JP4293386B2 - 製版装置および孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版装置および孔版印刷装置に関し、さらに詳しくは孔版印刷装置に配設される製版装置におけるマスタロールの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
簡便な印刷装置として感熱デジタル製版式の孔版印刷装置が知られている。この孔版印刷装置は、熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱孔版用マスタ(以下、「マスタ」という)に対してサーマルヘッドにより画像情報に応じて加熱穿孔し、その加熱穿孔された製版済みのマスタを版胴に巻装した上で、版胴内部からインキを供給するようになっている。そして、版胴内部から供給されたインキを版胴表面に滲み出させ、製版済みのマスタを介して版胴表面に印刷用紙をプレスローラや圧胴等の押圧手段により押し付けることによって、製版済みのマスタの穿孔部分から滲み出るインキを印刷用紙に転移させて画像を印刷する。
【0003】
サーマルヘッドによりマスタに穿孔・製版する装置は、製版装置もしくは製版書込み装置と呼ばれている。製版装置としては、マスタが芯管の周りにロール状に巻かれたマスタロールからマスタを繰り出し可能に支持し、芯管の端面に当接可能であって芯管内に嵌入してマスタロールを回転可能に位置決め支持するマスタロール支持手段を有するマスタロールの支持構造を具備したものが知られている。
従来の製版装置におけるマスタロールの支持構造の一例として、例えば図6に示すようなものがある。これは、図6に示すように、シート状のマスタ1がマスタ1の幅と略同じ長さに形成されたパイプ状の紙製の芯管3(以下、「紙管3」というときがある)の周りに巻かれたマスタロール2を装着・セットするとき、2個の専用のフランジ20を使用して、マスタロール2の両側の紙管3内に各フランジ20の爪部20aをそれぞれ挿入し各フランジ20を固定した後、各フランジ20の芯軸20bを製版装置本体側の位置決め支持部に装着・セットするものであった。各フランジ20は、合成樹脂で一体成形されていて、芯軸20bを介し金属製または合成樹脂製の上記位置決め支持部に装着・セット後、マスタロール2と一緒に回転するようになっていた。このように、各芯軸20bの部分と上記位置決め支持部の部分とがマスタロール2の回転時にこすれるようになっていたので、特に異音を発生することはなかった。
【0004】
そこで、本願出願人は、紙管3の両端にいちいちフランジ20をセットするのは面倒な操作であるので、これを改良すべく、フランジ20をセットすることなくマスタロール2を製版装置本体側にダイレクトにセットすることのできるマスタロールのダイレクトセット方式を、特開平9−226088号公報で提案した。このダイレクトセット方式の一例が、図7および図8に簡略化して示されている。上記ダイレクトセット方式では、図7に示すように、マスタ保持ユニット21のロール受台27側に固設された一方のロールフランジ25aにマスタロール2の紙管3の一端側をセットした後、図8に示すように、他方のロールフランジ25bにマスタロール2の紙管3の他端側をセットすることにより、他方のロールフランジ25bが、フランジ取付部材129を介してフランジ軸126に巻着されたねじりコイルバネ127の付勢力によって図中矢印A方向に揺動してマスタロール2の他方の端面2aおよび紙管3の端面3aに当接することで、マスタロール2を3次元方向に位置決めするものである。そして、ロールフランジ対25a,25bは、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC)等の合成樹脂でできているものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したマスタロールのダイレクトセット方式では、マスタロール2からマスタ1を繰り出す引き出し時において、製版装置本体側で固定状態にあるロールフランジ対25a,25bに対してマスタロール2と紙管3とが回ることにより、合成樹脂製のロールフランジ対25a,25bの摩擦抵抗部25dに対して各紙管3の端面3aが直接接触し押し付けられながら回転するので、紙管3が振動して、異音(キーキーというこすれ音)が発生するという問題点がある。
【0006】
また、図4(a)に示すように、マスタロール2からマスタ搬送方向Tに引き出されるマスタ1の弛みによるしわ等の発生を防止する目的で、マスタロール2から引き出されるマスタ1にバックテンション(張力)を付与すべく、マスタロール2の回転時において上記したロールフランジ対25a,25bの摩擦抵抗部25dおよびねじりコイルバネ127の付勢力によってブレーキ力を作用させるようになっている。ところが、上記したように合成樹脂製のロールフランジ対25a,25bの摩擦抵抗部25dに対して各紙管3の端面3aやマスタロール2の端面2aが直接接触し押し付けられながら回転する状態下では、図4(a),(b)に示すように、ロール径が大きいマスタロール2の使い始めのときと、ロール径の小さい使い終わりのときとで、マスタロール2からマスタ1を引き出すのに要する引出力の差が大きく変動し、換言すればマスタ1のバックテンション(張力)のばらつきが230gf〜500gf(その差が270gf)と大きく、これによってマスタ1の送り量が変化して画像の寸法再現精度がばらついてしまうという問題点がある。
【0007】
また、紙管3の端面3aからマスタ1の側端がはみ出して巻かれているとき(図5における紙管3の端面3aに対するマスタロール2’の端面2aの位置状態参照)には、はみ出した部分のマスタロール2’の端面2aにロールフランジ対25a,25bの摩擦抵抗部25dが当接することで、マスタロール2’の端面2a部分に折れが発生しやすいという問題もある。
【0008】
したがって、本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、マスタロールのダイレクトセット方式を採用した場合またはロールフランジが回転しない方式の場合等において、異音が発生したり、マスタのバックテンション(張力)のばらつきが大きくなったり、あるいはマスタロールの端面部分が折れたりしない改良された製版装置およびこれを具備する孔版印刷装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、マスタが芯管の周りにロール状に巻かれたマスタロールの上記芯管の端面に当接し、かつ、上記芯管内に嵌入して上記マスタロールを回転可能に支持するマスタロール支持手段を有する製版装置において、上記マスタロール支持手段は、上記マスタロールの端面との接触を避けるためのリング帯溝状の逃げ凹部を備えており、上記マスタロールの各端面は、上記芯管の各端面と略同じ位置に形成されており、上記マスタロール支持手段と上記芯管の端面とが当接するときの摩擦力を減少させる摩擦減少手段を上記マスタロール支持手段に設け、上記摩擦減少手段は、上記芯管の端面の外径寸法と同じかまたは該外径寸法よりもやや小さく形成されていて略リング状をなすことを特徴とする。
【0010】
摩擦減少手段の配置位置としては、上述したように、マスタロール支持手段に設ける方が好ましい。マスタロール支持手段および芯管の端面に設ける場合や、芯管の端面に設ける場合には、マスタロールがサプライであるためその1つ1つに対して設ける必要があり、このためコスト的に不利である。したがって、摩擦減少手段の配置位置としては、摩擦減少手段の配置位置によるその摩擦減少手段の耐久性、摩擦力を所定の範囲に入れるための摩擦力の安定化および経済性の点から、マスタロール支持手段に、すなわちマスタロール支持手段側の芯管の端面と当接する部位に設けることが好ましい。また、上記と同様の理由および取り付け作業性容易化の点からは、摩擦減少手段がシート状からなるものが好ましい。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の製版装置と、孔版印刷工程部とを具備することを特徴とする孔版印刷装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成部品等については、同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。
【0014】
図1ないし図3に、本発明の製版装置および孔版印刷装置に係る一実施形態を示す。この実施形態は、特開平9−226088号公報の図1および図2に示されている従来例と比較すると、その従来例における製版装置20に代えて、製版装置15を有することのみ相違する。
まず、図3を参照して、製版装置15が適用される印刷装置としての孔版印刷装置の要部の構成を簡単に説明する。図3に示す孔版印刷装置は、クランパ13を備えた版胴14が配置された孔版印刷工程部を備えていて、それぞれ図示を省略した、給紙装置、排版部、排紙部および上記した製版装置15から主に構成されている。同孔版印刷装置において、製版装置15は本発明に係る新規な構成を有しており、これ以外の上記給紙装置、上記排版部および上記排紙部等は特開平9−226088号公報の図1および図2に示されているものと同様の構成を具備している。
【0015】
製版装置15は、版胴14の右側上方に配置されている。製版装置15は、特開平9−226088号公報の図1および図2等に示されている製版装置20と比較すると、その製版装置20に配設されているマスタ保持ユニット21に代えて、マスタ保持ユニット16を有することのみ相違する。製版装置15は、前記したマスタ保持ユニット16、プラテン圧制御部55および裁断部70から主に構成されていて、マスタ保持ユニット16以外のプラテン圧制御部55および裁断部70周りの構成は、特開平9−226088号公報の図1および図2に示されていると同様の構成を具備しているため、重複説明を避ける上から、主要な構成部品名のみを挙げておくに留める。
図3において、符号51はガイド部材を、符号56はサーマルヘッドを、符号57はヘッドベースを、符号65はプラテンローラを、符号71はロータリカッタを、符号72は第1搬送ローラ対を、符号74は第2搬送ローラ対を、符号79はガイドレールをそれぞれ示す。
【0016】
マスタ保持ユニット16は、図2および図3に示すように、特開平9−226088号公報の図1ないし図6に示されているマスタ保持ユニット21と比較すると、そのマスタ保持ユニット21に配設されている左右一対のロールフランジ25a,25bに代えて、左右一対のロールフランジ4a,4bを有することが主に相違する。マスタ保持ユニット16は、ロール受台27、上記した左右一対のロールフランジ4a,4b、ガイド板35および引き出しローラ40から主に構成されていて、ロールフランジ4a,4b周りの構成以外のロール受台27、ガイド板35および引き出しローラ40周りの構成は、特開平9−226088号公報の図1ないし図6に示されていると同様の構成を具備しているため、重複説明を避ける上から、主要な構成部品名のみを挙げておくに留める。
図1ないし図3において、符号26はフランジ支持板を、符号32はマスタ検知センサを、符号33はマスタセット検知センサを、符号27bはロール受台27の把手を、符号27cは左右一対のスライドレールを、符号27eはマスタロール2の収納部を、符号41はローラ軸を、符号42はローラギヤを、符号43はローラアームを、符号78は側板をそれぞれ示す。なお、フランジ支持板26および側板78の配置は、特開平9−226088号公報の図4に示されている配置と左右逆の配置構成となっている。
【0017】
マスタ保持ユニット16は、マスタ1が芯管としての紙管3の周りにロール状に巻かれたマスタロール2の紙管3の端面3aに当接し、かつ、紙管3内に嵌入してマスタロール2を回転可能に支持するマスタロール支持手段としての左右一対のロールフランジ4a,4bを備えている。マスタ保持ユニット16は、製版装置15の本体内に挿入された製版挿入位置(図3に示した位置)と、この製版挿入位置から外れた、マスタロール2の着脱を行うロール着脱位置(図示せず)との間で、ガイドレール79を介して図中矢印方向F,Rに摺動自在となっている。ここで、ロール着脱位置とは、製版装置15を内蔵している孔版印刷装置から外方へ摺動した位置も含まれる。
【0018】
図1および図2において、符号Tはマスタ搬送方向を、符号MBはマスタ搬送方向Tに直交しマスタロール2の軸方向と平行な方向でもあるマスタ幅方向をそれぞれ示す。図3において、符号MRはマスタロール2から繰り出されたマスタ1を搬送するためのマスタ搬送路を示す。
【0019】
紙管3は、マスタ1の幅と同じ長さかやや長めに形成されたパイプ状をなし、紙管3の各端面3aは、マスタロール2の各端面2aと略同じ位置になっている。紙管3は、ウェブ状の比較的厚手の用紙を斜めに巻きつけて紙製の長いパイプを形成し、所定の寸法に切断して作られたものである。マスタ1は、光透過性を有する1〜2μm程度の薄い熱可塑性樹脂フィルムに対して和紙繊維あるいは合成繊維、もしくはこれら両材料を混抄したものからなる多孔性支持体を貼り付けてラミネート構造としたものが用いられ、サーマルヘッド等の発熱素子によって加熱穿孔されるものである。上記熱可塑性樹脂フィルムは、例えばポリエステル等でできている。なお、芯管は、上記した紙管3に限らず、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC)等の合成樹脂でできているものもある。
【0020】
マスタ1の厚さは、従来から使用されているマスタの厚さ40〜60μmの約1/2程度となっていて、本実施形態では3〜30μmのものを用いることができるようになっている。それ故に、マスタロール2の外径は、従来のそれに比べて著しく小さくコンパクトになっていて、装置の小型化に寄与している。また、マスタ1の厚さが、従来のマスタの厚さに比べて非常に薄いものを用いることができるので、いわゆる繊維目を低減させることによる画質の向上、加熱穿孔時間を速めることによる高速製版を可能としている。また、マスタロール2には、特開平9−226088号公報で開示したと同様の低反射率部(図示せず)が形成されている。
【0021】
ロールフランジ対4a,4bは、ロール受台27の両側部に配設されている。ロールフランジ対4a,4bには、同一サイズの、マスタロール2の紙管3内に嵌入自在な円錐面部4cと、マスタロール2の端面2aとの接触を避けるための逃げとしての逃げ凹部4dと、マスタロール2の紙管3内に緩く嵌入する嵌入支持部4fと、後述するPETシート10を貼着するシート貼着部4gとがそれぞれ一体的に形成されている。
円錐面部4cは円錐台状を、逃げ凹部4dはリング帯溝状を、嵌入支持部4fは円柱状をそれぞれなしている。ロールフランジ対4a,4bの円錐面部4c、嵌入支持部4fとシート貼着部4gは、マスタロール2の紙管3内に嵌入すると共に、上記PETシート10を介して紙管3の端面3aに当接して、マスタ搬送方向T、マスタ幅方向MBおよび高さ方向の3次元方向にマスタロール2の位置決めをする機能を有する。ロールフランジ対4a,4bの嵌入支持部4fの外径は、紙管3の内径よりも僅かに小さく形成されている。ロールフランジ対4a,4bは、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC)等の合成樹脂でできている。
【0022】
ロールフランジ対4a,4bのシート貼着部4gには、各ロールフランジ4a,4bと紙管3の各端面3aとが当接するときの摩擦力を減少させると共に、その摩擦力を所定の範囲に安定化させるための摩擦減少手段としてのPET(ポリエチレンテレフタレート)シート10が接着剤で貼着・固定されている。PETシート10は、紙管3の端面3aの外径寸法よりもやや大きく形成されていて、略リング帯状をなしている。
【0023】
PETシート10は、その厚さが0.05〜0.3mmの程度のものが用いられる。PETシート10の厚さは、各図において幾分誇張して示している。PETシート10は、表面平滑性が高く、かつ、紙管3の端面3aの表面状態に対して滑りやすい摩擦係数の小さい材質でできている。PETシート10の配置位置は、その耐久性、摩擦力の安定化および経済性の点から、PETシート10をロールフランジ対4a,4bの各シート貼着部4gに貼着して設けた構成を採っている。
【0024】
なお、摩擦減少手段は、上記PETシート10に限らず、例えば、テフロンテープ(商品名)やウルトラテープ(商品名)、あるいは上記テフロンテープやウルトラテープの表面にアルミニウム等の金属箔や粉末をコーティングしたものであってもよい。
【0025】
図1および図2における右側のロールフランジ4bは、ロール受台27の一側内壁に固設されている。一方、図において左側のロールフランジ4aは、ロール受台27とは別の部材であるフランジ支持板26の内壁に固設されロールフランジ4b側に突出した案内部材5を介して、マスタ幅方向MBに移動自在に、かつ、回転不能になされている。ロールフランジ4aには、案内部材5を緩く嵌入する断面が丸孔状の挿通孔4eと、後述する案内部材5の突起部5bを緩く嵌入してロールフランジ4aの回り止めの機能を有する断面矩形状の案内溝4hとがそれぞれ形成されていて、その全体的な断面が概略キー溝付き丸孔状をなしている。
【0026】
案内部材5は、例えばステンレススチール等の金属でできていて、断面が概略キー付き丸棒状をなしている。案内部材5の右端にはロールフランジ4aの移動を規制する頭部5aが、案内部材5上にはロールフランジ4aをマスタ幅方向MBと平行に、かつ、ロールフランジ4b側の嵌入支持部4fとロールフランジ4a側の嵌入支持部4fとを平行に同軸的にスライド案内するための矩形状の突起部5bがそれぞれ一体形成されている。
【0027】
フランジ支持板26の内壁とロールフランジ4aの左端壁との間の案内部材5には、PETシート10を介してロールフランジ4aのシート貼着部4gを紙管3の端面3aに圧接する向きに付勢する圧縮バネ6が巻着されている。圧縮バネ6は、PETシート10を介してロールフランジ4aのシート貼着部4gを紙管3の端面3aに圧接すべく作用することにより、マスタロール2が繰り出し方向に回転する時に、紙管3の各端面3aと各PETシート10との間で所定の範囲の摩擦力を生じさせてマスタロール2からのマスタ1の繰り出しに対して抵抗する力、換言すればマスタロール2から引き出されるマスタ1にバックテンション(張力)を生じさせる機能を有する。これにより、マスタ1が繰り出される際に生じやすい弛みをなくすことができる利点がある。
【0028】
上記構成のとおり、ロールフランジ4aは、マスタ保持ユニット16が製版挿入位置を占めたとき、上記PETシート10を介して紙管3の一方の端面3aに当接可能であってマスタロール2の位置決めをする位置決め位置(図2に仮想線で示す位置)と、マスタ保持ユニット16がロール着脱位置を占めたとき、紙管3の一方の端面3aから離間する非位置決め位置(図2に実線で示す位置)との間で移動自在なロール位置決め手段としての機能を有する。
【0029】
次に、マスタロール2の着脱から版胴14へのマスタ1を巻装するまでの動作は、特開平9−226088号公報に開示されている動作と基本的に同様であるためその説明を省略する。
【0030】
上記実施形態によれば、PETシート10をそれぞれ貼着されると共に、逃げ凹部4dをそれぞれ形成されたロールフランジ対4a,4bと、圧縮バネ6とを有することにより、各紙管3の端面3aとPETシート10とが直接接触し押し付けられながら回転しても、従来のような異音(キーキーというこすれ音)を発生することがなくなった。
【0031】
また、図4(a),(b)に示すように、ロール径が大きいマスタロール2の使い始めのときと、ロール径の小さい使い終わりのときとで、マスタロール2からマスタ1を引き出すのに要する引出力の差を小さい範囲で抑えることができ、換言すればマスタ1のバックテンション(張力)のばらつきを、本発明を実施しない場合の230gf〜500gf(その差が270gf)から、本発明を実施した場合の290gf〜420gf(その差が130gf)へと略半減することができた。これにより、マスタ1の送り量が安定することで画像の寸法再現精度も安定するようになった。
【0032】
図5に、上記実施形態の変形例を示す。この変形例は、上記実施形態におけるPETシート10に代えて、紙管3の端面3aの外径寸法と同じに形成されたPETシート10’を各ロールフランジ4a,4bのシート貼着部4gに貼着したことのみ相違する。なお、図5において、ロールフランジ4aの逃げ凹部4dの図示は、マスタロール2’の端面2aとの明確化を図るため、端面図的に描いている。
【0033】
この変形例によれば、上記実施形態の利点に加えて、紙管3の端面3aからマスタ1の側端がはみ出して巻かれているマスタロール2’であっても、そのはみ出した部分のマスタロール2’の端面2aにロールフランジ対4a,4bのPETシート10’の外周縁が接触するようなことがなくなるので、マスタロール2’の端面2a部分の折れを発生しにくくすることができる。なお、PETシート10’の外径は、紙管3の外径の寸法精度のばらつきを考慮して紙管3の外径よりもやや小さく形成されていてもよい。
【0034】
なお、本発明の摩擦減少手段は、上述した実施形態や変形例等に限らず、例えば、特開平9−226088号公報の図22ないし図31に示されていると同様の実施形態例やその変形例等にも適用することができる。つまり、本発明の摩擦減少手段は、マスタが芯管の周りにロール状に巻かれたマスタロールの芯管の端面に当接し、かつ、芯管内に嵌入してマスタロールを回転可能に支持するマスタロール支持手段を有する製版装置におけるマスタロールの支持構造を具備しているものならば、どのような製版装置にも応用できるものである。
【0035】
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態や変形例等に限定されるものではなく、これらを適宜組合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明によれば、上記構成により、マスタロール支持手段に設けられた摩擦減少手段を介してマスタロール支持手段と芯管の端面とが当接するので、マスタロールと芯管とが回転することに伴う異音を発生することがなく、また、マスタロールから引き出されるマスタに付与されるバックテンション(張力)のばらつきを小さく抑えることができ、これによってマスタの送り量が安定することで画像の寸法再現精度を安定することができ、芯管の端面からマスタの側端がはみ出して巻かれているマスタロールを使用する場合であっても、そのはみ出した部分のマスタロールの端面に摩擦減少手段の外周縁が接触するようなことがなくなるので、マスタロールの端面部分の折れを発生しにくくすることができ、さらに、マスタロール支持手段はマスタロールの端面との接触を避けるための逃げ凹部を有することにより、マスタロールの端面部分の折れを確実に防止することができると共に、摩擦減少手段をマスタロール支持手段および芯管の端面の両方に設けた場合や、芯管の端面に設けた場合と比較して、摩擦力の安定化および経済性の点から有利である。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、上記構成により、請求項1記載の製版装置の効果を奏する孔版印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す製版装置におけるマスタロールの支持構造の要部の一部断面平面図である。
【図2】図1の製版装置の要部の平面図である。
【図3】図2の製版装置を備えた孔版印刷装置の要部の一部断面正面図である。
【図4】(a)はマスタロールから引き出されるときに付与されるバックテンションの最小値と最大値とを説明するための説明図であり、(b)は本発明の未実施および実施時におけるバックテンションの最小値と最大値とのばらつきを説明する図表である。
【図5】図1の実施形態の変形例を示す製版装置におけるマスタロールの支持構造の要部の一部断面平面図である。
【図6】従来の製版装置におけるマスタロールの支持構造の問題点を説明する要部の一部断面平面図である。
【図7】従来の製版装置におけるマスタロールの支持構造およびその動作の問題点を簡略化して説明する一部断面平面図である。
【図8】従来の製版装置におけるマスタロールの支持構造およびその動作の問題点を簡略化して説明する要部の一部断面平面図である。
【符号の説明】
1 マスタ
2,2’ マスタロール
2a マスタロールの端面
3 芯管としての紙管
3a 紙管の端面
4a,4b マスタロール支持手段としてのロールフランジ対
4d 逃げ凹部
5 案内部材
6 圧縮バネ
10,10’ 摩擦減少手段としてのPETシート
15 製版装置
16 製版装置を構成するマスタ保持ユニット
MB マスタ幅方向
T マスタ搬送方向
Claims (2)
- マスタが芯管の周りにロール状に巻かれたマスタロールの上記芯管の端面に当接し、かつ、上記芯管内に嵌入して上記マスタロールを回転可能に支持するマスタロール支持手段を有する製版装置において、
上記マスタロール支持手段は、上記マスタロールの端面との接触を避けるためのリング帯溝状の逃げ凹部を備えており、
上記マスタロールの各端面は、上記芯管の各端面と略同じ位置に形成されており、
上記マスタロール支持手段と上記芯管の端面とが当接するときの摩擦力を減少させる摩擦減少手段を上記マスタロール支持手段に設け、
上記摩擦減少手段は、上記芯管の端面の外径寸法と同じかまたは該外径寸法よりもやや小さく形成されていて略リング状をなすことを特徴とする製版装置。 - 請求項1記載の製版装置と、孔版印刷工程部とを具備することを特徴とする孔版印刷装置。
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