JP4290903B2 - 削り節含有炊飯用液体調味料 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、削り節含有炊飯用液体調味料に関し、詳しくは削り節含有炊飯用液体調味料、該調味料を用いて炊飯された炊き込み御飯、並びに該調味料を用いた炊飯方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特定形状の削り節を調味料の液中に直接混合することにより、該液体調味料にレトルト処理などの加熱処理が行われたとしても、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた炊き込み御飯等が得られる削り節含有炊飯用液体調味料と、該調味料を用いて炊飯された、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた炊き込み御飯と、該調味料を用いて、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた炊き込み御飯を炊飯する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鰹風味の効いた液体調味料を含有しているレトルト食品を用いて、家庭での炊飯後まで、鰹風味、とりわけ香気成分を十分に残存させることは、風味が揮発し難しかった。
特に、削り節含有炊き込み御飯用液体調味料の場合を例にとると、生産者のレトルト処理の際の加圧加熱と家庭における炊飯時の加熱という二度にわたる加熱処理により、削り節特有の香気成分(中でも低沸点成分)が揮発・揮散してしまうため、良好な風味が消失し、十分に満足のできる炊き込み御飯が得られなかった。
【0003】
このため、最近では、だし入りの液体調味料をセラミック膜を通して無菌化し、γ線で無菌化したフィルムからなる袋にクリーンルーム内で充填することにより、加熱殺菌を行わないようにして加熱殺菌による風味劣化を防止するという技術(特開平9−70275号公報)が開発されている。
しかし、この場合、加熱殺菌を施すことによる風味劣化は防止されているものの、加熱殺菌に代わるクリーンルームの設置やクリーンルーム内の環境維持が必要であり、コスト面での課題も山積し、実際の運用に当っては、非常に困難を要するという問題がある。
【0004】
このため、削り節特有の風味の維持・向上を目的として、従来、削り節エキスやフレーバーの改良がなされているが、これらを多量に加えても削り節固有の香気成分が飛散してしまい、いずれの方法も良好な香りを残存する結果は得られなかった。
【0005】
一方、市販ちらし寿司の素〔混ぜ御飯の素((株)ミツカン製、「五目ちらし」)〕には、42メッシュパスの微細な鰹削り節が原料として具材と共に混合されており、鰹の風味を醸成するのに一定の効果を有している。しかし、上記微細鰹削り節を炊飯用液体調味料に適用しても、充分満足することのできる馥郁な風味は醸成されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加圧加熱処理したレトルトパウチ食品や加熱処理した包装食品等の形態で、家庭での炊飯後も良好な削り節特有の味と香りからなる風味が十分に残存した(換言すれば、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた)炊き込み御飯を与える削り節含有炊飯用液体調味料を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、該調味料を用いて炊飯された、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた炊き込み御飯を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、該調味料を用いて、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた炊き込み御飯を炊飯する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、削り節を直接、液体調味料の液中に混合し分散させることにより、風味・だし感の向上が可能かどうか検討した。
【0010】
通常、鰹節等の削り節は、だし抽出後、除去され廃棄されることが一般的である。ここで削り節がだし抽出後もそのままの形状で残存していることは削り節含有食品として違和感があることから、削り節を分散性が良好な微粉末にして食品に添加する方法がとられている。
そこで、上記従来の技術欄でも述べた如く、当該炊飯用液体調味料の中に微細な粉末状削り節の添加を試みたところ、従来の削り節エキスやフレーバーと比較して、若干の風味改善傾向がみられたものの、十分に満足のゆくものではなかった。
【0011】
本発明者らは、削り節含有炊飯用液体調味料についてさらに鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、削り節の形状について創意工夫を施すことにより、加圧加熱処理したレトルトパウチ食品や加熱処理した包装食品等の形態で、従来の技術では成し得なかった、良好な削り節特有の風味を家庭の炊飯後まで保持することができ、かつ、違和感無い炊き込み御飯を与えることのできる削り節含有炊飯用液体調味料が得られることを見出した。
【0012】
また、本発明らは、上記風味改善効果が、通常の加熱処理された食品よりも、加圧加熱処理(レトルト処理)された削り節含有炊飯用液体調味料について著しいことが分かった。
本発明は、このような知見に基いて完成されたものである。
【0013】
すなわち、請求項1に係る本発明は、大きさが16メッシュオン、4.0メッシュパスの範囲にあり、かつ、厚みが0.1mm以上、0.4mm未満の範囲にある削り節を含有することを特徴とする、削り節含有炊飯用液体調味料を提供するものである
【0014】
請求項2に係る本発明は、加圧加熱処理がされている請求項1記載の削り節含有炊飯用液体調味料を提供するものである。
【0015】
請求項3に係る本発明は、請求項1又は2に記載の削り節含有炊飯用液体調味料を用いて炊飯された炊き込み御飯を提供するものである。
【0016】
請求項4に係る本発明は、炊き込み御飯を炊飯するにあたり、請求項1又は2記載の削り節含有炊飯用液体調味料を用い、かつ、該液体調味料中の削り節を、生米に対する割合として、0.03重量/重量%以上、1.0重量/重量%以下の割合としたことを特徴とする炊き込み御飯の炊飯方法を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明でいう「削り節」とは、一般的には、各種魚類をくん乾した節又は各種魚類を煮熟し乾燥したものの削り加工品を用いることができる。具体的には、鰹削り節、鰹節削り節、さば削り節、さば節削り節、まぐろ削り節、まぐろ節削り節、いわし削り節、あじ削り節などを用いることができ、さらにこれらの混合削り節を使用しても良い。
【0018】
また、本発明の削り節の形状に関しては、大きさが16メッシュオン、4.0メッシュパスの範囲にあり、かつ、厚みが0.1mm以上0.4mm未満の範囲にあることが必要であり、この範囲外であると、本発明の目的を達成することはできない。また、上記両方の要件を共に具備することが必要であって、いずれか一方のみの要件を具備したとしても、本発明の目的を達成することはできない。
【0019】
具体的に削り節の大きさを計測する方法としては、JIS標準規格(JIS Z 8801)で定められる標準ふるい(IIDA MANUFACTURING CO.LTD.:φ200mm)を用い、試料100gをRo−Tapシェーカ(全振幅28mm、回転数290rpm、タッピング回数156回/分)にて5分間供することにより計測すれば良い。
【0020】
また、削り節の厚みを計測する方法としては、デジタルノギス(Mitutoyo製 デジタルノギスCD−15C)を用いて計測すれば良い。
【0021】
本発明における特定形状の削り節は、仲島式削り機を使用して削り、破砕機にて裁断することにより作成されたが、一律に全量同じ厚みを有する削り節に成形することは困難である。そこで、本発明においては、削り節の厚みを規定する上で、「xmm以上〜ymm未満」というように範囲を設けているが、この場合の「xmm以上〜ymm未満」という規定範囲は、削りカスがあることを考慮して、削り節のほぼ全量とみなすことのできる90%以上がその範囲に入っていればよいものとした。すなわち、具体的には、削り刃の調整段階(削り始め)に、削り節の任意の30片の厚みをデジタルノギスにて測定し、その平均値が、その範囲の中心値((x+y)/2)になるように調整し、かつ、その30片の個々の測定値が90%(27片)以上の割合で「xmm以上〜ymm未満」の範囲にあることを確認した後、得られた削り節を『「xmm以上〜ymm未満」の厚みの削り節』と定義した。
【0022】
請求項1に係る本発明の削り節含有炊飯用液体調味料は、上記特定形状の削り節を用いた点に最大の特色を有するものであって、上記特定形状の各種削り節を液体調味料の中に含浸させたものをパウチ容器などに入れ、これを加圧加熱処理したレトルトパウチ食品や、100℃以下或いは100℃以上の加熱処理を行った包装食品等の形態で適宜用いることができる。ここで液体調味料としては、一般に使用されているものであればよく、特に制限はない。例えば、原材料として醤油、砂糖、塩、みりん、グルタミン酸ナトリウムなどを適量配合したものを用いることができる。
【0023】
請求項1に係る本発明の削り節含有炊飯用液体調味料中において、上記特定形状の削り節は、0.01重量/重量%以上、50重量/重量%以上未満の割合で含有させることが好ましい。ここで上記特定形状の削り節の含有量が0.01重量/重量%未満であると、そのような削り節含有炊飯用液体調味料を用いて炊飯調理を行っても、官能的に十分といえる削り節特有の良好な風味を得ることはできない。一方、上記特定形状の削り節の含有量が50重量/重量%を超える場合には、削り節が占める体積が大きくなり過ぎ、削り節を調味液中に均一に分散させることが困難となる。
【0024】
なお、調味料液中において、本発明における特定形状の削り節の分散性向上を図る為(分散性向上の補助手段として)、ワキシーコーンスターチ等の澱粉或いは化工澱粉、キサンタンガム等の増粘多糖類のいずれか一種以上を使用することができる。本発明の削り節含有液体調味料に、上記澱粉等のいずれか一種以上を加え、炊飯時に影響を及ぼさない程度の粘度500cp以上、2000cp以下程度の粘性を付与することにより、削り節をより均一に分散化させることができる。この場合、例えば、加圧加熱処理することにより粘性が低下する機能を有するものを用いることも有効である。より具体的には、本発明品に、加圧加熱処理することにより粘性が低下する機能を保持するもの、例えばワキシーコーンスターチである「グルメスター」(株式会社松谷化学製)を、削り節含有液体調味料に対して、1.5重量/重量%〜3.5重量/重量%程度添加混合し、粘度を1500cp程度にすると好適である。勿論、ワキシーコーンスターチに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0025】
特に請求項2に記載したように、本発明品を加圧加熱処理(レトルト処理)したレトルトパウチ入り削り節含有炊飯用液体調味料として使用すると、簡便に削り節の風味豊かな炊き込み御飯を製造することができる。
このとき、本発明の削り節含有炊飯用液体調味料を具材入りの加圧加熱処理(レトルト処理)したレトルトパウチ入り削り節含有炊飯用液体調味料としておくと、このようなレトルトパウチ入り削り節含有炊飯用液体調味料を用いることにより、極めて簡便に、短時間で、削り節の風味豊かな五目釜飯、鯛めしなどの炊き込み御飯を作製することができる。加圧加熱処理(レトルト処理)の条件などは通常行われているものでよく、一般的には120℃、20分間である。
【0026】
本発明の削り節含有炊飯用液体調味料を水洗米に所定量になる様に混合し、更に必要に応じて具材等を混合して、家庭で使用されている炊飯器や業務用炊飯器にて炊飯することにより、削り節の風味豊かな炊き込み御飯を手軽に作製することができる。水洗米に対する該液体調味料の使用割合は、該液体調味料の濃度により異なり、また、好みによっても異なるため、一義的に決定することは困難である。
【0027】
このように請求項1又は2に記載の削り節含有炊飯用液体調味料を用いて炊飯された炊き込み御飯を提供するのが、請求項3に係る本発明である。
請求項3に係る本発明によれば、削り節の風味豊かな炊き込み御飯が得られる。
【0028】
さらに、炊き込み御飯を炊飯するにあたり、請求項1又は2記載の削り節含有炊飯用液体調味料を用いた炊き込み御飯の炊飯方法を提供するのが、請求項4に係る本発明である。
請求項4に係る本発明においては、請求項1又は2記載の液体調味料中の削り節を、生米に対する割合として、0.03重量/重量%以上、1.0重量/重量%以下の割合としたことを特徴とするものである。このような特定の割合とすることにより、目的とする削り節の風味豊かな炊き込み御飯を炊飯することができるが、この範囲外であると、目的とする削り節の風味豊かな炊き込み御飯を炊飯することはできない。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を削り節として最も一般的な鰹削り節を使用した実験例、実施例に従い、詳細に説明する。なお、以下に記述される結果は、鰹削り節の場合に限定されるものではない。また、本発明は、以下に示す実験例や実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
実験例1
調味液75g(醤油25%、砂糖10%、塩6%、みりん3%、グルタミン酸ナトリウム3%、水53%)中に、下記Aの規格に属する大きさの鰹削り節0.5gを混合しパウチ詰めしたものを、120℃、20分間加熱加圧処理を行い、下記Aの規格の鰹削り節を含有する液体調味料を得た。下記B〜Eの規格に属する大きさの鰹削り節についても同様に、調味液75g中に混合し、同条件にて加熱加圧処理を施し、下記B〜Eの規格の鰹削り節を含有する液体調味料を得た。なお、使用した鰹削り節については、鰹荒節を仲島式削り機にて削り、破砕機にて裁断後、Ro−Tapシェーカに供することにより取得した。また、厚みについては、上述の様に削り初めにデジタルノギス(Mitutoyo製 デジタルノギスCD−15C)にて、任意の30片について厚みを測定し、0.20mm以上〜0.30mm未満の範囲となるように調整した。
【0031】
〔規格〕
A:4.0メッシュオン品
B:4.0メッシュパス品、8.0メッシュオン品
C:8.0メッシュパス品、12.0メッシュオン品
D:12.0メッシュパス品、16.0メッシュオン品
E:16.0メッシュパス品
【0032】
生米2合を水洗し、通常の水加減の400mLの加水をして調整し、上記A〜Eの規格の鰹削り節を含有する液体調味料(75.5g)を全量、炊飯釜に入れ、炊飯後、炊き込み御飯を作製し(表1には、試験区A〜Eと表示した。)、鰹節の香り(風味)及び外観について官能評価を行った。なお、パネル数は30名、5段階評価とした。5段階評価は、5点:良い、4点:やや良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪いとし、30名の評価平均値をとった。評点3.5以上を適性形状(大きさ)範囲と判断した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
表1
【0034】
表1の結果より、16メッシュパスの大きさの鰹削り節を用いた調味料(試験区E)では、炊飯時に香気成分の揮発・揮散が激しくなり、炊飯後に残存する香気成分の絶対量が少なくなる傾向があった。また、4.0メッシュオンの大きさの鰹削り節を用いた調味料(試験区A)については、外観上、明らかに違和感を覚えるようになった。使用する鰹削り節の大きさとしては、4.0メッシュパス、16メッシュオン品(試験区B,C,D)が、風味及び外観上適当であることがわかる。
【0035】
実験例2
調味液75g(醤油25%、砂糖10%、塩6%、みりん3%、グルタミン酸ナトリウム3%、水53%)中に、厚みが下記Fの範囲になる様に調整した鰹削り節を、0.5g混合し、パウチ詰めしたものを120℃、20分間加熱加圧処理を行い、厚みが下記Fの範囲になる様に調整した鰹削り節を含有する液体調味料を得た。厚みが下記G〜Jの範囲にある鰹削り節についても、同様に調味液75g中に混合し、同条件にて加熱加圧処理を行い、厚みが下記G〜Jの範囲になる様に調整した鰹削り節を含有する液体調味料を得た。なお、本実験例で使用した鰹削り節の大きさについては、4メッシュパス、8メッシュオンの範囲のものを使用した。
また、削り節の大きさと厚みは、〔0018〕〜〔0020〕及び実験例1と同様な方法で成形し、計測した。
【0036】
〔厚み〕
F:0.10mm未満
G:0.10mm以上〜0.20mm未満
H:0.20mm以上〜0.30mm未満
I:0.30mm以上〜0.40mm未満
J:0.40mm以上〜0.50mm未満
【0037】
生米2合を水洗し、通常の水加減である400mLの加水をして調整し、上記F〜Jの厚みの鰹削り節を含有する液体調味料75.5g全量を炊飯釜に入れ、炊飯後、炊き込み御飯を作製し(表2には、試験区F〜Jと表示した。)、炊き込み御飯の食感について、違和感を覚える削り節の厚みについて官能評価を行った。なお、パネル数は20名、5段階評価(5点:良い、4点:やや良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪い)として、評価平均値を求め、以下の基準に従い、結果を表2にまとめた。
【0038】
〔食感の評価基準〕
○:食感上、問題なし(3.0点以上)
×:食感上、違和感を有する(3.0点未満)
【0039】
また、同時に鰹削り節の液体調味液への分散性についても、次の2段階にて評価し、表2に併記した。
【0040】
〔分散性の評価基準〕
○:問題なく分散可能
×:ダマができ、分散が困難。
【0041】
【表2】
表2
【0042】
表2の結果より、使用する鰹削り節の厚みについては、厚みが0.1mmよりも薄くなった場合(試験区F)、調味液に混合させることが困難であり、鰹風味の効果を発現する量だけ混合すると、凝集しダマが生じることが分かる。逆に厚みが0.4mmを超えると(試験区J)、分散性は良いものの、食感に違和感を覚えることが分かる。
以上の様に、削り節の厚みとしては、0.1mm以上、0.4mm未満の範囲の場合が食感上も良く、かつ、分散性も良かった。
【0043】
実験例3
調味液75g(醤油25%、砂糖10%、塩6%、みりん3%、グルタミン酸ナトリウム3%、水53%)中に、大きさが4.0メッシュパス、8.0メッシュオンであり、かつ、厚さが0.2mm以上〜0.3mm未満である鰹削り節を以下に示す5種それぞれの割合で混合し、パウチ詰めしたものを、120℃、20分間加熱加圧処理して、5種の鰹削り節含有液体調味料を得た。生米2合を水洗し、通常の水加減の400mLの加水して調整し、上記5種の鰹削り節含有液体調味料をパウチ毎、全量、炊飯釜に入れ、炊飯後、炊き込み御飯を作製し、炊き込み御飯の鰹風味の良さ及びおいしさについて官能評価を行った。
【0044】
以下の表3に記載する、鰹削り節の混合割合とは、生米2合の重量(360g)に対する重量パーセントで表す。
なお、パネル数は30名、5段階評価とした。5段階評価は、5点:良い、4点:やや良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪いとし、30名の評価平均値をとり、評点3.5点以上を適性濃度範囲とした。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
表3
【0046】
表3の結果より、生米に対する混合割合が1.00%を超える濃度では、鰹風味は良好であるものの、鰹節由来の旨みが強くなりすぎ、呈味に悪影響が出てしまうことが分かる。一方、0.03%未満の濃度では、鰹風味において官能的に効果を発揮しないことが分かる。
上記事実より、上述の形状の削り節を液体調味料中に含有させる場合には、生米量に対し、0.03重量/重量以上、1.0重量/重量%以下の範囲になる様にすることが好ましいことが分かる。
【0047】
実施例1〔五目釜飯の素(レトルト処理食品)の例〕
人参40g、ごぼう20g、たけのこ10g、油揚げ7g、こんにゃく8gと、鰹削り節(16メッシュオン、4.0メッシュパスの範囲で、かつ、厚さが0.1mm以上、0.4mm未満の範囲にあるもの)0.5gを、調味液75g(醤油25%、砂糖10%、塩6%、みりん3%、グルタミン酸ナトリウム3%、水53%)に混合させ、パウチ詰めしたものを2袋用意し、その内1袋を120℃、20分間の加圧加熱処理を行った(加圧加熱殺菌処理品)。もう一方の袋については、殺菌処理を全く行わないものとした(無殺菌品)。なお、使用した鰹削り節については、仲島式削り機(株式会社 ニックー製)にて削った後、破砕機にて裁断し、Ro−Tapシェーカに供することにより取得した。また、厚みについては、上述の様に削り初めにデジタルノギス(Mitutoyo製 デジタルノギスCD−15C)にて、任意の30片について厚みを測定し、0.10mm以上〜0.40mm未満の範囲となるように調整した。(実験例2で取得したG,H,Iの各鰹削り節サンプルを均等に混合し、使用した。)
【0048】
生米2合を水洗し、通常の水加減(400mL)の加水をして調整し、無殺菌品、加圧加熱殺菌処理品、それぞれのパウチを全量、中身毎釜に入れ、炊飯器にて炊飯後、得られた五目釜飯の鰹風味の強さや質について、官能評価による比較を行った。
具体的には、加圧加熱殺菌処理品(本発明品)の鰹風味の強さ及び質が、無殺菌品(コントロール)と比較し、どれだけ劣化するかについて、5段階にて評価した。5段階評価は、5点:ほとんど差が無い、4点:やや差はあるが十分な品質、3点:差はあるが許容範囲、2点:差が有り好ましくない 、1点:差が著しく不適当とし、パネル数20名の評価平均値をとった。
【0049】
また、上記鰹削り節の代わりに、風味が比較的当該鰹削り節と類似している市販粉末状鰹節(32メッシュパス)(「鰹パウダーR−1」、株式会社マルハチ村松製 )、市販鰹節エキス(「かつお節エキスS」、味の素株式会社製 )、市販鰹節フレーバー(「カツオブシ フレーバー No.54027」、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を用意し、調味液への混合時、つまり、加圧加熱処理前の袋詰めの状態における鰹風味の強さが、鰹削り節を混合した場合と同程度となるように添加量を調整し、上記と同様に、加圧加熱殺菌処理品(120℃、20分)を作成した。それぞれのパウチを炊飯器にて炊飯を行い、得られた五目釜飯の鰹風味の強さや質について、同様に官能評価による比較を行った。評価方法及び評価基準は上記と同様とした。官能評価結果を表4にまとめた。
【0050】
具体的に市販粉末状鰹節・市販鰹節エキス・市販鰹節フレーバーの調味液75gに対する各々の添加量としては、市販粉末状鰹節の場合が0.5g、市販鰹節エキスの場合が0.6g、市販鰹節フレーバーの場合が0.55gとなった。
【0051】
【表4】
表4
【0052】
表4の結果より明らかな様に、特定形状の鰹削り節を液体調味液中に混合させることにより、加圧加熱殺菌処理されているにもかかわらず、これまで市販された鰹風味素材に比し、一段と良好な状態で鰹風味を炊飯後まで残存できることができた。
【0053】
実施例2〔竹の子の炊き込み御飯(100℃以下加熱処理食品)の例〕
調味液45g(醤油33%、砂糖13%、塩8.8%、みりん3.5%、グルタミン酸ナトリウム5%、水36.7%)に、実施例1と同形状の鰹削り節を同量だけ混合させたものをパウチに詰め、90℃、3分間加熱殺菌処理を行ったもの(鰹削り節入り加熱処理品;本発明品)及び無殺菌のもの(無殺菌品;コントロール)を作成した。
【0054】
また、鰹削り節の代わりに、実施例1で用いたと同じ粉末状鰹節、鰹節エキス、鰹節フレーバーをそれぞれ添加し、上記殺菌条件にて加熱殺菌処理を行ったもの3種を用意した。これらの各々の添加量は、実施例1の場合と同量とした。
生米2合を水洗し通常の水加減まで加水調整し、竹の子120gと上記合計5種の鰹削り節入り液体調味料を全量、炊飯釜に入れ、炊飯器にて炊飯後、竹の子の炊き込み御飯を作製し、実施例1と同様に、無殺菌品をコントロールとして、無殺菌品を除く4種の加熱殺菌処理品について、鰹風味の良さ及び風味の強さについて、官能評価による比較を行った。なお、評価基準も実施例1と同様にした。結果を表5に示す。
【0055】
【表5】
表5
【0056】
表5の結果によれば、100℃以下の加熱処理の場合、風味の良さ、風味の強さ共に、レトルト処理を施した実施例1の場合との差ほど著しくはないものの、市販の粉末状鰹節・鰹節エキス・鰹節フレーバー添加時と比較して、特定形状の鰹削り節を液体調味液中に混合させた場合(本発明品)が最も良好な鰹風味を炊飯後まで残存できることが分かった。
【0057】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によれば、加圧加熱処理したレトルトパウチ食品や加熱処理した包装食品等の形態で、家庭での炊飯後も良好な削り節特有の味と香りからなる風味が十分に残存した(換言すれば、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた)炊き込み御飯を与える削り節含有炊飯用液体調味料を提供することができる。
【0058】
また、請求項2に係る本発明によれば、加圧加熱処理(レトルト処理)されていることから、炊き込みごはん等、一般には手間がかかり長い調理時間を要する料理を、簡便にさらには短時間に調理することができる。
【0059】
さらに、請求項3に係る本発明によれば、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた炊き込み御飯が得られる。
【0060】
さらに、請求項4に係る本発明によれば、削り節の風味が十分に残存した、だし感の効いた炊き込み御飯を炊飯することができる。
【0061】
従って、本発明によって、特定形状の削り節を適切な量だけ炊飯用液体調味料の液中に混合することにより、加熱処理や加圧加熱処理(レトルト処理)後でも、炊飯後の炊き込み御飯で、既存削り節エキスや削り節フレーバーの添加したものと比較し、良好な削り節特有の風味を残存することができる。本発明によって、家庭で炊飯後に削り節だし感のある本格的な炊き込み御飯を提供することができる。
Claims (4)
- 大きさが16メッシュオン、4.0メッシュパスの範囲にあり、かつ、厚みが0.1mm以上、0.4mm未満の範囲にある削り節を含有することを特徴とする、削り節含有炊飯用液体調味料。
- 加圧加熱処理がされている請求項1記載の削り節含有炊飯用液体調味料。
- 請求項1又は2に記載の削り節含有炊飯用液体調味料を用いて炊飯された炊き込み御飯。
- 炊き込み御飯を炊飯するにあたり、請求項1又は2記載の削り節含有炊飯用液体調味料を用い、かつ、該液体調味料中の削り節を、生米に対する割合として、0.03重量/重量%以上、1.0重量/重量%以下の割合としたことを特徴とする炊き込み御飯の炊飯方法。
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