JP4290422B2 - 素材把持装置及び自動旋盤 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械に組み込まれる素材把持装置に関する。さらに本発明は、素材把持装置を備えた自動旋盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械において、加工工程中に被加工素材を固定的に保持するために、開閉動作可能な把持部を有するチャックと、チャックの把持部を開閉動作させる作動機構と、作動機構を駆動する駆動部とを有する素材把持装置を組み込んだものは知られている。例えば、NC旋盤等の、自動旋削加工を実施可能な工作機械(本明細書で自動旋盤と総称する)では、中空の筒状胴体に弾性変形可能なすり割り構造の把持部を付設してなるチャック(一般にコレットチャックと称する)を、中空の主軸の内部前端領域に同心状に設置するとともに、駆動部の自動制御下でチャックの把持部を弾性変形させるように作動する作動機構を主軸に併設して備える素材把持装置が周知である。
【0003】
自動旋盤の主軸に組み込まれる従来の素材把持装置においては、作動機構は、主軸に軸線方向移動可能に内設される中空筒状の作動部材を備え、駆動部の出力が動力伝達機構を介して作動部材に軸線方向直動力として伝達される構成が一般的である(例えば特許文献1参照)。この構成では、主軸の後方から主軸及び作動部材の内部に棒状の被加工素材を送給した状態で、駆動部の駆動により作動部材が主軸に沿って軸線方向へ移動する。それにより、チャックの把持部が、その外周に設けた円錐台状の圧力受け面に圧力を受けて、内径寸法を縮小する(すなわち縮径する)ように弾性変形し、被加工素材を強固に把持する。
【特許文献1】
特開平7−328819号公報
【0004】
上記した主軸内設型の作動機構では、作動部材がチャックに固定的に連結されてチャックと共に主軸内で軸線方向移動する構成と、主軸内に固定配置されたチャックに対して作動部材だけが軸線方向移動する構成とのいずれかが採用されている。前者の構成では、主軸の前端領域にチャックが同心状に収容支持されるとともに主軸のチャック後方領域に作動部材が同心状に収容支持され、チャックを囲繞する主軸の前端環状部分に、把持部外周の圧力受け面に係合可能な円錐台状の作用面が形成される。そして、被加工素材を把持する際には、作動部材をチャックと共に主軸内へ引き込む方向へ変位させて圧力受け面を作用面に押し付けることにより、把持圧力を得ている。また後者の構成では、主軸の前端領域に同心状に収容支持された作動部材が、それ自体の前端領域にチャックを同心状に収容支持し、チャックを囲繞する作動部材の前端環状部分に、把持部外周の圧力受け面に係合可能な円錐台状の作用面が形成される。そして、被加工素材を把持する際には、作動部材をチャックに対し主軸から押し出す方向へ変位させて作用面を圧力受け面に押し付けることにより、把持圧力を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されるような従来の自動旋盤用の素材把持装置では、主軸に収容支持されるチャック(作動部材引込型の場合)又は作動部材(作動部材押出型の場合)の外周面と、支持部材としての主軸の内周面とが、チャックの筒状胴体又は作動部材の筒状本体の実質的全体に渡って、互いに面接触した状態に組み合わされている。同様に、作動部材押出型の構成では、作動部材に収容支持されるチャックの外周面と、作動部材の内周面とが、チャックの筒状胴体の実質的全体に渡って、互いに面接触した状態に組み合わされている。このような構成では、主軸の回転軸線とチャックに把持した棒状被加工素材の中心軸線とを互いに正確に心合わせする目的で、部材間の接触界面の寸法精度(内径公差、外径公差、円筒度、真円度等)を向上させる必要がある。
【0006】
近年、精密加工を実施する自動旋盤においては、主軸に把持した被加工素材の旋削加工中の振れ(軸線のずれ)を1μm以下に抑制するという、極めて高精度の加工動作が要求されている。被加工素材の旋削加工中の振れは、素材自体が本質的に有する重心のずれだけでなく、主軸に内設されたチャックが主軸回転中に微細な心ずれを生じることによっても発生する。したがって、このような高精度加工動作の要求を満たすには、上記したように主軸、チャック及び作動部材の相互接触界面の寸法精度を可及的に向上させることが有効である。しかしその場合には、各構成部材の成形精度を著しく高める必要が有り、結果として自動旋盤の製造コストが高騰することが懸念される。
【0007】
本発明の目的は、自動旋盤に組み込まれる素材把持装置において、自動旋盤の製造コストを高騰させることなく、主軸に内設されたチャックに生じ得る主軸回転中の心ずれを排除して、被加工素材の旋削加工中の振れを可及的に抑制でき、以って被加工素材の加工精度を著しく向上させることができる素材把持装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、そのような素材把持装置を備え、精密加工を実施できるとともに安価に製造できる自動旋盤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、開閉動作可能な把持部を有する筒状のチャックと、チャックを軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の作動部材と、作動部材を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材とを具備する素材把持装置において、作動部材は、中心軸線を有する筒状本体を備え、筒状本体が、チャックに対向する内周面と、複数の突面を分散配置して支持部材に対向する外周面とを有し、それら突面で局所的に、支持部材の内周面に摺動可能に接触支持され、作動部材の筒状本体に設けた複数の突面は、中心軸線の周りに連続して延びる環状面と、環状面から軸線方向へ離間した位置で、中心軸線の周りに周方向へ分散配置される複数の弧状面を含み、複数の弧状面、支持部材の内周面から押圧力を受けて、それら弧状面を含む筒状本体の複数の部分が径方向内方へ一様に撓んだ状態で、支持部材の内周面に摺動可能に接触することを特徴とする素材把持装置を提供する。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の素材把持装置において、作動部材の筒状本体は、環状面に対応する内周面上の所定位置に突設される環状突起を有し、環状突起に、チャックを接触支持する環状支持面が形成される素材把持装置を提供する。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の素材把持装置において、作動部材の筒状本体は、複数の弧状面の各々に隣接して、内周面と外周面との間を貫通する複数のスロットを備える素材把持装置を提供する。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の素材把持装置において、作動部材の筒状本体は、複数の弧状面に対応する内周面上の所定位置に、チャックを非接触に包囲する囲繞面を有する素材把持装置を提供する。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の素材把持装置において、チャックは、中心軸線を有する筒状胴体と、筒状胴体に軸線方向へ同軸状に隣接する弾性変形可能な把持部とを備え、筒状胴体が、把持対象素材に対向する内周面と、複数の第2突面を分散配置して作動部材の筒状本体に対向する外周面とを有し、それら第2突面で局所的に、作動部材の筒状本体の内周面に摺動可能に接触支持される素材把持装置を提供する。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の素材把持装置において、チャックの筒状胴体に設けた複数の第2突面は、筒状胴体の中心軸線の周りに連続して延びる環状面を含む素材把持装置を提供する。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の素材把持装置において、チャックの筒状胴体に設けた複数の第2突面は、把持部から離れた側の軸線方向端部領域で、筒状胴体の中心軸線の周りに連続して延びる環状面を含み、環状面内に、筒状胴体の内周面と外周面との間を貫通して軸線方向へ延びる複数の後部スリットが形成される素材把持装置を提供する。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項のいずれか1項に記載の素材把持装置において、チャックの把持部は、筒状胴体の外周面に接続される円錐台状の圧力受け面と、圧力受け面を分割する複数の軸線方向スリットとを備え、作動部材は、筒状本体の内周面に接続される円錐台状の作用面を備え、作動部材の作用面からチャックの圧力受け面に加わる圧力によって把持部が素材把持位置へと弾性変形動作する素材把持装置を提供する。
【0018】
請求項に記載の発明は、開閉動作可能な把持部を有する筒状のチャックと、チャックを軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の作動部材と、作動部材を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材とを具備する素材把持装置において、チャックは、中心軸線を有する筒状胴体と、筒状胴体に軸線方向へ同軸状に隣接する弾性変形可能な把持部とを備え、筒状胴体が、把持対象素材に対向する内周面と、複数の突面を分散配置して作動部材に対向する外周面とを有し、それら突面で局所的に、作動部材の内周面に摺動可能に接触支持され、チャックの筒状胴体に設けた複数の突面は、心軸線の周りに連続して延びる第1環状面と、把持部から離れた側の筒状胴体の軸線方向後端あって、第1環状面から軸線方向へ離間した位置で、中心軸線の周りに延びる第2環状面とを含み、第2環状面内に、筒状胴体の内周面と外周面との間を貫通して軸線方向へ延びる複数の後部スリットが形成されるとともに、筒状胴体には、隣り合う後部スリットの間に、第2環状面を分割してそれぞれに有する複数の縦割片が形成され、第2環状面、第1環状面の外径よりも大きな外径を有し、作動部材の内周面から押圧力を受けて、筒状胴体の複数の縦割片が径方向内方へ一様に撓んだ状態で、作動部材の内周面に摺動可能に接触することを特徴とする素材把持装置を提供する。
【0019】
請求項1に記載の発明は、開閉動作可能な把持部を有する筒状のチャックと、チャックを軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材とを具備する素材把持装置において、チャックは、中心軸線を有する筒状胴体と、筒状胴体に軸線方向へ同軸状に隣接する弾性変形可能な把持部とを備え、筒状胴体が、把持対象素材に対向する内周面と、複数の突面を分散配置して支持部材に対向する外周面とを有し、それら突面で局所的に、支持部材の内周面に摺動可能に接触支持され、チャックの筒状胴体に設けた複数の突面は、心軸線の周りに連続して延びる第1環状面と、把持部から離れた側の筒状胴体の軸線方向後端あって、第1環状面から軸線方向へ離間した位置で、中心軸線の周りに延びる第2環状面とを含み、第2環状面内に、筒状胴体の内周面と外周面との間を貫通して軸線方向へ延びる複数の後部スリットが形成されるとともに、筒状胴体には、隣り合う後部スリットの間に、第2環状面を分割してそれぞれに有する複数の縦割片が形成され、第2環状面、第1環状面の外径よりも大きな外径を有し、支持部材の内周面から押圧力を受けて、筒状胴体の複数の縦割片が径方向内方へ一様に撓んだ状態で、支持部材の内周面に摺動可能に接触することを特徴とする素材把持装置を提供する。
【0020】
請求項1に記載の発明は、請求項1〜1のいずれか1項に記載の素材把持装置において、支持部材が自動旋盤の主軸を構成する素材把持装置を提供する。
【0021】
請求項1に記載の発明は、請求項1〜1のいずれか1項に記載の素材把持装置を主軸に組み込んだことを特徴とする自動旋盤を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の一実施形態による素材把持装置10を、自動旋盤の主軸12に組み込んだ状態で示す。素材把持装置10は、開閉動作可能な把持部14を有する筒状のチャック16と、チャック16を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の作動部材18と、作動部材18を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材すなわち主軸12とを備えて構成される。
【0023】
主軸12は、中心軸線12aを有する中空筒状体であり、自動旋盤の主軸台(図示せず)に回転可能に搭載されて、サーボモータ等の回転駆動源(図示せず)に作用的に連結される。主軸12には、軸線12aを中心として、作動部材18の後述する外周面に対向する円筒状の内周面12bが形成される。旋削工程に際しては、主軸12の後端(図示せず)から棒状の被加工素材(以下、棒材と称する)が主軸内部に軸線方向へ送給され、後述する作動部材18の作動によりチャック16に棒材を強固に把持した状態で、主軸12が軸線12aを中心に回転駆動源により回転駆動される。
【0024】
チャック16は、主軸12に供給された棒材を内部に受容可能な中空筒状体であり、中心軸線20aを有する筒状胴体20と、筒状胴体20に軸線方向へ同軸状に隣接して設けられる弾性変形可能な把持部14とを備える。筒状胴体20には、軸線20aを中心として、把持対象棒材の外周面に隙間を介して対向する段付円筒状の内周面20bと、作動部材18の後述する内周面に対向する段付円筒状の外周面20cとが形成される。筒状胴体20の外周面20cの構成は、後に詳述する。
【0025】
チャック16の把持部14は、筒状胴体20の中心軸線20aを基準として内径寸法を弾性的に変更可能なすり割り構造を有する。すなわち把持部14は、その軸線方向全長に渡って刻設される複数(図示実施形態では3個)の軸線方向スリット22を備える。それら軸線方向スリット22は、筒状胴体20の中心軸線20aに関し放射状に形成されて周方向へ等間隔に配置され、筒状胴体20の軸線方向中央領域まで延長される。それにより、隣り合う軸線方向スリット22の間に、径方向へ変位可能な縦割片24がそれぞれ形成される。各縦割片24は、その基端を支点として、筒状胴体20の径方向へ板ばね状に弾性変形できるようになっている。
【0026】
チャック16に形成された複数の縦割片24は、把持部14において、弓形の曲面をそれぞれの内面に有し、それら弓形曲面が互いに協働して、筒状胴体20の内周面よりも小径の、把持部14の実質的円筒状の棒材把持面26を構成する。把持部14は、複数の縦割片24に一様に径方向内方への外力を加えて初期位置から弾性的に撓ませ、棒材把持面26を把持対象棒材に密接するまで縮径することにより、素材把持位置で棒材を強固に固定的に把持する。把持部14への径方向圧力が解除されると、各縦割片24が素材把持位置から初期位置へ弾性的に復元して棒材把持面26が拡径し、棒材が把持部14から解放される。
【0027】
複数の縦割片24は、把持部14においてさらに、径方向内方への外力を受けるためのテーパ状の曲面をそれぞれの外面に有し、それらテーパ曲面が互いに協働して、把持部14の軸線方向前端(図で左端)へ向かって徐々に拡径して延びる円錐台状の圧力受け面28を構成する。圧力受け面28は、把持部14の軸線方向前端面から軸線方向後方へ幾分離れた位置に形成され、複数の軸線方向スリット22により周方向へ分割されて、筒状胴体20の外周面20cに接続される。把持部14にはさらに、圧力受け面28の大径端に隣接して、筒状胴体20の中心軸線20aに略直交して環状に延びる肩面30が、複数の縦割片24に跨って形成される。
【0028】
作動部材18は、主軸12に供給された棒材を内部に受容可能な中空筒状体であり、中心軸線32aを有する筒状本体32を備える。筒状本体32には、軸線32aを中心として、チャック16の筒状胴体20の外周面20cに対向する段付円筒状の内周面32bと、主軸12の内周面12bに対向する段付円筒状の外周面32cとが形成される。作動部材18は、筒状本体32の軸線方向前端(図で左端)領域に、チャック16の筒状胴体20を軸線方向摺動可能に同心状に収容する。その状態で、作動部材18の筒状本体32は、主軸12の軸線方向前端(図で左端)領域に、軸線方向摺動可能に同心状に収容される。
【0029】
チャック16を囲繞する作動部材18の前端環状部分には、チャック16の把持部14に設けた圧力受け面28に係合可能な円錐台状の作用面34が形成される。作用面34は、作動部材18の軸線方向前端面から軸線方向後方へ徐々に縮径して延び、その小径端で、筒状本体32の内周面32bに接続される。作用面34の大径端の内径寸法は、チャック16の圧力受け面28の大径端の外径寸法よりも若干小さくなっており、それにより作用面34は、圧力受け面28に少なくとも環状に当接される加圧面を構成する。
【0030】
作動部材18の筒状本体32には、その軸線方向後端(図で右端)領域に、内周面32bに略直交して径方向内方へ延びる環状のばね受け面36が形成される。作動部材18に収容されたチャック16の筒状胴体20の軸線方向後端面と、作動部材18の筒状本体32のばね受け面36との間には、例えば圧縮コイルばねからなる弾性部材38が、僅かに弾性的に撓んだ初期状態で介在配置される。弾性部材38は、チャック16を常時、作動部材18のばね受け面36から離れる方向(すなわち主軸12の軸線方向前方)に付勢する。
【0031】
主軸12の軸線方向前端には、チャック16の把持部14に設けた肩面30に係合可能な係止面40を内側に備えるキャップ42が、脱着可能に取り付けられる。作動部材18の筒状本体32にチャック16及び弾性部材38を適正に収容した状態で、キャップ42を主軸12の前端に取り付けると、その係止面40がチャック16の肩面30に密接衝合し、弾性部材38の付勢に抗してチャック16を作動部材18から脱落しないように保持する。
【0032】
チャック16に棒材を把持する際には、作動部材18の筒状本体32は、その軸線方向後端面32dで、図示しない駆動部からの駆動力を受けて、主軸12から軸線方向前方へ押し出されるように移動する。このときチャック16は、その肩面30とキャップ42の係止面40との衝合により、主軸12に対して固定的に配置されているので、作動部材18は主軸12及びチャック16に対して軸線方向前方移動して、作動部材18の作用面34がチャック16の圧力受け面28を押圧する。それにより、チャック16の把持部14が弾性的に縮径して、棒材把持面26で棒材を強固に把持する。チャック16を解放する際には、作動部材18の筒状本体32への駆動部からの駆動力を解除すれば、弾性部材38の付勢により、作動部材18が主軸12及びチャック16に対して軸線方向後方へ移動し、作動部材18の作用面34からチャック16の圧力受け面28への押圧力が解除される。それにより、チャック16の把持部14が弾性復元して拡径し、棒材を解放する。このように素材把持装置10は、棒材を把持する際の作動部材18の動作に関して、作動部材押出型の構成を有する。
【0033】
本発明の特徴的構成として、素材把持装置10は、主軸12に収容支持される作動部材18の筒状本体32の外周面32cと、支持部材としての主軸12の内周面12bとの間を、作動部材18の筒状本体32の実質的全体に渡って面接触させるのではなく、筒状本体32上の局所的に分散した複数箇所で接触させるようにしている。さらに詳述すると、図2〜図8に示すように、作動部材18の筒状本体32は、その外周面32cに、複数の突面44、46を分散配置して備え、それら突面44、46で局所的に、主軸12の内周面12b(図1)に摺動可能に接触支持されるようになっている。
【0034】
筒状本体32に設けた複数の突面44、46は、中心軸線32aの周りに連続して延びる2個の環状面44と、中心軸線32aの周りに延びる2個の仮想環状面に沿って周方向へ分散配置される計8個の弧状面46とを含んで構成される。各環状面44は、筒状本体32の外周面32cに突設される環状突起の円筒外周面からなる。また各弧状面46は、筒状本体32の外周面32cに突設される環状突起の局部的円筒外周面からなる。これら2個の環状面44とそれぞれに4個の弧状面46を画定する2個の仮想環状面とは、軸線方向へ互いに離間して交互に配置される。また、各仮想環状面における4個の弧状面46は、周方向へ中心角略90°毎に等間隔配置される。
【0035】
筒状本体32の軸線方向前端と略中央とに位置する2個の環状面44は、いずれも主軸12の内周面12bの内径に実質的に等しい外径を有し、それぞれの略全面で主軸内周面12bに摺動可能に接触する。また、両環状面44の間と筒状本体32の軸線方向後端近傍とに位置する2個の仮想環状面は、いずれも環状面44の外径よりも僅かに(例えば10μm程度)大きな外径を有し、それら仮想環状面によって画定される計8個の弧状面46がそれぞれの略全面で主軸内周面12bに圧力下で摺動可能に接触する。
【0036】
作動部材18の筒状本体32には、複数の弧状面46の各々に隣接して、内周面32bと外周面32cとの間を貫通する複数のスロット48が形成される。それらスロット48は、筒状本体32の中心軸線32aに関し放射状に形成されて個々の弧状面46の周方向両側にそれぞれ位置決めされ、弧状面46を略中心としてその軸線方向両側へ所定長さに渡り刻設される。これらスロット48は、各弧状面46に割り当てられた一対のスロット48の間の、弧状面46を含む筒状本体32の短冊状部分50が、外力を受けて板ばね状に撓むことを可能にする。したがって、作動部材18を主軸12に適正に収容すると、筒状本体32に設けた2個の環状面44の全体が主軸内周面12bに接触すると同時に、計8個の弧状面46がそれぞれの全体で、主軸内周面12bから押圧力を受けて、それら弧状面46を含む筒状本体32の8個の短冊状部分50が径方向内方へ僅かに一様に撓んだ状態で、主軸内周面12bに接触する。
【0037】
筒状本体32の外周面32cにはさらに、複数の弧状面46を画定する2個の仮想環状面に沿って、周方向へ隣り合う弧状面46の間に複数の平坦面52が形成される。各平坦面52は、作動部材18を主軸12に適正に収容したときに、主軸内周面12bとの間に微少隙間を介して配置される。これら平坦面52は、弧状面46を含む筒状本体32の短冊状部分50が外力により比較的容易に撓むことができるようにするとともに、圧力下で相互接触する弧状面46と主軸内周面12bとの接触面積を削減して、主軸12内で作動部材18が比較的円滑に摺動できるようにする。
【0038】
なお、筒状本体32の外周面32cの軸線方向後端領域には、隣り合う弧状面46の間で互いに中心角180°離れた位置に、軸線方向へ延びる一対のキー溝54が刻設される。これらキー溝54には、主軸12に嵌着したキー56(図1)が挿入され、それにより、作動部材18が主軸12内に回転不能かつ軸線方向移動可能に支持される。また、筒状本体32の軸線方向略中央領域には、環状面44の所定位置に開口するキー固定孔58が径方向へ貫通形成され、このキー固定孔58にキー60(図1)が嵌着される。
【0039】
上記構成を有する作動部材18は、筒状本体32の外周面32cに分散配置した複数の突面44、46において局所的に、主軸12の内周面12bに摺動可能に接触支持されるから、筒状本体32の実質的全体に渡って主軸内周面12bに面接触させる構成に比べて、筒状本体外周面32cの全体の寸法精度が主軸12内での作動部材18の心出し精度に与える影響は削減される。すなわち、筒状本体32の複数の突面44、46の寸法精度を向上させるだけで、主軸12の回転軸線12aと作動部材18の中心軸線32aとを互いに正確に位置合わせすることができる。したがって、作動部材18の作製コストを抑制しつつ、主軸12による高精度の加工動作を実現することができる。
【0040】
また、筒状本体32の複数の突面44、46を、軸線方向へ互いに離間して配置したから、主軸12内で筒状本体32をその軸線方向全長に渡り平衡して心出し支持することができる。さらに、それら突面44、46を、環状面44と、環状面44よりも僅かに大きな外径の仮想環状面に沿って配置される弧状面46とから構成するとともに、弧状面46を径方向内方へ弾性変位できるように構成したから、作動部材18を主軸12に収容したときに、主軸内周面12bから複数の弧状面46に常に圧力が負荷された状態になり、以って、重力等の機械構造外の要因による主軸12内での作動部材18の心出し精度への影響をも相殺することができる。
【0041】
なお、連続する環状面44と、不連続に環状配置される複数の弧状面46とは、いずれか一方の構成のみを作動部材18に装備することもできる。しかし、図示実施形態のように、両者を軸線方向へ複数箇所ずつ交互に離間配置する構成とすることにより、作動部材18の筒状本体32に、弧状面46による上記した重力等の影響を相殺する機能が付与される一方で、弾性変位しない環状面44を有する部分で、筒状本体32に負荷されるスラスト荷重及びラジアル荷重の双方に対する十分な剛性が付与される利点が得られる。また、1つの仮想環状面に配置される弧状面46の個数及び配置は任意であるが、図示実施形態のように周方向へ平衡して配置されることが、重力等の外因に対しては有効である。
【0042】
このように、主軸12内に高精度に心出し支持される作動部材18を採用するだけで、把持対象棒材の自動旋盤における旋削加工中の振れを効果的に防止できる。さらに、棒材の振れを1μm以下に抑制する極めて高精度の加工動作を実現すべく、素材把持装置10では、作動部材18に収容支持されるチャック16の筒状胴体20の外周面20cと、作動部材18の筒状本体32の内周面32bとの間も、チャック16の筒状胴体20の実質的全体に渡って面接触させるのではなく、筒状胴体20上の局所的に分散した複数箇所で接触させる構成を採用している。
【0043】
さらに詳述すると、図9〜図11に示すように、チャック16の筒状胴体20は、その外周面20cに、複数の第2突面62、64を分散配置して備え、それら突面62、64で局所的に、作動部材18の筒状本体32の内周面32b(図7)に摺動可能に接触支持されるようになっている。筒状胴体20に設けた複数の第2突面62、64は、把持部14から離れた側の筒状胴体20の軸線方向後端領域で、中心軸線20aの周りに連続して延びる2個の環状面62、64を含んで構成される。それら環状面62、64は、軸線方向へ互いに離間して配置され、それぞれが筒状胴体20の外周面20cに突設される環状突起の円筒外周面からなる。
【0044】
他方、作動部材18の筒状本体32には、軸線方向中央の環状面44に対応する内周面32b上の所定位置に、チャック16の筒状胴体20に設けた両環状面62、64を接触支持する環状支持面66(図7)が形成される。環状支持面66は、筒状本体32の内周面32bに突設される環状突起の円筒内周面からなる。また、筒状本体32には、前述した2個の仮想環状面に対応する内周面32b上の所定位置に、チャック16の筒状胴体20を非接触に包囲する囲繞面68(図7)がそれぞれ形成される。
【0045】
筒状胴体20の軸線方向前側に位置する環状面62は、作動部材18の筒状本体32に設けた環状支持面66の内径に実質的に等しい外径を有し、その略全面で環状支持面66に摺動可能に接触する。また、筒状胴体20の軸線方向後端に位置する環状面64は、環状面62の外径よりも僅かに(例えば10μm程度)大きな外径を有し、その略全面で作動部材18の環状支持面66に圧力下で摺動可能に接触する。
【0046】
チャック16の筒状胴体20には、軸線方向後端の環状面64内に、内周面20bと外周面20cとの間を貫通する複数(図示実施形態では3個)の後部スリット70が形成される。それら後部スリット70は、筒状胴体20の中心軸線20aに関し放射状に形成されて周方向へ等間隔に配置され、筒状胴体20の軸線方向後端面からもう1つの環状面62の近傍まで延長される。それにより、隣り合う後部スリット70の間に、環状面64を分割してそれぞれに有する径方向へ変位可能な縦割片72が形成される。各縦割片72は、その基端を支点として、筒状胴体20の径方向へ板ばね状に弾性変形できるようになっている。したがって、チャック16を作動部材18に適正に収容すると、筒状胴体20に設けた一方の環状面62の全体が作動部材18の環状支持面66に接触すると同時に、他方の環状面64がその全体で、作動部材18の環状支持面66から押圧力を受けて、複数の縦割片72が径方向内方へ僅かに一様に撓んだ状態で、環状支持面66に接触する。
【0047】
なお図示実施形態では、筒状胴体20に設けた複数の後部スリット70は、把持部14の複数の軸線方向スリット22と同一の周方向位置に形成されているが、後部スリットの個数及び位置は任意である。また、筒状胴体20の外周面20cの軸線方向後端領域には、隣り合う後部スリット70の間の所定位置に、軸線方向へ延びるキー溝74が刻設される。キー溝74には、作動部材18の筒状本体32に嵌着したキー60(図1)が挿入され、それにより、チャック16が作動部材18内に回転不能かつ軸線方向移動可能に支持される。
【0048】
上記構成を有するチャック16は、筒状胴体20の外周面20cに分散配置した複数の突面62、64において局所的に、作動部材18の筒状本体32に局部的に設けた環状支持面66に摺動可能に接触支持されるから、筒状胴体20が実質的全体に渡って作動部材18の筒状本体内周面32bに面接触する構成に比べて、筒状胴体外周面20c及び筒状本体内周面32bの全体の寸法精度が作動部材18内でのチャック16の心出し精度に与える影響は削減される。すなわち、筒状胴体20の複数の突面62、64及び筒状本体32の環状支持面66の寸法精度を向上させるだけで、作動部材18の中心軸線32aとチャック16の中心軸線20aとを互いに正確に位置合わせすることができる。したがって、チャック16及び作動部材18の作製コストを抑制しつつ、主軸12による高精度の加工動作を実現することができる。
【0049】
また、筒状胴体20の複数の突面62、64を、軸線方向へ互いに離間して配置したから、作動部材18の作用面34に当接される軸線方向前端領域の圧力受け面28と協働して、作動部材18内でチャック16をその軸線方向全長に渡り平衡して心出し支持することができる。さらに、それら突面62、64を、環状面62と、環状面62よりも僅かに大きな外径を有する後端の環状面64とから構成するとともに、環状面64を径方向内方へ弾性変位できるように構成したから、チャック16を作動部材18に収容したときに、作動部材18の環状支持面66から環状面64に常に圧力が負荷された状態になり、以って、重力等の機械構造外の要因による作動部材18内でのチャック16の心出し精度への影響をも相殺することができる。
【0050】
なお、連続する環状面62と不連続な環状面64とは、いずれか一方の構成のみをチャック16に装備することもできる。しかし、図示実施形態のように、両者を軸線方向へ離間して配置する構成とすることにより、チャック16の筒状胴体20に、環状面64による上記した重力等の影響を相殺する機能が付与される一方で、弾性変位しない環状面62を有する部分で、筒状胴体20に十分な剛性が付与される利点が得られる。
【0051】
このように、主軸12内に高精度に心出し支持される作動部材18と、作動部材18内に高精度に心出し支持されるチャック16とを備えた素材把持装置10によれば、把持対象棒材の自動旋盤における旋削加工中の振れを1μm以下に抑制する極めて高精度の加工動作を実現することができる。しかも、チャック16及び作動部材18の作製コストを抑制できるので、自動旋盤の製造コストを高騰させることなく、棒材の加工精度を著しく向上させることができる。
【0052】
上記構成を有するチャック16は、作動部材18との組み合わせだけでなく、全体に一様な壁厚の円筒状本体を有する従来構造の作動部材と組み合わせることにより、本発明に係る素材把持装置を構成することもできる。或いはチャック16を、主軸にチャックが直接に収容支持される作動部材引込型の素材把持装置に適用することもできる。さらに、チャック16及び作動部材18を、自動旋盤の主軸以外の支持部材に収容支持させて、本発明の素材把持装置を構成することもできる。
【0053】
図12は、本発明の素材把持装置に装備可能な変形例によるチャック16´を示す。チャック16´は、その把持部14に、肩面30からさらに軸線方向前方へ徐々に縮径して延びるノーズ部分76を備えている。そして、ノーズ部分76に対応する複数の縦割片24の弓形内面が互いに協働して、筒状胴体20の内周面20bよりも一層小径の、把持部14の実質的円筒状の棒材把持面78を構成している。
【0054】
このような構成を有するチャック16´は、例えば互いに対向配置可能な一対の主軸を有する多機能型の自動旋盤において、補助的な背面側の主軸に組み込まれた素材把持装置10に装備できる。それにより、主要な正面側の主軸から背面側の主軸に棒材を受け渡した後、正面側の主軸に付設した刃物台上の工具によって棒材の突切加工を行う際に、刃物台とチャック16´との間で生じ得る衝突を、ノーズ部分76によって効果的に回避することができる。
【0055】
なお、本発明の素材把持装置に装備可能なチャック16、16´は、前述した棒材振れ防止効果を有効に発揮できるようにするために、棒材把持面26、78を高精度に仕上げ加工しておくことが前提条件である。そのような仕上げ加工方法としては、上記した多機能型の自動旋盤において、チャック16、16´を、加工工程に際して装着する主軸に予め装着した状態で、他方の主軸のチャックに砥石を把持し、チャック16、16´を回転させながら対面側の砥石で棒材把持面26、78を仕上げ加工する方法が、特に有利に実施できる。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、自動旋盤に組み込まれる素材把持装置において、自動旋盤の製造コストを高騰させることなく、主軸に内設されたチャックに生じ得る主軸回転中の心ずれを排除して、被加工素材の旋削加工中の振れを可及的に抑制することが可能になる。したがって、この素材把持装置を自動旋盤に組み込めば、被加工素材の加工精度を著しく向上させることができ、以って、精密加工を実施できるとともに安価に製造できる自動旋盤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による素材把持装置を、自動旋盤の主軸に組み込んだ状態で示す断面図である。
【図2】図1の素材把持装置に装備される作動部材の正面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿った作動部材の断面図である。
【図4】図2の線IV−IVに沿った作動部材の断面図である。
【図5】図2の線V−Vに沿った作動部材の断面図である。
【図6】図2の線VI−VIに沿った作動部材の断面図である。
【図7】図3の線VII−VIIに沿った作動部材の断面図である。
【図8】図3の線VIII−VIIIに沿った作動部材の断面図である。
【図9】図1の素材把持装置に装備されるチャックの正面図である。
【図10】図9の線X−Xに沿ったチャックの断面図である。
【図11】図10の線XI−XIに沿ったチャックの断面図である。
【図12】図1の素材把持装置に装備できるチャックの変形例の断面図である。
【符号の説明】
10…素材把持装置
12…主軸
12a、20a、32a…中心軸線
12b、20b、32b…内周面
14…把持部
16…チャック
18…作動部材
20…筒状胴体
20c、32c…外周面
22…軸線方向スリット
26、78…棒材把持面
28…圧力受け面
32…筒状本体
34…作用面
44、62、64…環状面
46…弧状面
48…スロット
66…環状支持面
68…囲繞面
70…後部スリット

Claims (12)

  1. 開閉動作可能な把持部を有する筒状のチャックと、該チャックを軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の作動部材と、該作動部材を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材とを具備する素材把持装置において、
    前記作動部材は、中心軸線を有する筒状本体を備え、該筒状本体が、前記チャックに対向する内周面と、複数の突面を分散配置して前記支持部材に対向する外周面とを有し、それら突面で局所的に、前記支持部材の内周面に摺動可能に接触支持され、
    前記作動部材の前記筒状本体に設けた前記複数の突面は、
    前記中心軸線の周りに連続して延びる環状面と、
    前記環状面から軸線方向へ離間した位置で、前記中心軸線の周りに周方向へ分散配置される複数の弧状面を含み、
    前記複数の弧状面前記支持部材の前記内周面から押圧力を受けて、それら弧状面を含む前記筒状本体の複数の部分が径方向内方へ一様に撓んだ状態で、前記支持部材の前記内周面に摺動可能に接触すること、
    を特徴とする素材把持装置。
  2. 前記作動部材の前記筒状本体は、前記環状面に対応する前記内周面上の所定位置に突設される環状突起を有し、該環状突起に、前記チャックを接触支持する環状支持面が形成される請求項1に記載の素材把持装置。
  3. 前記作動部材の前記筒状本体は、前記複数の弧状面の各々に隣接して、前記内周面と前記外周面との間を貫通する複数のスロットを備える請求項1又は2に記載の素材把持装置。
  4. 前記作動部材の前記筒状本体は、前記複数の弧状面に対応する前記内周面上の所定位置に、前記チャックを非接触に包囲する囲繞面を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の素材把持装置。
  5. 前記チャックは、中心軸線を有する筒状胴体と、該筒状胴体に軸線方向へ同軸状に隣接する弾性変形可能な前記把持部とを備え、該筒状胴体が、把持対象素材に対向する内周面と、複数の第2突面を分散配置して前記作動部材の前記筒状本体に対向する外周面とを有し、それら第2突面で局所的に、該作動部材の該筒状本体の前記内周面に摺動可能に接触支持される請求項1〜4のいずれか1項に記載の素材把持装置。
  6. 前記チャックの前記筒状胴体に設けた前記複数の第2突面は、該筒状胴体の前記中心軸線の周りに連続して延びる環状面を含む請求項に記載の素材把持装置。
  7. 前記チャックの前記筒状胴体に設けた前記複数の第2突面は、前記把持部から離れた側の軸線方向端部領域で、該筒状胴体の前記中心軸線の周りに連続して延びる環状面を含み、該環状面内に、該筒状胴体の前記内周面と前記外周面との間を貫通して軸線方向へ延びる複数の後部スリットが形成される請求項5又は6に記載の素材把持装置。
  8. 前記チャックの前記把持部は、前記筒状胴体の前記外周面に接続される円錐台状の圧力受け面と、該圧力受け面を分割する複数の軸線方向スリットとを備え、前記作動部材は、前記筒状本体の前記内周面に接続される円錐台状の作用面を備え、該作動部材の該作用面から該チャックの該圧力受け面に加わる圧力によって該把持部が素材把持位置へと弾性変形動作する請求項5〜7のいずれか1項に記載の素材把持装置。
  9. 開閉動作可能な把持部を有する筒状のチャックと、該チャックを軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の作動部材と、該作動部材を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材とを具備する素材把持装置において、
    前記チャックは、中心軸線を有する筒状胴体と、該筒状胴体に軸線方向へ同軸状に隣接する弾性変形可能な前記把持部とを備え、該筒状胴体が、把持対象素材に対向する内周面と、複数の突面を分散配置して前記作動部材に対向する外周面とを有し、それら突面で局所的に、前記作動部材の内周面に摺動可能に接触支持され、
    前記チャックの前記筒状胴体に設けた前記複数の突面は、
    前記中心軸線の周りに連続して延びる第1環状面と、
    前記把持部から離れた側の前記筒状胴体の軸線方向後端であって、前記第1環状面から軸線方向へ離間した位置で、前記中心軸線の周りに延びる第2環状面とを含み、
    前記第2環状面内に、前記筒状胴体の前記内周面と前記外周面との間を貫通して軸線方向へ延びる複数の後部スリットが形成されるとともに、前記筒状胴体には、隣り合う該後部スリットの間に、前記第2環状面を分割してそれぞれに有する複数の縦割片が形成され、
    前記第2環状面は、前記第1環状面の外径よりも大きな外径を有し、前記作動部材の前記内周面から押圧力を受けて、前記筒状胴体の前記複数の縦割片が径方向内方へ一様に撓んだ状態で、前記作動部材の前記内周面に摺動可能に接触すること、
    を特徴とする素材把持装置。
  10. 開閉動作可能な把持部を有する筒状のチャックと、該チャックを軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材とを具備する素材把持装置において、
    前記チャックは、中心軸線を有する筒状胴体と、該筒状胴体に軸線方向へ同軸状に隣接する弾性変形可能な前記把持部とを備え、該筒状胴体が、把持対象素材に対向する内周面と、複数の突面を分散配置して前記支持部材に対向する外周面とを有し、それら突面で局所的に、前記支持部材の内周面に摺動可能に接触支持され、
    前記チャックの前記筒状胴体に設けた前記複数の突面は、
    記中心軸線の周りに連続して延びる第1環状面と、
    前記把持部から離れた側の前記筒状胴体の軸線方向後端あって前記第1環状面から軸線方向へ離間した位置で前記中心軸線の周りに延びる第2環状面とを含み、
    前記第2環状面内に、前記筒状胴体の前記内周面と前記外周面との間を貫通して軸線方向へ延びる複数の後部スリットが形成されるとともに、前記筒状胴体には、隣り合う該後部スリットの間に、前記第2環状面を分割してそれぞれに有する複数の縦割片が形成され
    前記第2環状面前記第1環状面の外径よりも大きな外径を有し、前記支持部材の前記内周面から押圧力を受けて、前記筒状胴体の前記複数の縦割片が径方向内方へ一様に撓んだ状態で、前記支持部材の前記内周面に摺動可能に接触すること、
    を特徴とする素材把持装置。
  11. 前記支持部材が自動旋盤の主軸を構成する請求項1〜10のいずれか1項に記載の素材把持装置。
  12. 求項1〜11のいずれか1項に記載の素材把持装置を主軸に組み込んだことを特徴とする自動旋盤
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