JP4292700B2 - 斜板式圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸と一体的に回転する斜板に接する平坦面部と、ピストンの嵌合凹部に嵌合する球面部とを備えたシューを前記斜板と前記ピストンとの間に介在し、前記斜板の回転力を前記シューを介して前記ピストンに伝えて前記ピストンを往復動させ、前記斜板の前記シューに対する摺接領域に摺接膜を設けた斜板式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特公昭61−1636号公報、特開平11−193780号公報に開示されるように、斜板式圧縮機におけるピストンは、回転軸と一体的に回転する斜板の回転動作によって往復動される。斜板の前後の端面とピストンとの間にはそれぞれシューが介在されており、斜板の回転力がシューを介してピストンに伝えられる。鉄系の材質製のシューは回転する斜板に摺接するため、シューと斜板との間の摺接部位が摩耗したり、シューと斜板との間で焼き付きを生じるおそれがある。そのため、シューに対する斜板の摺動性を向上する必要がある。
【0003】
特公昭61−1636号公報における圧縮機では、半球形状のシューの平面部を極めて大きな曲率半径の凸曲面とし、この凸曲面の外周縁に第1及び第2の面取り部を設けている。第1の面取り部の内側にある第2の面取り部の傾斜角は、第1の面取り部の傾斜角よりも小さくしてある。第1及び第2の面取り部は、シューに対して摺接する斜板の端面上の油をシューと斜板の端面との間に引き込む機能を有する。シューと斜板の端面との間に多くの油を引き込む構成は、シューに対する斜板の摺動性を向上する。
【0004】
シューに対する斜板の摺動性をさらに向上するため、特開平11−193780号公報における斜板では、シューに対して摺接する斜板の前後の端面に摺接性に優れた摺接膜が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
圧縮機内部、外部冷媒回路内には異物(部品研削加工時の研削屑、摩耗粉等)があるため、特開平6−336978号公報のように冷媒ガスの通路上にフィルタを配置する対策が成される。フィルタにおける目詰まりを回避するため、ある大きさ以上の異物のみを濾過し得るフィルタが用いられる。このようなフィルタを通過した異物が斜板とシューとの間に入り込む可能性がある。斜板に摺接膜を施した圧縮機では、斜板とシューとの間に入り込んだ異物の大きさによっては摺接膜に傷が付くおそれがある。摺接膜に傷が付くと、摺接膜の摺接性が低下する。
【0006】
本発明は、異物が摺接膜の摺接性を低下させるような悪影響を与えないようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、回転軸と一体的に回転する斜板に接する平坦面部と、ピストンの嵌合凹部に嵌合する球面部とを備えたシューを前記斜板と前記ピストンとの間に介在し、前記斜板の回転力を前記シューを介して前記ピストンに伝えて前記ピストンを往復動させ、前記斜板の前記シューに対する摺接領域に摺接膜を設けた斜板式圧縮機を対象とし、請求項1の発明では、前記シューの平坦面部の外周側に主面取り部を設け、前記平坦面部の中心に接する平面に対する前記主面取り部の傾き角を所定の角度以下の緩い傾き角とし、前記摺接膜を前記主面取り部と前記平面との最大間隔以上の膜厚とするととともに、鉄又はアルミニウムよりなる異物より軟質とした。
【0008】
平坦面部の中心に接する平面に対する傾き角が所定の角度以下となる主面取り部は、前記平面との間隔が摺接膜の膜厚以下となっている。また、摺接膜は、鉄又はアルミニウムよりなる異物より軟質としている。そのため、摺接膜の膜厚より小さい径の異物が主面取り部と斜板との間に入り込んだ場合は、異物が摺接膜に完全に埋め込まれるので、シューと斜板との間に挟み込まれた状態で転動することはない。摺接膜の膜厚より大きい径の異物が主面取り部と斜板との間に入り込んだ場合は、異物が、シューと斜板との間に挟み込まれた状態で転動することがあり、摺接膜を傷付けることがある。このように、摺接膜を傷つけるのは、摺接膜の膜厚よりも大きい径の異物であるが、摺接膜の膜厚よりも大きい径の異物が主面取り部と斜板との間に入り込むことは難しい。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、前記主面取り部を包囲し、かつ前記主面取り部に連なるように副面取り部が設けられており、前記副面取り部の傾き角は前記所定の角度よりも大きくした。
【0010】
平坦面部の中心に接する平面に対する傾き角が所定の角度よりも大きい副面取り部は、平坦面部と斜板との間への油の引き入れに有効である。又、傾き角が大きいため、副面取り部に当接した異物は、そこで止められてシューの内側に入り込まない。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記平坦面部は、前記平面に対する傾き角が前記主面取り部の傾き角以下である凸面部と、前記主面取り部とから構成した。
【0012】
凸面部は、斜板と平坦面部の中心部との間への油引き入れに寄与する。
請求項4の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記所定の角度を20°とした。
【0013】
主面取り部の傾き角が20°を越えると、摺接膜の膜厚よりも大きい径の異物が主面取り部と斜板との間に入り込んでも、摺接膜を傷付けるおそれは殆どない。
【0014】
請求項5の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記摺接膜は、斜板の摺接領域の面に形成された金属層と、前記金属層の上に形成された固体潤滑剤含有の樹脂層とから構成した。
【0015】
樹脂層は、無潤滑油状態において特に有効であるが、異物によって傷付き易い。摺接膜の膜厚よりも大きい径の異物が主面取り部と斜板上の樹脂層との間に入り込むことは難しい。
【0016】
請求項6の発明では、請求項5において、前記斜板は鉄系の材質製であり、前記金属層は、アルミニウム系又は銅系の材質製とした。
アルミニウム系又は銅系の材質は、金属層として好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0018】
図1(a)は可変容量型圧縮機の内部構造を示す。制御圧室121を形成するフロントハウジング12とシリンダブロック11とには回転軸13が支持されている。回転軸13は、外部駆動源(例えば車両エンジン)から回転駆動力を得る。回転軸13には回転支持体14が止着されていると共に、斜板15が回転軸13の軸方向へスライド可能かつ傾動可能に支持されている。鉄系の材質製の斜板15には支持体151が一体形成されており、支持体151にはガイドピン16が止着されている。ガイドピン16は、回転支持体14に形成されたガイド孔141にスライド可能に嵌入されている。斜板15は、ガイド孔141とガイドピン16との連係により回転軸13の軸方向へ傾動可能かつ回転軸13と一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、ガイド孔141とガイドピン16とのスライドガイド関係、及び回転軸13のスライド支持作用により案内される。
【0019】
斜板15の傾角は、制御圧室121内の圧力制御に基づいて変えられる。制御圧室121内の圧力が増大すると斜板15の傾角が減少し、制御圧室121内の圧力が減少すると斜板15の傾角が増大する。制御圧室121内の冷媒は、図示しない放圧通路を介してリヤハウジング19内の吸入室191へ流出しており、リヤハウジング19内の吐出室192内の冷媒は、図示しない圧力供給通路を介して制御圧室121へ供給可能である。前記圧力供給通路上には容量制御弁25が介在されており、吐出室192から制御圧室121へ供給される冷媒流量が容量制御弁25によって制御される。吐出室192から制御圧室121へ供給される冷媒流量が増大すると制御圧室121内の圧力が増大し、吐出室192から制御圧室121へ供給される冷媒流量が減少すると制御圧室121内の圧力が減少する。即ち、斜板15の傾角は、容量制御弁25によって制御される。
【0020】
斜板15の最大傾角は、斜板15と回転支持体14との当接によって規定される。斜板15の最小傾角は、回転軸13上のサークリップ24と斜板15との当接によって規定される。
【0021】
シリンダブロック11において回転軸13の周りには複数のシリンダボア111〔図1(a)では2つのみ示す〕が配列されている。各シリンダボア111にはピストン17が収容されている。ピストン17には保持部171が形成されており、保持部171には一対の球面形状の嵌合凹部172,173が形成されている。図1(b)に示すように、嵌合凹部172には半球形状のシュー18Aが離脱不能に保持されており、嵌合凹部173には半球形状のシュー18Bが離脱不能に保持されている。
【0022】
回転軸13と一体的に回転する斜板15の回転運動は、半球形状のシュー18A,18Bを介してピストン17の前後往復運動に変換され、ピストン17がシリンダボア111内を前後動する。鉄系の材質製のシュー18Aは斜板15の一方の摺接面30に摺接し、鉄系の材質製のシュー18Bは斜板15の他方の摺接面31に摺接する。
【0023】
吸入室191内の冷媒は、ピストン17の復動動作〔図1(a)において右側から左側への移動〕によりバルブプレート20上の吸入ポート201から弁形成プレート21上の吸入弁211を押し退けてシリンダボア111内へ流入する。シリンダボア111内へ流入した冷媒は、ピストン17の往動動作〔図1(a)において左側から右側への移動〕によりバルブプレート20上の吐出ポート202から弁形成プレート22上の吐出弁221を押し退けて吐出室192へ吐出される。吐出弁221は、リテーナ形成プレート23上のリテーナ231に当接して開度規制される。
【0024】
吐出室192と吸入室191とは、外部冷媒回路26を介して接続している。吐出室192から外部冷媒回路26へ流出した冷媒は、凝縮器27、膨張弁28及び蒸発器29を経由して吸入室191へ還流する。
【0025】
図1(a),(b)に示すように、シリンダブロック11に対向する斜板15の端面152,153には摺接膜32,33が形成されている。摺接膜32,33は、摺接領域となる端面152,153上に形成された金属層321,331と、金属層321,331上に形成された樹脂層322,332との2層構造である。樹脂層322,332の表面が摺接面30,31になる。
【0026】
斜板15の本来の地表面である端面152,153上に形成される金属層321,331は、シリコン含有のアルミニウムを主材としたアルミニウム系の材質からなる。金属層321,331上に形成される樹脂層322,332は、固体潤滑剤(例えば二硫化モリブデン、黒鉛等)をポリアミドイミド等の樹脂に分散した材質からなる。即ち、摺接膜32,33は、斜板15の地金よりも遙かに軟質の材質からなる。金属層321,331の厚みは60〜70μm程度であり、樹脂層322,332の厚みは10〜20μm程度である。摺接膜32,33の厚みDは、70〜90μm程度である。
【0027】
図2に示すように、半球形状のシュー18A,18Bは、斜板15に接する平坦面部34と、ピストン17の嵌合凹部172,173に嵌合する球面部35とを備える。平坦面部34は、非常に大きな曲率半径を有する球面形状の凸面部341と、凸面部341の周縁に滑らかに連なる環状の主面取り部342とからなる。主面取り部342の周囲には環状の副面取り部36が主面取り部342の周縁に滑らかに連なるように形成されている。
【0028】
図3は、平坦面部34及び副面取り部36のプロフィルを平坦面部34と直交する方向に引き延ばした擬似プロフィルを表す。点Pは、平坦面部34の中心を表し、Hは平坦面部34の中心Pに接する平面を表す。平面Hに対する主面取り部342の傾き角θ1の平均は、数度程度であり、平面Hに対する副面取り部36の傾き角θ2の平均は、40°程度である。傾き角θ1,θ2は、シュー18A,18Bの半径方向において主面取り部342及び副面取り部36に接する接線の平面Hに対する傾きである。平面Hと凸面部341との最大間隔αは数μm程度であり、平面Hと主面取り部342との最大間隔βは10μm程度である。平面Hと副面取り部36との最大間隔γは摺接膜32,33の膜厚Dよりも大きくしてある。
【0029】
斜板15の回転に伴い、シュー18A,18Bによって掃過される斜板15の摺接面30,31上の潤滑油は、副面取り部36と斜板15の摺接面30,31との間から、主面取り部342と斜板15の摺接面30,31との間及び凸面部341と斜板15の摺接面30,31との間へと引きこまれる。
【0030】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1-1)平坦面部34の中心Pに接する平面Hに対する主面取り部342の傾き角θ1の平均は数度程度と小さく、このような小さな傾き角θ1の主面取り部342と斜板15の地金との間に異物が挟みこまれると、摺接膜32,33が傷つく。しかし、主面取り部342と摺接面30,31との最大間隔βは、10μm程度であり、摺接膜32,33の膜厚D(70〜90μm程度)よりも径の大きい異物が主面取り部342と摺接面30,31との間に入り込むことはない。
【0031】
一方、摺接膜32,33の膜厚Dよりも大きい径の異物は、副面取り部36と摺接面30,31との間に入り込む。しかし、平面Hに対する副面取り部36の傾き角θ2の平均を40°程度とした構成では、異物が副面取り部36と摺接面30,31との間で挟みこまれることはない。
【0032】
従って、摺接膜32,33を傷つけ易い膜厚Dよりも大きい異物が斜板15の地金とシュー18A,18Bとの間で挟みこまれることはなく、異物による摺接膜32,33の損傷が防止される。
【0033】
アルミニウムの異物及び鉄の異物を制御圧室121に投入しておき、圧縮機を1時間運転して樹脂層322,332の損傷を調べるという試験を行なった。異物の全量の重量は12mg、アルミニウムの異物と鉄の異物との重量割合は2:1、異物の最大径は100μmとした。この試験では、樹脂層322,332に摩耗が発生していないことが確認された。
【0034】
(1-2)傾き角θ2の大きい副面取り部36は、シュー18A,18Bによって掃過される斜板15の摺接面30,31上の潤滑油を平坦面部34と斜板15の摺接面30,31との間へ引き入れる上で有効である。
【0035】
(1-3)副面取り部36の傾き角θ2の平均は40°程度にしてあるが、傾き角θ2が20°を越えていれば、副面取り部36と摺接面30,31との間に摺接膜32,33の膜厚Dよりも大きい径の異物が入りこんでも、異物が副面取り部36と摺接面30,31との間で挟みこまれることはない。即ち、傾き角が20°を越える面取り部と斜板15の摺接面30,31との間に膜厚Dよりも大きい径の異物が入り込んでも、摺接膜32,33が損傷するおそれが非常に少ない。従って、副面取り部36の傾き角θ2が20°を越えている場合には、主面取り部342の傾き角θ1が20°以下の場合にのみ、主面取り部342と摺接面30,32との最大間隔βを摺接膜32,33の膜厚D以下としておけば、摺接膜32,33が異物によって損傷を受けることはない。
【0036】
(1-4)異種材同士の摺接は、同種材同士の摺接に比べて焼き付き難い。鉄系の材質製の斜板15とは異種の材質であるアルムニウム系の材質は、焼き付き防止の点から摺接膜32,33を構成する金属層321,331として好適である。
【0037】
(1-5)斜板15の摺接面30,31とシュー18A,18Bの平坦面部34の中心部との間へ潤滑油を引き入れることは、摺接膜32,33の寿命を延ばす上で重要である。凸面部341は、斜板15の摺接面30,31とシュー18A,18Bの平坦面部34の中心部との間へ潤滑油を引き入れる上で大きな役割を果たす。
【0038】
(1-6)副面取り部36は、斜板15に接するような鋭角がシュー18A,18Bにできないようにする。即ち、副面取り部36は、斜板15とシュー18A,18Bとの角当たりの防止に寄与する。
【0039】
次に、図4の第2の実施の形態を示す。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付してある。
シュー18Cの凸面部341と主面取り部342Cとは、滑らかに連なっており、主面取り部342Cと副面取り部36Cとは、滑らかに連なっている。シュー18Cの平面Hに対する主面取り部342Cの傾き角θ1の平均は10°前後にしてあり、平面Hに対する副面取り部36Cの傾き角θ2の平均は第1の実施の形態の場合と同じにしてある。平面Hに対する主面取り部342Cの最大間隔βは、70〜80μm程度にしてある。摺接膜32,33の膜厚Dは第1の実施の形態の場合と同じである。
【0040】
第2の実施の形態においても第1の実施の形態の場合と同じ効果が得られる。次に、図5の第3の実施の形態を示す。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付してある。
【0041】
シュー18Dの凸面部341と主面取り部342Dとは、滑らかに連なっており、主面取り部342Dと副面取り部36Dとは、滑らかに連なっている。シュー18Dの平面Hに対する主面取り部342Dの傾き角θ1の平均は10°前後にしてあり、平面Hに対する副面取り部36Dの傾き角θ2の平均は60°程度にしてある。平面Hに対する主面取り部342Dの最大間隔βは、70〜80μm程度にしてある。摺接膜32,33の膜厚Dは第1の実施の形態の場合と同じである。
【0042】
第3の実施の形態においても第1の実施の形態の場合と同じ効果が得られる。
次に、図6の第4の実施の形態を示す。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付してある。
【0043】
シュー18Eの凸面部341と主面取り部342Eとは、滑らかに連なっており、主面取り部342Eと副面取り部36Eとは、滑らかに連なっている。主面取り部342Eは、凸面形状の凸面取り部342E1と、凸面取り部342E1を包囲する凹面取り部342E2とからなる。凸面取り部342E1と凹面取り部342E2とは滑らかに連なっている。シュー18Eの平面Hに対する主面取り部342Eの傾き角θ1の平均は10°前後にしてあり、平面Hに対する副面取り部36Eの傾き角θ2の平均は40°程度にしてある。平面Hに対する主面取り部342Dの最大間隔βは、70〜80μm程度にしてある。摺接膜32,33の膜厚Dは第1の実施の形態の場合と同じである。
【0044】
第4の実施の形態においても第1の実施の形態の場合と同じ効果が得られる。
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
(1)固体潤滑剤を含む樹脂製の摺接膜のみを備えた斜板を用いた圧縮機に本発明を適用すること。
(2)金属製の摺接膜のみを備えた斜板を用いた圧縮機に本発明を適用すること。
(3)第2〜第4の実施の形態において、副面取り部を無くし、主面取り部をシューの球面部に直接接続すること。
【0045】
前記した実施の形態から把握できる請求項記載以外の発明について以下に記載する。
(1)請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、前記主面取り部と前記平面との間隔は、前記平坦面部の中心から外側へ向かうにつれて徐々に増大する斜板式圧縮機。
(2)請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、前記平坦面部は、前記平坦面部の中心を頂点とする凸曲面である斜板式圧縮機。
(3)請求項5において、前記金属層は、斜板の材質よりも軟質の金属からなる斜板式圧縮機。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、シューの平坦面部の外周側に主面取り部を設け、前記平坦面部の中心に接する平面に対する前記主面取り部の傾き角を所定の角度以下の緩い傾き角とし、前記主面取り部と前記平面との最大間隔を前記摺接膜の膜厚以下としたので、異物が摺接膜の摺接性を低下させるような悪影響を与えないようにし得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、(a)は圧縮機全体の側断面図。(b)は要部拡大側断面図。
【図2】要部拡大側断面図を組み込んだ拡大側面図。
【図3】シューの擬似プロフィール。
【図4】第2の実施の形態を示す要部拡大側断面図。
【図5】第3の実施の形態を示す要部拡大側断面図。
【図6】第4の実施の形態を示す要部拡大側断面図。
【符号の説明】
13…回転軸。15…斜板。152,153…摺接領域となる端面。17…ピストン。172,173…嵌合凹部。18A,18B,18C,18D,18E…シュー。32,33…摺接膜。321,331…金属層。322,332…樹脂層。34…平坦面部。341…凸面部。342…主面取り部。35…球面部。36…副面取り部。H…平面。P…平坦面部の中心。

Claims (6)

  1. 回転軸と一体的に回転する斜板に接する平坦面部と、ピストンの嵌合凹部に嵌合する球面部とを備えたシューを前記斜板と前記ピストンとの間に介在し、前記斜板の回転力を前記シューを介して前記ピストンに伝えて前記ピストンを往復動させ、前記斜板の前記シューに対する摺接領域に摺接膜を設けた斜板式圧縮機において、
    前記シューの平坦面部の外周側に主面取り部を設け、前記平坦面部の中心に接する平面に対する前記主面取り部の傾き角を所定の角度以下の緩い傾き角とし、前記摺接膜を前記主面取り部と前記平面との最大間隔以上の膜厚とするととともに、鉄又はアルミニウムよりなる異物より軟質とした斜板式圧縮機。
  2. 前記主面取り部を包囲し、かつ前記主面取り部に連なるように副面取り部が設けられており、前記副面取り部の傾き角は前記所定の角度よりも大きくした請求項1に記載の斜板式圧縮機。
  3. 前記平坦面部は、前記平面に対する傾き角が前記主面取り部の傾き角以下である凸面部と、前記主面取り部とからなる請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機。
  4. 前記所定の角度を20°とした請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機。
  5. 前記摺接膜は、斜板の摺接領域の面に形成された金属層と、前記金属層の上に形成された固体潤滑剤含有の樹脂層とからなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機。
  6. 前記斜板は鉄系の材質製であり、前記金属層は、アルミニウム系又は銅系の材質製である請求項5に記載の斜板式圧縮機。
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