JP4291149B2 - 混合触媒系を使用する直接エポキシ化方法 - Google Patents

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Description

この発明は、水素、酸素、及びオレフィンからエポキシドを製造するため混合触媒系を使用する液相エポキシ化方法に関する。この混合触媒系は、ニオブ含有担体上にチタンゼオライトとパラジウムを含む。
エポキシド製造のため種々多くの方法が開発されている。一般に、エポキシドは触媒存在下にオレフィンと酸化剤との反応により生成される。プロピレンと、エチルベンゼンヒドロペルオキシド又はt−ブチルヒドロペルオキシドのような有機ヒドロペルオキシド酸化剤とから酸化プロピレンの製造は商業的に実施されている技術である。この方法は、可溶化されたモリブデン触媒の存在下(米国特許3,351,635参照)又はシリカ上の不均一チタニア触媒の存在下(米国特許4,367,342参照)で実施される。過酸化水素はエポキシド製造に有用な他の酸化剤である。過酸化水素とチタンシリケートゼオライトを使用するオレフィンエポキシ化は米国特許4,833,260に論証されている。これら両方法の不利な点の1つはオレフィンとの反応に先立って酸化剤をつくる必要があることである。
商業的に実施されている別の方法は、銀触媒上で酸素との反応によるエチレンの酸化エチレンへの直接エポキシ化である。不運にも、この銀触媒は高級オレフィンのエポキシ化にそれほど有用ではないことがわかった。それゆえ現行の多くの研究は、触媒存在下に酸素及び水素による高級オレフィンの直接エポキシ化に焦点を合わせてきた。この方法では、酸素と水素がその場で反応して酸化剤を生成すると考えられている。したがって、効果的な方法(及び触媒)の開発によって、あらかじめ形成した酸化剤を使用する商業的な方法に比べてより費用の少ない方法が期待される。
高級オレフィンの直接エポキシ化に使用するため多くの異なる触媒が提案されてきている。液相反応用に、触媒は通常チタンゼオライト担体上にパラジウムを含む。例えば、日本特許4−352771は結晶性チタノシリケート(titanosilicate)上のパラジウムのようなVIII族の金属を含む触媒を使用する、プロピレン、酸素、及び水素の反応からの酸化プロピレンのエポキシ化を開示している。酸化チタン上に担持された金(Au/TiO2又はAu/TiO2−SiO2)、例えば米国特許5,623,090参照;及びチタノシリケート上に担持された金(例えば国際PCT出願WO98/00413参照)によるオレフィンのガス相エポキシ化がエポキシドを生成させることが示されている。
水素と酸素によるオレフィンのエポキシ化のための混合触媒系も開示されている。例えば、日本特許4−352771 実施例13に、プロピレンのエポキシ化にチタノシリケートとPd/Cの混合物の使用を記載している。米国特許6,008,388も、パラジウムが標準的にチタンゼオライトに加えられて触媒系を形成する触媒を記載しているが、さらに、ゼオライトと混合する前にパラジウムを担体中に組み入れることができることを教示している。しかしながら、開示されている担体はシリカ、アルミナ、及び活性炭のみである。加うるに、同時係属出願09/624,942は、チタンゼオライトと金含有担持触媒を含む、オレフィンのエポキシ化に有用な混合触媒系を開示している。
上述の直接エポキシ化触媒の不利な点の1つは、これらはどれも最適な選択性か又は最適生産性よりも劣ることである。別の不利な点は、これらが、標準の反応条件下で開環させ易く、グリコール又はグリコールエーテルのような望ましくない開環生成物を生成させることである。どの化学方法とも同じように、新規な直接エポキシ化方法と触媒を開発することが望まれる。
要するに、オレフィンの直接エポキシ化用の新規な方法が必要である。特に望まれるのは、この方法に役立つ新規な触媒系である。
発明者は、エポキシドへの良好な生産性と選択性を与える混合触媒系を使用する、効果的、好都合なエポキシ化方法を見出した。
本発明は、チタンゼオライトと、ニオブ含有担体上にパラジウムを含む担持触媒とを含む触媒混合物の存在下に、酸素含有溶媒中でオレフィン、酸素、及び水素を反応させることを含む、オレフィンエポキシ化方法である。
この新規な触媒混合物は、水素と酸素によるオレフィンのエポキシ化に有用である。
本発明の方法は、チタンゼオライトと、パラジウム及び担体(担体はニオブ含有無機酸化物である)を含む担持触媒とを含む触媒混合物を用いる。好適なチタンゼオライトは、分子骨格中でチタン原子が置換されている多孔性の分子篩構造を有する結晶性物質のものである。使用するチタンゼオライトの選択は、エポキシ化しようとするオレフィンの大きさや形を含む多くの要因によって変る。例えば、オレフィンがエチレン、プロピレン、又は1−ブテンのような低級脂肪族オレフィンである場合は、チタンシリカライトのような比較的小さい細孔のチタンゼオライトを使用することが好ましい。オレフィンがプロピレンの場合は、TS−1チタンシリカライトの使用が特に有利である。シクロヘキセンのような分子の大きなオレフィンに対しては、ゼオライトベータと同形の構造を有するチタンゼオライトのような大きな細孔のチタンゼオライトが好ましい。
チタンゼオライトは、チタン原子が分子篩の骨格中のシリコン原子の一部で置き換えられたゼオライト様物質の類を含む。そのような物質は、当技術分野では周知である。
特に好ましいチタンゼオライトは、通常チタンシリカライトと呼ばれる分子篩類、特に“TS―1”(ZSM−5 アルミノシリケートゼオライトのそれと類似のMFI位相を有する)、“TS―2”(ZSM−11 アルミノシリケートゼオライトのそれと類似のMEL位相を有する)、及び“TS−3”(ベルギー特許1,001,038に記載)を含む。枠の構造がゼオライトベータ、モルデン沸石、ZSM−48、ZSM−12、及びMCM−41と同形のチタン含有分子篩も使用に好適である。チタンゼオライトは、好ましくは格子枠内にチタン、シリコン、及び酸素以外の元素を含まないが、極く少量のホウ素、鉄、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、銅などは存在しても構わない。
好ましいチタンゼオライトは一般に次の実験式 xTiO2(1−x)SiO2(xは0.0001〜0.5000)に相当する組成を有する。より好ましくは、xの値は0.01〜0.125である。ゼオライトの格子枠内でのSi:Tiモル比は9.5:1〜99:1が有利(最も有利には9.5:1〜60:1)である。比較的チタンの多いゼオライトの使用も望ましい。
本発明方法に使用される触媒混合物はまた担持触媒も含む。この担持触媒は、パラジウムと、担体がニオブ含有無機酸化物である担体とを含む。好適なニオブ含有無機酸化物担体は酸化ニオブ及びニオブ混合酸化物を含む。酸化ニオブは、ニオブの原子価が2〜5であるニオブの酸化物を含む。好適な酸化ニオブはNbO、Nb23、NbO2及びNb25のような酸化物を含む。酸化ニオブ−シリカ、酸化ニオブ−アルミナ、及び酸化ニオブ−チタニアのようなニオブ混合酸化物も使用できる。担体中のニオブの量は、好ましくは約0.1〜約86重量%の範囲である。好ましいニオブ含有無機酸化物担体はNb25及び酸化ニオブ−シリカを含む。
本発明の方法に用いられる触媒はパラジウムも含む。触媒中に存在するパラジウムの通常量は約0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%の範囲にある。パラジウムが触媒中に組み入れられる方法は特に重要とは考えられない。例えば、パラジウム(例えば、Pdテトラミンブロミド)はニオブ含有無機酸化物担体上に含浸、吸着、イオン交換、沈澱又は類似方法によって担持することができる。
パラジウムの原料として使用されるパラジウム化合物の選択に関しては特別な制限はない。例えば、好適な化合物には硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物(例えば塩化物、臭化物)、カルボン酸塩(例えば酢酸塩)及びパラジウムのアミン錯体が含まれる。
同様に、パラジウムの酸化状態は決定的に重要とは考えられない。パラジウムは0〜+4のいずれの酸化状態でもよく、又はそのような酸化状態のどのような組み合わせであってもよい。望ましい酸化状態又は酸化状態の組み合わせを達成するため、パラジウム化合物は触媒に添加後完全に又は部分的に前還元することができる。しかしながら、前還元しなくても満足の行く触媒成績が達成できる。
触媒形成後、触媒は場合によって、窒素、ヘリウム、真空、水素、酸素、空気などのようなガス中で熱処理することができる。この熱処理温度は通常約50〜約550℃である。
パラジウムと、ニオブ含有無機酸化物担体とを含む触媒の例は既知である。例えば、ニオビア(niobia)上のパラジウム触媒が過酸化水素の製造用に開示されている(例えば米国特許5,496,532参照)。
チタンゼオライトと担持触媒は粉末の混合物又はペレットの混合物としてエポキシ化方法に使用できる。さらに、チタンゼオライトと担持触媒は、エポキシ化に使用する前に一緒にペレット化又は押出すこともできる。一緒にペレット化又は押出す場合は、触媒混合物はさらにバインダー又は類似物を含むことができ、エポキシ化に使用するに先立って望ましいどんな形にも成型、噴霧乾燥、成形又は押し出しすることができる。チタンゼオライト:担持触媒の重量比は特には重要ではない。しかしながら、チタンゼオライト:担持触媒の比が0.01〜100(チタンゼオライトのg/担持触媒のg)が好ましい。
本発明の方法は、触媒混合物存在下に酸素含有溶媒中でオレフィン、酸素、及び水素を接触させることを含む。好適なオレフィンとしては1つ以上の炭素−炭素二重結合と、一般に2〜60の炭素原子数を有するすべてのオレフィンが含まれる。好ましくは、オレフィンは2〜30の炭素原子数の非環式アルケンである;本発明の方法はC2〜C6オレフィンをエポキシ化するのに特に適当である。例えばジエン又はトリエンでのように1つを超える二重結合が存在してもよい。オレフィンは炭化水素(すなわち炭素と水素原子のみを含む)であってもよく、あるいはハロゲン化物、カルボキシル、ヒドロキシル、エーテル、カルボニル、シアノ、又はニトロ基などのような官能基を含んでいてもよい。本発明の方法はプロピレンを酸化プロピレンに転化させるのに特に有用である。
本発明の方法はまた酸素含有溶媒の使用を必要とする。酸素含有溶媒は、反応条件下で液体であり、その化学構造中に1つ以上の酸素原子を含む化学品なら何でもよい。好適な酸素含有溶媒は水及び、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等のような酸素含有炭化水素を含む。好ましい酸素含有溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びt−ブタノール、又はこれらの混合物のような低級脂肪族C1〜C4アルコール、及び水を含む。フッソ化アルコールが使用できる。好ましい溶媒は水である。上記引用アルコールと水の混合物も使用可能である。
好ましくは、本発明の方法はさらに緩衝剤を用いる。使用する場合は、緩衝剤は通常溶媒に加えられて緩衝溶液を生成させる。この緩衝溶液は反応中にエポキシ化中のグリコール生成を抑制するために用いられる。緩衝剤は当業界でよく知られている。
好適な緩衝剤はオキシ酸の適当な塩すべてを含み、その混合物中の性質と割合によって、溶液のpHを3〜10、好ましくは4〜9、より好ましくは5〜8の範囲にすることができる。好適なオキシ酸の塩はアニオン及びカチオンを含む。塩のアニオン部分は、燐酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、硼酸塩、フタレート、シリケート、アルミノシリケート等のようなアニオンを含むことができる。塩のカチオン部分は、アンモニウム、アルキルアンモニウム(例えばテトラアルキルアンモニウム)、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のようなカチオンを含むことができる。カチオンの例はNH4、NBu4、Li、Na、K、Cs、Mg、及びCaカチオンを含む。より好ましい緩衝剤は燐酸アルカリ金属緩衝剤である。緩衝剤は、好ましくは1つを超える好適な塩の組み合わせを含むことができる。緩衝剤の濃度は通常約0.0001M〜約1M、好ましくは約0.001M〜約0.1M、最も好ましくは約0.005M〜約0.05Mである。
本発明方法には酸素と水素も必要である。すべての酸素源及び水素源が適当であるけれども、分子状酸素及び分子状水素が好ましい。水素の酸素に対するモル比は通常H2:O2=1:100〜5:1の範囲で変えることができ、特に1:5〜2:1が好都合である。酸素のオレフィンに対するモル比は通常1:1〜1:20であり、好ましくは1:1.5〜1:10である。ある種のオレフィンに対しては比較的高い酸素対オレフィンモル比(例えば1:1〜1:3)が有利である。
オレフィン、酸素及び水素に加えて、不活性ガスキャリヤが本発明方法に好ましく使用される。キャリヤガスとしては望ましいどんな不活性ガスでも使用できる。好適な不活性ガスキャリヤは、窒素及び炭酸ガスの他にヘリウム、ネオン、及びアルゴンのような希ガスを含む。炭素原子数1〜8、殊に1〜6、好ましくは1〜4を有する飽和炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、及びn−ブタンも好適である。窒素及びC1〜C4飽和炭化水素が好ましい不活性キャリヤガスである。上に挙げた不活性キャリヤガスの混合物も使用できる。オレフィンのキャリヤガスに対するモル比は通常100:1〜1:10、特に20:1〜1:10の範囲にある。
特に、本発明にしたがうプロピレンのエポキシ化において、適宜な過剰のキャリヤガス存在下でプロピレン、プロパン、水素、及び酸素の混合物の爆発限界が安全に回避されるようにプロパンを供給することができ、したがって反応器中又は供給や排出ライン中で爆発混合物が生成できない。
使用する触媒の量は、チタンゼオライト中に含まれるチタンの、単位時間当りに供給されるオレフィンに対する、モル比をベースにして決めることができる。通常、チタン/オレフィン(単位時間当りのフィード)モル比が0.0001〜0.1となるのに十分な触媒が存在する。
本発明の液相方法に対し、触媒はサスペンジョン又は固定床の形が好ましい。本方法は、連続流、セミ−バッチ又はバッチ様式の運転方法を使用して実施できる。1〜100バールの圧力で運転するのが有利である。本発明によるエポキシ化は、望ましいオレフィンのエポキシ化を達成する効果的な温度、好ましくは0〜250℃、より好ましくは20〜200℃範囲の温度で行なわれる。
以下の実施例は本発明を単に説明するものである。当業者は本発明の精神と特許請求の範囲内にある多くの変形を認めるであろう。
実施例1:Pd/Nb25触媒の製造
触媒1A: 酸化ニオブ上の1重量%パラジウム:
ガラスビーカー中で、40gの脱イオン水中にPd(NH34Br2(0.64g)が溶解される。別のビーカーで90gの脱イオン水中に酸化ニオブ粉末(20g、Reference Metalsから)が懸濁される。この酸化ニオブスラリーに攪拌しながら10分間でパラジウム塩溶液が加えられる。得られたスラリーは23℃で2時間攪拌され、次いで固体が遠心分離により分離される。この固体は、80gの水中に懸濁させ、遠心分離することにより4回洗浄される。次いで固体が真空オーブン中(1torr)50℃で4時間乾燥されて、14.6gの触媒1Aが得られる。元素分析はパラジウム=1.01重量%、臭化物=1.6重量%、窒素=0.22重量%、及びニオブ=68重量%を示した。
触媒1B: 酸化ニオブ上の0.5重量%のパラジウム
0.24gのPd(NH34Br2(30gの脱イオン水中)と15gの酸化ニオブ粉末が使用される以外は触媒1Aの方法が繰り返される。この製造法により9.6gの触媒1Bの単離を得た。元素分析はパラジウム=0.51重量%、臭化物=0.72重量%、窒素<0.1重量%、ニオビウム=68重量%を示した。
触媒1C: Pd(NH34(NO32からの酸化ニオブ上の1重量%Pd
ガラスビーカー中で、Pd(NH34(NO32(10%Pd(NH34(NO32を含む溶液、3.5g)が16gの脱イオン水と混合される。別のビーカー中で、酸化ニオブ粉末(Reference Metalsから、12.5g)が40gの脱イオン水中に懸濁される。この酸化ニオブスラリーに攪拌しながらパラジウム塩溶液が20分間で加えられる。得られたスラリーが23℃で2時間攪拌され、次いで固体が遠心分離により分離される。この固体は80gの水中に懸濁して遠心分離することにより4回洗浄される。次いで固体は真空オーブン中(1torr)50℃で4時間乾燥されて8.6gの触媒1Cが得られる。元素分析は、パラジウム=0.99重量%、窒素が0.18重量%、ニオブ=68重量%を示した。
実施例2: TS−1及びPd/Nb25混合物を使用するプロピレンのエポキシ化
TS−1は公知文献のどの方法によってもつくることができる。例えば、米国特許4,410,501;DiRenzoら、Microporous Materials(1997),10,283;又はEdlerら、J.Chem.Soc.Chem.Comm.(1995),155参照。TS−1は使用前に550℃で4時間カ焼される。
燐酸セシウム緩衝剤が次の手順によって最初に製造される。水酸化セシウム(22.12g)がプラスチックビーカー内の脱イオン水(17.25g)中に溶解される。別の容器中で、85%燐酸(5.85g)が400gの脱イオン水に冷却しながら加えられる。25gの水酸化セシウム溶液がこの燐酸溶液に注意深く加えられる。添加後、500mLの容積にするため十分な量の脱イオン水が燐酸セシウム緩衝剤に加えられる。溶液のpHが6.9と測定される。220gの上記溶液(pH=6.9)が次いで85%燐酸(1.01g)で処理され、pH=6.02を有する燐酸セシウム緩衝溶液を得る。
運転(ラン)2A: 燐酸セシウム緩衝剤とともに触媒1AとTS−1を使用するエポキシ化
触媒1A(0.2g)、TS−1(0.5g、チタン量=1.6重量%)、脱イオン水(117g)、及び13gの緩衝剤(0.1モル燐酸セシウム、pH=6(上記のように製造して))が300ccのステンレススチール反応器に装入される。反応器は次いで、4%水素、4%酸素、5%プロピレン、0.5%メタン、及びバランスが窒素からなるフィードで200psig(ポンド/インチ2ゲージ)まで装填される。反応器中の圧力は、フィードガスを1480cc/分(23℃、1気圧で測定)の流量で反応器中を連続的に通過させることにより背圧制御器によって200psigに維持される。運転中、反応器内で一定の溶媒レベルを維持するため、酸素、窒素及びプロピレンフィードは反応器の前で1.5Lの水を含む2Lのステンレススチール容器(飽和器)中を通される。反応器は1600rpmで攪拌される。反応混合物は60℃に加熱され、ガス流出物は毎時オンラインGCで分析され、液体の方はオフラインGCによって18時間運転の終わりに分析される。GC分析により、ガス相中に合計51ミリモルの酸化プロピレン、液相中にプロピレングリコールの形の4.5ミリモルのPOが生成することがわかった。
ラン2B: 燐酸セシウム緩衝剤とともに触媒1CとTS−1を使用するエポキシ化
触媒1Aの代りに触媒1C(0.2g)を使用して、ラン2Aと同じ方法にしたがってエポキシ化が行われる。GC分析は、ガス相中、合計26ミリモルの酸化プロピレン、液相中、プロピレングリコールの形で2.3ミリモルのPOが生成することを示した。
実施例3: 緩衝剤なしでTS−1とPd/Nb25混合物を使用するプロピレンのエポキシ化
ラン3A: 緩衝剤が使用されず、触媒1A(0.5g)、TS−1(1g)、及び脱イオン水(130g)の量が異なる以外はラン2Aと同じ方法にしたがってエポキシ化が行われる。GC分析は、ガス相中に合計11ミリモルの酸化プロピレン、液相中にプロピレングリコールの形で52ミリモルのPOが生成することを示した。
ラン3B: 緩衝剤を使用しない以外は、触媒1A(0.2g)、TS−1(0.5g)、及び130gの脱イオン水を使用してラン2Aと同じ方法にしたがってエポキシ化が行われる。GC分析により、ガス相中に合計8.6ミリモルの酸化プロピレン、及び液相中にプロピレングリコールの形で25ミリモルのPOが生成することが示された。
このエポキシ化結果は、TS−1とPd/Nb25触媒混合物の使用が、酸化プロピレン(PO)とプロピレングリコール(PG)の形のPO相当物を高収率で生産させることを示している。緩衝溶液の使用は、不要なグリコール生成を少くして酸化プロピレンへの選択性を向上させる。

Claims (20)

  1. チタンゼオライトと、パラジウム及び担体を含む担持触媒とを含む触媒混合物の存在下、酸素含有溶媒中でオレフィン、水素及び酸素を反応させることを含む、エポキシドの製造方法であって、前記担体がニオブを含む無機酸化物である前記方法。
  2. 前記チタンゼオライトがチタンシリカライトである、請求項1記載の方法。
  3. チタンゼオライトがTS−1である、請求項1記載の方法。
  4. 前記担持触媒が0.01〜10重量%パラジウムを含む、請求項1記載の方法。
  5. 担体がNb25又は酸化ニオブ−シリカである、請求項1記載の方法。
  6. 担体がNb25である、請求項1記載の方法。
  7. オレフィンがC2〜C6オレフィンである、請求項1記載の方法。
  8. オレフィンがプロピレンである、請求項1記載の方法。
  9. 酸素含有溶媒が、水、C1〜C4アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
  10. 酸素含有溶媒が水である、請求項9記載の方法。
  11. 酸素含有溶媒が緩衝剤を含む、請求項1記載の方法。
  12. 緩衝剤が燐酸セシウムである、請求項11記載の方法。
  13. オレフィン、水素、及び酸素に加えてキャリヤガスが使用される請求項1記載の方法。
  14. キャリヤガスが、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素、二酸化炭素、及びC1 8飽和炭化水素からなる群から選ばれる、請求項13記載の方法。
  15. キャリヤガスがプロパンである、請求項14記載の方法。
  16. チタンシリカライトと、パラジウムおよびNb25を含む担持触媒とを含む触媒混合物の存在下に水の中でプロピレン、水素及び酸素を反応させることを含む酸化プロピレンの製造方法。
  17. チタンシリカライトがTS−1である、請求項16記載の方法。
  18. 担持触媒が0.01〜10重量%パラジウムを含む、請求項16記載の方法。
  19. 水が緩衝剤を含む、請求項16記載の方法。
  20. 緩衝剤が燐酸セシウムである、請求項19記載の方法。
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