した薬物含量の測定 化合物Aをアセトニトリルに溶解し、適当な濃度に希釈
した後、分光光度計により208nmでの吸光度を測定
し、検量線を作成した。
【0099】次いで、比較例3の素錠および比較例4の
素錠について、前記(1)の摩耗性試験後、瓶内に付着
した粉末をアセトニトリルで溶解し、瀘過した後、前記
と同様にして吸光度を測定し、前記検量線より粉体中の
薬物含有量を求めた。なお、薬物以外の添加剤の吸光度
を予め測定し、薬物含有量の測定値を補正した。
【0100】前記実施例および比較例で得られた素錠の
耐摩耗性及び粉体中の薬物含有量の評価結果を表1に示
す。
【0101】
【表1】 表1の実施例1〜6と比較例1〜11との対比から明ら
かなように、有効成分の種類の如何に拘らず、少量の低
融点油脂状物質により、粉末の発生が極めて少なくな
り、耐摩耗性が著しく向上した。また、比較例11の結
果から明らかなように、低融点油脂状物質を用いて湿式
造粒した整粒末を用いても、他の実施例と同様に、耐摩
耗性が著しく向上した。
【0102】また、耐摩耗性試験により瓶内部に付着し
た薬物量に関し、比較例3の素錠は、比較例の素錠に
比べて、約1/5と小さい値を示した。
【0103】実験例 実施例3および比較例4で得られた素錠を、調剤機(自
動錠剤包装機、ATCシステム、サンヨー(株)製)の
タブレットケース(TK−50)に入れ、150錠/分
の速度で、1錠ずつ連続的に排出させ、次のようにして
素錠の表面の摩耗状態を評価した。
【0104】すなわち、タブレットケースの素錠排出部
に白色瓶を置き、排出された素錠および摩耗により発生
した粉末を回収した。次いで、素錠のみを取出した後、
残存する粉末中の化合物Aの含量を測定した。なお、薬
物量は経時的に測定し、累積薬物量(μg/錠)として
評価した。結果を表2に示す。
【0105】
【表2】 表2より、低融点油脂状物質の含有量が極めて少量であ
るにも拘らず、実施例3の素錠は、比較例4の素錠に比
べて、摩耗量が極めて少なくなり、耐摩耗性が2.5倍
以上向上した。

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効成分と、賦形剤と、融点が20〜9
    0℃である微粉末化可能な低融点油脂状物質とを含み、
    低融点油脂状物質の含有量が、素錠全量に対して0.1
    重量%以上でかつ0.5重量%未満である耐摩耗性が改
    善された素錠。
  2. 【請求項2】 低融点油脂状物質が、炭化水素、高級脂
    肪酸とその塩、高級アルコール、ロウ類、硬化油、脂肪
    酸エステル、多価アルコールの高級アルコールエーテル
    およびアルキレンオキサイドの単独又は共重合体から選
    択された少なくとも一種である請求項1記載の素錠。
  3. 【請求項3】 低融点油脂状物質が、親水性又は水溶性
    油脂状物質である請求項1記載の素錠。
  4. 【請求項4】 低融点油脂状物質が、アルキレンオキサ
    イドの単独又は共重合体である請求項1記載の素錠。
  5. 【請求項5】 アルキレンオキサイドが、エチレンオキ
    サイドである請求項4記載の素錠。
  6. 【請求項6】 アルキレンオキサイドの単独又は共重合
    体が、ポリエチレングリコールである請求項4記載の素
    錠。
  7. 【請求項7】 素錠全量に対して、有効成分の有効量
    と、賦形剤25〜99.5重量%と、低融点油脂状物質
    0.1〜0.45重量%とを含む請求項1記載の素錠。
  8. 【請求項8】 低融点油脂状物質が、融点40〜75℃
    を有し、かつオキシアルキレン単位を含む親水性または
    水溶性油脂状物質である請求項7記載の素錠。
  9. 【請求項9】 水溶性油脂状物質が、エチレンオキサイ
    ドの単独又は共重合体である請求項8記載の素錠。
  10. 【請求項10】 さらに、素錠全量に対して、結合剤
    0.5〜30重量%を含む請求項7記載の素錠。
  11. 【請求項11】 有効成分(a)、賦形剤(b)および結合剤
    (c)を含む造粒末(i)と、素錠全量に対して、0.1重量
    %以上でかつ0.5重量%未満の粉粒状の低融点油脂状
    物質(ii)とを含む打錠用組成物を打錠して得られる請求
    項1記載の素錠。
  12. 【請求項12】 有効成分(a)、賦形剤(b)、結合剤
    (c)、および素錠全量に対して、0.1重量%以上でか
    つ0.5重量%未満の低融点油脂状物質(d)で構成され
    た造粒末を含む打錠用組成物を打錠して得られる請求項
    1記載の素錠。
  13. 【請求項13】 融点が20〜90℃である微粉末化可
    能な低融点油脂状物質を、素錠全量に対して0.1重量
    %以上でかつ0.5重量%未満の量で、打錠用組成物に
    配合する、耐摩耗性が改善された素錠の製造方法。
  14. 【請求項14】 有効成分および賦形剤を含む造粒末
    と、低融点油脂状物質とを含む打錠用組成物を打錠する
    請求項13記載の素錠の製造方法。
  15. 【請求項15】 低融点油脂状物質が粉粒状である請求
    14記載の素錠の製造方法。
  16. 【請求項16】 低融点油脂状物質の平均粒径が100
    0μm以下である請求項14記載の素錠の製造方法。
  17. 【請求項17】 素錠全量に対して、有効量の有効成
    分、賦形剤25〜99.5重量%、および結合剤0.5
    〜30重量%を含む造粒末と、素錠全量に対して、0.
    1重量%以上でかつ0.5重量%未満の粉粒状の低融点
    油脂状物質とを含む打錠用組成物を打錠する請求項14
    記載の素錠の製造方法。
  18. 【請求項18】 低融点油脂状物質が、アルキレンオキ
    サイドの単独又は共重合体で構成された粉粒状の親水性
    又は水溶性油脂状物質である請求項17記載の素錠。
  19. 【請求項19】 造粒末を湿式造粒法により得る請求項
    14記載の素錠の製造方法。
  20. 【請求項20】 造粒末を含有する打錠用組成物を打錠
    する方法であって、前記造粒末が有効成分、賦形剤およ
    び低融点油脂状物質を含む請求項13記載の素錠の製造
    方法。
  21. 【請求項21】 素錠全量に対して、有効量の有効成
    分、25〜99.5重量%の賦形剤、0.5〜30重量
    %の結合剤、および0.1重量%以上でかつ0.5重量
    %未満の低融点油脂状物質で構成された造粒末を含む打
    錠用組成物を打錠する請求項20記載の素錠の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 造粒末を湿式造粒法により得る請求項
    20記載の素錠の製造方法。
  23. 【請求項23】 融点が20〜90℃である微粉末化可
    能な低融点油脂状物質を、素錠全量に対して0.1重量
    %以上でかつ0.5重量%未満の量で、有効成分に配合
    することを特徴とする素錠の耐摩耗性改善方法。
  24. 【請求項24】 素錠全量に対して、有効量の有効成分
    および0.1重量%〜0.45重量%の低融点油脂状物
    質を含む打錠用組成物を打錠する請求項23記載の素錠
    の耐摩耗性を改善する方法。
  25. 【請求項25】 素錠全量に対して、有効量の有効成分
    およびオキシアルキレン単位を含む親水性又は水溶性低
    融点油脂状物質0.1〜0.45重量%を含む打錠用組
    成物を打錠する請求項23記載の素錠の耐摩耗性を改善
    する方法。
  26. 【請求項26】 打錠圧100〜5000kg/cm2
    で打錠する請求項24記載の素錠の耐摩耗性を改善する
    方法。
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