JP4291861B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、一般的な乗用車に装着されるタイヤとして好適な空気入りタイヤに関するものである。
従来の空気入りタイヤでは、雨などで濡れた路面での走行安定性を確保するため、排水性の向上が重要な要素となることから、一般的にタイヤ周方向に沿って形成されたストレート主溝を形成することにより、排水性の向上を図っている。しかし、このストレート主溝は、気柱共鳴騒音の抑制が困難であるため、騒音の低減を図ることが困難なものとなっていた。そこで、従来の空気入りタイヤでは、形状の異なる主溝を複数設けることにより、排水性と静粛性の性能を両立させているものがある。
例えば、下記特許文献1に記載された空気入れタイヤでは、ストレート主溝をタイヤ幅方向の中央に配置し、このストレート主溝におけるタイヤ幅方向の両側に複数の弧状溝がタイヤ周方向に連続的に繰り返すように形成された弧状湾曲主溝を配置し、この弧状湾曲主溝におけるタイヤ幅方向の外側に溝幅の狭い補助溝を配置し、更に、この補助溝を斜めに横切るように複数の傾斜溝を配置している。従って、排水性を確保しつつ、騒音性能を向上することができる。
特開2004−168142号公報
ところが、上述した特許文献1に記載された従来の空気入りタイヤにあっては、タイヤ周方向に沿ってストレート主溝と弧状湾曲主溝と補助溝を配置すると共に、補助溝を斜めに横切る複数の傾斜溝を配置することで、排水性と騒音性能を向上することができる。ところが、この場合、複数の傾斜溝を配置することで高い排水性を確保することができるものの、弧状湾曲主溝や補助溝で発生する気柱共鳴騒音が高周波ロードノイズとして複数の傾斜溝から外側に伝達され、騒音が発生しやすい。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、高い排水性を維持することで走行安定性を向上すると共に騒音の発生を抑制することで静粛性を向上する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明の空気入りタイヤは、トレッド面における赤道線の両側にタイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝が設けられた空気入りタイヤにおいて、一端部がタイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝に連通して他端部がタイヤ接地端に連通しないタイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝と、一端部がタイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝に連通せずに他端部がタイヤ接地端に連通するタイヤ幅方向に沿って延びる第2ラグ溝とがタイヤ周方向に交互に複数設けられ、タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝と前記タイヤ接地端との間にある前記第1ラグ溝と前記第2ラグ溝が途中で切れ、且つ、前記第1ラグ溝と前記第2ラグ溝の端部同士がタイヤ幅方向で所定の重なり代を有して、タイヤ周方向で連続する陸部を形成すると共に、前記第1ラグ溝の他端部からタイヤ接地端までの長さをL1とし、前記タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝から前記第2ラグ溝の一端部までの長さをL2とし、タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝からタイヤ接地端までの長さをLWとするとき、
0.1<L1/LW≦0.45
0.1<L2/LW≦0.45
の条件を満たすことを特徴としている。
請求項2の発明の空気入りタイヤでは、前記第1ラグ溝と前記第2ラグ溝の重なり代は、タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝からタイヤ接地端までのタイヤ幅方向の長さの10%以上に設定されることを特徴としている。
請求項の発明の空気入りタイヤでは、タイヤ接地幅をTWとし、赤道面からタイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝の外側側壁までの長さをL0とするとき、
0.3(TW/2)<L00.6(TW/2)
の条件を満たすことを特徴としている。
請求項の発明の空気入りタイヤでは、タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝の幅は、5mm以上で20mm以下に設定され、前記第1ラグ溝及び前記第2ラグ溝の幅は、1.5mm以上で8.0mm以下に設定されることを特徴としている。
請求項の発明の空気入りタイヤでは、前記第1ラグ溝及び前記第2ラグ溝は、タイヤ周方向に沿ってそれぞれ45本から90本の範囲で設けられることを特徴としている。
請求項の発明の空気入りタイヤでは、前記第2ラグ溝の幅は、前記第1ラグ溝の幅より大きく設定されることを特徴としている。
請求項の発明の空気入りタイヤでは、前記第2ラグ溝の幅は、前記第1ラグ溝の幅の1.2倍から2.5倍に設定されることを特徴としている。
請求項の発明の空気入りタイヤでは、前記複数の第1ラグ溝の他端部とタイヤ接地端との間に、少なくとも一端部が前記第2ラグ溝に連通しない閉塞溝がタイヤ周方向に沿って設けられることを特徴としている。
請求項の発明の空気入りタイヤでは、前記閉塞溝は、両端部が前記第2ラグ溝に連通せず、長さが前記第2ラグ溝のピッチの35%から70%の範囲にあり、且つ、各端部から前記第2ラグ溝までの長さが5mm以上に設定されることを特徴としている。
請求項10の発明の空気入りタイヤでは、前記閉塞溝からタイヤ接地端までの長さが5mmから15mmに設定されることを特徴としている。
請求項1の発明の空気入りタイヤによれば、トレッド面における赤道線の両側に複数の主溝を設けると共に、一端部がタイヤ幅方向の最も外側に位置する主溝に連通して他端部がタイヤ接地端に連通しないタイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝と、一端部がタイヤ幅方向の最も外側に位置する主溝に連通せずに他端部がタイヤ接地端に連通するタイヤ幅方向に沿って延びる第2ラグ溝とをタイヤ周方向に交互に複数設け、タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝と前記タイヤ接地端との間にある前記第1ラグ溝と前記第2ラグ溝が途中で切れ、且つ、第1ラグ溝と第2ラグ溝の端部同士がタイヤ幅方向で所定の重なり代を有して、タイヤ周方向で連続する陸部を形成している。従って、主溝と第1、第2ラグ溝を設けることで、高い排水性を維持して走行安定性を向上することができると共に、主溝とタイヤ接地端との間にある第1ラグ溝と第2ラグ溝が途中で切れ、且つ、第1ラグ溝と第2ラグ溝に重なり代があることから、主溝で発生した気柱共鳴騒音が高周波ロードノイズとして複数のラグ溝から外側に伝達されることが抑制され、騒音の発生を抑制することで静粛性を向上することができる。しかも、この空気入りタイヤによれば、第1ラグ溝の他端部からタイヤ接地端までの長さL1と、主溝から第2ラグ溝の一端部までの長さL2と、主溝からタイヤ接地端までの長さLWの関係を、
0.1<L1/LW≦0.45
0.1<L2/LW≦0.45
とするので、第1ラグ溝と第2ラグ溝の重なり代を適正領域とすることで、排水性と静粛性の両立を可能とすることができる。この場合、第1ラグ溝と第2ラグ溝の重なり代が所定範囲より小さいときには、排水性が低下するおそれがあり、第1ラグ溝と第2ラグ溝の重なり代が所定領域より大きいときには、摩耗により静粛性が低下してしまうおそれがある。
請求項2の発明の空気入りタイヤによれば、第1ラグ溝と第2ラグ溝の重なり代を、タイヤ幅方向の最も外側に位置する主溝からタイヤ接地端までのタイヤ幅方向の長さの10%以上に設定するので、第1ラグ溝と第2ラグ溝の重なり代を十分に確保することで、排水性を向上することができると共に、騒音の発生を抑制することができる。
請求項の発明の空気入りタイヤによれば、タイヤ接地幅TWと、赤道面から主溝の外側側壁までの長さL0の関係を、
0.3(TW/2)<L00.6(TW/2)
とするので、主溝を赤道線側に近づいた位置に設けることとなり、排水性を向上することができる。
請求項の発明の空気入りタイヤによれば、主溝の幅を5mm以上で20mm以下に設定し、第1ラグ溝及び第2ラグ溝の幅を1.5mm以上で8.0mm以下に設定するので、主溝の幅と各ラグ溝の幅を適正値とすることで、排水性と静粛性の両立を可能とすることができる。
請求項の発明の空気入りタイヤによれば、第1ラグ溝及び第2ラグ溝をタイヤ周方向に沿ってそれぞれ45本から90本の範囲で設けるので、各ラグ溝のピッチを適正値とすることで、静粛性を向上することができると共に、陸部の剛性の低下を抑制して耐久性を向上することができる。この場合、第1ラグ溝及び第2ラグ溝が所定本数より少ないときには、陸部の剛性が高すぎてパターンノイズが悪化するおそれがあり、第1ラグ溝及び第2ラグ溝が所定本数より多いときには、陸部の剛性が低すぎて操縦安定性が悪化するおそれがある。
請求項の発明の空気入りタイヤによれば、第2ラグ溝の幅を第1ラグ溝の幅より大きく設定するので、第1ラグ溝を細くすることで、パターンノイズの悪化を抑制することができると共に、第2ラグ溝を太くすることで、排水性を向上することができる。
請求項の発明の空気入りタイヤによれば、第2ラグ溝の幅を第1ラグ溝の幅の1.2倍から2.5倍に設定するので、第2ラグ溝を適正値にすることで、十分な排水性を確保することができると共に、パターンノイズの悪化を抑制することができる。
請求項の発明の空気入りタイヤによれば、複数の第1ラグ溝の他端部とタイヤ接地端との間に、少なくとも一端部が第2ラグ溝に連通しない閉塞溝をタイヤ周方向に沿って設けるので、主溝とタイヤ接地端との間に形成される陸部の剛性を低下させて乗心地を良好にすることができると共に、静粛性を確保することができる。
請求項の発明の空気入りタイヤによれば、閉塞溝の両端部が第2ラグ溝に連通せず、その長さを第2ラグ溝のピッチの35%から70%の範囲とし、且つ、各端部から第2ラグ溝までの長さを5mm以上に設定するので、閉塞溝の位置を適正位置とすることで、パターンノイズの悪化を抑制することができると共に、良好な乗心地を確保することができる。この場合、閉塞溝の長さが所定領域より小さいときには、良好な乗心地を確保することができないおそれがあり、閉塞溝の長さが所定領域より大きいときには、ショルダー部の曲げ剛性が低下してロードノイズが悪化するおそれがあり、また、閉塞溝の端部から第2ラグ溝までの長さが所定値より小さいときには、摩耗により静粛性が低下してしまうおそれがある。
請求項10の発明の空気入りタイヤによれば、閉塞溝からタイヤ接地端までの長さを5mmから15mmに設定するので、乗心地と静粛性の両立を可能とすることができる。この場合、閉塞溝からタイヤ接地端までの長さが所定範囲より小さいときには、陸部の剛性が高すぎて摩耗が促進してしまうおそれがあり、閉塞溝からタイヤ接地端までの長さが所定範囲より大きいときには、乗心地が低下してしまうおそれがある。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る空気入りタイヤを表すトレッド部の平面図、図2は、実施例1の空気入りタイヤを表す概略断面図である。
なお、以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向であり、タイヤ幅方向内方とは、タイヤ幅方向において赤道面(赤道線)に向かう方向であり、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面(赤道線)に向かう方向の反対方向である。また、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向であり、タイヤ周方向とは、空気入りタイヤの回転軸を回転の中心として回転する方向である。更に、タイヤ内側とは、空気入りタイヤを正規リムにリム組みして車体に装着したとき、この車体の内側に位置する方向であり、タイヤ外側とは、このとき、車体の外側に位置する方向である。
実施例1において、図1及び図2に示すように、この空気入りタイヤ11は、トレッド部とその両側に連続するショルダー部とサイドウォール部とビード部から構成されている。そして、このトレッド部は、タイヤ径方向の最も外側に形成されており、このトレッド部の表面、即ち、この空気入りタイヤ11を装着する車両(図示省略)が走行した場合に、路面と接触する面がトレッド面12として形成されている。そして、このトレッド面12には、赤道線O1に対して、タイヤ幅方向外側の所定位置に左右一対の接地端13が設定されており、接地端13の間隔が接地幅TWとして設定されている。本実施例では、図1及び図2にて、左側がタイヤ内側であり、右側がタイヤ外側となっている。
ここで、接地幅TWとは、空気入りタイヤ11を正規リムにリム組みし、且つ、正規内圧を充填するとともに正規荷重をかけたときに、この空気入りタイヤ11が路面と接地するときのタイヤ幅方向の幅である。ここで、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
空気入りタイヤ11は、トレッド面12には、赤道線O1の両側に位置して、タイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝、つまり、第1主溝21と第2主溝22が設けられている。この第1主溝21及び第2主溝22は、赤道線O1と平行なストレート主溝となっている。そして、各第1主溝21におけるタイヤ幅方向内方側に、複数の突起溝23がタイヤ周方向に所定間隔で設けられ、各第2主溝22におけるタイヤ幅方向内方側に、複数の傾斜溝24がタイヤ周方向に所定間隔で設けられている。この場合、対向する左右の突起溝23同士は、その傾斜方向が逆方向であり、また、対向する左右の傾斜溝24同士も、その傾斜方向が逆方向である。
この場合、各第2主溝22が、空気入りタイヤ11のタイヤ幅方向の最も外側に位置する主溝となっており、赤道線O1から一方の接地端13のまでの長さをTW/2とするとき、この第2主溝22の位置、つまり、赤道面O1から第2主溝22の外側側壁22aまでの長さL0は、下記に表す条件を満たす位置となっている。
0.3(TW/2)<L00.6(TW/2)
なお、好ましくは、下記に表す条件を満たす位置とするとよい。
0.33(TW/2)<L0<0.55(TW/2)
また、第2主溝22の幅は、5mm以上で20mm以下に設定することが好ましい。
なお、本実施例では、トレッド面12における赤道線O1の両側にタイヤ周方向に沿って延びる2つの主溝21,22を設けており、各第2主溝22が、空気入りタイヤ11のタイヤ幅方向の最も外側に位置する主溝となっている。この場合、主溝の数は、片側2つに限らず、3つ以上設けてもよいものである。
第2主溝22とタイヤ接地端13との間には、タイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝25と第2ラグ溝26がタイヤ周方向に交互に複数設けられている。第1ラグ溝25は、一端部25aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝22に連通し、他端部25bがタイヤ接地端13に連通せず、タイヤ幅方向に沿って延びると共にタイヤ周方向に湾曲した形状となっている。第2ラグ溝26は、一端部26aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝22に連通せず、他端部26bがタイヤ接地端13に連通し、タイヤ幅方向に沿って延びると共にタイヤ周方向に湾曲した形状となっている。この場合、タイヤ内側(図1にて左側)とタイヤ外側(図1にて右側)とで、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の湾曲方向が逆方向となっている。
そして、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の端部同士、つまり、第1ラグ溝25の他端部25bと第2ラグ溝26の一端部26aがタイヤ幅方向で重なり、所定の重なり代L3が設定されている。この第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の端部同士の重なり代L3は、第2主溝22からタイヤ接地端13までのタイヤ幅方向の長さLWの10%以上に設定されている。
具体的には、第1ラグ溝25の他端部25bからタイヤ接地端13までの長さをL1とし、第2主溝22から第2ラグ溝26の一端部26aまでの長さをL2とし、第2主溝22からタイヤ接地端13までの長さをLWとするとき、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の位置は、下記に表す条件を満たす位置となっている。
0.1<L1/LW0.45
0.1<L2/LW0.45
なお、好ましくは、下記に表す条件を満たす位置となっている。
0.3<L1/LW<0.4
0.2<L2/LW<0.4
また、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝26の幅は、1.5mm以上で8.0mm以下に設定され、好ましくは、1.8mm以上で4.0mm以下にするとよい。更に、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝26は、タイヤ周方向に沿ってそれぞれ45本から90本の範囲で設けられている。この場合、第1ラグ溝25のピッチ長、第2ラグ溝26のピッチ長、または、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26のピッチ長を変化させつつ配列することが好ましい。即ち、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の周方向に配置に関し、ピッチバリエーション構造を採用することが好ましい。これにより、パターンノイズ低減されてタイヤの騒音性能が向上する利点がある。
ここで、比較例と実施例1とにおける排水性(操縦安定性)と静粛性(ロードノイズの発生)について比較する。この場合、下記表1に示すように、比較例1の空気入りタイヤは、全てのラグ溝の一端部が主溝に連通し、他端部がタイヤ接地端に連通したものである。また、比較例2の空気入りタイヤは、第1ラグ溝の一端部が第2主溝に連通して他端部がタイヤ接地端に連通せず、第2ラグ溝の一端部が第2主溝に連通せずに他端部がタイヤ接地端に連通するものの、第1ラグ溝と第2ラグ溝の重なり代がないものである。一方、実施例1の空気入りタイヤ11は、第1ラグ溝25の一端部が第2主溝22に連通して他端部がタイヤ接地端13に連通せず、第2ラグ溝26の一端部が第2主溝22に連通せずに他端部がタイヤ接地端13に連通し、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26に所定の重なり代があるものである。
Figure 0004291861
比較例1、2と実施例1を比較してみると、実施例1の空気入りタイヤ11は、比較例1の空気入りタイヤに比べて静粛性が向上しており、比較例2の空気入りタイヤに比べて排水性及び静粛性が向上していることがわかる。即ち、実施例1及び実施例1−1〜実施例1−5の実験結果から、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26を重ね、好ましくは、その重なり代を10%以上に設定することで、排水性及び静粛性が大幅に向上することがわかる。また、L1/LW及びL2/LWを0.1より大きく、且つ、0.45より小さい値に設定することで、排水性及び静粛性が向上することがわかる。更に、L0を0.3(TW/2)より大きく、且つ、0.6(TW/2)小さい値に設定することで、排水性及び静粛性が大幅に向上することがわかる。また、主溝22の幅、ラグ溝25,26の幅及び本数を適正範囲とすることで、排水性及び静粛性(ロードノイズ)が向上することがわかる。
なお、タイヤの排水性(操縦安定性)と静粛性(ロードノイズの発生)の評価を実施するための条件及び方法は、下記のものとなっている。
1)評価タイヤサイズ
215/60R16
2)タイヤの排水性(操縦安定性)の評価方法
国産3.0リットルクラスのセダン型乗用車に本実施例のタイヤを装着し、濡れた路面を走行したとき、ドライバーが官能評価により操縦安定性について10点満点で評価する。この場合、5人のドライバーによる評価を平均したものを評価点とする。なお、評価点が高いほど操縦安定性が優れたものとなる。
3)静粛性(ロードノイズの発生)の評価
国産3.0リットルクラスのセダン型乗用車に本実施例のタイヤを装着し、荒れた路面を60km/hで走行したとき、運転席側の窓付近で1kHz帯の音圧レベルを指数化して評価する。なお、評価点が低いほど静粛性が優れたものとなる。
このように実施例1の空気入りタイヤ11にあっては、トレッド面12における赤道線O1の両側にタイヤ周方向に沿って延びる第1主溝21及び第2主溝22を設け、一端部25aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝22に連通して他端部25bがタイヤ接地端13に連通しないタイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝25と、一端部26aが第2主溝22に連通せずに他端部26bがタイヤ接地端13に連通するタイヤ幅方向に沿って延びる第2ラグ溝26とをタイヤ周方向に交互に複数設け、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の端部同士をタイヤ幅方向で重なる所定の重なり代を設けている。
従って、第2主溝22と第1、第2ラグ溝25,26を設けることで、高い排水性を維持して走行安定性を向上することができると共に、第2主溝22とタイヤ接地端13との間にある第1ラグ溝25と第2ラグ溝26が途中で切れ、且つ、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26に重なり代があることから、第2主溝22で発生した気柱共鳴騒音が高周波ロードノイズ(800Hz〜1kHz)として複数のラグ溝25,26から外側に伝達されるが抑制され、騒音の発生を抑制することで静粛性を向上することができる。
また、実施例1の空気入りタイヤ11では、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の重なり代を、第2主溝22からタイヤ接地端13までのタイヤ幅方向の長さの10%以上に設定されており、好ましくは、80%以下設けるとよい。従って、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の重なり代を十分に確保することで、排水性を向上することができると共に、騒音の発生を抑制することができる。
具体的に、第1ラグ溝25の他端部25bからタイヤ接地端13までの長さL1と、第2主溝22から第2ラグ溝26の一端部26aまでの長さL2と、第2主溝22からタイヤ接地端13までの長さLWの関係を下記のように設定している。
0.1<L1/LW0.45
0.1<L2/LW0.45
従って、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の重なり代を適正領域とすることで、排水性と静粛性の両立を可能とすることができる。この場合、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の重なり代が所定範囲より小さいときには、排水性が低下するおそれがあり、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の重なり代が所定領域より大きいときには、摩耗により静粛性が低下してしまうおそれがある。また、第1ラグ溝25からタイヤ接地端13までの長さL1が短いと、陸部の剛性が高すぎて摩耗が促進されてしまう。一方、第2主溝22から第2ラグ溝26までの長さL2が短いと、摩耗時に第2ラグ溝26が第2主溝22に貫通してしまい、静粛性が悪化してしまう。
また、実施例1では、タイヤ接地幅TWと、赤道面O1から第2主溝22の外側側壁22aまでの長さL0の関係を、
0.3(TW/2)<L00.6(TW/2)
としている。従って、第2主溝22を赤道線O1側に近づいた位置に設けることとなり、中周波ロードノイズ(200Hz〜300Hz)を低減することができると共に、排水性を向上することができる。
また、実施例1では、第2主溝22の幅を5mm以上で20mm以下に設定し、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝26の幅を1.5mm以上で8.0mm以下に設定している。従って、第2主溝22の幅と各ラグ溝25,26の幅を適正値とすることで、排水性と静粛性の両立を可能とすることができる。
また、実施例1では、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝26をタイヤ周方向に沿ってそれぞれ45本から90本の範囲で設けている。従って、各ラグ溝25,26のピッチを適正値とすることで、静粛性を向上することができると共に、陸部の剛性の低下を抑制して耐久性を向上することができる。この場合、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝26が所定本数より少ないときには、陸部の剛性が高すぎて路面からの衝撃を十分に緩和することができず、パターンノイズが悪化する。一方、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝26が所定本数より多いときには、陸部の剛性が低すぎて操縦安定性が悪化する。
図3は、本発明の実施例2に係る空気入りタイヤを表すトレッド部の平面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2において、図3に示すように、この空気入りタイヤ31は、トレッド面に赤道線O1の両側に位置して、タイヤ周方向に沿って延びる第1主溝21と第2主溝22が設けられている。第2主溝22とタイヤ接地端13との間には、タイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝25と第2ラグ溝32がタイヤ周方向に交互に複数設けられている。第1ラグ溝25は、一端部25aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝22に連通し、他端部25bがタイヤ接地端13に連通せず、タイヤ幅方向に沿って延びると共にタイヤ周方向に湾曲した形状となっている。第2ラグ溝32は、一端部32aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝に連通せず、他端部32bがタイヤ接地端13に連通し、タイヤ幅方向に沿って延びると共にタイヤ周方向に湾曲した形状となっている。この場合、タイヤ内側(図3にて左側)とタイヤ外側(図3にて右側)とで、第1ラグ溝25と第2ラグ溝32の湾曲方向が逆方向となっている。
そして、第1ラグ溝25と第2ラグ溝32の端部同士、つまり、第1ラグ溝25の他端部25bと第2ラグ溝32の一端部32aがタイヤ幅方向で重なり、所定の重なり代L3が設定されている。この第1ラグ溝25と第2ラグ溝32の端部同士の重なり代L3は、第2主溝22からタイヤ接地端13までの長さLWの10%以上設けられている。
具体的には、第1ラグ溝25の他端部25bからタイヤ接地端13までの長さをL1とし、第2主溝22から第2ラグ溝32の一端部32aまでの長さをL2とし、第2主溝22からタイヤ接地端13までの長さをLWとするとき、第1ラグ溝25と第2ラグ溝32の位置は、下記に表す条件を満たす位置となっている。
0.1<L1/LW0.45
0.1<L2/LW0.45
なお、好ましくは、下記に表す条件を満たす位置となっている。
0.3<L1/LW<0.4
0.2<L2/LW<0.4
そして、第1ラグ溝25の幅は、1.5mm以上で8.0mm以下に設定され、好ましくは、1.8mm以上で4.0mm以下にするとよい。一方、第2ラグ溝32の幅は、第1ラグ溝25の幅より大きく設定されている。具体的に、第2ラグ溝32の幅は、第1ラグ溝25の幅の1.2倍から2.5倍に設定され、好ましくは、1.5倍〜2.0倍にするとよい。また、第2ラグ溝32の幅を第1ラグ溝25の幅より大きく設定する構成を、空気入りタイヤ31におけるタイヤ内側とタイヤ外側に適用することが望ましいが、特に、空気入りタイヤ31におけるタイヤ外側に適用するとよい。
更に、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝32は、タイヤ周方向に沿ってそれぞれ45本から90本の範囲で設けられている。
ここで、比較例及び実施例1と実施例2とにおける排水性(操縦安定性)と静粛性(パターンノイズの発生)について比較する。この場合、下記表2に示すように、比較例1、2の空気入りタイヤ及び実施例1の空気入りタイヤ31は、上述した実施例1で説明したものと同様のものである。そして、実施例2の空気入りタイヤ31は、第1ラグ溝25の一端部が第2主溝22に連通して他端部がタイヤ接地端13に連通せず、第2ラグ溝32の一端部が第2主溝22に連通せずに他端部がタイヤ接地端13に連通し、第1ラグ溝25と第2ラグ溝32に所定の重なり代があると共に、第2ラグ溝32の幅が第1ラグ溝25の幅より大きいものである。
Figure 0004291861
比較例1、2及び実施例1と実施例2を比較してみると、実施例2の空気入りタイヤ31は、比較例1、2の空気入りタイヤに比べて排水性及び静粛性が大幅に向上しており、実施例1の空気入りタイヤに比べて排水性が向上していることがわかる。即ち、実施例2及び実施例2−1〜実施例2−3の実験結果から、第2ラグ溝32の幅を第1ラグ溝25の幅より大きくし、好ましくは、第2ラグ溝32の幅を第1ラグ溝25の幅の1.2倍から2.5倍に設定することで、排水性及び静粛性(パターンノイズ)が大幅に向上することがわかる。
なお、タイヤの排水性(操縦安定性)と静粛性(パターンノイズの発生)の評価を実施するための条件及び方法は、下記のものとなっている。
1)評価タイヤサイズ
215/60R16
2)タイヤの排水性(操縦安定性)の評価方法
国産3.0リットルクラスのセダン型乗用車に本実施例のタイヤを装着し、濡れた路面を走行したとき、ドライバーが官能評価により操縦安定性について10点満点で評価する。この場合、5人のドライバーによる評価を平均したものを評価点とする。なお、評価点が高いほど操縦安定性が優れたものとなる。
3)静粛性(パターンノイズの発生)の評価
国産3.0リットルクラスのセダン型乗用車に本実施例のタイヤを装着し、平滑な路面を60km/hで走行したとき、運転席側の窓付近で500Hz帯の音圧レベルを指数化して評価する。なお、評価点が低いほど静粛性が優れたものとなる。
このように実施例2の空気入りタイヤ31にあっては、トレッド面12における赤道線O1の両側にタイヤ周方向に沿って延びる第1主溝21及び第2主溝22を設け、一端部25aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝22に連通して他端部25bがタイヤ接地端13に連通しないタイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝25と、一端部32aが第2主溝22に連通せずに他端部32bがタイヤ接地端13に連通するタイヤ幅方向に沿って延びる第2ラグ溝32とをタイヤ周方向に交互に複数設け、第1ラグ溝25と第2ラグ溝32の端部同士をタイヤ幅方向で重なる所定の重なり代を設けている。
従って、第2主溝22と第1、第2ラグ溝25,32を設けることで、高い排水性を維持して走行安定性を向上することができると共に、第2主溝22とタイヤ接地端13との間にある第1ラグ溝25と第2ラグ溝32が途中で切れ、且つ、第1ラグ溝25と第2ラグ溝32に重なり代があることから、第2主溝22で発生した気柱共鳴騒音が高周波ロードノイズ(800Hz〜1kHz)として複数のラグ溝25,32から外側に伝達されることが抑制され、騒音の発生を抑制することで静粛性を向上することができる。
また、実施例2の空気入りタイヤ31では、第2ラグ溝32の幅を第1ラグ溝25の幅より大きく設定している。従って、第1ラグ溝25を細くすることで、パターンノイズの悪化を抑制することができると共に、第2ラグ溝32を太くすることで、排水性を向上することができる。この場合、第2主溝21に近い第1ラグ溝25を太くすると、パターンノイズが悪化し、静粛性が低下することとなり、第2主溝21から遠く、タイヤ接地端13側の第2ラグ溝32を太くすることで、パターンノイズの悪化を抑制しながら、排水性を向上することができる。
そして、第2ラグ溝32の幅を第1ラグ溝25の幅より大きく設定する構成を、空気入りタイヤ31におけるタイヤ内側とタイヤ外側に適用することが望ましいが、特に、空気入りタイヤ31におけるタイヤ外側に適用することで、車両走行ラインの外側へ排水しやすくなり、走行安定性を向上することができる。
また、実施例2では、第2ラグ溝32の幅を第1ラグ溝25の幅の1.2倍から2.5倍に設定している。従って、第2ラグ溝32の幅を適正値にすることで、十分な排水性を確保することができると共に、パターンノイズの悪化を抑制することができる。
図4は、本発明の実施例3に係る空気入りタイヤを表すトレッド部の平面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3において、図4に示すように、この空気入りタイヤ41は、トレッド面に赤道線O1の両側に位置して、タイヤ周方向に沿って延びる第1主溝21と第2主溝22が設けられている。第2主溝22とタイヤ接地端13との間には、タイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝25と第2ラグ溝26がタイヤ周方向に交互に複数設けられている。第1ラグ溝25は、一端部25aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝22に連通し、他端部25bがタイヤ接地端13に連通せず、タイヤ幅方向に沿って延びると共にタイヤ周方向に湾曲した形状となっている。第2ラグ溝26は、一端部26aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝に連通せず、他端部26bがタイヤ接地端13に連通し、タイヤ幅方向に沿って延びると共にタイヤ周方向に湾曲した形状となっている。この場合、タイヤ内側(図4にて左側)とタイヤ外側(図4にて右側)とで、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の湾曲方向が逆方向となっている。
そして、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の端部同士、つまり、第1ラグ溝25の他端部25bと第2ラグ溝26の一端部26aがタイヤ幅方向で重なり、所定の重なり代L3が設定されている。この第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の端部同士の重なり代L3は、第2主溝22からタイヤ接地端13までの長さLWの10%以上設けられている。
具体的には、第1ラグ溝25の他端部25bからタイヤ接地端13までの長さをL1とし、第2主溝22から第2ラグ溝26の一端部26aまでの長さをL2とし、第2主溝22からタイヤ接地端13までの長さをLWとするとき、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の位置は、下記に表す条件を満たす位置となっている。
0.1<L1/LW0.45
0.1<L2/LW0.45
なお、好ましくは、下記に表す条件を満たす位置となっている。
0.3<L1/LW<0.4
0.2<L2/LW<0.4
そして、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝26の幅は、1.5mm以上で8.0mm以下に設定され、好ましくは、1.8mm以上で4.0mm以下にするとよい。また、第1ラグ溝25及び第2ラグ溝26は、タイヤ周方向に沿ってそれぞれ45本から90本の範囲で設けられている。
また、本実施例の空気入りタイヤ41は、複数の第1ラグ溝25の他端部25bとタイヤ接地端13との間に、少なくとも一端部が第2ラグ溝26に連通しない閉塞溝42がタイヤ周方向に沿って設けられている。即ち、この閉塞溝42は、第1ラグ溝25とタイヤ接地端13との間で、且つ、周方向に並設されている第2ラグ溝26の間に位置しており、周方向における両端部が第2ラグ溝26に連通していない。そして、閉塞溝42は、長さL4が第2ラグ溝26のピッチPの35%から70%の範囲にあり、且つ、各端部から第2ラグ溝26までの長さL5が5mm以上に設定されている。更に、閉塞溝42からタイヤ接地端13までの長さL6が5mmから15mmに設定されている。
即ち、本実施例の空気入りタイヤ41は、トレッド面に赤道線O1の両側に位置して第1主溝21と第2主溝22が設けられ、第2主溝22の位置が、0.3(TW/2)<L00.6(TW/2)、好ましくは、0.33(TW/2)<L0<0.55(TW/2)と赤道線O1側に寄っており、第1ラグ溝25がタイヤ接地端13に連通せず、第2ラグ溝26aが第2主溝に連通していないことから、第2主溝22よりタイヤ幅方向における外側の陸部が比較的大きなブロット体となっている。そのため、第1ラグ溝25とタイヤ接地端13との間で、且つ、第2ラグ溝26の間に周方向に沿った閉塞溝42を設けることで、陸部の剛性を低下することで、路面からトレッド面に伝わる衝撃力を緩和し、乗心地を良くしている。
ここで、比較例及び実施例1と実施例3とにおける乗心地と静粛性(ロードノイズの発生)について比較する。この場合、下記表3に示すように、比較例1、2の空気入りタイヤ及び実施例1の空気入りタイヤ41は、上述した実施例1で説明したものと同様のものである。そして、実施例3の空気入りタイヤ31は、第1ラグ溝25の一端部が第2主溝22に連通して他端部がタイヤ接地端13に連通せず、第2ラグ溝32の一端部が第2主溝22に連通せずに他端部がタイヤ接地端13に連通し、第1ラグ溝25と第2ラグ溝32に所定の重なり代があると共に、第1ラグ溝25とタイヤ接地端13との間に第2ラグ溝26に連通しない閉塞溝42を設けたものである。
Figure 0004291861
比較例1、2及び実施例1と実施例2を比較してみると、実施例3の空気入りタイヤ41は、比較例1、2の空気入りタイヤに比べて排水性及び静粛性が大幅に向上しており、実施例1の空気入りタイヤに比べて排水性が向上していることがわかる。即ち、実施例3及び実施例3−1〜実施例3−2の実験結果から、閉塞溝42の長さを第2ラグ溝32のピッチの35%から70%の範囲とし、閉塞溝42からタイヤ接地端13までの長さを5mmから15mmに設定することで、排水性及び静粛性(パターンノイズ)が大幅に向上することがわかる。
なお、タイヤの排水性(操縦安定性)と静粛性(ロードノイズの発生)の評価を実施するための条件及び方法は、前述した実施例1と同様のものとなっている。
このように実施例3の空気入りタイヤ41にあっては、トレッド面12における赤道線O1の両側にタイヤ周方向に沿って延びる第1主溝21及び第2主溝22を設け、一端部25aがタイヤ幅方向の最も外側に位置する第2主溝22に連通して他端部25bがタイヤ接地端13に連通しないタイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝25と、一端部26aが第2主溝22に連通せずに他端部26bがタイヤ接地端13に連通するタイヤ幅方向に沿って延びる第2ラグ溝26とをタイヤ周方向に交互に複数設け、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26の端部同士をタイヤ幅方向で重なる所定の重なり代を設けている。
従って、第2主溝22と第1、第2ラグ溝25,26を設けることで、高い排水性を維持して走行安定性を向上することができると共に、第2主溝22とタイヤ接地端13との間にある第1ラグ溝25と第2ラグ溝26が途中で切れ、且つ、第1ラグ溝25と第2ラグ溝26に重なり代があることから、第2主溝22で発生した気柱共鳴騒音が高周波ロードノイズ(800Hz〜1kHz)として複数のラグ溝25,26から外側に伝達されることが抑制され、騒音の発生を抑制することで静粛性を向上することができる。
また、実施例3の空気入りタイヤ41では、複数の第1ラグ溝25の他端部25bとタイヤ接地端13との間に、少なくとも一端部が第2ラグ溝26に連通しない閉塞溝42をタイヤ周方向に沿って設けている。従って、第2主溝22とタイヤ接地端13との間に形成される陸部の剛性を低下させて乗心地を良好にすることができると共に、静粛性を確保することができる。
また、実施例3の空気入りタイヤ41では、閉塞溝42の両端部が第2ラグ溝22に連通せず、その長さを第2ラグ溝26のピッチの35%から70%の範囲とし、且つ、各端部から第2ラグ溝26までの長さを5mm以上に設定している。従って、閉塞溝42の位置を適正位置とすることで、パターンノイズの悪化を抑制することができると共に、良好な乗心地を確保することができる。この場合、閉塞溝42の長さが所定領域より小さいときには、良好な乗心地を確保することができず、閉塞溝42の長さが所定領域より大きいときには、ショルダー部の曲げ剛性が低下してロードノイズが悪化する。また、閉塞溝42の端部から第2ラグ溝22までの長さが所定値より小さいときには、摩耗により静粛性が低下してしまう。
また、実施例3の空気入りタイヤ41では、閉塞溝42からタイヤ接地端13までの長さを5mmから15mmに設定している。従って、乗心地と静粛性の両立を可能とすることができる。この場合、閉塞溝42からタイヤ接地端13までの長さが所定範囲より小さいときには、ブロック剛性が高すぎて摩耗が促進してしまい、閉塞溝42からタイヤ接地端13までの長さが所定範囲より大きいときには、乗心地が低下してしまう。
なお、上述した実施例3にて、閉塞溝42の両端部を第2ラグ溝26に連通せずに設けたが、少なくとも一端部が第2ラグ溝26に連通しなければよい。また、閉塞溝42をタイヤ周方向に沿って平行に設けたが、所定の角度をもって傾斜させてもよい。
また、上述した各実施例の空気入りタイヤ11,31,41では、各図にて、左側をタイヤ内側とし、右側をタイヤ外側としたが、タイヤ内側とタイヤ外側を逆としてもよい。また、空気入りタイヤ11,31,41を赤道線O1に対して、左右非対称としたが、左右対称としてもよい。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、主溝とタイヤ接地端との間に連通しない第1ラグ溝及び第2ラグ溝を設けることで、高い排水性を維持して走行安定性を向上すると共に、騒音の発生を抑制して静粛性を向上するものであり、いずれの種類の空気入りタイヤに用いても好適である。
本発明の実施例1に係る空気入りタイヤを表すトレッド部の平面図である。 実施例1の空気入りタイヤを表す概略断面図である。 本発明の実施例2に係る空気入りタイヤを表すトレッド部の平面図である。 本発明の実施例3に係る空気入りタイヤを表すトレッド部の平面図である。
符号の説明
11,31,41 空気入りタイヤ
12 トレッド面
13 タイヤ接地端
21 第1主溝
22 第2主溝
25 第1ラグ溝
26,32 第2ラグ溝
42 閉塞溝
L3 重なり代

Claims (10)

  1. トレッド面における赤道線の両側にタイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝が設けられた空気入りタイヤにおいて、
    一端部がタイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝に連通して他端部がタイヤ接地端に連通しないタイヤ幅方向に沿って延びる第1ラグ溝と、一端部がタイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝に連通せずに他端部がタイヤ接地端に連通するタイヤ幅方向に沿って延びる第2ラグ溝とがタイヤ周方向に交互に複数設けられ、
    タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝と前記タイヤ接地端との間にある前記第1ラグ溝と前記第2ラグ溝が途中で切れ、且つ、前記第1ラグ溝と前記第2ラグ溝の端部同士がタイヤ幅方向で所定の重なり代を有して、タイヤ周方向で連続する陸部を形成すると共に、
    前記第1ラグ溝の他端部からタイヤ接地端までの長さをL1とし、前記タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝から前記第2ラグ溝の一端部までの長さをL2とし、タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝からタイヤ接地端までの長さをLWとするとき、
    0.1<L1/LW0.45
    0.1<L2/LW0.45
    の条件を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記第1ラグ溝と前記第2ラグ溝の重なり代は、タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝からタイヤ接地端までのタイヤ幅方向の長さの10%以上に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1または2に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ接地幅をTWとし、赤道面からタイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝の外側側壁までの長さをL0とするとき、
    0.3(TW/2)<L00.6(TW/2)
    の条件を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1からのいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向の最も外側に位置する前記主溝の幅は、5mm以上で20mm以下に設定され、前記第1ラグ溝及び前記第2ラグ溝の幅は、1.5mm以上で8.0mm以下に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1からのいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、前記第1ラグ溝及び前記第2ラグ溝は、タイヤ周方向に沿ってそれぞれ45本から90本の範囲で設けられることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項1からのいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、前記第2ラグ溝の幅は、前記第1ラグ溝の幅より大きく設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 請求項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記第2ラグ溝の幅は、前記第1ラグ溝の幅の1.2倍から2.5倍に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  8. 請求項1からのいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、前記複数の第1ラグ溝の他端部とタイヤ接地端との間に、少なくとも一端部が前記第2ラグ溝に連通しない閉塞溝がタイヤ周方向に沿って設けられることを特徴とする空気入りタイヤ。
  9. 請求項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記閉塞溝は、両端部が前記第2ラグ溝に連通せず、長さが前記第2ラグ溝のピッチの35%から70%の範囲にあり、且つ、各端部から前記第2ラグ溝までの長さが5mm以上に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  10. 請求項またはに記載の空気入りタイヤにおいて、前記閉塞溝からタイヤ接地端までの長さが5mmから15mmに設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
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